魔法少女ミサキ
この度ネット小説を書いてみることにしました!
正統派ネット小説を目指しているつもりですよ。
是非お読みになって下さい!
ある大晦日の夕刻、夕陽が街並みを照らす中、その戦いは行われていました。
世界に破滅を齎す闇の力の根源、“闇の魔女 ダーク・エンプレス”とその最後にして最強の眷属である“ディスペア”。そして闇の力から世界を救うべく妖精“キャサリン”と共に戦い続けてきた魔法少女“ミサキ”。
最初の戦いが始まったのはその日からおよそ一年前のことでした。
原初より世界に存在し増大を続けていた闇の力の根源が闇の魔女 ダーク・エンプレスとして具現化し、その眷属がミサキの住む街を破壊し始めたのです。
突然の出来事に人々は逃げ惑いました。ミサキも例外ではありません。
ですがそんなミサキの前にキャサリンが姿を現し、強大な魔力を秘めていた彼女にその魔力で戦う力を与えたのです。
その力によりミサキは魔法少女へと変身し、街を破壊していた闇の魔女 ダーク・エンプレスの眷属を退け、以降およそ一年に渡りミサキと闇の力との戦いが続きました。
そして遂に、度重なる計画の失敗に業を煮やした闇の魔女 ダーク・エンプレスが自らの持つ全ての力を用いて最強の眷族を生み出し、世界に破滅を齎す最終計画を実行に移したのです。
ミサキは追い詰められていました。
ミサキはこの一年で様々な魔法を習得し、戦いを始めた頃と比べて遥かに強くなっていましたが、それらの魔法はディスペアに一切通用しませんでした。
ディスペアの放つ暗黒弾を受けてミサキは敢え無くふっ飛ばされて地面に倒れ込みます。
「フッハッハッハッハッハッハッハッ!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが高らかに笑い声を上げます。
「最早貴様に為す術は無い!大人しく降参して世界の破滅を受け入れるのだな!ハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
「私は……負けない……!」立ち上がりながらミサキが言いました。「この身に魔力が残っている限り、私は決して諦めない!」
「フン、ならば我が最強のしもべであるこのディスペアの攻撃を受けて死ぬが良い!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが言いました。
「くっ……!」ミサキが彼女の武器である杖“マジカルロッド”を構えます。
「ハアッ!」ミサキがマジカルロッドの先端から魔法弾を放ってディスペアに攻撃を仕掛けました。
「ムダだ!行け、ディスペア!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。
「フンッ!」ディスペアが構えます。
「エンド・オブ・ホープ!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが攻撃宣言を行いました。
「ハアーッ!」ディスペアが両手から暗黒線を放ちました。
ディスペアの放った暗黒線がミサキの放った魔法弾を飲み込んで打ち消し、そのままミサキへと向かっていきました。
「……!」最早ミサキに為す術はありませんでした。
「ミサキ……!」その瞬間、傍らで戦いの様子を見守り続けていたキャサリンが突如ミサキの前に移動し、魔法壁を作り出して暗黒線を止めました。
「ケイト……!」ミサキが叫びました。“ケイト”というのはキャサリンの愛称であり、ミサキはキャサリンのことをこの一年の間ずっとそう呼んでいました。
「ミサキ……この世界を……守って……!」暗黒線を見事打ち消したキャサリンでしたが、それにより魔力を使い果たしてしまい、そのまま意識を失い倒れてしまいました。
「ケイト……。」ミサキが無念そうな表情を浮かべながら言いました。
「フン、仕留め損なったか……。まあ良いだろう。次の攻撃で今度こそ終わらせてやる!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが言いました。「いくら足掻いたところで貴様に勝ち目など無いのだ。この世界はこの日を以って終焉を迎える!」
「いいえ。」ミサキが言いました。「この世界は私が守る、この私の魔法で!」
「お前の魔法など我が最強のしもべの前には通用しない!攻撃力、防御力共に貴様よりもディスペアの方が遥かに上回っている!」
「私の魔法は奇跡を起こすわ!ハアーッ!」ミサキが走り出しました。
「やれ、ディスペア!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。
「フンッ!」ディスペアが暗黒弾を放ちました。
暗黒弾が地面に直撃し爆発が起こります。それでもミサキは走り続けました。
「ハアッ!」ディスペアが続けて暗黒弾を放ちました。
またも地面より爆発が起こりますが、ミサキは走り続けました。
その後もディスペアが暗黒弾を放ち続けますが、ミサキは止まりません。
「バカな……!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが困惑の表情を浮かべました。
「ハアッ!」ミサキがジャンプしました。
「ハアーッ!」ミサキが落下しながら杖でディスペアを突きました。
「ウアアッ……!」ミサキの攻撃によりディスペアが怯みました。
そしてミサキは怯んだディスペアを杖で叩いて追撃し続けました。
ミサキの怒涛の連続攻撃を受けたディスペアが後退して体勢を崩しました。
「こんなことが……!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。「これが貴様の持つ魔力だと言うのか……!?」
「私の持ち得る全ての力でこの戦いを終わらせてみせる!」ミサキが杖を構え直します。「アルティメット・マジカル・ストリーム!」
ミサキの構えている杖の先端が輝き出すと同時に背景が変化します。
「ハアーッ!」ミサキが叫ぶと同時に杖の先端から魔法線が放たれます。
「ウアアアアアアアッ……!」魔法線を受けてディスペアが壮絶な断末魔と共に爆発しました。
「あ……有り得ん……!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが言いました。「ディスペアが敗れるなど……!」
「か……勝った……!」ミサキが言いました。
「な……何故だ……?何故貴様はこれ程までの力を……?」闇の魔女 ダーク・エンプレスが言いました。
「分からない。けど、きっと世界を守りたいという私の想いに私の魔力が応えてくれたんだと思う。」
「想いに応えた、だと……?」闇の魔女 ダーク・エンプレスが言いました。「そんなバカな話があってたまるか!」
「えっ……?」
「もし貴様の魔力が貴様の想いに応えたことでより強大な力を発揮出来たと言うのであれば、闇の力とて同じハズ!我が意はこの世を滅ぼすこと!必ずやこの世界を滅ぼしてみせようぞ!ハアアアアアアアッ!」
夕陽が沈み辺りを夜の闇が覆い始める中、闇の魔女 ダーク・エンプレスの力によってディスペアが復活しました。
「そんな……!」ミサキが言いました。「まだそんな力が残っていたなんて……!」
「この世界は、私が滅ぼす!」その瞬間、闇の魔女 ダーク・エンプレスがディスペアと融合しました。「オオオオオオオオッ!」
「ダーク・エンプレスがディスペアと一つに……!?」ミサキが驚きながら言いました。
ディスペアと融合した闇の魔女 ダーク・エンプレスが巨大な姿へと変貌しました。
「ウアアアアアアアッ!」変貌した闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。
ダーク・エンプレスが暗黒線を放って周囲のビルを破壊しました。
「こんなことって……!」ミサキが叫びました。「マジカリオンを呼ぼうにも、私にはもう魔力が残ってないわ……!」
“マジカリオン”というのはミサキが魔法によって召喚出来る巨大ロボットのことであり、これまでも巨大化した眷属に立ち向かうべく幾度と無く召喚されてミサキにとっての頼れる戦力となっていました。ただ、その召喚には膨大な量の魔力の生贄が必要不可欠であり、運用には多大なリスクを伴うのでミサキはその使用を極力控えるようにしていました。そして今、ディスペアを倒すのに大量の魔力を消費したミサキにとってマジカリオンの召喚は非常に危険な行為となっていました。
魔法少女は自身の持つ魔力を消費して戦います。消費する魔力が少量であれば戦闘後にすぐに回復することが可能なのですが、一度の戦闘で魔力を消費し過ぎると戦闘後の魔力の回復速度が極端に遅くなってしまい、さらに多くの魔力を消費すると最悪命を落とす危険さえもあるのです。
「……。」しかしながら最早ミサキに選択の余地はありませんでした。「マジカリオン、召喚!」
ミサキは自らの命を賭して戦い続ける決意をしました。
「本当はあの日、世界が滅びていたかも知れなかったんだよね。」マジカリオンのコックピットの中でミサキが一人呟きました。「ずっと勝ち続けてたせいですっかり忘れてたけど……。せめて世界が救われるなら……!」
夜の闇の中、マジカリオンと闇の魔女 ダーク・エンプレスが対峙します。
「リストセイバー!」マジカリオンの両腕に内蔵された刃が展開しました。
マジカリオンが闇の魔女 ダーク・エンプレスに向かって歩き出しました。
闇の魔女 ダーク・エンプレスが暗黒弾を放って向かってくるマジカリオンを攻撃しました。
暗黒弾を受けてマジカリオンは怯むものの、すぐに体勢を立て直して右腕の刃で闇の魔女 ダーク・エンプレスを切りました。
「ウアアッ……!」切られた闇の魔女 ダーク・エンプレスが怯みました。「この世界は……滅びるのだ……!」
闇の女王 ダーク・エンプレスが右腕でマジカリオンを叩きました。マジカリオンが左腕でそれを防ごうとしましたが、防ぎきることが出来ずにマジカリオンの左腕が大破してしまいます。
「なんて力……!」ミサキが叫びました。
「ウアアアッ!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。
「負けない……絶対に……!」ミサキが叫びました。「マジカリオンスラッシュ!」
マジカリオンが右腕の刃に魔力を込めながら闇の女王 ダーク・エンプレスを切ります。
「ウアアアアッ……!」闇の女王 ダーク・エンプレスが怯みました。
「これで終わりよ!」ミサキが叫びました。「マジカリオン・ハイパー・スラスト!」
次の瞬間、魔力を帯びて光り輝くマジカリオンの右腕の刃が伸び、闇の魔女 ダーク・エンプレスを刺し貫きました。
「ウアアアッ……!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが叫びました。「この私が……敗れただと……!?」
「ええ。そして世界は救われる。」ミサキが言いました。
「フフフフフ……。バカめ……。たとえ私が滅びようとも、我が闇の力は永久に不滅だ……!我が力の残滓より新たなる脅威が生まれこの世界を滅ぼさんとするであろう……!そうなった時に果たして貴様にそれを止められるかな……?」
「……。」
「フッハッハッハッハッ……!ハーッハッハッハッハッハッーッ……!」闇の魔女 ダーク・エンプレスが爆発しました。
「もし闇の力が不滅だったとしても、魔法の力もまた不滅だわ。きっと……。」
トンネルの中を闇の魔女 ダーク・エンプレスとの最後の戦いを終えたミサキが意識を失ったキャサリンを腕に抱えながら歩いていました。
「ありがとうキャサリン。あなたがいてくれたから世界を救うことが出来たわ。本当にありがとう。」
ミサキがトンネルの出口へと近づいていきます。
時は真夜中、世界は闇の力の脅威から救われて間もなく新しい年を迎えようとしていました。
初めて故に至らない点も多かったとは思いますが、その点をご理解頂けると幸いです。
完成後に読み直していませんのでどんな内容になったのか自分でもよく分かっていなかったりするのは内緒です。
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