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夜に落ちる

作者: 六六木

「死んじゃえばいいのに」


普段通りの日常のなかぽつりと呟いた


半年前に別れた恋人を想いながらの言葉だった

特に深い憎しみを込めたわけではなく

まだ別れた恋人を忘れられないでいる自分への軽い苛立ちからでた言葉だ


街中を歩いてる大学を卒業し働き始めたばかりくらいの同年代の女性たちはどのように失恋を乗り越えているのだろうか

と私は思う、想う、重う。


そもそも失恋なんて失敗をしないような高等な女性ばかりだったりするのだろうか

とも思っては見たが、違うのを知っている

みんな上手く戦えてるのだ


私は戦えない

君との思い出に浸かっていくばかり

楽しかったなと思ったり

辛かったなと思ったり

好きでいたいと思ったり

忘れたいと思ったり



つい最近

「あれ、もしかしてまだ立ち直ってないの?」と事も無げに誰かが聞いてきた

大丈夫だよね?と確認するように


「そんなことないよ、もう大丈夫」

と言ってみたものの

立ち直れていない自分を認識し、吐き気を覚えた

こんなに経ったのに立ち直れてないのか

ばかだな

それを表にもだせないでいる

苦しい


別れた直後は思う存分悲しんだ

友達からの同情も仰いだ

時間が経つにつれて

悲しみを隠さなくちゃいけないような気持ちになった

立ち直らなくちゃ元気にならなくちゃと思うほど気持ち悪さが増していった


隠すほど押さえつけるほど

想いは消えない

今日までずっと毎日あなたを思い出している

故意的に恋的にあなたを思い出す

そんな苦しみに安らぐような感覚に陥るときもあった

矛盾だ

苦しみを求める私

君が欲しいと求める振りをして

悩みを苦しみを求めてるようだった


それでも1つはっきりと求めることがあるとするなら

あなたに会いたい

それだけだった

ただそれだけだと思うと

あなたにちゃんと恋をできているんじゃないかと安心した


今日は七夕

わたしが短冊にかいたのは

あなたに会いたいではなく


「心がすっきりしますように」


間違いのない願いだ

この願いが

届くと嬉しいな

ただ単純に純粋に子供のようにこれを願う



おやすみ



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