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《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『イソシアネート』がレベルアップしました!》
《『イソシアネート』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『命婦』がレベルアップしました!》
《『命婦』のステータスを確認して下さい》
ログインしました。
時刻は午前5時20分です。
ポータルガードのレベルアップの調子はどうかな?
まだスキップしているように思える。
今度は幾つのレベルを駆け上がっているだろう?
地道に、そして急速に他の面々とのレベル差を詰めてくれるに違いない。
イソシアネート 蜘蛛神Lv12→Lv17(↑5)
器用値 63(↑2)
敏捷値 61(↑2)
知力値 27
筋力値 54(↑2)
生命力 53(↑3)
精神力 26(↑1)
スキル
噛付き 爪撃 跳躍 回避 登攀 掘削
奇襲 隠蔽 危険察知 振動感知 魔力察知
気配遮断 夜目 出糸 罠作成 繭作成
自己回復[小] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[小]
MP回復増加[微] 闇属性 土属性 猛毒
麻痺 暗闇
命婦 妖狐Lv12→Lv17(↑5)
器用値 26(↑1)
敏捷値 64(↑2)
知力値 83(↑4)
筋力値 25(↑1)
生命力 24
精神力 64(↑2)
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能
霊撃 夜目 MP回復増加[中] 魔法抵抗[大]
物理抵抗[小] 自己回復[小] 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性
耐沈黙 耐魅了 狐火
今回は一気にレベル5つか。
明日も恐らく、レベルアップがある事だろう。
では、朝食からだな。
食堂に行こう。
アデル達もここに集合して来ていると思うのだが。
今日のメニューは何かな?
「おはようございます!」
「朝食は少しお待ちを」
「おお、そうか」
厨房にはアデルとイリーナ、そしてスーラジと久重がいる。
ところで、ポータルガードは?
人形組、蜂組、ゴーレム組は各々の作業をこなしているようだ。
他の面々は周囲の森を巡回中であるようです。
「他のメンバーは?」
「闘技場で対戦、ですね」
「そうか。じゃあそっちに顔を出すとするか」
対戦ね。
駿河と野々村も来ているのかな?
ドラゴンパピーの促成栽培が進んでいるといいんだが。
きっと、やっているのだと思う。
「あ、キースさん!」
「おはようございます」
「うん。おはようさん」
闘技場に出現しているのはアプサラスとハヌマーンか。
心配だ。
アプサラスは例外無く美人揃いであり、スタイルもいい。
そして薄着なのだ。
駿河と野々村が心配だ。
いや、割と真面目な話です。
ヒョードルくん、ヘラクレイオスくん、ゼータくんも加わって5つのパーティによるユニオンか。
ドラゴンパピーが2体いるとは言え、温くないですか?
「これが終わったら春菜と此花か」
「キースさんが先にいいですよ」
「ここはキースさんの拠点ですし!」
「いや、少し観戦もしたいからね」
「いいんですか?」
春菜と此花がお互いの顔を見てます。
彼女達の布陣を見ると、まだ第四段階の召喚モンスターが多い。
出来るだけ戦力の底上げは前倒しでやらせるべきだろう。
「では、お言葉に甘えていいでしょうか?」
「ああ」
「恥ずかしくない戦いにしなきゃね!」
ヒョードルくん達もそうだしアデルや春菜達もそうだが、一緒にユニオンを組んで戦っていて分かる事も多い。
でもね、戦闘中は当然だけどゆっくり観察している暇は無い。
こうして見ておくのも意味がある。
例えば、闘技場で戦っている面々にしてもその傾向が明確に見えて来る。
ヒョードルくんは前衛に出る事もあるけど、それだけじゃない。
基本はヒット・アンド・アウェイ。
刺突剣の武技を使いつつ、弓矢で攻撃するスタイルはより洗練されているようだ。
合間に呪文も使っているし、無駄な動きも少ない。
課題は?
機動力のある召喚モンスター達との連携だろうな。
率先して攻勢に出るのはいいけど、牽制のタイミングが早過ぎたり遅れたりしてます。
もう少し周囲に気を配ってもいいと思う。
ゼータくんは前衛の位置で固定に見えるけど、壁役に徹している訳じゃない。
前衛位置の召喚モンスター達との連携に重点を置き、支援を手厚くしているのが分かる。
連携はいい。
それを踏まえた上で、もう少し攻撃に重心を置くといいと思う。
課題は盾かな。
受けを意識しているのは分かるけど、攻撃の手数が少なく思えます。
ある意味、配下の召喚モンスターとの組み合わせ次第なんだが。
5つのパーティのユニオンであり前衛は数が足りているのです。
もっと積極的に攻勢に出ていい。
ヘラクレイオスくんの場合は後衛の位置であり、それだけに司令塔の役目も担ってます。
基本はマジック・フォートレスに篭もって支援と攻撃なのだが。
特に課題は見当たらないけど、少し遠慮があるのかな?
指示を出すのを躊躇する場面があるみたいだ。
駿河と野々村はどうか?
心配無用だろう。
得物は銛、そして投網。
こう言うと語弊があるかもだが、実にいやらしい。
投網を使って動きを止めて、銛で突くという堅実というより卑怯にも思える攻撃を基本にしている。
実に素敵だ。
問題があるとしたらアプサラスへの攻撃を躊躇している事だろう。
何をしているのか、分かっているぞ?
スクリーンショットで撮影しているのだろう。
賭けてもいい。
「終わった?」
「じゃあ、次ね!」
「少し待って、アイテム剥ぎがあるから」
「その位、手伝うって!」
おお、そうか。
アプサラスからは魔水晶、ハヌマーンからは品質は低めであるだろうけど魔結晶が剥げる可能性がある。
死体の数は多い。
次の対戦を早く始める為にも手伝った方がいいかな?
「連携、ですか」
「数が多くなる程、大変になるのは仕方ないかなー」
「それは感じますね。大型の召喚モンスターが加わると特に」
「地形にもよるかな?森だとどうしても支援が遅れるから」
「夜も大変だよ!」
反省会では色々と意見が飛び交っている。
駿河と野々村は会話を続けながら投網の補修をしているようだ。
彼等は【錬金術】で修復するのではなく、自前で投網の補修をしているのでした。
元々、手先が器用であるのか?
それとも【縫製】の成果であるのかもしれません。
「ところで、聞いていいかな?」
「何でしょう?」
「スケルトン系のアンデッドだが、どんな感じかな?」
春菜と此花の対戦を眺めつつ、ヘラクレイオスくんに質問をする。
そう、どうしても気になっている。
アンデッドの括りで見たら、オレの配下には4体しかいません。
ヘラクレイオスくんはネクロマンサー系であり、今やデスマスターだ。
配下のアンデッドは充実している筈であり、オレよりもその特性をより理解していると思う。
恥ずかしいとは思わない。
知らない事が恥ずかしいのではない。
知らない事を知ったかのように振舞うのが恥ずかしいと思うべきなのだ。
スケルトン系の第五段階か。
ヘラクレイオスくんの説明を聞いているうちに欲しくなって来た件。
比較対象の基準をスペクターロードとすると、総合的に格落ちに感じるそうだけどね。
それでも各々、優れた特性があるように思える。
スカルロードは筋力値と生命力が高めになる。
スカルアサシンは器用値と敏捷値が高めに。
スカルウィザードは知力値と精神力が高めだ。
地上戦力であるし、どれもバンパイア系で代替が可能だろう。
でも専任とし、役割を固定させる意味は大いにある。
布陣に厚みを持たせる事にだって意味があるのだが。
問題があるとしたら?
オレはネクロマンサー系じゃない。
パーティを全てアンデッドで埋めてもステータス値にボーナスは無い。
そして装備だ。
得物はまだいい。
防具のお下がりはあるけど、いずれ更新する必要が出てくるだろう。
「対戦、終わりました!」
「キースさんの番ですね」
「おお、そうか」
オレの布陣は?
ヴォルフ、リグ、ナイアス、バンドル、メジアンにしてあります。
観客席でヒョードルくん達配下の召喚モンスター達と遊んでたり休んでいたりするけどね。
出番だぞ!
オベリスクに何を捧げるのかはもう決まっている。
冥府の炭だ。
狙うのは当然、オリハルコン鉱です。
1個でいい。
確保、出来ませんかね?
《只今の戦闘勝利で【両手斧】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『リグ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
もうすぐ時刻は午前6時か。
そろそろ朝食が出来たかな?
そっちに気が向いてしまうのも仕方ない。
観客席にアデルとイリーナが来ていたからだ。
ここで対戦は切り上げる事になるだろう。
たった2回だけど実入りはあったのだから十分です。
リグのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。
リグ イエロージャムLv41→Lv42(↑1)
器用値 78(↑1)
敏捷値 78(↑1)
知力値 22
筋力値 22
生命力 68
精神力 23
スキル
溶解 侵食 体当たり 拘束 奇襲 形状変化
粘度変化 表面張力偏移 気配遮断 自己回復[中]
物理攻撃無効 魔法抵抗[中] 弾性強化[中]
雷属性 火属性 水属性 耐石化 猛毒 分裂
擬態 分解 硬化
「キースさん!朝食ですよー!」
「了解。少し待ってくれ」
最初の対戦でオリハルコン鉱を確保している。
今回はどうかな?
お願いです【解体】師匠、連続で確保していてくれ!
《これまでの行動経験で【解体】がレベルアップしました!》
連続でオリハルコン鉱が確保だ!
お見事です【解体】師匠!
今後もこの調子で確保出来ればいいんだが。
このまま朝食後も続けたくなっているオレがいる。
でも探索は必要だ。
今日は忘却の砦から更に北東に進む予定にしている。
どこまで続けるのか?
仮想敵国の気配がするまで、だろうな。
本拠地はどこになるんだろう?
そろそろ、把握しておきたい所です。
朝食は和食だ。
メインは新鮮な鯵のたたきにつみれ汁。
素材提供は駿河と野々村であるそうです。
実に旨いぞ!
「今日も探索、ですね?」
「掲示板に魔人との遭遇情報は?」
「激減してますね。N1E16周辺はプレイヤーが少ないので不明ですけど」
「大きな変化は無いか」
「ええ」
「平穏、と言っていいと思います」
そうか。
イベントであるならどこかで大きな動きがあっていいと思うんだが。
派遣戦力がどこかにいて欲しいものだ。
ついでに反撃許可があって欲しい。
魔人や魔神に一緒にいるようであれば問答無用で攻撃していいよね?
そして重要な事は他にもある。
ご飯のおかわり、いいかな?
朝食を終えてテレポートでN3E18マップのエリアポータル、忘却の砦に来ています。
布陣は?
当然ですけど空中戦を前提にしてます。
黒曜、蒼月、スパッタ、イグニス、アイソトープだ。
そしてアデル達も各々、空中戦を前提にした布陣にしている。
注意点は?
駿河と野々村は各々、レッサードラゴンを布陣に加えている。
ヒョードルくん達3名は各々ドラゴンを加えていた。
そして全員がグレータードラゴンを布陣に加えている形になる。
壮観だ!
ドラゴン系は成長段階が異なるけど、合計19体か。
とんでもない規模になってるぞ?
『進行方向は北東ですね?』
「そうだ。ゆっくりでいい、低空飛行で進むぞ」
『『『『はい!』』』』
『『『『『了解!』』』』』
「レッサードラゴンとドラゴンは少し高度を取らせるように。一番上と最後尾は交代で!」
さて。
オレが狙っているのは何なのかはもう各々が分かっているだろう。
巨神だ。
レッサードラゴンでも淤母陀流神之影、阿夜訶志古泥之影、天之常立神之影を相手に攻撃は可能なのです。
支援さえあれば、ですけどね。
むしろ危険なのはアラバスタードラゴンとニュートドラゴンの存在だ。
でも心配はしていません。
アイソトープを始め、先達のドラゴンがこれだけ揃っているからだ。
対応は可能と思ってます。
何よりも肝心であるのは?
まずは警戒、そして先制。
その後の戦況把握だろう。
主導権を終始、握っておく事が大事だ。
このユニオン編成だとイリーナと此花がいる。
その冷静な判断は実績があるだけにオレも攻撃に専念出来るからな。
どんな強敵でも対応は可能に思えてしまいます。
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【鑑定】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【馬術】がレベルアップしました!》
『キースさん、今日は魔物が多くないですか?』
「多いな」
『巨神は少ないですね!』
「ああ」
そう。
巨神との遭遇が少ないのは納得出来る。
魔人が率いる魔物の群れに襲われる事が多くなってます。
アラバスタードラゴンにニュートドラゴンがいてくれるのはいいけどね。
その規模が、小さい!
もっと数を寄越せ!
こっちは大人数、経験値が足りないではないか!
『ちょっとお待ちを!』
『クラスチェンジです!』
「了解、ゆっくりでいいよ」
駿河と野々村配下のレッサードラゴンは共にドラゴンになったみたいだ。
大変結構。
でもグレータードラゴンに至るまではまだ遠い。
時刻は午前8時10分か。
小休止はN4E19マップに突入してからになるだろう。
さて、どんな相手が待ち受けているかな?
変わらず魔人が率いる魔物の群れにも期待したい。
『おかしい、ですよね?』
「ああ。おかしいな」
『魔物が、いないっ!』
既にN4E19マップに突入して20分以上が経過しているだろう。
ゆっくりと低空飛行で地表近くを蛇行しつつ襲って来るのを待ち構えているんだが。
何も襲って来ません。
『どうしますか?』
「高度を取ろう。天気もいいしな。広域を探査、エリアポータルの有無を確認してみよう」
『それがいいみたいですね』
『では、先導します!』
此花を先頭にして高度を上げて行く。
オレは最後尾に位置した。
改めて地表を見る。
農地か牧草地が所々に広がっていて、人がいる気配がある。
でも動いている存在は見えない。
おかしな場所だ。
そして思う。
ここは仮想敵国の領域になっているのだろうか?
分からない。
どこかで情報を仕入れられたらいいんだが。
エリアポータル解放戦が無くてもいい。
情報源になるような町か村が無いでしょうかね?
『町が見えます!』
『NPCの姿を確認、エリアポータルは解放済みっぽい?』
「こっちでも確認した」
目論見通りと言おうか。
町があった。
防壁の上には人影が動いているのがスパッタの目を通じて見えてます。
町から街道は伸びているけど、行き交う人影は少ない。
『どうします?』
「町の中に入れるか、試してみよう」
『布陣はどうします?かなり警戒されちゃいそうですけど』
「少し距離を置いて着陸しよう。そこで布陣変更、徒歩で町に向かおうか」
『それがいいみたいですね』
さて。
最初のハードルは?
町の中にすんなりと入れるかどうか。
そこが問題ですね。
『この人数だと目立ちませんか?』
「召喚モンスターがいなくても目立つだろうな」
『10名ですからね。町の中に入れるようなら手分けした方がいいかも?』
街道沿いを町に向かって歩いて近付いているんですが。
行き交うのは交易商らしいけど、当然だがNPCだ。
現時点で全員、召喚モンスターは連れていません。
コートを羽織って革兜は敢えて装備していません。
駆け出しの冒険者か何かのように見える事だろう。
一応、召喚モンスターは控えているんですけどね。
シャドウ・ゲートだ。
オレの影の中には全員分の召喚モンスターが潜んでいるのだ。
どれも町中で連れ歩いても剣呑ではない面々で占められている。
例えばオレの場合は?
ヴォルフ、黒曜、モジュラス、清姫、スコーチだ。
町中でも連れ歩いて平気かどうかは分からない。
いきなり、戦闘になる可能性も捨て切れません。
今は全員、ユニオンを組んだまま行動するのが安全であるだろう。
『門衛がいますね』
『このまま中に入れそうですかね?』
「面倒事にならなきゃいいがな」
嘘です。
揉め事があってもそれはそれで楽しそうだ。
『意外でしたね』
『冒険者ってだけで通しちゃうとか、温くないですか?』
『でも納得かも?冒険者もいるみたい!』
春菜の言う通りだ。
周囲は黄色いマーカーで溢れている。
そして中には少ないながらも冒険者らしきパーティもいた。
当然だけどNPCだ。
反撃許可のある対象はここまで皆無です。
『お?サモナーですよ?』
「珍しいな」
オレ達とすれ違ったのは2名のサモナー。
連れているのはウルフとタイガー、ホークとフクロウ。
まだサモナーから先へとクラスチェンジしていないのが明白だ。
『レムトとはまた様相が違ってますね』
「町並みはそうだな。結構冒険者は多いけど警備兵が少ないように感じられるな」
『その割に治安が良さそうですね』
ふむ。
これなら手分けして情報収集する方がいいのかな?
『町の名前も確認出来ます。サニアの町、ですね』
『ポータルのメニューも使えそう!』
「そうか。では一旦ここで小休止、交代でログアウトするか?」
『その前に、ディネ通貨は通用するんでしょうか?』
『国が違えば通貨も変わると思います!』
「そうだろうな。魔石、魔晶石は使えるかな?」
まずは宿屋だ。
使えるのかどうか、試してみた方がいいだろう。
ここの通貨はソムロンと言うらしい。
宿代は魔石1個で足りた訳だが、ちゃんとログアウトは出来たようです。
明日の朝まで借りた訳だが、夕方までに戻る事を伝えて宿屋を出る。
惜しくは無い。
必要経費なのだ。
「キースさん!こっちです!」
宿を出るとアデルとイリーナがもういる。
ログインしてもう戻っていたのか!
イリーナの傍にはシルバーウルフ、肩にはミネルヴァオウル。
まだ第五段階ではない召喚モンスターを入れているのは周囲への配慮かな?
オレもそれに倣いたいけど選択肢は無い。
ヴォルフと黒曜を召喚しました。
「宿屋の人間に警戒された雰囲気はあったか?」
「ありませんでした!」
「誰もが大らかな感じがします。無警戒過ぎて逆に怪しい感じがしますけど」
「奇妙だな。戦時下のような雰囲気も全く無いし」
「そうですね」
話し込んでいたらいつの間にか、皆が小休止を終えて宿屋から出てきてます。
全員、揃ったか。
では町中で情報収集とするか?
「手分けしよう。二名で一組でどうだ?」
「了解!」
「らじゃ♪」
組み合わせは自然と定まってしまう。
アデルとイリーナ。
春菜と此花。
駿河と野々村。
ヒョードルくんはヘラクレイオスくんと。
即ち、ゼータくんはオレと組んで行動する事になった。
「時間はどうします?」
「昼時までだな。緊急の場合はテレパスで連絡を、そうでないならメッセージを使おう」
「了解です!」
「町中を散策するつもりでいい。焦らずゆっくりと行動するつもりで」
「その方がこの町中では目立たないでしょうね」
「木は森に隠せ、ですね?」
今も10名が集まっているだけで目立っている筈だが、こっちを気にする視線は感じない。
どうも外れかな?
仕掛けはしたんだが。
「じゃあ別れて行動開始だ」
「アデルちゃんとイリーナちゃんはどこに行く?」
「屋台に露店!春菜ちゃんと此花ちゃんは?」
「雑貨店巡りかな?」
ふむ。
どうやら買い食いに買い物になりそうな予感がする。
「そっちは?」
「冒険者がいるならギルドがあるかもしれませんから、探してみます」
ヒョードルくんとヘラクレイオスくんは冒険者ギルドを探す訳か。
情報収集をするにはいい選択だ。
駿河と野々村は何故かそそくさと路地に消えて行く。
その方向は広間だ。
何かお目当てがあるんだろうか?
各々が去った後に残るのはオレとゼータくんだ。
いや、召喚モンスターがいるけどね。
ヴォルフと黒曜だ。
それにゼータくんの配下でホワイトファングとミネルヴァオウルがいる。
「さて、ブラブラと町の中を見物しようか」
『いいんですか?宿屋で仕掛けたんだと思ってましたが』
ああ、やっぱりバレてたか。
宿屋で魔石で支払いをした時、袋の中身をそれとなく見えるようにしてあったのだ。
袋の中には魔石、魔晶石だけじゃなく魔水晶に魔結晶も入れてあった。
そもそも、オレの場合は魔石も魔晶石もそんなに持ち合わせは無いのです。
「意見を聞きたい。盗賊ギルドがこの町にもあるとして、どう動くかな?」
『出来るだけ多く、盗賊ギルドのメンバーが面通しをして来るでしょう』
「情報屋みたいなのがいる訳だな?」
『ええ。多くは一般の町民で盗賊行為はしませんが』
「本命がいるかな?」
『いるなら仕掛けて来るかもしれません。その前に稼げる相手なのかどうかを見極めに来ると思います』
「そうか」
お願いだ。
襲って来い!
そんな事を思ってますけどね。
『どうします?』
「裏路地に回ろう。襲い易いだろうからな」
『確かにそうですけど』
ゼータくんが苦笑しているのが分かる。
何だろう?
『多分ですけど、盗賊ギルドも手出しして来ない公算の方が大きいですよ?』
「そうか?」
そうは思いたくないけどな。
果報は寝て待て。
いや、この場合は散歩しながらですけどね!
裏路地を巡り、倉庫街を抜け、職人街に来てます。
尾行されている気配は幾つかあったけど、今は無い。
何だ何だ!
襲って来るなら、早く来い!
こっちはそれを期待しているんだが。
皮革職人の店を眺めつつゼータくんを見る。
シンクロセンスでミネルヴァオウルの目を借りているに違いない。
異常はまだ無い。
いや、職人街を我が物顔で通過する一団が見えた。
先頭にいるのは?
間違いなく、法騎士。
ホーリーガードであり、ホーリーナイトではないようだ。
引き連れているのはバトルマスターを含む戦士達。
装備は白を基調にしており、正規兵であると思われる。
先頭のホーリーガードは左右を気にする様子を見せず、先を急いでいるようだ。
こちらを一顧だにしない。
追従する戦士達も足早に去って行く。
装備が白を基本としている為であるのか、汚れが目立つ。
「何だ?」
『さあ。何か起きているんでしょうか?』
職人達の表情を観察しても半分は無関心だ。
もう半分は忌々しい表情を隠そうとしない。
何か、あったのかね?
「今の連中は?」
「見た所、あんた等は冒険者か?」
「ええ」
売り子をしている職人さんに質問したのに質問で返されてしまった。
思わず即答したけど、問題ないよね?
「お尋ね者の冒険者を探しているみたいでね。あんた等も気を付けるこった。巻き添えを喰らうかもしれんぜ?」
「そうなの?でも連中、こっちを気にせず通過しちゃってたけど」
「手配書があるんだよ。あんた等じゃあ見咎められる事は無いと思うかね」
その皮革職人は請け負ってくれたけどね。
不安が残った。
オレ達以外の面々もいるのだ。
どこかでトラブルに巻き込まれていてもおかしくない。
「手配書は見れないかな?」
「それなら冒険者ギルドに行くといい。手配書付で依頼が出ているぜ」
「なら行ってみるよ」
「依頼を受けるつもりなら気をつけろよ?凄腕って噂だ」
ふむ。
いい情報と言えるのかどうかは不明だが、情報は情報だ。
手配書とやらを確認してみたい。
「済まない、その冒険者ギルドの場所は?」
「あんた等、この町の人間じゃないのか?危なっかしいな」
そう言われながらもその年配の皮革職人に冒険者ギルドの場所を教えて貰った。
有難い。
先にヒョードルくん達が向かっているかもだが、オレ達も行くとしよう。
『キースさん、ちょっと気になったんですが』
「何だ?」
『先刻の職人街ですが、ドワーフを見掛けませんでした』
「そう言えば、そうだな」
『それにエルフもです。ドワーフもエルフも冒険者以外に見掛けませんね』
うん。
確かに少々、奇妙だ。
ゼータくんの視線が冒険者の一団に注がれている。
その中にはエルフとドワーフがいて、何か口論をしているようであった。
「当然だがバードマンもドラゴニュートも、ミュルミドンもいないか」
『ダークエルフも、ですね』
亜人種には住み難い町であるんだろうか?
そんな風に見えないんだけどね。
まあいい。
今は冒険者ギルドに急ごう。
「どうだ?」
『情報としてはそう大きな収穫はありませんでしたね』
『手配書は入手しました。どうもお尋ね者を軍隊が追っているみたいです』
ヒョードルくんとヘラクレイオスくんと合流しました。
先に手配書は入手して貰っている訳だが。
これじゃ、分からん!
背格好の概要に似顔絵だけなのだ。
これで特定とか無理じゃね?
「ここの冒険者ギルドですが、冒険者に軍への入隊を推奨している様子です」
「そうか。他に何か気付いた事はあるか?」
「魔人の噂が流れてます。今、駐屯している法騎士がいれば安心と聞かされてます」
ふむ。
実に眉唾な話だ。
少なくとも法騎士が魔人と通じているのはオレ自身が見ている。
この町も魔人、そして魔神にいつの間にか蝕まれているのかもしれないぞ?
それにここにいた法騎士を見掛けても勝手に始末したり説得したりするのは避けたいものだ。
反撃許可が出ていないからな。
闇落ちしたくはないものです。
「何にしても、この町の様子は分かった。長居しても仕方ないだろう」
『戦争の準備をしているにしては少々雰囲気が緩いしなあ』
『当面、ここから大戦力が攻めてくる兆候は無いみたいですね』
うむ。
ここは放置して、別のマップに回るのがいいのだろう。
では、アデル達、春菜達と合流するか。
駿河と野々村もですけど。
『それに成果と言えば、王都はここから北にあって、かなり寒いって事でしょうか?』
「位置を確認したいけどな。今日は止めよう。何しろ敵地だ」
そう、忘れちゃいけない。
緩い雰囲気だけど、ここは敵地で間違いないのだ。
『これからどうします?』
「N3E18マップのエリアポータル、忘却の砦を基点に北と東の様子を探ろう。拠点は出来るだけ多く確保すべきだろう」
『N1E16マップもN2E17マップ周辺もあるんですけど』
「攻略組に任せてしまえばいいさ」
オレの言葉に皆が笑う。
橋頭堡は出来るだけ、敵陣奥深くに確保すべきであるのだ。
間違いない。
『おっそーーーーーい!』
『ごめん!遅れました!』
『何をしてたか、見掛けたわよ?NPC相手にナンパ?』
『ゲッ、バレてた?』
おいおい。
駿河も野々村も余裕だな!
ここは敵地だぞ?
ところで、美人さんがいたんだろうか?
機会があったら教えて欲しいものです。
『では、移動ですね』
「ああ。ここから南下、N2E18マップを目指そう」
『エリアポータル、あるといいですね』
その通りだ。
今日は少々、経験値稼ぎが進んでいない。
少しでも稼いでおきたいが、それ以上に魔人率いる魔物の群れに逢いたい。
出来れば魔神にもだ。
全滅、させてやる。
必ずだ!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv129
職業 サモンメンターLv18(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 11
セットスキル
小剣Lv96 剣Lv98 両手剣Lv100 両手槍Lv103
馬上槍Lv107 棍棒Lv98 重棍Lv95 小刀Lv97
刀Lv99 大刀Lv97 手斧Lv88 両手斧Lv72(↑1)
刺突剣Lv97 捕縄術Lv101 投槍Lv103
ポールウェポンLv107
杖Lv112 打撃Lv121 蹴りLv121 関節技Lv120
投げ技Lv120 回避Lv128 受けLv128
召喚魔法Lv129 時空魔法Lv117 封印術Lv117(↑1)
光魔法Lv113 風魔法Lv113 土魔法Lv113
水魔法Lv113 火魔法Lv113 闇魔法Lv114(↑1)
氷魔法Lv113 雷魔法Lv113 木魔法Lv113
塵魔法Lv113 溶魔法Lv113 灼魔法Lv113
英霊召喚Lv6 禁呪Lv117
錬金術Lv98 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv56
連携Lv100e 鑑定Lv97(↑1)識別Lv107 看破Lv99
耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv108(↑1)精密操作Lv80e
ロープワークLv100e 跳躍Lv50e 軽業Lv50e
耐暑Lv80e 登攀Lv60e 平衡Lv100e
二刀流Lv100e 解体Lv97(↑1)水泳Lv64 潜水Lv80e
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv100e 隠蔽Lv98
気配察知Lv100e 気配遮断Lv98 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv105
魔法効果拡大Lv104 魔法範囲拡大Lv104
呪文融合Lv104
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e 全耐性Lv33
獣魔化Lv27
召喚モンスター
リグ イエロージャムLv41→Lv42(↑1)
器用値 78(↑1)
敏捷値 78(↑1)
知力値 22
筋力値 22
生命力 68
精神力 23
スキル
溶解 侵食 体当たり 拘束 奇襲 形状変化
粘度変化 表面張力偏移 気配遮断 自己回復[中]
物理攻撃無効 魔法抵抗[中] 弾性強化[中]
雷属性 火属性 水属性 耐石化 猛毒 分裂
擬態 分解 硬化
イソシアネート 蜘蛛神Lv12→Lv17(↑5)
器用値 63(↑2)
敏捷値 61(↑2)
知力値 27
筋力値 54(↑2)
生命力 53(↑3)
精神力 26(↑1)
スキル
噛付き 爪撃 跳躍 回避 登攀 掘削
奇襲 隠蔽 危険察知 振動感知 魔力察知
気配遮断 夜目 出糸 罠作成 繭作成
自己回復[小] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[小]
MP回復増加[微] 闇属性 土属性 猛毒
麻痺 暗闇
命婦 妖狐Lv12→Lv17(↑5)
器用値 26(↑1)
敏捷値 64(↑2)
知力値 83(↑4)
筋力値 25(↑1)
生命力 24
精神力 64(↑2)
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能
霊撃 夜目 MP回復増加[中] 魔法抵抗[大]
物理抵抗[小] 自己回復[小] 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性
耐沈黙 耐魅了 狐火
召魔の森 ポータルガード
ジェリコ、ティグリス、クーチュリエ、逢魔、船岡、守屋
シリウス、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ジンバル、ビアンカ
虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック、バイヨネット、オーロ
プラータ、イソシアネート、命婦




