835
『いい天気!でも寒ッ!』
『キースさん、もうちょっと高度を下げていいですか?』
「ダメ」
『全周囲警戒中、プレイヤーの姿も魔物の姿も確認出来ません』
『広域マップ確認、N2E17までもう少しです』
「順調過ぎる。そう思わないか?」
ああ、何て事でしょう!
暇だ。
それはオレにとって拷問に近い責め苦となっている。
もうダメ!
早く、早く襲ってくれ!
禁断症状が、出ちゃう!
『N2E17マップに突入!』
『地上にアラバスター!ニュートも2体います!反応パッシブ!』
あ、もうダメだ!
無言のうちにアリョーシャを急降下させていた。
アラバスタードラゴンだって?
何と耳に心地好く響くんだ!
今、逢いに行くぞ!
『あ、キースさん!』
『待ってーーーーーーッ!』
『地表に反応が増えてます!アラバスターが2、ニュートが7!』
『索敵範囲キリギリですけどグリフォンロード4、ヒッポグリフ6!これって魔人?』
『危険です!』
「逃す事はない、仕留めてしまうぞ!」
ドラゴンと書いて経験値と読む。
違うか。
経験値と書いてドラゴンと読ませる?
それも違うな。
どっちにしてもいい相手だ。
オレの中に巣食う退屈の虫を退治してくれるに違いない!
それに地上から何か巨大な影。
淤母陀流神之影、阿夜訶志古泥之影、天之常立神之影か!
荒御魂、和御魂、白霊鳥も当然だけどいる。
おいおい!
そんなにオレを喜ばせないでくれ!
『キースさん!【英霊召喚】はまだ使えません!』
「大丈夫!」
気にしないでいい。
昼飯時にならないと使えないのは承知だ。
それでもこの戦力なら戦える自信がある。
切り札的な能力も発揮出来るしな!
「ルベル!キュアノス!」
ルベルの精霊召喚、キュアノスの精霊変化は強力なスキルだ。
切り札的な存在である訳だが。
支援させるとしよう。
出し惜しみはしない方がいいだろう。
そうすればオレもまた手を抜かずに戦える!
「人馬一体!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」
手にする得物は断鋼鳥のデスサイズ。
大いに斬って斬って、斬り刻んでくれよう!
荒御魂の場合は繰り出す腕を抜いて抜いて抜き続けるだけになるけどな。
何にしてもオレを大いに楽しませてくれ!
《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【禁呪】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ルベル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ちょっと冷静さを欠いていたのは、認める。
そのフォローをしてくれたのがアデル達だったな。
そしてオレ配下の召喚モンスター達も頑張った!
そしてこの戦闘を通じて色々と分かった事がある。
精霊門。
ルベルが空中に魔方陣と魔法円を描き、召喚したのは複数の精霊だった。
しかも今までと違って異なる属性の精霊をです!
風の精霊、シルフ。
光の精霊、ウィル・オ・ウィスプ。
闇の精霊、シェイド。
時空の精霊、ズーム。
氷の精霊、ジャック・オ・フロスト。
雷の精霊、ライオット。
塵の精霊、ハブーヴァ。
灼の精霊、ガスクラウド。
各々、どれだけの数が召喚されていたのかは不明だ。
何にせよ、たくさんいた事だけは確かです。
但し、火の精霊フェニックスや風の精霊ジンニーヤのように上位精霊はいない。
その代わりに数で勝負、その連携も見事でした。
しかしルベルの消耗もまた凄まじい事になってます。
たった1回の戦闘でMPバーが枯渇寸前か。
凄まじい効果と引き換えであるのだし妥協すべきなのだろう。
ルベルのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。
ルベル フェアリークイーンLv40→Lv41(↑1)
器用値 22
敏捷値 89(↑1)
知力値 88(↑1)
筋力値 22
生命力 22
精神力 88
スキル
飛翔 浮揚 堅守 夜目 空中機動 瞑想 魔力遮断
魔力察知 魔力回収 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 氷属性 雷属性 塵属性 溶属性 灼属性
耐即死 耐石化 耐混乱 耐魅了 共鳴 精霊召喚
精霊門
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『キュアノス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
キュアノスの場合、普段と同様に精霊変化を使っていたように見える。
風の精霊、ジンニーヤになっていた。
それでいて、異なってます。
ルベルが召喚した風の精霊シルフを複数従えて凄まじい火力を発揮していた!
どうやら影響しているスキルは共鳴。
キュアノスも強化していたように見えたが、シルフもまた強化されていたようです。
人魚系の召喚モンスターも集団になったら呪歌の効果は凄まじい事になる。
精霊でも同様であるらしい。
うむ。
ルベルとキュアノスはペアで運用すべきだな。
その相乗効果は素晴らしいぞ!
キュアノスのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
キュアノス ホーライLv40→Lv41(↑1)
器用値 29
敏捷値 81
知力値 81
筋力値 28
生命力 29(↑1)
精神力 82(↑1)
スキル
飛翔 浮揚 回避 水棲 夜目 変化 同化 魔力察知
物理攻撃透過[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 木属性 氷属性 魅了 耐沈黙 耐魅了
耐即死 共鳴 精霊変化
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『エルニド』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
そしてエルニドの場合は?
祝福の効果がようやく理解出来たように思えます。
軽度のステータス異常を回復していたのだ!
そして瑞鳥変。
どうも攻撃力は変化しないみたいだが、防御や回復能力が大幅に向上しているようだ。
特にオレやアリョーシャ、突撃要員のエンジェルナイト、オーディンガードは助かってます。
かなり有用なんだけど、やはりMPバーの消耗がより進んでしまう。
これも切り札と考えるべきだろう。
エルニドのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
エルニド 鸞Lv40→Lv41(↑1)
器用値 50
敏捷値 87
知力値 59(↑1)
筋力値 43(↑1)
生命力 43
精神力 50
スキル
嘴撃 飛翔 水棲 回避 霊能 遠視 夜目
広域探査 強襲 危険察知 空中機動 水中機動
天耳 自己回復[中] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 火属性 風属性 土属性
水属性 木属性 祝福 瑞鳥変 毒耐性
ここで布陣は変更ですね。
ルベル、キュアノス、エルニドは帰還だ。
召喚したのはナインテイル、パンタナール、ラルゴになる。
布陣を確認しましょう。
ナインテイル、メジアン、パンタナール、ラルゴ、アリョーシャとなる訳だ。
「キュッ?」
「ピピピッ!」
「ピ!」
ナインテイルに加えて妖狐、白狐が一斉にパンタナールの頭上に殺到する。
場所取り合戦は生じなかった。
パンタナールは細身であるけど、その頭上は十分なスペースがあるからだ。
5匹の狐達は身を寄せ合って遊んでいるように見える。
いや、パンタナールも加わって遊んでいるようにしか見えない。
あのね。
剥ぎ取り作業が終わった狩りですよ?
真面目に狩りをして欲しいものです。
「被害は?」
『どうにか大丈夫です!』
『少々お待ちを。ステータス操作がまだありますので』
『全員、レベルアップしてるし!』
『ボーナスポイントもあった!』
「そうか。良かったな」
いや、本当に良かったですね。
オレにボーナスポイントは?
魔神相手に激戦を繰り広げて判定で負けているけど無かった。
もう魔神を相手に勝利する他、望みは無いのかも?
おそるべきハードルだ。
ハードルじゃなくて走り高跳びか棒高跳びだ。
どうしたらいい?
魔神を探し出して屠る以外にないね!
『お待たせしました!』
『このまま続けますか?かなり厳しい戦闘が続きそうですけど』
「続行だ」
こうなったら魔神が出てくるまで突貫してやろう。
何だったら敵国の中枢に迫ってみたっていい。
場所は知らないけど。
あの筋肉バカの魔神もどこかに消えた。
ルーズリーフの魔神も逃げてしまっている。
他に3名、いる筈だが。
どいつでも構わん。
オレと真正面から戦って欲しいものです。
《只今の戦闘勝利で【ポールウェポン】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『アリョーシャ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午前8時50分です。
アデル達を小休止させるにはいい頃合いだ。
距離も十分に稼いでいる。
空中を移動しているから当たり前なんだけどね。
最初の巨神込みの戦闘だけがやたらと大変だったけど、それ以降は堅調だ。
アラバスタードラゴンもいてくれるから苦戦はしているけど常に優勢を維持出来ている。
アデル達がいてくれるからだ。
有難い。
その一方で魔人に言いたい。
もうちょっとだけ、戦力をアップしてくれていいぞ!
そして悩みもある。
N2E17マップの中央が迫ってういる。
エリアポータル解放戦がある場合、どうするかなのだが。
5つのパーティによるユニオン、そしてお互いにサモナー系プレイヤーだからな。
このまま突っ込んでも良さそうに思えてしまう。
感覚が、おかしいか?
きっとおかしい。
それでもエリアポータル解放戦、いけるんじゃないかな?
挑んでみていいと思います。
アリョーシャのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
アリョーシャ グリフォンロードLv40→Lv41(↑1)
器用値 34
敏捷値 82(↑1)
知力値 34(↑1)
筋力値 64
生命力 64
精神力 34
スキル
嘴撃 爪撃 体当たり 飛翔 回避 掘削 空中機動
遠視 広域探査 夜目 威嚇 強襲 隠蔽 危険察知
気配遮断 騎乗者回復[小] 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[小] MP回復増加[微] ブレス 時空属性
光属性 闇属性 火属性 土属性 風属性 毒耐性
耐麻痺
「そろそろインスタント・ポータルを使うか」
『小休止ですね』
『了解です!』
少し早いかと思うけど今の方がいい。
もうちょっとでN2E17マップの中央だ。
今のうちに英気を養っておいて欲しいものです。
アリョーシャはここで帰還だ。
蒼月を召喚しておこう。
剥ぎ取り作業の現場にそのままインスタント・ポータルを展開。
期待するのは魔人が襲ってくれる事なのだが。
襲ってくれますよね?
《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》
時刻は午前9時20分。
魔人への迎撃は少々荒っぽい対応になってしまったようだ。
グリフォンロードに騎乗する呪禁導師、ヒッポグリフに騎乗するフォーチュンテラー。
そこまではまあ問題ない。
ダークレインディアが牽くソリにマッドサンタがいたのだ!
そのソリにビーストメンターが同乗していたようだけどオレにとってはどうでも良かった。
殺意全開で仕留めました。
一緒にいたのはニュートドラゴンとスタッグドラゴンが2体。
中々の戦力と言えなくもないけど、こっちにもメジアン、パンタナール、ラルゴがいる。
対応は容易でした。
しかもこっちはインスタント・ポータルの中から奇襲を仕掛けてもいるのだ。
勝てなくてどうする?
アラバスタードラゴン程ではないけどニュートドラゴンも十分に強い。
メジアン、パンタナール、ラルゴも単独で呪文の強化なしで対抗するのは厳しいだろう。
どうにか対抗出来たのは奇襲だったからだ。
油断してはならない群れ。
それでも真っ先にサンタを狙ってしまったのはもうオレの性であるのだろう。
「キースさん、小休止は終わりました!」
「おお、そうか」
インスタント・ポータルの中からアデル達が出て来てます。
いたんだったら途中から参戦してくれてもいいのに。
「相変わらずお見事でした」
「観戦してたのか」
「ええ。お邪魔しちゃいけないような気がしましたので」
イリーナは苦笑気味だが、オレとしては別に介入してくれても良かったと思うのだ。
サンタを横取りさえしなければ文句はない。
何かがおかしいけど文句はないのだ。
『見えました!湖です!』
『湖面に島を確認、人魂の確認はしますか?』
「ああ。高度を下げて一度通過しよう」
『シンクロセンスを使いまず』
『再度全周警戒を!』
徐々に高度を下げながら湖面の周囲を観察する。
荒地だ。
湖もそう綺麗な水を湛えているのではなく、濁っているようだ。
ちょっと見ただけでは周囲の荒野と見分けられないけど、確かに湖であるらしい。
湖面の数箇所で僅かに太陽光を反射しているみたいです。
高度を下げてみると、湖の中心に小さな島があるようだ。
そして人魂もちゃんとある。
エリアポータル、なのか。
しかもこの地形で地上戦は厳しいかもしれません。
このまま空中戦でいいかな?
いいと思えます。
「人魂があるな」
『でもキースさん、【英霊召喚】が使えるようになるにはもう少し時間が要りますけど』
『もう少し、待ってみますか?』
「いや、このまま挑もう」
『『『『えーーーッ!』』』』
時間が惜しいのだ。
このまま空中戦で潰してしまえ!
「降りるぞ」
『ちょっ!』
『召喚モンスターの入れ替えしたいんですけどいいですか?』
「む?そうか」
それなら仕方ないな。
待つとしよう。
『空中戦、ですよね?』
「ああ」
アデル達の連携がいいから助かる。
オレも安心して突撃が出来るだろう。
蒼月に交代させているから得物は当然、双角猛蛇神の騎士槍で。
オレの布陣はメジアン達ドラゴンが中心になる。
アデル達も各々、グレータードラゴンがいる。
攻防の両面でかなり安定するだろう。
『変更、終わりました!』
「よし。呪文の強化は私が纏めてやっておく」
『あの、いいんですか?』
「ああ」
無理を言って付き合わせているからな。
その位はやっておくべきだろう。
布陣はどうなってる?
アデルはパイロキメラがレッドシールドカーバンクルに。
春菜は狒々面鵺がアークデーモンに。
良く見ると妖狐と白狐がMPバーが全快になっている。
交代させているのに交代しているように見えないという不思議感覚!
遠くない未来に妖狐と白狐の3セット目が追加となるに違いない。
イリーナはオーディンガードがエンジェルナイトに。
此花はエンジェルナイトがオーディンガードに。
トータルで見たら布陣そのものに大きな変化はない。
「アデル、春菜。妖狐と白狐は各々、グレータードラゴンと組ませてくれ。専任で支援だ」
『『はい!』』
「イリーナ、此花。どちらか一方は必ず上空で指揮を頼む」
『『了解』』
「落ち着いて戦えば【英霊召喚】無しで勝てる」
まあ相手がどんな奴なのかによるけどね。
苦戦止まりではなく、大苦戦になって欲しいものだ。
期待していいよね?
《穢れし大地に我は立つ》
《穢れであるが故に我は立つ》
《因果応報と知れ》
《我が姿こそ汝等の罪の姿であるのだ》
始まった!
お願いだから期待通りの相手であってくれ。
頼む。
頼む!
『湖に変化!何か来ます!』
『大きい!巨人?』
『何か小さいのもいます!こっちは数が多い!』
期待していた相手だろうか?
是非、そうであってくれ!
ヘルの化身 ???
イベントモンスター ???
??? ???
??? ???
ヘルヘイムヒーロー ???
イベントモンスター 悪霊
??? ???
??? ???
ヘルガーディアン ???
イベントモンスター 悪霊
討伐対象 アクティブ
??? ???
ヘルスナイパー ???
イベントモンスター 悪霊
討伐対象 アクティブ
??? ???
ヘルシャーマン ???
イベントモンスター 悪霊
討伐対象 アクティブ
??? ???
おい。
見覚えはある連中だけど、空中を駆け上がってくる!
何だ、空を自由自在に飛べたの?
便利な奴等だ。
グレンデル ???
イベントモンスター ???
??? ???
??? ???
湖面にいるのは10体程の巨人。
その体躯はスプリガンに及ばないが、それでも大きい!
そして他に目を惹く特徴があった。
半獣半人。
逢魔が格闘戦で好んで選択する形態に近い。
外見は完全に狼男だ!
「人馬一体!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」
さあ、どんな相手であるのか?
すぐに分かるだろう。
(((((((六芒封印!)))))))
((((((七星封印!))))))
((((((十王封印!))))))
(ミラーリング!)
湖面に急降下しながら封印術の詰め合わせを放つ。
期待の星はグレンデル。
未見である上に【識別】で見えている範囲が少ない。
総大将格はヘルの化身だけど、後回しでいい。
「巨人は後回しでいい!制空権確保を優先!」
『ヤァ!』
『了解!』
(オフェンス・フォール!)
(ディフェンス・フォール!)
(スロウ!)
(ディレイ!)
(パラライズ!)
(グラビティ・プリズン!)
(ダーク・プリズン!)
(ホーリー・プリズン!)
(ブラックベルト・ラッピング!)
(レインボー・チェイン!)
(コラプト!)
(オートクレーブ!)
(ヘルズ・フレイム!)
(レゾナンス!)
(スウォーム!)
(カーズド・ワーム!)
(ペトリファクション!)
(ダーク・フォール!)
(アイアン・メイデン!)
(ミラーリング!)
一番近い位置のグレンデルに仕掛けつつ別のグレンデルへ向けて突撃を敢行する。
制空権確保してから?
そんな事はしない。
迂遠なのは好きじゃないのだ!
『キースさん!そろそろ動き出します!』
「死に掛けている奴へ集中砲火!確実にグレンデルを減らせ!」
『了解!』
『氷の棺、突破されます!』
『影に嵌まったグレンデルが抜け出しそうです!』
「構うな!集中砲火に専念!」
グレンデルは残り6体。
順調に減っているように見えて減っているように思えない。
理由は単純、こいつ等は仲間を湖の中から呼び出すからだ!
封印が解けた状態で大きく天空に向かって吠えると、グレンデルの追加がある。
そしてオレは上空で指揮するイリーナと此花にバレないよう、常に封印されていないグレンデルを確保し続けていた。
これがかなり難儀な仕事だ。
そこまで手が回らないように演技までしてます。
アデル達も全員、【封印術】の呪文は使える。
それだけに難しいのです。
攻撃呪文を出来るだけ使わせるよう、誘導しないといけません。
『グレンデル2体、沈みました!』
『グレンデルに追加来ました!合計5体!』
「慌てるな!確実に減らせばいい!」
残り2体程度になったら延々と仲間を呼ばせたいものだが。
まだ、いるかな?
湖の底に無限にいるかどうかは謎だけど、数に限りがあるなら全部吐き出しちゃいなよ!
こっちは歓迎だ。
アデル達はどうかは不明だけど。
それにグレンデルも弱くない。
複数の属性を備えているようだが、個々に異なる属性を備えている。
その数は3つ程度であるのだが、封印が解けると対空砲火が来るのだ。
安心出来ません。
特に時空属性を備えている奴が厄介だ。
呪文を弾き返されている!
「マキシマム・チャージ!」
グレンデルの背後から突撃を喰らわせる。
卑怯だ!
素敵だ!
時空属性を備えている個体だけは確実に仕留めたいものです。
問題は?
追加させるタイミングだ。
グレンデルが少なくなるに従い、演技が通じそうになくなりつつある。
そんな雰囲気が感じ取れてしまっていた。
『グレンデル残り3体です!』
『イリーナ!私も攻撃に回る!』
『了解!』
あ!
此花まで攻勢に出始めたか。
これはいけません。
もうちょっと待ってくれていいんだけどな。
こうなったら獲物を先に仕留められてしまう可能性が高まってしまうぞ?
少し真面目に屠りに行くとしよう。
では、殺るか。
蒼月が両翼に幾本もの雷撃の槍を生じさせている。
突撃準備はいいか?
グレンデルの周囲をドラゴン達が次々と空中から襲い掛かっている。
隙は幾らでも見出す事が出来ていた。
全部、仕留めたい所だけど、手近な奴からにしようか?
「マキシマム・チャージ!」
蒼月が放つ雷撃の槍に続けて武技を使い突撃する。
いい手応え!
貫通はまだないけど、ブーステッドパワーを使えば出来そうな感覚すらある。
でもね、使うのは控えよう。
呪文の支援が出来なくなるのは危険だ!
《穢れし大地にも花は咲く》
《穢れである我にも希望はあった》
《罪の清算は遠い》
《見るがいい!》
《我が姿こそ罪の証なのだ》
勝利したのはいい。
しかも切り札の投入なしで勝てている。
元々、使えないけどさ。
『勝ってる?』
『本当に、勝ってます?』
『『勝っちゃった!』』
「ま、当然だな」
そりゃ勝てるって。
むしろ温く感じられる。
オレはリミッターカットを使っていたからステータス異常があるけど、それだけだ。
各々の召喚モンスターにだって消耗はあるけど、それだけとも言えます。
《N2E17のエリアポータルを開放しました!》
《只今の戦闘勝利で【馬上槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『蒼月』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
湖畔に着陸している召喚モンスター達だが。
メジアン、そしてグレータードラゴン4体は湖面を跳ね回っている。
泳いでいるようには見えない。
一方でパンタナールはナインテイルと遊んでいるし、ラルゴは地面に体を横たえて目を閉じている。
もう寝ているのか。
まあ少しだけならいいけど。
今日の探索行はこれで終わりにするつもりはない。
空中を移動出来るのであればもう少し先に行けるだろう。
次?
このまま北東に向かってしまえ!
N3E18マップを目指すのってどうでしょうね?
蒼月のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
蒼月 麒麟Lv41→Lv42(↑1)
器用値 45(↑1)
敏捷値 87(↑1)
知力値 50
筋力値 45
生命力 45
精神力 44
スキル
噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 疾駆
耐久走 奔馬 蹂躙 飛翔 蹴り上げ 遠視
広域探査 強襲 天啓 空中機動 霊能 霊撃
騎乗者回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 時空属性 光属性 闇属性
風属性 土属性 水属性 雷属性 聖獣変
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『メジアン』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に2ポイントを加算して下さい》
時刻は?
もう少しで午前10時か。
戦闘が無ければN3E18マップの中央に到達するのはそう難しくないだろう。
無いようであれば実に面白くないけど。
ところで、湖面を見ると大きく変化している。
水の濁りが消えつつあるようだ。
最後のグレンデルの死体が消える頃には普通の池か湖にしか見えなくなっている。
メジアンとグレータードラゴン達の体を伝う水も既に汚くなくないみたいです。
それでもパンタナールは湖で遊ぶよりナインテイルと遊ぶ方を優先のようだ。
ラルゴは?
睡眠が最優先なのは変わらないみたいです。
メジアンのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう2点のステータスアップは敏捷値と筋力値を指定しましょう。
メジアン グレータードラゴンLv12→Lv13(↑1)
器用値 40
敏捷値 63(↑1)
知力値 40
筋力値 63(↑1)
生命力 63(↑1)
精神力 40
スキル
噛付き 引裂き 飛翔 回避 跳躍 疾駆 夜目
水棲 空中機動 自己回復[中] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 捕食吸収 ブレス
火属性 風属性 土属性 水属性 氷属性 雷属性
木属性 溶属性 毒耐性 耐即死
で、ここのエリアポータル名は?
憤怒の湖、となってますけど。
ネーミングセンスは相変わらずか。
まあそれはいい。
蒼月はここで帰還だな。
アリョーシャを戻そう。
メジアンもここで帰還させてスコーチを入れよう。
ナインテイル、パンタナール、ラルゴはもう少し粘って貰おうか。
アデル達も全員、ステータス操作を終えて布陣変更を進めているようだ。
まだまだやる気十分のようです。
そうでなくてはな!
「このまま探索行を続行しよう」
『それはいいんですけど、少し待って頂けますか?』
「何かあったのか?」
『ドラゴンパピーが、新規で召喚可能になってます』
『あ!本当だ!』
『ちょっと待って、確認する!』
ふむ。
ドラゴンパピーが、ですか。
促成栽培、するかい?
『何が影響したと思う?』
『種族レベルかにゃ?』
『その可能性、あるわね』
オレの場合もいつの間にかドラゴンパピーが召喚可能になっていたりしたけどな。
アデル達は全員、種族レベルが大台の100になってます。
職業レベルも仲良く38になっている。
確かに種族レベル100というのは可能性が高いな。
「了解だ。探索行は中止で」
『えっと』
『探索、続けてもいいんですけど?』
「今のうちにドラゴンパピーを育てておいて損はしないと思うぞ?」
『それはそうでしょうけど』
ドラゴンの継続戦闘能力の高さは破格だ。
汎用性も高い。
体躯の大きさと空中位置の優位を維持するのが困難であるが故に洞窟内部での戦闘は不向きと言えるけどね。
それだけ、とも言える。
召喚出来るのであれば、すぐにでも鍛えるべきであるのだ。
ここは予定変更だな。
「一緒に召魔の森に戻ろう。闘技場で少し鍛えてやった方がいい」
『キースさんも、ですか?』
「ああ。そうだ」
闘技場で対戦するにしてもドラゴンパピーのうちだとリスクは高いからな。
グレイプニルなりを使えば比較的安全に促成栽培は出来る。
支援すべきだろう。
それにオレも少し悩んでいた事がある。
新規で召喚モンスターを追加するかどうかだ。
アデル達のドラゴンパピーの促成栽培を支援するついでにオレも新規で召喚モンスターを追加してしまおう。
そうしましょう。
召魔の森に到着。
召喚モンスター達は全員、帰還させてある。
そして召喚したのはロッソ、雪白、濡羽です。
魔物に巻き付いて動きを止める役目を担って貰うとしましょう。
アデル達も布陣を変更しつつある。
そして各々、新たな召喚モンスターを召喚してました。
ドラゴンパピーが4頭だ。
他は既存の召喚モンスターで埋めるようです。
まだ第三段階、第四段階の面々ですね。
それでいい。
戦力の底上げは常に意識すべきだろう。
では、オレも新規で追加しよう。
色々と悩んだけど、これにしました。
イソシアネート ビッグスパイダーLv1(New!)
器用値 20
敏捷値 18
知力値 14
筋力値 7
生命力 8
精神力 7
スキル
噛付き 振動感知 気配遮断 出糸 罠作成 毒
命婦 赤狐Lv1(New!)
器用値 7
敏捷値 20
知力値 19
筋力値 8
生命力 8
精神力 18
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微]
光属性
蜘蛛と狐を追加しました。
どうもオレの配下には前衛に出たがる召喚モンスターが多過ぎる!
支援役を増やしたかったのは以前からだが、ここの所は不足する機会が増えつつあった。
汎用性も重要です。
イソシアネートは蜘蛛神を目指そう。
その大きさは確認出来ている。
前衛に出る時は獲物を糸で拘束している時になる筈だ。
命婦はナインテイルと同じポジションになる筈。
ナインテイルもたまに前に出て噛み付いたりするけど、多くはない。
後衛ポジションになるだろう。
『キースさんも新しく追加ですか?』
『かわいい!こっちおいで~♪』
命婦はいきなりアデルと春菜に捕捉されてしまったようだ。
嫌がっている雰囲気はない。
こっちを一顧だにしないとはな!
やはりアデルと春菜のようなモフモフ好きには何かがあるのだろう。
マルグリッドさんもだけど。
「闘技場で対戦だ。出来るだけ拘束した魔物を屠らせるように」
『『『『ハイッ!』』』』
ポータルガードの参戦は?
揃っているけど止めておこう。
数が多くなり過ぎて経験値が分散し過ぎると促成栽培に支障が出る。
闘技場のオベリスクに捧げるアイテムは?
魔水晶から始めよう。
そのうちに魔結晶、そして他にも色々と捧げてみたらいい。
目指すはイソシアネートと命婦の第五段階だけど、今日のうちにというのは厳しいだろう。
ポータルガードに配備してしまうのもいいけど、そうするにしてもある程度強くないといけません。
促成栽培は必須なのだ!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv128
職業 サモンメンターLv17(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 9
セットスキル
小剣Lv96 剣Lv97 両手剣Lv99 両手槍Lv103
馬上槍Lv105(↑1)棍棒Lv95 重棍Lv94 小刀Lv97
刀Lv99 大刀Lv97 手斧Lv78 両手斧Lv68
刺突剣Lv95 捕縄術Lv99 投槍Lv102
ポールウェポンLv106(↑1)
杖Lv110 打撃Lv119 蹴りLv119 関節技Lv118
投げ技Lv118 回避Lv126 受けLv126
召喚魔法Lv128 時空魔法Lv115 封印術Lv115(↑1)
光魔法Lv111 風魔法Lv111 土魔法Lv111
水魔法Lv111 火魔法Lv111 闇魔法Lv112
氷魔法Lv111 雷魔法Lv111 木魔法Lv111
塵魔法Lv111 溶魔法Lv111 灼魔法Lv111
英霊召喚Lv6 禁呪Lv115(↑1)
錬金術Lv97 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv56
連携Lv100e 鑑定Lv95 識別Lv106 看破Lv98(↑1)
耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv106 精密操作Lv80e
ロープワークLv99 跳躍Lv50e 軽業Lv50e
耐暑Lv80e 登攀Lv60e 平衡Lv100e
二刀流Lv98 解体Lv95 水泳Lv64 潜水Lv80e
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv99 隠蔽Lv96
気配察知Lv99 気配遮断Lv97(↑1)暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv104
魔法効果拡大Lv103 魔法範囲拡大Lv103
呪文融合Lv103
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e 全耐性Lv28
獣魔化Lv26
召喚モンスター
蒼月 麒麟Lv41→Lv42(↑1)
器用値 45(↑1)
敏捷値 87(↑1)
知力値 50
筋力値 45
生命力 45
精神力 44
スキル
噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 疾駆
耐久走 奔馬 蹂躙 飛翔 蹴り上げ 遠視
広域探査 強襲 天啓 空中機動 霊能 霊撃
騎乗者回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 時空属性 光属性 闇属性
風属性 土属性 水属性 雷属性 聖獣変
ルベル フェアリークイーンLv40→Lv41(↑1)
器用値 22
敏捷値 89(↑1)
知力値 88(↑1)
筋力値 22
生命力 22
精神力 88
スキル
飛翔 浮揚 堅守 夜目 空中機動 瞑想 魔力遮断
魔力察知 魔力回収 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 氷属性 雷属性 塵属性 溶属性 灼属性
耐即死 耐石化 耐混乱 耐魅了 共鳴 精霊召喚
精霊門
キュアノス ホーライLv40→Lv41(↑1)
器用値 29
敏捷値 81
知力値 81
筋力値 28
生命力 29(↑1)
精神力 82(↑1)
スキル
飛翔 浮揚 回避 水棲 夜目 変化 同化 魔力察知
物理攻撃透過[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 木属性 氷属性 魅了 耐沈黙 耐魅了
耐即死 共鳴 精霊変化
メジアン グレータードラゴンLv12→Lv13(↑1)
器用値 40
敏捷値 63(↑1)
知力値 40
筋力値 63(↑1)
生命力 63(↑1)
精神力 40
スキル
噛付き 引裂き 飛翔 回避 跳躍 疾駆 夜目
水棲 空中機動 自己回復[中] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 捕食吸収 ブレス
火属性 風属性 土属性 水属性 氷属性 雷属性
木属性 溶属性 毒耐性 耐即死
アリョーシャ グリフォンロードLv40→Lv41(↑1)
器用値 34
敏捷値 82(↑1)
知力値 34(↑1)
筋力値 64
生命力 64
精神力 34
スキル
嘴撃 爪撃 体当たり 飛翔 回避 掘削 空中機動
遠視 広域探査 夜目 威嚇 強襲 隠蔽 危険察知
気配遮断 騎乗者回復[小] 自己回復[中]
物理抵抗[中] 魔法抵抗[小] MP回復増加[微] ブレス
時空属性 光属性 闇属性 火属性 土属性
風属性 毒耐性 耐麻痺
エルニド 鸞Lv40→Lv41(↑1)
器用値 50
敏捷値 87
知力値 59(↑1)
筋力値 43(↑1)
生命力 43
精神力 50
スキル
嘴撃 飛翔 水棲 回避 霊能 遠視 夜目
広域探査 強襲 危険察知 空中機動 水中機動
天耳 自己回復[中] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 火属性 風属性 土属性
水属性 木属性 祝福 瑞鳥変 毒耐性
イソシアネート ビッグスパイダーLv1(New!)
器用値 20
敏捷値 18
知力値 14
筋力値 7
生命力 8
精神力 7
スキル
噛付き 振動感知 気配遮断 出糸 罠作成 毒
命婦 赤狐Lv1(New!)
器用値 7
敏捷値 20
知力値 19
筋力値 8
生命力 8
精神力 18
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微]
光属性
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、ヘザー、テイラー、クーチュリエ、ストランド、ペプチド
言祝、折威、バンドル、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ノワール
虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ




