833
N2E17マップに突入。
地形は平原でしかも荒野だ。
視界を遮るものはない。
(シンクロセンス!)
エルニドの目を借りると?
召喚している。
また、悪魔か!
ヴァーチャー ???
天使 討伐対象 ???
??? ???
パワー ???
天使 討伐対象 警戒中
??? ???
プリンシパリティ Lv.10
天使 討伐対象 警戒中
戦闘位置:空中、地上 ???
アークエンジェル Lv.25
天使 討伐対象 警戒中
戦闘位置:空中、地上 ???
エンジェルナイト Lv.25
天使 討伐対象 警戒中
戦闘位置:空中、地上 ???
天使かよ!
だがその数はそんなに多くない。
ヴァーチャーは5体、パワー10体以上。
その時点で感覚が狂っていると思い知らされる。
多くない?
多いよ!
足止めにしては十分な数だ。
しかし何故、天使であるのか?
パワー級以上の天使は悪魔と違って体格が大きいから召喚していなかったのかな?
そんな所なのだろう。
どうやらここからは空中戦で対応した方がいいみたいだ。
全員、ここで帰還させよう。
消耗があるからな。
蒼月、スパッタ、イグニス、アイソトープ、ビアンカを召喚しました。
さて、天使を召喚する為に足を止めたルーズリーフの魔神だが。
天使が追跡を邪魔しに来るのはもう確実だ。
こっちには身を隠す場所は皆無。
インビジブル・ブラインドを継ぎ足しで使うか?
迂遠だ。
天使を掃討して進もう。
そうそう、昼食として携帯食も摂る事にしておこうか。
今日の夕方までに追い付けばいいのだ。
《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【溶魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【全耐性】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『スパッタ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
天使か。
どうもオレを狙って続々と増援が来ているのは明らかなのだが。
どうも封印が外れた瞬間に歌うのが全ての原因であるらしいな。
少し時間差を置いて増援が来てます。
連戦?
延々と空中戦、しかも1時間越えだ!
半端ない戦力を屠っている事になる。
だがまだまだ、終わりじゃないみたいだ。
オレの目でも遠目に天使の魔力が感じ取れている。
まだ、来るのか。
急いで今のうちにステータス操作を終わらせておこう。
スパッタのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
スパッタ オーロラウィングLv40→Lv41(↑1)
器用値 40
敏捷値 108(↑1)
知力値 53
筋力値 40(↑1)
生命力 40
精神力 53
スキル
嘴撃 飛翔 回避 遠視 広域探査 看破 追跡
強襲 危険察知 空中機動 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 光属性 風属性
土属性 雷属性 電離 分解 分身 耐即死 耐混乱
偏光
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『イグニス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
今のうちに布陣変更はしておいた方がいいな。
スパッタは以前から体当たりをしつつ分解を使っている。
今回はそれだけではなく、分身を繰り出し偏光も使っていた。
偏光って何だ?
謎の光、と言いたいけどかなり便利みたいだ。
周囲の光を収束して相手にぶつけている。
そして天使の放つ光属性の攻撃も例外ではない。
攻防一体になっていた!
でもMPバーの消耗は激しい。
そしてイグニスもまた消耗が激しい。
獄炎変の影響だと分かる。
その正体は黒い炎、要するにヘルズ・フレイムだ!
天使、しかもドミニオン級にも結構なダメージを与えているのが分かる。
オレの支援で封印術の効果があった上での話だが、それでも有難い。
そして恐ろしい。
偏光も獄炎変も相手にする事になる可能性があるからだ。
特に獄炎変。
朱雀は闘技場で何度か、相手にしているのだ!
レベル高めだと攻撃を喰らう機会もあるだろう。
イグニスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。
イグニス 朱雀Lv40→Lv41(↑1)
器用値 44
敏捷値 93(↑1)
知力値 57
筋力値 48
生命力 48
精神力 44(↑1)
スキル
嘴撃 蹴り 飛翔 回避 霊能 霊撃 遠視 夜目
広域探査 強襲 天啓 空中機動 自己回復[大]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[中]
火属性 風属性 土属性 溶属性 耐即死 毒無効
獄炎変
さて。
布陣変更は間に合うかな?
間に合って欲しいものだが。
スパッタとイグニスは帰還だ。
出水とバイヨネットを召喚しよう。
もう少しでルーズリーフの魔神に追い付けそうな兆候がある。
先刻の戦闘であるが、増援の数が徐々に減っていたからだ。
今、迫っている天使達との戦闘でも増援が来るんだろうな。
文句無しです。
それに魔神などに召喚されて従っている時点で罪だ。
罪には罰を与えねばなりません。
それも今すぐにです!
《只今の戦闘勝利で【投槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【塵魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【馬術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ビアンカ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
地表に佇む魔神が見える。
その足元に巨大な魔方陣と魔法円が重なっているのが見えた。
また、何かを召喚しようとしているのか?
呆れた奴!
自ら戦えよ!
ビアンカのステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
ビアンカ アークエンジェルLv40→Lv41(↑1)
器用値 33
敏捷値 77
知力値 77(↑1)
筋力値 33
生命力 33
精神力 78(↑1)
スキル
杖 弓 飛翔 浮揚 変化 神霊 神撃 遠視
空中機動 魔力察知 魔力遮断 連携 自己回復[微]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 風属性 土属性
水属性 木属性 雷属性 氷属性 賛美歌 呪曲
何を召喚しようとしているのかはどうでもいい。
いきなり襲う事にしようか。
蒼月を駆って地表へと降下する。
お前、何を召喚しようとしているのか知らないがね。
いい加減にしろ!
「スナイプ・スロー!」
投じた亜氷雪竜の投槍は魔神に直撃。
いや。
直撃したように見えたが、かなり手前で止まったか?
魔方陣と魔法円だ!
召喚の為ではなく、防御用であるのか?
続けてアイソトープがブレス攻撃。
蒼月、ビアンカ、出水、バイヨネットがそれぞれ攻撃を加えて行く。
雷撃の雨に氷の雨、水の槍に竜巻だ!
だがどれも魔方陣と魔法円の防御を突破出来ていない。
そうか。
とことん自分で戦いたくないのか。
何て奴!
蒼月を着陸させると鞍の上から降りた。
魔方陣と魔法円の縁にまで歩み寄る。
やや距離があるけど魔神の表情は見えていた。
嗤ってやがる。
無性に殴りたくなってきた。
無駄と知りつつも更に前へ。
進めない。
進めないけど、更に前へ。
仕舞いには弾き返され地面に転がってしまった!
『律儀に追い掛けてくれると思っていたけどねえ。もしかして君ってお馬鹿さん?』
ルーズリーフの魔神の笑い顔はどこまでも軽薄。
組んでいた腕を解くと自らの両手を開いて各々の指を見ている。
いや、見ているのは指輪だろうか。
『罠の存在を察して欲しかったなあ』
「罠があったとして何だって言うんだ?」
『再度確認したいけど、君を魔神に、という意見は変わらずあるんだけど。どう?』
「くどい。それよりも罠はどうした?」
『罠をも突破して殴ってやると君の顔に書いてある。分かり易いね、君って』
今度は魔神が両方の拳を組んで祈るような様子を見せる。
罠か?
罠を発動させるのか?
いいぞ。
その罠とやらがどんな物であるのか見せるがいい。
喰い破ってお前に再び迫ってやろう!
『悪いけどね。君みたいなのと付き合いたくないんだ』
「逃げるのか?」
『まあね。でも心配しなくていいよ。君向けの相手を残しておくから』
「何?」
『罠の正体だよ。君にとっての罠になってくれるか、不安なんだけどねえ』
会話はそこで途絶えた。
魔神の眼前、それに背後に何かが出現しつつあるようだ。
その正体は?
待ち望んでいた相手。
そして恐るべき存在。
こいつ等か!
??? ???
魔神 ??? ???
??? ???
雲母竜 スカラブドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
筋肉バカの魔神に雲母竜か!
そしてルーズリーフの魔神の姿が消えて行く。
足元の魔方陣に魔法円も消えてしまっていた。
あの野郎!
仲間を置いてまた逃げるのかよ!
だが相手は筋肉バカの魔神に交代になった訳か。
むしろオレにしてみたら望む所だ。
片手を挙げて召喚モンスター達を制する。
雲母竜が動くようでは困るが、目の前の魔神がそれを許すとも思えない。
こいつはそういう奴だ。
だが少々、様子が異なる。
魔神の顔に笑みは無い。
いや、表情が無い。
そして雲母竜も様子がおかしかった。
翼を畳んだまま、全身が震えている。
おかしい。
何故、殴りに来ない?
先に攻撃をさせてから反撃するような殊勝さは不要なのに。
むしろ殴りに来いよ!
問答無用でこっちから殴るけどな!
「真降魔闘法!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」
手順は?
何度、脳内で対策を考えていただろうかね?
【呪文融合】で組み直す度に考えていたような。
そう。
前に駆けながら使うぞ!
(フィジカルエンチャント・ファイア!)
(フィジカルエンチャント・アース!)
(フィジカルエンチャント・ウィンド!)
(フィジカルエンチャント・アクア!)
(メンタルエンチャント・ライト!)
(メンタルエンチャント・ダーク!)
(クロスドミナンス!)
(グラビティ・メイル!)
(サイコ・ポッド!)
(アクティベイション!)
(リジェネレート!)
(ボイド・スフィア!)
(ダーク・シールド!)
(ファイア・ヒール!)
(ヒート・ボディ!)
(ミラーリング!)
雲母竜は?
動かない。
ならば召喚モンスター達も動かす必要は無い。
動いてくれないのは助かるのだが。
様子が少々、おかしいのが気になる。
魔神もここまで無言なのは何故だ?
「ブーステッドパワー!」
さあ、使った。
使ってしまった。
この状態でなければ目の前の魔神とまともに格闘戦は出来ない。
スピードはまだいい。
パワーはここまでしても及んでいないかもしれない。
体格の不利は覆せないだろう。
そこは装備で補えるといいんだが。
魔神もまたオレにゆっくりと向かって来ている。
違和感は大きい。
それでも脅威が迫っている。
戦うには否は無い。
やはりおかしい。
狂気に満ちた、あの雰囲気は皆無。
一体これはどうした事だ?
「シャァァァァァァーーーーーーッ!」
構うか!
目の前にいるのは敵だ。
好敵手?
いや、明らかに格上の相手。
疑念を差し挟んだまま戦っていい相手ではないのだ!
「フンッ!」
おかしい。
やはりおかしい!
スピードは?
以前と変わらず速い!
パワーは?
相変わらず凄まじい!
オレも打てる手を注ぎ込んで戦闘力を高めている。
スピードもパワーも、目の前の魔神が上回っているのは確かだ。
なのに、オレの方が手数が多い。
オレが与えているダメージも相応にある。
魔神から受けるダメージがそう大きく感じられない理由は?
オレが強くなったから、ではない。
魔神がおかしいからだ!
魔神が拳を撃ち込んで来る。
確かに恐るべき攻撃の筈だが怖くは無い。
いや、全ての攻撃か、存在すらも違う。
確かに、強い。
でも怖くない。
「貴様ッ!腑抜けたか!」
声を荒げつつ腕を捉えて後ろへと引き込む。
単純な崩しに簡単に引っ掛かってオレに投げられてしまう魔神。
違うだろ!
以前の魔神であれば、投げに合わせて膝蹴りをオレの頭に放っていただろうに。
肉を切らせて骨を断つ。
骨を断たせて髄を砕く。
そんな狂気に満ちた攻防が無い。
そこに魂が砕け散りそうな恐怖も無い。
死を予感させる感覚は皆無だ!
「チェイ!」
右肘の関節を極めつつ逆一本背負いへ。
背中から落とすような遠慮は無い。
頭頂から地面に叩き付けた!
魔神の様子は?
ゆっくりと立ち上がり振り向いたその顔に表情は無かった。
虚無。
黄金色の瞳に何の感情も浮かんでいない。
首が奇妙な角度になっていたが、そのままオレに迫ろうとするのだが。
バランスを崩して躓いてしまう。
その頭部を蹴り上げ、胸元に膝を落とす。
マウントの位置を確保。
そのまま拳を連続で叩き込んで行く。
まるで、ダメだ!
全然、楽しくない。
本当にどうしたんだ、この筋肉バカ!
「ッ!」
魔神の左腕が防御に動く。
馬鹿が!
何故、マウントにいるオレを吹き飛ばそうとしない?
体格で有利であるのを知らない筈もないだろうに!
「ヌンッ!」
左腕を捉えた。
腕拉十字固め。
抵抗するパワーは以前と同様に感じ取れるが、攻勢に転じようとしない。
違うだろ?
ダメージを喰らうのを覚悟の上でオレを攻撃するいいチャンスじゃないか!
オレの体を片腕で抱え上げて地面に叩き付ける事もやれた筈だ。
その反撃を期待していたんだが、どうしたんだ?
この野郎!
寝ているんじゃあるまいな?
オレがこの筋肉バカを相手に望んでいた戦いは、こんな物ではない!
組んだ脚を解いて喉元に踵を落として嫌がらせをする。
それでも反応は芳しくない。
腕拉十字固めを強引に引き剥がすチャンスだろうが!
何故、動こうとしない?
何故、防御に回る?
「ッ!」
『グハッ!』
あれ?
呼吸をしていないかのように声が漏れていなかったのだが。
久々にこの筋肉バカの声を聞いた気がする。
いや、間違いなく今日初めて漏らした声だ。
おい。
そろそろ、目を覚ませコノヤロウ!
後転して柔術立ち、そして少しだけ距離を置く。
ゆっくりと立ち上がる魔神。
後方に控える雲母竜の様子は変わらない。
落ち着かない様子で震えているけど、襲って来る気配はない。
こいつも、おかしい。
どうしたんだろうか?
筋肉バカは?
棒立ちだ。
HPは自己回復しているようだが、それだけ。
首はまだ変な角度であり、折れはしていないが痛めた左腕は力無くぶら下がってしまっている。
オレの頬を伝うものがある。
涙。
涙、なのか?
オレはこんな奴と戦う為に鍛錬を重ねて来た訳じゃない。
失望、そして虚無感。
その大きさ故であるのか?
同時に怒りが生じた。
この筋肉バカを変えてしまったのは?
やはり魔神であるのだろう。
許せん。
絶対に、許さん!
目の前に佇む筋肉バカがのっそりと動き出す。
徐々に速度を上げて駆け寄るけど、その動きにキレは感じない。
繰り出された拳を掌で受けてそのまま体落とし。
簡単に転がる筋肉バカに馬乗りいなると再び握り込んだ拳を雨のように降らせて行く。
頬を伝う涙は止まらなかった。
過剰なまでに歯を食いしばっているのが分かる。
嗚咽しそうになっていた。
殴り続けつつ、思う。
目を覚ませ!
祈りを撃ち込む拳に込めて殴り続ける。
両腕には殴り続けた衝撃が蓄積されつつあったが構うか!
無念の思いも上乗せして殴り続ける。
そうするより他に何をしろというのだ?
どれだけ時間が経過しただろうか?
オレと筋肉バカは何度目かの対峙になっているのだが。
酷い有様だ。
魔神の顔は腫れ上がり原型を留めていない。
全身もボロボロだ。
自己回復の恩恵であるのか、首の角度は元に戻っている。
痛めている筈の両腕も両脚も普通に動かせているようだ。
それでもまだ目覚めてくれていない。
どうしたものか?
既にファイア・ヒールの札が2つ、減ってしまった。
1つは勿論、オレに使ったのだが。
もう1つは筋肉バカに使ってます。
何故か?
不公平だからだ。
加えてブステッドパワーが途切れたタイミングで筋肉バカにはダークヒールを使っている。
憐れんで使っているのではない。
目が覚めるまで殴り続ける為にだ。
妥協は無い。
リミッターカットの効果は持続している。
戦闘終了にならないと途切れないのだ。
後遺症は気にしちゃいけない。
今は筋肉バカを相手に殴る事を優先だ!
途切れていた武技を継ぎ足して、呪文の強化も継ぎ足して続けよう。
望みならある。
徐々にだが好ましい反応を見せるようになっていた。
僅かに黄金色の瞳に感情が浮かんでいる。
驚愕か警戒、そんな所だ。
顔を顰めて痛がる様子もある。
僅かな変化だが、もう少し刺激を強めるべきかな?
それもいいな。
痛めるだけの殴る蹴るは程々にしようか。
より危険な領域に踏み入ってみよう。
まともに喰らわせたら死にかねない、そんな技を使うのだ!
何、相手は魔神えあり強力な自己回復能力もある。
やろう。
多少は反応が変わってくれるかもしれません。
『フォッ!』
「ッ?!」
手刀で喉を突き、金的を蹴り上げ、鼻に指を突っ込んで押し込もうとした時だ。
変化はいきなり生じた。
背筋が寒くなるような恐怖が走る。
チリチリとした空気が流れていた。
だからこそ、腕でブロック出来たのだと思う。
筋肉バカの膝蹴りを受けてオレの体が吹き飛ばされた!
左腕に残る痛みは当然だが、背中にまで衝撃が重く残っている。
地面を転がりつつ上半身を浮かせてオレが見た風景は?
歪んで見える向こうから迫る魔神の黄金色の瞳に力が宿っている。
それは狂気。
狂気だ!
「ハハッ!」
思わず笑い声が漏れる。
襲って来る魔神の蹴りに右足裏を合わせて後方に跳んだ。
着地すると距離を置いて様子を窺う。
仁王立ちの筋肉バカの変化を見極めるべきだ。
『ヌガァァァァァーーーーーーーッ!』
起きたか?
起きたんだな?
いいぞ、ならばここからが本番だ。
突っ立っているだけならこっちから仕掛けさせて貰うぞ?
魔神に駆け寄ると膝へ前蹴りを放つ。
猿のように跳躍する魔神。
獣のような動きを見せる!
着地した所へ左ミドルを放ったのだが。
爪先が脇腹へ直撃する寸前に腕でブロックされる。
まさに筋肉の壁だ!
先刻までと感触が違う。
筋肉がいきなり増量でもしたのか?
そのまま強引に体当たりに来る所をカウンターで頭突きを喰らわせた。
こっちが吹き飛ばされる。
ああ、もう!
頭がクラクラするぞ!
再び距離を置くと魔神の変化はより明確に感じ取れるようになっていた。
バンプアップしたかのような印象なのは狂気が加わったからなのか?
ダイナミックな動きに思えるのは気のせいなのか?
分からない。
確実に変化していたのはその雰囲気だ。
死の恐怖、そして狂気が加わっている!
「ククッ!」
いかん。
笑い声が止まらない!
ようやくオレの望む展開になってくれた!
もう失望する事もない。
虚無感もない。
あるのは全身で感じ取れる、痺れるような感覚だけだ。
いいぞ!
こうでなくてはな!
「カハッ!」
『クォォォォォーーーーーーーッ!』
再び激突!
懐に飛び込み密着、投げを狙う。
きっと危険な攻防を繰り返す事になるのだろう。
それは至福の時間になる筈だ!
《只今の戦闘で【打撃】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【蹴り】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【関節技】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【投げ技】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【回避】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【受け】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【気配察知】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【武技強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【呪文融合】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘で【獣魔化】がレベルアップしました!》
戦闘は終息していた。
お互いにまともに動けなくなっていたからだ。
雲母竜が魔神を覆い被さるようにして介入している様子が見える。
魔神はまだ戦い足りない様子を見せていたが、その頭上にはステータス異常を示すマーカーがあった。
魔神に勝てなかったのは自己回復能力の差だろう。
オレは呪文でカバーしていたけど追い付いていなかったみたいだ。
戦闘終了のインフォがあった時点で後遺症が出ている。
オレのステータス値の低下は9割に相当してます。
これは酷い。
すぐにソーマ酒で解消だな!
『我は何をしていた?』
「殴り合っていたさ。覚えてないのか?」
雲母竜は後方に控えるようだ。
こいつも全身を震わせるような様子を見せていない。
元に戻ったのか?
『その前だ。夢の中で汝と戦っているように思えたものだが、いつの間にかここで戦っていた』
「夢?」
『然りだ。思い出せん!』
呆れた奴だ。
いや、他の魔神が何かをしたのかもしれないな。
『我ガ主ヨ、最初ノ祝福ニシテ呪詛タル枷ガ外レテヨウダ』
うわっ!
ビックリした!
雲母竜、お前は喋れるのかよ!
金紅竜も喋れるのだから不思議じゃないけどさ。
でも話し慣れていないのか、非常に聞き取り難い。
『どうやらそのようだな。雲母竜よ、我との誓約も消し飛んでおるようだが』
『我ハ我ノ好キニサセテ貰オウ、我ガ主ヨ』
『難儀な奴め』
苦笑する様子の筋肉バカだが。
何が起きたのか。
良く分からんな。
「どうする、こっちは続きをやってもいいぞ」
『強がるな。限界に近いであろうに』
「ああ。だがそれが理由になるか?」
僅かに腰を落として挑発。
だが魔神は反応してくれていない。
おい。
もう終わりか!
『汝には感謝しよう。その礼で戦っても良いがな。今は別の用件が出来た』
「何?」
『うむ。僅かにだが思い出して来たぞ?あ奴等め、ふざけた真似をしてくれたものだ!』
魔神の形相が歪む。
まるで鬼だ!
でも残念、その怒りはオレに向けてのものではないようだ。
『ドウスル?』
『償わせる。お前は付き合わずともいいぞ?』
『琥珀竜デアレバ気ニシナクテイイ。同行シヨウ』
魔神の視線がオレを穿つ。
その表情に狂気は皆無だった。
おい。
オレと戦えよ!
「逃げるな!」
『逃げはせん。いずれまた汝とは戦う機会があるだろう。それを待つがいい』
魔神は雲母竜の頭上へと浮いて行く。
そして地面に何かを投げ捨てた。
天空に大きな変化が生じている。
漆黒の渦だ!
あれは何だ?
センス・マジックを使っていないけど分かる。
途轍もない力が作用しているに違いない。
『これを汝に預ける!次の戦いまで持っているがいい』
「何?」
『忘れるな。我は必ず取り戻しに来るぞ!』
雲母竜が一気に上昇、漆黒の渦の中に消えてしまった。
その頭上にいる魔神もです。
オレはその光景を見ている事しか出来なかった。
魔神の言う通りだ。
MPバーは残り1割程度。
消耗は激しくスラー酒を使っても万全には程遠い。
召喚モンスター達は雲母竜の前に萎縮しているのもあったが、追い掛けて無事でいられる可能性は無い。
何よりも体に刻み込まれた痛みと痺れ、疲労感も凄まじい。
その感触がどうしようもなく愛おしかった。
ソーマ酒でステータス値は解消しているんだけどな。
どうも体の感覚はまだ激戦の余韻を楽しんでいるようです。
そうだ。
まだ次がある。
魔神の言葉を信じる訳ではないが、オレにも予感がある。
あの筋肉バカとはまた、戦う事になりそうだ。
根拠は無いけど、そう思える。
【装飾アイテム:指輪】魔神の指輪 品質? レア度?
M・AP+??? 重量0+ 耐久値???
魔神が固有に所有する誓いのアイテムの1つ。素材は不明。
その台座には粒の揃った邪悪なるダイヤモンドが3つ嵌め込んである。
装備する者によりその恩恵が異なる特殊な指輪。
※効果???
魔人の指輪の上位アイテムって事かな?
そもそもあの魔神は指輪をしていた形跡はない。
素手で殴ってました。
まあそうだよな。
指輪を嵌めたまま格闘戦はすべきじゃない。
これはこのまま預かっておく事にしよう。
次に逢う事を保証する為の質草だと思えばいい。
再会が長引くようであればどうする?
闘技場のオベリスクに捧げてやる!
そんな危険なアイデアもあるけどな。
自重しておくとしましょう。
時刻は?
いつの間にか午後5時30分になってます。
あの魔神と一体どれだけの時間、戦っていたのだろう?
そう言えば何度もブーステッドパワーを途中で使っていたような。
その合間に呪文の強化を何度も継ぎ足していたし。
オレのMPバーが枯渇寸前になっていたのも納得だ。
格闘戦だったんだけどな。
あの筋肉バカの魔神は自分を取り戻したらしいからな。
次は最初から、本来の実力を発揮してくれるに違いない。
どこかで手抜きをするかもだが、そこはそれ。
次に戦ってみたら分かるだろう。
召魔の森に到着。
まだ体の中から熱が引いていない。
痛みと衝撃が重たく骨に響き続けているかのようだ。
それでいて体は戦いを欲して止まない。
どうしようもないな、オレって。
すぐにでも対戦だ。
好都合な事にポータルガードは揃っている。
守屋、スーラジ、久重は留守番にして闘技場に行くぞ!
夕食は?
スーラジに任せてしまおう。
布陣はここで変更しておこう。
蒼月、アイソトープ、ビアンカは帰還だ。
ストランド、極夜、ヘイフリックを召喚しましょう。
オベリスクに捧げるアイテムはどうする?
ここは賭けになるけど布都御魂にしよう。
建御雷神之幻影か化身が出現してくれる事に期待したい。
得物は神樹石のトンファーだけで。
クールダウン代わりに最初から格闘戦で挑んでみようか!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv127
職業 サモンメンターLv16(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 7
セットスキル
小剣Lv96 剣Lv97 両手剣Lv99 両手槍Lv103
馬上槍Lv104 棍棒Lv95 重棍Lv94 小刀Lv97
刀Lv99 大刀Lv97 手斧Lv78 両手斧Lv68
刺突剣Lv95 捕縄術Lv99 投槍Lv102(↑1)
ポールウェポンLv103
杖Lv109 打撃Lv118(↑1)蹴りLv118(↑1)関節技Lv117(↑1)
投げ技Lv117(↑1)回避Lv126(↑1)受けLv126(↑1)
召喚魔法Lv127 時空魔法Lv115(↑1)封印術Lv114
光魔法Lv111(↑1)風魔法Lv111 土魔法Lv111(↑1)
水魔法Lv111 火魔法Lv111(↑1)闇魔法Lv112(↑1)
氷魔法Lv111(↑1)雷魔法Lv111 木魔法Lv111
塵魔法Lv111(↑1)溶魔法Lv111(↑1)灼魔法Lv111(↑1)
英霊召喚Lv6 禁呪Lv114
錬金術Lv96 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv56
連携Lv100e 鑑定Lv95 識別Lv106(↑1)看破Lv97
耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv106(↑1)精密操作Lv80e
ロープワークLv99 跳躍Lv50e 軽業Lv50e
耐暑Lv80e 登攀Lv60e 平衡Lv100e
二刀流Lv98 解体Lv94 水泳Lv64 潜水Lv80e
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv98 隠蔽Lv96
気配察知Lv99(↑1)気配遮断Lv96 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv103(↑1)
魔法効果拡大Lv102(↑1)魔法範囲拡大Lv102(↑1)
呪文融合Lv102(↑1)
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e 全耐性Lv27(↑1)
獣魔化Lv26(↑1)
召喚モンスター
スパッタ オーロラウィングLv40→Lv41(↑1)
器用値 40
敏捷値 108(↑1)
知力値 53
筋力値 40(↑1)
生命力 40
精神力 53
スキル
嘴撃 飛翔 回避 遠視 広域探査 看破 追跡
強襲 危険察知 空中機動 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 光属性 風属性
土属性 雷属性 電離 分解 分身 耐即死 耐混乱
偏光
イグニス 朱雀Lv40→Lv41(↑1)
器用値 44
敏捷値 93(↑1)
知力値 57
筋力値 48
生命力 48
精神力 44(↑1)
スキル
嘴撃 蹴り 飛翔 回避 霊能 霊撃 遠視 夜目
広域探査 強襲 天啓 空中機動 自己回復[大]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[中]
火属性 風属性 土属性 溶属性 耐即死 毒無効
獄炎変
ビアンカ アークエンジェルLv40→Lv41(↑1)
器用値 33
敏捷値 77
知力値 77(↑1)
筋力値 33
生命力 33
精神力 78(↑1)
スキル
杖 弓 飛翔 浮揚 変化 神霊 神撃 遠視
空中機動 魔力察知 魔力遮断 連携 自己回復[微]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]
時空属性 光属性 闇属性 風属性 土属性
水属性 木属性 雷属性 氷属性 賛美歌 呪曲
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、ヘザー、テイラー、クーチュリエ、ペプチド、言祝
折威、バンドル、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ノワール、虎斑
蝶丸、網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ




