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携帯食で腹を満たすと観察を続ける。
本隊は東へとゆっくり移動を開始していた。
周囲に展開していた冒険者達もその後を追う。
警戒範囲が広いままだ。
昨夜とは少しだけ警戒態勢が異なるようだ。
昨夜もこの森にいる魔物が何度か襲っていたが、問題なく屠っている。
本隊が戦闘になっている展開はほんの数度。
殆どを周囲を警戒する冒険者達が片付けている。
見えていないけど、先導している冒険者のパーティも同様であるのだろう。
手際はいい、と思う。
その一方で何とも言えない違和感。
何だろう?
今、考え込むのは止そう。
インスタント・ポータルを解除して追尾を再開するのだ。
最後尾で警戒している冒険者のパーティの探知範囲に引っ掛からないように追尾、か。
中々、神経を擦り減らす展開が続くと思う。
PK職もPKK職もこれを日常的にやっているのだ。
オレにだって、きっと出来る。
まあオレはサモナー系の魔法使いであって、出来なくても問題ない筈だけどな!
時刻は午前7時20分。
夜が明けた影響からであるのか、進軍速度が上がってみたいだ。
そして広域マップも確認する。
ターニャの砦からN2E14マップの東端まで残り半分といった所だろうか。
かなり頑張って移動していると言えるだろう。
冒険者パーティの展開範囲は更に拡がっているのが気になる。
目視では既に先遣部隊の本隊を追えなくなっていた。
ヴォルフが匂いで確認してくれているから、もっと先を進んでいるのは分かるのだが。
いや。
冒険者達の動きが止まる。
パーティ毎に集まって何か話し合っている
スコーチを近寄らせて会話を聞けるだろうか?
試すのもいいだろう。
(シンクロセンス!)
呪文に気付かれたような様子は無い。
いけるか?
後はスコーチに頑張って貰うとしよう。
「ここで依頼完了か?」
「ああ。お互いにな」
「後味が悪かったがこれも仕事だ。報酬はギルドでいいんだよな?」
「そうだ」
「オレ等は先に戻ってるぜ」
「またこんな依頼があって欲しいもんだぜ」
誰が何を喋っているのかは分からない。
そして話の内容も意味が通じていない。
後味が悪い?
どういう事なのか?
「じゃあな。また組む事があったらよろしく」
「ああ」
人数が一気に減った。
テレポートで跳んだのだろう。
残ったのはパーティ1つ分、6名だけ。
「オレ等も残りの報酬を受け取りに行こうぜ!」
「少し、待て。本当に報酬を無事に受け取れるかどうか、確認してからだ」
「何?どういう意味だ?」
このパーティのリーダーらしき男は一番小さい。
だが他のメンバーがその存在に一目置いているのは明らかだ。
傾聴する様子から言って、上司と部下の関係に近いだろう。
「皆、一緒に組んでた連中の顔は覚えているな?」
「ああ」
「冒険者ギルドの出入りを今日一日、見張るぞ」
「そこまで警戒する理由があるのか?」
「ある。先遣隊だがオレ達で手分けして跳べば移動出来ない数じゃないからだ」
その言葉にオレの感じていた違和感の正体が知れた。
確かに先遣部隊の数は相応に多い。
でも手分けしてテレポートが出来ない、というのは考え難い。
実際に法騎士達が先行して跳んでいるし、冒険者達が使えるのも今見た通りだ。
「政治が絡んでいる。どうしても攻め込む口実を欲しがっていたからな」
「おいおい、まさか!」
「あいつらが人身御供か?」
「開戦派には過激なのがいるって聞く。中立の立場の貴族を説得するには好都合だろ?」
「穏健派の貴族も黙ってないだろ!」
「陛下に奏上すれば分からん。本格的に戦争になる可能性は捨て切れない」
言葉が止んだ。
リーダー以外の全員がお互いに視線を交わしているようだ。
「まさか、オレ等も口封じされる?」
「分からん。だから見張る。門衛にも顔を見られないよう潜入しよう」
「本当に口封じされてたらどうするよ?」
「逃げる。当たり前の事を聞くな」
小さく、そして低い声で呪文詠唱が聞こえてくる。
そして冒険者達の姿が消えた。
テレポートで跳んだのだろう。
先遣部隊の本隊がどうなっているのか。
もう分かっている。
全滅。
そういう事なのだろう。
確かめておく必要がある。
これは酷い。
森の中、散乱する死体は数え切れない。
そして死体の様子が酷かった。
斬殺死体もある。
撲殺死体もある。
焼かれた死体もあった。
どうも一方的に蹂躙されてしまったらしい。
生き残っていて事情を聞けそうな奴はいるか?
重傷でどうにか踏み止まっている奴はいないか?
情報が欲しい所だ。
「ホゥ!」
スコーチが鳴きつつオレの肩に舞い降りた。
そして再び飛んで行く。
何か、見付けたのか?
スコーチの後を追ってみよう。
何か手掛かりが残っていたらいいんだが。
法騎士 ストーク Lv.4
ホーリーガード 気絶中
???
死体が折り重なる中から清姫と濡羽が救出していたのは法騎士だった。
HPバーは僅かに残っている。
そして状態異常のマーカーが重なってもいた。
これは危ないな!
(ファイア・ヒール!)
ここは大いに奢っておこう。
何か聞けるのかもしれない。
でも気絶状態は回復していないようだ。
ああ、そうね。
これだけじゃダメでしたっけ。
(リフレッシュ!)
さあどうだ、ストークくん?
意識を取り戻してくれ!
法騎士 ストーク Lv.4
ホーリーガード 睡眠中
???
おい。
起きろよ!
熟睡している場合じゃないぞ?
「キースちゃん!」
「ジュナさん?」
「これ、貴方がやったんじゃないでしょうね?」
「まさか!」
太平楽で熟睡している法騎士を起こそうとしたら犯人になりかけてた件。
ヤバい。
弁護士を呼んでくれ!
そうじゃなくて、起きろこの野郎!
「どうも謀略みたいですけど」
「謀略って?」
「生き証人がいます。起きてませんけど」
法騎士ストークは?
まだ熟睡している。
ああ、殴りたい。
無性に殴りたくなってます。
「謀略って。何か情報があるの?」
「ええ、まあ」
ここは落ち着こう。
先刻の冒険者の様子を伝える事にしましょうか。
「そう。そんな話があったのね」
「はあ」
普段のジュナさんからは想像出来ない。
真剣だ。
真面目だ。
まあ当たり前か。
「こっちは向こうの主戦力の陣地まで追っ掛けてたわ」
「え?」
「ついでに王都にも。最初から開戦の口実狙いだったって訳ね」
そう言いながらもジュナさんが何かを地面から拾い上げた。
ただの紐?
いや、違うな。
見覚えがある。
天斑馬のミサンガ。
それはジュナさんの手の中でボロボロと崩れてしまう。
「運が良かったみたいね、この子」
「これ、どうするんですか?」
「何にせよ、その子を回収してターニャの砦に戻りましょうか」
「戦争になりそうですか?」
その問いにジュナさんは答えない。
雰囲気が重たいんですけど?
「もう、戦争になっている。そう思っていた方が良さそうね」
「あちゃ」
他人事みたいな返答だけど、気分はそれに近い。
まだ現実味が無いのです。
それに攻めて来る戦力がどれ程であるのかも分かっていない。
まあアレだ。
どんな戦力であってもジュナさんが迎撃するだけで全滅出来そうな気がします。
「その子は運べる?」
「どうにか」
「そう。じゃあ、跳ぶわよ?」
ジュナさんの足元の影が拡がる。
そして体が影の中に沈んでしまう!
おお?
この感覚、新鮮だぞ?
気が付けばもうターニャの砦の前にいました。
そしてオレの傍にジュナさんもいる。
オレ配下の召喚モンスター達も全員、いる。
テレポートとは別の仕組みなのだろうけど、これって便利そう。
シャドウ・ゲートか。
使ってみたい!
「行くわよ?」
「ちょっと、お待ちを」
運搬は召喚モンスターに任せちゃダメなんでしょうか?
運べるからいいんだけど。
ストークくん、起きて自前で歩いてくれませんかね?
運搬で戦鬼でも召喚したい所だけど、ターニャの砦の中を歩き回らせるには剣呑過ぎる。
このまま運んでしまおうか。
「困ったのう」
『悩む事は無い。攻めて来るならば迎え撃つだけだ』
「隣国の混乱は復興にも悪影響が必ず伴うものじゃよ。それが、困る」
『そんなものかな?』
水晶竜の場合、どこか戦いを欲している様な所がある。
ここの所、強力な魔物を相手に狩りをしていないのは分かっている。
女王陛下の護衛役から離れられないのであるから当然だ。
「ジュナ様、動きはありますか?」
「本国はまだ、動いてないわ。派遣戦力の主力なら山の向こう側で待機したままね」
「時間を掛かりそうですかな」
「今頃は国内の派兵反対派を説得してる頃かしらね?」
『待ち遠しい事だ』
水晶竜さん、本音が出てますよ?
戦いたがりはこれだから困る。
「方針は変わりません。邪な意図で侵略を望むのであれば受けて立ちましょう」
「陛下、勝てたとしても傷が残りますぞ?」
「残念ですが、全てを失う訳に参りません。希望を、命脈を断たれる事には行かないでしょう」
女王陛下の言葉に師匠は軽く頭を下げ、同意を示す。
ジュナさんも笑みを浮かべつつ、頷いていた。
「キース様」
「はい、陛下」
「生き証人を確保したと聞いております」
そう言うと軽く、頭を下げた。
あちゃ。
後ろで控えている竜騎士ラーフェンも竜騎士グリエルも、驚愕の表情をしている。
竜騎士プリムラは平然としているけど。
女王陛下たる者、軽率に頭を下げちゃいけないでしょ?
「こちらの正当性の主張が出来れば良いのですが」
「陛下。恐らくですがそれでも戦争になると思いますぞ」
「オレニュー様?」
「最初から一方的な通告を企図している事は明白。どうあっても攻めて来るでしょうな」
うむ。
やはりこれ、イベントですね!
そうだよね?
フィーナさん宛に連絡しておこう。
どうやら、イベントです。
今度は隣国との戦争みたいです。
伝えるべき内容はそれだけでいいだろう。
「恐れていた事態じゃな」
「でも負けるつもりは無いのでしょう?」
「当たり前じゃ。負けてなるか!」
師匠もどこか気合が入っているな。
まあ当然だろうけど。
「ルグランにはすぐに動いて貰わねばなりませんな」
「オレニューちゃんが行って。私はここを離れない方がいいでしょう」
「承知」
師匠は女王陛下の前で深々と一礼すると砦の外に向かうようだ。
オレもその後を追う。
「キースよ」
「はい」
「他にも懸念すべき事があるんじゃがな」
「魔人、それに魔神ですね」
「そうじゃ。それに地脈を正す事も後回しになるじゃろう」
歩きながら聞いてみた。
地脈の乱れ。
その影響で数は少ないものの、強力な魔物が出現しているらしい。
「例の浮き島が着地しておったであろう場所は分かるか?」
「うろ覚えですが」
「幾つかは潰してみたがの。邪結晶を地下に埋めておったようじゃ」
「邪結晶、ですか?」
「排除するには相当な危険が伴う。あれを放置するのは心残りなんじゃが仕方ない」
「問題があるのですか」
「強力な魔物を生んでいるだけでも問題じゃしな」
師匠をして危険と言わせる存在か。
興味がある。
浮き島が着地してた場所はどこでしたっけ?
覚えてません。
綺麗に、忘れてます。
港町サリナスより東側なのは確実。
スワニーの村の西側なのも確実。
無作為に飛び回って駆け回っても見付かるとは思えないが。
でも師匠は言ってましたね?
強力な魔物を生んでいる、と。
ならば行ってみたらいいのだ。
何かが分かるかもしれません。
『サリナスからピエタ、スワニー周辺?』
「ええ」
『例の灰が降って以降、魔物が出現しなくなってプレイヤーが居ないから情報は無いわね』
「そうですか」
フィーナさんに改めてテレパスで連絡、状況を説明したついでに聞いてみた。
強力な魔物との遭遇について情報が無いか、聞いてみたんですが。
残念、無いのか。
自前で情報収集は断念してます。
人には向き不向きってものがあるのだ。
一応、降灰の様子を見に行こうか。
状況次第によっては空中を移動しつつ探索が可能だろう。
ターニャの砦では降灰はほぼ気にならなかった。
スワニーの村は王城があった場所に近い。
まだ降っていなくとも、積もった降灰が酷くなっている事も考えられる。
噴火して収まったらそれで終わりじゃないのだ。
積もった灰もまた厄介な存在になる。
回収業者なんていませんからね。
時刻は午前9時20分。
E12マップのエリアポータル、スワニーの村に到着したのはいいんだが。
これは酷い。
足首が埋まるなんてもんじゃない。
雨が降っていた影響もあったのだろうか、泥地となっている。
まともに歩ける状況じゃないな!
この近辺で地上を移動する事は当面控えるしかないかな?
困った事だ。
布陣は変更するしかない。
スコーチは残そう。
ヘザー、蒼月、スパッタ、イグニスを召喚しました。
まずはスワニーの村周辺を巡ってみましょう。
魔物が復活していればいい。
魔人が率いていた魔物の残存兵力はもういないと思えるが。
まずはこれだな。
(コール・モンスター!)
魔物はいるかな?
予想通り、いません。
全く引っ掛かりません。
まあいいさ。
一応、センス・マジックも使って警戒しつつ進もう。
天候は晴れ、広域を探索するなら高空からが基本だ。
寒いんだろうな。
それも享受すべきなのだろう。
時刻は?
午後11時40分です。
ダメだこりゃ。
魔力の残滓なんてまるで感じ取れない。
E12マップを丁寧に探査しているんだが、これって方法が間違っているのかね?
まるで意味が無いように思えてきた。
だが、師匠が警告する程の危険が潜んでいる筈。
きっと、罠だ。
そう、罠だ!
高空を移動していたのではダメなんじゃないの?
罠を仕掛けやすいよう、誘導しなきゃいけないんじゃないの?
そう思えて来た。
思い付いた手段は2つ。
超低空を飛んで挑発。
アイス・フィールドで地上を移動。
これらにクーチュリエの誘引、テイラーの発光を追加してみるのもいいかな?
死ぬような思いをする危険もあるからやりたくないけど。
今のうちに昼食は携帯食で済ませてしまおう。
原を満たしたら試してみたらいい。
最初は超低空飛行だ。
これでダメなようであれば、地上に降りよう。
何かに遭遇したいものです。
だって今日はまだ、戦っていないのだ!
荒御魂 ???
鬼神 討伐対象 アクティブ
??? ???
和御魂 ???
鬼神 討伐対象 アクティブ
??? ???
白霊鳥 ???
霊獣 討伐対象 アクティブ
??? ???
いた!
泥が噴火したかと思った!
ビックリしたなあ、もう!
一気に高度を上げて空中戦を挑もう。
特に荒御魂は繰り出す腕を全部引き抜かなければいけない相手だ。
双角猛蛇神の騎士槍を手放す。
ヘザーが下で受け取って回収してくれたようだ。
ナイスキャッチ。
ちょっと預かっておいてね?
淤母陀流神之影 ???
巨神 ??? ???
??? ???
阿夜訶志古泥之影 ???
巨神 ??? ???
??? ???
それは巨大な泥人形だ。
一方は男性でもう一方は女性。
マネキン人形にするには利用出来そうに無いな。
着て行く服が無い。
その大きさは確かに巨神サイズ。
センス・マジックでは全身が淡く輝くかのようで明確じゃない。
強さはどうなの?
実際に戦ってみるしかないんだが。
問題はこの2体だけじゃない事だ!
天之常立神之影 ???
巨神 ??? ???
??? ???
その大きさは淤母陀流神之影、阿夜訶志古泥之影を超えている。
存在感は希薄だけど魔力もまた明確じゃない。
その姿は?
まるで白い綿あめで作られた人形だ!
どうもこっちが総大将?
きっとそうだ。
「人馬一体!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」
巨神か。
そして影か。
それが3体とか、全力で行くしかない!
(((((((六芒封印!)))))))
((((((七星封印!))))))
((((((十王封印!))))))
(ミラーリング!)
だが優先すべきは制空権。
和御魂と白霊鳥は召喚モンスター達に任せた!
荒御魂はオレが片付けよう。
相性がいいのはオレとせいぜいがヘザーだけなのだ。
巨神3体の特性は?
制空権を確保するまでの間で嫌になる程、思い知る事になるだろう。
「マキシマム・チャージ!」
空中戦でこの武技を使う事になるなんて、誰が思う?
オレもそう頻繁に使わない。
命中したら大きい戦果があるけど外れる事もあれば逆撃も喰らう事もあるからだ。
それでも使う理由はある。
影であってもそこは巨神、どれも手強い!
リスクはあるけど、ダメージを稼ぐにはこれが手っ取り早いから仕方ないのだ!
淤母陀流神之影、阿夜訶志古泥之影は2体で1組のような存在だ。
常にお互いのHPバーとMPバーが均等になるよう、融合を繰り返す。
仲が良い夫婦なのかな?
でもそれだけで済む訳がない。
淤母陀流神之影は土属性、阿夜訶志古泥之影は水属性を備えているようだ。
封印が解けたら空中にいても有利と言い切れなくなるような、洒落にならない攻撃が来る!
そして天之常立神之影。
こいつは風属性、水属性、土属性、雷属性、氷属性、木属性までは見た。
封印術の呪文は効くけど、外れるのが早いって!
オレを殺す気か?
(ヒート・ボディ!)
突撃前に継ぎ足しておこう。
天之常立神之影が総大将なのは間違いない。
多彩な属性、それでいて攻撃のし甲斐が無い。
突撃しても簡単に通過するから手応えがないのだ!
ダメージは与えているけどな。
ついでに突撃するとこっちも微妙にダメージを喰らってます。
嫌がらせか!
本来であれば淤母陀流神之影か阿夜訶志古泥之影のいずれかが沈んでいておかしくないんだが。
相互に融合するものだから戦力が低下してくれない。
困った奴等!
(((((((((((((((((((ファイア・ホイール!)))))))))))))))))))
(ミラーリング!)
攻撃の手を止めてはいけない。
これは長時間の戦闘になるだろう。
間違いないな!
「マキシマム・チャージ!」
想定外の事態が起きた。
天之常立神之影のHPバーが半分を割った所かな?
淤母陀流神之影、それに阿夜訶志古泥之影が天之常立神之影に融合した。
天之常立神之影のHPバーが大きく回復してやがる!
その引き換えであるのか、淤母陀流神之影と阿夜訶志古泥之影は小さくなってます。
どこかでこんな形態を見せる組み合わせがあったような気がするけど思い出せない。
おっと。
今は戦闘を継続だ。
まだ【英霊召喚】は使っていない。
空中での機動力を必要とする戦況じゃないからだ。
エクストラ・サモニングも悩ましい。
このまま押し切れそうなんだけど、どうなの?
召喚モンスター達の消耗はそれなりだ。
どうにも中途半端で判断が難しいけど。
ここは継続で。
時間はまだある。
ある筈なのだ。
《只今の戦闘勝利で【馬上槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【馬術】がレベルアップしました!》
淤母陀流神之影と阿夜訶志古泥之影の最後は?
泥水と化して消えてしまった。
そして今、天之常立神之影は空気に溶けるように消えてしまう。
だがそれで終わりじゃないみたいだ。
何か、光る物が地表に向けて落ちている。
センス・マジックで見ると高い魔力が宿っている、何かだ。
確認が要る。
同時に何故か、危険な予感がしました。
【素材アイテム】邪結晶 品質E- レア度- 重量86+
多様に呈色する結晶体。邪悪な力が集約されている。
邪水晶をも大きく上回る魔力を宿している。
常時弱い魔力を発するが魔力が減少しない特性を持つ。
品質が高い程その発する魔力は大きい。
錬金術でしか作成出来ない。
不死の力に通じているとされ、悪用厳禁の禁制品。
泥の中に邪結晶が半ば埋まってます。
奇妙な代物だ。
重量が大きいのも当然だ。
このサイズを超える邪結晶は師匠の家の最下層でしか見た事がないぞ!
何なの、これ?
それでいて品質は最低だ。
表面にはヒビ割れまで見えるんだが。
目の前で大きく、2つに割れた。
そして粉々に砕けて散ってしまった。
これが元凶?
あの浮き島が着陸していたのはこれを地下に埋めていたとか、そういう事なんだろうか。
何にせよ、恐ろしい敵だった。
まずはソーマ酒を服用して落ち着こう。
召喚モンスター達の消耗はどうか?
天之常立神之影相手への攻撃は突っ込むだけで済んでいたから消耗は結果的に少ない。
ダメージと状態異常回復でオレの負担が大きかったけどな!
もう一戦は十分に可能だろう。
時刻はもうすぐ午後3時40分か。
E12マップを低空飛行で円を描くように探索範囲を拡げているんだが。
昼間のうちでE12マップだけでも概ねの所を終わらせたい。
まあこれも地道に確認すべきなのだろう。
出来れば夕刻までにもう1つ、潰しておこうか。
《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【禁呪】がレベルアップしました!》
時刻は午後6時10分です。
もうすぐ夜の闇になるだろう。
まさか、2戦やる事になるとは思わなかった!
立て続けにリミッター・カットを使っているけど大丈夫か?
大丈夫じゃない。
大苦戦なのは実に素晴らしいけど、アイテムは得られない。
ソーマ酒は消費する。
でも召喚モンスターのレベルアップが無い。
切なくなってしまいます。
ここからは地上戦?
その前に夕食としたいのだが。
周囲は泥だらけなんですけど!
インスタント・ポータルを使って食事を楽しむ環境じゃないです。
またしても、携帯食か。
明日は絶対に、召魔の森で朝食を摂るぞ!
布陣を変更しよう。
テイラー、ペプチド、バンドル、船岡、ヘイフリックだ。
オレ自身はアイス・フィールドとスケーティングを使って地上を移動しよう。
ヘイフリックは空を飛ぶからいい。
他の召喚モンスター達、テイラー、ペプチド、バンドル、船岡は泥の上でも平気だ。
いや、待て。
バンドルが転がって、全身泥だらけになってやがる!
平気なんてもんじゃない。
好ましい環境であるみたいだ。
それはまあいい。
気にすべき事は他にある。
夜になったら、そして地上を移動していたら果たしてどうなるのか。
魔人の浮き島がウロウロしてた頃はアンデッドも出現してたりしたけど。
まだ残っているかな?
期待してみたい。
得物も期待を込めて、腐竜王の双杵で。
全部、殴ってやる。
その心構えを反映してみました。
《只今の戦闘勝利で【重棍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【獣魔化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘイフリック』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午後11時20分です。
探索?
そんな状況じゃねえ。
最初はまるで魔物に遭遇しなかったのに、いきなり大集団だ!
アンデッド祭りです。
しかもアンデッド系のドラゴンとファントム、バンパイアデュークにバンパイアダッチェス。
空を飛ぶタイプですね。
これに悪魔祭りも加わります。
アークデーモン、デモンズアポストル、デーモンロード・バロン、デーモンロード・バロネスの群れだ。
デーモンロード・ヴァイカウントにデーモンロード・ヴァイカウンテスが対で加わっている。
デーモンロード・カウントがいたら【英霊召喚】まで使っていたかも?
いや、使っておけば良かった。
どうせならテイラーの発光を使った上で、【英霊召喚】だけじゃなく切り札を注ぎ込めば良かった!
ちゃんと魔物、いるんだ。
極端に偏っているだけのように思えます。
ヘイフリックのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
ヘイフリック バンパイアデュークLv37→Lv38(↑1)
器用値 50(↑1)
敏捷値 53
知力値 54
筋力値 49
生命力 49(↑1)
精神力 53
スキル
杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動
変化 連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術
物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]
MP吸収[中] MP回復増加[中] 奇襲 吸血 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性
魅了 真祖化
今日はここまでなだ。
召魔の森に戻ろう。
明日の朝は絶対に、美味い飯を食うぞ!
絶対にだ!
携帯食が続くともうダメだな。
普段の食生活が贅沢をしているだけに、我慢ならない。
明日の朝食は豪勢に。
そこだけは予定が決まりました。
その他は未定で、いいよね?
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv123
職業 サモンメンターLv12(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 59
セットスキル
小剣Lv92 剣Lv92 両手剣Lv92 両手槍Lv100
馬上槍Lv100(↑1)棍棒Lv91 重棍Lv94(↑2)小刀Lv93
刀Lv96 大刀Lv95 手斧Lv61 両手斧Lv55
刺突剣Lv92 捕縄術Lv96 投槍Lv99
ポールウェポンLv100
杖Lv107 打撃Lv111 蹴りLv112 関節技Lv111
投げ技Lv111 回避Lv121 受けLv121
召喚魔法Lv123 時空魔法Lv110 封印術Lv110(↑1)
光魔法Lv106 風魔法Lv106 土魔法Lv106
水魔法Lv106 火魔法Lv106 闇魔法Lv107
氷魔法Lv106 雷魔法Lv106 木魔法Lv106
塵魔法Lv106 溶魔法Lv106 灼魔法Lv106
英霊召喚Lv6 禁呪Lv110(↑1)
錬金術Lv93 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv55
連携Lv100e 鑑定Lv91 識別Lv102 看破Lv95
耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv103(↑1)精密操作Lv80e
ロープワークLv96 跳躍Lv50e 軽業Lv50e
耐暑Lv80e 登攀Lv60e 平衡Lv100e
二刀流Lv93 解体Lv91 水泳Lv60 潜水Lv80e
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv95 隠蔽Lv93
気配察知Lv95 気配遮断Lv93 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv98
魔法効果拡大Lv97 魔法範囲拡大Lv97
呪文融合Lv97
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e
獣魔化Lv22(↑1)
召喚モンスター
ヘイフリック バンパイアデュークLv37→Lv38(↑1)
器用値 50(↑1)
敏捷値 53
知力値 54
筋力値 49
生命力 49(↑1)
精神力 53
スキル
杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動
変化 連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術
物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]
MP吸収[中] MP回復増加[中] 奇襲 吸血 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性
魅了 真祖化
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、クーチュリエ、獅子吼、ストランド、極夜、雷文、ロジット
守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、キュアノス、ノワール、虎斑、蝶丸
網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ




