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「どう思うかな?」
「相手の意図は明白でしたから特に何も。ジュナさんもいましたし」
「そうではない。あの王子じゃよ」
「王子、ですか?」
そっちか。
外見はむしろ王族らしさに溢れている。
内心を取り繕うのが不得手なような所はまだまだ未熟であるのかも?
雛壇で酔っ払っていたように見えたのとは印象が異なるのが気になった程度だ。
「さて。外見は置くにしても出来のいい王族には見えませんがね」
「しかもあの王子だがな。王位継承権を与えられておらん」
師匠が急に声を低くして囁く。
傍系、という言葉が微かに聞こえた。
女王陛下に配慮したのだろう。
彼女もまた、傍系であったのだから。
「それだけに派兵して来た狙いが読みきれん」
「まだ裏があると?」
「そこも分からん。野心を隠さない所が逆に不穏なのでな」
そういうものですかね?
オレの印象としては終始、こっちを見下している雰囲気が気に入らない。
王子様はまだいいが、法騎士の態度は喧嘩を売っているのに等しい。
叩き値で買いたい程だ。
「奴等にも切り札と言える戦力を持っておる。センチネルゴーレムじゃ」
「召喚モンスターですか?」
「類似するが、異なる。太古に作られたゴーレムで法騎士に従うよう作られておるのじゃがな」
その存在について知らないのはここではオレだけであったようだ。
師匠に説明を受けたんですけど、半分も理解できたかどうか。
簡単に言えばサビーネ女王にとっての護国谷のドラゴンに相当する存在、と理解したけど。
かなり強力な戦力であるようだ。
1体で上位のドラゴンに匹敵しかねないというのは異常だ。
使役するに個々のセンチネルゴーレムに対応する本が必要。
しかも使役者によってその力量が大きく変化する。
数は少ないと言われているが、その総数は未確認であるとの事だ。
「今回の派兵戦力にいるんですか?」
「いたらこうしてはおれん。戦争になっておったじゃろうよ」
「そんなに?」
「実際に戦争で使われた事もある。目の当たりにしておるのはジュナ様だけじゃろうな」
「護国谷のドラゴン達も知っておる筈じゃな」
ゲルタ婆様も補足する。
そんなに昔の事なの?
「問題は連中じゃな。護国谷のドラゴンとの戦いがどのようなものであったのかを知らぬ」
「そしてジュナ様の恐ろしさを知らぬ」
「シルビオの奴が宮廷魔術師となっておったのは良かったのやも知れぬな」
ギルド長の言葉に師匠がまた渋い顔になる。
因縁の相手であるのはもう間違えようが無い。
「あ奴は知識の収集の為ならば如何なる手段も使うような男だ」
「何を望んで宮廷魔術師などになっているのやら」
「その宮廷魔術師の座も目的を達したならば捨て去るであろうよ。アレはそういう男だ」
あちゃ。
師匠だけじゃなくギルド長にもゲルタ婆様にもここでまで言われるのか。
難儀な人であるらしい。
「私もターニャの砦に参りましょう」
「陛下!それは危険ですぞ!」
「承知しております。我が目で撤退を確かめるのも勤めです。それに水晶竜もブロンズドラゴンもいます」
部屋にいる全員が思案顔になった。
そして心配そうな様子も見せる。
まあ当然か。
ある意味、最前線になるのだから。
「陛下」
「今はまだ、戦時下です。そうではありませんか?」
その問いに誰も反論出来なかった。
まだ魔人もいるし魔神は逃がしている。
終わっている筈も無いのでした。
目の前でゲルタ婆様がレプリカントを召喚している。
全部で3体。
サビーネ女王、竜騎士ラーフェン、師匠の姿に変化する。
「オレニューよ、お主に任せるが良いかな?」
「今更じゃ。任せておくがいい」
「ところで地脈の件、どうなっておる?」
「時間がどうしても掛かるじゃろ。いずれ歪みが魔を生むじゃろうな」
「それが目印になるか」
「迂遠であるが確実であるしの」
例の魔人の浮き島が残した置き土産がまだあるらしい。
そっちも少しだけ気になるけど。
「師匠、私も行きましょう?」
「お主もか?今日は闘技大会に優勝した事でもあるし、ゆっくりしててもええじゃろうに」
「大丈夫です。暇ですし」
師匠がギルド長に視線を転じる。
何かを確認しているような感じだ。
「お主の弟子じゃ。任せてもいいじゃろ」
「ぬう」
「おおそうだ、キースよ」
「はい?」
今度はギルド長がオレに声を掛ける。
何でしょう?
指名依頼ですか?
「お前さんは殿堂入りとする。今後、闘技大会への参加はないからそのつもりで」
「えーっ!」
そんな!
じゃあボーナスポイントをどうやって稼げばいいのよ?
欲しいスキルは今の所は【全耐性】しかないんだけどさ。
突発的に取得したくなるスキルが生じるかもしれない。
地道に溜め込んでおきたいのに、それは酷い!
『ターニャの砦?』
「N2E14マップのエリアポータルですね」
『イベント発生なのかしら?』
「その可能性はあるでしょうね」
『闘技大会が終わったばかりだし、これからプレイヤーの数も少なくなるわ。明日以降かしら?』
「その辺りが無難な所でしょうね」
フィーナさんとテレパスで話してます。
一応、イベントに向けて待機していたからだ。
すぐにイベントが始まってもおかしくない感じはしてます。
でもフィーナさんの意見も納得出来る。
確かにそうだ。
今から大規模戦闘になってもプレイヤーで対応するのは難しい。
運営だって鬼じゃないだろう。
鬼だったら狩るけどね。
『一応、サリナス、ピエタ、スワニーにいる生産職メンバーに連絡はしておくわ』
「はい」
『私達はログアウトしちゃうけど、キースは?』
「ターニャの砦に行ってみます。様子見で」
『様子見、ねえ』
何だろう。
間違いなく、笑ってますよね。
『優勝決定戦、ご愁傷様。早速だけど掲示板が凄い事になってるわよ?』
「勘弁して下さい」
『だから、ご愁傷様。キースも当面はこの話題で弄られそうよ?覚悟しておいた方がいいわね』
「はあ」
テレパスは切れた。
最後の最後で思い出してしまったではないか!
何てこった。
当面?
いや、このゲームが存在する限り、ずっとじゃないだろうか?
そんな気がします。
覚悟ですか?
出来る訳、無いですよ!
冒険者ギルドで携帯食だけを買い込んでからレムトの町を出だ。
周囲はどこかへと跳ぶパーティの姿が散見される。
人が多いが故にオレは目立っていない。
きっと、目立って、いない!
布陣はどうする?
N2E14マップの地形は森だ。
ポータルガードにいるモジュラスと清姫は連れ出しておきたい。
一旦、召魔の森に戻ろう。
それからでも遅くない筈だ。
召魔の森に到着。
ポータルガードは?
全員、揃っているみたいだ。
MPバーの消耗は各々、相応にあるけど酷くも無い。
モジュラスと清姫に関しては8割をキープしているから十分だ。
では、モジュラスと清姫はポータルガードから外そう。
ポータルガードに配備するのはキュアノスとノワールで。
残りのパーティ枠も今のうちに埋めておこうか。
ヴォルフ、モジュラス、清姫、スコーチ、エルニドとしましょう。
探索能力を重視で。
一応、周囲にも配慮してますけど。
では跳ぼうか。
ターニャの砦は久々かな?
そして隣国から来ている戦力を見る事になるだろう。
ある意味で、楽しみだ。
イベントの匂いがプンプンしています。
ターニャの砦に到着。
うおっ?
上空をドラゴンが編隊を組んで通り過ぎたのが分かった。
ブルードラゴン、クラウドドラゴン、ブラックドラゴンだ。
そして砦の周囲にやたらと背の高い樹木。
バオバブエント達だ。
その体の各所にダークエルフがいるのも見えていた。
周囲の木々の枝にはバードマンとドラゴニュート達が控えており、砦の防壁の上には兵士が詰めている。
完全に臨戦態勢です。
その警戒対象は森の縁に見えていた。
全容は見えていないけど、それでも分かる。
偵察だけを目的にしているのであれば間違いなく、過剰な戦力。
そして白装束の兵士の姿も散見される。
法騎士、だな。
行軍の影響であるからなのか、多少の汚れはあるけど間違いない。
方形の盾を並べて陣地を築いている時点で色々とお察しな連中だが、気になる存在が見えている。
彼等の職業は様々。
装備もバラバラ。
基本的に法騎士と正規兵の集団とは別に陣地を形成しているが、防御をまるで気にしない様子がある。
思い当たる存在ならあった。
冒険者だ。
但し、こっち側の冒険者ギルドとは無関係だろう。
砦の前で佇んでいたら上空から何かが舞い降りて来ていた。
もうお馴染みの存在になっている。
水晶竜、それにブロンズドラゴンだ。
『来たか、小さき者よ』
「ども。様子はどうです?」
『見ての通りだ。膠着しておるようだがな』
『つまらん奴等だ。いっそ攻めてくれたら面白いのだがな』
無茶言わんで下さい。
そんな無謀をするような連中じゃないと思うんですけど。
『白い装束の連中には気を付けよ。本を持ち出したなら構わぬ。排除していいぞ』
「物騒ですね」
『そうせねばならぬ。それがセンチネルゴーレムなのだ』
『太古に創られ今も尚、稼動している帝国の残滓とも言える存在だ』
「帝国?」
『然り』
『奴等の国も、そしてこの国も、かつては帝国の有力貴族にして選帝侯ですらあった時期もある』
『共に帝国家の皇女が降嫁し、その血を継ぐ家柄でもあるな』
『それ故に帝国崩壊の後に争う事となった』
「そんな事があったんですか」
ふむ。
そういう設定ですか。
近親憎悪?
そして不倶戴天の敵?
ここ数十年程は戦争が無いと聞いてますけど。
水晶竜とブロンズドラゴンがいるからなのか、陣地の位置が森の中に後退したように見える。
まあ無理も無いか。
この距離からブレス攻撃を喰らえば軽く全滅しかねない。
それだけの威力はあるのだ。
陣地を形成する盾の隙間から歩み出た人物がいる。
宮廷魔術師、シルビオ。
その表情に怯む様子は見られない。
あのジュナさんの弟子であるのだ。
ある意味、師匠やゲルタ婆様に匹敵する化け物と思わないといけないだろう。
「賢き竜よ、これより我等は去る」
『そうか』
『疾く去ね』
「そう言わずに。旧交を温めさせて頂けないだろうかね?こういう機会は貴重なのだよ」
それには答えず水晶竜が僅かに前へ出る。
目の前の老人に動じる気配は無い。
ふむ。
うやはり化け物級だろうな。
それを動揺させているジュナさんはどう言えばいいのか。
ちょっと表現を控えたい感じになるかもしれません。
老人の視線がオレを捉える。
いや、オレだけじゃなく召喚モンスターを、捉えていた。
その表情がどこか綻んでいるように見えるのは気のせいか?
いや、気のせいじゃない。
笑っている。
害意は感じないけど警戒を解く訳にはいかないだろう。
だが、その表情が急激に引き締まって行く。
目に怯えの色が滲んでいるようだ。
「旧交って言ってたわね?本気でそう思っている?」
「ジュ、ジュナ師匠!お待ちを!」
ジュナさんが来てます。
その表情は確かに微笑んでいるけど、まるで仮面を貼り付けたかのような違和感。
オレもあの顔で迫られたら泣いちゃうかも?
隣には師匠もいる。
その肩にはフォレストアイ。
こっちも剣呑な雰囲気を纏っていた。
何だか今から戦闘になりそうな気がする。
いや、一方的な殺戮?
それはそれで問題がありそうですけど。
「彼等は本気なの?」
「ええ」
「信じられんがの」
「既に竜との盟約を結んだ王家との戦争も過去のもの、直接知っている者など皆無ですから」
「開戦派ばかりではあるまいが」
「まあ、そうですがね。開戦派が少数派である事も確かですよ」
「で、肝心の貴方は?」
「心の底から敵に回したくないの、分かってますよね?」
ある意味でシルビオは必死だ。
ジュナさんの迫力にどうにか耐えている姿にはむしろ同情したくなる。
外見では微笑んでいる娘を相手に腰が引けているお父さん?
奇妙な構図ではある。
「嘘じゃろうに。関心が無いだけじゃろうが」
「さあ?」
「狙いは何かのう。コンティ王家秘蔵の書物、それもセンチネルゴーレムが関係しておるかな?」
「分かっているなら聞かんでくれませんかね」
「目的を果たしたら逐電するんじゃろ。無責任な奴め」
「まあね」
怖がりながらも首肯する。
聞いていた通りだ。
どうも難儀な人であるらしい。
「無法者め。いずれ大きな罰をその身に受けるぞ?」
「もう受けてる。今、受けてる」
「フン、どうせ手出しせんものと高を括っておるくせに」
「それよりも先刻の警告、お忘れなきよう」
深く一礼を残すと白衣の老人は森の中へと戻って行く。
警告。
それは隣国が本格的な侵攻の準備をしているという情報だった。
確かに信じ難い。
国力が大きく低下しているのは事実だが、護国谷のドラゴン達がいる。
いや、ジュナさんがいる時点でオレならそんな考えは吹き飛ぶだろう。
知らないって怖い。
本気でそう思います。
「正気かしらね?」
「備えは必要でしょうな。森の中で戦力を広く展開されては面倒な事になりますし」
「あの先遣部隊もおとなしく撤退するかしらね?」
「本を所有する法騎士はいない、というのも信じ難い。警戒は続けましょうかの」
師匠が召喚を始める。
パイロキメラ、エルダーキメラ、フラッシュキメラ、ダークキメラ。
これにフォレストアイが加わる形だ。
キメラ率、高過ぎ!
ジュナさんも召喚を進めていた。
バンパイアデューク、バンパイアダッチェス、ファントムが2体。
そして久し振りに見る、魔鉱腐竜。
全部、アンデッドだ。
サモナーのうちネクロマンサー系の場合、配下をアンデッドで統一すると強化ボーナスがある。
まだ時刻は午後4時にもなっておらず、明るい。
でもアンデッド達は平気な様子です。
「オレニュー、ここの護りは任せるわ」
『我等も同行しても良いが』
「いえ、女王陛下の元は離れないで欲しいわ。それに空中を行く訳じゃないのよ?」
水晶竜の申し出を断ったジュナさんだが。
いきなり、ジュナさんの足元に闇が生じた。
一気に広がって行く。
呪文詠唱は無かった。
ジュナさん配下の召喚モンスター達がその闇の中に沈んで行く。
「じゃあ見届けて来るわ。後はお願いね?」
「承知しました」
ジュナさんが大きく手を振っている。
防壁の上に女王陛下が姿を見せていた。
次の瞬間にはジュナさん自身の姿も消えてしまう。
テレポートで跳んだのかな?
いや、ちょっと待て。
先刻の影のエフェクト、何だろう。
思い当たる呪文はあった。
闇魔法の呪文、シャドウ・ゲート。
オレってばこの呪文を全然、試していないんじゃないかな?
今はいいか。
覚えておくとしよう。
今は先遣隊となっている目の前の連中の動向に注目だ。
果たしておとんしく撤退するのかね?
ジュナさんもいるとはいえ、数は多い。
森の中をあの集団で移動し続けるとは思えない。
どうしても分散する事になるだろう。
その全ての移動を見届けるのは難しい筈だ。
オレも追跡してみようか。
うん、そうしましょう。
森の中、出立の準備を終えたであろう先遣隊だが、その中からいきなり何名かが消えた。
恐らくだがテレポート。
法騎士は数名を残して一気に減ってしまった。
センス・マジックでも感じ取れたから間違いないと思う。
王子様は?
その姿は見えない。
あの宮廷魔術師、シルビオもだ。
ジュナさんは追い掛けたのかな?
それはオレだと分からない。
冒険者らしき集団が一斉に動く。
正規兵の軍勢を先導するのであろう。
キッチリ6名のパーティ、それが数組のユニオンになる形だ。
次々と森の中へと消えて行く。
かなり手際がいい。
続いて先遣隊の本隊が動く。
テレポートを使っての移動はしないようだ。
魔法技能持ちが少ないからなのか。
それとも、ターニャの砦の周辺で何か仕掛ける為の布石なのか。
判断は出来ない。
確かにこの規模の軍勢を一気にテレポート出来たら大変だ。
地道に移動するというのはあり得る話なんだが。
法騎士 ストーク Lv.4
ホーリーガード 移動中
???
試しに本隊を統率している指揮官らしき人物を【識別】してみる。
ちょっと違和感。
レベル的に低くないかな?
先遣部隊の本隊もそんなに手強そうな感じはしない。
むしろ冒険者達の方が戦う相手としては面白そうだ。
最後尾に位置するのは冒険者のパーティが6つ。
レベルといい、その雰囲気といい、手強いであろう事は間違いない。
それでいて後方にいるオレの存在を嗅ぎ付けそうな奴もいた。
迂闊に近寄れない。
【識別】まで出来なかったのは残念だ。
さあ、どうする?
最後尾の連中に気付かれないよう、追跡か。
エルニドは一旦、帰還させました。
濡羽を召喚しましょう。
探知能力の高さに期待だ。
《これまでの行動経験で【看破】がレベルアップしました!》
《これまでの行動経験で【追跡】がレベルアップしました!》
時刻は午後6時10分か。
行軍はようやく停止した。
何しろ軍隊って奴は規模が大きいと行軍速度は落ちる。
意外に移動速度は速いようだが、それは先行する冒険者達の先導があればこそなのだろう。
広域マップによればN2E14マップの中央、ターニャの砦から東方向へ結構な距離を移動した事になる。
それでもまだまだ、N2E15マップは遠い。
遠過ぎる!
インスタント・ポータルであるのか、あれだけの軍勢の姿が消える。
結界か?
でも油断出来ない。
最後尾にいたパーティがそのまま残って周囲を警戒している。
オレは適当な樹木に登って身を隠す。
インビジブル・ブラインドは使わない。
魔物相手に有効でも冒険者相手に有効とは限らないからだ。
センス・マジックに引っ掛かる可能性は捨てきれない。
オレの足元にはヴォルフ。
頭上の幹に絡み付く形で濡羽がいる。
モジュラス、清姫、スコーチは更に上の枝に位置して周囲を観察し続けている。
今の所、気付かれている様子は無い。
今のうちに携帯食で腹を満たしておこうか。
ついでにヴォルフの毛並みを堪能しておこう。
そうそう、携帯食はいるかな?
今日は十分な数を買い込んである。
ああ、そうだ。
闘技大会の優勝賞品は何だ?
確かめておこう。
携帯食は2食分を片付けた。
本当はもう1食、と思っていたのは内緒だ。
渡されていた袋の中身は?
聖結晶が3個です。
ギルド長は何処で手に入れたんだろう?
謎だ。
時刻は午後7時30分。
オレの肩にスコーチが音も無く舞い降りた。
どうやら状況に変化があったようだが。
ノクトビジョンで見える範囲は限られる。
それでも分かる。
あの先遣隊の本隊が森の中で行軍するらしい。
夜、しかも森の中を行軍ですか?
少々、急ぎ過ぎな感じがするんだが。
《これまでの行動経験で【看破】がレベルアップしました!》
時刻は午後10時50分。
再び行軍は停止した。
どうやらここで本格的な休息になるようだ。
それにしても同行する冒険者達が凄いな。
後方に追尾する存在がいないか、厳重な警戒を解こうとしない。
こっちは召喚モンスター達がいたから気付かれずに済んでいるようなものだ。
オレだけだったらとっくに発見されていただろう。
身を潜めて周囲を警戒する彼等の位置を見出すのは苦労した。
でもその成果が【看破】のレベルアップになるのだろう。
【識別】が可能な所まで近寄れないのが残念だが。
そこはそれ、こういった面で向こうが格上であるのだろう。
いや。
戦闘でもどうなるか、知れたものではない。
少なくとも先遣隊本隊で戦って面白そうな連中は殆ど消えてしまっている。
こいつ等の方がより脅威は上なのも間違い無さそうだ。
襲って来たら反撃していいよね?
正当防衛なんだし。
そんな事を考えていたけど、残念。
今回は結界の中に全員が引き篭もっているみたいです。
ならばこっちもだ。
インスタント・ポータルを使おう。
少し早いけど、今日はここでログアウトだ。
明日は?
追尾の続きにしよう。
《フレンド登録者からメッセージがあります》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『クーチュリエ』がレベルアップしました!》
《『クーチュリエ』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『獅子吼』がレベルアップしました!》
《『獅子吼』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『極夜』がレベルアップしました!》
《『極夜』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『雷文』がレベルアップしました!》
《『雷文』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『スパーク』がレベルアップしました!》
《『スパーク』のステータスを確認して下さい》
《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『クラック』がレベルアップしました!》
《『クラック』のステータスを確認して下さい》
ログインしました。
時刻は午前5時40分です。
メッセージは春菜からだった。
件名だけで目を逸らしたくなるけどね。
『昨日の第五回戦から優勝決定戦までの注目カードの動画です!それにしてもキースさんったら鬼畜!』
誰が鬼畜だ誰が!
突っ込みの返信を即座に返しておこう。
あれは、事故だ。
そうだよな?
クーチュリエ 神魔蜂女王Lv37→Lv38(↑1)
器用値 71(↑1)
敏捷値 96
知力値 50(↑1)
筋力値 27
生命力 50
精神力 28
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 採集 養蜂 建築
広域探査 夜目 強襲 危険察知 空中機動
追跡 誘引 自己回復[微] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[微] 致死毒 麻痺
暗闇 魅了 耐石化 耐混乱 隷従
獅子吼 ダークキメラLv64→Lv65(↑1)
器用値 32(↑1)
敏捷値 82(↑1)
知力値 32
筋力値 67
生命力 68
精神力 31
スキル
噛付き 飛翔 回避 裂帛 匂い感知 熱感知
夜目 気配遮断 捕食融合 捕食吸収 自己回復[中]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
毒 暗闇 ブレス 時空属性 光属性 闇属性
火属性 溶属性 耐石化 耐暗闇
極夜 ケルベロスLv64→Lv65(↑1)
器用値 31
敏捷値 96(↑1)
知力値 29
筋力値 62(↑1)
生命力 60
精神力 30
スキル
噛付き 回避 疾駆 跳躍 激高 夜目 聞耳
危険察知 追跡 隠蔽 連携 捕食融合 捕食吸収
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
ブレス 火属性 風属性 闇属性 猛毒 毒耐性
耐暗闇
雷文 虎獣鵺Lv64→Lv65(↑1)
器用値 32
敏捷値 80(↑1)
知力値 31
筋力値 68(↑1)
生命力 67
精神力 31
スキル
噛付き 回避 威嚇 飛翔 空中機動 危険察知
匂い感知 熱感知 追跡 夜目 気配遮断 捕食融合
捕食吸収 猛毒 雷属性 自己回復[小] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] MP回復増加[小] 分解 耐気絶
スパーク 神魔蜂Lv37→Lv38(↑1)
器用値 60
敏捷値 104(↑1)
知力値 22
筋力値 65(↑1)
生命力 60
精神力 21
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 堅守 掘削 広域探査
夜目 監視 連携 採集 奇襲 追跡 特攻 気配遮断
危険察知 振動感知 空中機動 自己回復[微]
物理抵抗[大] 魔法抵抗[小] 猛毒 麻痺 耐麻痺
耐魅了
クラック 神魔蜂Lv37→Lv38(↑1)
器用値 63(↑1)
敏捷値 103(↑1)
知力値 20
筋力値 63
生命力 62
精神力 21
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 堅守 掘削 広域探査
夜目 監視 連携 採集 奇襲 追跡 特攻 気配遮断
危険察知 振動感知 空中機動 自己回復[微]
物理抵抗[大] 魔法抵抗[小] 猛毒 麻痺 耐睡眠
耐即死
確認終了だ。
さて、先遣部隊の連中はどうなっているかな?
既に出立していたとしても匂いを追えるだろう。
しかし久し振りに野営であったせいか、体が堅い。
対戦でもしたい気分だ。
でも今は追尾中なんですよ。
あの先遣部隊が本当に撤収するのか、見極めておきたい。
インスタント・ポータルの中からでも分かる。
どうやら結界を解除し、出立の準備をしているみたいだ。
軍勢の規模もそう大きく変わっているように見えない。
冒険者達だが、警戒する範囲を拡げているのが分かる。
ここの近くにも2つのパーティが通り過ぎたが気付かれた様子は無い。
運が良かっただけかもしれないな。
インスタント・ポータルは樹上で展開していたのです。
どうも今すぐにインスタント・ポータルを解除するのは得策じゃ無さそうだ。
先に布陣を確定させておこうか。
ヴォルフ、モジュラス、清姫、スコーチ、濡羽です。
昨夜と一緒ですね、はい。
いずれあの先遣部隊の本隊も動き出すだろう。
それに併せてこの冒険者達も移動する筈だ。
慌てる事はない。
追尾の再開はそれからでいいのだ。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv123
職業 サモンメンターLv12(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 59
セットスキル
小剣Lv92 剣Lv92 両手剣Lv92 両手槍Lv100
馬上槍Lv99 棍棒Lv91 重棍Lv92 小刀Lv93
刀Lv96 大刀Lv95 手斧Lv61 両手斧Lv55
刺突剣Lv92 捕縄術Lv96 投槍Lv99
ポールウェポンLv100
杖Lv107 打撃Lv111 蹴りLv112 関節技Lv111
投げ技Lv111 回避Lv121 受けLv121
召喚魔法Lv123 時空魔法Lv110 封印術Lv109
光魔法Lv106 風魔法Lv106 土魔法Lv106
水魔法Lv106 火魔法Lv106 闇魔法Lv107
氷魔法Lv106 雷魔法Lv106 木魔法Lv106
塵魔法Lv106 溶魔法Lv106 灼魔法Lv106
英霊召喚Lv6 禁呪Lv109
錬金術Lv93 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv55
連携Lv100e 鑑定Lv91 識別Lv102 看破Lv95(↑2)
耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv102 精密操作Lv80e
ロープワークLv96 跳躍Lv50e 軽業Lv50e
耐暑Lv80e 登攀Lv60e 平衡Lv100e
二刀流Lv93 解体Lv91 水泳Lv60 潜水Lv80e
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv95(↑1)隠蔽Lv93
気配察知Lv95 気配遮断Lv93 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv98
魔法効果拡大Lv97 魔法範囲拡大Lv97
呪文融合Lv97
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e
獣魔化Lv21
召喚モンスター
クーチュリエ 神魔蜂女王Lv37→Lv38(↑1)
器用値 71(↑1)
敏捷値 96
知力値 50(↑1)
筋力値 27
生命力 50
精神力 28
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 採集 養蜂 建築
広域探査 夜目 強襲 危険察知 空中機動
追跡 誘引 自己回復[微] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中] MP回復増加[微] 致死毒 麻痺
暗闇 魅了 耐石化 耐混乱 隷従
獅子吼 ダークキメラLv64→Lv65(↑1)
器用値 32(↑1)
敏捷値 82(↑1)
知力値 32
筋力値 67
生命力 68
精神力 31
スキル
噛付き 飛翔 回避 裂帛 匂い感知 熱感知
夜目 気配遮断 捕食融合 捕食吸収 自己回復[中]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
毒 暗闇 ブレス 時空属性 光属性 闇属性
火属性 溶属性 耐石化 耐暗闇
極夜 ケルベロスLv64→Lv65(↑1)
器用値 31
敏捷値 96(↑1)
知力値 29
筋力値 62(↑1)
生命力 60
精神力 30
スキル
噛付き 回避 疾駆 跳躍 激高 夜目 聞耳
危険察知 追跡 隠蔽 連携 捕食融合 捕食吸収
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
ブレス 火属性 風属性 闇属性 猛毒 毒耐性
耐暗闇
雷文 虎獣鵺Lv64→Lv65(↑1)
器用値 32
敏捷値 80(↑1)
知力値 31
筋力値 68(↑1)
生命力 67
精神力 31
スキル
噛付き 回避 威嚇 飛翔 空中機動 危険察知
匂い感知 熱感知 追跡 夜目 気配遮断 捕食融合
捕食吸収 猛毒 雷属性 自己回復[小] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] MP回復増加[小] 分解 耐気絶
スパーク 神魔蜂Lv37→Lv38(↑1)
器用値 60
敏捷値 104(↑1)
知力値 22
筋力値 65(↑1)
生命力 60
精神力 21
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 堅守 掘削 広域探査
夜目 監視 連携 採集 奇襲 追跡 特攻 気配遮断
危険察知 振動感知 空中機動 自己回復[微]
物理抵抗[大] 魔法抵抗[小] 猛毒 麻痺 耐麻痺
耐魅了
クラック 神魔蜂Lv37→Lv38(↑1)
器用値 63(↑1)
敏捷値 103(↑1)
知力値 20
筋力値 63
生命力 62
精神力 21
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 堅守 掘削 広域探査
夜目 監視 連携 採集 奇襲 追跡 特攻 気配遮断
危険察知 振動感知 空中機動 自己回復[微]
物理抵抗[大] 魔法抵抗[小] 猛毒 麻痺 耐睡眠
耐即死
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、クーチュリエ、獅子吼、ストランド、極夜、雷文、ロジット
守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、キュアノス、ノワール、虎斑、蝶丸
網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ




