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 目の前には丼が2つ。

 朝食で出されたラーメン2杯分だ。

 両方とも大盛りだったのは当然です。

 スープは一時期流行した野菜ポタージュ状。

 でも野菜オンリーではなく鶏ガラと豚骨の出汁も合わせてあるようだ。

 実に美味い。

 手伝っていたスーラジに久重はその工程を見ていた筈だ。

 再現、出来るかな?



「キースさんは個人戦ですか」


「サモナー系で個人戦って誰かいたかしら?」


「ヒョードルがそうだった筈よ」


 アデル、イリーナ、春菜、此花が一斉の両手を合わせる。

 何だ?

 オレよりも先に食べ終えてご馳走様ってしてたのに。



「で、お互いに対戦か?」


「うん!」


「同じ対戦相手と何度も、というのはカウントされないですからね」


「私とも対戦したい、と?」


「ええ、勝てませんけど。以前の仕様と同じであるなら負けてもポイント加算はありそうですから」


「最初から諦めちゃダメだろうに」


 イリーナは肩を竦めて舌を出している。

 本気で言った事ではないようだが。

 オレにしても油断は出来ない。

 アデル達の種族レベルは92、職業レベルは30で揃っている。


 対戦、か。

 お互いにポイントを稼げるなら否は無い。

 対戦をするのはいいんだけどね。

 布陣は?

 1対6でもいいんだが。

 一応、召喚モンスターは召喚しておいた方がいいよね?

 召喚し続ける事で入る経験値もあるだろうし。




「これ、どう思う?」


「玄関、ですね」


「うちの拠点も立派なのにしたい!」


 城館を出る時に気になったのが玄関に突っ立っている運営アバターだ。

 アデル達は全員、気にする様子が無い。

 何で?

 オレにしか見えないのか?



「対戦はそっちの拠点でもいいんだけどな」


「今、結構混んでると思います」


「皆が押し寄せているし!」


「お披露目した人数が多かったものね」


 ああ、そういう事ね。

 闘技場があったのが仇になったか?

 それはオレの拠点、召魔の森でも同様であったらしい。


 闘技場に、先客がいたのです。

 対戦していたのはヒョードルくんとゼータくんでした。

 観客席にはヘラクレイオスくんだ。

 紅蓮くんもいる!

 何だか臨時の交流会みたいになってます。

 規模は小さいですけどね。





「貴方達も来てたの?」


「そっちこそ」


 お互いに挨拶もそこそこにお互いを品定めをする目付きになってます。

 対戦相手として、ですね。

 分かります。



「キースさんは闘技大会に参加なので?」


「うん。つい先刻、個人戦で登録してきたよ」


「え?」


「個人戦ですか?」


「しまった!団体戦だとばかり思って個人戦で登録してる!」


 頭を抱えている紅蓮くんはいいとして。

 ヒョードルくんとゼータくんの対戦、見なくていいの?

 観客になってないでしょ?


 ああ、そうだ。

 一応、召喚はしておこうか。

 その布陣は?

 ストランド、エルニド、ロッソ、雪白、濡羽です。



「ええっ?青竜の色違い?」


「こっちの子も!鳳凰か朱雀の色違い?」


「最近、加わったんでね。クリエイト・モンスターで追加出来るよ」


「キースさんで最近ですか」


「私達じゃ結構、先の話になるかな?」


「間違いなく、そうよねー」


「いずれ加わる事になるって」


 確かにハードルはある。

 属性系の結晶を入手出来る伝手は地下側マップにしかない。

 その地下側マップだが、まだ他のプレイヤーを見た事が無いしな!


 おっと。

 既に対戦が終わっているようだ。

 ヒョードルくんの布陣は?

 ホワイトファング、オーガロード、ストーンコロッサス、オーディンガード、エルダーマンティコア。

 中々、隙が少なそうな感じがします。

 個人戦に参加だそうだけど、団体戦でもいい所まで進めそうな感じがする。


 ゼータくんの場合はどうか。

 大神、オーガロード、羅喉、メデューサ、青竜。

 こっちも中々だな、

 搦め手も組めそうです。



「じゃあ対戦相手を頼めるか?」


「や、やっぱり個人戦出場予定者からじゃない?」


 皆の視線が紅蓮くんとヒョードルくんに集中する。

 おい。

 2人とも、腰が引けてるぞ?



「待て!個人戦参加者だけってのはあんまりだ!」


「僕は対戦を終えたばかりですから!」


「別に団体戦参加者でもいいんだが」


 今度は全員、腰が引けている。

 本当に誰でもいいんですけど。



「何ならユニオンで対戦、する?」


「止めておきます!」


「本気のキースさんを相手にしそうです!」


 ほらほら。

 誰でもいいぞ?


 で、最初の相手は?

 紅蓮くんでした。

 覚悟を決めた、漢の顔をしてます。

 いいぞ。

 その意気に応じてこっちも真面目に対戦するからね!






「か、勝てない!」


「6対1でまるで勝ててないって、変?」


「個人で団体戦に出ても優勝しちゃうんじゃないの?」


「いや、後衛に位置してるサモナー職が最初に狙われてるんだって!」


「まあ、勝つだけだったらそれが常道だよなあ。対策が要るよね?」


 対戦は全勝でした。

 無論、オレは召喚モンスターの参加は無しで通してます。

 そうじゃないと楽しめない。

 それに攻略の手札ならある。

 内容的には遠慮なく、弱点を衝く戦いを続けた形になる。



 紅蓮くんを相手に使ったのは転生獅子のレイピアのみ。

 一気に武技を使って距離を詰めて裸絞めにして終了。


 次が春菜だった。

 その布陣は狒々面鵺、ケルベロス、ゾンネティーガー、ラーヴァキメラ、妖狐。

 モフモフなので揃えたのはいいけど、壁役がいない!

 やはり転生獅子のレイピアで武技を使って前衛の合間を抜け、護衛役の妖狐は無視。

 裸絞めで終了。


 イリーナの場合は?

 その布陣はストーンコロッサス、玄武、白蛇姫、青竜、マッドヒュドラ。

 壁がいる事を意識し過ぎて動きが鈍い!

 玄武の足元をスライディングで抜け、白蛇姫と青竜の攻撃を凌ぎつつイリーナに迫った。

 やはり裸絞めで終了。


 ヘラクレイオスくんはどうだっただろう?

 布陣はオーガロード、羅喉、アークデーモン、アラクネダッチェス、パイロヒュドラ。

 やはり一気に距離を詰めたのだが、アラクネダッチェスが素早く対応してました。

 でもまだ温い。

 アラクネダッチェスをヘラクレイオスくんに投げ飛ばし、そのまま肉薄。

 やっぱり裸絞めで終了。


 アデルの布陣はホワイトファング、妖狐、白狐、パイロキメラ、インペリアルタイガー。

 春菜と同様に趣味が全開になってるぞ!

 前衛の軸になっていたインペリアルタイガーの脚元を抜け、妖狐と白狐を払い除けて肉薄。

 またしても裸絞めで終了。


 此花は?

 布陣は朱雀、大神、オーディンガード、エルダーキメラ、羅喉。

 彼女との対戦が最も苦戦したのだと思う。

 良かった点は単純に連携、特に空中から支援していた朱雀と遊撃役の大神だろう。

 でもね。

 爆炎攻撃も武技で回避、大神の繰り出した幻影も無視して突っ込む事が出来た。

 羅喉は足を抱えた形で捻って投げ飛ばして此花に首を捉えてフロントヘッドロックに。

 そのまま絞めて終了だ。


 そしてゼータくんだ。

 大神、オーガロード、羅喉、メデューサ、青竜の布陣でゼータくんも最初から前衛にいた。

 両脇を召喚モンスターで固めて前面での攻防に集中するつもりだったのだろう。

 でもね。

 一気に突殺剣の武技を使って後方に回り込んで片羽絞めで終了。


 最後にヒョードルくん。

 1対1での対戦だった。

 最初は予想通り、突殺剣の武技が交錯してたけど、途中で足を払って転がしたらもういけない。

 脇固めから首を捻って終了です。


 うむ。

 対戦時間だけど、全部合計しても10分無いぞ!



「キースさん、予選突破はしてます?」


「いや。もっと対戦で勝たないといけないのかね?」


「皆はどう?」


「私は予選突破しちゃってます」


「僕もですね」


 ゼータくんとヒョードルくんが予選突破しているのか。

 ほう。

 他の面々はもう数戦で予選突破出来そう?



「そういえば、ドラゴン系は入れられないのか?」


「ええ」


「禁じ手になってますね。海専門もダメですしキングトロールも大き過ぎてダメです」


 そこは残念。

 観戦する立場で言うのであれば、是非とも見てみたい。

 召喚モンスターのドラゴン系も竜騎兵達が騎乗するドラゴンも各々が微妙に異なる。

 比較の意味でも見比べたいのだが。

 まあドラゴンを入れていい、となるとドラゴンだらけになるだろうな。

 運営もそこを懸念しているのかもしれない。



「もう少し、対戦相手が欲しいな」


「獣魔の森に行ってみます?サモナー系のプレイヤーが押し寄せてますけど」


「ほう。そうなのか?」


「ええ。私達はあの喧騒から逃げて来たような所もあるんですが」


「闘技場があるから仕方ない!」


「そうか。対戦相手に不足しないようなら行ってみようかね?」


 対戦相手が多いのはいい事だ。

 一方で不安がある。

 オレが苦戦するような相手が欲しいのです。

 全部、速攻で沈むんじゃなかろうな?



「では、獣魔の森に行くよ」


「あ、あのー、キースさん?」


「出来れば穏便に対戦してあげて!」


「穏便?穏便にか」


 対戦を穏便に、とかどうすればいいのよ?

 そもそも呪文は強化以外に使っていない。

 ショート・ジャンプも使っていません。

 【封印術】も使わなかったし、溶岩風呂もだ。

 速攻で戦えるのであるし、絶対に必要とは思えなかったのだ。

 これ以上、どう穏便にしろと?


 ああ、そうか。

 【封印術】を使って格闘戦に持ち込めばいいのかな?

 大型の召喚モンスターや空中位置の召喚モンスターがいるようなら面倒だけど。

 まあ基本は速攻でいい、と思う。




 アデル達の拠点、獣魔の森に到着。

 防柵の中は各所で対戦をしているようだ。

 闘技場でやらないのだろうか?

 いや、そもそもサモナー系のプレイヤーが多過ぎる!


 確かにアデル達が避難したくなる気分になるのも理解出来る。

 この数全てを相手にする事ってどうなのよ?

 でもオレにとっては有難い。

 予選を突破するには相応の数の対戦をこなさないといけない。

 その筈だ。

 以前も対戦する事を予選の代わりにした事があった。

 種族レベルが上である程、ハードルは高いのだ。


 そう。

 オレの目標はここにいる全員を相手にする事だ。

 対戦をするからには当然、勝利を目指す。

 全勝狙いです。

 そのつもりだ。



「ゲッ!」


「ええっ?」


「サモナーさんが来てるぞーーーーーーーっ!」


 ギャラリーの中がいきなり騒がしくなっている。

 でも対戦は闘技場でやりたいものだ。

 視線が飛び交っている。

 不安半分、期待半分って所だろう。

 大丈夫。

 慌てなくとも、全員を相手にするからね?







《只今の戦闘勝利で【刺突剣】がレベルアップしました!》

《おめでとうございます!闘技大会個人戦、無差別級の本選出場権を獲得しました!》

《本選第一回戦に進出しました!第一回戦は五日後の午前8時00分、新練兵場B面の予定となります》



 時刻は午前9時20分です。

 概ね、ここにいる全員と対戦が終わったか?


 少々、いや、相当やり過ぎだったように思える。

 それに気を使ってしまう相手もいた。

 種族レベルが隔絶しているプレイヤーだ。

 闘技大会準拠の対戦の設定であれば死に戻りは確かに無い。

 でも痛覚は確実にある。

 出来るだけ、ギブアップを取る方向で戦ったものです。


 でも手抜きを全くしなかった相手もいる。

 今の駿河、その前の野々村だ。

 共に得物は銛、そして地上戦では投網も使うスタイル。

 しかもこの2人、地味にオレが苦手とする召喚モンスターを布陣に加えていた。

 

 野々村の布陣は?

 スキュラクイーン、青竜、パイロヒュドラ、マッドヒュドラ、ホーライでした。

 駿河の布陣は?

 スキュラクイーンが2体、青竜、サイレンクイーン、マッドヒュドラだ。

 共にそのまま海中戦が出来そう!

 それでいて地上戦でも厄介なのは言うまでも無い。

 頭が多く体躯も巨大なヒュドラ系に歌わせたら厄介なスキュラクイーン。

 青竜も最初から鬼竜変を使ってくるしな!

 汎用性の高い組み合わせであり、隙が少ない。

 拘束されたら終わりだ!

 まあショート・ジャンプを使えばどうにか出来そうだけど。

 その手は使いたくなかったし、使わずに済んでます。


 全部、速攻で押し通してしまった。

 一体、何度対戦をしていたのかね?

 数えていられません!


 観客席はギャラリーで埋まっている。

 その中にはアデル達もいるようだった。



「全部、速攻ですか?」


「全部、速攻だね」 


「相変わらず対戦では格闘戦狙いなんですね」


「これは使うけどね」


 手にしているのは転生獅子のレイピアだ。

 使っているけど、一度も突き刺していない。

 単に武技を使う為に手にしているだけだ。



「やっぱり速攻対策は必要ですかね?」


「相手によるだろうな。何にせよ召喚モンスターとの連携を確認する事だね」


 対戦で怖いのは?

 不意を衝かれて思いもしない攻撃を受ける事だろう。

 逆に言えば、相手が対応が出来ない所に追い込む事だ。


 オレの場合、速攻で押し切るのは手札を使わせない事を徹底したいからだ。

 それでも召喚モンスター達の能力まで、使わせずに済ませている訳ではない。

 召喚モンスター達の能力を把握しているから対応が可能なだけなのだ。


 未知の相手がいるのが一番怖い。

 個人戦だと相手の装備、得物と防具を見たら概ね戦闘スタイルの予測は可能だろう。

 でもステータスやスキルの構成まで把握は出来ない。

 予測を超える手札を持っている可能性はある。

 それに事前に対戦の様子を知っておけば、対策も立て易い。


 ボーナスポイントは欲しい。

 最近、エリアポータル解放戦でも貰えていないから尚更欲しい。

 目指すは優勝だ。

 【全耐性】の取得を目指していた筈が【手斧】と【両手斧】を取得してしまっている。

 その2つのスキルを取得するのに消費したボーナスポイント分を挽回しないといけません。

 惜しい、と今更思ってみても戻れないのだ。


 確実にボーナスポイントを稼ぎに行こう。

 油断してたらいけません。

 思わぬ所で敗戦する可能性は十分にあるだろう。


 一方で楽しめたらいい。

 特に力押しで攻めて来るような相手がいたらいいな。

 当然、格闘戦が楽しめる相手なら文句無しだ!

 理想の相手は?

 与作だろう。


 そうそう!

 お互いに得物が斧で戦うのは面白そうだ!

 大味な対戦内容になるかもだが。

 興味はあります。


 予選は突破、本選に進んだ訳だが。

 五日後?

 まだ本選まで時間はある。


 己を鍛えねばいけませんな!

 確実に優勝出来るか?

 甘い!

 出来る事は優勝の確率を高める努力だけです。


 鍛えに行きましょう。

 そこに慈悲は無いのだ。



「キースさん、本選の出場権はどうでした?」


「どうにか得たよ」


「もう少し、相手をして頂けますか?もうちょっと工夫したいので」


 駿河と野々村が積極的に対戦をしたがっている。

 速攻を想定して迎撃する姿勢でいたのは分かっていた。

 それでも対応出来ていなかったのが悔しいのだろう。

 いい傾向だと思う。



「2人共、出場権は?」


「どうにか確保しました」


「キースさんとの対戦で負けてましたけど」


 ほう。

 ならば良し。

 対戦でお互いを高めあうのもいいけどね。

 今のオレにはやりたい事がある。


 海専任の召喚モンスターを鍛える事だ。

 延期に延期を重ねているけど、そろそろ進めておきたい!



「今日は狩り、いや、漁をやりたいんだけどな。何だったら一緒に来るか?」


「えっと」


「いいんですか?」


「私もいいですか!」


「僕も行きたい!」


 アデル達やヒョードルくん達も手を挙げてます。

 出場権は得ているのかね?



「場所はE9u1マップから東へ、E10u1マップがいいかな」


「えっと」


「そこ、死に戻り多発で有名な所なんですけど!」


「そうなの?」


「ええ。ユニオンを組んでいても結構厳しいって有名です」


 そうなのか。

 E9u1マップのエリアポータル、神霊の泉にプレイヤーの姿が少ない理由もそれなの?

 いい狩り場なのに勿体無いって!



「E10u1マップは確かに厳しいかもな。エリアポータルも無いし」


「ですよね?もう少し難易度を下げて頂けると有難いんですが」


「E10u1マップの中央にはいい漁場がある。海鮮素材は豊富だぞ?」


 反応は?

 沈黙がその答えになってます。

 趨勢は決まったようなものだった。

 料理スキルを持つアデルやイリーナは簡単に釣れていた。

 そして海を主戦場にしている駿河と野々村もです。


 E10u1マップで、いいですね?

 いいようです。

 では、付いて来るがいい。

 案内のついでに漁をしてみましょう。


 で、一緒に来るのは?

 いつもの面々ですね。

 アデル、イリーナ、春菜、此花、ヒョードルくん、ヘラクレイオスくん、ゼータくん。

 そして駿河に野々村、紅蓮くんの所のパーティもです。

 全員、既に闘技大会の本選への出場権を得ているそうだが。


 そうか。

 皆、闘技大会に向けて鍛えたいのね?

 オレとしても望ましい所だ。

 特にヒョードルくん、それに紅蓮くんの所のパーティ全員に期待したい。

 個人戦無差別級に参加する面々であるからだ!


 ボーナスポイントは確かに欲しい。

 それでいてより苦戦する事も欲している。

 大いなる矛盾だが、これが真実であるのでした。


 では、布陣変更です。

 ストランドは帰還させ、蒼月を召喚しました。

 まずはE9u1マップから空中を東へ移動するのです。

 要注意の相手は?

 プルシャの影、テュポーンの分身だ。

 いや、こいつ等は狙い目だ!

 皆で存分に狩って欲しいものです。






《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》


 時刻は?

 午前11時30分です。

 E10u1マップにようやく突入しました。


 皆は平気か?

 召喚モンスターにステータス異常があったりしたけど、どうにか付いて来てます。

 テュポーンの幻影はまだいいが、テュポーンの分身はまだまだ厳しいみたいだ。

 それでも死に戻りがいない所は中々のものだろう。



『キースさん、そろそろ海に行きますか?』


「そうだな。そろそろいいだろうね」


『アスピドケロンは私が召喚します!』


 ゼータくんが青竜を降下させる。

 チェンジ・モンスターを使うとアスピドケロンが出現した。

 かなり大きい。

 プリプレグと比べたらまだ小さい。

 アデル達は全員がドラゴンを布陣に加えているけど、それでも全員を甲羅の上に載せて十分な広さがある。

 実際、全員が着陸しても問題無かった。


 今日はここで昼食だな。

 料理人はアデルとイリーナがいる。

 既に料理を始める為に机や道具を用意し始めている。

 任せちゃっていいだろう。


 では料理を待つ間は、どうする?

 やっぱり対戦だ。

 蒼月を帰還させ、鞍馬を召喚しましょう。

 今回は個人戦だ。

 普段の対戦でも1対1の機会を多くしたい。

 難易度の調整なら出来る。

 鞍馬だけを呪文で強化だ。



「じゃあ交代でログアウトね!」


「昼食は任せていい?」


「まっかせて!」


 料理はアデルが下拵えをしている間にイリーナがログアウトするようだ。

 あまり近くで対戦をするのも料理の邪魔になる。

 少し離れて対戦しましょう。






《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》



 勝った。

 いい匂いが漂って来てたけど、勝ったぞ!

 どうにか集中力を維持出来たのは奇跡だろう。

 この匂い、カレーだ。

 間違えようが無い。



「食事、出来ましたよー!」


 イリーナの声が聞こえる。

 ああ、もう堪らん。

 今は食欲に流されるまま、行動するとしよう。

 


「あれ?おかわりは?」


「無いわよ」


「えー!」


「もうちょっと、欲しかったなー」


「無いったら、無い!この大食い共!これを見よ!」


 イリーナが鍋の底を見せている。

 その表情は半ば怒っているようにも見えるが、笑みを消し切れてません。

 自分の料理をおかわりしているのだ。

 それはそれで満足すべき状況なのだろう。

 味わって食べているかどうかはちょっとアレだけど。

 男性陣は全員がおかわりをしてます。

 当然、オレもだ。

 最初から大盛りだったけどおかわりしてますが何か?



「これから海中戦ですか」


「ああ。そうだ紅蓮くん、そっちはドラゴンに騎乗しての海中戦は大丈夫?」


「ドラゴントルーパー系のように専門職じゃないですけど、どうにか」


「大丈夫、ユニオン組んで支援するから」


 そう。

 紅蓮くん達のパーティは騎乗竜としてドラゴンが3頭いた。

 パーティのうちの1名は眠りダムー。

 彼はエレメンタル・メイジ『風』であり、自前で空を飛んでいた。

 それでいて契約結晶でドラゴンを使役出来ている。

 他の2頭も紅蓮くんと由美が引き連れている。

 聞けば彼等は元々、海中戦の経験そのものが少ないらしい。

 ドラゴン3頭も海中で戦闘は可能と思えるが、いきなり相手がプルシャの影では危険に思える。

 徐々に慣らしていけばいい。


 布陣は変更だ。

 鞍馬を帰還させ、ハイアムスを召喚するだけですけど。

 エルニド、ロッソ、雪白、濡羽はこのまま鍛えましょう。

 MPバーに余裕は十分あるのだ。


 アデル達も布陣を変更して行く。

 ゼータくん配下のアスピドケロンの周囲に、甲羅の上に、次々と召喚モンスターが出現する。

 駿河と野々村は分かり易いな。

 対戦で見せた布陣から1体だけ、騎乗馬としてアレイオーンが交代になってます。

 闘技大会を見据えた経験値稼ぎだろう。


 他に見所は?

 イリーナが召喚したアスピドケロンだろうか。

 何しろ大きいから目立つ。

 それでもクラスチェンジしたばかりでゼータくんのアスピドケロンよりも小さい。


 そして未見の召喚モンスターがいた。

 春菜配下のノーチラスだ。

 聞けばアーケロンとテンタクルス2体のフューズ・モンスターズで誕生するらしい。

 見覚えはある。

 エンシェントノーチラスだ。

 レベルアップを重ねてクラスチェンジしたらそうなるのだろう。


 欲しいか?

 今はまだダメ。

 海中専任の召喚モンスターの戦力底上げもまともに出来ていないのに、無理!


 まあそれはいい。

 ユニオンを組むと早速だけど漁だ。

 最初のうちはお楽しみとしましょう。

 プルシャの死体の周囲は良い漁場なのです。




「このE10u1マップの中央にプルシャの死体がある。その周囲は海鮮素材の宝庫だ」


『もしかして、以前に持ち込んだマグロもここで?』


「そうだ」


『あ、あの、キースさん?』


『少しお時間を頂けませんか?海鮮素材はある程度、確保しておきたいので』


『マグロ!マグロ!』


「それにサザエやウニ、アワビやイセエビも獲れるぞ?」


『おおおっ?』


『見逃せないね!』


 人魚系の召喚モンスター達が銛を手にして次々と海の中に飛び込んでゆく。

 駿河と野々村もだ。

 アレイオーンに騎乗して海中に向かっている。


 ふむ。

 やっぱり食欲っていいね!

 皆さん、生き生きとしてらっしゃる。

 高級食材の漁で時間を割くのはいいけど、これがメインになるんじゃなかろうか?

 そんな予感がしています。





「おーい、そろそろいいかな?」


『も、もうちょっといいですか?』


『ああ、ここにすぐに来れるポータルが欲しいっ!』


『石版あったっかなあ?』


『今、手持ちには無いよ!』


『共同で購入しない?それだけの価値があると思うんだけど』


「ほら、狩りに行くよー」


 皆さん、大いに漁獲があったようだ。

 大変結構。

 オレもマグロを数本、ロッソ達の助力もあって確保している。

 エルニドはアワビにウニ、サザエにイセエビを獲ってくれてます。

 だが。

 合間で召喚モンスター達は海鮮素材を食べてしまっていたりする。

 まあ、いいけど。

 大いに海鮮素材は稼げているし、文句など無いのだ。




『キースさん、事前に注意点はありますか?』


「ここの海中戦だが焦らなくていい。距離を詰めて攻撃する機会は必ずあるからな」 


『それ、直接攻撃が前提ですよね?』


「遠距離から攻撃し続けると戦闘が長引くだけだ。それに呪文が通じ難い相手だっている」


『了解しました』


『じゃあ、気合入れて行くよー!』


 先に海鮮素材を確保しておいたのは良かったのか?

 でも既に時刻は午後1時20分。

 皆さん、一緒に漁が出来るのって午後3時前後じゃなかったかな?


 まあアレだ。

 イリーナ、それにゼータくんがアスピドケロンを配下にしている。

 ここで漁を続ける事は工夫したら可能だろう。

 欲望は人をより大きく成長させる事もある。

 魔物が強い?

 それも乗り越えてくれるだろう。


 魔物とはこれから実際に戦ってみる訳だが。

 海鮮素材を安定して確保したいのであれば、ここで連戦出来るようじゃないと困るぞ?









《只今の戦闘勝利で【両手槍】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【水泳】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【潜水】がレベルアップしました!》

《【潜水】がレベル上限に達しました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ハイアムス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 時刻は午後3時10分です。

 もう時間だ!

 それもまた仕方ない。

 プルシャの影は実に厄介な相手だからだ。


 おっと、今は急ぐべきだろう。

 実際、アデル達も少し焦っているように見えます。

 予定の時間を超過しているからね。



 ハイアムスのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。



 ハイアムス アレイオーンLv33→Lv34(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 82(↑1)

 知力値 37(↑1)

 筋力値 60

 生命力 60

 精神力 37


 スキル

 噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 突貫 回避

 疾駆 耐久走 奔馬 変化 水中機動 跳躍 水棲

 夜目 重装 呪音 振動感知 危険察知 追跡

 騎乗者回復[小] 自己回復[中] 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[小] MP回復増加[小] 時空属性 光属性

 闇属性 風属性 水属性 耐魅了 耐暗闇 耐混乱



『キースさん、もう時間なんで!』


「分かってる。急いで海上に移動しよう」


『済みません、急かしちゃって』


「それでどうだ?ここで連戦、出来そうか?」


『『『『無理!』』』』


 断言ですか?

 いやいやいやいや!

 ユニオン組んだら出来るでしょ!

 もっと積極的に狩りを進めてもいいと思うんだが。



『アレ、何ですか?私達の【封印術】の呪文の効きがすっごく悪いし!』


『その上、タフですよね?』


「空中戦なら行けそうかな?」


『テュポーンの分身にプルシャの影は【英霊召喚】抜きだと厳しいと思います』


『【海魔襲来】の継ぎ足しをしてどうにかって感じ?』


『多分そうだと思う』


 何だ。

 どうにか倒せそうな手順は考えているではないか。

 大丈夫、いずれ単独でも狩れるようになると思いますよ?




 アデル達とは海上で別れる事になりました。

 まだオレにはやるべき事がある。

 海中戦は継続だ。

 戦力の底上げを先延ばしにしていた分、ここで挽回しておきたい。

 召喚モンスター達のMPバーは?

 半分って所だ。

 まだまだ戦える、

 ハイアムスに関してはマナポーションを与えてでも連戦すべきだ。

 まだ他にも経験値稼ぎをしたい面々がいる。

 ここで海中戦を止める訳に行きませんよ?

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv120

職業 サモンメンターLv9(召喚魔法導師)

ボーナスポイント残 40


セットスキル

小剣Lv90 剣Lv90 両手剣Lv91 両手槍Lv93(↑1)

馬上槍Lv95 棍棒Lv90 重棍Lv91 小刀Lv91

刀Lv90 大刀Lv93 手斧Lv40 両手斧Lv22

刺突剣Lv91(↑1)捕縄術Lv94 投槍Lv98

ポールウェポンLv99

杖Lv104 打撃Lv109(↑1)蹴りLv109 関節技Lv109(↑1)

投げ技Lv109(↑1)回避Lv118 受けLv117

召喚魔法Lv120 時空魔法Lv107 封印術Lv106

光魔法Lv103 風魔法Lv103 土魔法Lv103 水魔法Lv103

火魔法Lv103 闇魔法Lv104 氷魔法Lv103 雷魔法Lv103

木魔法Lv103 塵魔法Lv103 溶魔法Lv103 灼魔法Lv103

英霊召喚Lv6 禁呪Lv106

錬金術Lv90 薬師Lv24 ガラス工Lv27 木工Lv55

連携Lv100e 鑑定Lv89 識別Lv100 看破Lv90(↑1)耐寒Lv80e

掴みLv80e 馬術Lv100 精密操作Lv80e ロープワークLv94

跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e

平衡Lv100e

二刀流Lv91 解体Lv88 水泳Lv50(↑1)潜水Lv80e(↑1)

投擲Lv50e

ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv90 隠蔽Lv89

気配察知Lv91 気配遮断Lv89 暗殺術Lv60e

身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv95

魔法効果拡大Lv94 魔法範囲拡大Lv94

呪文融合Lv94

耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e

耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e

耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e

獣魔化Lv19


召喚モンスター

ハイアムス アレイオーンLv33→Lv34(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 82(↑1)

 知力値 37(↑1)

 筋力値 60

 生命力 60

 精神力 37

 スキル

 噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 突貫 回避

 疾駆 耐久走 奔馬 変化 水中機動 跳躍 水棲

 夜目 重装 呪音 振動感知 危険察知 追跡

 騎乗者回復[小] 自己回復[中] 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[小] MP回復増加[小] 時空属性 光属性

 闇属性 風属性 水属性 耐魅了 耐暗闇 耐混乱


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、クーチュリエ、獅子吼、極夜、雷文、バンドル、スコーチ

船岡、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ノワール、虎斑、蝶丸

網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ


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― 新着の感想 ―
[一言] 793 ゼータのアスピドケロンに着陸した後、「じゃあ交代でログアウトね!」ってありますが、他人のアスピドケロンの上でログアウトは出来ないはずでは? キースが皆にアスピドケロンを披露した際、そ…
[一言] 792話  アデルとイリーナ、何度も勝手にキースの拠点に入り浸ってたのか……  キース本人がまったく気付かないって相当では?  普通訪れる前後になにかしらのメッセージ送るとか、置き手紙みたい…
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