780
食堂の床に転がった久住を踏み付ける。
足の裏に僅かな違和感。
踏んでいるのは男にしかない急所だ。
電気あんま?
まさか。
オレはそんなに優しくはない。
「ま、待てって!いきなりそれはないだろ?」
「ほう、喋れるのか」
「痛覚設定はかなり低かったからな。それでも痛いぞ!」
「そうか。じゃあ潰す意味はあるかな?」
「タンマ!タンマ!あんたは鬼か!」
「鬼?そうかもな」
まあ威嚇するのもこの辺にしておくか。
先に食事を頼んでおこう。
厨房にはスーラジがいた。
おお、そうだ。
久住にも何か出していい。
これでも客のうちだろう。
「殴られるかと思ったら蹴りか。容赦無いな、君は」
「そっちこそ殴られる可能性は承知していたんじゃないのか?」
久住は僅かに笑っている。
ふむ。
痛覚設定を下げたって事はそういう事なのだろう。
「で、今日は何の用件かな?」
「イベントが一区切りになったんでね。『彼』にも多少は余裕が出来た」
「それで?」
「君に提案がある。多分、君にとっては魅力的だと思うけどね」
「提案?」
「お詫び、と言い換えてもいい」
お詫び?
いや、そうじゃなくて。
何が起きたのか?
何故、ゲームが中断するような事態になったのか?
そこの説明が先だろうに。
運営にも不可避に事態であれば納得は出来るというものだ。
「戦いたい相手と戦える機会を作ろう。それでどう?」
「何?」
久住の顔が間近にある。
しかも笑い顔で。
ああ、殴りたい。
でも申し出ている内容には恐ろしい程の魅力があった。
戦いたい相手?
それは誰か。
あの筋肉バカの魔神に決まっている!
「本当に?」
「本当に」
「確かに魅力的だ」
そう来るか。
運営である『彼』が思い付いた事なのかね?
それとも久住が考えたのか?
魅力的な申し出なのは間違いは無いけど、引っ掛かる所もある。
「『彼』はどうも機微に触れるようなアイデアが出て来ないみたいでね」
「そうなのか?」
「そんな所も興味深いんだけどね。君もまた興味深い」
「うん?」
「『彼』に頼んで君の行動ログを見せて貰った。君も色々と興味深い存在だねえ」
彼の笑い顔は変わらない。
何故か不安にさせる。
何でだろう?
「君は、何者なんだ?」
「答える必要を感じないな」
「長時間に亘る連続ログイン。尋常じゃないんだけどねえ」
「見解の相違、だな」
「君の見解は聞いてないけどねえ」
全く。
魔神との戦いをエサにして何かを得ようとしているのか?
嫌な奴。
「何でそんな事を知りたい?」
「知らないから。理解出来ないから。分からないからだよ」
「知って、どうする?」
「別に、何も。僕はね、ただ知りたいだけだよ。『彼』にしても君にしても同じさ」
成程。
久住は自らの知識欲に衝き動かされているような人物であるらしい。
まあ、分からなくは無い。
理解は出来る。
でもね。
オレ自身の事を色々と詮索されるのは御免だ。
納得はしません。
強引になるかもだが話題を変えよう。
雑談が続いていた。
禁止ワードはここまで無い。
雑談の殆どはこのアナザーリンク・サーガ・オンラインについての感想についてだ。
いや、アドバイスを欲しがっているみたいです。
どうもこの久住、自らのアカウントを作ってこのゲームを始めたみたいだ。
でもそろそろ、会話も切り上げた方がいいだろう。
「お詫びの件は、いい。あの時、何が起きたのか、禁止ワード抜きで説明を求めたい」
「『彼』にかい?」
「出来れば」
「僕でもいいの?」
「それでもいい。早めに回答があれば有り難いな」
久住の目の前にスーラジが食事を差し出した。
お茶漬けだ。
オレの目の前には和定食。
これらが意味する所は明らかだろう。
「戦いたい相手はいるんだろう?」
「ああ。でも与えられた機会で、というのは趣味じゃない」
「そんなもんかね」
「戦うのにも理由が要るんでね」
久住は気にする様子を見せずにお茶漬けを食べている。
おい。
おいおいおいおい!
「まあ説明の件はやってみよう。それに君の提示する難題は『彼』を刺激するものらしいからね。実に面白い」
「どういう意味だ?」
「今まで僕が見た事の無い反応を『彼』がする。以前から×××××みたいな奴だったんだけどねえ」
まただ。
聞こえない言葉が混じっていた。
嫌な事に禁止ワードが混じる事が当然のように思えてくる。
「じゃあ、ご馳走様。実に美味かった!また食べに来ていいかな?」
「回答があれば」
「厳しいねえ」
久住が片手を振って挨拶をした次の瞬間。
その姿が黒い人形に変化してしまっている。
ふむ。
今日はここまでか。
次の機会には何らかの回答があるものと期待したいが。
何しろ窓口が久住だ。
どうにも期待出来そうに無い。
そこは期待せずに待ってみるとしよう。
朝食の残りがまだあった。
だし巻き卵と魚の干物を片付ける。
さて、今日の予定は?
d1マップ。
夜になっているし【英霊召喚】の切り札は使えないけど、どうしよう?
それでも確認しに行こう。
では布陣は?
実績を優先でいい。
ヴォルフ、護鬼、戦鬼、獅子吼、フローリンにしました。
空中庭園の上の様子次第では布陣は変更して調整しよう。
さて。
d1マップは魔物が出現するようになっているかな?
確かめに行こう。
d1マップのエリアポータル、万魔殿跡地に到着。
どうもいきなり空中庭園に跳べる訳ではないようだ。
暗闇の中でも分かる。
周囲にあるのは廃ビルだ。
(ノクトビジョン!)
暗闇の中でも視界が確保出来る呪文だが。
空中庭園は遥か頭上にあるのが分かるだけだ。
ビルの中の階段を登るにせよ、エレベーターを使うにせよ、戦鬼を連れてというのは無理だな。
空中庭園は後回しで。
まずはd1マップに魔物が出るのか、確認するのを優先しよう。
コール・モンスター、それにセンス・マジックも通じないままなのかも確認だな。
では、夜のd1マップの探索を始めよう。
魔物、いますかね?
得物は左手に神樹石のトンファーで。
呪魔蛇の小剣、断鋼鳥の小刀も使おう。
武器スキルは【小剣】【小刀】が最も低い。
底上げをしておきたいのでした。
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【小刀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『獅子吼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は?
午前9時30分です。
d1マップに魔物は出るようになりました。
でもコール・モンスター、センス・マジックは効いていない。
それだけに苦戦が続いています。
いや、戦闘中に情け容赦なく追加で魔物が続々と投入されて来てます!
歓喜しているオレがいる。
変かな?
出現するのは、地下側マップで遭遇した魔物全てです。
元に戻っただけ、とも言える。
相変わらずカオスだ。
その組み合わせ次第でかなり厄介にもなる。
自爆する分身を繰り出すロキの化身に従者は既に対策が確立してると思ってました。
でも他の魔物と組まれると脅威は倍なんてもんじゃない。
しかも地形も悪い。
廃墟ビルに隠れてやがるし!
だがこれはいい傾向だろう。
鬼ごっこにかくれんぼは楽しい。
遊びだと思えば腹は立たないだろう。
獅子吼のステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
獅子吼 ダークキメラLv60→Lv61(↑1)
器用値 31
敏捷値 78
知力値 31
筋力値 66(↑1)
生命力 67(↑1)
精神力 31
スキル
噛付き 飛翔 回避 裂帛 匂い感知 熱感知
夜目 気配遮断 捕食融合 捕食吸収 自己回復[中]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
毒 暗闇 ブレス 時空属性 光属性 闇属性
火属性 溶属性 耐石化 耐暗闇
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『フローリン』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
アイテム剥ぎは対象を絞りました。
ドラゴンだけにしてます。
全部を対象に剥ぎ取りとか、無理!
風結晶を始め、各種属性の結晶に湖沼主竜の牙に槌頭水竜の皮。
今更になるがそこそこいいペースです。
新たに召喚モンスターを追加していいかな、とも思ってしまう。
それに悩みもあった。
頭の片隅にジャンダルムを追加して鍛えようしか?
でもd1マップは、厳しいかな?
無理は止しておきましょう。
フローリンのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
フローリン ゴールデンバットLv33→Lv34(↑1)
器用値 59
敏捷値 83
知力値 35
筋力値 49(↑1)
生命力 49(↑1)
精神力 35
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲 隠蔽
追跡 監視 気配遮断 魔力遮断 自己回復[小]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] 吸血 猛毒 暗闇
混乱 麻痺 石化 忘却 催眠 高周波 毒耐性
耐即死 耐暗闇
では、獅子吼とフローリンは帰還だ。
更なる苦戦が可能なのか?
確かめてみよう。
マゾではないけど、もっと苦戦が出来そうな布陣がある。
召喚したのはテイラーとペプチドです。
うん。
発光を使わせるつもりです。
自殺行為、とは思わない。
出来る。
出来る!
そう信じろ!
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【小刀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
うん。
大苦戦になってますが何か?
数が数だけにリミッターカットを使った上で迎撃、なのだが。
楽しいか?
凄く、楽しい。
エクストラ・サモニングやメタモルフォーゼの切り札を使おうかどうか悩んだ程だ。
戦闘時間は明らかに30分超え、それが2回だ。
アイテムが剥げなかったドラゴンの死体は確かに惜しい。
でも引き換えに体中が痺れるような戦いが続いてくれている。
ああ、もっとこんな戦いが続くといい。
d1マップの魔物を狩り尽くす勢いでもっと戦いたい。
そんな事を目標にしたくなってます。
護鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
護鬼 羅喉Lv34→Lv35(↑1)
器用値 67
敏捷値 67
知力値 40
筋力値 57(↑1)
生命力 57(↑1)
精神力 40
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
奇襲 変化 神威 瞑想 夜目 連携 精密操作
跳躍 平衡 気配遮断 気配察知 自己回復[小]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[中] MP回復増加[小]
時空属性 光属性 闇属性 火属性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
切り札を使わなかった大きな理由には戦鬼の存在もあるだろう。
新たな装備を得た戦鬼は全身凶器、いや全身兵器だ。
鉄球の投擲も絶好調!
寄って来る魔物が多いからほぼ外れない。
最高のピッチャーだ。
全球、デッドボールだけど。
メタモルフォーゼを使ってオレも同じ事が出来るのか?
その自信は無い。
そしてメタモルフォーゼであるアイデアが浮かんだ。
グレイプニルで梱包した魔物を相手にメタモルフォーゼ。
出来るんじゃなかろうか?
待宵もクローンを魔物相手に仕えるのであるし可能だろう。
そこまで手間を掛けずとも戦えているし、メタモルフォーゼは切り札だ。
安易に試すのは少し躊躇してしまう。
覚えておくに留めておこうか。
戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
戦鬼 オーガロードLv34→Lv35(↑1)
器用値 49(↑1)
敏捷値 67(↑1)
知力値 15
筋力値 91
生命力 91
精神力 15
スキル
打撃 蹴り 噛付き 投擲 受け 回避 登攀
平衡 投げ技 関節技 体当たり 激高 夜目
掴み ダッシュ 跳躍 平衡 軽業 連携
物理抵抗[小] 自己回復[極大] 耐即死 耐麻痺
耐魅了 耐暗闇 毒耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テイラー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
テイラーの発光はまだ使えるかな?
まだ2回しか使っていない。
MPバーは残り7割を超えている。
少なくとも4回から5回、使える計算になるのだが。
時刻はもう午前11時30分だ。
発光1回で戦闘時間は1時間平均として、夕方まで継続できるかな?
アイテム剥ぎを無視したら余裕だろう。
どうする?
恐ろしいペースで経験値稼ぎが出来ている。
戦力底上げで布陣変更?
いや、戦鬼を外すのは好ましくない。
どうしましょう?
テイラーのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1ポイント分のステータスアップは器用値を指定しましょう。
テイラー ジュエルキャンサーLv33→Lv34(↑1)
器用値 50(↑1)
敏捷値 60
知力値 13
筋力値 103
生命力 81(↑1)
精神力 13
スキル
鋏撃 体当たり 堅守 回避 掘削 泡波 発光
隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[中] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] 水棲 闇属性 水属性 火耐性
風耐性 土耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ペプチド』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
テイラーは外せない。
連携を考えたらペプチドも外したくない。
戦鬼もメタモルフォーゼの相手に残したい。
そうなると護鬼も外したくない。
苦悩。
ヴォルフ?
MPバーはまだまだ十分に残っている。
念動はほぼ使っていないから、まだまだ戦える。
もういいや。
このまま戦闘を継続してしまおう。
ペプチドのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1ポイント分のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
ペプチド ホーリースコルピオンLv33→Lv34(↑1)
器用値 75
敏捷値 75
知力値 20
筋力値 62(↑1)
生命力 62(↑1)
精神力 20
スキル
鋏撃 針撃 堅守 回避 掘削 振動感知 気配遮断
隠蔽 登攀 奇襲 監視 自己回復[微] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] 致死毒 麻痺 暗闇 時空属性 光属性
闇属性 火耐性 風耐性 土耐性 水耐性 毒耐性
ブレス耐性
では、時間を稼ごうか。
昼食は携帯食で済ませてしまおう。
布陣はこのままで、テイラーの発光が続く限り続けてしまえ!
仕方ない。
だって、楽しいのだ!
きっと満喫出来るに違いない。
でも得物は切り替えよう。
悪い意味で慣れてしまうのは良くないしな。
それに武器スキルも底上げを進めたい。
得物は布都御魂で。
さあ、大いに楽しみますよ?
《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【両手剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テイラー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は?
もう午後5時ちょうどになろうとしている。
テイラーの発光はもう品切れだ。
ああ、堪能した。
色々と稼いでいる経験値がおかしな事になっていそうだけど、今はいい。
気分は?
悪くない。
むしろいい。
それでもオレの中の狂気は収まっていません。
もっとだ。
もっと、戦いたい。
背中に汗が浮くような状況は何度かあった。
あの感覚をもっと味わいたい。
贅沢が身に沁みてしまったら後は堕落するしかない筈だが。
この場合はそんな心配はしなくていいと思う。
テイラーのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1ポイント分のステータスアップは生命力を指定しましょう。
テイラー ジュエルキャンサーLv34→Lv35(↑1)
器用値 50
敏捷値 60
知力値 13
筋力値 104(↑1)
生命力 82(↑1)
精神力 13
スキル
鋏撃 体当たり 堅守 回避 掘削 泡波 発光
隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[中] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] 水棲 闇属性 水属性 火耐性
風耐性 土耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ペプチド』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
当然だけど、布陣は変更必至だ。
夕食は?
一旦、万魔殿跡地に戻ってからにしよう。
もうすぐ地下側マップは夜が明ける。
その光景を食事をしながら空中庭園で見てみたい。
ペプチドのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1ポイント分のステータスアップは精神力を指定しましょう。
ペプチド ホーリースコルピオンLv34→Lv35(↑1)
器用値 75
敏捷値 75
知力値 21(↑1)
筋力値 62
生命力 62
精神力 21(↑1)
スキル
鋏撃 針撃 堅守 回避 掘削 振動感知 気配遮断
隠蔽 登攀 奇襲 監視 自己回復[微] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] 致死毒 麻痺 暗闇 時空属性 光属性
闇属性 火耐性 風耐性 土耐性 水耐性 毒耐性
ブレス耐性
では、テレポートで跳ぼう。
空中庭園へのエレベーターは使えるかな?
使えるようであって欲しいものだ。
布陣は今のうちに変更しておくか。
戦鬼、テイラー、ペプチドは帰還で。
ナイアス、ロジット、ルベルを召喚しました。
昼食は携帯食で済ませた分、夕食は多少豪勢にして欲しいですな。
エレベーターは動いてくれている。
d1マップのエリアポータル解放戦では派手な爆撃があったんで動かないかと思ってました。
まあ助かった。
エレベーターの中はオレと召喚モンスター達全員が入っても問題ない。
護鬼もロジットも小さいままだからかなり余裕がある。
そしてビルの最上階へ。
既に地平線が僅かに明るくなっているのが分かる。
食後にはもう完全に明るくなっている事だろう。
d1マップで空中戦もいいかも?
ロキの化身に従者だが、分身による自爆攻撃は地上の方が厄介だ。
そんな事を考えながらビルの屋上に出て、空中庭園に向かっていたのだが。
護鬼が、そしてロジットが、いきなり大きくなった。
ここはエリアポータル。
解放戦はもう済んでいる筈。
臨戦態勢にならなくてもいいのに、と思ったんだが違うのか?
空中庭園に人影。
しかも複数。
閻魔様らしき姿は無いし、そもそも人数が合わない。
地蔵菩薩様でもないようだが。
何がいるんだ?
ベルゼブブ ???
??? ??? ???
???
サタナキア ???
??? ??? ???
???
アガリアレプト ???
??? ??? ???
???
頭上のマーカーは黄色。
魔力は感じない。
当たり前ですね。
センス・マジックも通じないのがd1マップだ。
それでも分かる。
こいつ等、ヤバい。
その姿は悪魔にしか見えないからだ。
ベルゼブブ、という悪魔には見覚えがある。
N7u1マップで見た、あの悪魔だ。
痩身で布一枚だけの姿、ボサボサの癖毛の髪に角は6本。
その雰囲気は超然としている。
他の2名は?
悪魔らしい悪魔、と言えばいいのかね?
でも殺意が沸く。
サタナキアの印象は派手なホストみたいだ。
当然だけど美男子。
太い角が2本、天を衝くように伸びている。
お前、死んでいいよ!
黄色マーカーだから襲わないだけだ。
アガリアレプトも麗人と言えるだろう。
そう、女性が男装をしているように見える。
いや、男性が女装しているようにも見える。
どっちなんだろう?
天使みたいにどこまでも中性的だ。
角は2本で頭部をガードするかのようにうねっている。
それがまた良く似合ってます。
だが、彼等だけではない。
3名の悪魔と対峙する存在がいる。
これにも見覚えがあった。
カーリー ???
??? ??? ???
???
青黒い肌に10本の腕。
様々な武器を手にして、怒りの形相をしている。
悪魔の3名が超然とした態度であるのに対し、こっちは剣呑そのものだ。
怒りの表情のままなのだから当然だ。
マトリカス ???
??? ??? ???
???
カーリーの左右に合計8名、いる。
これも以前に見ているのだが。
表情はカーリー程に怒りに満ちている訳ではないが、厳しい表情だ。
やはり剣呑な雰囲気を纏っている。
幸運であったのか?
それとも不幸であったのか?
魔力を感じられない。
これではどんな状況に陥っているのか、訳が分からない。
馬頭観音 ???
??? ??? ???
???
マトリカスを従えるカーリーと悪魔3名の中間に佇むのがこの仏様だった。
おいおい、三竦みですか?
いや、待て。
まだいるぞ?
キュベレー ???
??? ??? ???
???
u1マップで見た女神様だ。
清楚な女性であるのだが、以前に感じた威圧感が無い。
魔力を感じられない事が関係しているのかな?
『歪みを正す時が来たか?』
『そうではあるまい。混乱の始まりであるやも知れぬ』
『世界に変化は常にあった。これからも変化を続けるであろう』
『だがそれは急激であってはならぬと思わぬか?』
『その一方で緩慢な変化では間に合わぬかも知れぬ』
『破壊と創造の時は近い』
『それを加速せんとする者がいる』
『それを防ごうとする者もいる』
誰が何を語っているのか、分からない。
でも分かる事もある。
戦うつもりはないらしいな。
良かった。
巻き込まれたら死ねそうだ。
それも簡単にです。
『人の中にある歪みは?』
『残るであろう』
『人の中に祈りもまた残るであろう』
『どう転ぶか、我等の知る所ではない』
そこにいる全員の目が、オレに集中する。
な、何ですか?
オレ、何かしましたか?
『歪みは新たな万魔殿となって形を成しつつある』
『我等はそこに君臨する』
『我は救済するであろう』
『我は諭す事になるでしょうね』
『我等は断罪するのみである』
『各々、成すべき事は異なるがそれもまた世界の有り様』
『新たな世界を見たくばその道標は残そう』
『だが心せよ』
『そこは汝にとっての楽園にも地獄にもなり得るであろう』
悪魔3名の姿が徐々に薄れて行く。
そして消えてしまった。
カーリーを始めとした女神様達も消えて行く。
そして馬頭観音様も。
最後に残ったのは女神様のキュベレー。
オレに微笑を残して、やはり消えてしまう。
変化は?
あった。
空中庭園の中央に塚が残されてます。
真っ白で表面はキラキラと輝いている。
その塚の上に人魂。
触ったら何かが起きるって事だろう。
でも今は少し待ってくれ。
夕食がまだなのだ。
時刻は午後5時20分。
腹拵えをしておこう。
食事の用意はナイアスに任せていい。
では夕食が出来上がるまで、時間はどう潰そうか?
やはり対戦だ。
そうすべきだ。
護鬼とルベルは帰還させ、ヘザーと鞍馬を召喚しましょう。
対戦相手は ヴォルフ、ヘザー、鞍馬、ロジットだ。
防御面で飽和しそう!
いやその位でいい。
対戦も手抜きしちゃダメなのです。
それに今日は本格的な格闘戦がまだだ。
堪能するとしましょう。
《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》
対戦成績はどうにか互角だっただろう。
内容は?
攻撃を捌くのに飽和しかけてました。
厳しい。
間合いに差がある相手が複数というのは大変だ。
考えて切り替えなんて出来ません。
感じ取るしかないのです。
まあ今は夕食に意識が向いてしまっている。
ナイアスの作り上げたメニューはシンプルに豚肉の生姜焼きです。
ご飯はたっぷりとあるみたいだ。
格闘戦も堪能した。
次は目の前の食事を堪能するとしよう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv118
職業 サモンメンターLv7(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 51
セットスキル
小剣Lv89(↑2)剣Lv89(↑1)両手剣Lv90(↑2)両手槍Lv92
馬上槍Lv95
棍棒Lv89 重棍Lv88 小刀Lv89(↑2)刀Lv89 大刀Lv88
刺突剣Lv89 捕縄術Lv94 投槍Lv95 ポールウェポンLv95
杖Lv100 打撃Lv107(↑1)蹴りLv107 関節技Lv106
投げ技Lv106 回避Lv116(↑1)受けLv115
召喚魔法Lv118 時空魔法Lv105 封印術Lv104
光魔法Lv101 風魔法Lv101 土魔法Lv101 水魔法Lv101
火魔法Lv101 闇魔法Lv102(↑1)氷魔法Lv101 雷魔法Lv101
木魔法Lv101 塵魔法Lv101 溶魔法Lv101 灼魔法Lv101
英霊召喚Lv6 禁呪Lv103
錬金術Lv88 薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv48
連携Lv98 鑑定Lv87 識別Lv98(↑1)看破Lv86(↑2)耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv98 精密操作Lv80e ロープワークLv94
跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e
平衡Lv98
二刀流Lv90 解体Lv86 水泳Lv49 潜水Lv79
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv87(↑1)隠蔽Lv87(↑1)
気配察知Lv87 気配遮断Lv87(↑1)暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv92
魔法効果拡大Lv91 魔法範囲拡大Lv91
呪文融合Lv91
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e
獣魔化Lv17
召喚モンスター
護鬼 羅喉Lv34→Lv35(↑1)
器用値 67
敏捷値 67
知力値 40
筋力値 57(↑1)
生命力 57(↑1)
精神力 40
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
奇襲 変化 神威 瞑想 夜目 連携 精密操作
跳躍 平衡 気配遮断 気配察知 自己回復[小]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[中] MP回復増加[小]
時空属性 光属性 闇属性 火属性
戦鬼 オーガロードLv34→Lv35(↑1)
器用値 49(↑1)
敏捷値 67(↑1)
知力値 15
筋力値 91
生命力 91
精神力 15
スキル
打撃 蹴り 噛付き 投擲 受け 回避 登攀
投げ技 関節技 体当たり 激高 夜目 掴み
ダッシュ 跳躍 平衡 軽業 連携 物理抵抗[小]
自己回復[極大] 耐即死 耐麻痺 耐魅了 耐暗闇
毒耐性
テイラー ジュエルキャンサーLv34→Lv35(↑1)
器用値 50
敏捷値 60
知力値 13
筋力値 104(↑1)
生命力 82(↑1)
精神力 13
スキル
鋏撃 体当たり 堅守 回避 掘削 泡波 発光
隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[中] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] 水棲 闇属性 水属性 火耐性
風耐性 土耐性
獅子吼 ダークキメラLv60→Lv61(↑1)
器用値 31
敏捷値 78
知力値 31
筋力値 66(↑1)
生命力 67(↑1)
精神力 31
スキル
噛付き 飛翔 回避 裂帛 匂い感知 熱感知
夜目 気配遮断 捕食融合 捕食吸収 自己回復[中]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
毒 暗闇 ブレス 時空属性 光属性 闇属性
火属性 溶属性 耐石化 耐暗闇
フローリン ゴールデンバットLv33→Lv34(↑1)
器用値 59
敏捷値 83
知力値 35
筋力値 49(↑1)
生命力 49(↑1)
精神力 35
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲 隠蔽
追跡 監視 気配遮断 魔力遮断 自己回復[小]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] 吸血 猛毒 暗闇
混乱 麻痺 石化 忘却 催眠 高周波 毒耐性
耐即死 耐暗闇
ペプチド ホーリースコルピオンLv34→Lv35(↑1)
器用値 75
敏捷値 75
知力値 21(↑1)
筋力値 62
生命力 62
精神力 21(↑1)
スキル
鋏撃 針撃 堅守 回避 掘削 振動感知 気配遮断
隠蔽 登攀 奇襲 監視 自己回復[微] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] 致死毒 麻痺 暗闇 時空属性
光属性 闇属性 火耐性 風耐性 土耐性 水耐性
毒耐性 ブレス耐性
召魔の森 ポータルガード
ジェリコ、クーチュリエ、逢魔、モジュラス、清姫、守屋、スーラジ
久重、テフラ、岩鉄、ビアンカ、虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック
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