768
《只今の戦闘で【平衡】がレベルアップしました!》
どうにか追撃は振り切ったかな?
計算外だった事もある。
ミスリルゴーレム・オブ・ドラゴンの行動範囲は当初の目論見以上に広範囲であったのだ!
その反面、亀から遠ざかった分、相手にすべき魔物の戦力が確定していたのも大きかった。
どうにか、魔竜のうちの何頭かを屠っている。
でもその中にアラバスタードラゴンはいない。
ニュートドラゴンまでだった。
それに魔人も調子に乗っていたのか、何名かが出撃していた。
いや、魔竜達の支援であったのだろう。
こいつ等は全員、亀の元に戻れなくしてやった。
オレも何名かを屠っていたけど、スパッタとイグニスの戦果の方が多い。
やはり撤退戦というのは難しい。
戦闘も勝利判定ではないし。
(ファイア・ヒール!)
戦闘中からドラゴン達を支援してはいた。
これで12頭全てがHPバーは全快になっている。
ドラゴン達に高揚しているような様子は無い。
苦々しい思いがあるからだろう。
ダメージはむしろ軽微と言ってもいい。
だが相手の結界は強固。
ミスリルゴーレム・オブ・ドラゴンはその結界内にいるダークサモナーを仕留めない限り、無敵。
攻めたくとも攻めきれない、その思いはオレも同じだ。
地上戦であれば、夜であれば潜入して隙を衝く事も出来るかもしれないんだが。
今日の夕方以降、狙ってみようか?
『どうだった?』
『我が主、翠玉竜と白金竜殿から返答があった。援軍を更に寄越すようだ』
『指示は変更なし、だな?』
『ああ。サリナスの防衛に努めよと仰せである』
『だが援軍と言っても浮き島の護衛も護国谷の防衛もある。手は足りるのか?』
『老召喚術師、それに老死霊術師がおっても安心とは言えぬであろうに』
ドラゴン達が空中で会議を始めてます。
かなり真剣だ。
それに浮き島は既に移動してたのか。
気になる。
ゲルタ婆様から釘を刺されているけど、気になる。
気になってしまう!
『我等は下命に従うのみだ』
『ああ』
『サリナス方面に一旦退こう。警戒は?』
『範囲は狭めて6頭で組んで行動するとしよう』
『了解だ!』
ふむ。
この中ではオレの右翼側にいるフォレストドラゴンが年長なのかな?
全体の指揮を執っている。
「私は先にサリナスへ跳びます」
『承知した』
『色々と助かったぞ!』
「いえ、こちらもですから」
手にした双角猛蛇神の騎士槍を軽く掲げて挨拶するとテレポートの呪文を選択して実行する。
さて、ここからどうするか?
それはサリナスに行ってから、決めるべき事になるだろう。
N1E9マップのエリアポータル、港町サリナスに到着。
その筈だ。
まだ町の中に入っていないのに周囲にプレイヤーの往来が激しい!
幾つもの視線が飛んで来ている。
注目されているのはアイソトープがいるからだろう。
「キースさん!」
「こっちー!」
城門から離れた場所にアデルとイリーナが手を振っていた。
春菜と此花もいる。
「状況はどうなってる?」
「各所で魔人が出没してます。主に地上戦力が、ですけど」
「例の亀の件、報告は?」
「もう済ませてました!」
「フィーナさんが進軍速度を知りたいって、何組か偵察部隊を送ってます」
「そうか」
既に手を打っている訳か。
スワニーの村にいた戦力がここから各方面に索敵に散っているとなれば状況の把握も早いだろう。
「皆は?」
「半分以上はもうログアウトしてますね。消耗もありましたから」
「そうか」
まあ仕方ないか。
偵察とはいえ、結構厳しい戦闘になってたし。
そう、あれは偵察だ。
間違いなく偵察だ。
その筈です。
「アデル達はどうする?」
「これからログアウトですね」
「【英霊召喚】も使っちゃったし!」
「そうか」
目の前にいるアデル、イリーナ、春菜、此花はいずれもMPバーが2割と無い。
無理は禁物だろう。
「ヒョードルくん達は?」
「東に偵察に出てます」
「偵察?」
「ええ、偵察だと思います」
イリーナの言う偵察の定義は?
うん。
ちょっと悩ましい感じがします。
テレポートで拠点へと跳ぶアデル達を見送る。
さて、ここからどうする?
亀の移動速度は遅い。
N1E9マップに入って来ているのは間違いないが、今日のうちにこの港町サリナスに到達するとは思えない。
正確な到達時期の予測は偵察部隊が探ってくれるだろう。
オレが魔人の軍勢の本隊に今から張り付く意味は薄い。
夜なら?
大いに意味がある。
危険だが潜入する事は考えておくべきだ。
結界を生んでいるであろう魔人が必ずいる。
そしてあのミスリルゴーレム・オブ・ドラゴンを操っているであろう魔人も必ずいる。
潜入して全てを屠る事が出来れば最上だろう。
今は少し小休止でいいかな?
時刻は午前11時30分。
昼食を摂るにはいい時間帯だ。
アイソトープを連れて町の中を散策するのは剣呑なので帰還させている。
どこかで生産職が屋台をやってないか、探してみたら?
狙い通り、屋台はあった。
顔見知りがいたら奢って貰えるかも?
そんな期待をしているのは内緒だ。
「はいどうぞ」
「ども」
優香が差し出した料理はシチューにパン。
簡単なメニューにしているのは理由があった。
炊き出しなのでした。
最初から無料配布だった罠。
でも量は軽く2人前を超えていたから文句は無い。
シチューを一口。
味は濃い目?
いや、むしろスパイシーと言うべきだろう。
肉体労働を旨とする者であれば体が欲する味だ!
「フィーナさん達は?」
「偵察に出てます。実地で敵本隊の様子も見てみたいって」
「偵察なら先刻、してきたんだけどなあ」
「え?私は強襲って聞きましたけど?」
「へ?」
どこで情報が歪んでしまったんだ?
訂正して欲しいものです。
あれは間違いなく、偵察だって!
「じゃあ前線に向かっているのか」
「ええ」
「ちょっと顔を出しておこうかね」
優香は首を傾げて不審そうな顔をしている。
何、顔を出すだけだから!
「移動は地上かな?」
「ええ。そろそろ森を抜けて東に向かっている頃だと思いますけど」
ふむ。
偵察行か。
その邪魔にならない形の布陣にすべきだろう。
それに午前中の戦闘で全員、相応の消耗がある。
布陣は全面的に変更すべきだろう。
ナインテイル、ヘザー、ティグリス、折威、パナールにしました。
これでいい筈だ。
「じゃあ、また」
「無茶しないで下さいね?」
「勿論!」
無茶をするのはオレのモットーに反しますから!
しませんとも。
無理、無茶、無駄は嫌いなのです。
テレポートでフィーナさんを指定して跳んだ先は?
N1E9マップの東側であるのは間違いない。
でも周囲には森も見えている。
2体のバオバブエントまでいるのだ。
もうちょっとで森を抜ける所だったらしい。
「キース、どうしたの?」
「偵察するんでしょう?同行するのもいいかなーと思って」
「偵察?キースが、偵察!」
「襲撃か強襲じゃなくて?」
何て物騒な!
そんな事をする訳、ないじゃないですか。
やだなあ。
フィーナさん達の編成は3つのパーティによるユニオンであるようだ。
1つは勿論、フィーナさんの所だ。
レイナ、ミオ、ヘルガ、不動、レン=レンが加わっている。
サキさん、それにマルグリッドさんは不在、今はログアウトしているようだ。
フィーナさん達とは交代で24時間体制を敷くみたいです。
そして東雲と与作、ハンネスのパーティなんだが。
スズラン、久能、ミハイロフが加わっている。
確か漁師兄弟と組んでいた面々、だよね?
最後に九重が率いるパーティ。
この面々は偵察行動では大いに実績があるのはオレでも知っている。
全員、今から騎乗して移動する事になるらしい。
『敵本隊の位置であれば1時間後に遭遇すると思われます。そこまで戦闘は出来るだけ避けて!』
『『了解!』』
オレの所のパーティも含めて4つのパーティによるユニオンだ。
偵察行にしては規模が大きいみたいだけどね。
何、問題ない。
フィーナさん達に偵察だって出来る事を行動と結果で示す好機だ!
おとなしくしてましょう。
『キース?』
「了解!」
おっと。
呆けている場合じゃないな。
ここからは偵察行なのだ。
気を引き締めて行くとしましょう。
《只今の戦闘勝利で【ポールウェポン】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『パナール』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
途中で姿を消していた亀に遭遇しちゃいました。
主力となるのは当然、キムクイガーディアン・スレイブ。
但し結界は無く、1体だけだったから本隊じゃないだろう。
最初のうちにピットフォールとアップリフトを使って転がしておいたから大きな脅威じゃなかった。
問題は追従する戦力だ。
アラバスタードラゴンが2体、というのは想定外!
他にも色々といたけど、殲滅するのに熱中したのにはちゃんと理由がある。
サンタだ。
サンタがいたのだ!
トナカイの牽くソリで逃げようとしてた奴等を殲滅するのは少々手間だったけどね。
全滅出来たのであれば文句は無い。
パナールのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
パナール スレイプニルLv33→Lv34(↑1)
器用値 50
敏捷値 71
知力値 28(↑1)
筋力値 71
生命力 75(↑1)
精神力 28
スキル
噛付き 踏み付け 体当たり 受け 回避 疾駆
夜目 耐久走 奔馬 跳躍 蹂躙 蹴り上げ 重装
騎乗者回復[小] 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] MP回復増加[微] 時空属性 光属性
闇属性 風属性 土属性 耐魅了 耐即死
『偵察って言ったでしょ!』
「いや、遭遇戦だったし」
『普通、逃げるんじゃないの?』
『インビジブル・ブラインドの意味が無かった!』
『勝てているのが不思議だわ』
「はあ」
いいじゃないですか。
亀は結界を持っていなかった。
呪禁導師に類する魔人がいなかったからだが。
それだけに手間要らずの戦闘になった。
天気も良かったしカーズド・シャドウ17連装ミラーリング付きも上手く使えたと思う。
最後に残った亀は甲羅を下にしたまま、嬲り殺しに!
フィーナさん達だって攻撃してましたよね?
それにしても、だ。
全員、騎乗しての戦闘にはかなり慣れているようです。
特に東雲と与作は凄い!
共にポールウェポン級の長柄の武器を自在に操っていた。
しかも騎乗しているから片手でだ。
オレの持つ腐竜王の戟よりも明らかに重いだろう。
共に攻撃力よりも破壊力を意識した武器、いや兵器だ。
良く似合っている。
『アイテムの配分は?』
『後回しで!それよりも本隊の位置を確認したいわ』
『すぐ東側を紅蓮の所のユニオンも進行している。任せてもいいんじゃ?』
『いえ、このままで』
「何か根拠があるので?」
『勘よ』
勘か。
オレの勘は悪い方向に、しかも外れる形で実現したりするけど。
フィーナさんの勘の場合はどうなんだろう?
まあそれはすぐに判明しそうだ。
それにしてもアラバスタードラゴン2体を相手にいいペースで屠れたな。
もっと自信を持って対峙していいのかもしれません。
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【獣魔化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午後1時40分。
無事、紅蓮くん達のユニオンと合流した。
最初は戦闘中だったけどね。
今は皆、回復に忙しいみたいだ。
又は呆然としているようですけど。
大丈夫かな?
ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
ナインテイル 白狐Lv33→Lv34(↑1)
器用値 33(↑1)
敏捷値 78(↑1)
知力値 73
筋力値 32
生命力 32
精神力 73
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能 霊撃
夜目 MP回復増加[大] 魔法抵抗[大] 物理抵抗[微]
自己回復[微] 時空属性 光属性 闇属性 風属性
水属性 土属性 氷属性 木属性 耐即死 耐混乱
耐魅了 陽炎
『被害はどう?』
『死に戻りはいません。重度のステ異常が2名います』
『ウォーター・オブ・ライフでも無理?』
『ええ』
『ソーマ酒を提供するわ。偵察続行はそれで行けそう?』
『どうにか』
フィーナさんはソーマ酒も相応にストックがあるんだろうか?
結構、気軽に提供してしまっている。
それだけ、本隊の動向を気にしているのか?
その根拠は勘だ。
相当に深い懸念事項があるのかも知れない。
『キース、ちょっといい?』
「はい、何でしょう?」
『ここからユニオンを3つに分けて三方向に進むんだけど、貴方は私達の所と東雲の所と組んでくれる?』
「ええ」
『それと、助かっているんだけど偵察だから』
「了解です」
偵察行動になっていないような雰囲気なのは分かってます。
オレだって不本意だ。
何で本隊の偵察になるまえに先遣部隊に遭遇してしまうのか。
殲滅しちゃうではないですか!
これは魔人が率いる群れの方が悪い。
オレの責任ではない。
その筈だ。
『では私達はここから東南東に進むわ』
『了解。こっちはこのまま東へ』
『俺等は東北東か。提示連絡は?』
『30分毎に私宛にテレパスで』
『『了解』』
九重達2つのパーティのユニオンは東北東へ。
紅蓮くん達2つのパーティのユニオンはこのまま東へ進むようだ。
そしてオレはフィーナさん達、東雲達のパーティと組んで東南東を進む事になった。
どれかが本隊を捕捉する構えになる。
問題は本隊が姿を消している場合だが。
それでも足跡は残る。
護衛戦力となる魔竜が結界外にいる可能性もあるだろう。
フォレストドラゴン達もサリナス方面に一旦引き返している筈。
ここは無理をして潜入を試みる事はしなくていいだろう。
もし潜入をするのであれば夜がいい。
ここはおとなしく移動だ。
インビジブル・ブラインドを使いながらだから少々迂遠だけどね。
『捕捉したみたいよ!』
『本当?位置は?』
『九重から広域マップの拡大スクショが来てる。ここから見て北北東、結構遠いわ』
『サリナスまで約40kmってトコかしらね』
「亀の数は分かりそうですか?」
『暫定だけど10匹以上、いるみたい』
ふむ。
規模的に言えば合致する。
本隊だろう。
問題はその移動速度だ。
『九重の所は継続で追跡、監視を行うと思うけど』
『見に行くの?』
『ええ』
フィーナさんはどうしても自らの目で本隊の様子を見たいらしい。
何を心配しているのかな?
迎撃に必要な戦力を気にしているのかもだが。
ドラゴン達がいる。
ゲルタ婆様もいる。
ドラゴニュート、バードマン、ドワーフ、ダークエルフ、ミュルミドンといったNPCもいる。
プレイヤーからなる冒険者も多数いるのだ。
糾合したらサリナスの防衛は難しくないと思う。
亀の結界は厄介だけどね。
『九重の所に跳ぶわよ!』
『了解!』
無論、オレも同行しよう。
当然だが興味はある。
どれほどの戦力なのか、知っておく事は無意味じゃない。
夜になったら潜入するかもしれないのだ。
正しく偵察、という事になるだろう。
跳んだ先は?
僅かではあるが森の中だった。
その茂みの隙間からは亀達の後ろ姿が見えている。
姿を消していないらしい。
そして移動している様子も無い。
亀と亀の間に見えるのは魔物の群れ。
赤いマーカーで真っ赤という事だけが分かる。
【識別】が効かない、という事は相応に遠い距離である事を意味しているのだろう。
どうも結界の外に出て飛び回っている魔竜もいるけど少数だ。
ミスリルゴーレム・オブ・ドラゴンであるかもしれない。
「こっちだ!」
「すぐにユニオン申請、出します」
「インビジブル・ブラインド追加だ!早く!」
僅かな茂みに隠れているのは2つのパーティの筈。
でもオレに見えていたのは2名だけだ。
見事としか表現する言葉が無いな!
『早速だけど、監視体制は?別方位からも出来る?』
『後方追尾だけなら夜半まで私等が交代で出来ますが』
『別位置から追尾するには人員が不足しますね』
『了解。人員を増やすわ』
別方向からも監視の目を置くのか。
フィーナさん、徹底しているな。
『またPK職とPKK職も参加ですか?』
『ええ』
『まだ不戦協定があるんでしょうけど、緊張しちゃう!』
『そこはもう仕方ないけどね』
ふむ。
こういった追跡や監視となると、PK職やPKK職にも活躍の場がある。
いや、彼等の方により向いているだろう。
『数は確認出来る?』
『あの数ですよ?ちょっと無理ですね』
『それに【識別】も効かない距離ですから』
『キース、貴方が襲ったのはこの群れで間違ってない?』
「ええ、間違いなく」
えっと。
発言の一部に不適切な表現が含まれてますが。
襲ったんじゃない。
偵察したんだ!
『フィーナ姉、何を警戒しているん?』
ミオの疑問はここにいる全員が思っていた事だろう。
確かにこれまでと比べてもかなりの規模となる魔人率いる軍勢ではある。
でもこれまでに同様の事はあった。
今回はNPCにも援軍がいる。
これまで通りの対応でいいと思えるが。
『違和感。今はそれだけなんだけどね』
『違和感?』
『主力と言うには中途半端。名前持ちの魔竜がいないのは何故?』
『あ!』
『牽制するなら脚がある魔竜を中心にした空中戦力で足りる』
『サリナスの結界を破るのに亀が要るって事じゃないかな?』
『それにしては数が多過ぎない?私なら密集させて移動はさせたくないけど』
「ドラゴン対策かな?」
『その可能性もあるわね』
どうも話し合っても結論は出そうにない。
相手の真意は実際に聞き出せたらいいんだけどね。
話してくれそうな魔人はいない。
『亀の移動速度を考えたらかなり前にN1E10マップを通過した事になるなあ』
『紅蓮、暫定でサリナスに到達するのはいつ?』
『今のままなら明日の昼前って所ですね』
計算、早いな!
良く見たら森の周囲の地面には亀のものであろう足跡があった。
これで計算したのかね?
『紅蓮!群れが動き出した!』
『亀は姿を消してるか?』
『次々、消えてます!』
『待ってくれ!亀の数が増えてる?』
『何だって?』
『2匹の亀が左右に展開して動いたように見えた!確認してくれ!』
ふむ。
キムクイガーディアン・スレイブも隷獣・アスピドケロンも仲間の亀を召喚していたっけ。
姿を見せていたのは召喚をしていたからなのだろう。
『九重、確認したよ。確かに亀の数は増えてるみたいだ』
『フィーナさん、本隊の追尾なら出来ます。でも別働隊は無理ですよ?』
『分かってるわ』
そりゃそうだ。
別働隊も含めたら少なくとも3つの軍勢を追尾する事になる。
大いに手間になるだろう。
だが。
戦力の分散は狙っていいと思うけど、どうかな?
「フィーナさん、別働隊は私に任せて貰っていいですか?」
『キース?』
『どうするうもりです?』
『まさか!』
うん。
そのまさかだ!
狩っていいよね?
『単独パーティで、ですか?』
『いや、出来なくはないでしょうけど!』
「護衛に付いているアラバスタードラゴン次第だけど狩れると思う」
『いやいやいやいや!』
『待て待て待て待て!』
「後追いで足跡の確認を頼めるか?他に別方位に向かっている亀がいたら早めに狩るから」
紅蓮は目を見開いたまま、ゆっくりと頷く。
理解が早くてオレも助かります。
『偵察に付き合うんじゃなかったっけ?』
「いや、これも偵察じゃないかなあ」
『偵察の定義について、認識に差があるんじゃない?』
ミオの疑問には同意する。
いいじゃないの、偵察で。
フィーナさん達の定義では偵察の意味する範囲が狭いと思うのです。
「亀を撃破したら連絡する」
『りょ、了解!』
「紅蓮くんは何時まで?」
『夕方までです』
「了解した」
夕方まで、か。
夜になったら本隊に潜入をしてみたいからな。
それまでに別働隊を全部、潰せたらいいんだが。
出来るかな?
いや、やるのだ。
攻略出来そうな獲物を目の前に戦わず見逃すとか、オレには出来ない。
しかも苦戦必至の相手だ。
アラバスタードラゴンの数次第で大苦戦もあるだろう。
おっと。
やはりオレってば、偵察に向かない性質なのかね?
それに期待すべき事もある。
亀の歩みは鈍い。
別働隊を潰されるのを感知して本隊から援軍が来たりしないかな?
結界の外に出る事になるけど。
それはそれで魔物の群れを分断する好機になるだろう。
同時に戦力次第ではこっちが全滅する危険もあるけど。
何、リスクを恐れていては何も出来ません。
やってみるだけだ。
では布陣は一部、修正だ。
ナインテイルは帰還させよう。
極夜を召喚しました。
追尾は?
問題ない。
地面に残った足跡を辿ればいずれ亀に追い付ける。
このN1E9マップは半分は海だが半分は平原。
森も所々にあるが、追尾の邪魔にはなるまい。
深い森以上に追尾は楽だと思える。
では、行くか。
亀の移動速度は鈍い。
すぐに追い付けるだろう。
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【馬術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『極夜』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
本隊の右へと向かっている足跡を追ってみたんだが。
キムクイガーディアン・スレイブじゃなかった。
キムクイガード・スレイブが2匹でした。
迂闊と言えば迂闊だったな。
足跡がやや小さい事に気づかなかったよ!
まあ気付いた時には2体のアラバスタードラゴンを相手に奮戦する事になってたけどな。
亀?
結界も無かったし問題ない。
いや、別の意味で問題があった。
サンタだ。
まだ、いたみたいです。
いいだろう。
根切りが足りていないのは自覚している。
何度でも滅ぼしてやろう。
極夜のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
極夜 ケルベロスLv59→Lv60(↑1)
器用値 30
敏捷値 93
知力値 29
筋力値 57(↑1)
生命力 56(↑1)
精神力 29
スキル
噛付き 回避 疾駆 跳躍 激高 夜目 聞耳
危険察知 追跡 隠蔽 連携 捕食融合 捕食吸収
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[小]
ブレス 火属性 風属性 闇属性 猛毒 毒耐性
《捕食融合が発動しました!任意のステータス値2つに2ポイントを加算して下さい》
そういえば捕食融合も狙っていたんだっけ。
忘れそうになってたよ!
ここはちょっと悩ましいけど、成長方針から外れない選択肢にしたい。
筋力値と生命力にしよう。
極夜 ケルベロスLv59→Lv60(↑1)
器用値 30
敏捷値 93
知力値 29
筋力値 59(↑3)
生命力 58(↑3)
精神力 29
スキル
噛付き 回避 疾駆 跳躍 激高 夜目 聞耳
危険察知 追跡 隠蔽 連携 捕食融合 捕食吸収
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中](New!)
ブレス 火属性 風属性 闇属性 猛毒 毒耐性
耐暗闇(New!)
これでいい。
ではこのまま継続で狩りだ。
いや、待て。
足跡を追尾している紅蓮くん達に一旦、合流しよう。
多少だけど移動距離も稼げる。
その筈だ。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv116
職業 サモンメンターLv5(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 39
セットスキル
小剣Lv86 剣Lv88 両手剣Lv88 両手槍Lv90 馬上槍Lv95
棍棒Lv87 重棍Lv88 小刀Lv86 刀Lv87 大刀Lv86
刺突剣Lv86 捕縄術Lv93 投槍Lv94 ポールウェポンLv94(↑1)
杖Lv99 打撃Lv105 蹴りLv105 関節技Lv105
投げ技Lv105 回避Lv114 受けLv114
召喚魔法Lv116 時空魔法Lv103 封印術Lv102
光魔法Lv99 風魔法Lv99 土魔法Lv99 水魔法Lv99
火魔法Lv99 闇魔法Lv100(↑1)氷魔法Lv99 雷魔法Lv99
木魔法Lv99 塵魔法Lv99 溶魔法Lv99 灼魔法Lv99
英霊召喚Lv6 禁呪Lv101
錬金術Lv86 薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv48
連携Lv96 鑑定Lv85 識別Lv96 看破Lv83(↑1)耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv97(↑1)精密操作Lv80e ロープワークLv93
跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e
平衡Lv97(↑1)
二刀流Lv88 解体Lv86 水泳Lv46 潜水Lv77
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv83(↑1)隠蔽Lv84
気配察知Lv85 気配遮断Lv84 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv91
魔法効果拡大Lv89 魔法範囲拡大Lv89
呪文融合Lv90
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e
耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e
獣魔化Lv16(↑1)
召喚モンスター
ナインテイル 白狐Lv33→Lv34(↑1)
器用値 33(↑1)
敏捷値 78(↑1)
知力値 73
筋力値 32
生命力 32
精神力 73
スキル
噛付き 回避 天駆 空中機動 天啓 霊能 霊撃
夜目 MP回復増加[大] 魔法抵抗[大] 物理抵抗[微]
自己回復[微] 時空属性 光属性 闇属性 風属性
水属性 土属性 氷属性 木属性 耐即死 耐混乱
耐魅了 陽炎
極夜 ケルベロスLv59→Lv60(↑1)
器用値 30
敏捷値 93
知力値 29
筋力値 59(↑3)
生命力 58(↑3)
精神力 29
スキル
噛付き 回避 疾駆 跳躍 激高 夜目 聞耳
危険察知 追跡 隠蔽 連携 捕食融合 捕食吸収
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中](New!)
ブレス 火属性 風属性 闇属性 猛毒 毒耐性
耐暗闇(New!)
パナール スレイプニルLv33→Lv34(↑1)
器用値 50
敏捷値 71
知力値 28(↑1)
筋力値 71
生命力 75(↑1)
精神力 28
スキル
噛付き 踏み付け 体当たり 受け 回避 疾駆
夜目 耐久走 奔馬 跳躍 蹂躙 蹴り上げ 重装
騎乗者回復[小] 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[中] MP回復増加[微] 時空属性 光属性
闇属性 風属性 土属性 耐魅了 耐即死
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、クーチュリエ、ストランド、モジュラス、清姫、スコーチ
守屋、シリウス、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ジンバル、ビアンカ
虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック




