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760

 N1E9マップのエリアポータル、港町サリナスに到着。

 現在のオレの布陣は?

 ヘザー、ナイアス、逢魔、言祝、鞍馬になってます。

 無論、装備の更新を前提にした形だ。


 心は思いっ切り急いているのだが、周囲の様子は見ておくべきだろう。

 恐ろしい事に港町サリナスを中心に森が見えている。

 臨時の防柵だ。

 その森の中をゆっくりと移動しているバオバブエント。

 少なくとも地上戦では大きなアドバンテージになりそうだ。


 それにサリナスそのものにもNPCが増えている。

 プレイヤーもだ。

 いい傾向に思えます。





「やあ、キース」


「ども」


 お出迎えはリックだった。

 場所はサリナスの広場、生産職が集まっている一角なんだが。

 挨拶をする一方で気になるのは周囲に山積みになっている資材だろう。

 明らかに異様な量になってます。

 《アイテム・ボックス》に入れて運べばこんな量でもどうにかなるだろうけどね。


 周囲にいるのは生産職の面々なんだが、明らかに皮革職人が多い。

 その中にサキさんもいる。

 ここにいる全員、作成依頼した装備に関わっているんだろうか?



「来たわね」


「来ました。出来はどうです?」


「貴方の分はすぐに見せるわ。召喚モンスターの分は先に更新を始めてもいい?」


「ええ」


 その予定です。

 布陣もその前提で組んできたのだ。



「早速だけど、見る?」


「ええ」


「多分だけど満足できると思うわよ?」


 おお?

 かなりの自信作であるようだ。

 これは期待したい。






【防具アイテム:革鎧】斧頭武竜の革鎧 品質A レア度10

 AP+35 Def+80 重量10+ 耐久値1550 破壊力低減-3

 ブレス耐性[大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 属性なし

 斧頭武竜の皮製の革鎧。竜鱗鎧の一種であり取引される事は稀。

 革鎧としては非常にバランスが取れており、同時に高い性能を備える。

 水中でも使用が可能。

 ※【耐寒】スキル+5判定、【耐暑】スキル+5判定

  【水泳】スキル+4判定、【潜水】スキル+4判定

  【身体強化】スキル+3判定、【精神強化】スキル+3判定

 ※【耐毒】スキル+5判定、【耐即死】スキル+5判定

  【耐麻痺】スキル+3判定、【耐暗闇】スキル+3判定

  【耐石化】スキル+3判定、【耐睡眠】スキル+3判定

  【耐気絶】スキル+3判定、【耐魅了】スキル+3判定

  【耐沈黙】スキル+3判定、【耐混乱】スキル+3判定



 確かに凄い!

 それにこの革鎧、水中でも使えそうです。

 水属性どころか何も属性が付かないようですけど。


 それに他の装備も見事だ。

 机の上に並んだ他のアイテムも適当に見てみると、こうです。



【防具アイテム:小盾】斧頭武竜の小盾 品質A レア度10

 Def+85 重量4+ 耐久値1400 破壊力低減-4

 ブレス耐性[大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 属性なし

 斧頭武竜の皮から作られた盾。竜鱗を活かした作りで極めて強固。

 水中でも使用が可能。



【防具アイテム:重盾】斧頭武竜の大盾 品質A レア度10

 Def+100 重量7+ 耐久値1650 破壊力低減-4

 ブレス耐性[大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 属性なし

 斧頭武竜の皮から作られた大型で方形の盾。

 竜鱗を活かした作りで極めて強固。水中でも使用が可能。



【装備アイテム:鞍】斧頭武竜の鞍 品質A レア度10

 重量6+ 耐久値1050

 回避判定上昇[中] 騎乗者回復上昇[微]

 斧頭武竜の皮の表皮にある鱗を剥がして作り上げた鞍。

 厚手でやや重いが高い支援効果がある。水中でも使用が可能。

 ※【馬術】スキル+5判定、馬上行動プラス判定上昇[大]

   馬上行動マイナス判定軽減[大]



 ヘザー達向けの盾が重なって置かれている。

 その隣に赤星用の盾だ。

 そして蒼月、パナール、ハイアムス用の鞍です。

 アリョーシャの鞍も形状が異なるだけで性能は同じだ。


 だが。

 恐ろしいのはこれらではない。

 戦鬼用の革鎧だ。

 これ、本当に鎧かな?



【防具アイテム:革鎧】斧頭武竜の革鎧 品質A レア度10

 AP+70 Def+88 重量60+ 耐久値2030 破壊力低減-3

 ブレス耐性[大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 属性なし

 斧頭武竜の皮製の革鎧。竜鱗鎧の一種であり取引される事は稀。

 斧頭武竜の皮に備わる突起部を両肩にあり高い攻撃力がある。

 革鎧としては非常にバランスが取れており、同時に高い性能を備える。

 水中でも使用が可能。

 ※【耐寒】スキル+5判定、【耐暑】スキル+5判定

  【水泳】スキル+4判定、【潜水】スキル+4判定

  【身体強化】スキル+3判定、【精神強化】スキル+3判定

 ※【耐毒】スキル+5判定、【耐即死】スキル+5判定

  【耐麻痺】スキル+3判定、【耐暗闇】スキル+3判定

  【耐石化】スキル+3判定、【耐睡眠】スキル+3判定

  【耐気絶】スキル+3判定、【耐魅了】スキル+3判定

  【耐沈黙】スキル+3判定、【耐混乱】スキル+3判定



 これ、防具じゃねえよ。

 武器だ。

 両肩カバーには斧状の突起が3つも並んでいる。

 あれで戦鬼が肩からタックルするのか。

 絶対に喰らいたくないな!




【防具アイテム:革兜】斧頭武竜の革兜 品質A レア度10

 AP+50 Def+58 重量2+ 耐久値850 破壊力低減-3

 ブレス耐性[大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 属性なし

 斧頭武竜の皮製の兜。竜鱗兜の一種であり取引される事は稀。

 斧頭武竜の皮に備わる突起部を頭頂部にあり高い攻撃力がある。

 革兜としては非常にバランスが取れており、同時に高い性能を備える。

 水中でも使用が可能。

 ※【耐毒】スキル+3判定、【耐即死】スキル+3判定

  【耐麻痺】スキル+1判定、【耐暗闇】スキル+1判定

  【耐石化】スキル+1判定、【耐睡眠】スキル+1判定

  【耐気絶】スキル+1判定、【耐魅了】スキル+1判定

  【耐沈黙】スキル+1判定、【耐混乱】スキル+1判定



 良く見たらオレ用の革兜も防具じゃなかった。

 鈍器?

 頭突きとかしたら大変だな!

 同様に頭突きをしたら大変そうな戦鬼用の兜が見えている。

 あれも防具じゃない。

 武器ですらない。

 兵器、というべきだろう。


 他の防具も水中で使用可能、となっている。

 そして篭手、膝当て、ブーツにも突起部が備わっているんだが。

 全身凶器状態じゃないの、これ?



「こんな感じになるのね。動いてみて」


「ええ」


 防具は全部、斧頭武竜の皮の製品で揃った訳だ。

 黒にも見え、紺色にも見える色合いで落ち着きがある。

 光沢は無いからそう目立つ格好じゃないだろう。

 だが。

 これ、見た目ではかなり剣呑じゃないでしょうか?



「僅かに重たく感じますけど」


「今迄のに比べたら厚みがあるの。その分、破壊力低減効果が増しているわね」


「実際に戦闘で確かめるしかないですね」


「是非、そうして!使い心地について教えて貰えると嬉しい、かな?」


「今迄、作って貰った装備で不具合は無いですけど」


「それも困るのよ。改善提案も欲しいんだから」


 ああ、それもそうか。

 でも便りが無いのは良い便りとも言いますよ?



「キース!召喚モンスはこんな感じよ!」


「はい」


 ヘザー、ナイアス、逢魔、言祝、鞍馬は既に更新が終わったみたいだ。

 おお!

 似合う!

 ヘザーの場合、鎧の表面が空の青のように明るく見える。

 机の上にあった盾を手にすると、完成。

 その盾もまた色合いが明るく変化した。


 言祝の場合は逆だ。

 殆ど真っ黒に見える。

 鞍馬の場合は青みが残った白に変化してます。

 ナイアス、逢魔はほぼ変化しない。

 こうして見ると同じ素材で作った代物とは思えないな。



「じゃあ、次ね」


「召喚モンスターを入れ替えます。少しお待ちを」


「それに朝食!手が付いてないわよ?」


 ああ、そうだった。

 目の前にハンバーガーとサラダとコーヒーがある。

 食事もあるんでした!





「これはこれで見事だわ」


「雰囲気が出てる!」


 オレもサキさんとレイナの意見には同意します。

 口の中にまだ食べ物があるから口にしないけど。

 各々の防具の色が大きく変化していたのだ!


 その布陣は?

 テロメア、モジュラス、清姫、折威、ロジット。

 清姫の装備だけが真っ白に見える。

 いや、色を加減出来るようで、他の面々と色を揃えて来た。

 真っ黒に、である。

 偶然だけど美人さん揃い、しかも剣呑な面々です。

 互いに値踏みするかのような様子を見せている。

 防具を、ではあるまい。

 【英霊召喚】で新撰組が出て来た時の雰囲気に近い構図に思える。

 どうもお互いに競争相手として意識しているようなのだ。

 特にテロメア。

 そう競わなくてもいいのに。



「最後はやっぱり、アレよね?」


「キース、大物の着替えは手伝いが要るわよ?」


「む、むご」


 返事が変になったけどね。

 意図は伝わったと思う。






 確かに大変だった。

 戦鬼の装備の更新は10分程の時間を要したのです。

 護鬼、鞍馬、待宵、網代で手伝ってこれだ。


 そして戦鬼の姿は?

 まさに全身凶器。

 拳を握り込むとナックルパートに斧状の突起が3つ並ぶ。

 腕から肘に伸びる斧状の突起は大きく1つだけ。

 これは膝にも備わっている。

 兜には大きめの斧状の突起が3つ。

 ブーツの先端には同じものが3つ。

 どれも極端に出っ張っていないし、動きを阻害しないのは見事だが。

 問題はそこではない。


 確かに、全身が突起だらけで先端も刃も鋭くはない。

 鋭くないけど、これは凶器だ。

 切れ味で斬るのではなく、パワーで叩き割る事を目指した凶器だ。



「我ながら、とんでもない物を作ったかしら?」


「これが迫って来たら逃げるよ!」


「対戦相手にしたくはないですね」


 正直、戦鬼がオレの対戦相手から外れて久しい。

 これではもうまともに戦える相手ではない!

 拳の一撃は斧で思いっ切り殴られるのと同義だ。

 直撃したら耐え切れる代物ではあるまい。



「素材の皮、ちょっとだけ余ったけど買い取りたいの。いい?」


「それはいいですが。あれから追加で斧頭武竜の皮は確保してます」


「買う!」


 サキさんがリックを見る。

 既に精算を終えていたであろうリックが机に突っ伏した。



「あー、計算もやり直しねー」


「悪いわね」


「ついでに幾つか、売り物を出します。加工費、結構するんですよね?」


「勿論!」


 そう。

 これ程の装備の加工費が高くない訳がない。

 斧頭武竜の皮は、売ろう。

 足りないようなら湖沼主竜の牙も売ろう。

 売ろう。

 リックが目を回すかもしれないが、そこは商人であるのだ。

 耐えて頂きたい。





 精算は終了。

 斧頭武竜の皮があったから湖沼主竜の牙は2つを提供するだけで済みました。

 その湖沼主竜の牙もまた騒ぎの元になってましたけど。



「これも何かに使えるんじゃない?」


「私にはちょっとアイデアが無いんですが」


「槌にしちゃうとか?それにしてはサイズが問題だけど」


「槌の先端にするには軽過ぎるでしょ?それに禁制品よね?」


「ちょっと要相談かしらね」


 まあそれはいい。

 オレとしては新装備を試したい。

 どこがいいかな?

 空中戦、海中戦で様子を見たい面々も確かにいる。

 だがやはり一気に確かめるなら地上戦がいい。

 しかもポータルガードが参戦出来る場所だ。

 召魔の森の闘技場か地下洞窟ですね。

 どっちがいいだろうか?


 どうせなら地下洞窟に行こう。

 まだ攻略していない広間が残っている。

 東側と南東側の2箇所だ。

 午前中に攻略は無理かもだが、今日のうちに攻略は可能だろう。

 一気に装備の具合を確認するついでだ。

 挑んでみましょう。


 フィーナさん、済まない。

 今日の朝練はパスします!







 召魔の森に戻りました。

 ポータルガードは全員、揃っているな?

 では、新装備の確認をしよう。

 まずはポータルガードの入れ替えだ。

 留守番は蜂組に一任するとして、出来るだけ装備を更新した面々で揃えたい。

 結構、大幅な入れ替えになりそうだ。


 ポータルガードに配備したのは?

 護鬼、戦鬼、ヘザー、ナイアス、逢魔、モジュラス、清姫、言祝、鞍馬、折威。

 それにロジット、守屋、スーラジ、久重、ビアンカ、蝶丸、網代です。

 これにクーチュリエ、スパーク、クラックになる。

 蜂組はそのまま留守番だ。


 そしてオレの布陣は?

 ヴォルフ、テロメア、赤星、モスリン、ヘイフリックです。

 これで騎乗馬となる蒼月、パナール、ハイアムス、アリョーシャ以外の確認が出来る訳だ。


 まあそれ相応の時間を掛けて確認しないといけないのは当然なんだが。

 オレ自身も含まれているのです。

 どうしても時間が要る。


 今日はずっと地下洞窟に篭もる事になるのかも?

 それはそれでいいけどね。

 蒼月達、騎乗馬についても確認が必要なのだ。

 どこかで区切るようにしたい。




 地下洞窟の最下層、第五階層の中継ポータルに到着。

 さあ、ここからは東にある広間を目指そう。

 先導役はヴォルフ。

 オレはその後に続くだけだ。


 随分と楽をしているような気もするけど、これでいい。

 誰にだって適材適所の役割があるものなのだ。








 牛頭神将 ???

 妖怪 討伐対象 ???

 ??? ???


 馬頭神将 ???

 妖怪 討伐対象 ???

 ??? ???



 何だろう。

 久々に未見の魔物を見た気がします。

 孔雀明王様が呼び寄せた戦力の中に混じってました。

 牛頭獄将、馬頭獄将と一緒に出現しているからその差は分かる。

 手にしている得物がよりゴツい代物に。

 身に着けている装備は全身を覆うような鎧に兜。

 筋肉を誇示するかのような様子は無い。

 頭部を除けば仏様、しかも十二神将みたいな感じだ。


 こう言うのもアレだけど、新しい防具の性能を確認する上で役に立ちそうに無い。

 比較検証出来る基準がオレの中に無いからだ!



「シャッ!」


 戦鬼が短く叫ぶと鉄球を投じる。

 牛頭神将に直撃、したのだが。

 体の軸はズレはしたものの、受け止めやがった!

 その攻撃、牛頭獄将でも吹き飛ぶんですけど。

 かなり強いのか?


 まあアレだ。

 孔雀明王様を仕留めに行くのが先なんだけどさ。

 地下洞窟内の魔物も強くなっているんだな、と思う。

 どこまで強くなるのかは分からない。

 この先、更なる強化がメニューから使えるかも期待なんだが。

 あるんですかね?







《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》



 時刻は?

 午前11時ちょうどです。

 既に東側の広間に到達してしまっていた。

 魔物の出現間隔はそう変わっていない。

 未見の相手は牛頭神将と馬頭神将のペアだけで、変わった所は無いのだが。


 孔雀明王様に言いたい。

 牛頭神将と馬頭神将のペア、もっと寄越して!

 そうじゃないと装備を新調した比較が出来ないじゃないの!

 いや、単に戦い甲斐のある魔物は歓迎なだけですけど。


 それにオレ自身が最前線で戦っているのもいけない。

 いや、オレが身に着けてる防具の性能を確かめているのだ。

 悪くない。

 感覚は悪くない。

 いや、むしろ良い。


 オレの分はいいから召喚モンスターの様子はどうなのか、と思うのです。

 でもね。

 ポータルガードの編成は大きく違ってしまっている。

 最も異なるのは壁役のゴーレム組がいない事だろう。

 それ故に戦闘スタイルがより積極的になっていた。

 即ち、殲滅戦だ。

 蹂躙戦だ!

 全員が前進、そのまま火力で押し潰す。

 そんな戦いが続いてます。


 オレとしてはそんな様子をゆっくりと見ている余裕は無かった。

 それでも分かる。

 防具を新調した影響で攻撃に重心が置かれている。

 間違い無い。

 特に護鬼と戦鬼、鞍馬の暴れる様子が酷い。


 そしてヴォルフの先導に従って東側の広間に到達してしまっているのだが。

 明らかに早い。

 もはやお馴染みとなったマスティマがその翼を丸めて待機している姿が見えている。

 ここからが本番かな?

 新しい防具にどれ程の消耗が生じるか、その真価が問われる事になるだろう。




 ガムキコトの影 ???

 堕天使 討伐対象 パッシブ

 ??? ???



 マスティマ ???

 悪魔 討伐対象 パッシブ

 ??? ???



 マスティマの中に佇むガムキコトの影が総大将だろう。

 大きい!

 瞑想しているのか、表情は見えない。

 いや、より正確に言えば目の周囲は暗くなっていて見えない。

 兜を目深に被っているからだ。

 そうこの堕天使、武装しているようなのです。

 でも手にしているのが分厚い本。

 武器には見えないけど、大きさの対比から見てとんでもないサイズの本だ。

 その分厚さは凶器に出来そうです。

 世の中には辞書のような代物を超えた本だってある。

 一種の凶器だ。

 中には付録組みを強いる分厚い雑誌もあって、書店員を狂気に陥れる存在だってある。


 おっと。

 今はガムキコトの影を観察せねば!

 背中には一対の白い翼に一対の青の翼。

 空を飛べると考えるべきだろう。

 体格的に言えば鞍馬以上だけど戦鬼よりも小さい。

 真っ先にグレイプニルで梱包したら勝敗は目に見えているのだが。

 さて。

 簡単に梱包出来るだろうか?


 気になるのは得物らしい得物が見当たらない事。

 手にしている本だけだ。

 その本に何か仕掛けがある。

 それだけが分かればいい。


 何が来ようとも対応出来るだけの手札ならあるのだ。

 ゴーレム組がいない、という点が不安要素だが。

 そこは先制で仕留め続けたらいい。


 では。

 呪文の強化を継ぎ足したら仕掛けますよ?






「真降魔闘法!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」


 広間は文字通り、広い。

 その中は爆炎に満たされていた。

 モスリンの爆炎攻撃を皮切りとし、召喚モンスター達が爆炎を重ねて行く。

 マスティマにはそう効かないだろうが、火力で押し切るのはこの場合は正しい。

 マスティマだって翼で防御したまま移動するにも限界があるのだ。


 そして広間に響く歌声。

 ナイアスとロジット、それにビアンカの合唱だ!

 支援だってこっちは手厚い。

 益々、有利になるのは明らかだ。



((((((六芒封印!))))))

((((((七星封印!))))))

(((((十王封印!)))))

(ミラーリング!)


 センス・マジックでマスティマ達が動く様子が見えた。

 同時に封印狙いで【呪文融合】で封印呪文とイビル・アイの詰め合わせを放つ。

 爆炎の中から真っ先に出現したマスティマは戦鬼の投じた鉄球を喰らって爆炎の中へ戻ってしまう。

 このまま押し切れるか?

 まさか。

 ガムキコトの影の反応は鈍い。

 何かを仕掛けてくる、とは思うのだが。

 隙があれば梱包してしまって終わらせたいが、体格が違い過ぎる。

 もう少し接近して護鬼か鞍馬に梱包を手伝わせたい所だ。








((((((ピットフォール!))))))

((((((ラーヴァ・フロー!))))))

(((((ボールダー・トス!)))))

(ミラーリング!)


 マスティマを溶岩風呂に落とす。

 だがそのマスティマは元の姿を留めていない。

 まるで翼の生えたトカゲ。

 いや、それドラゴンだから!


 全身が変形して全身が鱗だらけになったマスティマだが、特性は大きく変化していない。

 翼も攻防一体のままだ。

 その鱗も同様だけど、翼ほどには厄介じゃない。

 だが。

 機動力が上がっているのが面倒だ!




 マスティマ・変異体 ???

 悪魔 討伐対象 アクティブ・激昂状態

 ??? ???



 【識別】してみたらこうなっている。

 マスティマを変異させたのは、誰だ?

 あいつしかあり得ない。

 ガムキコトの影だ!


 そのガムキコトの影だが、周囲に紙が舞っている。

 いや、浮いている。

 その紙の正体はもう分かっていた。

 呪符だ!

 一体、何枚の呪符があるんだ?

 ガムキコトの影に封印術は効いているけど関係ない。

 呪符を使って攻撃と防御を続けていた。


 そして新たなマスティマがガムキコトの影の前で肩膝を付いて頭を垂れた。

 ガムキコトの影が本のページを破って頭頂に貼り付ける。

 変異が始まる。

 こうやって何体ものマスティマが変異している。

 阻止したい所だが、近寄れないのだ。

 呪符が壁となって立ち塞がっている。

 これを排除したいのだが、【呪文融合】で組んだ攻撃呪文も呪符の何枚かと相殺されてしまう。

 呪符の中には防御系の呪符もあるのだろう。



(((((((((((((((((フォース・ブラスト!)))))))))))))))))

(ミラーリング!)


 何度目かの攻撃だが。

 ガムキコトの影まで、届かない。

 ダメか!

 ショート・ジャンプも試したけど、呪符の手前で弾かれているし。

 これ、地味に呪符を減らすしかないのか?



(((((((((((((((((ディストーション・ジャベリン!)))))))))))))))))

(ミラーリング!)


 これも2度目だ。

 やはりガムキコトの影に届かない。

 オレに迫ろうとしていたマスティマを吹き飛ばしただけだ。



(((((((((((((((((フォース・バスター!)))))))))))))))))

(ミラーリング!)


 別のマスティマを吹き飛ばす。

 だがこれはいい感じか?

 吹き飛んだマスティマが呪符の中に突っ込んで行く。

 うん?

 呪符が反応していない?


 これ、使えないか?

 ガムキコトの影に迫る事が出来るかもしれない。

 試そう。

 このまま呪符が無くなるのを待っていたら時間が幾らあっても足りない!



(ショート・ジャンプ!)


 跳んだ先は戦鬼の元だ。

 済まないな、戦鬼。

 お前の力を借りるぞ!



(メタモルフォーゼ!)


 オレの視線が一気に高くなった。

 今のオレは戦鬼になっている。

 この体格であればこそ、出来る事をやるのだ!



「ッ!」


 まだ変異していないマスティマに突進。

 翼で全身をガードするけど構わない。

 狙いは別にあるのだ。



「ガァァァァァァァーーーーッ!」


 オレの発した気迫は獣の発するのと大差ない。

 いや獣そのものだ!

 マスティマを持ち上げる。

 ダメージは喰らっているだろうけど気にしない。



「シャッ!」


 肩に担いだマスティマをガムキコトの影に向けて投げる。

 呪符は反応しない。

 マスティマが砲丸と化してガムキコトの影の脚を直撃する!


 ふむ。

 雑な攻撃だな!

 そして汚い。

 まあ通じているようであれば何でも使うのがオレにとっての正義だ。

 このまま、押し切らせて貰おう。



「ガッ!」


 おっと。

 戦鬼もマスティマを投げてる。

 しかもオレと違ってガムキコトの影の胸元に直撃だ!

 おお、やるではないか!

 いや、キャッチボールの基本だ。

 胸元を狙って投げるのです。

 なってないのはオレの方でした。


 まあ、いいか。

 呪符もマスティマを投げた影響で結構減ったようであるし。

 接近出来たら一気にガムキコトの影を仕留めたい。

 戦鬼のサイズとパワーであればガムキコトの影の首をへし折る事も簡単だろう。

 さあ。

 マスティマはまだいるな?

 お前等は、弾だ。

 弾となるのだ。

 もうそれ以外に選択肢は無い。

 ガムキコトの影を仕留めたらマスティマも用無しだ。

 まあマスティマを全滅させるのは後回しだな。

 今はオレと戦鬼にとっての鉄球となって生き残る権利をやろう。


 さあ。

 ここからはガムキコトの影にマスティマを投擲するだけだ。

 呪符がなくなるまで続けよう。

 汚い?

 きっと汚い。

 それはそれは素敵な響きの言葉なのでした。









《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テロメア』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ガムキコトの影は戦鬼の姿となったオレの手で首を折って沈めたのだが。

 こいつの特性は確認出来た。

 次からは呪符が撒かれる前にグレイプニルで梱包するようにしよう。

 まともに相手をするのは面倒だしな!


 この第五階層の広間にいる堕天使はどれも面倒だ。

 そこだけが共通点になる。

 まあ一度は特性を確認出来たのであるし、無駄ではなかった。

 次からは呪符は使わせませんよ?



 テロメアのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 テロメア バンパイアダッチェスLv32→Lv33(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 63

 知力値 63(↑1)

 筋力値 36

 生命力 36

 精神力 63(↑1)


 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化

 気配遮断 宮中儀礼 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 自己修復[大] MP吸収[大] MP回復増加[中] 奇襲

 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 塵属性 溶属性 魅了 麻痺

 真祖化




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『モスリン』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 時刻は午前11時50分だ。

 昼食にせねば。

 場所はどうする?

 このまま地下洞窟で攻略を進めるのも悪くない。

 ここの第五階層の中継ポータルに戻るのも悪くないけどね。

 南東の広場を目指すならインスタント・ポータルを遣った方が距離は近いだろう。


 ガムキコトの影やマスティマが復活したら、どうする?

 その時はその時だ。

 インスタント・ポータルを解除して奇襲してやればいい。

 汚い。

 実に汚い!

 まあそこは期待しない方がいいだろう。



 モスリンのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。



 モスリン ファントムLv31→Lv32(↑1)

 器用値 18

 敏捷値 46(↑1)

 知力値 92(↑1)

 筋力値 17

 生命力 18

 精神力 89


 スキル

 飛翔 形状変化 密着 影棲 壁抜け 怨声 憑依

 呪詛 魔力感知 魔力遮断 物理攻撃透過 魔法抵抗[大]

 MP吸収[大] 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 土属性 溶属性 耐光




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘイフリック』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



(インスタント・ポータル!)


 インスタント・ポータルを展開。

 ではここでナイアスには昼食の用意をして貰おう。

 その間にオレは装備の修復だ。

 新調したばかりの装備の消耗はどうかな?

 普段のペースであるなら魔結晶2個は覚悟せねばならない所だが。

 果たして、どうかな?



 ヘイフリックのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 ヘイフリック バンパイアデュークLv31→Lv32(↑1)

 器用値 47

 敏捷値 51

 知力値 52

 筋力値 47

 生命力 47(↑1)

 精神力 52(↑1)


 スキル

 杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動

 変化 連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術

 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]

 MP吸収[中] MP回復増加[中] 奇襲 吸血 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性

 魅了 真祖化



 では、ソーマ酒を使ってステータス異常は解消だ。

 そして装備の修復を進めてみよう。

 特に戦鬼の装備が気になる。

 その結果は?

 すぐに分かる事だろう。






《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》


 さあ、その結果は?

 魔結晶1個でどうにか賄えたみたいだ。

 それでいて【錬金術】もレベルアップしている。

 まあそっちは偶然だろうけど。

 勿論、大満足だ!


 午後の狩りでもこのまま新調した防具で狩りを続けてみよう。

 いい感じであるのは概ね、把握出来たとは思うけどね。

 このまま戻るのも勿体無い。

 この第五階層の広間を全部、クリアしてしまおう。

 それにどの広間の先にも洞窟は続いている。

 いや、本当にここの地下洞窟の規模ってどんだけあるんだ?

 探索し終えるのがいつになるのか、全く読めません。


 まあ、今はそれはいい。

 次は対戦だ。

 相手は鞍馬で、格闘戦にしましょう。

 他の召喚モンスター達はどうする?

 対戦をさせてもいいけど、ちょっと心配でもある。

 オレと鞍馬の対戦を見物しているだけでも無意味ではあるまい。

 何、鞍馬との対戦だけでなく、他の面々とも対戦をしてもいいのだ。

 きっと飽きる事はないだろう。


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv114

職業 サモンメンターLv3(召喚魔法導師)

ボーナスポイント残 35


セットスキル

小剣Lv85(↑1)剣Lv87(↑1)両手剣Lv86 両手槍Lv90 馬上槍Lv92

棍棒Lv86 重棍Lv84 小刀Lv85 刀Lv87 大刀Lv86

刺突剣Lv86 捕縄術Lv92 投槍Lv93 ポールウェポンLv91

杖Lv98 打撃Lv104 蹴りLv104 関節技Lv104

投げ技Lv104 回避Lv113(↑1)受けLv112

召喚魔法Lv114 時空魔法Lv102 封印術Lv101

光魔法Lv97 風魔法Lv97 土魔法Lv97 水魔法Lv97

火魔法Lv97 闇魔法Lv98 氷魔法Lv97 雷魔法Lv97

木魔法Lv97 塵魔法Lv97 溶魔法Lv97 灼魔法Lv97

英霊召喚Lv5 禁呪Lv100

錬金術Lv85(↑1)薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv48

連携Lv94 鑑定Lv84 識別Lv94 看破Lv81 耐寒Lv80e

掴みLv80e 馬術Lv95 精密操作Lv80e ロープワークLv92

跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e

平衡Lv95

二刀流Lv88 解体Lv85 水泳Lv46 潜水Lv77

投擲Lv50e

ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv79 隠蔽Lv83

気配察知Lv83 気配遮断Lv83 暗殺術Lv60e

身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv89

魔法効果拡大Lv88(↑1)魔法範囲拡大Lv88(↑1)

呪文融合Lv88

耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv80e

耐暗闇Lv80e 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e

耐沈黙Lv80e 耐即死Lv80e

獣魔化Lv14


召喚モンスター

テロメア バンパイアダッチェスLv32→Lv33(↑1)

 器用値 37

 敏捷値 63

 知力値 63(↑1)

 筋力値 36

 生命力 36

 精神力 63(↑1)

 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化

 気配遮断 宮中儀礼 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 自己修復[大] MP吸収[大] MP回復増加[中] 奇襲

 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 塵属性 溶属性 魅了 麻痺

 真祖化


モスリン ファントムLv31→Lv32(↑1)

 器用値 18

 敏捷値 46(↑1)

 知力値 92(↑1)

 筋力値 17

 生命力 18

 精神力 89

 スキル

 飛翔 形状変化 密着 影棲 壁抜け 怨声 憑依

 呪詛 魔力感知 魔力遮断 物理攻撃透過 魔法抵抗[大]

 MP吸収[大] 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 土属性 溶属性 耐光


ヘイフリック バンパイアデュークLv31→Lv32(↑1)

 器用値 47

 敏捷値 51

 知力値 52

 筋力値 47

 生命力 47(↑1)

 精神力 52(↑1)

 スキル

 杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動

 変化 連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術

 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]

 MP吸収[中] MP回復増加[中] 奇襲 吸血 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性

 魅了 真祖化


召魔の森 ポータルガード

黒曜、ジェリコ、ティグリス、クーチュリエ、獅子吼、極夜、雷文

バンドル、スコーチ、船岡、シリウス、テフラ、岩鉄、ルベル

キュアノス、ジンバル、ノワール、虎斑、スパーク、クラック


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