729
港町サリナスの防壁はこれから修復するのだと聞く。
資材はまだ届いていない。
生産職が修復をしている様子も見えない。
これでいてエリアポータルとして機能しているらしい。
町の中にあれだけいた魔物もいない。
まあ何かが起きる、とは期待はしてたけど本当に起きているみたいだ。
ヴォルフとシリウスが普段と異なる動きをしている。
体を寄せて甘えていた。
いや、時々だけど手首を甘く噛んで引っ張っていた。
ナインテイルはオレの両肩を占拠して尻尾を振っている。
これも単に甘えている訳ではないようだ。
これは警告だ。
間違いない。
何かが、いる。
黒曜は?
定位置をナインテイルに譲ってどこかを飛んで付いて来ている筈だ。
さて。
何かがオレに迫っているのかな?
(シンクロセンス!)
歩みを止め、黒曜の目を借りる。
何がいるのか、と思ったが人影があるだけだ。
ローブ姿、そして一人だけか。
ちょっと距離があるから【識別】が出来ていないけど。
こっちが足を止めているからなのか、瓦礫の陰から動いていない。
長い時間、足を止めているのも不自然だ。
シンクロセンスは切って移動しよう。
相対位置は確認した。
後方、左側の路地に潜んでいる。
黒曜には念の為、見張っていて貰おうか。
ここはエリアポータル、滅多な事は起こらないと思いたいのだが。
PK職、かな?
襲ってくれるのかな?
是非襲って欲しいが。
緊張してしまう。
デートの日に彼女を待つ、あの気分に近い。
襲ってくれたら熱烈歓迎しますよ?
それにしてもまるで分からなかったな。
こういった追跡に慣れているプレイヤーであるのだろう。
どこで襲ってくれるんだろう?
恥ずかしがらずに襲えばいいのに。
いや。
ここはこっちから襲ってみたらどうか?
見た感じだと女性のように見えなかったが。
まあアレだ。
襲う襲わないは別にしても話し掛けてみようか。
驚かせる事になるかもしれないけどね。
(インビジブル・ブラインド!)
角を曲がると呪文を使って身を隠す。
さて。
どうやって襲うか?
いや、待て。
いきなり酷い事をしても仕方ない。
PK職じゃない可能性もあるのだ。
僅かなものだと思いたいけど。
さあ、どっちなんだ?
目の前をローブ姿のプレイヤーが通過する。
少し焦った様子で周囲を見回していた。
オレの姿を見失っていたからだろう。
こっちに気が付く気配はない。
ローブはフードを目深にしているが、どこかで見たような奴。
どこで見たんだっけ?
「何か用かな?」
「ッ?」
真正面からだと明確に分かる。
振り向いた顔は確かにどこかで見ている。
どこでだったかな?
デッカー 種族Lv.71 人間 男性
ブラックバード/バードメンターLv.9
探索中 反撃許可あり 戦闘位置:地上
おお?
種族レベルで71というのはかなり高い!
アデル達以外だと初めてじゃないかな?
そして唐突にだけど思い出した。
半ソロバード。
闘技大会で見た奴だ!
「ま、待った!」
「何を待てと?」
反撃許可はある。
仕留めても大丈夫だ、とは思うが。
オレの肩にはグレイプニルだってある。
少しでも妙な動きをするようなら梱包してしまおう。
ショート・ジャンプと組み合わせたらいい。
「黙って後ろを追ってたのは謝るから!それにここでPK行為はしないって事で協定があるんだ!」
「それは知らないけどね。そのまま動かないでくれよ?声も大きいって」
半ソロバードの右肩に黒曜が舞い降りた。
妙な動きをするようなら襲っていいぞ?
そしてヴォルフとシリウスが左右から回り込んでいる。
無言の威嚇だ。
そうそう、逃してはいけません。
「用件は?」
「話がしたい。それだけだ。いや、本当に」
両掌を広げたまま武器を使うつもりがない事をアピールしている。
だが油断は出来ない。
口元を観察する。
PK職、しかも上位となれば【無言詠唱】のスキルはあって不思議じゃない。
おっと、そうだ。
魔力の動向も見ておくとするか。
(センス・マジック!)
これでいい。
呪文を使おうとするなら魔力が高まる筈だ。
【高速詠唱】があっても対応は間に合うだろう。
【詠唱破棄】があったら?
そこはそれ、召喚モンスター達が即座に攻撃を加える事になるだろう。
「参ったな。バレてたのか?」
「さて、どうかな」
オレは気付いてなかったんだけどね。
教える意味は無い。
この路地は途中で瓦礫で埋まり、行き止まりであった。
逃げる様子は見せてないけどここでいい。
ヴォルフ達に包囲させたまま話を聞くとするか。
「デッカー、だな?それとも半ソロバードって呼べばいいのか?」
「貴方は普段からサモナーさんと呼ばれていますか?」
「いや」
「私はPK職仲間からは半ソロバードって呼ばれてますけど好きじゃないですね」
「ほう」
「通常のプレイヤー相手には【変装】と【偽装】はしてますから。固定の名は無いです」
「ではどう呼べと?」
「既に【看破】されてますし今更です。デッカーでどうぞ」
そう言うデッカーの表情は?
苦笑と諦め。
そんな所だろう。
「私を尾行してた理由は何かな?」
「いや、本当に話をしてみたかったからですよ」
「尾行した理由になってないぞ?」
「習い性なんです。分かって頂きたいんですが」
習い性か。
理解はするけど納得はしないぞ?
話をしたいって言うけどさ。
こっちには無い。
いや、待て。
いい機会だ。
聞いてみるか?
「で、中身は誰かな?」
「え?」
「闘技大会では途中で入れ替わっていただろう。どっちだ?」
答えは?
無い。
沈黙。
そして表情に浮かぶのは驚愕。
やはりか。
表情が肯定している。
一体、どういう仕組みなんだろう?
一種の不正行為なのかね?
「貴方は運営側の人間じゃないんですか?」
「はあ?」
何だよそれ。
そんな訳、ある筈が無いだろう?
「それこそそっちが運営側じゃないのか?運営側であれば中身が入れ替わる事が出来ておかしくない」
「僕の場合は違います!一種のご褒美ですよ。知っているんじゃないんですか?」
「何を知っているって?そもそも何故、私が運営側になるんだ?」
「明らかにレベルが先行し過ぎてますね」
「まさかそれだけが根拠か?」
「天空マップに案内する行為は運営が誘導したように見えます。違いますか?」
むう。
話を聞きたいのはこっちであるのに。
立場が逆転しかねないぞ?
「違うさ。そっちこそ中身が入れ替わってプレイしているのはどういう事だ?」
「どうやって知ったんです?」
「分かるさ。動きが違っていた。お前はあの時のどっちなんだ?」
少し口を噤むデッカー。
その表情は?
困惑。
そんな所だろう。
「本当に、運営じゃない?」
「ああ。それよりも私が質問した事に答えてないぞ。どっちだ?」
またしても考え込むデッカー。
そんなデッカーにヴォルフとシリウスが距離を少しだけ詰める。
まさに無言の威嚇だ。
「どっちでもないです。いや、運営ならこんな質問をする事もないか」
「何を勝手に納得している?」
「全部、話しますよ。但し他言無用でお願いしたいですが」
「ほう。で、中身はどっちだ?」
「もう答えてます。どっちでもないんです」
全く。
まだ白を切るつもりか?
「このデッカーをプレイしているのは全部で6名います。僕はそのうちの1人です」
「何?」
「それが可能な理由も、話します」
「どうやっている?」
「ご褒美、と内輪では呼んでます。単に運営の怠慢であるとも言えますけど」
ご褒美、か。
それに運営の怠慢って何だ?
「僕達は運営側に雇われていたテスターです。俗に言うαテスターですよ」
「α?βじゃなく?」
「ええ。ある意味、試作段階でこのゲームの開発に関わっていたのは事実です」
「運営側って事ではないのか?」
「そう見えても仕方ないですけど。どこまでも雇われた身分ですよ」
「全部で6名、だったか?どうやっているんだ?」
「αテスト時の仕様です。共用のままβでも使えてました」
「で、本サービスでも使えるようになったままだった?」
「ええ」
何だそれ?
確かに怠慢だろう。
それにチート行為もやり易くなる。
交互にプレイを引き継げば経験値を稼ぐにしても有利になる筈だ。
「では、次だ。私は運営ではないが、仮に運営だったら何を聞きたかったんだ?」
「相談、というか要請です。問い合わせは何度もしているんですが返答が無いので」
「相談?要請?」
「運営側の関係者とリアルタイムで会話出来る窓口が無いんです」
「私を問い詰める気だったのか」
「ある意味では、そうです」
「PK行為をしてでも?」
「貴方を相手にそんなおっかない事が出来ると思ってませんよ」
本当にそうかな?
確かにレベル差はある。
単独行動のソロプレイ。
でもこいつはPK職であるのだ。
奇襲どころか暗殺行為もお手の物だろうし。
罠、という手段だってある。
「少し長い話になります。座っていいですか?」
「ああ」
瓦礫の上に座り込むデッカー。
さて。
どんな話が聞けるのか?
少しだけ興味が出てきた。
現在、進んでいるであろうイベントと無関係だろうけどね。
気になる。
半ソロバード、か。
運営に聞きたかった事って何だろうね?
そこが気になってたりします。
「こんな所です」
「確かに運営の怠慢にも見えるな」
「ええ。普通はこんなアカウントは残さないと思うのですが」
「生体認証無しでログイン出来るとは、ね」
「旧態依然と言いますか。今時、パスワード認証だけです」
「だがそれ以上にもう一方の話は気になる」
「心配で仕方ないですよ」
αテスターは元々10名以上いたそうだ。
人数は彼等が把握している範囲で、という前提になるようですけどね。
但し、リアルで知り合いの友人が失踪している、というのがキナ臭い。
ゲーム内でリアルの話をするのもアレなんだけどね。
「君のリアルでの友人が、か」
「捜索願いはご両親から出して貰ってあるんですが。今の所、手掛かりが掴めない状況らしくて」
「しかしその話は本当に?」
「ええ。スパイ映画みたいな話ですけど事実です」
「産業スパイみたいな話だな」
「そう思いますか?僕等の間でもその話がありました」
このゲームだが、どうも他のバーチャルゲームよりも出来はいいらしい。
それでいて公開されている情報は殆ど無い。
特許や実用新案も無い。
日本国内に拠点も無い。
サーバーすら国内に無い有様なのだ。
「αテスターから辿って運営の拠点を聞き回って果てはストーカー紛いだったのか」
「ええ。しかも狙われていたのは女性でしたからね。怖かったと思います」
「運営側から企業ノウハウを買い取る交渉なんて正々堂々としたらいいのにな」
「つまり後ろ暗い狙いがあった、という事でしょうね」
確かに。
でもたかがゲームだ。
そのノウハウを得るのに犯罪行為にまで手を伸ばすものだろうかね?
理解出来ないけど。
「しかも居場所を把握出来なくなってるαテスターは少なくとも4名います」
「全員、知り合いだったのか?」
「αテスト期間を終えた後、オフ会で飲み会をしたんです。友人としての付き合いはそこからでした」
「誰も運営の詳細は知らないんだろう?」
「ええ。その筈です。以前なら運営とネット上で連絡出来ればいいと思ってたんですが」
「今は直接、会って話をしたいのか?」
「勿論です。失踪の手掛かりがあるかもしれませんからね」
「誘拐の可能性は?」
「まさか、とは思いますけど」
心配だな。
話が本当であれば、ですけど。
まだ信じきれていないオレがいる。
話が突拍子もないし現実味も無い。
それにオレとしては直接関係のない話だ。
正直、こんな事を聞く事になるとは思わなかったよ!
「しかし6名か。よく調整出来ているようだけど」
「時間は細切れですけど意外と上手く引き継げてますよ」
「で、君はソロ志向か」
「パーティプレイが好きな仲間もいますから」
「それで半分ソロなのか。バード職でしかもPK職なのはどうしてなんだ?」
「出来る事の幅が結構、広いですし。本当はエルフを選択したかったんですけどね」
「選択しなかったか」
「良くも悪くも目立ちますよ、エルフって」
確かにそうだな。
身近な所だとレイナやヒョードルくんとか、凄く目立っている。
「期待に添えなかったようだけどね。運営の事は何も知らないよ」
「残念です。あ、改めてアレですけど他言無用に願います」
「いいよ。言い触らすような趣味も無いし。でもね」
デッカーに一歩、近寄って口調を変える。
釘は刺しておくべきであるのだ。
「ここではPK行為をしない、というけど構わない。いつでも襲ってくれていい」
「はい?」
「その際は全力で迎え撃つ。本来、私達はそういう関係なんだよね?」
「い、いや。確かにそうですけど」
全く。
何を怯えているんだ?
オレが言っているのは存分に襲って来い、としか言っていないというのに。
これでは襲う事を強要しているようではないか!
「他のPK職にも伝えてくれていい。是非、工夫を凝らして襲って欲しい」
「は、はあ」
「頼んだよ?」
呆然とするデッカー。
黒曜がオレの肩へと戻って来る。
ヴォルフとシリウスもオレがデッカーと離れるのに合わせて距離を置く。
警戒は終始、解いていない。
オレは?
ナインテイルとナイアスを両脇に従えて路地を離れる。
デッカーはそこに置いたままだ。
次に会ったらどうする?
襲って来るなら迎撃しよう。
何か悪さをしているようなら襲ってしまおう。
PK職はPKK職にとっての獲物、という認識がオレにはある。
基本的に言えば積極的に狩る対象にしていません。
他にもっと苦戦する魔物がいるからだ。
だが。
襲って来るなら話は別です。
魔神や魔人と組んでいる連中も話は別です。
まあデッカーの場合はそういった雰囲気は無いけど。
今、襲ってくれてもいいんだけどな。
そんな気配はしません。
まあいいか。
興味深い話が聞けた。
真偽は?
そこはどうでもいい。
単に興味深いってだけなのだ。
港町サリナスの防壁を出る前に布陣は変更だ。
黒曜、蒼月、スパッタ、イグニス、アイソトープです。
布陣変更の機会に襲ってくれるか、と思っていたりもしたけどね。
そんな事はありませんでした。
仕方ない。
軽くアラバスタードラゴンを狩りに行ってみよう。
全然、軽くないけど。
まだ【英霊召喚】が使えないのはどうする?
関係ない。
時間さえ掛ければ狩れる。
その筈だ!
アラバスタードラゴンが2頭同時に、というのはちょっと想定してませんけどね。
苦戦どころか大苦戦必至であるなら、挑むべきだ。
やってみましょう。
《只今の戦闘勝利で【馬上槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【風魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐暗闇】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『蒼月』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
N1E10マップですけど。
出現する魔物はこのまま固定でお願いしたい。
どうでしょう、運営さん?
いや、割と本気です。
アイテムの点で言えばW4d1マップの方が断然、いいんですけどね。
しかも出てくるドラゴンは多彩だ。
飽きる事はない。
だが大苦戦が出来るって点でアラバスタードラゴンは別格だ。
戦っていて楽しい!
仕留めるのに時間が掛かっているしリスクは高いけど大満足なのだ!
いい狩りだった。
今のアラバスタードラゴンはスタッグドラゴンを連れていたな。
ニュートドラゴンだったらどうだっただろう?
そのうちそういった編成に逢えるものと期待しよう。
蒼月のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。
蒼月 麒麟Lv30→Lv31(↑1)
器用値 41
敏捷値 81
知力値 47(↑1)
筋力値 42
生命力 42
精神力 41(↑1)
スキル
噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 疾駆
耐久走 奔馬 蹂躙 飛翔 蹴り上げ 遠視
広域探査 強襲 天啓 空中機動 霊能 霊撃
騎乗者回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 時空属性 光属性 闇属性
風属性 土属性 水属性 雷属性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『スパッタ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午前9時40分。
あっという間に時間が過ぎてしまう。
アラバスタードラゴンの数はどうも多くない印象だが。
狩るまでの時間は?
最初、単体で襲って来た奴は10分を越えてしまってはいるが20分は掛かってない。
だが今のアラバスタードラゴンにスタッグドラゴン2頭だと40分近く掛けている。
ふむ。
出来れば午前中に2頭、狩っておきたい所だが。
それにN1E10マップには村があった筈。
そこまで行けそうだろうか?
アラバスタードラゴン以外のドラゴンはそこそこ多い。
少々、厄介だ。
新しい攻撃コンボをより効果的に使って戦闘時間の短縮を狙いたい所だ。
スパッタのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
スパッタ オーロラウィングLv29→Lv30(↑1)
器用値 37(↑1)
敏捷値 102
知力値 50
筋力値 36
生命力 37(↑1)
精神力 50
スキル
嘴撃 飛翔 回避 遠視 広域探査 看破 追跡
強襲 危険察知 空中機動 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中](New!)MP回復増加[中] 光属性
風属性 土属性 雷属性 電離 分解 分身 耐即死
耐混乱
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『イグニス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
アラバスタードラゴンを相手にダメージを与えるのに使っているのは?
カーズド・シャドウだ。
しかも17連装。
効果は劇的なのだが、使いこなすのは相当に難しい代物だ。
タイミングも何度か、外している。
それにオレは思い違いをしているように思えます。
昼間だからと言って影が濃くなるとは限らない。
ホーリー・ライトで影を作るにしても効果は薄かった。
それにカーズド・シャドウ17連装は高度を下げて使う事が基本になる。
空中戦で上の位置を確保される事も極端に多くなった。
ある意味で自ら不利な状況に陥っているのです。
これは違う。
カーズド・シャドウ17連装は地上戦で使うべきだろう。
しかも夜の方がいい。
光源を使って影を作るにしてもその方が効果は高そうだ。
それでもアラバスタードラゴンに与えているダメージは中々のものなのです。
このまま続けるべきだろう。
イグニスのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
イグニス 朱雀Lv29→Lv30(↑1)
器用値 40
敏捷値 84
知力値 55
筋力値 47(↑1)
生命力 47(↑1)
精神力 39
スキル
嘴撃 蹴り 飛翔 回避 霊能 霊撃 遠視 夜目
広域探査 強襲 天啓 空中機動 自己回復[大](New!)
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[中]
火属性 風属性 土属性 溶属性 耐即死 毒無効
布陣はどうする?
このまま続けてみよう。
N1E10マップにあった村の様子は見ておきたい。
以前は魔人がいたものだが。
今はどうなっているかな?
《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
カーズド・シャドウ17連装も慣れてきた。
それにリミッターカットを使わずにアラバスタードラゴン単体なら相手が出来る。
その確信を得ているのはいいんだが。
戦闘は既に終えているのにスパッタが警戒を解いていない。
それは黒曜、イグニス、蒼月もだ。
その視界に何かを捉えているのだろう。
ここはステータス操作を急がないといけませんかね?
黒曜のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
黒曜 フォレストアイLv30→Lv31(↑1)
器用値 38
敏捷値 83(↑1)
知力値 60
筋力値 38
生命力 38(↑1)
精神力 60
スキル
嘴撃 爪撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査 夜目
反響定位 奇襲 危険察知 気配遮断 魔力遮断
空中機動 天耳 自己回復[微] 物理抵抗[微]
魔法抵抗[中] MP回復増加[大] 時空属性 光属性
闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性 呪眼
即死 耐即死
蒼月をアラバスタードラゴンの死体の傍に着陸させながらシンクロセンスの呪文を使う。
スパッタは何を見ているんだ?
その方位は東。
これから行こうとしている方角なのだが。
空に何かが浮いている。
島だ!
大きさは分からないけど周囲を旋回している存在はドラゴンの群れ。
マズい。
アラバスタードラゴンが混じっている。
スパッタの目で見えている範囲で、少なくとも5頭。
ニュートドラゴンは10頭以上、いるだろう。
どう考えても【英霊召喚】案件だ!
どうする?
もう【英霊召喚】は使えるタイミングではある。
MPバーをマナポーションで回復させたら、使える筈だ。
それでも火力は足りていない。
【英霊召喚】で英霊のご老人を召喚しても、時間切れになってしまえば詰む。
間違いない!
空に浮く島は動く様子を見せていない。
今の所はそれだけが救いかな?
イベント、となれば西に進みそうな雰囲気があるんだが。
これ、フィーナさん達に知らせておくべきかね?
空に浮く島の様子をスクリーンショットで何枚か、撮影しておく。
ついでに動画にもしておいた。
旋回しているドラゴンの群れがこっちに気付いている様子は無い。
今のこの状況は相当に危ないぞ?
あの戦力とまともに相手をする事は出来ない。
逐次、アラバスタードラゴンが単体で襲ってくれるなら大歓迎なんだが。
そんな都合のいい展開は無いだろうな。
ニュートドラゴンやスタッグドラゴン、ビートルドラゴンも漏れなく付いて来るだろう。
時刻は午前11時20分。
ここは一旦、港町サリナスに戻ろう。
遺憾ではあるが撤収だ。
港町サリナスに到着。
幾人かのプレイヤーが驚いた様子でこっちを見ている。
アイソトープがいるからだろう。
いきなり大きなドラゴンが出現したら襲撃かと思われますよね?
しかもアイソトープの姿はドラゴンらしいドラゴンではない。
異形、というには言い過ぎだが魔竜に相応しい禍々しさがある。
このまま町の中に入れるのは控えましょう。
アイソトープを帰還させてサリナスの町の中へ向かう。
さて。
フィーナさん達はまだいるかな?
「ども。盛況ですね」
「やあ!キース」
港町サリナスの広場は大盛況でした。
明らかにプレイヤーが増えているし。
それに広場を漂う匂いが堪らん!
「フィーナさんは?」
「ログアウトしてるよ。少し待てばまた来ると思うけど」
「食事はまだ?」
「ああ、まだだ。済まないけど大盛りで頼むよ」
「おうよ!」
見知っている顔はリックとミオだけか。
ちょっと少ないけどどうしたんだろう?
「ちょっと気になる代物を見付けたので報告したかったんですが」
「気になるって?」
「ここから東でまた空中に浮いている島を確認しました」
「えっと、また?」
「ドラゴンも群れてましたね。スクリーンショットも動画もあります」
「分かった。すぐに動ける連中だけでも召集する。待てるかな?」
「食事もありますので」
リックの視線が動く。
そして口が動いて呪文詠唱が始まった。
テレパスを使うのだろう。
そしてオレの目の前には大きめのパンで作られたサンドイッチが置かれていた。
ふむ。
挟んであるのは明らかに分厚過ぎる肉。
その断面から肉汁が溢れている。
ダメだ。
これでは暫く会話になりそうにないんだが。
近距離だけどテレパスでも使おうか?
「今度はどんな感じの相手なの?」
「遠くから確認しただけなんだけどね」
「いいから、見せて!」
ミオも知りたがりの性質であるらしい。
早速だがユニオン申請が来てました。
まあ、いいか。
先にスクリーンショットも動画も見せてしまおう。
その間にオレは食事を片付けるとするか。
オレの両肩に黒曜とスパッタが鎮座してサンドイッチを見ている。
お前達、欲しいのか?
生肉の方が好みだと思っていたんだが。
まあどう見ても三人前はありそうな量があるのだ。
少し分けてもいい。
サンドイッチを二切れ、与えてみた。
ちゃんと喰ってる。
しかも結構、嬉しそうな様子を見せている。
こうなったら足元にいたイグニスにもあげよう。
後方で控えている蒼月にもだな。
何、たまにはいい。
こんなご褒美も久々であるのだから。
『これだけの戦力がこっちに来る?』
「可能性はあるけどね。まだこっちに来るかどうかは分からないな」
いや。
オレの中ではもう確信がある。
こっちに来るだろう。
むしろ期待している、と言い換えた方がいいかな?
離れるようであればガッカリする事だろう。
そして他にも気になる事はある。
護国谷だ。
現在、どういった状況になっているんだろう?
食事の後、行ってみようと思う。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv110
職業 サモンマスターLv48(召喚魔法修師)
ボーナスポイント残 20
セットスキル
小剣Lv81 剣Lv82 両手剣Lv80 両手槍Lv85 馬上槍Lv87(↑1)
棍棒Lv82 重棍Lv83 小刀Lv82 刀Lv84 大刀Lv84
刺突剣Lv82 捕縄術Lv86 投槍Lv85 ポールウェポンLv88
杖Lv92 打撃Lv100 蹴りLv100 関節技Lv100
投げ技Lv100 回避Lv108 受けLv107
召喚魔法Lv110 時空魔法Lv96 封印術Lv95
光魔法Lv91(↑1)風魔法Lv91(↑1)土魔法Lv91(↑1)水魔法Lv91
火魔法Lv91(↑1)闇魔法Lv91(↑1)氷魔法Lv90 雷魔法Lv91(↑1)
木魔法Lv90 塵魔法Lv90 溶魔法Lv90 灼魔法Lv90
英霊召喚Lv5 禁呪Lv94
錬金術Lv78 薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv47
連携Lv90 鑑定Lv79 識別Lv90 看破Lv78 耐寒Lv80e
掴みLv80e 馬術Lv90 精密操作Lv80e ロープワークLv86
跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e
平衡Lv90
二刀流Lv83 解体Lv80 水泳Lv35 潜水Lv73
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv64 隠蔽Lv78
気配察知Lv80 気配遮断Lv78 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv83
魔法効果拡大Lv82 魔法範囲拡大Lv82
呪文融合Lv82
耐石化Lv78 耐睡眠Lv78 耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv79
耐暗闇Lv79(↑1)耐気絶Lv80e 耐魅了Lv78 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv78 耐即死Lv77
獣魔化Lv9
召喚モンスター
黒曜 フォレストアイLv30→Lv31(↑1)
器用値 38
敏捷値 83(↑1)
知力値 60
筋力値 38
生命力 38(↑1)
精神力 60
スキル
嘴撃 爪撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査 夜目
反響定位 奇襲 危険察知 気配遮断 魔力遮断
空中機動 天耳 自己回復[微] 物理抵抗[微]
魔法抵抗[中] MP回復増加[大] 時空属性 光属性
闇属性 火属性 風属性 水属性 氷属性 呪眼
即死 耐即死
蒼月 麒麟Lv30→Lv31(↑1)
器用値 41
敏捷値 81
知力値 47(↑1)
筋力値 42
生命力 42
精神力 41(↑1)
スキル
噛付き 頭突き 踏み付け 体当たり 疾駆
耐久走 奔馬 蹂躙 飛翔 蹴り上げ 遠視
広域探査 強襲 天啓 空中機動 霊能 霊撃
騎乗者回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 時空属性 光属性 闇属性
風属性 土属性 水属性 雷属性
スパッタ オーロラウィングLv29→Lv30(↑1)
器用値 37(↑1)
敏捷値 102
知力値 50
筋力値 36
生命力 37(↑1)
精神力 50
スキル
嘴撃 飛翔 回避 遠視 広域探査 看破 追跡
強襲 危険察知 空中機動 自己回復[小] 物理抵抗[小]
魔法抵抗[中](New!)MP回復増加[中] 光属性
風属性 土属性 雷属性 電離 分解 分身 耐即死
耐混乱
イグニス 朱雀Lv29→Lv30(↑1)
器用値 40
敏捷値 84
知力値 55
筋力値 47(↑1)
生命力 47(↑1)
精神力 39
スキル
嘴撃 蹴り 飛翔 回避 霊能 霊撃 遠視 夜目
広域探査 強襲 天啓 空中機動 自己回復[大](New!)
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] MP回復増加[中]
火属性 風属性 土属性 溶属性 耐即死 毒無効
召魔の森 ポータルガード
ジェリコ、リグ、クーチュリエ、獅子吼、逢魔、モジュラス
雷文、清姫、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ルベル
虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック




