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《竈で料理を作りましょう》


《全ては幼き我が子のため》


《糸を紡いで布を織りましょう》


《全ては幼き我が子のため》


《脅威は全て穢祓いましょう》


《全ては幼き我が子のため》



 人魂に触れたのは東雲だった。

 そして流れるインフォであるのだが。

 あれ?

 どこかで似たようなインフォ、聞かなかったかな?

 聞いた、と思う。

 しかも結構、最近の事であるような。



『各自、周囲を警戒!上空、支援お願い!』


『ヤァ!』


『戦列は前へ!後衛はそのまま、合図と同時に一斉攻撃を!』


『了解!』


 さて。

 オレの役目は遊撃って事になっている。

 確保した居場所は半壊した3階建ての建物の屋上だ。

 独自の判断で動いてくれていいそうだが。


 相手は、何だ?

 そこが問題なのです。

 戦い甲斐のある相手であってくれないと困る。

 こっちはユニオン編成で挑んでいるのだ。

 十分な数がいて欲しい。

 質と量。

 その両方で充実した戦力を所望だ!



『海から来ます!』


『町の防壁側からも何か来るよ!』


 声だけで分かる。

 春菜、それにアデルだ。

 で、何が来ているんだ?



『やだ、これ、大きい!』


 此花の声。

 ちょっと興奮した。

 性的な意味で。

 まあ妄想ですけどね

 それに大きい、というのも納得だ。

 いきなり港湾側の海が盛り上がったかと思ったら、巨大な何かが出現している。

 まるで超高層ビル。

 だがその姿には見覚えがあった。


 おい。

 ガイアだ!

 マーカーが遥か上にあるようだから【識別】が効いていない。

 でも間違えようがない。

 ガイア、だよな?

 まるで観音様のような佇まいは相変わらずだ。

 胸元から滴る海水がまるで滝のようになっている!


 そして随伴するのはアクイラの影。

 でもそれで終わらない。

 海から次々と上陸してくるのは何だ?




 拳神シャコ ???

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 ???

 ??? ???


 やっぱりこいつ等か。

 そして数が凄い!

 だが防壁側からも戦力が投入されていると聞いている。

 一体、どれ程の数になっているんだろう?

 空中から確かめてみたくなってしまう。



「真降魔闘法!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」


 手順は?

 ガイアらしき存在の特性は恐らくだが同じだろう。

 拳神シャコも既に見知った相手なのだ。

 以前戦った時の経験を、活かせ!



(((((六芒封印!)))))

((((七星封印!))))

((((十王封印!))))

((((イビル・アイ!))))


 ここまでは定番でいい。

 だがユニオンである事をより効果的にするには、どうする?

 こうしよう。



(アップリフト!)


 オレの後方には後衛がいる。

 弓矢、そして杖を装備した面々だ。

 彼らの支援を優先しよう。

 拳神シャコに肉薄されたら後衛で対抗するのは難しい筈だ。

 高さがある、というのは色々と有利に働いてくれるだろう。



(ルミリンナ!)


 即席の城砦が出現する。

 やはり後衛にとっては大きな力になる。

 そう信じたい。


 そう言えばガイアの特性は?

 溶属性。

 いや、溶岩の塊そのものだった筈だ!



「あれは溶属性がある!レジスト・メルトを!」


『キース、アレと戦った事があるの?』


(レジスト・メルト!)


 問い掛けに答える余裕は無かった。

 既に何箇所かで攻撃を喰らっているガイアだが。

 その各所から溶岩が噴出している!

 溶岩に構わず迫る拳神シャコもいるのだ。

 対応するのが先だ!



(ペニテンテ!)


 ガイアの足元に氷の針山が出現する。

 ダメージ兼で足止めだ。

 既に前衛の戦列に拳神シャコが接触している。

 クソッ、展開が早い!

 シャコは仲間を踏み台にして前衛の連中を埋めるかのような有様だ。

 いかん。

 数が多過ぎる!

 スコーチの視線で結構な数のシャコが眠り込んでいるようなのだが間に合っていない!


 手数がいるだろう。

 少なくとも今はこの状況を凌がないといけない!



(剣豪降臨!)


 【英霊召喚】を使う。

 オレの横合いから例の天狗面の英霊様が飛び出して行く。

 既にヴォルフと護鬼、戦鬼も前衛の戦列の中で乱戦に巻き込まれていた。

 危うい。

 この状況は危うい!

 メジアンがブレス攻撃を連発しているが、アレもすぐに弾切れになってしまうぞ?



(エクストラ・サモニング!)


 召喚したのはストランドだ。

 相手は拳神シャコ。

 全身を天然の装甲で固めた魔物であるが、ストランドだって負けていない。

 いや凶器という意味では上回る。

 全力で、やれ!


 鬼竜変を使ったストランドがシャコの群れの中に突っ込んで行く。

 あの状態であれば集られても逆にダメージを与え続けるだろう。

 だが。

 ストランドの援軍も10分しか持続しない。

 それにガイアまでいるのだ!

 アレはどう考えても時間が掛かるだろう。



『空からも来ます!』


「アデル!イリーナ!春菜!此花!【英霊召喚】は?」


『まだ残ってます!』


『私は品切れです!』


『私もダメ!』


『行けます!』


 アデルと此花が残っているか。

 序盤を凌げばどうにかなるかな?

 いや。

 どうにかするのだ!



「使え!選択は任せる!それにマーカーを確認してくれ!こいつは危険だ!」


『ヤァ!』


『了解!』


『防壁の各所から別戦力が迫ってます!気を付けて!』


 オレは既に羅喉刀を手に拳神シャコへ襲い掛かっていた。

 クソッ!

 出遅れたか?


 周囲には後衛からの支援が次々と来ている。

 前衛は?

 どうにか戦列を立て直していた。

 剣豪の英霊様が最前線で援護してくれたのだろう。



 ??? ???

 英霊 戦闘中

 ??? ???



 宮本武蔵 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 新免無二 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 あれ?

 親子で並んで戦ってやがる!

 いや、与作と東雲もいて何が何やら。

 どうも前衛も乱戦になりそうな雰囲気になってるぞ?




 塙団右衛門 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 宝蔵院胤栄 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 車丹波 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 渡辺勘兵衛 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 槍を携えた英霊様達だ。

 槍先を並べて戦う様は他を寄せ付けていないように見えるんだが。

 真ん中に、ミオがいるように見える。

 槍持ちであるのだし連携は問題無いと思うけど。

 いいのかね?



 愛洲移香斎 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 木村友重 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 柳生宗矩 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 柳生三厳 ???

 英霊 戦闘中

 戦闘位置:地上 ???



 オレの左右でシャコをザクザクと切り刻んでいる方々なんだが。

 陰流の関係者で纏まっているのかね?

 未見な剣豪も混じっている。

 いや、有名人がいる。

 柳生十兵衛こと、柳生三厳。

 つかこっちも親子がいる!

 稽古して欲しい方もいるけどね。

 諦めないといけないのだろう。

 間違いなく時間切れになるだろうしな!


 一気に、今のうちに数を減らさないと危うい。

 防壁側から来る戦力も気になる。

 何よりもガイアだ!

 足止めしつつダメージを与える手はあるけど果たしてどこまで時間が掛かるのか?

 知れたものではないのだ。



『天馬疾駆!』


『尽忠報国!』


 アデルと此花が【英霊召喚】を使ったようだ。

 天馬の姿は見えないが、尽忠報国により出現した軽装の兵士達の姿が確認出来る。

 これでかなり楽になるだろう。



『マーカー確認しました!封印はまだ効いてます!』


「外れたらすぐに連絡をくれ!」


 オレの肩にスコーチが舞い降りる。

 地上戦力の足止めご苦労様。

 だが、今度はアデル達を助けてやってくれ。

 アクイラの影はかなり強敵になるだろう。


 スコーチが飛び上がるとオレも最前線に向かう。

 嫌な光景が見えていた。

 ガイアが迫っている!



(ペニテンテ!)


 足元に再び氷の針の山。

 ダメージは?

 マーカーは見えてないから気にしてはいけない。

 あるものと信じるしかないのだ。



(プリズムライト!)

((フラッシュオーバー!))

((ライトニング・ブラスト!))

((パラレル・シムーン!))

((プリズムライト!))

((ミーティア・ストリーム!))

((アシッド・レイン!))

((ヘイルストーム!))

((スウォーム!))


 一気に拳神シャコの群れに【呪文融合】による全体攻撃詰め合わせを喰らわせる。

 さて。

 シャコは時間を掛けさえしたら全滅出来るだろう。

 問題は?

 迫りつつある追加戦力。

 どんな連中が来るんだ?

 殺到してくる前にシャコは全滅させておきたい所だ。







 カドモスの化身 ???

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 ハルモニアの化身 ???

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 オリオンヒーロー・ベテルギウス ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 オリオンヒーロー・リゲル ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 オリオンヒーロー・ベラトリックス ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 オリオンガーディアン・ミンタカ ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 オリオンガーディアン・アルニラム ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 オリオンガーディアン・アルニタク ???

 イベントモンスター 英霊

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 こいつ等か。

 どこかで見た相手だが未見の奴もいる。

 カドモスの化身、それにハルモニアの化身。

 どちらも巨大な黒蛇。

 カドモスの化身は青い斑点、ハルモニアの化身は青い縞模様があるようだが。

 全く同じ能力を備えているとは思えない。

 どんな特性があるんだ?



『キースさん!そろそろ封印が危ないです!』


「了解だ!間隔はどうだ?」


『80秒って所です!』


 上空ではイリーナと紅蓮、眠りダムーが戦況を確認してくれている。

 そしてガイアの【識別】結果が右端上の仮想ウィンドウに小さく表示させているのだが。

 ちょっと違うみたいだ。



 ガイアの影 ???

 イベントモンスター 巨神

 ??? ???

 ??? ???



 ガイア、であってガイアではない。

 影?

 格下であるのだろうか?



((((((八部封印!))))))

((((((九曜封印!))))))

(((((イビル・アイ!)))))


 疑問はあるけど戦闘を止める訳にいかない。

 拳神シャコはかなり減った。

 だが追加戦力も多い。

 マズい事にストランドの姿が消えて行く。

 既に10分が経過したって事だ!

 剣豪の英霊も残り時間は半分も残っていない事になる。

 この数、間に合うのか?



「シャァァァァァァァァーーーーーッ!」


 フィーナさんの背後に迫っていた奴を襲う。

 オリオンヒーロー・リゲルか。

 羅喉刀の切っ先は掠っただけだ。

 だがそこで終わる筈も無い。

 切っ先は地面近くから再び跳ね上がり、今度は逆蜻蛉の構えに。

 無言で撃ち込んだ一撃は肩口に炸裂した。

 そして両断。

 ダメだ!

 オレ好みの敵じゃねえ!



『キース?』


「戦線の組み直しを!」


『りょ、了解!』


 フィーナさんの周囲に他のプレイヤーも集結しつつある。

 完全に包囲されつつあった。

 逃げ場は無い。

 いや、逃げるつもりはオレには無いけどさ。

 物量で押して来ているから始末が悪い!


 後衛向けにルミリンナの呪文で氷の城も作り上げてはあるが延々と続ける訳にもいかない。

 ガイアの影が迫っている。

 踏み潰されたら終わるだろう。



(ペニテンテ!)


 そして英霊の姿が減って行く。

 尽忠報国が時間切れになったのか?



「イリーナ!空中戦力は?」


『アクイラの影は残り4羽です!』


『ああっ!天馬の英霊様が消えちゃった!』


「ガイアの影は?」


『封印は確認!HPバーは残り7割です!』



 そうか。

 残り7割か。

 オレが戦ったガイアに比べたら弱いように思える。

 追加戦力の排除さえ出来れば片付けるのは比較的簡単だろう。


 問題は?

 カドモスの化身、それにハルモニアの化身。

 後方から毒のブレスを吐きつつ徐々に迫っている。

 だが毒のブレスだけだろうか?

 そんな筈もない。

 まだ何か、隠しているだろう?

 ちょっと興味があります。


 本音を言おう。

 苦戦なのは間違いないけど、数が多いだけだ!

 オレ好みの強敵もいない。

 格闘戦をするだけの余裕も無い。

 鬱憤が溜まりそうな展開だ。


 カドモスの化身とハルモニアの化身に期待だ。

 どんな隠し玉があるんだ?

 怒らないから見せてみなさい!





「与作!右だ!」


『応ッ!』


『平行突撃で押し返せ!突破されるなよ?』


『壁呪文で支援する!一旦後退!』


『了解!』


(プリズムライト!)

((フラッシュオーバー!))

((ライトニング・ブラスト!))

((パラレル・シムーン!))

((プリズムライト!))

((ミーティア・ストリーム!))

((アシッド・レイン!))

((ヘイルストーム!))

((スウォーム!))


 既に剣豪の英霊様もいない。

 そしてあれだけいた魔物も激減していた。

 最初の方で片付けた拳神シャコの死体も次々と消えている。


 町の各所にはガイアの影から噴出したマグマがそのまま冷えて固まっていたりする。

 だがこれ、油断出来ません。

 ガイアの影の封印が外れると自立して動き出すのだ!

 しかもマグマの蛇となって、である。


 しかしもっと頭の痛い存在がいる。

 ハルモニアの化身だ。

 こいつは卵を産む。

 その卵だが、それ自体が爆弾のようなものなのです。

 爆発によるダメージもあるけど同時に周囲に溶解液まで炸裂してやがる!

 壁呪文は必須だ。

 厄介なのは【封印術】の呪文が効き難い事だろう。

 どうにか分断しつつダメージを重ねてはいるけどガイアの影もいる。

 戦線を後退させながら相手をするのは難儀だった。

 その辺の指揮はフィーナさんに任せているけどね。



『アクイラの影、全滅しました!』


『了解!地上戦への支援をお願い!』


「ガイアの影には氷魔法か水魔法の呪文で攻撃してくれ!相性はいい筈だ!」


『了解です!』


 久々にいい知らせだ。

 空中戦力が支援してくれるようになれば多少は楽が出来る。

 カドモスの化身はハルモニアの化身を身を挺して護り続けているがもうすぐ沈むだろう。

 今も東雲と与作が交互にダメージを与えている。

 いい連携だ。



(ペニテンテ!)


 もうこの呪文は何度目だ?

 ガイアの影もいい加減、仕留めたい所だ。



「イリーナ!HPバーの残りは?」


『残り2割ちょっとです!』


「了解だ!もう少し確認の継続を頼む!」


『了解です!』


 頭上を竜騎兵が通過する。

 既に彼等のドラゴンやレッサードラゴンもブレス攻撃は弾切れだろう。

 だがもう少しでカドモスの化身は詰む。

 こいつは鱗を逆立てるようにして巻き付こうとする。

 ストランドの鬼竜変と類似する攻撃手段を持っていた。

 抑え込むのは至難だが、オレにはメジアンがいる。

 任せてしまおう。


 次はハルモニアの化身が沈む事になるだろうな。

 この戦闘も決着がつきそうな雰囲気がしていた。

 逃してはいけない。



(ショート・ジャンプ!)


 カドモスの化身を越えてハルモニアの化身の頭上へと跳ぶ。

 落下する勢いも借りて羅喉刀を撃ち込む。

 ハルモニアの化身のHPバーは?

 まだまだ半分以上あるとか、どうなってる?



(ショート・ジャンプ!)


 蛇身の隙間から卵が飛んで来る前に退避。

 その手を喰らう訳にはいかない。

 オレがいた空間で卵が炸裂していたのを氷の城の城壁の上で確認する。

 今のタイミング、ギリギリだったか?


 それに注意せねば。

 氷魔法の呪文、ペニテンテで築いた氷の城はもうすぐ消えるだろう。

 この呪文も何度使ったかな?

 数えてない。

 数える事に意味を見出せない。


 まあいいさ。

 大いに暴れさせて貰っているのだ。

 最後の仕上げは間違いなくガイアの影。

 ペニテンテだけでは不足だが攻撃手段ならある。

 ヘイルストーム。

 但し【呪文融合】で17連装で組んでいない。

 そんな暇が無かったのだ。


 そしてまだ周囲のプレイヤーには余裕は見えない。

 支援も要るだろう。

 気を抜いてはいけません。

 集中力を持続させましょう。






《平穏な生活は既に無い》


《全ては幼き我が子の罪》


《平穏な世界は既に無い》


《全ては幼き我が子の罪》


《罪の清算に何の意味があったのでしょう》


《全ては幼き我が子の罪ゆえに》


 インフォだ。

 さて、見所は何だろう?

 ボーナスイポイント、であるんだが。

 期待薄ではある。




《N1E9のエリアポータルを開放しました!》

《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【大刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【溶魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐睡眠】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『スコーチ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 最後、ガイアの影はアッサリと倒せたのだが。

 その巨体はゆっくりと倒れ、町を破壊するかに見えたものです。

 でもガイアの影は霞のように消えてしまった。

 各所に残っていた溶岩の塊もです。


 同時にまだ残っていた魔物の死体も消えた。

 カドモスの化身とハルモニアの化身だ。

 メジアンが噛み付こうとしてたが空振りに終わってしまっている。

 間の悪い奴。

 そこまでメジアンのMPバーは逼迫していないのだ。

 まだ今日という時間は残っている。

 今は我慢するがいい。



 スコーチのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 スコーチ ミネルヴァオウルLv28→Lv29(↑1)

 器用値 38

 敏捷値 84(↑1)

 知力値 51

 筋力値 52

 生命力 51

 精神力 38(↑1)


 スキル

 嘴撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査 夜目

 反響定位 空中機動 監視 看破 強襲 隠蔽

 追跡 気配遮断 危険予知 天啓 睡眠 混乱

 自己回復[小] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中]

 耐混乱 耐即死 耐魅了 耐睡眠



『おお?勝ってる?』


『うっそーーーーん!』


『ゲッ!何だこのボーナスポイント?』


『2桁のボーナスポイントってどういう事なの?』


 色々と喚声があるようで結構な事ですね。

 オレにはボーナスポイントは無い。

 無いったら無い。

 まあ諦めてもいました。

 戦闘時間は1時間を越えていたのだろうが2時間には程遠い。

 ガイアの影、か。

 オレが戦ったガイアの方が遥かにタフだ。

 恐らくだが影というだけあって格下の存在であるものと思われる。


 時刻は?

 午後2時40分か。

 まだログアウトするには早い。

 ソーマ酒を服用しておくとしよう。



『一旦、ここで解散にします!時間が時間ですのでログアウトをする方は挨拶不要で!』


『生産職各位は集合!町の修復について大まかに予定を組みます!』


 ユニオンの規模が一気に減って行く。

 急いでいるプレイヤーなどその辺の建物に飛び込んでいる。

 ログアウトを急いでいるのだろう。



「お疲れ様でした!」


「私達はここで失礼します」


 アデル、イリーナ、春菜、此花は拠点に戻ってからログアウトするらしいな。

 オレはどうする?

 装備の修復を済ませたら東に進んでみよう。

 まだ覚えている。

 亀を中心とした魔物達が迫っているんじゃなかったかな?

 確かめてみたい。


 だが。

 オレの目の前には3名のプレイヤーがいる。

 紅蓮くん、九重、眠りダムーか。

 何かを言い出したいように見えるけど何だろう?



「すみません。是非、お話を聞かせて頂きたいんですが」


「新しい呪文ってどんな感じでしょう?」


「と、特に風魔法について聞きたいです!」


 ああ、そうか。

 呪文、ですね?

 まだレベル86で取得する呪文って教えてなかったか。



「少しだけなら。本当は実戦で見て貰うのが一番いいんだけど」


「実戦で、ですか?」


「説明するのって苦手でねえ」


「い、行きます!」


「あ、装備の修復もあるから少し待って欲しいけど」


「りょ、了解です!」


「今のうちにログアウトしておこう!」


「急げ!急げ!」


 オレはログアウトする紅蓮くん達の様子を横目に見ながら装備を修復だ。

 ガイアの影は少々物足りなかった。

 でも他の魔物は相応に強かった、と思う。

 特に序盤の拳神シャコは半端じゃない。

 護鬼の装備はそうでもないけど、戦鬼の装備は結構なダメージがあった。

 オレの装備は?

 そこそこ、だろう。

 気になるのは羅喉刀だ。

 セットしてあった魔結晶の魔力は枯渇寸前になっている。

 他の魔結晶に交換だな。

 それは護鬼の羅喉刀もです。

 放置していちゃいけませんね。





 装備の修復を終えたら既に紅蓮くん達もログインしてました。

 同行するのは6名、1パーティになるみたいだ。

 紅蓮くん、九重、眠りダムーまでは顔見知りですね。

 他のプレイヤーはどこかで見たかな?

 エレメンタル・マグス『風』のモコ。

 ウィッチの由美。

 ドラゴントルーパーのウォーレン。

 騎乗竜はドラゴンとレッサードラゴン、各々に2名が騎乗する予定らしい。

 エレメンタル・マグス『風』の眠りダムーとモコは自前で飛ぶのだろう。


 ふむ。

 最初に説明する事になるのは風魔法の呪文、アクロバティック・フライトになりそうだな。

 ユニオンを組んだらお試しで全員に掛けてみたらいいと思う。

 説明が省ける。

 実体験に勝るものはないと思うのだ。


 では布陣変更だな。

 ナインテイル、ノワール、パンタナール、ラルゴ、アリョーシャにしました。

 急ぐ事はないのだが。

 東に行けば亀がいると思われる。

 呪文を披露するのに相応しい相手であって欲しいものです。



「では東に行こうか。魔物がいたら適宜、呪文は使う事になると思う」


『は、はい!』


『動画、いいですか?』


「いいけど。最初に風魔法の呪文からだな。アクロバティック・フライトだけど」


『風魔法!』


『レベルは?』


「風魔法がレベル86になったら取得出来る、と思うよ」


 反応が無い。

 どうしたの?



『レベル86って』


『先が長い!』


「経験値稼ぎをしたらいずれ使えるようになると思うよ」


『いや、相当先の事ですから!』


「魔物と遭遇出来たらもう1つの呪文でサフォケイションも見せよう」


『それもレベル86ですか?』


「ああ。窒息呪文でね。どっちもエフェクトは無いから地味だよ」


 再び沈黙。

 あれ?

 サフォケイションの呪文を使った訳じゃないんだが、どうした?

 窒息呪文の効果はどうやら絶大なものであるらしい。

 別に意味で、ですけど。

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv109

職業 サモンマスターLv47(召喚魔法修師)

ボーナスポイント残 18


セットスキル

小剣Lv81 剣Lv82 両手剣Lv80 両手槍Lv84 馬上槍Lv86

棍棒Lv82 重棍Lv83 小刀Lv82 刀Lv84(↑1)大刀Lv84(↑1)

刺突剣Lv82 捕縄術Lv86 投槍Lv85 ポールウェポンLv87

杖Lv92 打撃Lv100 蹴りLv100 関節技Lv100

投げ技Lv100 回避Lv107 受けLv107

召喚魔法Lv109 時空魔法Lv96 封印術Lv95(↑1)

光魔法Lv90 風魔法Lv90 土魔法Lv90 水魔法Lv90

火魔法Lv90 闇魔法Lv90 氷魔法Lv90(↑1)雷魔法Lv90

木魔法Lv89 塵魔法Lv89 溶魔法Lv90(↑1)灼魔法Lv89

英霊召喚Lv5 禁呪Lv93

錬金術Lv78 薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv47

連携Lv89 鑑定Lv79 識別Lv89 看破Lv77 耐寒Lv80e

掴みLv80e 馬術Lv89 精密操作Lv80e ロープワークLv86

跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e

平衡Lv90

二刀流Lv83 解体Lv79 水泳Lv34 潜水Lv72

投擲Lv50e

ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv64 隠蔽Lv78

気配察知Lv79 気配遮断Lv78 暗殺術Lv60e

身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv83

魔法効果拡大Lv81 魔法範囲拡大Lv81

呪文融合Lv82

耐石化Lv77 耐睡眠Lv78(↑1)耐麻痺Lv80e 耐混乱Lv78

耐暗闇Lv78 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv77 耐毒Lv80e

耐沈黙Lv78 耐即死Lv77

獣魔化Lv9


召喚モンスター

スコーチ ミネルヴァオウルLv28→Lv29(↑1)

 器用値 38

 敏捷値 84(↑1)

 知力値 51

 筋力値 52

 生命力 51

 精神力 38(↑1)

 スキル

 嘴撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査 夜目

 反響定位 空中機動 監視 看破 強襲 隠蔽

 追跡 気配遮断 危険予知 天啓 睡眠 混乱

 自己回復[小] 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中]

 耐混乱 耐即死 耐魅了 耐睡眠


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、リグ、クーチュリエ、獅子吼、モジュラス、雷文

清姫、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ルベル、虎斑

蝶丸、網代、スパーク、クラック

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― 新着の感想 ―
サモナーさんの常識は世間の非常識…w そしてエロ妄想はしても口にはできない戦闘以外ではチキンハートな所も妙なギャップが
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