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 食事はチーズたっぷりのピッツァです。

 たまにはいい。

 但し、炭酸飲料が欲しくなるという罠がある。

 それにデリバリーのピザは遠慮したい。

 熱々で焼きたて、チーズがマグマのように沸騰しているのがいい。

 たまに口の中が火傷したって構わない。

 美味しければ正義だ。


 しかしこの焼きたてのピッツァはどうやって焼いた?

 恐らくだが窯を新設したのだろうと思われるが。

 そこまで凝らなくてもいいのに。


 まあ食事が美味いし飽きもしないからいいんだけどさ。

 堪能しましょう。

 ピッツァを冷ますのは罪だ。





 一気にピッツァを片付けました。

 2枚あったけど問題ない。

 熱々のうちに食おうと思ったら早食いになるしかないのです。

 そして食べ終えたら早速、脳内で今日の大まかな予定を組んで行く。


 スタート地点は?

 W9u1マップのエリアポータル、神霊の塔からがいい。

 あの周辺の魔物は多彩な上に手強い。

 まさにオレ好みなのだ。


 布陣はどうする?

 ナインテイル、蒼月、折威、パンタナール、アリョーシャで。

 いや、そろそろアリョーシャも教官役の蒼月がいない状態で空中戦をすべきだろう。

 蒼月がレベル的に先行している事もあるし。


 そうだな。

 ナインテイル、折威、スコーチ、パンタナール、アリョーシャとしましょう。

 オレの得物は断鋼鳥のデスサイズで。

 目的はパンタナールを鍛える事、それにエリアポータル解放戦だな。


 拠点はどれだけ多くても困る事はないのだ。

 それにボーナスポイントだって稼げるかもしれません。

 期待薄かもしれないけど。


 もっと強敵が出現するマップを見出したいものだ。

 天使だってパワーがもっと頻繁に出現してくれたらいいのに。

 どうにかして欲しいものです。





「ピ?」


 W9u1マップのエリアポータル、神霊の塔に到着。

 既に布陣は変更済みだ。

 パンタナールの頭上にはナインテイルが鎮座している。

 相変わらずだ。


 このW9u1マップにしたって地上戦をまだしてません。

 いずれやってみたい。

 今は他にやりたい事があるのだ。


 では、行くぞ。

 特にパンタナールの奮戦には期待大だ。

 ナインテイル、折威、スコーチの支援にも期待です。


 近寄って攻撃をするのはオレとアリョーシャがメインになるだろう。

 そう、寄らば斬る。

 移動優先ではなく、狩りも大いに楽しみたい。










《只今の戦闘勝利で【受け】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【塵魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐暗闇】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『折威』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 いかんな。

 このマップで暫く狩りを続けたくなるペースだ。

 特に今のヴリトラの分身は屈指の強さだっただろう。

 これでソーマ酒が剥げたら文句なしなんだが。


 ある。

 きっとある。

 何気にソーマ酒は消費が進んでいるのです。

 同時に出現していたヴリトラの幻影2体からもスラー酒が剥げて欲しい。

 そこは【解体】師匠に期待しましょう。



 折威のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。



 折威 アークデーモンLv27→Lv28(↑1)

 器用値 28

 敏捷値 71(↑1)

 知力値 72(↑1)

 筋力値 28

 生命力 28

 精神力 71


 スキル

 杖 弓 爪撃 飛翔 浮揚 回避 呪詛 堕天 反響定位

 空中機動 魔力遮断 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中]

 自己回復[中] MP回復増加[大] 変化 夜目 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性

 雷属性 木属性 溶属性 灼属性 魅了 耐魅了




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『アリョーシャ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 アリョーシャがヴリトラの分身の肉を喰ってる。

 いいけどさ。

 捕食吸収も捕食融合もアリョーシャには無い。

 それでも食欲は抑え切れないものであるらしい。

 その食欲の半分でいいからパンタナールに分けてあげたくなる。


 レベルアップも順調なのだが、惜しい。

 もう少しでW9u1マップの東端だ。

 W8u1マップで相手になるのは、どんな魔物でしたっけ?


 思い出せない。

 まあいい。

 行けば分かるさ!



 アリョーシャのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

 もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。



 アリョーシャ グリフォンロードLv25→Lv26(↑1)

 器用値 29

 敏捷値 75

 知力値 29

 筋力値 60(↑1)

 生命力 60(↑1)

 精神力 29


 スキル

 嘴撃 爪撃 体当たり 飛翔 回避 掘削 空中機動

 遠視 広域探査 夜目 威嚇 強襲 隠蔽 危険察知

 気配遮断 騎乗者回復[微] 自己回復[中] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[小] ブレス 光属性 闇属性 火属性

 土属性 風耐性 毒耐性 耐麻痺



 さて、折威は交代でいいかな?

 召喚するのはビアンカだ。

 支援は手厚くしましょう。


 パンタナールはドラゴンであるにも関わらず、接近して戦う事を好まない。

 ナインテイルはそんなパンタナールの支援だ。

 ビアンカは支援に特化しているような存在でもある。


 スコーチも嘴による攻撃は中々のものだが、基本は遊撃なのだ。

 近接攻撃によるダメージはオレとアリョーシャで叩き出さないといけないのだが。

 結構、支援面が手厚いと助かっている部分が大きいのです。

 これはこれでいい。


 いや待て。

 パンタナール、お前はもっと魔物の肉を食え!

 それに【解体】師匠もいい戦果だ。

 ソーマ酒とスラー酒を同時に確保している。

 今日は朝から気分良く狩りを楽しめてます。

 実に有難い事ですな!







《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》


 W8u1マップで遭遇するのは?

 ヴリトラの幻影に分身。

 そしてラージャアシパトラ。

 地形は草原。

 思い出したよ!

 前回は逃げるように移動を優先させていたから印象が薄かったんだよ!

 ソーマ酒、惜しいとは思っていたけど。


 だがそろそろ、新たな展開が欲しい。

 エリアポータル解放戦、なのだが。

 怪しい場所が草原の中に見えてます。

 気付き難いけど、ある。

 ちょっとした丘の中腹に洞窟があったのだ。


 あの中か。

 空中戦は無理という事だろう。

 エリアポータル解放戦の定番の召喚モンスター達の出番かな?


 洞窟の手前に着陸、その規模を確かめる。

 大丈夫だ。

 戦鬼でも入れるだけの大きさは十分にある。

 布陣は?

 ヴォルフ、護鬼、戦鬼、テロメア、赤星にしました。

 洞窟内部は光無き闇。

 果たして何が待ち構えているのやら。

 最近のエリアポータル解放戦は温く感じる事の方が多かったりするのです。

 オレも召喚モンスターも強くなっている、と言っていいのだろうけどね。

 それはそれで楽しめないのです。


 【英霊召喚】があれば良かった。

 そんな気持ちになるような強敵を頼む。

 かと言って全滅するつもりはない。


 それにオレの狂気を思うがままにぶつけられる、そんな相手を頼む。

 一撃で沈むような魔物はもう願い下げであるのだ。






 洞窟かと思ったが、すぐに階段があって下へと続いていました。

 辿り着いたのは広間。

 天井が高い!

 何かを彷彿とさせるけど、何だろう?

 ああ、アレだ。

 ドーム球場かな?

 観客席はないし、こっちの方がより大きいけどね。

 野球でもしますか?

 ピッチャーなら戦鬼というエースがいるんだが。

 デッドボール連発になってしまい、死者が出る光景しか思い浮かばないのが困る。


 それにこのW8u1マップで遭遇する魔物の傾向はインド風味。

 関連しそうな相手が出現すると思えるが。

 アプサラスやハヌマーンみたいな相手で済んで欲しくないです。

 まあそれは挑んでみたら分かる事だろう。


 ピッチャーマウンドじゃないのだろうけど、中央が少し盛り上がってます。

 そして人魂。

 中途半端な相手になりませんように。

 出来ればボーナスポイントもお願いしたい所なのだ。





《無より生まれ出でて無に帰す》


《世は破壊と再生の循環の輪の中に在る》


《それは全ての生命も同じ事》


《逃れる事は出来ぬものと知るがいい》



 さあ、来なさい!

 迎撃したい訳じゃないけどね。

 こっちから攻めるのを基本にしたいものだ。

 まあそれも相手によるだろう。




 シヴァの影 ???

 イベントモンスター 英霊神

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 ナンディン ???

 イベントモンスター 霊獣神

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 ハヌマーン Lv.45

 イベントモンスター 霊獣神

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 ヴァースキの分身 ???

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 アガ Lv.42

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 アクティブ

 ??? ???



 ドームの壁の沿って蛇身が這い回っている。

 壁、それに天井にもだ。

 蛇玉の中に閉じ込められた気分だ。

 アガ、ですか。

 その周囲に小さな虫が集っている事だろう。

 どうもこの状況は全方位にスウォームの呪文が展開されているようなものだ。

 その中に一際大きなヘビが混じっている。

 大きい、と言うよりも長い!

 メヘンみたいにやたらと長い!


 そしてハヌマーンを従える奴が総大将だろう。

 ナンディンという名の大きな白い牛に騎乗している。

 シヴァの影。

 破壊神じゃねえか!

 シヴァの影もナンディンという牛も結構な大きさだろう。

 ハヌマーンとの対比で分かる。



「真降魔闘法!」「エンチャントブレーカー!」「リミッターカット!」


 さて。

 包囲されてしまいましたか。

 【獣魔化】の上乗せもあるけど、ここは念押しだ。

 リミッターカットを使おう。

 今日はソーマ酒も追加してあるから心理的に楽だ!



((((六芒封印!))))

((((七星封印!))))

((((十王封印!))))

((((イビル・アイ!))))


 問題は?

 総大将だ。

 体格的に格闘戦が出来そうなサイズじゃない。

 いい体格をしている。

 戦鬼といい勝負だろう。


 いや、そうじゃなくてだな。

 問題は、この大量のアガだ。

 そんなアガを纏うようにしている長大な蛇の魔物のヴァースキの分身が不気味だ。

 アナンタの分身やシェーシャの分身とは違う特性なのだろうけど。

 果たしてどんな奴であるのか?

 すぐに思い知る事になるのだろう。






(ルミリンナ!)


 思い知らされてます。

 やってられるか!

 ヴァースキの分身だが、その蛇身そのものを檻にしてやがる!

 その包囲の輪をジリジリと縮めていやがった!


 その合間にもアガが次々と襲って来る。

 そして纏っている虫が邪魔でナンディンに騎乗するシヴァの影が捕捉出来ない!

 ハヌマーンもだ。

 そんな雲霞のような有様の中から奇襲を受け続けている。



(ヒート・ウォール!)


 壁を築くが、これだって効果は限定的だ。

 こっちは包囲されているのです。

 時間稼ぎになっているとはいえ、他の所で城内に侵入されている事だろう。


 体制の立て直しが要る。

 即席で出現した氷の城だが、これだって時間を稼げるだけだろう。

 這い寄る巨大な蛇が氷の城壁を締め上げている様子が見えていた。



((フラッシュオーバー!))

((ライトニング・ブラスト!))

((パラレル・シムーン!))

((プリズムライト!))

((ミーティア・ストリーム!))

((アシッド・レイン!))

((ヘイルストーム!))

((スウォーム!))


 壁の上に全体攻撃呪文の詰め合わせを喰らわせる。

 だが。

 ハヌマーンが、速い!

 城壁を越えて迫って来るが、その姿は丸見えだ。

 召喚モンスター達が簡単に迎撃してくれている。

 肝心のシヴァの影は?

 城壁の外、雲霞の向こうにいる筈だ。



「ガァッ!」


 戦鬼が鉄球をヴァースキの分身に投じている。

 外れ様が無い!

 マーカーは見えないから確認出来ないけど、効いているようだ。

 そう信じておこう。


 大量のアガに向けてテロメアと赤星が爆炎を放ちつつ迎撃している。

 アンデッドであるからなのか、アガが集ろうとして来る風景にまるで動じてません。

 オレには真似出来ませんな!


 だがここは氷の城が有効なうちにアガを殲滅させないと!

 全体攻撃呪文の詰め合わせを何度撃たせるんだ?

 一体、どれ程の数の魔物がいるんだ?

 教えて欲しいものです。





(ルミリンナ!)


 これで3度目のルミリンナの呪文だ。

 だが、これまでと少し違う事がある。

 押し寄せてくる魔物の編成がかなりスッキリ。

 ハヌマーンはもういない。

 アガは少し残っている。


 ヴァースキの分身は健在。

 但しHPバーは8割を余している。

 戦鬼の鉄球攻撃を喰らっていてそれかい!

 大きなダメージを与えたい所だが、どうする?

 今も氷の城の城壁を締め上げようとしている。

 どうしたものか。

 こいつ自身の攻撃手段は毒のブレスにこの巻き付きだけだ。

 それでいて厄介。

 真っ先に始末したいがタフ過ぎるだろ!


 白牛のナンディンも健在。

 自己回復能力があるらしく、HPバーは減らしてやった筈なのに全快になっている。

 騎乗するシヴァの影も当然だが健在。

 ヴォルフの分身の牽制もあって、この総大将はどうにか抑え込んでいられた。

 だが危険な相手である事が分かっている。

 あのテュポーンの幻影を超えそうな勢いの暴風を操っている。

 封印は効いても僅かな時間しか持続してません!


 こっちにはMPバーの消耗はあるけど全員健在。

 テロメアと赤星に至ってはMPバーも全快だ。

 まだまだ、戦える。

 なのに不満が募る。


 理由は分かっている。

 格闘戦成分が、足りない!

 残っている魔物だが、どれも格闘戦が出来そうな気がしません。


 いや。

 格闘戦に強引に持ち込む手はある。

 あるのでした。



(トーチカ!)


 オレ自身への防御を固める。

 氷の城もそう長く持続しそうにない。

 早い段階で邪魔者を仕留めたい所だ。

 邪魔者とは?

 ヴァースキの分身、それに白牛のナンディンだ。

 オレが狙っているのはシヴァの影。

 体格的に戦鬼と組み合うにはいい感じだ。

 但し、手にしている三叉戟は邪魔だけどね。



(リモート・コントロール!)


 オレの視界が切り替わる。

 今やオレは戦鬼の中にいた。

 いや、今のオレは戦鬼だ。

 氷の城の城壁の上に立つ。

 城壁は十重二十重にヴァースキの分身が巻き付いているような状況だが隙間ならある。

 そしてナンディンに騎乗するシヴァの影。

 待っているがいい。

 ヴァースキの分身を片付けたら次はお前達だ!


 オレの両手には鉄球。

 感覚的には小石みたいに軽々と持ててしまう。

 そうか。

 鉄球はもっと重量があった方がいいのね?

 後で調整しないといけないな。


 だが今は戦え。

 それに折角の鉄球、使うべき時が来たと思いましょう。

 城壁とヴァースキの分身の体の上を次々と飛び越えて氷の城を見る。

 狙いは勿論、ヴァースキの分身。

 鉄球を投げるにはいい距離だろう。



(レールガン!)


 戦鬼には魔法属性は何も備わっていない。

 でもオレ自身の魔法技能は使える。

 かなり前に検証済みだが問題が発覚していた。

 戦鬼のMPバーが一気に4割、削れている!

 燃費悪いって!


 投擲の勢いに加えてレールガンの呪文で飛んで行った鉄球は?

 ヴァースキの分身に命中。

 いや、貫通している?

 氷の城が砕けて半壊になっているけど。


 おい。

 オレの本体は平気だろうな?



(レールガン!)


 左手にあった鉄球をそのまま投擲、レールガンも使う。

 クロスドミナンスの呪文の効果で違和感は少ない。

 多少は残っているけど。

 持ち替える時間も惜しかったのだ。


 鉄球は凄まじい勢いでナンディンを直撃。

 ナンディンは吹き飛ばずにそこにいた。

 その胴体に大穴。

 貫通したついでにHPバーも砕けてしまっている。

 おお?

 これは好都合。

 それにナイス・コントロール!

 良かった。

 オレの本体に直撃していたら台無しになる所だった。


 この展開は、いい。

 実にいいんだが。

 総大将の様子がおかしい。

 強烈な風の渦がシヴァの影の周囲に生じている。

 いかんな。

 早く格闘戦に持ち込まないといけません。



「ガァァァァァァァァッ!」


 気迫を込めて声を出す。

 戦鬼の咆哮になってしまうけど構わない。

 今、戦鬼に必要なのは狂気。

 オレに必要なのも狂気。

 相応しい声だろう。


 風の渦が連続で全身を叩く!

 構わない。

 前進あるのみ!

 テロメアと赤星の爆炎攻撃が牽制で飛び交うがお願いだ。

 格闘戦を始めたら邪魔をしちゃダメだからな!






「シャッ!」


「ッ!?」


 シヴァの影を相手に殴り合ってます。

 このシヴァの影だが、殆ど裸だ。

 腰に布を巻いているんだけど、どう見ても虎の皮。

 その手にあった三叉戟はもうない。


 それにしてもこの破壊神様、いい表情をしている。

 首から上は青黒い肌をしている奇妙な顔。

 殴られながらも不気味な笑みを消す事は無い。

 その額には第三の目がある。

 護鬼と同じだ。

 危険なのはその目が開く時だろう。

 格闘戦をやっている中でとんでもない規模の爆炎が炸裂している。

 防ぐ手段は?

 あるのかもだが、手っ取り早い方法にした。


 額の目に向けて頭突き。

 この場合は目突きになるのかな?

 反則技の範疇なんだろうか。

 ちょっと違うような気もするけどね。



「ウッシャァァァァッ!」


 腕を絡めて足を飛ばして腕を抱える。

 肘を極めたまま投げた。

 ついでに折ってやろうとしたんだが、耐えてやがる!

 こいつ、パワーも相当あるみたいだ。


 脇を指して腕を更に深く絡め取る。

 膝で脇の下を押し込み肘を折りに行くのだが。

 折れない。

 抱え込もうとしている戦鬼の腕をシヴァの影は片手で引っ張っている。

 テクニックも何も無い。

 唯のパワーで防がれているってどういう事なの?



「ガヒュッ!」


 方針変更。

 頭突きだ。

 もっと、頭突きだ!


 転がったままのシヴァの影に頭突きを喰らわせてから馬乗りに。

 そのまま左右の連打。

 戦鬼のパワーと体格、しかも手甲はかなりゴツい。

 それなのに笑みが消えてくれない。



「キシャァァァァァァッ!」


 頭を両手で掴んで持ち上げると地面に叩き付ける。

 そして頭突き。

 その連続だ!

 謝っても許さん。

 死んでも許さん。

 歪んだ表情を見せろ。

 恐怖の表情を見せろ。

 命乞いは?

 しなくていい。


 どうせこのまま攻撃し続ける事になるだろう。

 戦鬼の咆哮が妙に耳の奥を叩いている。

 頭突き、やり過ぎ?

 問題ない。

 今は狂気の時間なのだ。








《無より紡ぎ出したるはこの世界》


《無に帰すのは必定》


《それは全ての生命も同じ事》


《残るのは追憶あるのみ》


 インフォが流れる。

 うーむ。

 戦い方としてはスマートじゃない。

 でもスッキリ。

 狂気に駆られたような攻撃も続けていると、色々と発散出来るものであるらしい。

 たまにはこういった格闘戦もいいだろう。


 戦鬼のMPバーはレールガンの呪文2発で残り2割を切っている。

 HPバーは凄い勢いで回復しているようだし問題は無いだろう。

 良かった。

 今回のエリアポータル解放戦はいい感じだったな。

 リモート・コントロールで戦鬼の中へ、そして格闘戦か。

 久し振りだったけどいい感触でした!



《W8u1のエリアポータルを開放しました!》

《ボーナスポイント1点が加算されます。合計で8ポイントになりました》

《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ボーナスポイント、あったか。

 苦戦した、というよりも序盤はトラウマものだったけどね。

 それに耐えた甲斐はあったのだろう。


 だが心残りがある。

 シヴァの影だ。

 結局、最後まで嗤っていやがった!

 どうしてもそこだけが気に入らない。

 次に戦う機会はあるだろうか?

 あるようであれば容赦無しだな。

 今度こそ、泣かしてやる!



 護鬼のステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。



 護鬼 羅喉Lv27→Lv28(↑1)

 器用値 65

 敏捷値 65

 知力値 39(↑1)

 筋力値 53

 生命力 53

 精神力 39(↑1)


 スキル

 弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽

 奇襲 変化 神威 瞑想 夜目 連携 精密操作

 跳躍 平衡 気配遮断 気配察知 自己回復[小]

 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中] MP回復増加[微]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 そして大活躍の戦鬼だ。

 うん。

 ゴメンね?

 暴れたのは実質、オレでした。

 別の機会に暴れさせてあげるからそれで許して欲しい。


 何、戦鬼はMPバーに頼るような戦い方は本来必要としない。

 次のエリアポータル解放戦でも使っていい程なのだ。

 今の戦闘ではレールガンを使ったから事情が異なるけどね。


 そう言えば、鉄球!

 もう少し重たくした方がいい。

 絶対にだ! 

 で、どこに飛んで行ったんだ?

 回収しないといけないけど見える範囲に鉄球は見えない。

 仕方ないな。

 アポーツの呪文を使って回収しておきましょう。



 戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。



 戦鬼 オーガロードLv27→Lv28(↑1)

 器用値 46(↑1)

 敏捷値 64(↑1)

 知力値 15

 筋力値 87

 生命力 87

 精神力 15


 スキル

 打撃 蹴り 噛付き 投擲 受け 回避 登攀

 平衡 投げ技 関節技 体当たり 激高 夜目

 掴み ダッシュ 跳躍 平衡 連携 物理抵抗[小]

 自己回復[極大] 耐即死 耐麻痺 耐魅了 耐暗闇

 毒耐性




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テロメア』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



(アポーツ!)


 本体に戻るとアポーツの呪文で鉄球を手元に戻したんだが。

 鉄球の表面が溶けてる?

 どうも一旦、表面が溶解してしまっていたようだ。

 触ってみたらまだ熱い!


 これはどうしたものか?

 鉄球を補修、拵え直すのはいいんだが。

 何度も使っていい手段に思えません。

 一種の切り札、だな。

 そういう事にしておくべきだろう。



 テロメアのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。



 テロメア バンパイアダッチェスLv26→Lv27(↑1)

 器用値 35

 敏捷値 61(↑1)

 知力値 60

 筋力値 35(↑1)

 生命力 35

 精神力 60


 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化

 気配遮断 宮中儀礼 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 自己修復[大] MP吸収[大] MP回復増加[小] 奇襲

 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 塵属性 溶属性 魅了 麻痺

 真祖化




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『赤星』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 テロメアも赤星も消耗はそう大きくは無い。

 むしろ装備が心配だ。

 アガの群れを気にしないのはアンデッドらしくていいんだろうけどね。

 装備の消耗までは不可避だ。


 それにオレはまだいいとして、護鬼と戦鬼の装備も損耗が進んでいるだろう。

 ここはエリアポータルであるのだ。

 一旦休息のついでに修復をしておこう。

 それがいい。



 赤星のステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。



 赤星 スペクターロードLv26→Lv27(↑1)

 器用値 45(↑1)

 敏捷値 45(↑1)

 知力値 44

 筋力値 44

 生命力 44

 精神力 44


 スキル

 剣 両手剣 棍棒 重棍 小盾 重盾 重鎧 受け

 回避 夜目 雲散霧消 魔力遮断 物理抵抗[極大]

 魔法抵抗極大] MP吸収[大] 自己修復[大] 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性

 邪気



 では、確認だ。

 広域マップによると、ここは魂葬洞。

 どうにも気味の悪い名称だな。

 誰の趣味だろう?

 間違いなく運営であるのだろうけど。


 まあいい。

 ここでなら安心して装備の修復が出来る。

 それに鉄球も補修だ。

 重量も少し増量させておきましょう。

 ソーマ酒を服用してリミッターカットの後遺症であるステータス異常は解消しておく。

 少しでも時間は無駄にしたくない。

 さっさと済ませて次のマップを目指したいのだ。







【素材アイテム】鉄球 部材 品質A レア度3 重量16+ 

 鉄球。真円に近いもの程、品質は高い。

 大型のフレイル、モーニングスターの部材でもある。

 形状故に爪先に落とす事故がある。取り扱い注意!



《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》



 鉄球は少し重くしてみた。

 これでいい。

 タングステンの比率が高くなっている分、大きさはそう変化していない筈だ。

 更に威力は高まる事だろう。

 射程が短くなるかもだが、適度な筋力があればこの方がむしろ投げるのにいいと思う。

 地道に凶悪化したな、これ。


 機会があればオレも戦鬼をリモート・コントロールを使って確認してみよう。

 但しレールガンは少し使う場所を選びたい。

 召魔の森の闘技場で使うのは特に危ないぞ?

 ルミリンナの呪文で構築していた氷の城はヴァースキの分身を貫通した上で破壊していたからだ。

 自らの拠点を破壊するような行為は控えたいものです。



 では、続きをしよう。

 全員、帰還だ。

 消えて行くテロメアが艶然とした笑みを残している。

 まだ雰囲気的には暴れ足りていないと思う。

 赤星もだな。

 今はエリアポータル解放戦に向けて移動を優先なのだ。

 堪えて下さい。


 おっと。

 布陣は戻そう。

 ナインテイル、スコーチ、ビアンカ、パンタナール、アリョーシャだ。

 更に東へ向かうとしよう。

 このマップにはヴリトラの分身だっているだろう。

 消費したソーマ酒の分だけでも追加はしておかないといけません。

 追加できたらW7u1マップを目指す事にしましょう。


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv107

職業 サモンマスターLv45(召喚魔法修師)

ボーナスポイント残 8


セットスキル

小剣Lv80 剣Lv81 両手剣Lv80 両手槍Lv84 馬上槍Lv86

棍棒Lv80 重棍Lv80 小刀Lv80 刀Lv82 大刀Lv82

刺突剣Lv80 捕縄術Lv85 投槍Lv82 ポールウェポンLv85

杖Lv90 打撃Lv98(↑1)蹴りLv98 関節技Lv98(↑1)

投げ技Lv98(↑1)回避Lv105 受けLv105(↑1)

召喚魔法Lv107 時空魔法Lv94 封印術Lv92

光魔法Lv88 風魔法Lv88 土魔法Lv88(↑1)水魔法Lv88

火魔法Lv88 闇魔法Lv88(↑1)氷魔法Lv88(↑1)雷魔法Lv88

木魔法Lv88(↑1)塵魔法Lv88(↑1)溶魔法Lv88 灼魔法Lv88

英霊召喚Lv5 禁呪Lv91

錬金術Lv77(↑1)薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv47

連携Lv87 鑑定Lv77 識別Lv87 看破Lv75 耐寒Lv80e

掴みLv80e 馬術Lv88 精密操作Lv80e ロープワークLv85

跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv80e 登攀Lv60e

平衡Lv87

二刀流Lv82 解体Lv77 水泳Lv34 潜水Lv72

投擲Lv50e

ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv58 隠蔽Lv77

気配察知Lv78 気配遮断Lv77 暗殺術Lv60e

身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv80

魔法効果拡大Lv79 魔法範囲拡大Lv79

呪文融合Lv79

耐石化Lv76 耐睡眠Lv76 耐麻痺Lv79 耐混乱Lv77

耐暗闇Lv77(↑1)耐気絶Lv80e 耐魅了Lv76 耐毒Lv80e

耐沈黙Lv76 耐即死Lv75

獣魔化Lv7


召喚モンスター

護鬼 羅喉Lv27→Lv28(↑1)

 器用値 65

 敏捷値 65

 知力値 39(↑1)

 筋力値 53

 生命力 53

 精神力 39(↑1)

 スキル

 弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽

 奇襲 変化 神威 瞑想 夜目 連携 精密操作

 跳躍 平衡 気配遮断 気配察知 自己回復[小]

 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中] MP回復増加[微]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性


戦鬼 オーガロードLv27→Lv28(↑1)

 器用値 46(↑1)

 敏捷値 64(↑1)

 知力値 15

 筋力値 87

 生命力 87

 精神力 15

 スキル

 打撃 蹴り 噛付き 投擲 受け 回避 登攀

 平衡 投げ技 関節技 体当たり 激高 夜目

 掴み ダッシュ 跳躍 平衡 連携 物理抵抗[小]

 自己回復[極大] 耐即死 耐麻痺 耐魅了 耐暗闇

 毒耐性


テロメア バンパイアダッチェスLv26→Lv27(↑1)

 器用値 35

 敏捷値 61(↑1)

 知力値 60

 筋力値 35(↑1)

 生命力 35

 精神力 60

 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化

 気配遮断 宮中儀礼 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]

 自己修復[大] MP吸収[大] MP回復増加[小] 奇襲

 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 塵属性 溶属性 魅了 麻痺

 真祖化


折威 アークデーモンLv27→Lv28(↑1)

 器用値 28

 敏捷値 71(↑1)

 知力値 72(↑1)

 筋力値 28

 生命力 28

 精神力 71

 スキル

 杖 弓 爪撃 飛翔 浮揚 回避 呪詛 堕天 反響定位

 空中機動 魔力遮断 物理抵抗[小] 魔法抵抗[中]

 自己回復[中] MP回復増加[大] 変化 夜目 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性

 雷属性 木属性 溶属性 灼属性 魅了 耐魅了


赤星 スペクターロードLv26→Lv27(↑1)

 器用値 45(↑1)

 敏捷値 45(↑1)

 知力値 44

 筋力値 44

 生命力 44

 精神力 44

 スキル

 剣 両手剣 棍棒 重棍 小盾 重盾 重鎧 受け

 回避 夜目 雲散霧消 魔力遮断 物理抵抗[極大]

 魔法抵抗極大] MP吸収[大] 自己修復[大] 時空属性

 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性

 邪気


アリョーシャ グリフォンロードLv25→Lv26(↑1)

 器用値 29

 敏捷値 75

 知力値 29

 筋力値 60(↑1)

 生命力 60(↑1)

 精神力 29

 スキル

 嘴撃 爪撃 体当たり 飛翔 回避 掘削 空中機動

 遠視 広域探査 夜目 威嚇 強襲 隠蔽 危険察知

 気配遮断 騎乗者回復[微] 自己回復[中] 物理抵抗[中]

 魔法抵抗[小] ブレス 光属性 闇属性 火属性

 土属性 風耐性 毒耐性 耐麻痺


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、リグ、クーチュリエ、獅子吼、モジュラス、雷文

清姫、守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ルベル、虎斑

蝶丸、網代、スパーク、クラック


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