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《只今の戦闘勝利で【小刀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【看破】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『フローリン』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
最初は驚いたものだ。
でも調整は効く。
その後も未見の魔物がいなかった、というのもあるけどね。
悪い意味で慣れは無い。
どの相手も強いからだ!
今のウトガルド・ロキの分身達も実に強かった。
強いのは当然だが、より厄介にもなってます。
ウトガルド・ロキの分身の位置を捕捉するのがより困難になっている。
文句は無い。
戦闘時間を短縮出来ていないのはオレが悪いってだけなのだ。
フローリンのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。
フローリン ゴールデンバットLv23→Lv24(↑1)
器用値 56
敏捷値 80
知力値 32(↑1)
筋力値 45
生命力 45
精神力 32(↑1)
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲 隠蔽
追跡 監視 気配遮断 魔力遮断 自己回復[微]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] 吸血 猛毒 暗闇
混乱 麻痺 石化 忘却 催眠 高周波 毒耐性
耐即死 耐暗闇
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘイフリック』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
工夫の余地は?
ある。
それは単純明快、判断をより素早く行う事だ。
でも、ちょっと無理。
洞窟内部でしかもオレが前衛になっているからだ。
でも多少なりとも手段はある。
ヒントはモジュラスと清姫だった。
ショート・ジャンプで洞窟の天井へ跳び、戦場を俯瞰。
戦況を確認した後に奇襲。
後衛に立たずに支援を手厚くするにはこれしか工夫出来ない。
正直、迂遠だ。
でも有効なのも分かる。
全体攻撃呪文も同時に使い易いからだ。
天井が比較的安全地帯なのも影響している。
完全にではないけどね。
ヘイフリックのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
ヘイフリック バンパイアデュークLv23→Lv24(↑1)
器用値 44
敏捷値 50(↑1)
知力値 50
筋力値 44(↑1)
生命力 43
精神力 49
スキル
杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化
連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術 物理抵抗[大]
魔法抵抗[大] 自己修復[大] MP吸収[中] MP回復増加[小]
奇襲 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性
水属性 氷属性 魅了 真祖化
さて、フローリンとヘイフリックはここで交代にしよう。
召喚するのは赤星にモスリンだ。
まだまだ約束の時間まで余裕がある。
目指せ、ヴォルフのレベルアップ!
狩りの勢いのまま、意図的に鍛えているんだが。
そろそろレベルアップしないかな?
期待したい所です。
《只今の戦闘勝利で【重棍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【禁呪】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テイラー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
天井に張り付く手順が増えました。
無論オレだけでは天井に常時、体を支える事は出来ない。
ショート・ジャンプで天井へ、そこにモジュラスが仕掛けた糸を使わせて貰う形だ。
連携が問題ですけどね。
それにショート・ジャンプで跳び回るオレに対して攻撃を加え続けるような奴もいる。
今の鈴鹿御前がそうだ。
空中を飛び回る刀に剣は難儀な相手になってしまっている。
鈴鹿御前の後ろへ跳んでもみたんだが対応されているし。
どうも感知されているように思えます。
これもいい経験だと思う事にしよう。
ショート・ジャンプで奇襲するにしても全てに通用する訳ではなさそうだ。
テイラーのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1ポイント分のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。
テイラー ジュエルキャンサーLv23→Lv24(↑1)
器用値 45
敏捷値 54(↑1)
知力値 13
筋力値 99(↑1)
生命力 76
精神力 13
スキル
鋏撃 体当たり 堅守 回避 掘削 泡波 発光
隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[小] 物理抵抗[大]
魔法抵抗[小] 水棲 闇属性 水属性 火耐性
風耐性 土耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ペプチド』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
それにしても洞窟の強化が凄い事になっている。
まだ行き止まりがあった箇所に到達出来ていないのだ。
洞窟の構成は変わっていないのは確かだが、出現する魔物の強さが格段に違う。
数もやや多めだし、遭遇する機会も多い。
これはポータルガード抜きでの連戦はかなり厳しいだろう。
既に次の強化は進めてしまっている。
次の段階がどうなる事か、想像するだけで恐ろしい。
そして楽しみだ。
オレの求める強敵の条件に相応しい。
実に、いいぞ!
ペプチドのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1ポイント分のステータスアップは器用値を指定しましょう。
ペプチド ホーリースコルピオンLv23→Lv24(↑1)
器用値 70(↑1)
敏捷値 70(↑1)
知力値 18
筋力値 59
生命力 59
精神力 18
スキル
鋏撃 針撃 堅守 回避 掘削 振動感知 気配遮断
隠蔽 登攀 奇襲 監視 自己回復[微] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[小] 致死毒 麻痺 暗闇 時空属性 光属性
闇属性 火耐性 風耐性 土耐性 水耐性 毒耐性
ブレス耐性
では、テイラーとペプチドはここで交代だ。
待宵、キレートを召喚しましょう。
時刻は午前10時40分です。
もうちょっとだけ、粘ってみましょう。
1箇所だけでもいい。
洞窟の行き止まりだった箇所の様子を確かめてみたいものだが。
これでは望み薄であるかもしれない。
困った事だ。
《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【ロープワーク】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ちょっと今の相手はどうなんだろう?
フレイの化身、テュールの化身、ニーズヘッグの分身。
そしてラタトスクにグリンブルスティ。
恐ろしい事になっている。
何が、と言えばグリンブルスティだ。
突進するのはいいけど、洞窟の壁に何度も突っ込んでいる。
いや、突っ込ませているんだけど。
何しろ大型の猪の魔物なのだ。
洞窟全体が揺れるような衝撃が走ってます。
早めに溶岩風呂に嵌めた方がいい。
洞窟が崩落しかねない!
いや、折角の地下洞窟を掘り進めた土精霊の皆さんに申し訳ない。
壁呪文も使って突進の勢いを減らしダメージも与えているんだけどね。
まさに猪突猛進。
ゴーレム組でも止め切れないのだ!
出来るのは突進の方向を逸らす事だけです。
ある意味で戦車に繋がれていて幸運だっただろう。
別々の方向に突進されていたら対応が出来なくなる所だ。
実に危ない。
後衛の人形組が蹂躙されるかと思ったよ!
ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
ヴォルフ 大神Lv26→Lv27(↑1)
器用値 38
敏捷値 91(↑1)
知力値 38(↑1)
筋力値 52
生命力 52
精神力 38
スキル
噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威
霊能 霊撃 念動 隠蔽 追跡 夜目 気配遮断
魔力察知 自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 耐即死 耐魅了 分身
ヴォルフのレベルアップもあった。
そして金耀猪の肉も確保出来ている。
実入りは十分です。
時刻は午前11時20分だ。
少し早いけどN9u1マップのエリアポータル、神霊の宿木に移動しよう。
今の戦闘で金耀猪の肉を得ているのだ。
このまま昼食の材料にしてしまえ!
何、登り切った面々にご馳走してもいい。
結構な量になるけど、丸焼きであればどうにかなるかな?
そこはそれ、ナイアスに任せてしまおう。
おっと、その前に装備の修復はしておこうか。
召魔の森に跳ぼう。
ポータルガードの見直しは?
今回はこのままでいい。
時間が無い、というのが本音ですけどね。
結構、激しい戦闘があったから装備も結構ダメージを喰らっている筈だ。
修復は先に済ませておこう。
移動するのはそれからでも遅くは無い。
《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》
修復は終了だ。
時刻は午前11時30分。
約束の時間には十分に間に合う、よね?
布陣はどうする?
ヴォルフ、ナイアス、鞍馬、待宵、キレートにしました。
待宵は既にナイアスの姿を写し取っている。
料理の手伝いをさせるからだ。
無論、オレには料理の手伝いなどという大それた事は出来ない。
金耀猪の肉をそのまま焼くのに木材で色々と用意するのが関の山だ。
ではテレポートで跳ぼう。
下手すると既に登り切ってしまっているプレイヤーがいても不思議ではない。
遅刻ではない筈。
大丈夫、だよな?
N9u1マップのエリアポータル、神霊の宿木に到着。
プレイヤーの姿は今の所は無い。
早速だがナイアスと待宵には昼食の用意を始めて貰おうか。
メニューは単純。
金耀猪の肉を適当な木材で作った太い串で重ねて刺して、丸焼きにするのだ。
シュラスコもどきと言えなくも無い。
それにオレは料理をしません。
台無しになるからな!
ナイアスと待宵に任せてしまおう。
そして料理が出来上がるのを待つ間、対戦で過ごすとしよう。
相手はヴォルフ、鞍馬、キレートだ。
でも最大の敵は別に存在する。
肉だ。
肉が焼ける匂いだ。
既に香辛料の匂いが漂っている。
気を抜いてはいけない。
集中だ集中!
《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》
対戦を終えたら何故かもうギャラリーがいました。
どうも見覚えがあるな、と思ったら与作や東雲がいる!
生産職だってのに木登りが速くないか?
いや、おかしくはないのか。
樵であれば枝打ち等で木登りをする機会は多いだろう。
おかしいのは東雲だ。
ドワーフで石工だよね?
「無茶な対戦なのにキースが勝ってるのか?」
「召喚モンスターを3匹を同時に相手に対戦って凄いな!」
「いや、普段もこんな感じかな?」
「おかしいって」
こっちこそ突っ込みたい。
与作は職業柄、木登りは得意なのだろう。
ハンネスはまだ分かる。
東雲はどうなんだ?
おかしいでしょ?
「対戦の相手を頼みたいけど、いいかな?」
「え?」
与作が前に進み出る。
対戦ですか?
大会だとかなり長い間、直接対決をしていない。
団体戦でも、個人戦でもだ。
「無論、断る理由は無いよ」
「良かった。対戦の条件はどうする?」
「デフォルトでいいと思うよ」
「得物は無しで、格闘戦でいいかな?」
「筋力値も生命力も与作にはまるで及ばないと思う。多少、武技や呪文で強化するけどいいか?」
「ああ、いい。いや、キースが本気で武技と呪文を使ったらどこまで強くなるのか興味があるよ」
与作が思いっきりいい笑顔になっていた。
うらやましい。
オレもそんな顔で笑えるようになりたいぞ!
「格闘戦、だよな?」
「ああ、そうだな」
「結構、久し振りだ」
さて。
現時点で与作はどれ程の強さであるのか?
当然だけど大いに興味がある。
与作 種族Lv.58 人間 男性
ランバージャックマスターLv.25
待機中 戦闘位置:地上
【識別】してみた。
種族レベル58か。
上位陣と言えると思う。
でも問題はそこではない。
与作の格闘戦におけるベースは間違いなく柔道。
その技量こそが脅威なのだ。
与作の体格は?
普段、対戦で相手をしている鞍馬よりも小さい。
あの筋肉バカの魔神にかなり近いだろう。
想定、魔神と考えたらどう挑むべきだろうか?
いや。
ここは余計な事を考えなくていい。
殺伐としてしまう。
唯、対戦を楽しめたらいい。
それでいい筈だ。
「じゃあ」
「始めようか」
ダメだ。
自然と笑みが浮かんでいるのが分かる。
もう堪らん。
さあ、やろう。
殴ったり殴られたり。
蹴ったり蹴られたり。
投げたり投げられたり。
関節も極め合うものいい。
きっと楽しい事になるだろう。
『ヌンッ!』
「うおっ!?」
左腕を手繰られて一気に体が浮いた。
かなり変形だが袖釣り込み腰。
どうにか体を捻ってまともに地面に叩き付けられるのを避ける。
掴まえたら即、投げ。
徹底している。
それ故に拳は握り込んでいない。
殴り合い、という意味では物足りないか?
だが危険だ。
投げも関節もです。
着地した所で腹に向けて蹴りが飛んで来る!
蹴り足を前蹴りで受けながら距離を置く。
体格差は確かにある。
だがこれ以上の体格差のある相手は数多い。
それでいて、怖さがある。
手の内が画一ではない。
読めません!
『中々、通じないか』
「投げられてしまう訳にいかないからねえ」
与作の投げ技も一様ではない。
特に内股が鋭いのだ。
組んだと思ったらいきなり技が飛んで来る。
どうにか投げられないように耐えるのにも限界があるのだ。
小内刈りや隅返しへの変化も喰らっている。
どうにか寝技にならないようにするので精一杯だ!
でも他にも何かを狙っている気配がする。
立ち関節。
だがそれで終わるとは思えない。
どうも柔道技とは別の匂いがしていた。
僅かに、危険な兆候がある。
腕を擦り付けて来ていた。
投げの際に喉元に肘が当たる。
腹に膝を落として来る。
肘を極めたまま体重を掛けて来る。
こっちもそれなりに剣呑な返し方をしている。
三角絞めを狙ってみたり。
脇固めを狙ってみたり。
人中を突いてみたり。
顎の下に手刀を撃ち込んでみたり。
徐々にエスカレートしているかな?
いや、まだまだ。
金的を狙ったり目玉を狙ったりしていない。
まだ、温い。
それにプレイヤー同士の対戦だからこれ位までで済んでいるとも言える。
あの魔神との戦闘とはまるで違う。
溜まって行く何かが無い。
何が違うのか、上手く説明出来ない。
心地良く時間が過ぎてくれている。
痛みはあるというのに。
どうしてなんだろうね?
『どうする?』
「どうしようか?」
困った。
オレの動きは止まってしまっている。
そして与作も動きを止めてしまっていた。
互いに腕を絡めて投げと関節を狙ったまま拮抗。
そして漂うこの匂い。
実にスパイシーです。
いつの間にかナイアスと待宵が肉を焼く周囲にギャラリーが出来ていた。
それにアデルとイリーナも加わって昼食の準備が着々と進んでいる。
もう登ってきたのか!
そして観戦していたギャラリーも視線がこっちから逸れている。
まあそれも仕方ないかな。
こっちの対戦は千日手状態で塩漬けになってるし。
済みませんね。
いきなりしょっぱい展開になってしまって。
「昼食に、しようか」
「そうだな」
「続きはまた後日、という事で」
対戦結果はどうだったろう?
今のは途中で切り上げてしまったから有耶無耶だ。
その前は辛うじてオレの辛勝。
更にその前は与作の辛勝。
うーむ。
どうもお互いに楽しみ過ぎていた面は否めないな。
途中からプロレスみたいになっていたのは気のせいだろうか?
「あ、キースさん!」
「肉、そろそろいいんじゃないでしょうか?」
「そうみたいだな」
アデルとイリーナが小さな机の上に並べているのは食パンです。
ミオと優香がスライスしていて後は挟むだけだな。
それにしても、どうやって焼いた?
見ていると、どうも錬金術の短縮再現を使っているようです。
何という量産体制!
「遠慮なく皆に振舞ってくれ」
「了解!」
早速、肉の塊の表面が削られてパンに挟まれて行く。
最初の1つを手渡しされたのだが。
結構、ボリュームあるぞ?
まあもう1つは余裕で食えそうだけど。
この場合はサンドイッチでいいのかな?
ケバブサンドとどう違うんだろう?
まあどっちでもいいか。
「奢っちゃっていいの?」
「ええ。臨時収入があったんで。肉も無駄にする事はないでしょう」
「でも相当に豪勢な食事よ、これって」
フィーナさん達も片手にサンドイッチを手にしている。
半分、呆れているような雰囲気がある。
でも無意味ではない。
食欲もまた原動力になる筈なのだ。
「この肉が得られる場所がこっち側にあるんですよ」
「えっ?」
「場所はE2u1マップ、だな」
「ええっ?」
「ここがN9u1マップだから」
「遠いよー!」
確かに普通に移動するなら遠い。
でもテレポートがある。
案内するだけなら簡単だ。
そう、エリアポータルに案内するだけであれば、なのだが。
注意すべき事がある。
天空側の魔物はどれも手強い。
そしてその強さも一定しない。
徐々に強力になっているのは明らかなのだ。
「今、どれ位のプレイヤーが登り切っているかな?」
「ようやく半分って所かな?」
紅蓮くんが答えた。
その隣で九重と眠りダムーが夢中で食事をしている。
話を聞いていないのは明白だ。
「時間も時間だけど、何箇所かエリアポータルに案内しよう」
「それ、本当にいいの?キースが踏破した狩り場になるんでしょうに」
「独占するには広過ぎますから」
大丈夫です。
それにこれまでに散々稼がせて貰ってますから!
声には出しませんがね。
「木登りの途中で時間切れでログアウトしているのもいたなあ」
「ここでログアウトする予定のプレイヤーもいるでしょ?」
「それでも結構な数になるんじゃ?」
紅蓮くんもフィーナさんも気にしている様子です。
いや、全員というのは無いですよ?
テレポートを使えるプレイヤーを連れて行けば急速に広まってくれるだろう。
オレが期待するのはそこなのだ。
「出発は午後1時30分でどうでしょう?」
「時間的に厳しいにしてもメンバーはそれなりになると思うけど、大丈夫?」
「まあ何とかなります」
「人員、確認しておきましょう」
紅蓮くんが九重と眠りダムーを肘で小突く。
ようやく両者が気付いたかな?
「どうした?」
「えっと、何の話?」
「ちょっと手伝えって!」
「待て!食い終えてないんだ!」
そうか。
話は全く聞いてませんでしたか。
全ては食事が旨過ぎるのが悪い。
そういう事なのだろう。
「うわ!まだ残ってるかな?」
「遅かったか?」
「まだ、ありますよー!」
誰かと思ったらジルドレにカヤだ。
生産職の面々を引き連れての登場ですね。
序盤はドワーフが少なかったけど、今はかなり増えつつある。
やはり体が重たいのが影響しているのだろう。
優香がジルドレ達にサンドイッチを配布する。
このエリアポータルも一気にプレイヤーが増えていたものだが、今は減っているように見える。
一旦、ログアウトしているプレイヤーが多いからだ。
その分、テントの数が増えている。
「後続はどう?」
「最後尾を登って来たからね。これで最後かな?」
「後は途中でログアウトしている連中だな。明日以降、個別に登って来るだろう」
「概ね予定通り、でいいのね?」
ジルドレもカヤも頷く。
既にサンドイッチを食べるのに意識が向いてしまっている。
食欲、恐るべし!
「それにしても話を聞くだけで凄い所みたいね」
フィーナさんとサキさんと並んで座り込んでいるのはマルグリッドさんだ。
手元では何か作業をしている。
宝石の吟味、だな。
「まずは食材の在り処から案内しましょうかね?」
「金耀猪の肉?」
「ええ。でもそれだけじゃないですけどね」
そう。
N3u1マップではグリンカムビがいる。
鶏肉と鶏卵だ。
いや、金冠鶏の肉に金冠鶏の卵だ。
親子丼だ。
大量に確保するのは厳しいけど、食材として見逃せない。
ミオや優香だけでなくアデルやイリーナには特にそうだろう。
いや、料理スキルを持つ全員、見逃すべきではない。
大いに奮起して狩りを進める事になるだろう。
だが。
狩りの難易度はかなり高い。
生半可な相手ではないのだ。
「同行希望者、多くないかしら?」
「まあどうにかなるでしょう」
つい先日にユニオンを組んだ数とそう変わってません。
聞けばパーティ数にして20って所だ。
アデル達サモナー系プレイヤーも召喚モンスターを帰還させている。
実質的に連れてゆくメンバーは増えているのだが。
大丈夫。
きっと一緒に跳べるさ!
「えっと。口下手なので各マップの説明は上手く出来ません。実地で見て欲しい」
『実地で?』
「そう。どんな魔物がいるのか一通り狩って見せようと思ってます」
少しだけザワザワしているんだが。
だって説明するのが苦手なのは本当だ。
質問に答えるのであればまだ楽でいい。
どんな感じの魔物がいるのか、漠然と把握するだけでも意義はある。
いきなり実地で狩らせるのは少し控えよう。
王女殿下の場合と違って水晶竜やブロンズドラゴンはいないのだ。
「最初にここ、N9u1マップで天使を狩ります」
『天使?』
「次にE2u1マップに移動する予定です」
最初に跳ぶ先をE2u1マップにするのは当然だが金耀猪の肉が得られる場所だからだ。
次はN3u1マップにするつもりです。
金冠鶏の肉に金冠鶏の卵、ですね。
食材を得られる場所を優先する理由は?
実に分かり易い誘導ですね。
他にも理由はある。
共通してオーディンガードが出現する。
地形が全く異なるので戦い方が違ってしまうけどね。
さて、狩りの布陣はどうしようか?
ヘザー、獅子吼、シリウス、ジンバル、ビアンカにしました。
基本は地上で戦闘になる。
空中戦だと見え難いですからね。
「狩りの様子を見ている際はインビジブル・ブラインドを欠かさないように、頼むよ?」
『了解です』
紅蓮くんが代表して答える。
さて。
案内するマップは何箇所かあるけどね。
N6u1マップの太陽の神殿は避けよう。
アポロン神は寛容であるかもだか。
この人数で押し掛けると騒がしくていけません。
それに狩りにも注意したい。
オレも強くなりつつあるが、出現する魔物もレベル高めになっている可能性はある。
慎重に挑むとしましょう。
「では一通り案内を始めようか」
それではテレポートで移動だ。
ちょっと急ぎますよ?
同行する面々も普段以上に遅くまで付き合っていると思うのです。
時間を無駄にしてはいけません!
『い、今の魔物がグリンブルスティ?』
『戦車じゃないですか!』
「そうだな」
いや、オレとしては戦車に繋がれている方が狩り易い。
戦車を御している英霊、特にフレイの化身が面倒だけどね。
それに危険という意味で言えばスコルの分身の速度の方が脅威だ。
面倒、となると毒の状態異常が不可避のニーズヘッグの幻影がいる。
いや。
先刻のはニーズヘッグの分身になってましたけどね。
それに地形が森じゃないだけニーズヘッグの分身の脅威は半減以下だろう。
N3u1マップで遭遇する場合は要注意の相手だ。
『ユニオン組んであっても蹂躙されちゃいますよ!』
『壁呪文を駆使するしかないっしょ!』
『空中から襲って来るオーディンガードはどうする?』
早速だが悩み始める面々。
でもね、まだまだ序の口ですよ?
剥ぎ取った金耀猪の肉を見せると歓声が上がる。
でもこれは奢りませんよ?
何度も奢る訳にいかないですから!
「じゃあ次のマップに行こう」
『もうですか?』
「まだまだエリアポータルはあるからな」
そう。
まだ他にも案内しておきたい。
手助けするのは最初だけだ。
後は各々、大いに悩んで欲しい。
特に単独パーティで狩るのは大変ですからね?
それに次のマップは観戦の皆も戦闘に巻き込むつもりでいる。
いや、結果的に巻き込む事になるだろう。
グリンカムビだ。
あのニワトリの魔物が鳴くとエンチャント系の効果が全て無効化されてしまう。
インビジブル・ブラインドも例外ではない筈。
そして周囲の魔物を呼び寄せてしまうのだ。
前もって教えておいてもいいんだけど、教えてあげない。
単に観戦するのって面白くないですよね?
ちょっとしたサプライズ、という事にしておこう。
《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で職業レベルがアップしました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
『キースさん!』
『事前に教えておいてよー!』
「ああ、ゴメン。忘れてた」
うん。
大丈夫かな?
全員、無事みたいだ。
ならば問題ない。
観戦するにしても緊張感があった方がいいよね?
それに魔物が続々と襲って来る状況は美味しいのだ。
グリンカムビに武技と呪文の強化を無効化されるのが痛いだけだ!
基礎ステータス
器用値 44
敏捷値 44
知力値 66
筋力値 44(↑1)
生命力 44(↑1)
精神力 66
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で89ポイントになりました》
レベルアップもしました。
しかし久々にグリンカムビを使って魔物を呼び寄せた訳だが。
ショート・ジャンプがあると本当に便利です。
時間差はあるのは当然だが、連続で使えば広域をカバー出来る。
観戦していた面々に被害が殆ど無かったのも納得です。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv103(↑1)
職業 サモンマスターLv41(召喚魔法修師)(↑1)
ボーナスポイント残 89
セットスキル
小剣Lv75(↑1)剣Lv78(↑1)両手剣Lv73 両手槍Lv78 馬上槍Lv81
棍棒Lv75 重棍Lv75(↑1)小刀Lv75(↑1)刀Lv80(↑1)大刀Lv77
刺突剣Lv75 捕縄術Lv80(↑1)投槍Lv77 ポールウェポンLv77
杖Lv89 打撃Lv94 蹴りLv94 関節技Lv94
投げ技Lv94 回避Lv100 受けLv100
召喚魔法Lv103(↑1)時空魔法Lv89 封印術Lv87
光魔法Lv83 風魔法Lv83 土魔法Lv83 水魔法Lv83
火魔法Lv83 闇魔法Lv83 氷魔法Lv83 雷魔法Lv83
木魔法Lv83 塵魔法Lv83 溶魔法Lv83 灼魔法Lv83
英霊召喚Lv5 禁呪Lv86(↑1)
錬金術Lv74(↑1)薬師Lv17 ガラス工Lv24 木工Lv47
連携Lv81 鑑定Lv75 識別Lv81 看破Lv69(↑1)耐寒Lv78
掴みLv80e 馬術Lv81 精密操作Lv80e ロープワークLv80(↑1)
跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv76 登攀Lv60e
平衡Lv81
二刀流Lv78(↑1)解体Lv75 水泳Lv30 潜水Lv66
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 追跡Lv49(↑2)隠蔽Lv75
気配察知Lv75 気配遮断Lv75 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv60e 詠唱破棄Lv60e 武技強化Lv75
魔法効果拡大Lv74 魔法範囲拡大Lv74
呪文融合Lv74
耐石化Lv72 耐睡眠Lv72 耐麻痺Lv76 耐混乱Lv72
耐暗闇Lv73 耐気絶Lv80e 耐魅了Lv71 耐毒Lv80e
耐沈黙Lv72 耐即死Lv72
基礎ステータス
器用値 44
敏捷値 44
知力値 66
筋力値 44(↑1)
生命力 44(↑1)
精神力 66
召喚モンスター
ヴォルフ 大神Lv26→Lv27(↑1)
器用値 38
敏捷値 91(↑1)
知力値 38(↑1)
筋力値 52
生命力 52
精神力 38
スキル
噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威
霊能 霊撃 念動 隠蔽 追跡 夜目 気配遮断
魔力察知 自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[小] 耐即死 耐魅了 分身
テイラー ジュエルキャンサーLv23→Lv24(↑1)
器用値 45
敏捷値 54(↑1)
知力値 13
筋力値 99(↑1)
生命力 76
精神力 13
スキル
鋏撃 体当たり 堅守 回避 掘削 泡波 発光
隠蔽 夜目 気配遮断 魔力察知 自己回復[小]
物理抵抗[大] 魔法抵抗[小] 水棲 闇属性 水属性
火耐性 風耐性 土耐性 ブレス耐性
フローリン ゴールデンバットLv23→Lv24(↑1)
器用値 56
敏捷値 80
知力値 32(↑1)
筋力値 45
生命力 45
精神力 32(↑1)
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲 隠蔽
追跡 監視 気配遮断 魔力遮断 自己回復[微]
物理抵抗[小] 魔法抵抗[小] 吸血 猛毒 暗闇
混乱 麻痺 石化 忘却 催眠 高周波 毒耐性
耐即死 耐暗闇
ペプチド ホーリースコルピオンLv23→Lv24(↑1)
器用値 70(↑1)
敏捷値 70(↑1)
知力値 18
筋力値 59
生命力 59
精神力 18
スキル
鋏撃 針撃 堅守 回避 掘削 振動感知 気配遮断
隠蔽 登攀 奇襲 監視 自己回復[小] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[小] 致死毒 麻痺 暗闇 時空属性 光属性
闇属性 火耐性 風耐性 土耐性 水耐性 毒耐性
ブレス耐性
ヘイフリック バンパイアデュークLv23→Lv24(↑1)
器用値 44
敏捷値 50(↑1)
知力値 50
筋力値 44(↑1)
生命力 43
精神力 49
スキル
杖 剣 刀 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化
連携 二刀流 気配遮断 宮中儀礼 暗殺術 物理抵抗[大]
魔法抵抗[大] 自己修復[大] MP吸収[中] MP回復増加[小]
奇襲 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性
水属性 氷属性 魅了 真祖化
召魔の森 ポータルガード
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