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明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いいたします。

 ログインしてみると夜明け前である。

 いや、僅かに明るいか?

 星が美しく輝いているし、月も西の方向へ沈みつつある。

 どうやら快晴のようだ。



《運営インフォメーションがあります。確認しますか?》



 そんな朝に運営インフォ。

 件名を見る。



《統計更新のお知らせ:本サービス昨日終了時点データに更新しました!》



 そういえば前に来てた統計データはまるで見てませんでした。

 うん。

 後で目を通しておこうか。



 昨日は出来なかった荷物の整理をしてから師匠の家を出る。

 召喚は昼の陣容、残月、ヘリックス、黒曜だ。

 今日はフィーナさんの所に顔を出すことになっている。

 少々早いが、レギアスの村に向かおうか。



 朝焼けが綺麗だ。

 眼下にははぐれ馬の死体である。

 偶然の遭遇だったのだが、実に朝から運がいいようだ。

 はぐれ馬から皮と肉を剥ぎながらニヤニヤしてしまう。

 そういえば数日は自分で自由に時間が使える。


 攻略に行ってよし。

 依頼を受けてもよし。

 狩りに専念するもよし。

 うん、よし。


 コール・モンスターではぐれ馬をもう1頭追加で呼んで狩っておく。

 少しだけ時間潰しにつきあって貰った。

 はぐれ馬にはさほど苦労をしなくなってきている。

 暴れ馬はまだ1頭しか相手にしてないが、あれとも苦戦しなくなるようになるんだろうか?

 かつては、はぐれ馬1頭を狩るのに30分以上をかけていた時期もありました。

 そう考えると強くなっているのだろう。



 レギアスの村に到着するといつもの場所へと向かう。

 だがミオの屋台で料理を作っているのがいつもの面子ではない。

 アデルとイリーナだ。

 そしてミオと優香が屋台裏でなにやらゴソゴソと熱心にやっている。

 装備の点検のようだが。

 屋台は篠原が店番のようである。

 互いに目礼で挨拶を済ませた。


 アデルとイリーナの前に立って話しかける。


「やあ、二人ともおはようさん」


「おっはー」


「おはようございます」


「今日は何で?」


「料理番にしてお留守番です!」


「森の迷宮のボス戦にミオちゃんも優香ちゃんも行くんです」


「ゲルタさんの所は大丈夫なのか?」


「可愛い子には狩りをさせろってことで!」


「暫くは大会の後片付けがあるとかで数日は自由にしてていいそうです」


 それでか。

 以前から料理は手伝っていたし、これを機会に自由に腕を振るうつもりなのだろう。

 イリーナからキノコたっぷりの煮込み料理とパンを受け取って屋台裏に回った。


 

「皆さん、おはようございます」


「おっす!」


「おはようございます」


「森の奥のボス戦に挑むって?」


「おうともよ!遅れてなるものか!」


「もうはりきっちゃってて大変です」


 ミオは力が入りすぎだろ。

 優香が苦笑するのも納得だ。


 ミオが槍を振り回しかねないのでやや離れて席を確保する。

 朝食を片付けるとしよう。

 おっと。

 料理の【鑑定】はしておこうか。



【食料アイテム】キノコと野菜の煮込み 満腹度+35% 品質C+ レア度2 重量0+

 数種のキノコとたっぷりの野菜を豚骨スープで煮込んだ料理。

 非常に腹持ちがいい。



 なかなかじゃないの。

 パンと合わせて満腹度は40%を越えてきた。


 食事をしているとフィーナさんを始めとした生産職のギルドメンバーが次々と来た。

 初めて見る顔のドワーフもいる。

 鎧は革鎧、邪蟻の甲で強化してある。

 盾は表面を鉄板で覆ったゴツい代物で、腰に差しているのは槌だ。

 典型的なパワーファイターだな。


「どうも。おはようございます」


「おはよう。お話は互いに食事を終えてからにしましょ?」


「はい」


 オレの座ってるテーブルの対面にフィーナさんが座る。

 その隣にサキさん。

 オレの隣にはフェイが座った。


 人それぞれが食事を進める。

 先に食べ始めていたオレが当然ながら先に食べ終えた。

 ふむ。

 時間が余るか。

 統計データでも見てみよう。


 運営インフォからデータを取り出し仮想ウィンドウに表示した。

 生データの一番下を見る。

 総プレイヤー数は18,000人を少し上回る程度か。

 多くなったと言うべきなのだろうが、以前の話を聞いている手前、これでも少なく思える。


 次はサモナー職の数だ。

 49人に増えていた。

 いや、総プレイヤー数の増え方に比較するとあまり増えていないと見た方がいい。

 レムトの町でもたまに召喚モンスターを連れているプレイヤーは見かけるようになっている。


 そう考えるとこの場所にサモナーが3人いるってのはかなりの人口密度か?


 次だ。

 これまで同様、選択したプレイヤー数が少ない順番で職業を並べてみよう。

 こんな感じになった。



 ランバージャック(樵)3人

 グラスワーカー(ガラス職人) 5人

 ストーンカッター(石工) 5人

 セラミックワーカー(陶芸職人) 6人

 フィッシャーマン(漁民) 6人

 ラピダリー(宝飾職人) 8人

 ブリュワー(醸造家) 10人

 ファーマー(農民) 17人

 バード(吟遊詩人) 30人

 サモナー(召喚術師) 49人

 アルケミスト(錬金術師) 58人

 ファブリックファーマー(織物職人) 154名

 ファーマシスト(薬師)135名

 マーチャント(商人) 157人



 ランバージャックの少なさは相変わらずか。

 だが増えてくるのは間違いないだろう。

 なんと言っても大会に優勝したのがそのランバージャックなのだから。

 そういった意味ではフィッシャーマンも増えるだろう。

 フェイがプレイしているグラスワーカーが最下位グループになるかもしれない。


 では次だ。

 魔法スキルを複数習得しているプレイヤーを抽出した

 魔法技能の取得数別で絞り込んで多い順番に並べてみる。


 一番多く取得してるのは11種類。

 全体で1人だけだ。

 どこのバカだよ!

 オレだよ!

 次点が5種類とか!

 断トツですが何か?



 うん?

 11種、か。

 11種類目に取得したのは時空魔法だ。

 10種類目に取得したのが木魔法。

 木魔法を取得して有効化した次の瞬間に高速詠唱の補助スキルが取得可能になった筈だ。

 記録を呼び出して前後関係を確認してみる。

 確かにそうだ。

 条件は取得している魔法技能の数なのか?

 魔法技能を10種取得。

 ありえる条件に見える。


 いや、その前に称号の呪文目録を得ている。

 これも条件に加わっている可能性もあるだろう。


 そう考えると呪文目録だって9種目に雷魔法を取得して有効化した瞬間に得たものだ。

 魔法技能の数が9種類がトリガー?

 これはちょっと考え難い。


 別の条件ではなかろうか。

 ううむ、気になる。


「キース、お待たせ」


「はい」


「今日は私達のギルドメンバーは2チームで森の迷宮のボスに挑む予定なの」


「2チーム?」


「ユニオンを組んでクリアを目指すのが1チーム、それを支援する方で1チームね」


「へえ」


「新しい魔法の使用感も含めてテストもするわ」


「貴方はどうするの?」


「森の迷宮の先の探索に行って見ます」


「そう。そうね、それがいいわね」


 そして少し考え込むような様子を見せた。

 何かな?


「昨日に書き込みした件はかなり反響が大きいけど大丈夫かしら?」


「そんなにですか」


「キース、貴方も少しは掲示板の様子を気にした方がいいわよ?」


 フィーナさんがオレに笑いかける。

 そしてミオがオレを睨む。

 よしなさいって。


「昨日は話さなかったけど、高速詠唱のスキル。多分だけど条件に思い当たることがあるわ」


「奇遇ですね。さっきもその事を考えてました」


「貴方も?」


「ええ、多分同じ推測だと思いたいですが」


「じゃあ一緒に言ってみる?」


 頷いて同意する。

 フィーナさんも頷き返した。

 では。

 いっせーの!


「「魔法技能の数!」」


 ハモりました。

 お互いに笑顔になりました。


「でも高速詠唱は呪文目録を得た後って事になるし確定じゃないと思うわ」


「そうですね」


「それにその呪文目録の称号の方も心当たりがあるわ」


「そっちは良く分からなかったですね」


「魔法技能のレベル。その合計が30になった瞬間だったわね」


「え?」


 ハードコピーしておいた画面を見返してみる。

 確かに。

 雷魔法を取得して有効化した時点で魔法技能のレベルの合計はちょうど30になっている。


「そうなるとその先もありそうじゃないかしら?上位の称号とか」


「はい?」


「魔法技能レベルの合計が50か60あたりで何かありそうよね?」


 むう。

 確かに目録は最終的なものではない。

 免許皆伝ではないのだから。


 いや、この場合は違うか。

 上位って事になるとどういったものになるのかはちょっと想像がつかない。



「ではこれも掲示板に書き込んでおいた方がいいんですかね?」


「それはどうかしら?」


「え?」


「検証できる他のプレイヤーが現れるのはずっと先になるでしょ?」


「ええ、多分」


 統計データで見てもそれは明白だ。

 魔法技能レベル合計30は時間をかければ到達は先になるだろうが達成できるだろう。

 魔法技能10種の取得はボーナスポイントを注ぎ込めばいい。

 だがその負担は大き過ぎるように思える。

 高速詠唱の補助スキルの場合、この2つを満たす必要がある可能性だってある。

 検証だけでその負担を強いるのは如何なものか。


「情報の公開がプレイヤー全体の利益になりそうにない場合。そう思えちゃうのよ」


「考えすぎじゃないですかね?」


「そうならいいんだけど。最近、私の勘も当てにならないし。どうするかは貴方に任せるわ」


「はあ」


「それに当面は火と風、火と土でどんな魔法系統が出てくるかが注目。もし取得できたら教えて欲しい所ね」


 そこでフィーナさんが身を乗り出すように迫ってきた。

 机越しにだけど。


「ね?それよりも聞かせて欲しい事があるの」


 大人の女性のおねだりですか。

 大好物です。

 逆らえません。

 目が胸元にいっちゃいます。

 ミオの目付きが更に危険な感じになってきているがここは無視だ。


「何でしょう?」


「時空魔法の呪文、リターン・ホーム。使ったでしょ?」


「ええ」


「役に立ちそうなの?」


「レギアスの村の中ではダメでした。外ならいけます」


「で、使用感は?」


「MPはレベル3の攻撃呪文相当を使いますけど確かに移動が楽に済みますね」


「攻略組には垂涎の的だわね」


 そこへサキさんも加わってくる。


「フィーナが闇魔法を取ってくれたら楽なんだけど」


「サキ。私じゃそれこそ器用値が足りないわよ?」


「そこよね。補助スキルの連携はレベルアップ時のランダムっぽいし」


 議論が続く。

 確かに、転移するだけなら前衛職が時空魔法を取るのはアリだろう。

 後衛がMPを遠慮なく攻撃に回せるし。


 全員が食事を摂り終えた所でフィーナさんが号令をかけた。

 補足説明役はサキさんのようだな。


「今日は6名が森のボス戦に挑戦して、森守の証取得を狙います!」


「ではチームの確認ね。東雲が前衛中央、左右にミオとリック」


「後衛は不動、優香、レン=レンでお願い」


「優香とレン=レンはサブウェポンになるけど、ボス戦闘ではメインウェポンで戦って大丈夫」


「サポートチームは私とサキとフェイが前衛、篠原とヘルガが後衛で」


「昨日取得した新しい魔法のテストも兼ねます。相互に声掛けを忘れずに!」


「ここの露店と屋台はレイナ、それに臨時でアデルとイリーナに委任します」


 レイナ、アデル、イリーナが手を上げて了解の意思を示した。


「では各自、装備の点検を!リック!昨日得たアイテムの精算をお願い!」


「了解」


「回復丸の分と情報提供の分も忘れずに入れておいてね」


「承知してあります」



 リックは最初にオレの所に来てくれた。

 オレも売っておきたいアイテムは全部出しておく。

 昨日の獲物もあるが、今日の朝に狩った獲物もある。

 馬肉にはミオが目を剥いていた。


 金額はなかなかのものだろう。

 つか今までで一番多かった。

 あって困ることはないし、有難く貰っておこうか。


 アデルにもう二食分、煮込みとパンを貰っておく。

 煮込みを入れる器は錬金術で使う為に持っていた鍋だ。

 一番小さい鍋に煮込みを入れて貰い、大き目の鍋2つで保温するかのように入れておいた。

 そのまま《アイテム・ボックス》に放り込んでおく。

 今日は夕刻過ぎまで攻略に邁進する所存である。


 さて、行くか。



 今日の目標は森の迷宮の先だ。

 森の迷宮の西と南は様子を窺った程度であるが、先へ進める見通しが立っている。

 北はカエルに遭遇しただけで戦闘すらしていない。


 行って見たい。

 なんと言っても、師匠に連れて行かれた高原はその方向にあるのだ。

 スノーエイプが待っている。

 現時点でも苦戦は必至の相手だろう。

 だが今は戦ってみたい相手だ。

 ブランチゴーレムもまだ油断ならない相手だが、物足りなくなりつつある。

 暴れ馬は苦戦必至の相手だが、遭遇できるとは限らない。

 今のオレの力量ならいい感じで戦えると思うのだ。



 森の奥へと向かう。

 途中で残月で踏破するには苦しくなってきたので帰還させる。

 召喚したのは護鬼だ。

 途中、縞狸や暴れギンケイ(メス)に遭遇するが、問題はない。

 土魔法の呪文、ダウジングも効かせて行ったので黒曜石も少し見つけている。

 護鬼の矢の補充に使える。

 護鬼の矢はまだ十分にある筈だが、今は先を進もう。

 どっちにしても矢を自分でなんとか調達できるので心配することもない。

 そうだな。

 今日あたりからボチボチ矢の作成を進めておきたい。


 森の迷宮へと突入した。

 北へと抜けるには通路2つ分と広間3つだけだ。

 しかも広間の1つには魔物は出ない。

 ジェリコを召喚せずに突っ切る事にした。

 オレの視界はノクトビジョンで確保、ヘリックスは暫く戦闘に参加させないでおこう。


 北へ通じる広間に至るまで、キノコ5匹、キノコ4匹の群れと戦闘をクリアした。

 なんとも呆気なく進めたものだ。

 キノコ4匹に勝利した所でお待ちかねのレベルアップである。



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 うむ。

 ステータス値で既に上昇しているのは器用値だった。

 任意ステータスアップは知力値を指定する。



 護鬼 鬼Lv2→Lv3(↑1)

 器用値 18(↑1)

 敏捷値 13

 知力値 10(↑1)

 筋力値 17

 生命力 17

 精神力 11


 スキル

 弓 手斧 小盾 受け 回避 隠蔽



 これでいいか。

 次は知力値を精神力と同じ11に揃え、それから他のステータスを揃えに行くことにしよう。

 それにしても器用値が高いな。

 弓矢を使わせてるせい?

 そんな気がしないでもないが。



 森の迷宮を北へ。

 緑の回廊を抜けていく。

 太い蔦の絡みつく山の斜面に到達した。

 ここを登って行くか。



 ここでの頼みの綱は空中を飛び回る鷹のヘリックスとフクロウの黒曜だ。

 足場が悪すぎて地上を駆け回る召喚モンスターでは心許ない。

 オレ自身は登攀の補助スキルがあるせいか、どうにか先に進む事ができている。

 掴みの補助スキルも効いているかもしれない。

 当然、ロッドは手に持たず《アイテム・ボックス》行きだ。


 そして護鬼だ。

 木登りの連続ではあるのだが、護鬼は難なく付いてくる。

 足だけで姿勢を確保してしまうのだ。

 つまり、木登りをしながらも弓矢を使う事ができている。

 何気に凄いな。


 だが魔物はこっちの都合などお構いなしである。

 最初に遭遇した魔物は以前に見たカエルじゃなかった。

 こんな奴である。



 ウッドスラッグ Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ状態



 ナメクジでした。

 ヌルヌルだ。

 木登りの最中で両手が塞がっている。

 出来ることは片手で払う程度しか出来ないだろう。


 護鬼が両足だけで体を固定して矢を放った。

 器用だな。

 そして直撃するのだが、HPバーはまるで減らない。

 ヘリックスも黒曜も攻撃を加えているのだがまるで効いてるように見えない。

 僅かに減ってはいるようなのだが。


 物理攻撃が効き難いって事か。

 ナメクジならばその体の大部分が水だ。

 家庭ではどう駆除するか。


 塩をかけるのは定番だ。

 浸透圧の変化により水分が失われて死んでしまう。

 だが生憎、手元に塩はない。


 オレのお気に入りの駆除方法はどうだろう。

 太陽光の元で熱せられた鉄板の上に乗せるのだ。

 悶えるようにその身をくねらせる様は楽しいものだ。

 しかしここにはそんなものはない。

 そもそも木陰の下だし。


 ではどうする?


 選択肢は2つ。

 火で燃やす。

 凍らせて砕く。


 いかん、もうオレの目の前に迫っている。


 右手に雪豹の隠し爪を握りこむ。

 目の前の魔物に突き刺し、払いのけるように切り裂いた。

 どうだ?


 ダメージは少しだけ通ったようだ。

 そしてその動きは急激に鈍くなる。

 マーカーを見ても状態異常に陥っている事が見て取れた。


 いけるか?


 突き刺した箇所をもう一度、右手で殴ってみる。

 隠し爪の先が僅かに突き刺さった。

 引っ掻くように薙いでやる。

 ダメージはあるものの、芳しくはない。


 オレの頭上を飛び越えるようにしてヘリックスが嘴で凍った箇所に突っ込んだ。

 間髪を入れず黒曜も突っ込んでいく。

 どうだ?

 これはダメージが大きかった。


 凍った箇所で割れていくように魔物は動くのを止めたようだ。

 なにこれ、弱い?


 だが待って欲しい。

 物理攻撃がまるで効かないとなれば、魔物としてはかなり厄介な相手だ。

 スライムと同様だ。

 雪豹の隠し爪が効いて良かった。


 次は氷魔法の呪文を試してみようか。

 フリーズ・タッチだ。

 動きが鈍いのであれば有効に使えるかもしれない。


 剥ぎ取りナイフを突き立てようかと思ったのだが、魔物は跡形もなく消えてしまっていた。

 なにそれ?

 困ったものだ。



 蔦を登って行くのだが、その勾配がやや緩やかになった。

 絡んでいる蔦がかなり太くなってきている。

 手を使わなくても登っていけるようになってきた。

 所々では手を使う事にはなっているが、遥かにマシになりつつある。


 方位は大丈夫か?

 雷魔法のマグネティック・コンパスを使う。

 周囲が見渡せる場所を求めて登り続けていたのだが、北方向に向かっているのは確かなようだ。

 コンパスの表示をやや小さくして先に進む。



 そしてまたナメクジが来た。

 レベルはまたも2とさっきと同じだ。

 今度は氷呪文を試そう。


 召喚モンスター達には待機させておき、呪文を選択して実行する。

 呪文詠唱が終わって手をかざそうと近寄った瞬間、ナメクジが何かを吐いた。

 液体だ。

 だが間合いがまだ離れていた事が幸いしたようである。

 足場もさっきよりも全然良いのも影響しただろう。

 回避できた。


 呪文は幸いファンブルしなかったので、そのまま発動させよう。

 ナメクジの体スレスレにまで手をかざして呪文を放った。


「フリーズ・タッチ!」


 ナメクジの表面が凍っていく。

 明らかに隠し爪よりも範囲が広い。

 同時に召喚モンスター達をけしかけた。


 ヘリックス、黒曜と攻撃を加えた所で魔物の体が真ん中で砕けた。

 護鬼も矢を放ったが、既に魔物は屠られた後だ。

 弱い。

 弱いが面倒な相手だ。


 またも魔物の体が消えてしまうが、そこに何か石のような物が残されていた。

 拾い上げて【鑑定】してみる。



【素材アイテム】奇陳石 原料 品質C レア度2 重量0+ 

 薬石。一般的に毒消しとして使われる。

 通常は粉末状に砕いて服用する。敏捷性と知力値を阻害する副作用がある。



 毒消し効果だ。

 傷塞草と同じパターンか。

 《アイテム・ボックス》に放り込んでおく。


 このアイテムが意味する所は何か。

 単純明快であろう。

 毒攻撃を持つ魔物がいる、という警告だ。


 そういえばここには他にもカエルがいた筈だ。

 ああいった両生類は気を付けた方がいい。

 警戒すべきだろう。


 立ち去ろうとして足元を見たら煙を上げている場所がいつの間にかある。

 いや。

 その場所は魔物が吐いた液体が落ちた場所だ。

 まさか。

 酸?



 回避できてて良かった。

 本当に、良かった。

 


 太い蔦を更に辿って行く。

 いくつかの地点では蔦を変えて登るために飛び移る事もあった。

 で、レベルアップしてくれる補助スキルもあったりする。



《これまでの行動経験で【跳躍】がレベルアップしました!》



 跳躍、か。

 そんな事よりまだここを突破できないのか。

 かなりの高さまで登っている気がするんだが。


 再び傾斜がキツくなろうかといった所で魔物が現れた。

 今度はナメクジではない。

 あのカエルだ。

 【識別】してみよう。



 ツタガエル Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ状態



 間違いない。

 以前、遭遇はしたものの戦闘しなかった相手だ。


主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv8

職業 サモナー(召喚術師)Lv7

ボーナスポイント残7


セットスキル

杖Lv6 打撃Lv4 蹴りLv4 関節技Lv4 投げ技Lv4

回避Lv4 受けLv4 召喚魔法Lv8 時空魔法Lv1

光魔法Lv4 風魔法Lv4 土魔法Lv4 水魔法Lv4

火魔法Lv3 闇魔法Lv4 氷魔法Lv1 雷魔法Lv1

木魔法Lv2

錬金術Lv4 薬師Lv3 ガラス工Lv3 木工Lv3

連携Lv6 鑑定Lv6 識別Lv6 看破Lv2 耐寒Lv3

掴みLv5 馬術Lv5 精密操作Lv6 跳躍Lv3(↑1)

耐暑Lv3 登攀Lv3 二刀流Lv3 精神強化Lv3

高速詠唱Lv2


装備 カヤのロッド×2 カヤのトンファー×2 雪豹の隠し爪×3 

   野生馬の革鎧+ 雪猿の腕カバー 野生馬のブーツ+

   雪猿の革兜 暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 老召喚術師の弟子、森守の証、中庸を望む者

   呪文目録


召喚モンスター

ヴォルフ ウルフLv6

残月 ホースLv4

ヘリックス ホークLv4

黒曜 フクロウLv4

ジーン バットLv4

ジェリコ ウッドゴーレムLv3

護鬼 鬼Lv2→Lv3(↑1)

 器用値 18(↑1)

 敏捷値 13

 知力値 10(↑1)

 筋力値 17

 生命力 17

 精神力 11

 スキル

 弓 手斧 小盾 受け 回避 隠蔽

戦鬼 ビーストエイプLv1


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