663
本日ラスト、更新6回目です。
5/7からは0時更新に戻ります。
では早速移動だ。
時刻は午前6時30分になっている。
王女殿下一行は朝食は摂り終えているのだろう。
すぐにでも移動は可能の筈だ。
E9u1マップのエリアポータル、神霊の泉に跳ぼう。
これで一旦は区切れると思いたい。
そんな期待があるのでした。
神霊の泉に到着。
やや小雨模様であったのか、雨の匂いがしています。
まあそれは問題あるまい。
ここには建物が幾らでもあるのだ。
水晶竜とブロンズドラゴンは濡れてしまっただろうけどね。
実際にオレの目の前にいる水晶竜とブロンズドラゴンの表皮は濡れている。
それがまた妖しい輝きに通じているみたいです。
綺麗だ。
不謹慎かもしれないけどね。
『おお、来たか』
『連絡を受けておる。だが王女はどうかな?』
「何か問題が?」
『狩りに行くつもりで準備を進めているのでな』
そこは水晶竜かブロンズドラゴンの方で先に連絡しておいて欲しかった。
一旦、古竜の巣に戻るとか、きっと不機嫌になるに違いない。
何となくだけど、師匠は王女殿下には安全な場所でおとなしくして欲しいようだし。
ジュナさんはかなり違うようですけどね。
煽っているような所もある。
どうなっているんだか。
まあ、アレだ。
説得するしかないのかな?
苦手なんですよ、説得って。
魔人相手にも上手く説得出来た試しがないのだ。
場合によっては強硬手段?
まあそこまではしたくないんですけど。
お願いだから、おとなしく付いて来て欲しい欲しいものです。
「オレニュー様が、ですか?」
「金紅竜も、ですね」
「そうですか」
王女殿下は思案顔だ。
金紅竜と王家の関係はかなり深いと見て金紅竜の名前を出したのですが。
それが良かったのかもしれません。
最初は明らかに不審そうにこっちの様子を窺う雰囲気があった
だが今はおとなしいものです。
「承知致しました。参りましょう」
「では、移動しましょう」
頭上を見上げると水晶竜とブロンズドラゴンが覗き込んでいる。
慣れてきてはいるんだけど、それでも圧迫感が凄い。
エサになっているような気分になる。
出立の準備は終わっている。
いや、狩りの準備を進めてあったと言うべきだが。
口では承知と言っているけど、サビーネ王女にはどうも残念そうな雰囲気がある。
狩りをする事が習い性になってきていたからな。
ある意味でオレの薫陶が染み付いてしまっているのかもしれない。
これは洗脳ではない。
洗脳ではない筈だ。
だからオッケーだ。
『惜しいな』
『まあ良いさ。また来る事もあろう』
水晶竜もブロンズドラゴンも名残惜しそうな雰囲気がある。
その点では王女殿下も同様であるかもしれないな。
こっちに出現する魔物はどれも強い。
厄介でもある。
戦いを楽しめる、という点ではやはり違いがあるのだ。
「ところでこっちに跳べそうなので?」
『同族が誰もおらぬのでは無理なのである!』
『ここに巣を作れば良いのだがな』
ふむ。
天空マップ側にドラゴンの縄張りが出来るのはちょっと困るな。
今すぐは、ですけど。
狩り場を独占しているような状況はいずれ崩れるのは承知している。
もう少し、ここで稼ぎたい気持ちがあるだけだ。
召魔の森の地下洞窟だってあるけどね。
空中戦と海中戦、本格的な騎乗戦は無理なのだ。
もう少し、オレにとっていい狩り場であって欲しい。
この天空側のマップだが、まだまだ未見の場所が残されている。
そして地下側のマップは殆ど未踏破に近い。
もっと楽しい狩り場があっていいと思う。
全然、探索は進んでませんけどね。
区切れるようなら探索もしたい所だ。
召魔の森の地下洞窟にしても拡充に時間が掛かるだろう。
でもね。
魔人の軍勢が出没しているのが気になる。
あいつ等を全部、始末してからじゃないと行けませんよね?
違うな。
魔人とその引き連れている魔物なのだが、いい経験値稼ぎになる。
特に名前持ちの魔人にニュートドラゴン。
キムクイガーディアン・スレイブもですね。
逃す事はないのだ。
古竜の巣に到着。
谷の入り口には門番であろうフォレストドラゴンとブルードラゴン。
水晶竜と比較したら魔力でも威容でも同格に思えるが、その態度は異なる。
丁寧過ぎる程だ。
ここまで同行していたブロンズドラゴンとはかなり違う。
谷の底から上空を見る。
こっちもだ。
上空をドラゴンとグレータードラゴンが編隊を組んで飛んでいる。
その全てが黄色マーカーだ。
『免礼。場所は深遠か?』
『はい』
『我が主は?』
『翡翠竜殿は既に深遠におられます』
頭上で会話が飛び交う。
もう何が何やら。
明確なのは例の深遠だ。
紫晶竜の元に金紅竜や翡翠竜といったドラゴンが集結しているのだろう。
凄まじい事になっている筈だ。
そこに師匠もジュナさんも来るとか。
世界を滅ぼせるんじゃね?
プレイヤーの視線は当然だけど痛い。
でも気にしていられません。
深遠に向かえば気にならなくなるだろう。
深遠の入り口にいた門番役のエルダードラゴンの前を通り過ぎる。
誰何は無い。
その一瞥に恐怖するだけだ。
そして深遠となる広場は予想を超える様相となってました。
中央に紫晶竜。
その脇に黄晶竜にエルダードラゴン。
オレから見て右側に翡翠竜と蒼玉竜。
左側に翠玉竜。
広間の中には僅かな明かりしかない筈なのに実に煌びやかだ。
これに金紅竜、柘榴竜、黒曜竜、白金竜も加わる筈。
凄い光景になるのは間違いない。
水晶竜とブロンズドラゴンはオレの後方、広間の入り口の両脇で控えるようだ。
騎竜となるドラゴンもです。
アイソトープがそんな様子を見回して気にする様子を見せていた。
落ち着きなさいって。
紫晶竜の目的はお前さんではない。
サビーネ王女の筈だ。
そして紫晶竜の目の前にサビーネ王女が進み出る。
丁寧に一礼。
やはり王族、見事なものだ。
『ゆるりとするがいい。まだ揃っておらぬ故、な』
「はい」
そう言う紫晶竜だが。
サビーネ王女の様子をじっくり観察しているような節がある。
それはサビーネ王女にだけではない。
他の竜騎士にもだ。
オレには視線が飛んで来ないのは有難いかな?
正直、剣呑であるのです。
それにしても、だ。
師匠達はまだ到着していない。
気になる。
次のお題はあるんでしょうか?
あるようなら魔人相手に暴れるようなのがいいです、師匠!
『おお、来たか』
『遅れて申し訳ない』
『いや、良い。それにこうして揃うのは久しい』
『お互いに健在であるのは承知だが、こうして逢う事にも意義があろう』
金紅竜、柘榴竜、黒曜竜、白金竜が到着。
飛び交う会話は何かに似ている。
この雰囲気はまるで同窓会だ。
そして同行していたのはクラウドドラゴンにブラックドラゴン。
各々、水晶竜とブロンズドラゴンの隣の位置に控える形になる。
最後に現れたのは師匠とジュナさんだ。
それにギルド長の姿もある。
師匠もギルド長もやや緊張の面持ちであるのだが、ジュナさんは普段通りのようです。
これで出席者は揃ったのかな?
オレだけだ場違いに思えてしまうのですが。
「ご苦労であったな」
「いえ。ところで席を外してもいいでしょうか?」
「いや、ここで待て。少し付き合ってくれんかな?」
「はあ」
えっと。
王女殿下一行をここに連れて来るだけじゃダメなんですかね?
師匠にはまだ何かオレに用件があるらしい。
出来れば狩りに行きたい所なんですけど。
体が、疼く。
疼いてしまう。
ああ、早く殴ったり殴ったり殴ったりしたい!
『何度、誓約と盟約を重ねようと基本は変わらぬ。互いの誠意の上で成り立つ』
「はい」
『王女よ。汝の先人もまた然り。何よりも自らに誠実であり続けた』
王女と会話をしているのは金紅竜。
その問答の様子を皆が見守っている形だが。
何かの儀式なのか?
オレはと言えば半ば以上、聞き流していました。
それに眠くなっているような感覚すらある。
大学の講義が眠いのと一緒だ。
身が入らない。
だって他人事だし。
『汝と共に戦う事は是としよう』
『禍根は断たねばならぬ』
「されどこれまでの誓約と盟約は?」
『新たに汝と結ぶ事になろうな』
『だがこれは一種の呪いに近い』
『我等の眷族全てが誓約と盟約に従う。これに見合う行動を汝に求めるのだ』
『並ではないぞ?』
ドラゴン達の視線の前でサビーネ王女は怯む様子は無い。
だが既に覚悟はあったようだ。
「我が身は元々、誓約と盟約に捧げております。何を躊躇する事がありましょうか?」
『是であるか』
「生まれながらの義務も果たすのみです」
『我等も同じ』
『眷族の守護は義務である』
『それ故にかつて、汝の先人達と交誼があり、誓約と盟約へと繋がったのだ』
『それを悪用する輩が出た事は残念であるな』
悪用、ね。
それは王弟の事であるのだろう。
オレの勝手な解釈だが間違っていないと思う。
『話はここまで。新たなる誓約と盟約は汝と共に』
紫晶竜はそう宣言すると前に進み出る。
顔を王女に近付ける。
食うつもりじゃないよね?
『だが古き誓約と盟約に反した者を断罪せねばならぬ。残念であるがな』
「王の身は?」
『審判は要るであろうがな。王弟の身に是非は無い』
『汝なれば分かるな?』
「承知しております。同じ血を引く身であるのですから」
王女が腰の剣を抜く。
目の前で捧げ持つと、高らかに宣言した。
「誓約と盟約を破りし咎人に、その罪に相応しき罰を与えましょう!」
『それもまた誓約と盟約のうち』
『汝の行動を以って証として認めるとしよう』
ドラゴン達の体から発する魔力が僅かながら上がったようだ。
それでも目に見えて変化がある。
広間の中が光に満たされて行く。
互いの発する光が増幅されているのか?
『小さき賢者達よ。汝等に異議はあるかな?』
「知っての通り、私達の寿命は短いわ。子々孫々に誓約と盟約を課すのはいいけど守るのは至難」
『汝に限っては例外であろうがな』
『まあそれはいい。』
『汝等にも期待しようか』
そこにいるのはジュナさんに師匠にギルド長。
良かった。
オレは含まれてません。
そこに間違いは無い。
待て。
紫晶竜の視線がオレを貫く。
何だろう、ちょっと剣呑な雰囲気が漂う。
いや、ちょっとじゃねえ。
かなり剣呑だ。
『そなた達も見込んだものだな』
紫晶竜が周囲のドラゴン達を見回す。
何を見ていたのかは、分かる。
称号だろう。
『まあ良い。汝にも期待はしておこうか』
「はあ」
こう言ってはアレだが。
茫洋とした期待をされても曖昧に答えるしかないよね?
言葉尻を捉えられても困るし。
しかしこの紫晶竜、怖いな。
もう少し控え目な雰囲気で応対して欲しいものです。
「これからどうなりますか?」
「王城に対して攻めに回る事になるじゃろうな」
「私とオレニューちゃんはサビーネちゃんの護衛に回るわ!」
『我もだな』
『そうなると我も、という事になるであろうよ』
王女の護衛に師匠にジュナさん、水晶竜にブロンズドラゴンか。
オレがいたって活躍出来る余地が見出せそうに無い。
これじゃ同行する意味は無いな。
「だが王城の結界は堅いのでな」
「そこは工夫せねばならぬ」
「潜入して結界を破壊せねばなるまい」
潜入?
結界の破壊って石版があるんでしょうか?
でもね。
魔人の指輪を使えば楽じゃありませんかね?
「魔人の指輪は?」
「使えたらいいんじゃがな」
「私達だと指に嵌めたら壊れちゃうのよねー」
うん。
魔人の指輪にはダイヤが嵌っている。
勿体無い!
かと言って魔素抽出したら砕けてしまうのだろう。
それに、だ。
折威は長く使っているけど、問題行動はここまで無い。
オレにだってない。
なら、使っちゃっていいんじゃないかな?
「キース様は?」
「色々と所用もありますので」
「これ、お前さんにも王城攻略に参加して欲しいんじゃがな」
ギルド長に釘を刺されました。
えっと。
参加ですか?
もしかして指名依頼ですか?
実入りが少ないと困りますよ?
「何、王城まで行けとは言わんよ。魔人狩りじゃ」
「魔人には出来るだけ減らして欲しいのでな」
「特に名前持ちは、じゃがな」
ほう。
依頼ですね?
そうですね?
指名依頼じゃなくてもいい。
稼げたらそれで本望です。
「まあお前さんであれば独自に動く方がええじゃろ」
「助かります。その方が気が楽でして」
「ふむ」
まあね。
同行者がいると色々と配慮しなきゃいかんのです。
結構、大変でしたよ?
師匠達とは谷の入り口で分かれる事に。
いや、ギルド長の姿はこの場で消えてしまう。
幻影であったようだ。
断じてテレポートで跳んだのではない。
全然、気付かなかったな。
オレもまだまだ、鍛錬が足りていないようだ。
「こ奴はどうでしたかな?」
「色々と世話になりました」
『中々、興味深い体験であったな』
話題にされているのはオレです。
まあ、何だ。
サビーネ王女の意思は尊重した、と思います。
水晶竜の要望にも出来る限り沿えたと思う。
本音の評価は本人のいない場所でお願いしたい。
それにはさっさと退散すべきだろう。
「では、ここで」
「お待ちを、キース様」
サビーネ王女が右手を差し出している。
ふむ。
握手と見せて関節を極めるのが狙いかな?
まあそんな事は無いと思いたいけど。
《称号【王家の剣指南者】を得ました!》
「オレニュー様からは宮廷魔術師にどうかとも言われていたのですよ?」
「え?」
「むしろ剣指南役の方でお願いしたくあります」
「ご冗談を」
だが。
称号はどう見ても魔法関係で得た代物ではない。
剣指南者?
待て。
待ってくれ!
格闘指南じゃダメですか?
上空を見ると竜騎士達が駆るドラゴン達。
水晶竜にブロンズドラゴンもいる。
ゆっくりと古竜の巣の周囲を周回していた。
「本気で王城を奪回、ですか」
「危険ではあるんじゃがな」
「魔神、ですね?」
「王弟など飾りであろうよ」
師匠は難しい顔付きのままだ。
魔神、か。
ジュナさんと戦ったらどうなんだろう?
予測が出来ません。
「それに難民の事もあるがな。王家直属の兵も大部分の行方が知れん」
「ほう」
「全く難儀な事ばかりでな。おとなしくして頂きたいのじゃがな」
師匠はロック鳥を召喚。
王女殿下一行を追う事にしたようだ。
さて、オレはどうする?
護国谷周辺で魔人を狙うのもいいけどね。
別方向から状況を見に行ってみようか。
跳ぶ先は港町サリナス。
N1E9マップのエリアポータルだ。
あれ?
転移先に港町サリナスが指定出来ません。
指定しようとしても、出来ない。
どうしたものか。
仕方ない。
護国谷にしましょうか。
そこから南下、N2E12マップを迂回しながら偵察してみるとしよう。
蒼月に騎乗しての移動だ。
出来なくは無い。
戦闘が無ければの話ですけどね。
ニュートドラゴンは怖い。
名前持ちの魔人以上に危険だ。
だが、同時に美味しそうでもある。
何だったら王城に一気に迫ってもいいのだが。
うん。
それ、いいな!
戦う事を無視して王城の上空をフライパスしてみようか?
宣戦布告も兼ねて、相手の戦力を見極める事になるかも知れないし。
そうだな。
そうしましょう。
どうせなら魔神の顔も拝んでおこうか。
忘れてません。
オレを一気にステータス異常に追い込んだ件は、忘れてません。
忘れようが無い。
【英霊召喚】の保険ならあるのだ。
太公釣魚を使えばどうにか対抗出来ませんかね?
護国谷に到着。
周囲には護国谷を守っているであろうドラゴン達がいる筈。
魔人の軍勢が攻め込めるような状況ではあるまい。
この周辺で狩りは止そう。
効果的ではないからな。
やるのであれば王城があるN2E12マップの南側がいい。
後方から拠点を脅かす事にもなるかもしれません。
嫌がらせとも言う。
まあ南側にもテレポートで跳べるエリアポータルや中継ポータルがあればいいんだけどな。
蒼月に騎乗してN2E12マップを南下してます。
周囲にグリフォンもヒッポグリフも見掛けない。
地上戦力は分からないけどね。
まあ、いいさ。
このまま南下して王城の上空を通過しよう。
問題があるとしたら高度をどうするかなんだが。
高度が上だと地上の様子は把握し難い。
かと言って低空から領空侵犯となると全容が把握出来ません。
どっちにしてもスパッタの目を借りる事が出来るけどね。
ここは高度を上げてみよう。
理由は単純、天気がいいからだ。
それに風も気持ちいい。
高度を上げたら寒くなるけど、それも享受しよう。
領空侵犯の基本なのだ。
N1E12マップに突入。
地上にいる魔物を幾つか把握してはいる。
まあ無視だ。
地上戦力であろうビッグホーンリザードやトライホーンリザードは残念ながら眼中に無い。
魔人が騎乗している可能性はあるけどね。
フライパスが優先だ。
そして期待していた光景はまだ目にしていない。
ビートルドラゴンにスタッグドラゴン、ニュートドラゴン。
グリフォンもヒッポグリフもだ。
当然、騎乗している魔人もです。
名前持ち、歓迎致します!
名前持ちのドラゴンに魔神はどうする?
そこはそれ、遭遇してから考えよう!
時刻は?
午前9時20分です。
いい天気だ。
但し、後方を見ると赤いマーカーが追い掛けている。
こいつらさえいなければ、ねえ?
観光気分でいられません。
((((((((((((((ディストーション・ジャベリン!))))))))))))))
後方に向けてディストーション・ジャベリン14連装。
無論、これで怯むような戦力ではない。
ビートルドラゴンにスタッグドラゴンの群れになっている。
恐ろしいのはその中にニュートドラゴンも含まれる事だ。
並ではない。
全部数えてないけど、ドラゴンだけで50頭はいる。
まあ気にしておかないといけないのはニュートドラゴンだ。
2頭だけしかいない、とも言える。
だが2頭がこれだけの戦力を率いているとも言える。
真正面から戦える戦力じゃねえ!
そして別口で魔人がいる。
グリフォンとヒッポグリフに騎乗してこっちに迫ろうとしているのだが。
こっちの頭上を取ろうと肉薄している。
でも残念。
速度でも機動力でもこっちが上なのです。
オレの布陣でアイソトープも躍動している。
でも、本格的な反撃はダメ。
もう少し粘って貰おう。
眼下にそろそろ、王城が見えてくる筈。
そこの空中対応の戦力がどれ程のものであるのか?
興味がある。
あまりに高い速度で移動しているからドラゴン達のブレス攻撃も背後から襲って来ない。
問題は前方から交錯する場合だ。
まあ壁呪文もある。
仕留める事を意図していないのだから凌ぐだけでいいのだ。
前方からまた追加の戦力が迫っている。
ビートルドラゴンにスタッグドラゴン。
グリフォンに騎乗している魔人もいるようだ。
名前持ちかどうかは不明。
まあ持っていてもスルーですけどね。
こいつ等には注意だ。
ブレス攻撃が飛んで来るだろう。
攻撃呪文もです。
まあそこはお互い様ですけどね。
「迅雷!」
((((((((((((((フォース・ブラスト!))))))))))))))
今度は前方に向けて亜氷雪竜の投槍で魔人を狙う。
武技の迅雷はついでだ。
投槍の武技で雷撃を纏う攻撃で、投擲速度が凄い!
射程も長いけど、命中精度はスナイプ・スローに及ばないのが悩ましい所だ。
加えてフォース・ブラスト14連装。
その戦果は無視の方向で。
もう何度目かな、これ?
(ディメンション・ミラー!)
ブレス攻撃を時空の壁で凌ぐ。
そして交錯。
追加のお客様をご案内ですかね?
(アポーツ!)
亜氷雪竜の投槍を回収。
新しいお客様は後方で合流している事だろう。
さて、それはいいのだが。
そろそろ、高度を下げてみよう。
王城の上空が近い。
上空からその様子を出来るだけ近くで見てみたいのでした。
琥珀竜 モスドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
雲母竜 スカラブドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
雪花竜 アラバスタードラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
王城の広い敷地に、いた。
まだ地上にいる。
恐ろしい事にアラバスタードラゴンは3頭もいやがる!
こいつ等、複数いるのか?
まあいい。
ついでだ。
攻撃を加えてみようかね?
(ダーク・プリズン!)
(グラビティ・プリズン!)
(ホーリー・プリズン!)
(ヒート・ブラスト!)
(ファイア・エクスプロージョン!)
(ソニックブーム!)
(クラックスマッシュ!)
(アビサル・ゾーン!)
(パイロクラステュック・フロー!)
(アシッド・レイン!)
(ライトニング・ブラスト!)
(ヘイルストーム!)
(ポイズンミスト!)
(スウォーム!)
適当に組んであった【呪文融合】を使ってみる。
無論、これで仕留められる筈も無い。
今日の目的は殲滅ではないのです。
嫌がらせなのだ。
だが。
攻撃呪文が直撃している様子は無い。
王城の上空で遮られているようだ。
結界、だな。
王城そのものがディメンション・ミラーで護られているような感じですか?
そして地上にいるドラゴン達はオレを無視している。
ふむ。
無視ですか、そうですか。
確かにこっちはまともに相手をして貰えなさそうな戦力ですけどね。
それに結界もある。
これではまともに攻撃出来ないようです。
蒼月を駆って上空へと高度を上げる。
ならば良し。
嫌がらせはもう少しやってみましょう。
(オフェンス・フォール!)
(ディフェンス・フォール!)
(スロウ!)
(ディレイ!)
(パラライズ!)
(グラビティ・プリズン!)
(ホーリー・プリズン!)
(ブラックベルト・ラッピング!)
(コラプト!)
(オートクレーブ!)
(レゾナンス!)
(スウォーム!)
(カーズド・ワーム!)
(アイアン・メイデン!)
後方に迫っていたビートルドラゴンに仕掛ける。
鉄の棺桶は地上に、即ち王城へと落下していた。
(シンクロセンス!)
蒼月の目を借りて観察を続けよう。
地面に激突する前に鉄の棺桶は破られてしまっていたようだが、間に合わなかったみたいです。
そのまま地面に墜落。
そこは琥珀竜の目の前だ!
惜しい。
当たればいいのに。
だが見るべき所はそこじゃない。
結界はオレの攻撃呪文を完璧に防いでいた。
だがビートルドラゴンはそのまま通過している。
その意味する所は?
もう少し、確かめてみようか。
亜氷雪竜の投槍を握り直す。
呪文は通らない。
なら投槍だとどうだろう?
通り抜けるならば良し。
弾かれるようなら諦めるしかないな。
強引に突入するのは危険、と判断するしかなくなる。
いや。
敵陣の本拠地同然だから当然のように危険なんだろうけどね。
今度は王城の周囲を旋回しつつ、一気に高度を下げる。
ドラゴンの群れの中を突っ込んで行く。
交錯しながら互いに攻撃が飛び交うが、まともに命中しません。
あまりに相対速度が大きかったからだ。
手にした投槍を放つ。
どうせ直撃しても屠れないのだ。
結界の特性を見極めたいだけです。
予想通りなら弾かれそうだが。
どうですか?
弾かれた、みたいです。
やっぱりか。
蒼月を駆って水平飛行に移行。
ここからは、逃げよう。
再び反転、南に向かうとするか。
黒曜、蒼月、スパッタ、イグニス、アイソトープが牽制で攻撃を加えて行く。
交錯後、追撃して来るのはドラゴンの群れに魔人達。
その規模はいつの間にか倍にまで増えつつある。
いや、今も増えているらしい。
地上からグリフォンに騎乗する魔人が迫っているようだ。
そして名前持ちのドラゴンはこっちを一瞥する様子こそ見せていたけど、結局無視のままだ。
助かった?
いや、歯牙にも掛けていない証だろう。
そうですか。
いずれ無視出来ない戦力となって、挑ませて頂こう。
でもそれは今ではない。
いずれまた、という事でお願いしたい。
(アポーツ!)
亜氷雪竜の投槍を回収。
さて、追い掛けてくる戦力をどうしよう?
このまま逃げるしかないんだが。
どこまで追ってくれるものなのか。
いや、ニュートドラゴンが混じっているのです。
これはどうにかせねばいけません。




