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本日更新1回目です。
深い。
どこまで続くの?
構造は変わらず、塔の内部のようであるのだが。
螺旋状の階段は変わらず、続く。
途中で幾つか、扉もあって部屋もあるようだがそこは無視だった。
底は薄暗いせいで見通せない。
変化は?
やや肌寒く感じる程度だ。
「この下にあるのが何か、簡単に言えば地脈と言えば理解し易いであろうがな」
「地脈?」
「本質は異なる。意図的に作り上げたような代物は地脈とは言わぬ」
理解し易いって言ってるけど理解出来ません、師匠。
どういう事なの?
ヴォルフとナインテイルの様子がおかしくなった。
何かを警戒する様子を見せている。
いや、単純に怖がっているのか?
護鬼は不敵な表情のままだ。
但し、少年形態にしては珍しく額の目が開いている。
やはり何かを感じ取っているのだろうか?
その前兆は?
温度だ。
明らかに寒くなっている。
氷点下?
吐く息が白くなってます。
そして下に何やら燐光。
センス・マジックを使うが、見える光景がおかしい。
風景が歪んでしまっているようだ。
「あれが見えるかな?」
「はい」
「召喚モンスターには厳しいであろう。ここで待たせておくがいい」
「え?」
ヴォルフ、ナインテイル、護鬼を見る。
そうだな。
どうもいい傾向とは思えない。
ここで待たせてみよう。
「ッ!」
「ここまで近寄ってこれるか」
「ダメよ、オレニューちゃん。イジワルしちゃ!」
オレの横で平気で会話をしている師匠とジュナさん。
何で、平気なの?
とんでもない威圧感だ。
神のような存在を前にした時と質が異なっている。
悪意か害意の塊だ。
外見はただの岩。
大きいだけの岩であり全体に光る苔で覆われている。
どう見ても岩。
だけど平静でいられない。
呪文で強化してあって、これだ。
時空魔法の呪文、サイコ・ポッド。
光魔法の呪文、メンタルエンチャント・ライト。
雷魔法の呪文、アクティベイション。
考え得る対策はしてある。
近寄りたくない。
触れそうな距離にいる師匠とジュナさんが化け物に見える。
「岩を良く見るがいい。これが何であるのか、お主にも理解出来よう」
「?」
声が、出ない。
それでもどうにか、岩を見る事は出来た。
【素材アイテム】邪結晶 品質X レア度- 重量-
多様に呈色する結晶体。邪悪な力が集約されている。
邪水晶をも大きく上回る魔力を宿している。
常時弱い魔力を発するが魔力が減少しない特性を持つ。
品質が高い程その発する魔力は大きい。
錬金術でしか作成出来ない。
不死の力に通じているとされ、悪用厳禁の禁制品。
《これまでの行動経験で【鑑定】がレベルアップしました!》
邪水晶の、上位アイテムか?
しかも大きさは桁違いだ!
常時弱い魔力を発する、だって?
これが弱い訳あるかっ!
「世界には理外の力を宿す存在がある。その成れの果てがこれじゃよ」
言葉は?
出ない。
会話が成立しません、師匠!
「お主もその片鱗に触れておる。邪蟻の甲じゃ」
ああ、アレか。
いや、品質Xの事だろう。
他にも幾つか、品質Xは入手している。
だがここまで強烈な感じはしないんですけど?
「錬金術では秘中の秘としておるがな。魔素融合と魔素抽出で練成も可能じゃ」
「放置しておけない代物なのよねー」
「悪用されては世の中の為にならんのでな」
悪用って。
近寄れる人じゃないと悪用できませんって!
「通常の邪石、邪晶石、邪水晶、それに邪結晶は問題にはならぬ。だがこれは異質に過ぎるでな」
「ここに封じているって訳!」
「過去にも封じて来た歴史もある。世界の歪みの象徴とも言えるじゃろうな」
説明はいいですから。
そろそろ上に戻りませんか?
《これまでの行動経験で【耐混乱】がレベルアップしました!》
《これまでの行動経験で【耐気絶】がレベルアップしました!》
螺旋階段を上へと戻るとスキルがレベルアップしてたりします。
何という危険物。
近寄りたくないです。
「で、褒美の代わりにするのは【錬金術】の秘儀とも言えるものじゃ」
「秘儀?」
「うむ」
師匠が取り出したのは絨毯みたいな敷物だ。
以前に貰った物に比べると大きく紋様も細かいようです。
「まあこれが褒美、じゃろうな」
「何が違うのでしょう?」
「お主でも魔素抽出が出来るようになる」
「そのうち無くても出来るようになると思うわよ?」
ジュナさんの表情はどこか楽しげだ。
何か意味があるんだろうか?
「良いかな?お主でも手に余るような代物が出来る事もあるじゃろう」
「え?」
「その時はこの底に投げ捨てて置けば良い。忘れるでないぞ?」
「はい」
今はそう答える事しか出来ない。
思考能力が明らかに低下している。
気分が陰鬱なまま、戻って来ないのだ。
今は新鮮な空気を吸いたい。
それだけで頭の中は占められていたのでした。
ヴォルフ達を連れて師匠の家の外に避難した。
新鮮な空気が有難い。
気のせいではなく、頭痛がする。
でも痛覚設定を弄る気にはならない。
ゲーム内では如何なる苦痛も甘受するのだ。
そう決めているのです。
でも今はちょっと厳しい。
座り込んでしまった。
「では、移動するかの」
「オレニュー様、私は逃げ回りたくなどないのです」
「王女殿下、ここはご辛抱を」
師匠と王女の声に注意を向ける余裕も無かった。
ああ、気持ち悪い。
復帰するにはもう少し時間が要るだろうな。
「全員で移動しますぞ?」
行き先はどこかな?
普通に考えたら古竜の巣になりそうな気がするんだが。
まあそれはいい。
付いて行けばいいのだろう。
竜騎兵に竜騎士は各々のレッサードラゴンに騎乗するようだ。
ジュナさんは?
サビーネ王女に同乗するようだ。
これ以上ない護衛役ですね。
誰が手出し出来るというのか?
但し、召喚モンスターは無しのようだが。
師匠もいつものロック鳥を召喚している。
妖狐、そしてパイロキメラも追加だ。
「キース?」
「ああ、少しお待ちを」
メジアンだけは残してヴォルフ達はここで帰還だな。
布陣は空中移動の定番を加えるとしましょう。
ヘザー、蒼月、スパッタ、イグニス、メジアンにしました。
得物は?
亜氷雪竜の投槍にしました。
蒼月に騎乗すると一気に空中へ。
あ、ちょっと待て蒼月。
今日は少しゆっくりでいいから。
まだちょっと気持ち悪いのです。
『面倒じゃが安全の為だ。このまま空中を移動する』
「行き先は?」
『まあ直ぐに分かる』
本命、古竜の巣。
対抗、翡翠竜の本拠地の浮島、
大穴、金紅竜の本拠地の護国谷。
どこでしょうね?
高度を上げて行くけど向かう方向は西か。
大穴はどうも無さそうな気がします。
ブロンズドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
フォレストドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
ブラックドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
気が付けば両翼と後方にドラゴンが来てました。
右にブロンズドラゴン、左にフォレストドラゴン。
後方にブラックドラゴン。
ジュナさんがそれぞれのドラゴンに手を振って挨拶をしているようだ。
こうなるとメジアンとの比較は容易だ。
明らかに格が違うな。
センス・マジックを使わずとも分かる。
敵手として戦ったビートルドラゴンは勿論、スタッグドラゴンよりも上だ。
ニュートドラゴンでどうにか迫る事が出来るかどうかって所だろうな。
並みの戦力ではない。
カーム・モンスターズを使わずとも、魔物が寄って来る事は無いと思います!
結構な高速で移動してます。
しかも高空だ。
行き先は?
間違いなく本命だろう。
時刻は午前11時20分。
戦闘が全く無いから移動はかなり順調。
3時間以上、巡航速度を維持している計算になる。
基準はレッサードラゴンだ。
メジアンを基準にしたらもっとスピードアップが可能だろう。
師匠やジュナさんの場合、テレポートを使うと魔人側に感知されてしまうらしい。
わざわざ空中を移動するのはその為の措置という事だが。
正直、迂遠だ。
でもドラゴン達との編隊飛行も悪くない。
その眺めは飽きる事が無いのだ。
移動中に余計な会話は無い。
それでも分かる事がある。
竜騎士に竜騎兵の視線だ。
周囲にいるブロンズドラゴン達だけでなく、オレの召喚モンスターにも向けられている。
特にメジアン。
言ってないけど、貴方達のレッサードラゴンよりかなり年下ですよ?
ドラゴンですけどね。
眼下にはN3W5マップのエリアポータル、古竜の巣が見えていた。
火口の周囲には何頭ものドラゴン達がいる。
そして師匠のロック鳥が先頭となって降下を開始した。
目指す場所は発着場となっている広場だ。
監視役であろうフロストドラゴンとブルードラゴンがいる。
警戒に遺漏は無さそうです。
王女の身を守るには確かにいい場所だろう。
護衛任務を請けなくて良かった。
出番なんて無いって!
着陸すると師匠は妖狐を残し、ロック鳥とパイロキメラを帰還させてしまう。
まあ剣呑であるからな。
オレはどうする?
このままでいいや。
だって竜騎士に竜騎兵の面々は各々のレッサードラゴンを連れて行くようなのだ。
メジアンを残す意味が見出せない。
「さて、ここのエルダードラゴンにも挨拶はしておこうかの」
「そうよねー」
ここも結構、久し振りだな。
以前、ここで何をしたっけ?
いい思い出になりつつある。
潜入とかしましたっけ。
潜入して何をしたかな?
覚えていません。
覚えていません!
忘れるんだ。
やっぱりオレとしては召喚モンスターと一緒に行動する方がいいのです。
洞窟の奥にはエルダードラゴン、それにドラゴンパピーの巣がある筈。
そこに至るまでの洞窟では幾つかのパーティともすれ違うのだが。
やはり視線が痛い。
レッサードラゴンが4匹もいるのでは仕方ないな。
目立つ目立つ!
それに注目の竜騎兵に竜騎士がいるのだ。
メジアン?
まあついでに目立っているのかもしれないな。
広間にはエルダードラゴンは、いた。
2頭、ですけど。
片方は以前まで、氷漬けになっていた個体だろうか?
見ただけで分かる筈もない。
『金紅竜の誓約に連なる血族であるな』
「お会い出来て光栄です、竜の長老様」
『誓約と盟約に従い歓迎しよう』
王女サビーネが丁寧にお辞儀をしている様子は見事だった。
やはり王族か。
竜騎士ラーフェン、竜騎士プリムラ、竜騎兵グリエルは簡単に立礼で済ませているのに。
『免礼』
『それに汝等が用件は挨拶だけではあるまい?』
2頭のエルダードラゴンの視線が師匠とジュナさんを捉える。
威圧感が凄いけど、師匠もジュナさんも平然としたものだ。
「ここの結界は?」
『組み直してある。冒険者の出入りは許しておるが故、完璧ではないがな』
『だが揺篭と深遠の結界は変わらず強固である』
『我等が主も目覚めておる。元の力を取り戻すにはまだ遠いがな』
「彼等を預けたいのだけど、頼めるかしら?」
『我は金紅竜ではないのは承知であるな?』
「勿論よ」
『代償は?』
「新たな誓約と盟約」
ジュナさんは微笑んだまま、片手を掲げる。
何だろう。
ジュナさんが聖女のように見えてしまう。
目の錯覚?
「魔人相手にやる事は変わらないし変える事は無いと思うわ。お互いに、ね?」
『利用しろ、と言いたいのであるか』
「そう言っているつもり」
『汝は金紅竜と友誼を結んで久しい。否はないが』
エルダードラゴン達は互いに視線を交錯させる。
何かを躊躇している様子もあるようだ。
『ここはまだいい。金紅竜の巣の方がより危ういであろうに』
「承知してるわ」
ジュナさんの目は師匠を見ている。
そして竜騎士と竜騎兵を見回す。
どう見ても不服そうにしているのがいる。
王女様だ。
「私は護られる為に竜騎兵となっておりません、戦います」
「しかし殿下」
「私が微力であるのは承知です。ですが強くあらねばなりません」
王女の視線はエルダードラゴン達を見上げている。
「金紅竜との誓約に盟約は一方的な庇護も求めるものではありません。対等の同盟であった筈!」
『汝は正しい』
『だが出来ぬ事を出来るかのように語らぬがいい』
『今は賢人の意見に耳を傾ける事だ』
ありゃりゃ。
王女様、泣いちゃいそう。
でも現実は直視すべきだ。
それはオレにも言える事ではある。
「オレニューちゃん、殿下に付いてあげてね?」
「承知です」
『揺篭では手狭かもしれぬが、奥に進むがいい』
「キースちゃんはそうね、そこら辺をウロウロしてる魔人を減らして欲しいけど」
「そこら辺の魔人、ですか」
いや、そう言われましても。
見掛けるようなら喜んで狩ります。
でもどういう状況なんですか?
ウロウロしているとか、茫洋とし過ぎますって。
「冒険者ギルドの依頼ですが、目標はもう少し明確にして欲しいんですが」
「そうね、目標はオレニューちゃんが決めて!」
「名前持ちの魔人を3名程、片付けて欲しい所ですかな?」
ほほう。
3名ですか。
多い?
きっと多い。
どこかでウロウロしてませんかね?
「場所は?」
『この近くにも出没しておる』
『魔人の数は少ないがな』
「多いのは、どこです?」
『やはり金紅竜の巣の周辺であろう』
『柘榴竜と黒曜竜も加わっておる。だが魔人共の側にもドラゴンがいて厄介であるがな』
ああ、やっぱりいるのね。
ニュートドラゴン以上でなければ狩れなくはない。
大変だけど。
それに魔人も加わる訳だ。
ふむ。
オレが求める強敵に相応しいかな?
それは間違いない。
下手すると全滅する危険だって大いにありそうな予感がする。
目標は飽くまでも名前持ちの魔人。
名前持ちのドラゴンが出てきたら?
全滅必至かもしれないな。
依頼を受けてしまっている。
どうもここ、古竜の巣の近辺であれば無難であるのかもしれない。
だが名前持ちの魔人を狩るのであれば、護国谷に行くべきなんだろう。
「護国谷に行ってみます」
「かなり危険みたいだけど、いいのかしら?」
「まあ一旦、様子見はしておきたいので」
「ふむ。まあ無茶はせんようにな?」
「はい」
そうと決まれば、移動だ。
その前に昼食だな。
上空から火口の様子は見ている。
幾つか、小屋のような物があった。
拠点化は本格的に進んでいないとは聞いている。
だが、エルダードラゴンに会いに来るプレイヤーは多いとも聞いている。
屋台があってもいい。
しかも現時刻は昼食時であるのだ。
「ワシはここにおるでな」
「私もここで用件を済ませたら護国谷に向かうわ」
「了解です」
そうか。
ジュナさんが護国谷に来るのか。
それは怖いな。
獲物とする魔人を全滅でもされたら大変だ!
早々にエルダードラゴン達の元を辞去する。
急がねば。
屋台で何か買い込んで移動しよう。
昼食を摂り終えたらテレポートで護国谷に跳ぶ。
そして周辺の様子を探ってみたい。
脳内で簡単に予定を組んでみる。
うん。
概要だけであれば簡単なものだが。
果たして護国谷の周辺に魔人はどの程度いるのか?
名前持ちの魔人はどうだろう。
いて欲しい。
いや、いないのに依頼が出るなんてあるかな?
まあ行ってみたら分かるだろう。
屋台で揚げパンを適当に買い込んでみたらピロシキとカレーパンと揚げあんぱんだった。
カオス。
そしてカロリーを気にしたら負けだ。
揚げたてを手早く片付けながら、古竜の巣を出発する。
例の発着場だ。
『汝等、小さき者よ、心せよ』
『奴等もまた手強い。我等でも油断ならぬのだ』
「了解です」
警告を発して注意を促すフロストドラゴンとブルードラゴン。
深々と一礼、蒼月に騎乗すると手を掲げて謝意を示す。
そして空へ。
さあ、テレポートで跳ぶか。
行き先は勿論、護国谷。
金紅竜に柘榴竜、黒曜竜もいるそうですが。
まあ、そうなるか。
護国谷からだと王城が近いのだ。
マップでは隣り合う形になる。
頻繁に魔人側の攻勢があっておかしくはない。
護国谷に到着。
早速、頭上にドラゴンが飛んで行く事に気がつく。
クラウドドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
フレイムドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
ブラックドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
明らかに剣呑な雰囲気になっているみたいだ。
これは追い掛けてみるのもいいかもしれない。
『汝であるか』
「ども」
クラウドドラゴンはオレの事を覚えていたみたいだ。
オレは覚えていない。
どのクラウドドラゴンなのか、見分けられません!
「魔人、ですか?」
『奴等は逃げ回るのみだがな。付き従うドラゴン共が狩り場を荒らしに来ておる』
「同行していいですか?」
『汝がか?』
『小さき者よ、厳しい戦いになるぞ?』
フレイムドラゴンとブラックドラゴンには懸念があるようです。
確かに。
オレ達の戦力は彼等に大きく及ばないだろう。
だが数もまた力だ。
クラウドドラゴンは?
何故だろう、笑っているような雰囲気がある。
『小さき友よ。汝の力量に期待させて貰おう。良いかな?』
「まあ、なんとか頑張ってみますよ」
オレの答えにクラウドドラゴンは満足気な様子だ。
そして高度を上げて行く。
フレイムドラゴンとブラックドラゴンも追従する。
勿論、オレも蒼月を駆って追い掛けた。
召喚モンスター達も続く。
さて。
コール・モンスターを使おう。
周囲の状況は、どうなっている?
これは、酷い。
ビートルドラゴン、スタッグドラゴンはまだいい。
数が少なめであるけど、ニュートドラゴンがいる。
何故か遠くにグリフォンやヒッポグリフの反応があったりするんだが。
これ、魔人かな?
そしてこのマップに元々いる魔物、アイスワイバーンやスノーワイバーン。
レッサードラゴン・リッパー、レッサードラゴン・ダーク、
これらは以前よりも数が少なくなっているのか?
そんな印象がある。
クラウドドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
フロストドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
ブロンズドラゴン ???
??? ??? ???
??? ???
眼下に別のドラゴン達がいる。
絶賛、戦闘中だ。
その有様はまさに怪獣同士の大戦争だよ!
相手はニュートドラゴンが2頭か。
ビートルドラゴン、スタッグドラゴンも合計したら20頭近くいるだろう。
どうにか応戦して拮抗しているように見えるが劣勢には違いない。
相手の数の方が多い!
『行くぞ!』
『応ッ!』
上空から急襲を仕掛けるらしいな。
ならばオレ達も参戦しましょう。
眼下にいるクラウドドラゴン達はそれなりにHPバーが減っている。
呪文の支援は大いに有効に違いない。
「人馬一体!」「エンチャントブレーカー!」
さて。
遅れてはいかんな。
ところで、戦闘空域に魔人はいないみたいだ。
腰抜けめ。
何でいないんだ?
(フィジカルエンチャント・ファイア!)
(フィジカルエンチャント・アース!)
(フィジカルエンチャント・ウィンド!)
(フィジカルエンチャント・アクア!)
(メンタルエンチャント・ライト!)
(メンタルエンチャント・ダーク!)
(グラビティ・メイル!)
(サイコ・ポッド!)
(アクティベイション!)
(リジェネレート!)
(ボイド・スフィア!)
(ダーク・シールド!)
クラウドドラゴン達全員を呪文で強化。
続けて回復呪文を、と思ったが目の前にビートルドラゴン。
構わず、突撃。
翼の根元を直撃、貫通してしてるよ!
(ファイア・ヒール!)
最も近くにいたブロンズドラゴンのHPバーは9割近くにまで回復する。
オレが先刻、支援で使ったボイド・スフィアとダーク・シールドがブレス攻撃で吹き飛んで行く。
ありゃ。
紙屑かよ!
まあ一発を凌げたら御の字なのかもしれないな。
『援軍だ!』
ほう。
それは朗報。
いらっしゃい、経験値!
確かに援軍だな。
但しニュートドラゴンはいない。
ビートルドラゴン、スタッグドラゴンだけだが6頭はいるだろう。
注目はその群れの上にいる奴等だ。
グリフォンが3頭。
騎乗しているのは魔人、だよね?
逃がすかよ。
高度を上げて行くグリフォンを追う。
なあ、おい。
ちょっと【識別】させろよ。
名前、持ってないか?
まあどっちであっても屠りに行くんだけどさ。
魔人共の頭上に、スパッタ。
航跡がオーロラのように光っている。
分身を幾つか伴って急降下だ!
そのままグリフォンの合間を凄まじい速度で交錯していた。
グリフォンの動きが鈍っている。
もっとだ。
もっと距離を縮めたい!
((((六芒封印!))))
((((七星封印!))))
((((十王封印!))))
呪文の効果は届いたか?
1頭のグリフォンの動きが止まる。
十王封印が効いているようだ。
他の2頭にも状態異常のマーカーが見えている。
まあそっちは後回しだ。
動きの止まったグリフォンに騎乗していた魔人に向けて突撃を敢行する。
そして双角猛蛇神の騎士槍で魔人を貫いた!
で、お前さん、誰?
呪禁導師でした。
しかも息絶えている。
大きく舌打ちすると槍先から死体を振り落とす。
グリフォンは?
蒼月の角で翼の根元を抉られてしまい、地表に向けて墜落している。
金鉱石が剥げる機会はあるかな?
それはこの先の戦闘次第だろう。
グリフォンの鞍上から何かが飛んで来る。
ボーリングのピンみたいな奴に見えるのだが。
ああ、アレか。
爆発するんじゃなかったかな、アレ?
(ディメンション・ミラー!)
呪文で防御しながら爆炎の中を突っ切ると魔人の元に殺到する。
槍先に手応え。
貫通した魔人は、何だ?
ナイフジャグラーでした。
ダメだ。
こいつも外れだな。
爆炎の中を抜けると残る魔人が眼下にいる。
【識別】が効いたけど、ビーストメンターです。
全員、外れかよ。
まあ、いいさ。
そこで死ね。
((((((((((((ケラウノス・ジャベリン!))))))))))))
全部、直撃した。
雷撃の槍はオレからだけでなく、ヘザーも放っていたようだが。
魔人はグリフォン共々、黒焦げ死体と化して墜落して行く。
下は森だ。
アイテム剥ぎは諦めた方がいい。
だが。
まだまだ獲物はいる。
ニュートドラゴンは無理であるのだとしても、ビートルドラゴンは狩れる筈だ。
頑張ればスタッグドラゴンも狩れそう、だよな?
ニュートドラゴン?
単独で狩るのは明らかに厳しいが、クラウドドラゴン達と共同で当たればどうにかなりそうな気もする。
いずれにしても、獲物がいるっていい事だ。
しかも強敵。
その経験値は見逃せません!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv90
職業 サモンマスターLv28(召喚魔法修師)
ボーナスポイント残 58
セットスキル
小剣Lv59 剣Lv63 両手剣Lv61 両手槍Lv65 馬上槍Lv67
棍棒Lv60 重棍Lv59 小刀Lv59 刀Lv63 大刀Lv65
刺突剣Lv58 捕縄術Lv59 投槍Lv60 ポールウェポンLv67
杖Lv78 打撃Lv80 蹴りLv81 関節技Lv81
投げ技Lv81 回避Lv88 受けLv87
召喚魔法Lv90 時空魔法Lv76 封印術Lv73
光魔法Lv70 風魔法Lv70 土魔法Lv70 水魔法Lv70
火魔法Lv70 闇魔法Lv70 氷魔法Lv70 雷魔法Lv70
木魔法Lv70 塵魔法Lv70 溶魔法Lv70 灼魔法Lv70
英霊召喚Lv5 禁呪Lv70
錬金術Lv61 薬師Lv16 ガラス工Lv23 木工Lv46
連携Lv68 鑑定Lv63(↑1)識別Lv67 看破Lv36 耐寒Lv66
掴みLv67 馬術Lv69 精密操作Lv68 ロープワークLv58
跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv65 登攀Lv57
平衡Lv67
二刀流Lv63 解体Lv62 水泳Lv29 潜水Lv48
投擲Lv50e
ダッシュLv60e 耐久走Lv60e 隠蔽Lv58
気配遮断Lv58 暗殺術Lv60e
身体強化Lv60e 精神強化Lv60e 高速詠唱Lv50e
無音詠唱Lv59 詠唱破棄Lv59 武技強化Lv26
魔法効果拡大Lv61 魔法範囲拡大Lv61
呪文融合Lv58
耐石化Lv58 耐睡眠Lv57 耐麻痺Lv62 耐混乱Lv61(↑1)
耐暗闇Lv62 耐気絶Lv65(↑1)耐魅了Lv51 耐毒Lv67
耐沈黙Lv56 耐即死Lv56