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『キースさん、ここってまさか』


「拠点にしている所でね」


『完全に城になってますよ?』


「うん。でもまだ未完成だなあ」


 おや?

 最外郭の城壁の上に影。

 ジンバルだ。

 どうやらポータルガードの面々は戻っているようだな。


 あ、そうだ。

 ここの拠点なんだが、オレ以外のプレイヤーには見えなくしている。

 ゼータくんに見えていると言う事は?

 ユニオンを組んでいる影響があるのだろう。



「一旦、ユニオンを解くけどいいかな?」


『あ、はい』


 さあ。

 どう変わったかな?



「どう見える?」


「森になっちゃいました」


「やっぱりか」


 オレには変わらずちゃんと城郭が見えている。

 中に入ったらどう変わるのかね?



「ユニオンを組むとゼータくんも中に入れるかな?」


「いいんですか?」


 ゼータくんの顔には緊張の色が見える。

 まあまあ、そう気にしなくてもいい。

 魔王の城に挑む訳ではないのだし。


 試したいのは中に入ってからユニオンを解いたらどうなるかです。

 ユニオン状態を維持したままでもいいけど、試せる事は試してみたい。




「中も本格的に城ですね」


「まだまだ建設中だけどねえ」


 そう。

 まだ城館も闘技場も出来上がっていません。

 見た目で完成度は8割程度?

 もう少し、時間が掛かりそうだ。


 中に入ってしまえばユニオンを解消してもそのままみたいだ。

 ゼータくんの目に拠点はちゃんと見えているらしい。

 そしてゼータくんのテレポートの転移先に指定が可能になっている。

 この周囲で狩りをする際に便利になるだろう。

 城郭の中に自由に出入りは出来ませんけどね。



「少し、待ってて。装備の更新があるのでね」


「分かりました」


 ゼータくん配下の召喚モンスター達はおとなしいものだ。

 だが。

 シリウスとジンバルが近寄っている。

 襲う訳ではないようだが。

 脅かしちゃいけませんよ?





「お待たせ。じゃあ出発しようか」


「あ、はい」


 ゼータくんの手はシリウスを撫で回している所でした。

 うむ。

 触りたくなる気持ちは分かる。

 止まらなくなるよね?


 一方でジンバルはゼータくんの神狼と遊んでいる。

 互いの尻尾を追い掛け回していました。

 グルグルと回る回る。

 単純だが飽きないのかね?


 逢魔、守屋、スーラジ、久重の装備の更新は問題無かった。

 実際に戦っている所は確認せずとも大丈夫だろう。

 サイズが大きく変わっていないのだ。



「今から行く先のマップはN6E6マップ、地形は森になる」


「12マス先じゃないですか!」


「難易度はS3E5マップにS3E6マップとそう変わらないと思うよ?」


 そう。

 魔物の難易度はむしろ楽だ。

 ヴリトラの幻影という例外はいるけどね。

 但しN6E6マップの場合、地形が森である影響は大きいだろう。

 奇襲は怖い、

 その反面、森の地形に有利な召喚モンスターで布陣を組めばかなり戦い易い。

 問題はゼータくん自身にあると思うのだが。


 彼は元アヴェンジャー。

 森の中で身を隠しながら戦闘を続けるのも慣れていて当然だ。



「出現する相手と一通り遭遇するまで、ユニオンで進めよう」


「了解です」


 ゼータくんの緊張の面持ちはまだ変わらない。

 きっと大丈夫。

 すぐに麻痺するから。


 違うな。

 すぐに慣れる、ですね。




『ここ、生産職の面々が見たら狂喜乱舞じゃないですかね?』


「うん?ああ、そうかもしれないね」


 テレポートでN6E6マップのエリアポータル、豊穣の森に到着してます。

 ゼータくんが豊穣の森を見て、最初に発言したのがこれです。

 ディアナオウルがアケビを口にしてゼータくんの肩に止まっている。

 美味しいよね、アケビ。



「断鉄鳥の翼を剥げる相手はアシパトラという鳥の魔物になる」


『どんな魔物でしょう?』


「空飛ぶ刃物のような奴だよ。アイテムが剥げる確率は高くない」


『まともに戦うのは難しそうですね』


「昼夜を問わず遭遇が出来る。連戦出来ればアイテムはすぐに溜まると思うよ?」


『その連戦が厳しそうですね』


「実際に戦ってみたら分かるさ」


 そう、すぐに慣れる。

 コール・モンスターで寄ってきてくれそうなのは?

 蛇の魔物であるアガしかいません。

 あいつか。

 Gさえ纏っていなければいいんだが。


 他に遭遇可能なのは?

 ハヌマーン、アプサラス、神徒達。

 夜になったらになるけどプレータ、ピシャーチャ、ブータナ。

 メインターゲットのアシパトラは勿論いる。

 ここでは1回だけだが、ヴリトラの幻影にも遭遇する可能性があるだろう。


 ユニオン状態で経験値は分散するだろうけど、中々の相手だ。

 ゼータくんだってキムクイ級を何度も相手にしている。

 慣れたら結構早い段階でクリアしちゃうかも?





『今のヘビは何ですか!』


「見ての通り、アガって奴でね」


『虫が集ってましたけど、嫌がらせですか?』


「私もそう思う」


 きっと運営の嫌がらせだ。

 間違いない。


 アガが周囲に虫を集らせる様子を見て驚くのはオレとゼータくんだけだ。

 召喚モンスター達は平気です。

 ナイアスですら平気であるのだ。

 召喚モンスターにトラウマ対象ってないんだろうか?



『あの、これって』


「うん?蛇魔神の肝、だな」


 ゼータくんがアッサリとアイテムを剥いでます。

 でも残念。

 蛇魔神の肝は目的のアイテムではないのだ。

 駿河、野々村の両名が依頼されているアイテムでしたっけ?



「それ、取り扱いには注意が要るから」


『えっ』


「虫が寄って来るから。ほら、足元!」


 そう。

 Gだ。

 ムカデかヤスデみたいなのにアリもいるけど目立つのはGだ。

 寄って来ている。



『嫌がらせが過ぎませんかね?』


「そう思うよ」


 完全に同意します。

 このアガって魔物は酷い奴なのだ。

 でもこのマップにはお楽しみもあるのです。







《只今の戦闘勝利で【小刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》



 お楽しみタイムは終了。

 今日も踊り子さん達は美人揃いだったな。


 そして新調した防具の様子もかなり把握出来た。

 護鬼には敢えて盾も使わせている。

 どれも、いい。

 アプサラスの操る水の奔流は掠ってもダメージが通っていたものだが。

 更新した防具だと衝撃はほぼ無い。

 HPバーの減りも微々たるものだ。


 特に注目なのは?

 ナイアス、それにロジットが装備する槌頭水竜の革鎧だ。

 水属性があるからなのか、掠った程度ではまるでHPバーが減らない。

 それにアプサラスとの接近戦で何度か攻撃を受けているけどダメージはかなり少なかった。

 ナイアスは前衛に立たせるつもりはないけど、相手次第では可能だろう。


 まあ槌頭水竜の革鎧に対する判断はまだ保留だ。

 本来、使うべき場所は水中であるのです。



『今の、魅了攻撃ですね?』


「ああ、踊りそのものに目を奪われたら危険だ」


『望んで魅入るプレイヤーが続出しそうですね』


「それも間違いないな」


 心当たりがあります。

 蛇魔神の肝を狙いにこの島に来て、アプサラスのスクショや動画狙いになっていそうなのが。

 駿河と野々村、か。

 間違いなく脱線するだろう。


 だが問題は別にある。

 まだ遭遇していないのはアシパトラとヴリトラの幻影。

 そう、まだ肝心の相手と遭遇出来ていない!



「少し待ってくれるかな?布陣を変更したい」


『はい、大丈夫です』


 では。

 モジュラス、清姫は残そう。

 森の中で地の利があるのだから当然だ。

 護鬼、ナイアス、ロジットを帰還させましょう。

 召喚するのは戦鬼、ヘザー、言祝だ。

 森の中で戦鬼の利点は?

 無いです。

 単に戦闘時間が短縮になるだけだろう。


 勿論、メインなのは新しい装備の確認である。

 そこは間違えてはいけません。









《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》



『キースさん、こいつがそうですね?』


「ああ、アシパトラだな」


 アシパトラの群れは当然だが全滅。

 その数は8羽だったが、剥げた断鉄鳥の翼はオレが剥いだ1つだけ。

 やはり確率が低い。



「狩ってみた感じはどうだった?」


『キースさんの支援があったから狩れたようなものです。簡単じゃなさそうですね』


「そうか」


 うん。

 オレもそう思う。


 ゼータくんの布陣は?

 神狼、阿修羅、エキドナ、ディアナオウル、蛟竜だ。

 強引にエキドナ、蛟竜で巻き付かせてしまえば動きを止める事は可能だった。

 但しダメージは確実に喰らってしまう。

 いい手段ではない。


 確実なのは阿修羅が盾を使って受ける瞬間を狙う事だろう。

 ゼータくん自身も前衛に出て攻撃してどうにかって所だ。


 同時に分断出来るのは2羽までか。

 遭遇時の数次第だが5羽以上だとかなり厳しいだろう。

 【呪文融合】が無いのも痛い。



「単独だとまだ厳しいか」


『ダーク・プリズンも突破されちゃってますし』


「グラビティ・プリズンとの併用でどうにか分断は出来そう?」


『望みがそこだけですね』


 うーむ。

 厳しいか?



「アラクネ系はいるんだっけ?」


『いますけど。まだレベルが低いので』


「今のうちに鍛えておくといいよ。奇襲でどうにか出来る可能性が高まるし」


『確かに』


 ゼータくんは布陣を組み替えです。

 神狼を帰還させてアラクネを召喚した。 

 阿修羅、エキドナ、ディアナオウル、蛟竜、アラクネとなった訳だ。

 阿修羅以外、森の中で地の利がある布陣になる。

 アラクネはレベル3か。

 アラクネレディにクラスチェンジするまで、時間が掛かるだろうか?


 いや。

 ユニオンであるとはいえ、促成栽培に近い速度で成長するだろう。

 ゼータくん配下の召喚モンスターも地道にレベルアップしているし。

 それにゼータくん自身もまたレベルアップしているのだ。



「急ぐ事は無いって」


『あの、でもここまで付き合ってくれるのは?』


「まあ、暇だし」


 うん。

 嘘だ。

 実の所、先に進むのはいいんだけど、寂しいのです。

 まるで1人だけでこのゲームをプレイしているように思える事がある。

 楽しく戦える相手は確かにいるし不満は無いんだが。

 共に並んで戦っているのが召喚モンスターだけというのもねえ。



「そうだな。どうせなら駿河と野々村もここに来たらいい」


『目的のアイテムもありますし、いいんでしょうけど』


 ゼータくんが少し困った顔をしている。

 何を懸念しているのか、明らかだ。



『あの2人、垢BANになったら?』


「なるかもしれない。ならないかもしれないな」


『セクハラ行為になったら?』


「メイン武器が槍なら大丈夫じゃないかなあ」


 そう。

 槍を持って戦っているうちは大丈夫だろう。

 手放したら危うい。



「ゼータくんは午後2時までだったかな?」


『ええ』


「明日は?」


『午前4時に混沌への奈落で待ち合わせ予定です。駿河、野々村の両名とですが』


「ついでだ。私も明日、その時間に合流するよ。連絡はしておいてくれるかな?」


『いいんですか?』


「ああ」


 どうせだ。

 巻き込もう。

 森の中で4つのパーティによるユニオンは効率が良くないけどね。

 それでも構わない。

 すぐにオレ抜きで狩りが出来るようになるだろう。



 ゼータくんが召喚モンスター達のレベルアップ操作をしている。

 その間にオレもすべき事をしましょう。

 布陣変更だ。

 戦鬼、ヘザー、言祝は帰還させましょう。

 装備の調子は?

 いい。

 その一言に尽きる。

 他の召喚モンスターにしても問題は無いと思うが、ここは念を入れておこう。


 召喚するのは鞍馬、折威、ビアンカ。

 他に確認していないのは?

 ポータルガードに配置している逢魔、守屋、スーラジ、久重。

 蒼月、パナール、ハイアムスの騎乗馬組。

 テロメアと赤星の夜間組か。


 テロメアと赤星は昼間でも活躍させてもいいかな?

 森の中であれば暗いというのもある。

 まあ今は鞍馬、折威、ビアンカの確認が先だ。







《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【暗殺術】がレベルアップしました!》



『少し時間、いいですか?』


「うん?」


『アラクネがクラスチェンジになってます!』


「早っ!」


 時刻は?

 午前10時20分だ。

 このペースで行けばゼータくん配下の召喚モンスターも何匹か、クラスチェンジ可能かな?

 ゼータくんの布陣は阿修羅、エキドナ、ディアナオウル、蛟竜、アラクネレディ。

 エキドナは吸血でMPバーを稼いでいる。

 その主な相手が蛇の魔物であるアガであるのがアレですけど。

 アラクネレディはクラスチェンジを果たしたのはいいが、MPバーに余裕は無い。

 もっとレベルアップしないとMP吸収に吸血のスキルが取得出来なかった筈だ。



「布陣は変更した方がいいよ」


『マナポーションもありますが』


「明日もあるから。それに前衛で体を張れるのはいるかな?」


『オーガになっちゃいますけど』


「それでいい。強引だけど受け止めて抑え付けるのも有効だ」


『確かに。やってみます』


 ゼータくん配下の阿修羅もMPバーはほぼ枯渇状態であったのだ。

 森の中で前衛、となるとオーガであれば十分だろう。

 贅沢を言えばクラスチェンジしてレッドオーガになって欲しい所だが。


 ゼータくんの布陣は?

 オーガ、エキドナ、ディアナオウル、蛟竜、デーモンになってます。


 しかし、アレだ。

 清姫が既にいるのですが、エキドナもいいな。

 そう思っているオレがいます。


 おっと、いかん。

 鞍馬、折威、ビアンカの新装備の確認はこの辺でいいだろう。

 帰還だ。

 召喚するのは?

 テロメア、赤星、そして待宵だ。



『キースさん!アンデッドなのに昼でも大丈夫なんですか?』


「どうにか、ね」


『それにドッペルゲンガーって』


「いずれゼータくんも練成で召喚出来るようになると思うけど」


『練成、ですか?』


「クリエイト・モンスターの呪文だね。錬金術を鍛えてたら自然と覚えたよ」


 実は確信は無い。

 そうとしか思えない、というオレの私見だ。

 ゼータくんとオレとでは同じサモナー系統の職業だが、進んだ先は異なる。

 オレの場合はサモナーからグランドサモナー、アークサモナーを経てサモンマスターになった。

 ゼータくんの場合、サモナーからセージ、そして現在はドルイドだ。

 前提条件に職業がある可能性は否定出来ない。



 待宵もゼータくんとのユニオン編成であれば加え易い。

 戦力的には明らかに低下する。

 でもね。

 神徒を相手に写身が使えるのは実証済みだ。

 かなり尖った能力だが、使い方を工夫したらいいのです。

 写身対象となる相手は仕留め切らずに敢えて残すのだ。

 それが出来る手札がオレにはある。


 風天羂索を使おう。

 これで写身対象を縛り上げて封じてしまえばいいのだ。

 戦闘の効率が高まるものと期待したい。



『キースさん?』


「少し戦い方を変えるけど気にしないでいいよ」


『えっと』


 不思議そうな顔をしなくていいから。

 すぐにその戦い方を目にする事になると思います。






《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【ロープワーク】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐魅了】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テロメア』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 アプサラスと化していた待宵の姿が元の人形の姿に。

 惜しい。

 オレ好みの美女、顔付きは清楚でありながら蟲惑的な肉体の持ち主であったのに。

 こっそりとスクショに記録しておいたのは内緒だ。

 これまでもアプサラスのスクショは何枚も撮影している。

 後々、眺めて楽しもうと思ってたりします。

 何に、とは聞かないで欲しい。


 蟲惑的、となるとテロメアは別の意味でそんな雰囲気がある。

 捕らえられたら根こそぎ何かを抜き取られそうですけど。

 実際にアプサラス相手に容赦無し。

 新たな盾で水の奔流を受けながら突撃を喰らわせるとか、力技が過ぎる!

 以前の装備ではやっていなかったと思うのですが。

 無論、接近したら首元に噛付く事は忘れていない。


 テロメアの場合、目に見えて違うのは森の中での機動力だ。

 装備が軽くなっているのが地味に影響しているのだろう。

 それはヘザー、言祝、折威、ビアンカにも共通して言える事だ。

 防御力だけじゃない。

 軽い、というのも大切な要素だな。



 テロメアのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。



 テロメア バンパイアダッチェスLv8→Lv9(↑1)

 器用値 30

 敏捷値 54(↑1)

 知力値 53(↑1)

 筋力値 30

 生命力 30

 精神力 53


 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化 気配遮断

 宮中儀礼 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]

 MP吸収[大] 奇襲 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 風属性 土属性 溶属性 魅了 麻痺 真祖化




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『待宵』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 待宵も順調にレベルアップをしてます。

 ゼータくんとのユニオンであるからそのペースは遅くなっている筈だが。

 それでも数回のレベルアップを果たしているのはここの相手が強いからに他ならない。

 ありがとう。

 心の底から感謝したい。



 待宵のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。



 待宵 ドッペルゲンガーLv14→Lv15(↑1)

 器用値 22

 敏捷値 48(↑1)

 知力値 48

 筋力値 17(↑1)

 生命力 17

 精神力 48


 スキル

 武芸百般 夜目 反響定位 精密操作 物理抵抗[微]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[小] 同調

 写身 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 雷属性 氷属性 溶属性 灼属性

 全耐性



 ところで。

 ゼータくんが静かなのだが。

 どうかしたかな?



『済みません、クラスチェンジです。それも2匹同時なんですが』


「少し時間が掛かりそうだな」


『それに問題が起きそうです』


「え?」


 ゼータくん配下の召喚モンスターを見てみると?

 クラスチェンジを迎えている2匹、というのはオーガと蛟竜。


 問題、というのに心当たりがある。

 装備だ。

 レッドオーガにクラスチェンジしたら間違いなく大きくなる。

 装備の仕立て直しは厳しいだろう。



「まずはインスタント・ポータルを使うから」


『装備の更新が必要になりそうですね』


「そこは心配してないけどね」


『え?』


 そう。

 戦鬼の装備は今日、更新しました。

 今迄、戦鬼が使っていた装備はレッドオーガ時代の代物であったのだ。

 サイズは多少違うかもしれないが、調整幅は結構広い。

 入る筈だ。





「いいんでしょうか?」


「ま、レンタルって所でどうなんだろう?」


「何でしたら買い取りたいですね」


「まあそれはいつでも出来るからね」


 インスタント・ポータル内でオーガと蛟竜のクラスチェンジは既に済んでいた。

 問題なくレッドオーガと天竜になってます。

 そのレッドオーガの装備はつい先刻まで戦鬼が装備していた物になっている。

 着替え、大変でしたよ?

 護鬼と戦鬼をわざわざ召喚して手伝って貰った程であるのだ。


 時刻はもう午前11時40分。

 着替えが終わったらナイアスを召喚して昼食の準備を進めて貰っている。

 それはまあいいんだが。


 戦鬼は?

 ゼータくんのレッドオーガと対戦中です。

 互いに新しい装備の確認のためだ。


 これがまた怪獣同士の戦いにしか見えない件。

 呪文の強化はレッドオーガにだけ施してあるから戦力差は縮まっている筈なのだが。

 ここまで戦鬼の連勝が続いている。

 そして5分間の対戦を終える度に装備の消耗具合を確認だ。


 いい比較が出来たと思う。

 レア度、それに品質を考えたら、その性能差は納得の出来であったのだ。



「レベル差を考えたら良く戦えてると思いますけど、どうでしょう?」


「そうだね。装備があるとはいえ良く凌いでいるし」


 正直な感想を言えば、どっちもどっちで怪物である事には変わりが無い。

 オレ自身、ゼータくんのレッドオーガとまともに対戦して勝てる見込みは無いのだ。

 サイズが違いすぎますから。


 それに戦鬼、対戦で色々と試しているような所もある。

 投げ技、それに関節技だ。

 裏投げは良く使っている。

 それに首を絞めに行く事も多い。

 中々、綺麗に極まってませんけどね。



「まあ対戦でレベルも上がっているし。アシパトラ相手にかなり耐えられるとは思う」


「あの装備、本当にいいんでしょうか?」


「無いと困るよ?それに修復が要るだけのダメージは間違いなく喰らうからねえ」


 修復に関してはそう心配は無いだろう。

 このマップではハヌマーンから魔結晶、アプサラスからは魔水晶が剥げるからだ。

 修復に注ぎ込んでも間違いなく余るだろう。


 アシパトラはまだいい。

 まだこのマップで1回しか遭遇していない相手がいる。

 ヴリトラの幻影。

 今のゼータくんでアレと単独で戦うのは厳しい。

 彼にとっては【英霊召喚】案件だろう。


 現在、ゼータくんはドルイドでレベル20になっている。

 種族レベルで言えば53だ。

 昼までに結構、レベルアップしてきていると言える。

 だが、まだまだ。

 ヴリトラの幻影を単独パーティで狩るにはまだ足りない。



 うん?

 目的が脱線しつつあるような気がするけどね。

 まあ、いいさ。

 目標は1つクリアされたら次が待っているものなのだ。




 昼食を済ませたらゼータくんはログアウト。

 オレはその間に布陣を変更だ。

 ティグリス、モジュラス、清姫、船岡、待宵としました。

 少し、時間が余るか?

 暇潰しではないけど、マナポーションを補充しておこう。




「お待たせしました!」


 ゼータくんが戻って来たのは午後0時20分。

 残り時間は2時間ないのか。

 無駄には出来ないな。



「じゃあ狩りの続きだけど」


「え?」


 不穏な雰囲気を感じたのだろうか?

 いや、そう構える事はないから!



「奇襲であればアシパトラは狩れそうかな?」


「どうでしょう、どこまで接近出来るかによると思いますが」


 そう、そこだ。

 森の中、インビジブル・ブラインドを使って迫ろうとした事はオレもやっている。

 だがアシパトラの探知能力も侮れない。

 大抵は失敗に終わっている。

 メイズ・フォレストがあればかなり楽に接敵出来るけど、それでは単独で狩る事にならない。



「パッシブで小さめの群れならトライしてみたらいいと思うんだが」


「そういう機会があればやってみる価値はありますね」


 おお!

 やる気があって大変結構。

 いや、こういった隠密行動に関してはゼータくんの方が先達なんですけどね。

 パッシブの相手がいてくれたらいいな。

 本気でそう思います。


 ゼータくんの布陣は?

 レッドオーガ、エキドナ、ディアナオウル、天竜、デーモン。

 クラスチェンジした事で戦力は間違いなく向上している。

 さあ、これで狩りがより効率化するかな?





 ヴリトラの幻影 ???

 魔物 討伐対象 パッシブ

 ??? ???



 うん。

 パッシブの相手がいたよ!

 いたけどコイツは並みではない。

 さて、どうするか?



『あんなのもいるんですか!』


「まあ、いるけどね」


『どうします?』


「さっさと済ませようかね」


『はい?』


 目標タイムは?

 20分だな。

 ゼータくんの戦力もあるのだし、20分以内で始末出来ないでどうする?

 まあ得物は変更しておく必要はあるか。

 修羅刀を使おう。



「私がメイズ・フォレストを使う。レジスト・サンダーは使えるかな?」


『ありますが』


「解毒は?」


『大丈夫です。あの、アレを狩るんですか?』


「ああ。何度も狩っている相手だし大丈夫」


『何度も?』


「まあそうだな」


 おいおい。

 ログアウトの予定時刻まで余裕は無いと思うよ?



「少し布陣を変えて挑みたい。そっちは?」


『このままで、行きます』


「了解だ。少し待っててくれ」


 待宵は帰還だ。

 バンドルを召喚しましょう。

 音も無く迫るには好都合だ。

 呪文で強化を進めて行く。

 よし。

 準備はいいかな?



「手順は単純。近寄って攻め続けたらいい」


『あの、済みません。メイズ・フォレストの呪文の効果は何でしょう?』


 あちゃ。

 そう言えば説明していなかったな。


「木魔法の呪文で森の一定範囲を迷宮化する」


『え?』


「だがあのヴリトラの幻影は広範囲に雷撃を降らせるし毒のブレスもある。まあ気休めだな」


『足手纏いになりませんか?』


「まさか。潜んで奇襲するだけでも助かるよ」


 手数が多くなれば負担は少なく済むのは確実だ。

 そりゃ助かりますって。


 それに経験値的に逃していい相手ではないのだ。

 美味しい。

 オレにはヴリトラの幻影が御馳走に見えている事があるのです。


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv81

職業 サモンマスターLv19(召喚魔法修師)

ボーナスポイント残 25


セットスキル

小剣Lv46(↑1)剣Lv40 両手剣Lv41 両手槍Lv43 馬上槍Lv57

棍棒Lv40 重棍Lv42 小刀Lv44(↑1)刀Lv50 大刀Lv51

刺突剣Lv46 捕縄術Lv44(↑3)投槍Lv51 ポールウェポンLv58

杖Lv70 打撃Lv73 蹴りLv73 関節技Lv72

投げ技Lv72 回避Lv79 受けLv79

召喚魔法Lv81 時空魔法Lv68 封印術Lv66

光魔法Lv62 風魔法Lv62 土魔法Lv62 水魔法Lv62

火魔法Lv62 闇魔法Lv62 氷魔法Lv62 雷魔法Lv61

木魔法Lv62 塵魔法Lv61 溶魔法Lv62 灼魔法Lv61

英霊召喚Lv5 禁呪Lv56

錬金術Lv50 薬師Lv15 ガラス工Lv20 木工Lv37

連携Lv57 鑑定Lv50 識別Lv57 看破Lv26 耐寒Lv53

掴みLv57 馬術Lv58 精密操作Lv57 ロープワークLv44(↑1)

跳躍Lv50e 軽業Lv50e 耐暑Lv50 登攀Lv35(↑3)

平衡Lv58

二刀流Lv49(↑1)解体Lv52 水泳Lv24 潜水Lv34

投擲Lv50e

ダッシュLv51 耐久走Lv51 隠蔽Lv42(↑2)

気配遮断Lv42(↑2)暗殺術Lv51(↑1)

身体強化Lv54 精神強化Lv54 高速詠唱Lv50e

無音詠唱Lv50 詠唱破棄Lv50

魔法効果拡大Lv54 魔法範囲拡大Lv54

呪文融合Lv49

耐石化Lv38 耐睡眠Lv39 耐麻痺Lv41 耐混乱Lv42

耐暗闇Lv42 耐気絶Lv46 耐魅了Lv41(↑1)耐毒Lv48

耐沈黙Lv39 耐即死Lv37


召喚モンスター

テロメア バンパイアダッチェスLv8→Lv9(↑1)

 器用値 30

 敏捷値 54(↑1)

 知力値 53(↑1)

 筋力値 30

 生命力 30

 精神力 53

 スキル

 杖 槌 小盾 受け 回避 飛翔 空中機動 変化 気配遮断

 宮中儀礼 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] 自己修復[大]

 MP吸収[大] 奇襲 吸血 時空属性 光属性 闇属性 火属性

 風属性 土属性 溶属性 魅了 麻痺 真祖化


待宵 ドッペルゲンガーLv14→Lv15(↑1)

 器用値 22

 敏捷値 48(↑1)

 知力値 48

 筋力値 17(↑1)

 生命力 17

 精神力 48

 スキル

 武芸百般 夜目 反響定位 精密操作 物理抵抗[微]

 魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[小] 同調

 写身 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

 土属性 水属性 雷属性 氷属性 溶属性 灼属性

 全耐性


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、クーチュリエ、獅子吼、逢魔、極夜、雷文、守屋

シリウス、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ジンバル

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― 新着の感想 ―
やはりサモナーさん女性を縛る緊縛プレイ大好きですよね~ 以前もリディアを縛ったスクショで興奮したりサブリナを縛ってみたり…余罪が多数w
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