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本日更新5回目です。

 何だろう。

 初めての筈なのに、初めてじゃない?

 どこかで似たような洞窟を知っている気がする。

 どこだっけ?


 ああ、そうだ!

 思い出した。

 ビフレストガード、エインヘリャルファイターがいた、あの洞窟だ。

 洞窟の途中が水没していて、そこで溺れ死んだ事がある。


 そう、なんとなくあの洞窟に雰囲気が似ているのだ。

 火口のような場所に池があるのも。

 洞窟が蛇行しているのも。

 ここはそう寒くないですけどね。

 何と言っても生息する魔物が違う。


 いや。

 魔物じゃなくて魔人だらけだ。

 魔物、となるとトナカイさんがいる。

 ブラックサンタにダークサンタもいる。

 抑えろ。

 鎮まれ、オレの殺意。

 いるであろう事は想定済みだった筈だ。


 他に危険な連中も、いる。

 パントマイムメンター。

 パントマイムマスター。

 パントマイマー。

 少し広い場所で対戦をしている。

 パントマイムメンターがパントマイマーを鍛錬している形のようだ。

 でもね。

 変態同士が組み合って対戦とか、もう見てられない。

 戦っているように見えません。


 あ、今の入ったな。

 関節技が、ですけど。

 苦痛に歪む顔。

 いかん。

 恍惚の表情にも見えてしまう。

 ヤバい。

 あれ、入ってる。

 イケない所に。

 そんな妄想に陥ってしまいそうだ。


 オレ達に視線を投げ掛けるのが少数いたけど、すぐに対戦に熱中したようです。

 イヤだ。

 対戦に参加とか、イヤですからね?


 それにしても会話が聞こえてこないな。

 今までの魔人も名前持ち以外は喋って来ない。

 どうやって意思疎通しているんだか。

 謎だ。



『かなり広いですね』


「そして魔人も多いな」


『それだけに審判の石版を設置する場所が問題になりそうですね』


「そうなんだよな」


 全く。

 こんなに魔人が多いとはね。

 想定外です。


 本音を言えば、今すぐにでも【英霊召喚】を使ってでも減らしたい所だが。

 死に戻りせずに、というのは無理だろうな。



 探索は続く。

 ゼータくんのログアウト予定時刻もある。

 出来れば早めに審判の石版を設置したい所だが。

 ようやく、周囲に魔人が少なくなってきた。

 暗がりの中で夕食の代わりに携帯食で腹を満たす。

 そろそろ、この洞窟にも支道とか小部屋とか、ないのかね?






『設置場所の候補は3箇所、ですかね?』


「出来るだけ長期間、バレないような場所がいいが。レムトではどうだった?」


『壁や床の石材で偽装するパターンは意外に判明するのが早かったと思います』


「そうなると、あそこがいいか」


 3箇所の候補とは?

 洞窟の支道の行き止まりにあった地下湖。

 レムトでは馬止め近くに設置されていた水飲み場の底に石版沈められていたそうです。

 盲点であったようで、見付けるのに時間が掛かったようで、候補にしたんですが。

 利点はバレる可能性が低そうな事。

 難点は洞窟の本道とかなり遠い事、支道の行き止まりで逃げ場がない事だ。


 残り2つは資材置き場になる。

 石材が積まれているような小部屋だ。

 洞窟の本道に直結しているから面倒は無い。

 でも魔人の行き来はどうしてもある。

 ややリスクは高いだろうな。



『地下湖、ですか』


「そこからインビジブル・ブラインドを使って移動でどうかな?」


『全部探索出来てないんですが』


「審判の石版が使えるのかどうか、早めに試してみたい。最初はリスク回避を重視でいいと思う」


『了解です』


 そうだな。

 上手く審判の石版が有効化出来るようであれば?

 もう何箇所か設置したい。

 審判の石版、手元にないけど。





 審判の石版は地下湖の浅い場所に設置した。

 触らないと発動しないけど、片腕を突っ込んだら十分に手が届く。

 十分に使えそうだ。

 突出点の指定を求められたけど、静かなる竹林の北側にしておいた。

 利便性重視で。

 つかアッサリと設置出来ちゃったよ!



『利用者指定は当面、私とキースさんだけですか?』


「間違って跳ばされたら酷い事になるからね」


『もう少し、探索しますか?』


「その必要はあるだろうね」


『ですね。私も時間が許す範囲で探索をしておきます』


「助かるよ」


『マッピングも進めておきますね?』


 正直、変装が上手く行き過ぎて潜入するだけであればオレだけでも出来たと思う。

 だが。

 ゼータくんがいてくれて良かった。

 本当に、良かった。


 センス・マジックは常時使う手法はオレもやっていたんですがね。

 ゼータくんは所々でクレヤボヤンスを使ってました。

 そう、透視を可能とする呪文だ。

 石版の隠し場所を吟味するのに使ってたんですけどね。

 レムトで石版捜索する際にかなり有効であったらしい。

 洞窟でも隠し部屋を見付ける事があるようです。

 モンスターハウスのような罠を見抜く事も可能だとか。


 そういう使い方もあったのね?

 オレはクレヤボヤンスを何に使ったかな?

 フィーナさんの骨格を確認しただけです。


 ダメじゃん。

 邪な使い方しかしてねえ!



「では、行き来が可能か、試してみよう」


『ですね』




 突出点は木の根元でした。

 何も無いように見えてオレの目には半透明で石版の片割れが見える。

 そして緑のマーカーが樹上に見えてます。

 ほう。

 こういう見え方をするのね?


 現在位置は?

 広域マップによればW5マップになってます。

 だが忘れてはいけない。

 まだオレ達の姿はパントマイムメンターのままだ。

 プレイヤーに見付かったら?

 戦闘になってしまうだろう。

 念の為、インスタント・ポータルを使っておきました。



「すみません。時間が時間なので」


「いや、今日は助かったよ」


 時刻はもう午後7時40分。

 ゼータくんはログアウト予定時刻が迫っている。

 そのまま、変装を解除した。

 静かなる竹林でログアウトするそうです。

 オレですか?

 再潜入しますよ?

 だってまだ、オレの姿はパントマイムメンターのままなのですから。

 この際、とことん利用したい。


 ゼータくんとインスタント・ポータルの中で別れると、再潜入です。

 今度は楽だろう。

 一瞬で転移する筈だ。




 うん。

 多少濡れるのはまあ覚悟してました。

 全身ズブ濡れになるとは思いませんでしたがな!

 ま、妥協しましょう。

 このまま洞窟の本道に戻って探索を進めてみましょうかね?



 クレヤボヤンスも併用して本道を進んでみる。

 何箇所か、扉のある小部屋もあったが、中に入らなくて済む。

 楽だ。

 今まで使わなかったオレってもうね。

 もうね。


 モンスターハウスの罠を確認するだけでも使いたかったね!

 まあそれは今更だな。

 ここから挽回しましょう。





 そこは広間でした。

 オレのいる位置からはその全景が見渡せる。

 一段、低くなっているからだな。


 そしてその広間は同時に行き止まりのようだが。

 何やら剣呑な存在が見えている。

 大型のドラゴン?



 エルダードラゴン ???

 ??? ??? 石化状態

 ??? ???



 そのマーカーの色は黄色。

 石化状態?

 それでいてHPバーもMPバーも見えている。

 生きているのか?


 その姿はまさに石で出来上がったドラゴン。

 体の大きさは名前持ちのドラゴン達に迫る。

 魔力もだ。


 その体は広間の壁と一体化しているようだ。

 壁そのものが強大な魔力を宿しているのが見える。

 何だろう、これ?



 だが。

 他にも何かがいる。

 魔人達だ。



 ペドロリーノ ???

 イベントモンスター 魔人 ???

 ???



 真っ白な仮面?

 その唇は真紅で奇妙に目立つ。

 そこだけが目を引くような容姿だ。


 但し、何かと戦っているようである。

 その相手はパントマイムメンターだ。



 パントマイムメンター ???

 魔人 ??? ???

 ??? ???



 こいつのレベルは見えていない。

 そしてその対戦はパントマイムメンターが優勢のようだ。

 HPバーを見なくても分かる。

 その打撃も蹴りも、投げすらも一方的に決まっていたからだ。


 周囲にいる魔人は?

 観戦しているような感じですね。

 その面々は今までに見た事のある連中ばかり。

 いや。

 1人だけ、名前持ちがいる。



 ドットーレ ???

 イベントモンスター 魔人 ???

 ???



 その姿は初老の男か?

 目の周りにだけ仮面を装着していて良く分からないが。

 しかしここにいる戦力だけでも全滅させたくなる誘惑に駆られる。

 ここは、堪えろ。

 石化状態とはいえ、エルダードラゴンの存在が怖い。

 魔人の数も脅威だ。


 ああ、クソッ!

 全部、経験値に見えるぞ!




 対戦に決着が付いたようだ。

 パントマイムメンターの勝利。

 対戦相手のペドロリーノのHPバーは、ない。

 ない?

 殺しちゃったのか?



『新たな魔人ペドロリーノの誕生を称えよう!』


 ドットーレの声か?

 そしてパントマイムメンターがペドロリーノの顔から仮面を引き剥がした。

 それまでペドロリーノだった死体は消える。

 そしてパントマイムメンターは?



 ペドロリーノ ???

 イベントモンスター 魔人 ???

 ???



 【識別】したら既にパントマイムメンターではなくなっていた。

 何とまあ。

 名前持ちの魔人は師匠達がこれまでに何名も屠ってきている。

 オレも少しだけ、屠ってますけどね。

 空席を埋める形で名前持ちの魔人が生まれているのか、とも思ってたんですが。

 こういった形でその座を交代するパターンもあったりするのか。

 内部抗争?

 いや弱肉強食の競争社会であるのだろう。



 周囲の魔人達が跪くとペドロリーノに向けて拝礼する。

 敬意を示している?

 なんだか時間が掛かりそうな予感。


 ここは放置だな。

 別の洞窟も調べてみよう。





 火口に戻ると?

 魔物の数は減っているようだ。

 でもキムクイの死体を喰っている連中はまだいる。

 全く、邪魔な。

 周囲の山々には大きな影。

 スタッグドラゴンだ。

 夜であるというのにその存在感が凄い。


 こいつ等を全部経験値にするのって大変そう。

 その中に僅かな光を増幅するかのように佇む2匹のドタゴン。

 琥珀竜に雲母竜だ。

 こっちは経験値に出来るような存在であるのかも怪しい。

 どうしたものかね?




 この火口にある洞窟への入り口は全部で3つ。

 オレとゼータくんが入った洞窟とは別の2つに入ってみたんですがね。

 繋がってました。

 そして困った。

 唯一、下へと向かっている洞窟は水没してます。

 またか。

 死に戻りした嫌な思い出があるのです。

 どうにかなりませんかね?


 まあ、いいか。

 アンダーウォーターを使おう。

 今回は溺れる予定は無い。

 無いのでした。

 装備は外そう。

 魔物に遭遇したら?

 そこはそれ、インビジブル・ブラインドを使っておこう。

 気休めにしかならないでしょうけどね。











《これまでの行動経験で【水泳】がレベルアップしました!》

《これまでの行動経験で【潜水】がレベルアップしました!》


 いや、何と言いますか。

 広い!

 広過ぎます!


 【水泳】4回目、【潜水】は2回目のレベルアップであるのだ。

 それに恐ろしい事に、ここって地下湖のくせに水の流れがある。

 先を進みたくとも遅々として進まない。

 広い、というよりも探索速度が遅いからそう感じるだけであるのかもしれませんな。


 ここは召喚モンスター達の助力を得た方がいいかな?

 さすがに水の中に魔人達はいない。

 そして魔物もいないようなのだ。

 変装も要らないだろう。

 召喚モンスター達を怖がらせるだけだ。


 左上に小さく『変装中』となっている仮想ウィンドウに視線を向ける。

 メニューを開いて、、変装を解いた。

 審判の石版、か。

 また入手する事があったら売らずに保管確定だな。

 便利過ぎる。



 では、水中対応の面々を召喚しましょう。

 久々にアウターリーフを召喚だ!

 でもさすがにアプネアはその大きさ故に保留で。

 残念。

 大きい、という事は強いって事だが、こういった場面では困るのです。

 仕方ないですね、ハイ。


 他は?

 リグ、ナイアス、ストランド、ロジットです。

 安心の水中対応ですな。


 では、少し楽をさせて貰おう。

 アウターリーフに騎乗します。

 いや、久々だな!


 これで水中洞窟の探索はより進む事だろう。

 では、頼みますよ?








《これまでの行動経験で【耐寒】がレベルアップしました!》


 時刻は?

 午後11時30分だ。

 ようやく行き止まりになっている場所にまで到達したんだが、そこは広間のような場所でした。

 そして無茶苦茶、水が冷たい!

 全く。

 平気じゃないのはオレだけってどうなのよ?


 その広間は?

 上で魔人達がいた広間と構造は一緒であるらしい。



 エルダードラゴン ???

 ??? ??? 凍結状態

 ??? ???



 壁に埋まるかのようにエルダードラゴン。

 こんな所まで共通とか、どうなってる?



『我が同胞の祝福を受けし小さき者よ、聞け』


「え?」


 何だ?

 頭に響く声。

 この感じ、目の前のエルダードラゴンか?

 氷漬けのエルダードラゴンの目だけが動いている。

 うおっ!

 目だけで威圧されてますが。

 やはり格が違う。

 違い過ぎる!




「これは一体?」


『忌わしき者達をこの先に行かせる訳に行かぬ故にな』


「上でも同じように石化していたエルダードラゴンも?」


『然り』


「何を守っているんです?」


『それぞれが我等にとって大切な存在だ。それしか言えぬ』


 ほう。

 ここに身を置いて、自らを犠牲にして守護するとは!

 泣ける。



「翡翠竜、それに柘榴竜はここを聖地と呼んでいたと思いますが」


『然り』


「結界があってここに攻め込めないとも」


『そうであろうな。でなくば我がこうも長くここを守護する事もなかろう』


 しかし上の状況ではね。

 手を出すにしてもオレだけでは微力に過ぎる。

 どうにかしたいけど、確約は何も出来ません。



『小さき者よ、1つ頼もう』


「はい?」


『汝に祝福を与えしドラゴンに伝言を頼みたい。我等は未だに守護し続けていると』


「それだけで?」


『十分だ』


 そう言い残すとエルダードラゴンは瞳を閉じた。

 あらら。

 頼まれちゃいましたか。


 これは仕方ないか。

 祝福を受けた相手のドラゴンと言えば?

 金虹竜、それに翡翠竜だ。


 金虹竜はまあ居場所は分かる。

 近寄るのは実に怖いですけど。

 翡翠竜は?

 居場所は知らないのだ。

 でも伝手に心当たりがある。

 ブロンズドラゴン。

 彼らに会うにはどうしたら?

 空高く飛んでみたらいい。


 ま、それも明日以降ですね。

 今日はもう遅い時間だ。

 一旦、ここから撤退しましょう。

 何と言っても寒いし。


 召喚モンスター達はアウターリーフを残して帰還だ。

 その後はインビジブル・ブラインドを注ぎ足して石版のある場所まで戻ろう。

 ここを脱出したら?

 召魔の森でログアウトしましょうかね?












《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》

《『黒曜』のステータスを確認して下さい》


《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『クーチュリエ』がレベルアップしました!》

《『クーチュリエ』のステータスを確認して下さい》


《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『ペプチド』がレベルアップしました!》

《『ペプチド』のステータスを確認して下さい》


《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『スーラジ』がレベルアップしました!》

《『スーラジ』のステータスを確認して下さい》


 ログインしたのは午前5時40分。

 今日は色々と整理したい所ではある。

 どうする?

 朝からの約束は4つ。

 アデル達にヒョードルくん達はどうする?

 ブッキングしているけど問題ない。

 行き先は一緒だからだ。


 しかしエルダードラゴンの伝言はどうする?

 金虹竜の居場所には何時でも跳ぶ事は可能だが。

 翡翠竜は?

 やはりブロンズドラゴンに会うしかなかろう。

 これらは先に済ませてしまいたい所だ。

 アデル達、ヒョードルくん達には悪いが、同行して貰おう。

 伝言は早めに伝えておきたいのです。



 まだ暗い召魔の森ですけど、塔の建設はどうですか?

 無論、出来上がっている訳がない。

 メニューでもまだ建設中になっている。

 まだまだ時間が掛かる事だろう。




 黒曜 マギミミズクLv13→Lv14(↑1)

 器用値 26(↑1)

 敏捷値 51(↑1)

 知力値 37

 筋力値 25

 生命力 24

 精神力 38


 スキル

 嘴撃 無音飛翔 回避 遠視 夜目 奇襲 危険察知

 天耳 魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 光属性 闇属性

 火属性 風属性 水属性 氷属性




 クーチュリエ 真魔蜂女王Lv12→Lv13(↑1)

 器用値 38(↑1)

 敏捷値 60

 知力値 32(↑1)

 筋力値 15

 生命力 30

 精神力 15


 スキル

 針撃 噛付き 飛翔 回避 養蜂 建築 広域探査 夜目

 強襲 危険察知 空中機動 追跡 誘引 猛毒 麻痺 魅了

 使役




 ペプチド デモンズスコルピオンLv12→Lv13(↑1)

 器用値 44

 敏捷値 42

 知力値 12

 筋力値 42(↑1)

 生命力 41(↑1)

 精神力 13


 スキル

 鋏撃 針撃 堅守 回避 振動感知 気配遮断 隠蔽

 登攀 奇襲 致死毒 暗闇 闇属性 火耐性 風耐性

 土耐性 水耐性 毒耐性 ブレス耐性




 スーラジ バイオロイドLv4→Lv5(↑1)

 器用値 54(↑1)

 敏捷値 24

 知力値 28(↑1)

 筋力値 21

 生命力 19

 精神力 21


 スキル

 手斧 弓 回避 料理 木工 石工 牧畜 農作 調教

 物理抵抗[微] 魔法抵抗[中] 自己修復[小] MP回復増加[微]

 光属性 水属性 土属性 木属性




 レベルアップした面々の確認は終了。

 ポータルガードの見直しは?

 必要ないか。

 いや、現在絶賛狩りの途中であるようだ。

 シンクロセンスで獅子吼の見ている風景を確認すると?

 キメラ系のモンスターの肉を喰っているようです。

 おっといかん、これは衝撃映像。

 他のにしよう。


 守屋の視界で見ると、どうやら狩りは終息しているようだ。

 獅子吼と極夜が魔物の死体を喰っているけどね。

 それに構わずテイラーとペプチドが死体を抱え上げて運ぶ様子も見えている。

 シュールだ。

 それでも獅子吼と極夜が名残惜しそうにテイラーとペプチドの後ろに続いている。


 皆、順調であるようだな。

 結構。

 その調子で頼みますよ?


 古代石版を置いて、蜂蜜の入った瓶を1つ持ち出す。

 塔の石版や審判の石版は?

 増えてません。

 そこだけは残念だが、追加で置いておく古代石版に期待したい。



 では、朝食はどうしましょう?

 今から静かなる竹林に行く訳だしな。

 そこで買い込むのもいい。

 何かまた新たな調味料が導入されているかもしれない。

 うん。

 食事は大事だ。

 それだけに生産職の面々には色々と期待してしまう。



 布陣はどうする?

 当然だが空中対応で。

 ヘザー、蒼月、スパッタ、イグニス、ルベルにしましょう。

 では、跳ぼうか。

 今日は色々と片付けないといけない事が多い。

 アデル達、それにヒョードルくん達には迷惑かもだが、色々と付き合って貰おう。

 済まないけどね。





「おはようございます!」


「ああ、おはようさん」


 相変わらずレイナが元気だ。

 そして元気なのはレイナだけではない。

 何かあったのかな?

 ユニオン編成で出立する数も減っていたようだし。

 疑問の視線に答えたのはフィーナさんでした。



「魔人、それに例の魔物が目に見えて減ってるのよ」


「ほう」


「でもイベント終了によるポーナスポイントは誰も貰ってないみたい」


 それでも狩りがし易くなったのは事実であるらしい。

 活気が出てきたのは生産職にとってもいい知らせであるのだろう。



「それにお待ちかねみたいよ?」


「え?」


 フィーナさんの視線の先にはアデル達がいる。

 そしてヒョードルくん達も。

 皆で朝食を摂っているのか。

 互いの召喚モンスターを愛でているのか。

 どっちなんだ?



「あ!キースさん!」


「おはようございます」


 アデルはもう食事を済ませたのかね?

 その両手でグリフォンとマンティコアを愛でている。

 いや。

 挟まれているのが実情だろう。

 それでも幸せそうなのだし、あれでいいのだろう。



「キースさん、朝食はどうします?」


「いただこうか」


 そしてイリーナが提供してくれた朝食は何と和食風味。

 いえ、完全に見た目は和食だ。

 味噌汁もかなりいい感じに仕上がっている。

 いかん。

 涙が出そう。



「何か予定が被っているようですけど?」


「うん?どうせだから皆で一緒に狩りにしたらいいかと思っていてね」


「そうですか」


 イリーナは少し安心した顔を見せる。

 昨日のうちにお題は出してあったからな。

 オレ抜きで外法蛇亀を狩る。

 そしてキムクイ。

 戦力が多い程、各々の負担は減る事と思っているに違いない。


 それは正しいけどね。

 いずれ単独でキムクイも狩れるようになってくれないと困る。

 いや。

 出来るだけ早くそうなって欲しい。

 魔人の拠点に内部から挑むのであれば、いくらでも戦力向上していいのだから。




「装備の依頼は?」


「済ませてあります」


「サキの作業も下準備段階だったみたいだし、一緒に加工するみたいよ?」


「ほう」


「で、貴方から依頼の宝石磨きはマルグリッドがちゃんと進めてるわ」


「了解です」


 装備の強化も進んでいる途中だ。

 魔人の拠点に挑むにしても、装備が出来上がるのを待つべきなんだろうな。



「フィーナさんの手持ちで審判の石版はありますか?」


「無いわね。あったら是非欲しいんだけど」


 フィーナさんは期待の目をしている。

 あちゃ。

 生産職であれば物流網構築で使いたがるのは当然だ。

 フィーナさんが欲しがるのも当然ですよね?



「いや、あったら欲しいと思ったんですが」


「こっちこそ欲しいって!」


「ですよねー」


 食事は摂り終えた。

 でも周囲の様子はカオス。

 イリーナの手元にはルベルがいるんだが。

 普段であれば周囲を飛び回るルベルがやけにおとなしいな?


 あれ?

 イリーナの手に何かがある。

 もしかしてそれ、蜂蜜なのか?

 おいおい。

 餌付けは程々にしてくれよ?

 うちの召喚モンスターには蜂蜜愛好家は他にもいるけどさ。

 クーチュリエと組ませて召魔の森のポータルガードにし難くなるんですよ?




「では、行ってみようか」


「S3W5マップですね」


「ああ。だけどその前に色々と用件を済ませておきたい」


「用件ですか?」


「まあな。少し付き合ってくれるか?」


「いいですけど」


 イリーナだけが不安そうだが。

 アデルも、春菜も、此花も特に異存は無さそうだ。

 ヒョードルくんも、ヘラクレイオスくんもです。

 ゼータくんは落ち着いた様子。


 うん。

 ちょっと驚かせる事になるかもしれないな。

 でも反省はしません。





『キースさん!高度が!』


『高過ぎませんか?』


「いや、これでいい」


『高過ぎるとブロンズドラゴンがいますよ!』


「そうだ。そのブロンズドラゴンに用事があるんでね」


『まさか、狩るんじゃないですよね?』


「そんな無茶はしないよ」


 本気で狩りに行って、ブロンズドラゴンを狩れるかな?

 無理だろうな。

 この戦力でも無理。

 難易度はあのスタッグドラゴンよりも上だろう。



 単に飛ぶだけでも無駄ではない。

 特にヘラクレイオスくんには必要だ。

 グリフォンに騎乗しているのであるが、その装備は仮の物である。

 ヒッポグリフ用の装具を強引に調整して使っている状況だ。

 慣れが必要になる筈。

 それにこのグリフォン、ヒッポグリフよりも機動力が高い。

 その代わり、タフさでは劣るようですけどね。

 今まで騎乗して来たバトルホースとはかなり違った感じであるのも当然だ。



「まだまだ寒くなる。レジスト・アイスは使っておいてくれ」


『了解です』


 氷魔法はイリーナ、春菜、ヘラクレイオスと取得している。

 オレが全員に掛けてもいいけど、これも経験になる筈だ。

 各々に任せましょう。




『ブロンズドラゴン、大丈夫なんですか?』


「ああ。多分、戦闘にはならないと思うぞ?」


 心配そうな面々を代表して此花が質問してくるんですけどね。

 オレにも確証はない。

 ブロンズドラゴン5匹とは一緒に連携して戦った事はあるけどね。

 遭遇するのが他の個体のブロンズドラゴンだったらどうなる?

 どうなるか、分かりませんって。


 しかし壮観だ。

 オレ達は8つのパーティによるユニオンとなる。

 まだ装備が整っていないけど、バルキリーの編隊飛行とか特に見ていて楽しい。

 その先頭にはヘザーもいる。

 このまま戦闘もせずに眺めていたくなる光景だ。


 徐々に高度を上げていく。

 まだか。

 ブロンズドラゴンは、まだか?

 コール・モンスターでは周囲に引っ掛かる存在は無い。

 凍えないうちに出現して欲しいものです。

 いや、本当に寒いよ!


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv60

職業 アークサモナーLv27(大召喚魔法師)

ボーナスポイント残 64


セットスキル

小剣Lv25 剣Lv31 両手剣Lv26 両手槍Lv31 馬上槍Lv44

棍棒Lv29 重棍Lv25 小刀Lv26 刀Lv30 大刀Lv26

刺突剣Lv25 捕縄術Lv31 投槍Lv28 ポールウェポンLv25

杖Lv52 打撃Lv52 蹴りLv53 関節技Lv52 投げ技Lv52

回避Lv55 受けLv53

召喚魔法Lv60 時空魔法Lv48 封印術Lv44

光魔法Lv43 風魔法Lv43 土魔法Lv43 水魔法Lv44

火魔法Lv43 闇魔法Lv43 氷魔法Lv43 雷魔法Lv43

木魔法Lv43 塵魔法Lv42 溶魔法Lv43 灼魔法Lv43

英霊召喚Lv4

錬金術Lv34 薬師Lv13 ガラス工Lv13 木工Lv29

連携Lv43 鑑定Lv40 識別Lv43 看破Lv14 耐寒Lv26(↑1)

掴みLv43 馬術Lv43 精密操作Lv43 ロープワークLv30

跳躍Lv36 軽業Lv36 耐暑Lv34 登攀Lv17 平衡Lv34

二刀流Lv34 解体Lv40 水泳Lv18(↑4)潜水Lv19(↑2)

投擲Lv29

ダッシュLv36 耐久走Lv36 隠蔽Lv19 気配遮断Lv19

身体強化Lv42 精神強化Lv42 高速詠唱Lv42

魔法効果拡大Lv42 魔法範囲拡大Lv42

呪文融合Lv27

耐石化Lv17 耐睡眠Lv18 耐麻痺Lv25 耐混乱Lv24

耐暗闇Lv20 耐気絶Lv28 耐魅了Lv17 耐毒Lv32

耐沈黙Lv20 耐即死Lv22


召喚モンスター

黒曜 マギミミズクLv13→Lv14(↑1)

 器用値 26(↑1)

 敏捷値 51(↑1)

 知力値 37

 筋力値 25

 生命力 24

 精神力 38

 スキル

 嘴撃 無音飛翔 回避 遠視 夜目 奇襲 危険察知

 天耳 魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 光属性 闇属性

 火属性 風属性 水属性 氷属性


クーチュリエ 真魔蜂女王Lv12→Lv13(↑1)

 器用値 38(↑1)

 敏捷値 60

 知力値 32(↑1)

 筋力値 15

 生命力 30

 精神力 15

 スキル

 針撃 噛付き 飛翔 回避 養蜂 建築 広域探査 夜目

 強襲 危険察知 空中機動 追跡 誘引 猛毒 麻痺 魅了

 使役


ペプチド デモンズスコルピオンLv12→Lv13(↑1)

 器用値 44

 敏捷値 42

 知力値 12

 筋力値 42(↑1)

 生命力 41(↑1)

 精神力 13

 スキル

 鋏撃 針撃 堅守 回避 振動感知 気配遮断 隠蔽

 登攀 奇襲 致死毒 暗闇 闇属性 火耐性 風耐性

 土耐性 水耐性 毒耐性 ブレス耐性


スーラジ バイオロイドLv4→Lv5(↑1)

 器用値 54(↑1)

 敏捷値 24

 知力値 28(↑1)

 筋力値 21

 生命力 19

 精神力 21

 スキル

 手斧 弓 回避 料理 木工 石工 牧畜 農作 調教

 物理抵抗[微] 魔法抵抗[中] 自己修復[小] MP回復増加[微]

 光属性 水属性 土属性 木属性


召魔の森 ポータルガード

黒曜、テイラー、クーチュリエ、獅子吼、ペプチド、逢魔、極夜

守屋、スーラジ、久重


同行者

アデル&イリーナ&春菜&此花&ヒョードル&ヘラクレイオス&ゼータ

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― 新着の感想 ―
2匹のドタゴン。 ↓ 2匹のドラゴン。 同行者の驚愕と掲示板回が楽しみだ
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