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本日更新4回目です。

『キースさん!左側にズームを行かせます!』


「了解だ!そっちは大丈夫か?」


『回復はどうにか間に合ってます!』


『でも長く保ちません!ジリジリ減ってます!』


「もう少しでボスを仕留められる!耐えてくれ!」


『ヤァ!』


『壁を前進させるよ!』


『了解!』


 はい。

 絶賛激戦中ですが何か?


 誤算があったのは1点。

 獅子賢者のフルーレが弾き飛ばされた事かな?

 だが今のオレには心強い味方が傍にいる。

 しかも、意外な程にたくさん。


 ヒョードルくんの繰り出した精霊ズーム。

 オレの左側に位置して側背を衝こうとする魔物を弾き続けている。

 時空属性であるが故にそのエフェクトは地味だ。

 でも助かる。

 間違いない。


 そしてゼータくんの繰り出した精霊はフェニックス・ジュブナイル。

 火属性の精霊、サラマンダーやフェニックス・パピーよりも1つ格が上になる精霊だ。

 召喚可能な時間は半分になるそうだが、その能力は実に有難い。

 リジェネレートと同様の効果を与えてくれている。

 しかもリジェネレートの呪文と重複して使えるという、お得仕様。

 【英霊召喚】の緋炎聖女と同様ですね。

 対象が個人単位であり、有効範囲も接触じゃないといけない点は惜しいが、それでもこの場合は十分だ。


 ルベルが出現させた精霊はライオット。

 雷属性の精霊だ。

 先刻から周囲に雷撃のシャワーを浴びせ続けていた。

 派手なんてもんじゃねえ!

 そしてそのライオットを繰り出したルベルのMPバーは一気に3割近く削れてました。

 ルベル自身はオレに迫ろうとする魔物に石柱を撃ち込んだり土壁を築いたりしてます。

 その支援効果、恐るべし。

 当然助かってます。


 テロメア、それにバンパイアと2匹のレッサーデーモンが遊撃に回って牽制。

 オレの右側では船岡が魔物を迎撃し続けている。

 かなり無理をさせてしまっているのは承知だ。

 耐えてくれ。

 もう少しで、女神ティアマトの影は、詰む!


 五鈷杵で展開した雷撃の刃で女神ティアマトの影の喉を突く。

 貫通。

 雷撃の刃を解除するとそのまま右腕をたぐる。

 女神様の喉に右肘を押し当てたまま、強引に大外刈りで投げた。

 地面に叩き付ける。

 同時に喉を肘で潰した。


 どうだ?

 さすがに仕留めたか?


 まだHPバー、あるじゃねえか!

 側頭部を爪先で思いっきり蹴ってどうにか沈んだようだ。

 ああ、もう!

 どうも今回の相手、レベル高めであったのかも?

 八部封印が解除されるタイミングが早い気がする。



「ボスは沈んだ!攻勢に出ろ!」


『了解!』


『壁を更に前進させるよ!』


『後衛、宜しく!』


 ヒョードルくんとゼータくんも前衛に出てくる。

 オーガ2匹に夜叉、スペクター、スケルトンソルジャーも伴ってだ。

 これも彼等のスタイルであるらしい。

 そして水蛟にマンティコア、ラミアも加わっている。

 後衛位置にいるのはヘラクレイオスくんとネレイス、スケルトンハンターだけだ。

 そのネレイスの歌声が切り替わる。

 実に勇ましい音階へと。

 ここの広間はかなり大きいのだが、反響が凄い!



『パルスレーザー・バースト!』


『エネミー・バーン!』


『ダーク・ヴォルテックス!』


 攻撃呪文が次々と炸裂している。

 おいおい。

 オレの分を残してくれよ?



「「「「「「「ブリザード!」」」」」」」


 周囲を薙ぎ払うかのように吹雪が荒れ狂う。

 さあ。

 ここからは獲物の奪い合いですか?

 受けて立つよ!


 五鈷杵を手にする。

 両手に1つずつだ。

 右の五鈷杵から伸びるのは雷撃の刃。

 左の五鈷杵から伸びるのは水蒸気の刃。

 五鈷杵で二刀流というのは初めてだったかな?

 覚えは無いけど。

 まあ、いいさ。

 乱戦の中、防御を重視しながら戦い抜くにはこれでちょうどいいだろう。



「コロジオン!」

「エンブリトルメント・クラッシュ!」

「コラプト!」

「ウォータージェット!」

「トルネード!」

「アイス・ジャベリン!」

「マルチプル・ストーク!」


 ゼータくんの横合いに迫っていたムシュマッフに呪文7種詰め合わせをプレゼントだ。

 その首を幾つか、叩き斬った所で沈む。

 早く。

 もっと早くだ!

 戦闘時間が長引くとマズい。

 最初の方で屠った魔物の死体は30分程で消えてなくなる。


 折角、倒した魔物からアイテムを剥ぐ機会を失うのは勿体無い。

 今日は剥ぎ取り作業は4人でやらないといけないのだ。

 ここはもっと追い込め。

 手抜きは出来ない。



「「「「六芒封印!」」」」

「「「七星封印!」」」


 ああもう、ブレス攻撃持ちの連中がまだ多い!

 だがこれはいい経験値。

 これはこれで否は無かったりします。 







《只今の戦闘勝利で【小剣】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ティグリスの場合、自らの周囲に風を巻いたまま魔物の周囲を巡るだけでダメージを与えている。

 いいな、それ。

 風魔法のワールウィンドに近いが、移動する分ダメージが広範囲に及んでいるようです。

 オレにも使えたらいいのに。

 MPバーの消耗もそれなりですけどね。


 ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 ティグリス 白霊虎Lv12→Lv13(↑1)

 器用値 18

 敏捷値 57(↑1)

 知力値 17

 筋力値 44

 生命力 41

 精神力 18(↑1)


 スキル

 噛付き 引裂き 回避 疾駆 裂帛 霊能 危険予知 強襲

 隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[微] 風属性 共振波

 高周波 耐石化




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『赤星』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 赤星もレベルアップか。

 もう1体、ヘラクレイオスくんのスペクターと並んで戦列の端を受け持っていた筈だ。

 消耗は?

 そう大きくない。

 こういう所が好きだ。

 スタンドアローンである程度任せていられる存在って貴重です。

 オレ自身が先頭になって敵陣深くで戦っちゃうからね。

 お疲れ様でした!



 赤星のステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定しよう。



 赤星 スペクターLv10→Lv11(↑1)

 器用値 27

 敏捷値 27

 知力値 27(↑1)

 筋力値 27

 生命力 27

 精神力 27(↑1)


 スキル

 剣 両手剣 棍棒 重棍 小盾 受け 回避 夜目 雲散霧消

 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] MP吸収[中] 自己修復[中]

 闇属性 火属性 土属性 水属性 邪気




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ルベル』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ところで。

 【精霊召喚】でどれ位の経験値が削れたのかね?

 良く分かりませんけど。

 ルベルの場合も削れると思われる。

 そうじゃないと強力に過ぎる。


 でもレベルアップしているんだよな。

 どれ程、削られているんだ?

 謎だ。

 まあ今回のように戦果が大きければ問題ないだろう。



 ルベルのステータス値で既に上昇しているのは生命力敏捷値だ。

 もう1点のステータスアップは生命力を指定しました。



 ルベル フェアリープリンセスLv12→Lv13(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 55(↑1)

 知力値 55

 筋力値 10

 生命力 11(↑1)

 精神力 55


 スキル

 飛翔 浮揚 空中機動 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 雷属性 塵属性 耐即死 精霊召喚



「状況確認!終わったらすぐにアイテム剥ぎを急いでくれ!」


『うわぁ』


『死体が多過ぎる!』


『時間掛かりそうだな、こりゃ』


「ムシュフシュとエルダーマンティコアは最優先だ!」


 そう、そこが大事なんです。

 怒炎蛇竜の皮、それに老蠍獅子の皮。

 防具作成の為に幾つあってもいいのだ。

 ヒョードルくんとゼータくんはその配下にオーガがいる。

 そのうちにレッドオーガになると思われる。


 急げ。

 急げ!

 アイテムは逃してはいけない!





《これまでの行動経験で【解体】がレベルアップしました!》


 ああ、疲れた。

 本当に疲れた。


「今のうちに精算、頼めるかな?私に皮は配分はなくていい」


『いいんですか?』


「もう十分にあるからね」


 ヘラクレイオスくんが目を丸くするのをスルーして。

 矢の素材の恐魔蛇の牙、槍の素材の双角猛蛇の角は均等にして貰おう。

 それ以外が全部、オレの配分になったようだ。

 意外に古代石柱が多い。

 それに魔水晶も。



『精算するには追加しないとダメみたいです』


「へ?」


 魔水晶が追加です。

 ヒョードルくん達は各々2個。

 そこまでしなくていいのに。

 装備作成費用は足りますか?




 で、肝心の被害ですけど。

 死に戻りはなし。

 ステータス異常はオーガ2匹が仲良く喰らってます。

 軽度ですけど。

 攻勢に出る事が多いからどうしてもダメージを喰らいながらの戦闘になる。

 やはり防具は大事だ。


 今回の戦闘で大量のレベルアップがあったようだが、クラスチェンジはない。

 でもね。

 経験値の持ち越しは大いにあるだろう。

 それはヒョードルくん達自身もなんですが。

 種族レベルで言えば36となっている。

 まだまだ、アデル達の領域には遠い。

 もう2日程、ここで鍛えたら相当な強化になりそうなのだが。

 ネックになるのはプレイ時間だ。

 どうしてもオレ自身を基準にすると短い。

 ゼータくんは比較的、融通が利くらしいけどね。


 では、ここで区切ろう。

 アンデッドの召喚モンスターはここで帰還だ。

 そして全員で静かなる竹林に跳ぶ。

 明日、ヒョードルくん達は朝一番でサキさんの所に装備作成依頼をする予定だ。

 まとめて注文になるのだろう。


 この後は?

 ゼータくんはもう少し、オレと一緒に行く所があるんですけどね。




「それではまた明日、ここで集合ですね?」


「ああ」


 明日のお題は?

 ちょっとハードルを上げましょう。

 アデル達も込みで、外法蛇亀を狩るに留まりませんよ?

 キムクイも追加で。

 亀を狩り尽くしたら?

 次はスプリガン・センチネルに狂乱せしフンババで。

 後は各々、2つか3つのパーティに分かれて経験値稼ぎをするのもいい。

 不足?

 ならば9マス先に挑んでみようか?

 そんな野望もあったりします。


 他には各々、武装強化を狙いたい所だ。

 仏像シリーズに連戦とか。

 称号も除蓋障院への通行証をクリアして欲しいな。

 ヒョードルくん達は既に持っているそうですが。


 8マス先のN2W6マップはどうでしょう?

 ヒョードルくん達は行ったみたいですけど、全滅して死に戻っているそうです。

 あの不動明王様とそのお供に。

 いかんな。

 キッチリとリベンジした方がいいと思うよ?


 でも今から行く場所は8マス先は8マス先だけど、N3W5マップです。

 難易度は正直、低い。

 一部を除きますけど。



「では、私も一旦ログアウトしてきます。すぐに戻りますので」


「了解だ」


 では。

 待っている間に布陣は変更だ。

 既にテロメアと赤星は帰還させてある。

 ティグリス、船岡、ルベルも帰還させましょう。

 ヘザー、蒼月、スパッタ、イグニス、キュアノスを召喚しました。

 静かなる竹林の様子は?

 時刻は午後3時を少し回った所だ。

 プレイヤーの数はそこそこ。

 しかし単独パーティで行動する例が少ない。

 少な過ぎる!


 魔人、か。

 それにレムトを襲ってきた魔物達。

 元を断たないとイベントは終わりそうも無いのかな?

 いや。

 あの拠点にいるドラゴン達が攻めてくる事も考え得る。

 そうなって欲しくは無いが。

 翡翠竜や柘榴竜、それに従うブロンズドラゴン達に期待だ。

 互いに敵対関係にあるようだし。

 他人任せ、というのは残念ですけどね。





 ゼータくんが戻ってきました。

 早速、召喚する訳ですが。

 オオフクロウ、ホワイトムース、メロウ、ペガサス、ホークになってます。

 一気に戦力が低下?


「済みません。バルキリーにレッサーデーモン2匹、MPバーがまるで足りなくて」


「いや、問題ないと思うよ?」


 そうそう。

 すぐにレベルアップ、クラスチェンジすると思うし。

 どうもヒョードルくん達の戦力は洞窟で良く鍛えてきたと思える。

 ヘラクレイオスくんがネクロマンサーであった事が影響しているのは間違いない。


 まあ偏るのは仕方ないよね?

 オレにしても海方面はここの所、行ってません。

 その機会が中々、見付からないのだ。



「移動ルートは?」


「N2W5マップのエリアポータル、笹峰寺に跳ぼう。そこから北へ空中移動だな」


「ビートルドラゴンが出るようですが。それにあそこの空には飛天もいますし」


「いたな、そう言えば」


 でもね。

 対策は十分に可能だ。

 飛天は風属性、レジスト・ウィンドがあればかなり有利になる。



「まあ経験値に変換するだけだな」


「ビートルドラゴンもですか?」


「勿論。あれは逃す事はない。結構美味しいぞ?」


「えっ」


「出来れば魔人が一緒にいて欲しいかなあ」


「ええっ?魔人だけを狙うんじゃ?」


「まあついでだね」


 そう。

 それが大事なのです。

 魔人の拠点に潜入するのもいいんだが。

 経験値を稼ぐのを諦めた訳ではない!





 笹峰寺に到着。

 その様子は?

 意外な事にプレイヤーの姿は少ない。

 テントもだ。

 ゼータくん曰く、ビートルドラゴンに襲われる例が多いので敬遠されているそうですけど。

 それに魔人も。

 サンタさんもいるそうです。


 何それ、勿体無い!

 しかも遭遇する例が多いだと?

 それは聞き捨てなりませんな!



「急いで行く事はない。召喚モンスターのレベルアップを図りながら北に向かおう」


「インビジブル・ブラインドを継ぎ足して地上を行くかと思ってました」


 うん。

 それが堅実なのは知ってる。

 でも時間が惜しいのだ。

 ゼータくんは午後9時を目処にログアウトしたいそうだが。

 5時間以上ある、とも言える。

 でも6時間ないとも言えるのだ。



 ユニオンを組むと空の住人になりましょう。

 目標は?

 ゼータくん自身の経験値持ち越しの確認。

 そしてホークのクラスチェンジを狙いましょう。

 では、行きますよ?






《只今の戦闘勝利で【耐寒】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『キュアノス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



「平気か?」


『どうにか。でも今の、何です?』


「外見は一緒だったがブレス攻撃が違っていたな」


『冷気のブレスでしたね』


 そう。

 ビートルドラゴン2匹に遭遇、勇躍して襲ってみたんですが。

 片方のブレスが熱くなかった。

 ちょっとだけ驚きです。



『クラスチェンジ操作、終わりました!』


「了解だ」


 そしてゼータ配下のホークがファイティングファルコンに。

 早いよ!

 それだけではない。

 ゼータくん自身が種族レベルで39になってます。


 7連戦で7連勝でこれだ。

 まさに促成栽培。

 しかもそのうちの2戦はートルドラゴンであったのだ。

 特に今のビートルドラゴンは経験値として美味しかった筈。

 経験値の持ち越しは確実だろう。


 飛天は?

 無論狩っているんだが、それ以上に気になる存在は見付け次第狩る様にしてます。

 蟲獣鬼だ。

 1匹単位ならまだしも、3匹とかいるし。

 まあ空中戦であれば負ける気はしない。

 ダーク・プリズンで分断が可能であるからだ。

 岩を投げ付けられたのは少しだけ驚きでしたけど、それだけです。

 問題ない。



 キュアノスのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

 もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。



 キュアノス ニュンペーLv12→Lv13(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 48

 知力値 49(↑1)

 筋力値 16

 生命力 16

 精神力 49(↑1)


 スキル

 飛翔 浮揚 水棲 夜目 物理抵抗[微] 魔法抵抗[中]

 MP回復増加[大] 光属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 木属性 氷属性 耐即死 精霊変化



 よし。

 だが本番はこれからだ。

 通常の魔物は微妙ですけどね。



『そろそろ、N3W5マップですね』


「魔人達を除けば魔物の強さはかなり弱い。でも狙うのは」


『魔人、ですね』


「エリアポータルの近くまでは普通に狩ってしまおうか」


『やっぱり。そうなると思ってました』


 ここにいる魔物は?

 魔豪蜂とバルドイーグルは確認している。

 魔豪蜂は群れて襲って来るがフォース・ブラスト7連装で大部分を片付けられるだろう。

 バルドイーグルは?

 これも物足りない相手だ。


 やはりビートルドラゴンに期待かな?

 スタッグドラゴンはどうしよう。

 アレは避けた方がいいかも?

 ゼータくんもいるのだし。





《只今の戦闘勝利で【馬上槍】がレベルアップしました!》


 うむ。

 またやってしまった。

 何を?

 サンタコスの魔人だ。


『ダークサンタはいいんですか?』


「あれに変装だなんて、とんでもない!」


『え?』


「あ、いや。トナカイもいたからね」


 理由にもなってないけどゼータくんは納得したようだ。

 良かった。

 どうやらトナカイ分の経験値が勿体無い、と思ってくれているのかな?

 サンタへの明確な殺意は悟られていないようです。



「魔人の拠点はこのマップの中央だ。もう少し進んだら地上をゆっくり移動しよう」


『そして魔人を捕らえる、ですね?』


「ああ。そこからが本番だ」


 無論、魔人は変装用に捕らえないといけない。

 そしてその魔人達、ビートルドラゴンやヒッポグリフに騎乗していたりする。

 そうだな。

 最初にヒッポグリフに騎乗している魔人を襲うか。

 手順はもう組みあがっている。


 グラビティ・プリズンにダウンバーストを使って地上に叩き付けます。

 その上でダーク・プリズンに嵌め、そして騎乗しているヒッポグリフだけを仕留めます。

 残った魔人は風天羂索で梱包だ。

 これで行ける。

 後は魔人の拠点にまで、近寄るだけだ。

 いや。

 そこからがきっと、大変ですけどね。


 それに問題はまだある。

 魔人は何になるのか、なんですけど。

 アレだけは、嫌だ。

 パントマイマー系は、嫌だ。

 あんな変態の格好は、嫌だ!


 頼む。

 頼むよ!


 もしパントマイマー系が当たったらゼータくんが担当になって欲しい。

 そう思うのでした。






『上手く捕らえましたね』


「うん?そうだね」


 法則発動。

 捕らえた魔人は2名なんですが。

 両方ともパントマイムメンターな件。


 これは陰謀の匂いがする。

 5名いた魔人のうち、呪禁導師は地面に激突して死亡。

 ビーストメンターにナイフジャグラーも同じく。

 これは運営に殺意を覚えたぞ?

 わざと殺しているんじゃないの?

 で、2名のどっちがいいかって?

 どっちも嫌だよ!


 ここはもう諦めるしかないか。

 目立つ格好に変装する事になるが、魔人達の中に溶け込める筈なのだ。

 


『ではここからは地上を移動、ですね?』


「そうだな」


 諦めよう。

 魔人であればどれでも一緒であるのだ。

 では、布陣を変更しましょう。

 ヘザー、スパッタ、イグニス、キュアノスは帰還だ。

 ヴォルフ、ナインテイル、スコーチ、パナールを召喚しました。

 悪いけど、パナールには梱包してあるマントマイムメンター2名を運んで貰いましょう。


 ゼータくんも布陣を変更しました。

 グレイウルフ、オオフクロウ、ホワイトプディング、ネレイス、ペガサスになってます。

 無論、ペガサスに騎乗しての移動であるが地表を進む事になる。

 インビジブル・ブラインドを使いながらだ。


 ここからは出来るだけ、戦闘は避けたい。

 カーム・モンスターズも使って魔物を近寄らせないようにしましょう。

 これならば面倒が減ってくれる。



 時刻は午後4時30分。

 計画は順調に進んでます。

 でもね。

 心理的なダメージはあります。

 変装するのはパントマイムメンターになるのか。

 そこだけが完全に予定外です。







『ダメみたいですね』


「やはりか」


 魔人の拠点は山になっている。

 それも連峰と言っていい。

 高さもあるし、中々の威容を誇っていた。

 で、その拠点に通じていそうな谷があったんですけどね。

 進めません。

 いや、進めるのだが、谷の出口に出てしまうのです。

 アレだ。

 N2W6マップと同じような仕掛けなのだろう。



『では、変装ですね』


「天命のタブレット、か」


 《アイテム・ボックス》から天命のタブレットを2つ出して、1つはゼータくんに渡して、と。

 そしてパナールの鞍上に縛り付けてあったパントマイムメンターを地面に降ろす。

 では。

 その顔、写し取らせて貰おう。

 天命のタブレットは石版であるのだが、縁以外は粘土のような物になっている。

 その部分をパントマイムメンターの顔に押し付けた。


 そして型が取れたんだが。

 ここに顔を押し付けたらいいのかな?

 多分、そうだ。




『凄い!完全にパントマイムメンターに見えますよ!』


「そうか?」


『マーカーも赤です。【看破】もまるで効いてませんね』


 うん。

 今はその言葉が心に傷を負わせるのです。

 顔だけではなかった。

 装備はそのまま、天命のタブレットを使ったんですがね。

 姿形までもがパントマイムメンターになっていたのです。

 即ち、顔を下に向けると股間の膨らみが見える。

 何とまあ。

 立派な逸物ですね!

 使用した天命のタブレットは崩れてしまい、土塊と化してしまう。

 使い捨てアイテムの宿命であるが実に勿体無いな!


 この変装は色々と高度であるようだな。

 ヴォルフ達、召喚モンスターも一瞬だが警戒の姿勢になってました。

 おい。

 襲っちゃダメだからね?

 いや、警戒させているのはオレなんですけどね。


 オレと同様にゼータくんも天命のタブレットを使い、パントマイムメンターの姿になる。

 頭上のマーカーは赤。

 これが当てにならないのが痛い。

 ま、ユニオンが組めているせいか、ウィスパー機能が使えている。

 ユニオンを解除してパーティを組んでも問題なく使えるだろう。

 それに顔も覚えた。

 別々に行動するにしてもテレパスを使えばいい。

 どうにかなりそうだ。



「では召喚モンスターはここで全部、帰還だな」


『魔人は?』


「ここで始末して行こう」


 そうそう。

 変装が終われば用済みなのだ。

 その姿形は不本意であるが借りておきます。

 時間制限付きで。




 ゼータくんと2人、谷を進む。

 普通に進めるようだ。

 元の場所に戻される事はなかった。

 だが。

 谷はそこそこ、厳しいルートであったようです。

 久々に怒りのツルハシを使う事になりました。

 全く、何でこんな苦労を?

 魔物に襲われないだけマシだと思うようにしましょう。





 谷の登り終えたら?

 そこは広い台地のようになっている。

 どこかで見たような。

 そうだ。

 護国谷だ。

 ドラゴン達が離発着で使っていた、あの場所に酷似していた。

 そしてそこからは傾斜は緩くなっている。

 普通に歩けます。

 何よりもここにいる魔物の数が凄い!


 ヒッポグリフがいる。

 何やらエサを啄ばんでいるようだが、それが何であるのかは不明だ。

 ビートルドラゴンもいる。

 やはり何かをエサにしているようだが気にしてはいけない気がします。

 魔人がヒッポグリフに騎乗して何処かへと飛び立って行く様子も見物出来る。

 成程、ここもまた魔人やビートルドラゴンにとっての離発着場になっているようだ。



 ビートルナイト、ビートルルークがすぐ傍を通り過ぎて行く。

 まるで眼中に無い。

 いや、オレ達を恐れるかのように、避けているようである。

 ビートルビショップ、ビートルポーンもいる。

 こっちには無関心だ。

 蟲獣鬼、邪蟲獣は?

 エサに夢中のようです。


 そして当然のように魔人が散見される。

 こっちを凝視するような奴はいない。


 当然、周囲は赤いマーカーで埋め尽くされているような状況になる訳だが。

 無事に佇んでいられる、この違和感ときたらもうね。

 とんでもないです。



『なんだか呆気ないですね』


「同感だ」


 ゼータくん曰く、変装しての潜入は何度かやっているそうですが。

 どうしても緊張を強いられるようです。

 それがまるで物見遊山。

 凄いな、天命のタブレット。

 だがまだこれは第一歩に過ぎない。



『ここからは出来るだけ、スクショは撮っておきましょう』


「そうだな」


 魔人達の後を追うように谷の奥に向かって行く。

 目指すのは?

 人気のない場所に審判の石版を設置する事。

 そして元々はエリアポータルであったこの場所の中を探索するのだ。


 やるべき事は多い。

 時刻は?

 午後5時20分になっている。

 暗くなったら状況は好転するかもしれない。

 そう思ってこの時間帯から潜入を試みたんですけどね。

 真昼でも潜入、出来てたような気がします。

 まるで警戒していないのだ。



 頭上をドラゴンが飛んで行く。

 スタッグドラゴンだ。

 しかも、数匹?

 後続で飛来してきたのは琥珀竜と雲母竜。

 ここまで近くで見る事になるとはね。

 おっと。

 画像にして保存しとこう。



『す、凄い』


「あれがビートルドラゴンよりも格上のドラゴン達だ」


『ここの攻略って相当に難しそうですね』


「ああ、現時点ではそう思える。何か突破口があるといいんだけどね」


『審判の石版を設置して内部に戦力を送り込む、ですか?』


「そうなんだがね。送り込む戦力も相当に必要な感じになるな」


 周囲を山々で囲まれた、まるで火口のような場所に出たんですが。

 その光景が酷い。

 先刻の琥珀竜と雲母竜。

 そしてスタッグドラゴンが20匹ほど。

 ビートルドラゴンに至っては数える気にならない。


 ビートルナイト、ビートルルーク、ビートルビショップ、ビートルポーンは混在しているな。

 やはり数える気分にならない。

 蟲獣鬼、邪蟲獣も同様だ。


 そして火口の中央にはそこそこに大きな池がある。

 その畔に何か魔物の死体が転がっているのだが。

 マーカーは表示されていないが、その姿をオレは知っていた。

 キムクイだ。

 無残な姿を晒している。

 喰われているのだ。

 2匹のビートルドラゴンが脚の肉を喰い千切っている。

 周囲には幾つかの肉塊が散乱していて様々な魔物が喰い散らかしているようだ。

 その中にはキムクイ・スレイブの姿まである。

 おぞましい。

 そして恐ろしい風景だ!


 しかしキムクイのような魔物がどうやって、ここに?

 そんな疑問もあるけど今は構っていられない。


 周囲の山腹に数箇所、穴が穿たれている。

 その大きさから見て、大型の魔物が使えるような代物ではない。

 入ってみるしかないな。

 ここは魔物だらけなのだ。



『これは酷い』


「これでは潜入調査どころじゃないな」


『では洞窟に入りますか。何かあるように思えます』


「そうだな」


 最も手近な洞窟に入る事にした。

 魔人が出入りしているのだし、怪しまれるとは思えない。


 では。

 審判の石版の設置場所を探しましょうかね?

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv60

職業 アークサモナーLv27(大召喚魔法師)

ボーナスポイント残 64


セットスキル

小剣Lv25(↑1)剣Lv31 両手剣Lv26 両手槍Lv31 馬上槍Lv44(↑1)

棍棒Lv29 重棍Lv25 小刀Lv26 刀Lv30 大刀Lv26

刺突剣Lv25 捕縄術Lv31 投槍Lv28 ポールウェポンLv25

杖Lv52 打撃Lv52 蹴りLv53 関節技Lv52 投げ技Lv52

回避Lv55 受けLv53

召喚魔法Lv60 時空魔法Lv48 封印術Lv44

光魔法Lv43 風魔法Lv43 土魔法Lv43 水魔法Lv44

火魔法Lv43 闇魔法Lv43 氷魔法Lv43 雷魔法Lv43(↑1)

木魔法Lv43 塵魔法Lv42 溶魔法Lv43 灼魔法Lv43(↑1)

英霊召喚Lv4

錬金術Lv34 薬師Lv13 ガラス工Lv13 木工Lv29

連携Lv43 鑑定Lv40 識別Lv43(↑1)看破Lv14 耐寒Lv25

掴みLv43 馬術Lv43 精密操作Lv43 ロープワークLv30

跳躍Lv36 軽業Lv36 耐暑Lv34 登攀Lv17 平衡Lv34

二刀流Lv34(↑1)解体Lv40(↑1)水泳Lv14 潜水Lv17

投擲Lv29

ダッシュLv36 耐久走Lv36 隠蔽Lv19 気配遮断Lv19

身体強化Lv42 精神強化Lv42 高速詠唱Lv42

魔法効果拡大Lv42 魔法範囲拡大Lv42

呪文融合Lv27

耐石化Lv17 耐睡眠Lv18 耐麻痺Lv25 耐混乱Lv24

耐暗闇Lv20 耐気絶Lv28 耐魅了Lv17 耐毒Lv32

耐沈黙Lv20 耐即死Lv22


召喚モンスター

ティグリス 白霊虎Lv12→Lv13(↑1)

 器用値 18

 敏捷値 57(↑1)

 知力値 17

 筋力値 44

 生命力 41

 精神力 18(↑1)

 スキル

 噛付き 引裂き 回避 疾駆 裂帛 霊能 危険予知 強襲

 隠蔽 夜目 気配遮断 自己回復[微] 風属性 共振波

 高周波 耐石化


赤星 スペクターLv10→Lv11(↑1)

 器用値 27

 敏捷値 27

 知力値 27(↑1)

 筋力値 27

 生命力 27

 精神力 27(↑1)

 スキル

 剣 両手剣 棍棒 重棍 小盾 受け 回避 夜目 雲散霧消

 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大] MP吸収[中] 自己修復[中]

 闇属性 火属性 土属性 水属性 邪気


ルベル フェアリープリンセスLv12→Lv13(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 55(↑1)

 知力値 55

 筋力値 10

 生命力 11(↑1)

 精神力 55

 スキル

 飛翔 浮揚 空中機動 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 雷属性 塵属性 耐即死 精霊召喚


キュアノス ニュンペーLv12→Lv13(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 48

 知力値 49(↑1)

 筋力値 16

 生命力 16

 精神力 49(↑1)

 スキル

 飛翔 浮揚 水棲 夜目 物理抵抗[微] 魔法抵抗[中]

 MP回復増加[大] 光属性 火属性 風属性 土属性

 水属性 木属性 氷属性 耐即死 精霊変化


召魔の森 ポータルガード

黒曜、テイラー、クーチュリエ、獅子吼、ペプチド、逢魔、極夜

守屋、スーラジ、久重


同行者

ゼータ

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