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443

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【呪文融合】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ああ、もう!

 1匹は仕留めた。

 それはいい。

 もう1匹は間に合わなかった。

 魔鉱腐竜に仕留められていたのです。


 間に合わなかったか!

 これは仕方ないか。

 暴れられても町が困るのであるし。



 戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

 もう1点のステータスアップは器用値を指定します。



 戦鬼 レッドオーガLv4→Lv5(↑1)

 器用値 24(↑1)

 敏捷値 37(↑1)

 知力値 10

 筋力値 54

 生命力 52

 精神力 10


 スキル

 打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技

 関節技 激高 夜目 物理抵抗[微] 自己回復[大]




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ナインテイルが?

 やたらと慌しい中ではあるのだが、クラスチェンジだよな?

 全く、実に忙しいって!


 ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定しよう。



 ナインテイル 銀影狐Lv19→Lv20(↑1)

 器用値 14

 敏捷値 44

 知力値 39(↑1)

 筋力値 14

 生命力 14

 精神力 39(↑1)


 スキル

 噛付き 回避 疾駆 天啓 MP回復増加[中] 魔法抵抗[中]

 時空属性 光属性 闇属性 風属性



《召喚モンスター『ナインテイル』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》

《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》



 周囲の様子は?

 戦闘はまだ続いている。

 だが終息へと向かう気配がある。

 上空に舞うビートルドラゴンの姿はもうないからだ。

 まだまだ、油断は出来ませんけどね。



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『言祝』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 クソッ!

 油断してたぜ。

 インフォに続きがありやがった!


 言祝のステータス値で既に上昇しているのは知力値だ。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう



 言祝 レッサーデーモンLv19→Lv20(↑1)

 器用値 13

 敏捷値 41(↑1)

 知力値 41(↑1)

 筋力値 13

 生命力 13

 精神力 41


 スキル

 刺突剣 飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[大] MP回復増加[中]

 変化 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 呪眼



《召喚モンスター『言祝』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》

《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》




 むう。

 この場でクラスチェンジ操作、するか?


 しちゃおう。

 周囲に獲物となる魔物はいない。

 でもここは急ごう。




《融合対象となる召喚モンスターではありません》



 時間はないけど確認は必要だ。

 そしてナインテイルの首輪を外しながらクラスチェンジ候補を見る。



 クラスチェンジ候補

 銀狐



 悩むんじゃない!

 ここは先にガンガン進め!




 ナインテイル 銀影狐Lv20→銀狐Lv1(New!)

 器用値 15(↑1)

 敏捷値 45(↑1)

 知力値 41(↑2)

 筋力値 15(↑1)

 生命力 15(↑1)

 精神力 41(↑2)


 スキル

 噛付き 回避 天駆(New!)天啓 霊能(New!)MP回復増加[中]

 魔法抵抗[中] 時空属性 光属性 闇属性 風属性 陽炎(New!)



 【銀狐】召喚モンスター 戦闘位置:地上、空中

 白い毛並みを持つ狐。魔力が高まると銀に変じる霊獣。

 主な攻撃手段は噛み付きと様々な特殊能力。

 体格は個体により異なるようである。

 その霊格により尻尾の数が違う事が確認されている。

 周囲の風景を歪めて人を惑わすと言う。



《融合対象となる召喚モンスターではありません》



 大きさは?

 変わっています。

 確実に大きくなった。

 蒼月に同乗するにはギリギリのサイズだろう。

 そして毛並みがやや、変わったように見える。

 銀、というよりも真っ白だ。

 尻尾の先や耳の先、脚先が黒いから白がより映えている。


 尻尾を振ると?

 何本あるんだって感じになるが、動きが止まるとやはり1本だ。

 惑わすなって。

 首輪のパーツを継ぎ足して装備させる。

 急がないと。

 言祝の分があるのだ。





《融合対象となる召喚モンスターではありません》



 今度は言祝の確認だ。

 装備を外しながらクラスチェンジ候補を見るのだが。

 予測通りならレッサーの文字が外れるんじゃないのかな?



 クラスチェンジ候補

 デーモン


 やっぱりだよ!

 ま、ここは悩む事はしないで済んだ。

 さっさと操作を進めよう。




 言祝 レッサーデーモンLv20→デーモンLv1(New!)

 器用値 14(↑1)

 敏捷値 42(↑1)

 知力値 42(↑1)

 筋力値 13

 生命力 13

 精神力 42(↑1)


 スキル

 刺突剣 飛翔 浮揚 回避(New!)反響定位 魔法抵抗[大]

 MP回復増加[大](New!)変化 時空属性 光属性 闇属性

 火属性 風属性 水属性 呪眼 [ ](New!)[ ](New!)



 【デーモン】召喚モンスター 戦闘位置:空中

 悪魔。攻撃手段は武装と属性による。

 現世にあって人を堕落させる存在。

 どうやって出現しているのかは謎。

 その正体も良く分かっていない。

 体格は人間並である事が多いが個体差が大きい。



《融合対象となる召喚モンスターではありません》



 空きスキルがあるじゃねえか!

 入るのはどっちも色々と入るようである。

 だが。

 ここは悩むな。

 自分好みでいいのだ。




 言祝 レッサーデーモンLv20→デーモンLv1(New!)

 器用値 14(↑1)

 敏捷値 42(↑1)

 知力値 42(↑1)

 筋力値 15(↑2)

 生命力 15(↑2)

 精神力 42(↑1)


 スキル

 刺突剣 飛翔 浮揚 回避(New!)反響定位 自己回復[微](New!)

 物理抵抗[微](New!)魔法抵抗[大] MP回復増加[大](New!)

 変化 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 呪眼



 痩身だった言祝ですが。

 筋肉増量になりました!

 それでも標準体型になっただけだ。


 表情は?

 大きく変わった。

 やや悪鬼のような顔であったのだが、かなり人間に近くなっている。

 ま、角がある時点で台無しですけど。


 装備は調整で間に合うようで助かりました。

 戦鬼みたいな事になると大変なのだ。


 では。

 クラスチェンジ操作も終わった事だし、残敵の掃討と行こう。

 まだ獲物はいる。

 逃す事はない。







《只今の戦闘勝利で【身体強化】がレベルアップしました!》



 魔物を求めて町の中を彷徨う。

 時刻は?

 午後1時20分になっている。

 昼飯時だというのに。

 

 狙うのは?

 ビートルナイト、ビートルルーク、ビートルビショップ、ビートルポーン。

 蟲獣鬼、邪蟲獣。

 それに魔人だ。


 うん、見掛ける奴全部だ。

 優先したいのは魔人だが、こいつが一番厄介です。

 特にクラウン系。

 短い距離を転移するからだ。

 町の中でもそんな事が出来るのね?

 結界が働いていないのだろうか?


 だが。

 ナインテイルはデモンズクラウンが転移する先を読めているような所があった。

 それに放つ攻撃が強化されている。


 攻撃が派手になっているのは言祝も同様だ。

 特に呪眼。

 元々、召喚モンスター達の特殊能力の発動はタイムラグが少ない。

 だが呪眼を持つ言祝の場合、その切り替えがやたらと早いのだ。

 しかも複数の攻撃を使って見せていた。

 【呪文融合】の効果に似ている。

 オレの呪文攻撃に比べたら威力はまだ下だが、汎用性は高いようだ。


 でもね。

 ナインテイルも言祝もMPバーがもう逼迫している。

 ここまでだな。


 ナインテイルと言祝を帰還させる。

 ティグリスと折威を召喚しました。

 まだ、魔物はいるかな?

 見掛ける事は多いが、他のプレイヤーと戦闘中であったりする。

 全滅しそうな勢いでもない限り、介入はしていない。

 他人様の獲物を横取り、良くないよね?

 つかそこまで余裕は無かったんだが。


 もうすぐ、町中の魔物は排除し終えるだろう。

 終息しちゃうのか。

 魔人め。

 もうちょっと粘ろうよ!

 出来る筈だ。

 出来るよ!

 やれば、出来る!

 そこで何故頑張らないんだ?


 特に名前持ってる魔人、頑張れよ!

 オレにもっと経験値を寄越せよ!




「キースさん!」


 空中からオレを呼ぶ声。

 目の前にペガサスが舞い降りた。

 それに続いてヒッポグリフ。

 アデル、それにイリーナが騎乗していた。

 その後ろには春菜、此花が同乗している。

 付き従う召喚モンスター達が周囲を警戒する。

 空中から戦闘をしていたものであるらしい。

 それなりに消耗している。



「町の様子は分かるか?」


「ええ。かなり落ち着いてきてますけど」


「魔物がまだ沸いてきてます」


「何?」


 まだ、増えてる?

 何という福音。

 いや、町の人には大迷惑なんでしょうけどね。



「どうやって?」


「審判の石版です」


「町の中に勝手に設置されてるみたいですけど」


「見付けて破壊しろと先刻通達がありました。エンチャント系があれば武器で破壊出来るそうです」


 ほう。

 あれって破壊出来るの? 



「石版は擬装されてるみたいで。センス・マジックで見付けられる場合もあるみたいです」


「難しいみたいですけどね」


「でも可能なんだな?」


「ええ。町の中で今、プレイヤーの多くが探索モードです」


 イリーナがオレに何かを手渡してくれたんだが。

 これは、おにぎり?

 実に有難いな。



「逆に魔物が出現している近辺は怪しい。そういう事だな」


「ですね」


「何か凄いのが潰して回ってますけどね」


 春菜と此花の視線の先に魔鉱腐竜が飛んでいる。

 まるで宙に浮かぶ要塞だ。

 そしてロック鳥も。

 その周囲に3匹のレッサードラゴン。

 とんでもない戦力だな!



 そうか。

 今になって繋がった。

 盗賊ギルドからの警告。

 その前に探索行動をしていたブラックサモナーのレオノーラ。

 盗賊ギルドは魔人の侵入、その手段について、ある程度の情報を知っていた?

 その可能性は高い。



「フィーナさん達には会ったか?」


「ええ」


「町の生産拠点防衛に回ってます」


「情報が足りないな」


 困った。

 こういう時は事情通の意見が欲しい所なんだが。

 戦闘ばかりしているからな。



「魔物の一掃に専念するか」


「ですね」


「まだこのレムトでログアウトが出来ないみたいですし」


「それ、致命的!」


 ありゃ。

 それはまた。

 ここを拠点にしているプレイヤーには迷惑千万な話だ。 



「ここは分散して当たろう。そっちはどうする?」


「私は春菜ちゃんと!」


「此花ちゃんと組んで空からですね」


「手に負えそうに無い魔物がいるようなら無理はするなよ?」


 オレの声に各々が頷くと空へと舞う。

 ふむ。

 空中から魔物を狙う役目は任せた。

 オレは地上で殲滅戦と行こう。

 うん。

 普段の狩りと変わりませんな。


 それだけではない、気になる事もある。

 ここまで、移動したルートだ。

 魔物が、魔人が、多く出現した周辺に石版がある。

 見落としているのかもしれないのか?


 やはり事前に情報がないと困ります。

 今更、思い出せませんよ!






《フレンド登録者からメッセージが2件あります》


 誰かと思えばフィーナさんからだ。

 2件とはね。

 何だろう?



『レムトですがログアウトが可能となったようです。周囲で難儀しているプレイヤーがいたら告知してあげて下さい』


 ほう。

 確かめてみた。

 ログアウトのメニュー画面は操作が可能になっているようだ。

 テントも貼ってないから選択画面で止まるだけだ。

 不可能な場合はここまでそもそも進めない。


 時刻は午後1時30分か。

 結構長い時間、難儀な事になっていただろう。


 つまり、魔物を伝手にして石版を探す事も不可能か。

 ふむ。

 少し寂しい。

 周囲では魔物の雰囲気が無いのを察したのか、NPCが動き回っている。

 片付けを始めてました。



 で、もう1件のメッセージは何だ?



『魔人が使用した石版の擬装例です。参考までに』


 添付されているスクリーンショットは4つ。

 これは、分からん!

 新しく作られたレンガの中に埋め込んであったり。

 小屋の中で敷石に置かれていたり。

 馬の水飲み場の底に沈めてあったり。

 堂々と石工屋の資材置き場にあったり。


 何これ。

 宝探しゲームですか?



『種族レベルが低い程、発見、破壊、その上で破壊した石版をギルドに届ける事でボーナスポイントが得られるようです』


 うん。

 それ、重要。

 闘技大会ではボーナスポイントは得ているけど、魔人襲来関係だと得てない。

 こういう仕様か。

 どうする?

 ま、この町にいるプレイヤーは多い。

 棒を適当に投げたら当たってしまいかねない数だ。

 実際、何やら物探しをしているパーティを幾つも見掛けている。


 師匠とジュナさんに会ってみよう。

 何か情報を持っているかもしれないからな。

 居場所は何となく、分かる。

 ジュナさんの召喚モンスターと思われる魔鉱腐竜が旋回している、その下。

 レムトの中央広場って事になる筈だ。




「師匠!ジュナさん!」


「おー!キースちゃん!」


 ジュナさんは両手を広げて歓迎の構え。

 一瞬の抱擁。

 そして首に回されたジュナさんの腕が引き寄せられる。

 体をその勢いのまま反転。

 脇の下に抱え込まれてヘッドロックを極められた。

 なんという自然な流れ。

 防御出来なかったよ!



「見てたわよ?随分と召喚モンスターも従えるようになってて嬉しい!さすが私の孫弟子!」 


 オレは答える事が出来ない。

 完璧に極まっている。

 つか、ジュナさん、オレの頭の一部にマシュマロみたいな物が押し付けられてますって!

 いかん。

 フワフワだ。

 極められているというのにこの感触がががががががが!


 オレの頭を極めているジュナさんの腕を軽く連続で叩く。

 タップだ。

 ここは敗北を認めるべきだろう。



「相変わらず前に出て戦っておるようじゃな」


「はあ」


 師匠はどちらかと言えば呆れ顔だ。

 でもね。

 変えようが無いのです。


 それに気になるのはここにいる他の面子だ。

 竜騎士ラーフェン、竜騎兵グリエル、竜騎兵サビーネがいるからだ。

 オレ達を囲むように彼等の騎竜も控えている。

 師匠とジュナさんの召喚モンスターもいた。


 だが。

 雰囲気は余り宜しくないようですが。



「何です?」


「ちょっとね。大事な話なのよー」


 竜騎士達の表情が冴えない。

 何だろう?


 師匠の視線が動く。

 その先にはギルド長が歩み寄る姿が見えた。

 ゲルタ婆様も一緒です。

 やはり表情が冴えない。



「どうにか、話はして来ましたぞ」


「仮ではあるが結界も組み直しておる」


「で、盗賊ギルドの反応は?芳しくはなさそうじゃが」


「どうしても、な。ジュナ様、石版の反応はどうでしたか?」


「18箇所よ。ちゃんと数えたわよ?」


「既に何個か、ギルドにも届けられてきております。遠からず全部発見出来そうですな」


「問題はそこじゃないのよねー」


 そして皆の視線が竜騎士達に向けられている。

 蒼白だ。





「我等だけの証言でこの事態を報告、ですか?」


「私がいたら余計に信じて貰えないのよねー」


「ワシも似たようなものじゃしな」


 肩を落とす竜騎士。

 悲壮な決意。

 そんな所ですかね?



「私が送るわ。要するに王弟の一行が王城に入り込んでいなければ問題はないんだし」


「仮に入っていたら?」


「王城内がこうなるのよ」


 広場からレムトの全景は見えない。

 でも魔人と魔物による被害がどれ程のものか、察する事は可能だ。



「これでも被害は軽い方かしら?魔物の数も物足りないし」


「ジュナ様」


「本音よ?そう怒らないでルグラン。難しい顔は似合わないわよ?」


 ギルド長も子ども扱いだ。

 ま、ジュナさんにとってはここにいる全員がそうなのだろう。

 オレに至っては孫扱いだ。



「警鐘を鳴らすだけでも違うって事よ。それは随員の貴方達にとっての義務だわ。行くわよ?」


「港町レジアに船と船員を残してあるのですが」


「留め置かせたらええ」


「今は急ぐべきじゃな」


 頭上に魔鉱腐竜が。

 その姿が消えていく。

 周囲にいた召喚モンスター達もだ。

 師匠も召喚モンスターを帰還させているようだ。

 上空を旋回しているロック鳥が消えて行く。

 ヴォルフとティグリスを相手に遊んでいた妖狐が最後に消えた。



「師匠?」


「もっとゆっくりしたかったんじゃがな。ワシも確かめておきたい事があるのでな」


 そう言うと師匠がオレの肩を杖で軽く叩く。



《称号【老召喚術師の後継者】を得ました!》



「お前さんの召喚モンスター全部を見たい所だが、その機会は次にするかのう」


「あ!私も見たいわー」


 あの、師匠。

 それにジュナさん?

 今は緊急事態ではないのでしょうか?


 この人達もマイペースだな。

 周囲の空気を読まないし。

 困った人達だ。




 エリアポータルのレムトの町の中である。

 それなのに師匠とジュナさんの姿が消えていた。

 竜騎士達も。

 その騎竜であるッレッサードラゴン達もだ。

 転移、か。

 エリアポータル内部でも使えるとか、やはり格が違う。



「ギルド長、確認ですが」


「闘技大会は、中止じゃな。町がこの有様ではの」


「復興、大変そうですね」


「ワシがもうちょっと若かった頃、ここはまだ何もない丘陵地でしかなかった」


 ギルド長が遠い目をする。

 ちょっと?

 それ、何十年分ですか?



「その頃からの記憶はまだ残っておる。この程度の難儀などまだまだ軽い方じゃな」


「はあ」


 相槌を打つにしても曖昧になるのは仕方ないな。

 オレの知らない事であるのだから。




 ギルド長とゲルタ婆様とは広場で別れた。

 大会は中止か。

 仕方ない。

 狩りでもしましょうかね?

 【英霊召喚】の保険もあるのだし、8マス先を目指すのもいいかも?

 そう。

 2つある仏様マップの向こう側。

 不動明王様が出現する、N2W6マップだ。

 それにN1W7マップのエリアポータル内にある洞窟だってある。

 どちらも攻略は進んでいない。

 さて、どっちがいいかな?




 視界の端に違和感。

 小さな人影とそれに付き従う召喚モンスター。

 見た事があるような、ないような。

 えっと。

 誰だっけ?


 それにもう1名、サモナー系プレイヤーが同行している。

 召喚モンスターが見えていた。

 こっちには見覚えがある。

 ゼータ?


 何を急いでいるんだろうか?





 その路地に入ると左は倉庫街のような感じになっている。

 右は2階建て住宅って所だが。

 人通りは少ない。


 こんな所もあったのね?

 しかしゼータくん、ここに何の用があったんだろう?




 ヴォルフがオレの袖を引く。

 うん?

 何か、あるの?

 ティグリスまでもが何やら警戒の姿勢で倉庫のある左側を気にしているようだ。




 爆音。

 そして爆風。

 何かが、飛んできた。


 瓦礫?

 それに扉。

 人間もです。




 真中 Lv.16

 ソルジャー 逃走中

 戦闘位置:地上



 えっと。

 逃走中?

 マーカーは緑。

 そのHPバーは半分にまで減っていた。



 その男はオレの姿を一瞬だけ見ると、すぐに立ち上がって走り出した。

 オレから離れる方向へ、路地の奥にだ。


 壊れた建屋から何名かのプレイヤーが飛び出してきた。

 そして召喚モンスターも。

 グレイウルフ?

 それにウェアウルフ。

 そのマーカーもまた緑。


 2匹はオオレ達に構わず、先刻の男の後を追い掛ける。

 素晴らしいスピードだ。


 続いて何名かのプレイヤーが建屋から出てくる。

 ゼータだ。

 そして同行しているサモナー系と思えるプレイヤー。

 変装しているが見覚えがある。


 サブリナだ。



「え?」


「ふぇ?」


「あれ?」


 三者三様の声。

 奇妙な組み合わせだな、おい!




「どっちだ?」


「逃がすな!」


 追加でプレイヤーがゾロゾロと現れていた。

 その中にレオノーラもいる。



「キースさん、説明は後で。逃げた奴を捕まえないといけないんです」


「えっ」


 ゼータはそう言い残すと足元に寄り添うホワイトウルフに視線を移す。

 一気に駆け出した。



 うん。

 何だろう、あれ。

 こうなったら野次馬でもするか。

 追い掛けてみよう。




 ヴォルフの後を追って辿り着いたんだが。

 既に先刻の男は取り押さえられていた。

 全身を縄で縛られている。

 その縄が黒い事も注目だ。


 真中というプレイヤーが口を開く。

 オレに向かってだ。


「そこの連中にPKが混じっているぞ!助けてくれ!」


「うん、それ知ってる」


 サブリナに視線を合わせる。

 何故、怯えているんだ?

 この町中で襲ったりしませんよ?


 捕らえられた男を凝視する。

 何か、違和感。

 こいつ、何か化粧してないか?



 ユージ Lv.17

 バンデッド/ソルジャー 拘束中 反撃許可あり

 戦闘位置:地上



《これまでの行動経験で【看破】がレベルアップしました!》



 何だ。

 君だってPK職じゃないですか、もー。

 しかも中々のレベルのようですけど?



「じゃあ引渡しはこっちでやっておく」


「お願いします」


 その場所に残ったのはゼータと彼の召喚モンスターのグレイウルフだけだ。

 PK職を狩っていた?

 PKK職のように。

 だがそれもおかしい。

 PK職がPK職を追い掛ける構図でもあるからだ。

 ゼータがPK職と一緒に行動しているのもまた奇妙な構図になる。


 カオス。



「少し事情は説明しておきたいのですが」


「うん」





 ゼータに最初に見せられたのは?

 木刀、それに木剣だ。

 えっと。

 これが何か?


「今でもこれで鍛錬してます。ユニオンを組んでる時は使ってませんけど」


「え?」


「それに裸絞めも。格闘師範の称号はようやく取得した所でまだまだこれからです」


「ええ?」


 木刀に木剣。

 裸絞め。



「ラムダくん、なの?」


「ええ。今更ですけど、再作成でサモナー始めました」


 なんとまあ。

 見違えちゃいましたよ!


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv52

職業 アークサモナーLv19(大召喚魔法師)

ボーナスポイント残 33


セットスキル

小剣Lv18 剣Lv26 両手剣Lv19 両手槍Lv23 馬上槍Lv34

棍棒Lv22 重棍Lv17 小刀Lv17 刀Lv24 大刀Lv20

刺突剣Lv17 捕縄術Lv28 投槍Lv23 ポールウェポンLv23

杖Lv43 打撃Lv45 蹴りLv45 関節技Lv43 投げ技Lv43

回避Lv46 受けLv45

召喚魔法Lv52 時空魔法Lv42 封印術Lv37

光魔法Lv37 風魔法Lv36 土魔法Lv36 水魔法Lv36

火魔法Lv36 闇魔法Lv37 氷魔法Lv35 雷魔法Lv35

木魔法Lv35 塵魔法Lv35 溶魔法Lv36 灼魔法Lv35

英霊召喚Lv4

錬金術Lv29 薬師Lv13 ガラス工Lv13 木工Lv24

連携Lv38 鑑定Lv35 識別Lv37 看破Lv14(↑1)耐寒Lv19

掴みLv38 馬術Lv37 精密操作Lv39 ロープワークLv27

跳躍Lv30 軽業Lv30 耐暑Lv24 登攀Lv15

平衡Lv26

二刀流Lv30 解体Lv33 水泳Lv14 潜水Lv17 投擲Lv23

ダッシュLv30 耐久走Lv30 隠蔽Lv16 気配遮断Lv16

身体強化Lv37(↑1)精神強化Lv37(↑1)高速詠唱Lv37

魔法効果拡大Lv36 魔法範囲拡大Lv36

呪文融合Lv21(↑1)

耐石化Lv14 耐睡眠Lv15 耐麻痺Lv19 耐混乱Lv18

耐暗闇Lv15 耐気絶Lv21 耐魅了Lv14 耐毒Lv24

耐沈黙Lv15 耐即死Lv14


称号 

老召喚術師の後継者(New!)森守の紋章 中庸を知る者

海魔討伐者 鍾乳洞踏破の証 墓守の紋章

魔人討伐者 金紅竜の祝福

瑠璃光の守護者 除蓋障院への通行証

呪文創造主の理 拳豪 ウェポンメンター

バトルシンドローム


召喚モンスター

戦鬼 レッドオーガLv4→Lv5(↑1)

 器用値 24(↑1)

 敏捷値 37(↑1)

 知力値 10

 筋力値 54

 生命力 52

 精神力 10

 スキル

 打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技

 関節技 激高 夜目 物理抵抗[微] 自己回復[大]


ナインテイル 銀影狐Lv20→銀狐Lv1(New!)

 器用値 15(↑1)

 敏捷値 45(↑1)

 知力値 41(↑2)

 筋力値 15(↑1)

 生命力 15(↑1)

 精神力 41(↑2)

 スキル

 噛付き 回避 天駆(New!)天啓 霊能(New!)MP回復増加[中]

 魔法抵抗[中] 時空属性 光属性 闇属性 風属性 陽炎(New!)


言祝 レッサーデーモンLv20→デーモンLv1(New!)

 器用値 14(↑1)

 敏捷値 42(↑1)

 知力値 42(↑1)

 筋力値 15(↑2)

 生命力 15(↑2)

 精神力 42(↑1)

 スキル

 刺突剣 飛翔 浮揚 回避(New!)反響定位 自己回復[微](New!)

 物理抵抗[微](New!)魔法抵抗[大] MP回復増加[大](New!)

 変化 時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性 水属性 呪眼


召魔の森 ポータルガード

文楽、逢魔、極夜、雷文、スコーチ、船岡、福助、守屋


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― 新着の感想 ―
ゼータって名前で匂わせてはいたんだよね。 ただアバターの傾向が違いすぎでしょ(笑)
2匹はオオレ達に構わず、 ↓ 2匹はオレ達に構わず、
復讐の鬼がショタエルフになって帰ってきた!w
感想一覧
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