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《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『福助』がレベルアップしました!》

《『福助』のステータスを確認して下さい》


 ログインしました。

 時刻は午前5時20分。

 場所は召魔の森。

 今日は本選であり、受付は午前8時なのだ。

 ゆっくりでいい。


 で、福助のレベルアップだって?



 福助 シルバースキンLv14→Lv15(↑1)

 器用値 46(↑1)

 敏捷値 29

 知力値 30(↑1)

 筋力値 15

 生命力 16

 精神力 16


 スキル

 手斧 弓 回避 料理 造林 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[中] 自己修復[中] 闇属性



 見事だ。

 つか何処にいる?

 朝食を頼みたいのだが。


 いた。

 文楽と一緒に何やら作業をしていたようだ。

 守屋は?

 家畜の世話をしているようです。


 文楽と福助の両方でもいい。

 朝食、お任せで。


 ついでだ。

 拠点メニューを見てみよう。

 塔は3行、あるんだが。

 一番上のメニューを開く事が出来る。

 でもね。

 これはないよ!



《塔の石版の強化になりますと、完成した塔が最低でも4つ必要となります!》


《現在、完成した塔は1つ、建設中の塔は2つとなります》



 先は長い。

 本当に長そうです。


 仕方ない。

 《アイテム・ボックス》の整理を少し進めるとしよう。

 何だか細々とした物が増えてます。

 ま、このままでいいか。

 当面は放置で。


 では。

 少し心を落ち着かせましょう。

 金縁亀の爪がまだある。

 全部、弓にしてしまえ!

 特に急ぐ事はない。


 ゆっくり、でいいのだ。

 ゆっくりと、いい出来に仕上げるのだ。








《これまでの行動経験で【木工】がレベルアップしました!》



 朝飯が出来上がるまでに5張を仕上げたんですが。

 2つ、レベルアップしちゃってます。

 出来はそこそこだし満足なんだが。

 困った。

 食事を終えた後、どうする?

 狩りに行くにしても中途半端だ。


 そうだな。

 このまま、弓の作成にしましょう。

 もう5張、作成を終えてしまえ!







《これまでの行動経験で【木工】がレベルアップしました!》

《これまでの行動経験で【精密操作】がレベルアップしました!》



 時刻は?

 午前7時20分か。

 そろそろ、移動しようかね?

 弓の出来はまあいい感じだ。

 全部、ここに置いて行こう。

 売り物にするのもいいが、懐具合はそう逼迫していない。


 では。

 移動しよう。

 ヴォルフ、護鬼だけを召喚する。

 レムトでの受付には余裕で間に合うだろう。





 レムトの町はいささか雰囲気が変わっていた。

 喧騒は変わっていないけど、雰囲気が違う。

 その原因が、見える。


 塔の上に、何かがいるのだ。

 何だ?




 レッサードラゴン Lv.9

 魔物 移動中

 戦闘位置:地上、空中

 火属性 風属性 水属性 氷属性 ブレス



 レッサードラゴン Lv.7

 魔物 移動中

 戦闘位置:地上、空中

 光属性 火属性 土属性 溶属性 ブレス



 レッサードラゴン Lv.4

 魔物 移動中

 戦闘位置:地上、空中

 火属性 土属性 溶属性 ブレス




 やや青みのある灰色のレッサードラゴン。

 砂の色をしたレッサードラゴン。

 やや黒味のある赤いレッサードラゴン。

 そのマーカーは黄色。


 以前にも見た騎乗竜だ。

 騎乗するための装備があるから判別は簡単です。

 それに、だ。

 この3匹に騎乗する者達がいる筈だ。

 竜騎士、それに竜騎兵。

 ここに、来ているのか?

 もしかして、大陸から来賓がいるのだろうか?

 これもイベントの一環なのかね?





 新練兵場で受付を済ませると控え室で待機となりました。

 ここで布陣を確定させておく。

 ヴォルフ、護鬼、戦鬼、ヘザー、獅子吼だ。

 周囲には既に何組かのパーティがいた。

 注目されているのか?

 視線がちょっと痛いです。

 幾つか、どこかで見掛けたような顔もあったが。

 気にしない。

 敢えて気にしません。


 むしろ、気にしているのは魔人だ。

 幻影とはいえ、レムトに現れた事があるのだ。

 しかも、闘技大会の決勝戦の直後に。


 何かが起きる可能性は、ある。

 フィーナさんもその可能性を示唆してましたね。

 半分、期待してるような所もあったけど。



 うん。

 オレも期待してます。

 きっとその経験値は美味しいだろう。






 開会式があったのかな?

 大きな拍手が聞こえる。

 そろそろ、出番の筈だ。


 控え室にいるのはオレ達を含めて8つのパーティだ。

 他にも3箇所、控え室があるらしいが。


 第一回戦では参加する32のパーティが半分になる。

 この控え室の視線もいずれ減るだろう。

 気にしてはいけない。

 気にしてはいられない。


 まだか?

 出番は、まだか?

 無性に体を動かしたくなる。




「出番です。こちらへ」


「はい」


 最初に呼ばれたのはオレ達ともう1パーティか。

 さあ。

 試合で体を動かして行こう。

 今度はどんな相手かな?





 ??? Lv.16

 シーフ/ルーインダイバー 待機中



 ??? Lv.16

 アウトロー/フェンサー 待機中



 ??? Lv.15

 アサシン/スティンガー 待機中



 ??? Lv.15

 ハンターキラー/アマゾネス 待機中



 ??? Lv.14

 ブラックソーサラー/エレメンタル・ソーサラー『闇』 待機中



 ??? Lv.17

 ブラックバード/プリンシパルバード 待機中



 おい。

 全員、真っ黒じゃねえか!

 いや、PK職が闘技大会に出てもおかしくないけどさ。

 【看破】が効いた、のか?


 以前に【看破】済みの場合は見抜くのが楽になると聞くが。

 もしかして、以前に会ってますかね?


 これは気が抜けないな。

 手も抜けない。

 特にバード。

 壁呪文を築かれた裏で歌と演奏をされたら厄介だ。

 音による支援は防御が難しい。


 得物はどうだ?


 シーフは盾は持たず、小剣2振りかな?

 他にも何やら背負っているようだ。


 アウトローは革鎧に革兜のようだが、盾だけがゴツい。

 得物はメイスだな。


 アサシンは刺突剣メインだろう。

 軽装と言って通じる格好だ。

 肩ベルトには投擲用らしきナイフが何本も見えてます。


 ハンターキラーは弓矢、それに小刀か。


 ブラックソーサラーはスタンダードにローブ姿で杖持ち。


 ブラックバードは竪琴を持っているが腰には刺突剣。


 得物だけで戦闘スタイルが何となく透けて見える。

 本選に出場してくるパーティなのだ。

 警戒すべきなのは連携。

 いかに分断しますか?

 オレ好みなのは速攻だ。

 つまりこれまでと変わらないって事だな。



 オレの得物はどうする?

 普段通りで。

 特別な事は何もなくていい。

 自然体でいい。



 雛壇を見る。

 師匠とジュナさんは?

 師匠はギルド長の隣にいる。

 ジュナさんはいないか。

 師匠もギルド長もおとなしいな。


 そして奇妙な連中がいる。

 派手な格好をしたヒョロリと痩せた男。

 それに付き従うのは禿頭の髭男。

 周囲にはお揃いのローブを肩に掛けた戦士達だ。

 無駄に目立つ。


 その末席に3名。

 以前に見た竜騎士、それに竜騎兵だ。


 うむ。

 何かイベントにお膳立てのように感じてしまう。

 気のせい?

 気のせい、だよね?




 試合場の角に立つと職員さんによって回復が施された。

 全快に近かったし、装備の修復もそう大した事はない。

 準備はいいか?

 大丈夫だ。

 問題ない。

 今日も速攻で行こう。

 真っ先に後衛のバードを狙うのだ。




 開始3秒前。


 互いに。

 礼。


「始め!」


 開始と同時に得物を手に。

 右手に獅子賢者のフルーレ、左手に珪化木のトンファー。

 相手は?

 各々の得物を構えようとしている。

 そして武技を選択して実行。



「降魔闘法!」「メディテート!」「ブレス!」「インテリジェンス・アタック!」


「ボンナバン!」


 一気に試合場の中央近くに到達。

 だが。

 相手も武技を使ったのか?

 距離が近い。

 アウトロー、それにアサシンだ。


 いかん。

 もう1つ武技を使う予定であったんだが、この2名の間を抜けられそうにないぞ?


 予定は変更だ。

 呪文を選択して実行。

 アサシンが繰り出すフルーレを頭を下げて避けながら懐に飛び込んだ。

 脇をトンファーで一撃。

 後ろに回り込んで、股間を蹴り上げた。


 あれ?

 沈んじゃった?


 フェンサーを見る。

 交通事故に遭ったかのように吹き飛んだ。

 戦鬼の鉄球がまともに命中してました。

 盾で受けていたようだが、無駄だったのか?



「「「「「「フォース・ブラスト!」」」」」」


 オレが選択したのは共通呪文のフォース・ブラスト。

 【呪文融合】による6連装だ。

 1発だけであれば威力はそう大した事はない。

 だがこの呪文、詠唱が比較的短くて済む。

 攻撃範囲は広めだ。

 無属性攻撃なので色々と面倒がないから愛用している訳だが。


 攻撃範囲は十分に届く。

 残り4名の呪文に先制出来たか?



 ブラックバードの歌が、途切れた。

 フォース・ブラスト6連装に続いて、空中からのヘザーの突撃をまともに喰らっていました。

 あっという間に沈んでしまう。

 

 獅子吼はハンターキラーが放った矢を喰らってたが、反撃は苛烈なものになった。

 押し倒されて肩口を噛み裂かれてしまっている。


 あれ?

 ブラックソーサラーは?

 もしかして、既に沈んじゃってます?

 フォース・ブラスト6連装だけで、終わったの?





 最後に残ったシーフは試合場の角に追い詰めた。

 二刀流スタイルか。

 短めの剣を左右の手に持ち迎撃の構えだ。

 ほう。

 まだ、やる気満々ですね?


 ここはオレが、と言いたい所だが。

 護鬼に譲ろう。

 闘技大会の予選では活躍の機会が少なかったからな。



 でもね。

 護鬼は本来の姿で戦うかと思ってました。

 小さいままです。

 相手と同じく二刀流スタイルだ。

 得物は五鈷杵と降魔宝剣。

 五鈷杵から伸びる刃身は漆黒。

 降魔宝剣の刃身は光輝いてます。

 正直、派手だ。

 結局、シーフも防戦一方に押し込まれてしまっていた。

 手数がまるで違っている。

 当然の帰結と言えた。


 戦い終えた護鬼の表情は変わらない。

 僅かに唇の端に笑み。

 本来の姿で戦うまでもない、という事なのかね?

 ま、お任せであるし、勝っているから問題はない。




《試合終了!戦闘を停止して下さい!》


 試合場の対角線上に相手チームが並んでいるのですが。

 うん。

 死人はいないようだ。

 死んでおかしくないのもいる筈だが。

 装備はボロボロだが運がよかったな!

 装備は修復してくれる筈だ。


 戦鬼の鉄球で吹き飛んだフェンサー、いや、アウトローは?

 死人のような顔だ。

 痛覚はある筈。

 きっと体の芯までダメージが響いているに違いない。


 もうちょっと、時間を掛けた方が良かったかな?

 せっかくの痛覚ありの条件であったのに。



《本選第二回戦に進出しました!第二回戦は本日午前9時30分、新練兵場A面の予定となります》

《一回戦突破によりボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で31ポイントになりました》



 ま、いいか。

 余計な面倒は無いのだし。

 どうも速攻スタイルに慣れてしまっているな。

 狩りでもその傾向はある。

 戦闘時間が短く出来れば、限られた時間内でより多くの魔物を狩れるからだ。




「奇妙な戦い方じゃな」


「あ、ども」


 回復と装備の修復を終えたらゲルタ婆様に声を掛けられました。

 ありゃ。

 見てましたか。



「師匠にはまるで似ておらんのう」


「あ、その師匠なんですが」


「どうした?」


「何か様子がおかしくないですか?」


 オレの視線は雛壇にいる師匠とギルド長の姿を再び捉える。

 おとなしい。

 いや、何やら相互に話をする様子はあるんだが。

 試合に熱中するような様子は、ない。



「ま、気にせんでええ。お前さんは試合に集中する事じゃな」


「はあ」


 何だろう?

 ゲルタ婆様の笑顔がやけに明るい。

 これは何かあるのかな?






《試合終了!戦闘を停止して下さい!》



 試合が早く終わったので、隣の試合を観戦してました。

 面白い。

 漁師チームこと、二郎と譲二達だったんだが。

 残念ながら敗北か。


 相手は?

 何と全員がドワーフだ!

 そして全員が生産職。

 鍛冶師2名、石工2名、醸造家、宝飾家だ。

 全員が前衛。

 全員で前進あるのみの戦闘だった。

 投網?

 全部ズタズタに斧で叩き斬ってました。

 剛能く柔を断つ、か?

 何かが違う気がします。


 つか鍛冶師の中に見知った顔があるんですが。

 ジルドレ、だよな?

 何という奇遇。

 しかしあの編成、オレならどうする?

 速攻だけで終わらせるのは困難だろう。

 タフ過ぎる。

 場外に押し出すにしても重たいしな。

 定番ならピットフォールなのだろうけど。


 戦闘ログを見ると、全員が盾を持ってシールド・ラッシュを使っている。

 ピットフォールを仕掛けるにしてもタイミングが難しいぞ?

 ま、他にも手がある。

 実際に戦ってみたくなるな。

 面白そうだ。








 試合会場の一角にいたらギルドの職員さんに怒られちゃいました。

 控え室に逃げ帰ると戦闘ログだけ見て過ごす事に。

 でもね。

 これよりも動画の方がいい。

 タイムラグはさすがにあるものの、動画が次々とアップロードされているのだ。

 手間要らずだな、これ。


 先刻のオレの試合もあった。

 つか試合時間が2分ないとか。

 短い。

 速攻だから仕方ないんだけどね。


 速攻だと観客受けが良くないと思うのですよ。

 まあ観客受けを狙って試合をしている訳じゃないけどさ。



 与作と東雲のパーティは順調に勝ち上がってました。

 いや、辛勝?

 相手が序盤にスチーム・ミストを使って後衛を狙いに行ってたのだ。

 しかし不動、篠原といった後衛も冷静な対応だったな。

 エアカレント・コントロールで霧を吹き飛ばしながら間合いを詰めて攻撃し続けていたし。

 それでもスチーム・ミストを連発するというしつこさ。

 素敵だ。

 この展開も観客には絶対に受けないな。

 間違いない。

 全然、戦っている所が見えないからな!



 ガヴィとリディアのいるパーティ、シェルヴィのいるパーティの試合も中々だな。

 共に勝利か。

 手の内を全て見た訳ではないが、基本戦術は同じだ。

 機動力と射程を活かした戦闘スタイル。

 それに防御を固めて迎撃を基本とする戦闘スタイル。

 一貫してます。


 どっちも手強そうです。

 面白い。

 次の試合、どこと対戦になるのか?

 職員さんが試合時間を告げに来るのが見えている。

 もう、そんな時間?

 動画の視聴に熱中してたらこれだ。

 もう試合時間が迫ってました。




 対角線上に試合相手がいる。

 ある意味で頭が痛い。

 ジルドレがいる。

 全員、生産職だ。

 全員、ドワーフだ。

 全員、盾持ちの重武装だ。

 全員、仲良く種族レベル30相当だ。


 どうしたものか?

 タイプがまるで違うが、イメージならある。

 想定、禍神。

 普通に強化して殴っても重たい、あの感じだ。

 どうしたらいい?


 固まって前進してくるのか?

 散開するのか?

 先刻の戦闘では漁師チーム相手に散開していたが。


 呪文の強化抜き、武技だけで対抗出来るか?

 少し無理があるな。

 降魔闘法にインテリジェンス・アタック。

 トンファーだけで凌げるか?

 少し無理がある。

 ヴォルフやヘザー、獅子吼にしても呪文の強化なしで、となれば特殊能力頼りだ。

 あのタフなドワーフに通じるにしても、足止めや牽制にならない可能性がある。

 フォース・ブラスト6連装如きでは足止めにもならないだろう。


 ちょっと面倒?

 きっとそうだ。


 【呪文融合】の6つ目の組み合わせは変更しておこう。

 ここは搦め手を使うべきだ。

 本音を言えば、まともに勝負したい所だが。

 6名同時に、というのはちょっと。

 護鬼や戦鬼を交えて乱戦に持ち込むのもアリだけどね。

 オレを狙って来るのは目に見えてます。

 ここは慎重な位でいいだろう。







 開始3秒前。

 少し緊張する。

 予測はあるが予測通りに戦闘が展開するとは限らない。

 攻撃を捌ききれるかどうか。

 そこが鍵だ。


 互いに。

 礼。


「始め!」


 開始と同時に得物を手にした。

 右手に獅子賢者のフルーレ、左手に珪化木のトンファー。

 変わらない。

 変えていない。


 即座に武技を選択して実行する。



「降魔闘法!」「メディテート!」「ブレス!」「インテリジェンス・アタック!」


「ボンナバン!」


 一気に試合場の中央近くへ。

 ヴォルフとヘザー、獅子吼も続く。


 ドワーフ達は?

 何と、目の前に。

 しまった。

 全員でシールド・ラッシュか?


 呪文を選択して実行。

 後ろには下がらない。

 下がってはいけない。

 それは悪手だ。


 前に、進め!


 先頭のドワーフの頭の上を飛び越える。

 ヴォルフもだ。

 ヘザーが雷撃の雨を浴びせ、獅子吼がブレスを吐く。

 だが、動じない。

 戦列は一切乱れないままだ。

 想定済みであったのだろう。


 だが。

 これは想定してないよね?



「「「ピットフォール!」」」

「「「ラーヴァ・フロー!」」」



 6名のうち、4名が落とし穴へ。

 穴の縁に2名、残っていたが。

 1名は戦鬼に蹴り飛ばされた。

 もう1名は空中からヘザーと獅子吼に追い立てられて穴に落ちてしまう。

 落とし穴の中はどうか?

 そこは既に溶岩流で満たされている。


 ドワーフの皆さん。

 溶岩風呂にようこそ。

 湯加減はどうでしょう?





《試合終了!戦闘を停止して下さい!》


 1名の鍛冶家がフライの呪文で逃げようとしたけど、ヘザーと獅子吼が叩き落してました。

 他のドワーフは?

 落とし穴の壁面を登ろうとしていたが、溶岩の中へと戻って貰いました。

 壁面を登ってくるドワーフをお風呂に入れる簡単なお仕事です。

 いや、言うほど簡単じゃないけど。


 結局、落とし穴と溶岩流で終了でした。

 終わってみたら呆気ないものです。


 やはり観客受けしそうにない。

 困ったものだ。



《本選第三回戦に進出しました!第三回戦は本日午前10時30分、新練兵場B面の予定となります》

《二回戦突破によりボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で33ポイントになりました》



 えっと。

 今回の闘技大会で呪文を使ったのは今日が初めてかな?

 第一回戦ではフォース・ブラスト6連装。

 第二回戦ではピットフォールとラーヴァ・フローのコンボですか。

 うん。

 いいのかね、これで?

 何だかあっさり過ぎて手抜き間感すらあります。

 いいんだろうか?




 回復と修復を終えると控え室に戻って反省会だ。

 何を?

 咄嗟に【呪文融合】を使った事だ。

 良く考えたら壁呪文で分断しても良かったんではなかろうか?

 そうしたら格闘戦が楽しめたのに!


 しかし動画のアップロード早いな!

 もう先刻の試合が見れる。

 見返してみるとやはり面白くない。

 ドワーフは全員、いい対戦相手であったというのに。

 惜しい事をしました。




 引き続き動画を視聴します。

 どれも面白い。

 オレの試合とはそこが違います。


 控え室に残っているのはオレだけになってしまっている。

 第三回戦に残ったのは8つのパーティ。

 与作と東雲の所は?

 勝ち残っている。

 第二回戦は堂々とした力押しと力押しのぶつかり合いだった。

 見所は多い。


 ガヴィとリディアのいるパーティも実にテクニカルな戦い振りだ。

 スマート、とも言っていい。

 前衛もスピードがあるし、判断も早いようだ。

 互いにフォローに入るタイミングもいい。

 かなりレベルの高い連携を見せている。

 観客受けするんだろうな、これ。


 シェルヴィのいるパーティも勝ち上がっている。

 堅守。

 その上での迎撃だ。

 ピットフォールで一網打尽になりそうな雰囲気もあるのだが。

 スペル・バイブレイトを有効に使っている。

 対戦相手の後衛が思ったように呪文攻撃出来ていない。

 その後衛はエレメンタル・ソーサラー『土』だったのだ。

 ピットフォールが使える筈なのだが。


 後衛側からスペル・バイブレイトを常時準備しながら弓矢と呪文で攻撃、か。

 辛抱、堪らん。

 オレには真似出来そうにない耐久戦だった。

 それに前衛はピットフォールに怯えながらの壁役になる筈なのだ。

 相互の信頼が磐石でなければ出来ない。



 他の対戦も見たかったが、シェルヴィのいるパーティの戦い振りを見返したのがいけなかった。

 第三回戦の時間が迫っている。

 次の相手はどこかな?

 どこであっても変わらない。

 変えなくていい。

 全力を尽くそう。

 観客受けも考えなくていい。






 新練兵場の試合場は4面になっている。

 そこに8つのパーティが同時に入場となった。

 観客の歓声も大きい。

 この中から優勝者が出る事になるのは間違いないのだ。

 どの試合も注目だろう。


 で、オレの相手は?


 うむ。

 ガヴィとリディアのいるパーティだ。

 脳裏に浮かぶのはある記憶。


 膝十字固め、使い難いなあ。

 風天羂索もです。

 何か事故を起こしかねない。



 いかん。

 意識するんじゃない。

 本当に何か事故を起こしかねないぞ?

 法則が発動しても、困るんだが。



 雛壇に視線を向ける。

 場所の関係で、すぐ近くで師匠とギルド長の姿を見る事が出来た。

 あの来賓達もだ。


 竜騎士ラーフェン、竜騎兵グリエル、竜騎兵サビーネとは真正面から視線が合った。

 さすがに気が付いたようだ。

 目礼を交わす事になっちゃったよ。


 師匠は?

 落ち着いたものだ。

 ギルド長も普段通り。




 王弟 ローレン Lv.4

 近衛儀杖兵 待機中

 ???



 スレイマン Lv.10

 侍従長 待機中

 ???


 近寄ったからかな?

 主賓とその傍に控えるNPCの【識別】が効いたようだ。

 王弟、ね。

 何だか面倒そうな肩書きに思えます。

 大陸側からここに来た理由って何でしょうね?


 ああ、そうか。

 お偉方がいるからジュナさんは退避したのかね?

 それなら納得だ。



 おっと。

 それよりも試合だ。

 対戦相手は普段から組んで連携を深めているパーティである事は間違いない。




 ??? Lv.18

 フェンサー 待機中



 ??? Lv.17

 ソルジャー 待機中



 ??? Lv.17

 セイバー 待機中



 ??? Lv.18

 ルーインダイバー 待機中



 ??? Lv.18

 エレメンタル・ソーサラー『光』 待機中



 ??? Lv.17

 メイジ 待機中



 うん。

 中々の強敵なのは間違いない。

 戦い振りも既に見ている。

 動画で見たフェンサーも機動力は中々高かった。

 注意すべきは後衛の2名。

 特にリディアだ。

 光魔法の呪文を駆使して撹乱を狙って来るだろう。


 どう戦う?

 当然だが速攻、しかも接近戦をメインで考えるべきなのだろうかね?

 事故は怖い。

 怖いけど、それが一番、性に合っているのが悩ましかった。


主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv52

職業 アークサモナーLv19(大召喚魔法師)

ボーナスポイント残 33


セットスキル

小剣Lv17 剣Lv25 両手剣Lv19 両手槍Lv23 馬上槍Lv34

棍棒Lv22 重棍Lv17 小刀Lv17 刀Lv24 大刀Lv20

刺突剣Lv17 捕縄術Lv28 投槍Lv23 ポールウェポンLv23

杖Lv43 打撃Lv44 蹴りLv44 関節技Lv43 投げ技Lv43

回避Lv45 受けLv45

召喚魔法Lv52 時空魔法Lv42 封印術Lv37

光魔法Lv36 風魔法Lv35 土魔法Lv35 水魔法Lv35

火魔法Lv35 闇魔法Lv36 氷魔法Lv35 雷魔法Lv35

木魔法Lv35 塵魔法Lv35 溶魔法Lv36 灼魔法Lv35

英霊召喚Lv4

錬金術Lv29 薬師Lv13 ガラス工Lv13 木工Lv24(↑3)

連携Lv38 鑑定Lv35 識別Lv37 看破Lv13 耐寒Lv19

掴みLv38 馬術Lv37 精密操作Lv39(↑1)ロープワークLv27

跳躍Lv29 軽業Lv29 耐暑Lv24 登攀Lv15

平衡Lv26

二刀流Lv29 解体Lv33 水泳Lv14 潜水Lv17 投擲Lv23

ダッシュLv29 耐久走Lv29 隠蔽Lv16 気配遮断Lv16

身体強化Lv36 精神強化Lv36 高速詠唱Lv37

魔法効果拡大Lv36 魔法範囲拡大Lv36

呪文融合Lv20

耐石化Lv14 耐睡眠Lv14 耐麻痺Lv18 耐混乱Lv17

耐暗闇Lv15 耐気絶Lv20 耐魅了Lv13 耐毒Lv24

耐沈黙Lv14 耐即死Lv14


召喚モンスター

福助 シルバースキンLv14→Lv15(↑1)

 器用値 46(↑1)

 敏捷値 29

 知力値 30(↑1)

 筋力値 15

 生命力 16

 精神力 16

 スキル

 手斧 弓 回避 料理 造林 物理抵抗[小]

 魔法抵抗[中] 自己修復[中] 闇属性

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― 新着の感想 ―
初期の頃、主人公は刀刀言ってたのに、いざ手に入れたら全く使わないやん。
王弟さん シナリオ進行しそうで楽しみ
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