表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/1335

4

 その小さな家の前には一人の老人が佇んでいた。

 右手には魔法使いにありがちな杖。

 その捩れた形状の先端には先ほどのフクロウが止まっている。

 頭上の逆三角形のマーカーは黄色。

 意識をこらしてみるが情報は一切読み取れなかった。

 手強そうだ。


「全く。冒険者ギルドも人手不足なのかのう」


 老人の前に歩み寄って一礼すると、ヴォルフも一緒に一礼した。おお、賢い。


「初めまして。駆け出しの冒険者でキースです。こっちは相棒でヴォルフ」


「ふむ」


 ローブ姿のその老人はすらりとして背が高かった。

 アゴの髭は白く短く刈り込んで揃えてあるようだ。

 顔つきは柔和なのだが目は鋭く笑っていない。


「恥ずかしながら先達の召喚術師に指導いただければ、と思いギルドに相談した所、こちらを紹介戴きました」


「うむ。もう確認はしておる」


 え。

 もうですか?

 いつ済ませたんだ。


「顔に出ておるぞ」


 楽しそうに笑われてしまった。


「お主が声をかけたギルド職員はワシの知り合いじゃよ。メモの筆跡ですぐに分かる」


 更に一歩寄ってくると目を覗き込まれた。


「で、何故に指導を必要としておるのじゃ?」


 圧迫半端ないって爺様。


「共に冒険する仲間が召喚したこの子だけなのです。私は冒険者としても召喚術師としても未熟でして」


「格好を見たら分かるわい」


 何故かオレの周囲をぐるりと回りだす爺様。


「中肉中背。黒髪黒目。いかにも普通の外観。冒険者にしては装備が貧弱じゃが一応召喚はできる、か」


 値踏みされてる。

 キャラ作成は自動で外見はランダムのままだったような覚えがある。

 少しは受けがいいように弄っておいた方が良かったんだろうか。



「まあええ。ギルドからの紹介でもあるし、暫くの間は面倒は見てやろう。但し」


 爺様はオレの前に戻ると大仰な間をとって振り向いた。


「この召喚術師オレニューの教えを乞うのじゃ。それなりに覚悟はあるかの?」


 インフォが脳内に流れたのはその時だった。



《イベント『召喚術師への弟子入り』が成立しました。イベントを進めますか?》



 同時に目の前に小さな仮想ウィンドウが現れていた。

《Yes》そして《No》の二つの選択肢だ。

 答えは決まっている。


「若輩者ではありますが宜しくお願いします」


「うむ」


 自動的に《Yes》を選択したことになったようだ。

《Yes》の画面が強調されるように点滅し《No》の選択肢は消えていった。



《イベント『召喚術師への弟子入り』を開始します》



「宜しい、ではワシのほうから最初に伝えねばならん事がある」


「はい、なんでしょう?」


 訓示か何かかな、と思ってました。


「まずはワシの仕事を手伝ってくれるかの。冒険者ギルドの依頼でレムトの町に魔法薬を納めておるのでな、その作成じゃ」


「はい」


「急に昨日ワシの所に依頼があってな、なんでもポーション類が足りなくなっておるようじゃな」

 ああ、オレみたいな駆け出し冒険者が大量に発生、それぞれが買い込んでるからか。

 この爺様、ポーション作成もしてるのか?

 オレをここに寄越したのも実態はどうやら冒険者ギルドから手伝いの頭数としてなのだろう。

 謀られた、とは思わないが、ギルドも結構やる事が汚いな。


 家の中は小さいとはいえ、住むには最低限のものは揃っているようだ。

 それにしても物が少ない。

 調度類も最低限のものだけを厳選しているような感じがする。

 本当にこんな所でポーション作成の作業をしてるのかな?

 錬金術に関わるようなアイテムは何も見当たらない。


「まずは採集からじゃな」


 そういうと部屋の真ん中で何かを呟いた。

 床の一部が下へと沈んでいく。そこには地下へと続く螺旋階段が出来上がっていた。

 わお。


「ポーションを作るのに必要な薬草はそこそこあったんじゃがもう手持ち分が少ない。一緒に薬草採集に行くぞい」


 階段を降りていく後をついていく。

 ヴォルフも興味深そうな様子でついてきた。



 螺旋階段を降りた先には広い空間があった。

 いや、下へと続く深く丸い穴だ。

 良く見ると螺旋階段はずっと穴の壁に沿って下へと続いている。

 明かりはあるものの一番下のほうは暗くて見えない。


 どんだけ深いのかと。

 まさか一番下まで歩いて降りるなんてないよね?


 そんな心配はなかった。

 三十段ほど降りたあたりで穴を一周するように踊り場があり、いくつかの扉がある。

 そのうちの一つに老魔術師は入っていく。

 オレとヴォルフがそれに続いて入ったら、そこは倉庫のような場所だった。


「これも必要じゃな」


 倉庫の中にある唯一の机の上には様々な物が置かれていった。

 麻袋がいくつか、スコップ、軍手らしき手袋、幅広の革ベルト、それにポーチだ。


「お前さんの分じゃ。こいつの使い方は分かるかの?」


 そういうとポーチを指し示した。


「いいえ」


「《アイテム・ボックス》じゃよ。薬草採集には必要になるじゃろうからの。お前さんに貸しておく」


 そう言うとベルトとポーチをオレに押し付けてくる。

 ベルトをポーチの裏側に通して腰に装着した。


「そう。身に着けるだけでええ。最初は大して入らんじゃろうからお前さんの背負い袋も使うことじゃな」


 試しに麻袋を入れていく。

 四つ入れた所でもう入らなくなった。


「麻袋四つでもう入らなくなっちゃいました」


「むう。冒険者駆け出しでは無理もないじゃろ」


 仕方がないので、残りの麻袋二つとスコップと軍手は背負い袋に入れる。


 は、入りきらない。

 既にドロップアイテムも入ってるからなあ。


「背負い袋に入りきらないです」


「ん?荷物が既に入っておったか?」


「はい」


「ではその中身はこれに入れておけ」


 そう言って渡されたのは鞄だった。


「こいつはワシの《アイテム・ボックス》の予備じゃよ。中身はこっちに移してここに置いておくとええじゃろ」


 開いた鞄に背負い袋の中身を置いていくと、魔法のように消えていく。

 手品みたいだ。

 背負い袋に改めて麻袋二つとスコップに軍手を入れる。


「では行こうかのう」



 家を出たら爺様がまた何やら呪文を呟いている。


「サモン・モンスター!」


 石塁に囲まれた敷地は家の大きさには不釣合いなほど広いのだが、その敷地が狭く見える巨大な存在がそこにいた。

 鳥、だよな?

 念のため【識別】してみよう。



 ロック鳥 Lv.???

 召喚モンスター 待機中



 正直、おっかない。

 ヴォルフも怯えた様子を見せている。


「これって」


「採集場所が遠いのでな。こ奴に乗って行くんじゃ」


 召喚モンスターを乗り物にしちゃっていいんですね。

 しかもロック鳥とか無駄に豪華な気がする。

 この爺様、かなりの実力者なのは間違いないのだろうが、どれほどのものなんだろうか。

 駆け出しのオレには計り知れない。

 師匠、と呼ばせて下さい。

 爺様がよたよたとしながらもロック鳥の背中へとよじ登って行く。

 オレとヴォルフもそれに続く。


「では行こうかの」


 すぐに後悔する羽目になった。



 寒い。

 下半身はロック鳥の背中の羽に埋もれているのでいいのだが、上半身がいけない。

 上空から周囲の地形を確認したかったのだが、これでは無理だ。

 羽の中に出来るだけ体を沈めていく。

 それでも寒くて歯の根が合わない。

 何か手段はないのか。


「おお、いかん。この寒さはお前さんにはキツイか。高度を落とすからしばし待て」


 ありがたい話だがこれはたまらん。

 どうにかならないものか。

 脳内でヘルプと念じ、『寒さ』『スキル』で検索する。



【補助スキル】耐寒 未取得 取得可能 必要ボーナスポイント2

 寒さに対する抵抗力を向上させる補助スキル。

 Lv向上に従い寒さによるペナルティを大きく軽減できる。


《現在のボーナスポイント残は21です。取得しますか?》

《Yes》or《No》



 なんかボーナスポイントの無駄遣いになるかもだが、もう我慢ならない。

 取得を選ぶ。


《有効化しますか?》


 インフォは意思確認する親切設計なのかもしれないが、今は逼迫してるんですよ。

 後で貧すれば鈍すと言われてもいい、《Yes》を選択する。


 少し経過するとかなり楽になった。

 ロック鳥が高度を下げて飛んでくれたおかげかもしれないが。


「ありがとうございます。相当楽になりました」


「気が利かずにすまぬの」


「いえ、色々と教えて頂く立場ですし」


「おお、そう言えば色々と教えてやらねばならぬの」


 爺様は考え込む様子だ。


「一緒に冒険する仲間はおらぬ、という事で良いのかの?」


「はい」


「あとは召喚するモンスターが仲間、であると」


「はい」


「では戦う際には召喚モンスターを前衛にしてお主は後衛から援護する形を想定しておるのかな?」


 ええと。

 少し自分のイメージと違ってくるな。


「最初はそれでいいかとも思いましたが今は違います」


「ほう」


「共に肩を並べて戦いたいと思うのです」


 暫く沈黙が漂っていた。

 爺様の顔はやや渋い様子である。


「戦闘はそれで良しとしてもじゃ。冒険とは戦うことのみではないぞ?」


 それはそうだ。

 戦闘はまだいい方だ。

 パーティを組めば各々が役割分担すれば済む事もオレ一人でこなさねばならない。

 ある程度はアイテムにより頼ることにもなりそうだ。


「他のことも一通りお主自身がやれるように、というのは理想でしかないんじゃがなあ」


「ある程度は覚悟の上です」


「ふむ」


 それからは正直に自分の得意とすることを説明していった。

 まあ取得しているスキルについてNPCにそれらしく説明するように、であるが。


 そしていくつかのアドバイスを受けることができた。ダイジェスト版でどうぞ。


 まずは武器。

 杖やロッドで殴打するのはいいとしても、やはりもう一つは使えるようにしたほうが良いとのこと。

 武器を魔物に弾き飛ばされたりすることもあるし、戦闘中に壊れることも考慮すべきなのだそうだ。


 次に魔法。

 風魔法だけに特化するのは得策ではない。

 最優先は光か闇のいずれか一つ、次に火・土・水から少なくとも一つとるべきである。

 迷宮内部に潜ることや夜間にも活動するなら光魔法か闇魔法はあったほうが良い。

 また風魔法も耐性持ちを相手にする事もあるので他属性でカバーすべきである。


 次に生産系。

 冒険で得る糧だけで稼げるとは限らない。

 何かしら稼ぐ手段を持つべきである。

 サモナーは錬金術が必須であるからこれを活かしていけば良い。


 次に補助。

 補助スキルには武技アーツ呪文スペルといったものがないが、地味に効く。

 必要に応じて取得すれば良いが、この先でやりたい事を明確にして選択すべし。

 ついでにサモナーも魔術師である以上、冒険者といえども知識の探求はしておくべき。


 最後に注意点。

 自分の先のあるべきスタイルを想像すること。

 考えることを止めないこと。



「そろそろ着くじゃろ」


 そこまでアドバイスを貰った所で採集場所にも近くなったようだ。

 スキル取得はどうするか。

 あまり選択肢に迷わない魔法スキルはさっさと取得することにした。

 光魔法と土魔法を取得しておく。

 消費するボーナスポイントは光が3、土が2だ。これでボーナスポイントの残りは14。

 闇が3、火と水はそれぞれ2だから全部取得が可能だが今はスルーだ。

 それに違和感があるのは武器スキルだ。

 必要とするボーナスポイントの数値が妙に多いのだ。


 ざっとこんな感じだ。

 打撃(2)、蹴り(2)、両手槍(5)、棍棒(5)、槌(7)

 小剣(6)、剣(8)、手斧(6)、小刀(6)、刀(8)

 弓(9)。刺突剣(8)、フレイル(8)

 

 比較的軽いのは打撃と蹴りで、他は総じて魔法に比べて多い、よねえ?

 両手槍も棍棒も必要なボーナスポイントは他に比べて軽めで良さげに見えるが、プレイする自分のイメージが沸かない。

 打撃、ついでに蹴りを取得しておくか。

 最悪武器をファンブルして無くしてもある程度戦えることだろう。

 打撃と蹴りを取得し有効化した所でロック鳥は地上に降りる直前であった。


「この森の中に薬草の群生地があるんじゃよ」


 降りた場所は高原のような場所だった。

 全ての方向を見回すと悉く山の風景だ。

 空気もそれなりに薄い。

 そして目の前には山の影側に茂った森がある。


「ポーションの原料となる薬草で最も一般的なのは傷塞草じゃがどこの森でもいくらかは採集できる」


「そうなんですか?」


「うむ。ワシの住むあの森でも少ないが採集できるじゃろ」


 森の中に師匠は分け入っていく。オレとヴォルフも続いた。


「この森の中はいくつかある群生地の一つでな。ワシの知るとっておきの場所の一つじゃよ」


 ロック鳥はオレ達を降ろすと山の方へと飛んでいった。

 巻き起こる風が顔に当たって痛かった。


 その森は比較的背が高い木々で構成されているようだ。

 倒木も多かったから歩くのも大変そうだが、師匠はまるで苦にしない。

 手に持つのに適用な長さと太さの倒木の枝を拾ってみる。

 結構重たい。一応【鑑定】してみる。



【素材アイテム】サトウカエデの枝 原料 品質E レア度2 重量2 

 サトウカエデの枝。木材としては比較的硬くて重い。



 品質Eと低いのは目に見えて腐り始めているからだろう。

 何かに使うのはやめたほうがいいか。

 それにサトウカエデという名前には覚えがある。

 確かメイプルシロップが採れるんじゃなかったっけ?

 そこらに落ちている葉っぱは確かにカエデのようだ。

 カナダの国旗の意匠になってる形で見覚えがある。


 師匠は木々の根元からある草をスコップで根ごと採取していた。


「これが傷塞草じゃよ」


 渡されたのは枝に沿ってソテツに似た尖った葉を持つ草だった。

 渡されたので【鑑定】してみる。



【素材アイテム】傷塞草 原料 品質C レア度2 重量0+ 

 薬草。一般的に体力回復で使われる。

 そのまま食べても効力はあるが、敏捷性を阻害する副作用がある。



「一つだけ注意点がある。これじゃよ」


 もう一つ草を渡された。

 姿形はさっきの傷塞草のようだが。


「葉の裏を見てみるがいい」


 葉を裏返してみると、葉脈に紫色の筋が走っていた。

 これも【鑑定】してみる。



【素材アイテム】苦悶草 原料 品質C レア度3 重量0+ 

 毒草。致死性はないがそのまま食べると呼吸困難を引き起こす。

 傷塞草と姿形が似ており間違わないよう注意が必要である。



 迷惑な草だな!


「苦悶草じゃな。間違えて採取することもあるじゃろうが捨てずに分けておくようにな」


「分ける?」


「うむ。毒草ではあるが意外な使い道があるんじゃよ」


「?」


「まあ適当に採集しておっても混じってくるのは10に1つといった所じゃろうな」


「混ざると怖いですね」


 師匠は呪文を唱え始めている。

 召喚魔法だ。


「サモン・モンスター!」


 地面に一瞬、魔方陣が浮かび、消えていく。

 そこに現れたのは2体の召喚モンスターだ。



 オートマトン Lv.???

 召喚モンスター 待機中



 人間大の人形が2体。

 2体とも見分けがつかない。

 頭はあっても顔がないのだから見分けようがないのだ。

 体格は細身の人間といった所で、その皮膚は木材のようにも金属のようにも見える濃い茶色。

 それに球体関節。

 両手の指先も器用に動かしているのがなんとなく気持ち悪い。

 スムーズに動きすぎるのだ。


「では採集を始めようかの」


 オレが麻袋に半分ほど傷塞草を集めた頃には、人形たちはそれぞれが麻袋いっぱいに採集し終えていた。

 人形すげえな!

 両手をスコップみたいにしてザクザクと地面を掘り起こしてしまうのだ。

 師匠はというとヴォルフを傍に座らせて作業をずっと見ていた。

 うん、がんばりますとも!

 ようやく麻袋いっぱいにした頃、人形たちは新たな麻袋をいっぱいにしていた。


「まあ、こんなものでいいじゃろ」


 師匠がそう言うとインフォが脳内に響いた。



《これまでの行動経験で種族レベルがアップしました!任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》


 基礎ステータス

 器用値 15

 敏捷値 15

 知力値 18

 筋力値 13

 生命力 15

 精神力 19


 ここは筋力値を上げておく事にした。


《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で12ポイントになりました》

《取得が可能な防御スキルに【回避】が追加されます》

《取得が可能な補助スキルに【運搬】が追加されます》

《スキル取得選択画面に移行しますか?》


 とりあえずスキル取得はパスしておく。


《これまでの行動経験で鑑定レベルがアップしました!》


 ついでに鑑定もLv.3になった。

 間違いがないように細かく【鑑定】しながら採集してたから当然とも言える。


《これまでの行動経験で連携レベルがアップしました!》


 あれ?

 【連携】って補助スキルだよな?

 どこで効いていたんだ。


「おおそうじゃ。お前さんの戦う所も見ておきたいのう」


「戦う所をですか?」


「どう助言していいものやら、分からんからの」


 理にはかなっている、と思うが。


「いいかな?」


「はい」


 否はない。

 《アイテム・ボックス》に入れてあったロッドを取り出しておく。

 魔法スキルは先程に取得してあるので確認してみたほうがいいだろう。

 呪文リストを呼び出してみる。



 サモン・モンスター(召喚魔法)

 リターン・モンスター(召喚魔法)

 フォース・バレット(共通攻撃魔法)

 センス・マジック(共通知覚魔法)

 フラッシュ・ライト(光魔法)

 メンタルエンチャント・ライト(光魔法)

 エアカレント・コントロール(風魔法)

 フィジカルエンチャント・ウィンド(風魔法)

 ダウジング(土魔法)

 フィジカルエンチャント・アース(土魔法)



 ついでに武技リストを呼び出してみる。



 メディテート(杖)

 直突き(打撃)

 足払い(蹴り)



 杖にも武技があったのか。

 打撃と蹴りの武技も基本的なものと言っていいのだろう。


「戦ってみるにしても相手は?」


「今から呼ぶぞ」


 師匠が呪文を唱える。


「コール・モンスター!」


 そんな呪文もあるのか。


「おおそうじゃ。この子は使ってはならんぞ?」


 え?

 ヴォルフと一緒に戦うんじゃないの?


「安心せい、戦う相手の魔物は一匹だけじゃ。危なくなったらワシが止める」


 良かった。少しだけだが安心した。

 ヴォルフの頭に手を当て、待て、と話しかける。

 ヴォルフは伏せの姿勢で待機の構えになった。


 森の中から音がすると魔物が現れた。

 猿にも人にも似た姿で毛むくじゃらだ。

 体格はオレよりやや小さい程度だが。

 一応【識別】で確認してみる。



 スノーエイプ Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ・誘導



 うわ。なんか強そうだ。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv3(↑1)

職業 サモナー(召喚術師)Lv2

ボーナスポイント残12


セットスキル

杖Lv2 打撃Lv1(New!)蹴りLv1(New!)召喚魔法Lv2 

光魔法Lv1(New!)風魔法Lv1 土魔法Lv1(New!)錬金術Lv1

連携Lv2(↑1)鑑定Lv3(↑1)識別Lv2 耐寒Lv1(New!)


装備 初心者のロッド 簡素な服 布の靴 背負袋 アイテムボックス


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ


ステータス

 器用値 15

 敏捷値 15

 知力値 18

 筋力値 14(↑1)

 生命力 15

 精神力 19


召喚モンスター

ヴォルフ ウルフLv2

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ