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《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『ポーセリン』がレベルアップしました!》
《『ポーセリン』のステータスを確認して下さい》
うむ。
何が行われているのかは分からないが、レベルアップは経験を積んでいる証拠だ。
召魔の森も何か手を加えようかな?
森の迷宮を設置するアイテム、隠者の石版を使うプランとか面白そうなんだが。
拾いたい所です。
フィーナさんも扱いに苦慮しているようだし買い取ってもいいけどね。
ポーセリン オートマトンLv1→Lv2(↑1)
器用値 31(↑1)
敏捷値 10
知力値 19
筋力値 15
生命力 13(↑1)
精神力 10
スキル
手斧 造林 農作 魔法抵抗[小] 自己修復[微]
やはり器用値は上がるのか。
ま、成長してくれているなら文句など無いが。
生産活動が中心であれば手先が器用で困る事はないだろう。
これで、いいのだ。
時刻は?
深夜、午前0時20分。
如意宝珠は魔石を生んでいなかった。
昨日は最後にMPバーを大きく消費したからな。
ま、そこは仕方ない。
では、移動だな。
おっと、その前に布陣を確定させておこう。
夜の住人は確定かな?
テロメア、フローリン、赤星。
そして戦力の底上げも当然だが目指そう。
ストランド、それにムーニーです。
今日からはアデルとイリーナも参加するそうですが。
規模が大きくなるようですね。
まあ悪い事ではない。
少し早いが祝福の湖に移動しましょう。
「あ、キースさん、おはようございます」
「おっす!」
「ああ、おはようさん」
早いかな、と思ったんだが。
リックとミオはログイン済でしたか。
つかさ。
何だか見覚えのある方がいますけど?
ガヴィ、それにリディア?
「お久し振りです」
「ども」
リディアとは目礼のみだ。
ちょっと、気まずい。
大会でのあの出来事以来、対戦はしているし、わだかまりは解消していると思いたいのだが。
彼女達のパーティメンバーらしきプレイヤーもいる。
全員、種族レベル26から27と高めかな?
「こっちで狩りかな?」
「ええ。多分、今日は一緒に行動する事になるかもしれませんね」
「えっ」
ガヴィの視線の先に、いつの間にかフィーナさん達です。
それだけで、分かってしまった。
攻略組にも声を掛けたのかな?
確かに数が多い程、レイナが狙われる心配は減るだろう。
『じゃあ軽くミーティングをしておきましょう』
時刻は午前0時30分。
なんと、今夜参加するメンバーが早めに揃ってしまったらしい。
時間はおかしいが、朝のミーティングが始まりました。
レイナを護衛するついでに攻略最先端とも言える7マス先で狩りを。
これはそういう趣旨である筈だ。
だがアデルとイリーナも参加、それに攻略組の助力を得て、かなり余裕が出来てきたようだ。
いつもの生産職のメンバーからはレイナを含めた1パーティ。
フィーナ、与作、東雲、レイナ、マルグリッド、ミオの編成です。
他のメンバーは?
祝福の湖の拠点化を進めるらしい。
ま、少しでも快適になってくれたら有難いですね。
攻略組、と呼んでいいのかな?
2つのパーティが護衛兼任で狩りに参加です。
1つは先刻のガヴィとリディアのパーティであるが。
もう1つは?
シェルヴィの参加するパーティです。
あの女性壁ファイターですね。
今はフェンサーですけど。
全員、種族レベル27から28と、こちらも中々だな。
ふむ。
6つのパーティをどう運用するのか?
むしろ戦闘が温くなり過ぎませんかね?
だが考え様によっては魔物の数が多くなっても問題ないとも言える。
コール・モンスターは頻繁に使っても良さそうです。
『精算は随時行うのは非効率ですので、最後に纏めて行います』
『サキです。幻跳馬の皮と幻夢馬の皮で装備を作れる設備は不足してますが、受注は出来ます』
ミーティングはそこで終了となりました。
拠点化メンバーを残して、進発。
すると早速、アデルとイリーナが食い付いてきましたよ?
釣れ過ぎ。
『キースさん、蛟竜って、もしかして水蛟のクラスチェンジですか?』
イリーナが先に釣れました。
ストランドの表皮を恐る恐るであるが、撫でてます。
欲しい?
欲しいのかな?
欲しいだろうな。
いい誘導になるだろう。
『スペクター、それにレミックバットって』
アデルは少し恐怖を感じているような様子です。
まあスペクターの赤星は怖いかもね。
でもオレも言いたい事があります。
アデルの布陣は?
ホワイトウルフ、ミスティックアイ、レッサーオーガ、銀毛狐、鵺。
イリーナの布陣は?
クレイゴーレム、オオフクロウ、バンパイア、キメラ、レッサーヒュドラ。
君達の召喚モンスター達も十分、怖いですよ?
出発して早々、軽くスケルトンペガサスを撃破。
サンシティフィ・アンデッドの必要性すら感じさせなかったな。
攻撃呪文の集中砲火で詰んでしまった。
つまらん。
こんな戦闘は、つまらん!
もっと、ジリジリと体の内側を焦がすような戦いが欲しいのだが。
まあいい。
ブールカは人数が多かろうが少なかろうが、幻影を相手にするのが大変だ。
ナイトメアに騎乗するデスナイト達も手強い筈だ。
期待したい所だ。
『南へ移動しながら狩りを?』
「ええ。獲物もいませんから」
そう。
あまりに狩りが好調過ぎて、獲物が足りない。
かと言って、北方面、東方面に移動するよりも南方面か西方面に移動する方が好ましい。
PK職が8マス寄りで待ち構えている可能性は?
低いでしょうね。
実際、ユニオンを組んでS2W5マップで狩りを進めているプレイヤーはまだ少ないのだ。
攻略組の力量で言えば、可能なのだろう。
でもね。
生産職の支援は受け難い。
これが結構、いや、かなりネックであるようなのだ。
攻略組でも時空魔法を使えるプレイヤーを複数組み込んでいるのが普通になってきている。
それでも、厳しい。
プレイ時間の関係で1人でも抜けられると一気に厳しくなるからだ。
攻略最前線でソロ志向のプレイヤーは皆無に近い。
半分ソロみたいなプレイヤーを普通に見掛けるのはレムトから5マス先までなのだとか。
何で南かって?
おっと。
イリーナは感付いているのかな?
ちょっと睨まれちゃいました。
てへ。
いいじゃないですか。
この戦力ですよ?
無理じゃない。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ムーニー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午前5時00分。
ようやく、レベルアップのインフォですか。
さすがに楽な展開であるだけにレベルアップのペースは遅い。
今夜の戦果はこれだけか?
いや。
新たに生まれ変わった珪化木の杖に珪化木のトンファー。
雪劣竜の杖、雪劣竜のトンファー、裁きの杖まで、感覚を確かめる事が出来ている。
肩慣らしにはなったかね?
それにお楽しみはある。
鶴亀マップまで距離がまだあるが、この速度で南に向かえば朝方には到達するだろう。
今日のうちに野望をもう一歩、進められるかもしれないな。
ムーニーのステータス値で既に上昇しているのは精神力か。
ここは少し、数字を揃えに行こう。
もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。
ムーニー カーズドバイパーLv7→Lv8(↑1)
器用値 15
敏捷値 22
知力値 15(↑1)
筋力値 17
生命力 21
精神力 15(↑1)
スキル
噛付き 巻付 回避 匂い感知 熱感知 気配遮断 毒 暗闇
闇属性
レベルアップした所で交代でも良かったんだが、今日はこのままで。
ストランドも継続で教官役をお願いします。
しかし、皮狩りは順調です。
比較的、幻夢馬の皮が多いけどね。
仕方ない。
今夜はナイトメアと騎乗するデスナイト達の数は多いのだ。
『人数が増えたからかな?昨日よりも戦闘が楽だな』
そんな言葉が東雲から聞こえてきました。
うんうん。
そうでしょう。
そうでしょうとも。
「もっと手応えのある相手なら心当たりがあるけど?」
さあ。
静かな水面に石を投げ込む、あの瞬間が来ました。
これを待ってましたよ?
『キースさん、隣のマップはさすがにどうかと思いますけど?』
『可能とは思いますけど、いきなりハードですよ!』
即座にイリーナ、そしてアデルが割って入る。
だが。
それは予測の範囲内だ。
「うん?2人共、数戦だったけど狩っているんだし、無理じゃないと思うが」
『ちょっと待て!8マス先を狩場にしてるのか?』
「連戦となると相当厳しいけど数戦なら可能ですよ?」
質問は誰が飛ばしたのかは知らない。
だがいいタイミングだった。
ナイスです。
『キース、もしかして例のアイテムは?』
「ええ。この先で入手しました」
レイナのタイミングもナイスです。
敢えて素っ気無く回答します。
周囲から音が消えた。
さあ、悩むがいい。
フィーナさんが凄い形相になってますが?
『キース、もしかして貴方、嵌めたんじゃないでしょうね?』
「まさか」
嵌めてなどいない。
誘導しただけですね。
「例のアイテムも量が出回ればレイナにとってもメリットは大きい。そう思っているだけです」
『この戦力で、いけるって言うの?』
「ええ。多分」
全員が息を呑む。
そう。
この戦力であれば、いける筈だ。
『相手はやっぱり、アレ?』
「キムクイ、ですね」
一部、知らなかったプレイヤーもいたのかな?
驚きの声もあった。
『無理でしょ!キースは単独パーティで狩ったんでしょうけど、どうやったの?』
「突撃を繰り返してどうにかしましたね」
『時間は?』
「良く覚えてませんけど、最初は4時間以上掛かったかと思います」
『えっ』
『はあ?』
何でしょう、その呆れ顔は。
4時間も掛けて情けないって事でしょうか?
返す言葉もございません。
『イベントのアレと同格?』
「多分そうでしょう」
『それを4時間で?』
「当時から少しレベルアップしてますし手の内は知ってます、今ならもう少し短くしたいですねえ」
何故だ。
溜息の大合唱ですけど。
フィーナさんの視線の意味は?
同情、かな?
『ごめんなさい。貴方を少し甘く見てたかも?』
どういう意味だろう?
良く分かりません。
時刻は?
午後6時20分です。
S3W5マップはもう目の前だ。
ここでインスタント・ポータルを展開、小休止となりました。
既にユニオンの空気は隣のマップに行く雰囲気になっている。
計画通り?
いや、雰囲気的にそうなっただけだ。
オレはほんの少しだけ、手を加えたに過ぎない。
日が昇り掛けているので、テロメア、フローリン、赤星は帰還させましょう。
ストランドとムーニーも帰還だ。
「手順を確認したいけど、いい?」
「了解です」
フィーナさん、与作、東雲、シェルヴィ、ガヴィとの打ち合わせになりました。
どんな魔物がいるのか。
そしてキムクイを倒す陣容の確認です。
難しい事なんて、ない。
ここに居るプレイヤーの殆どが乗馬を持っているなら、騎乗戦が合理的ではあるのだが。
ここは普通に地上戦を選択した方がいい。
インビジブル・ブラインドを利用した奇襲が可能だからだ。
騎乗戦で全員にインビジブル・ブラインドを使っても音で察知される懸念があるので。
ま、これは仕方ないか。
空中で牽制を仕掛けるのも有効だが、これはオレがやらなくてもいい。
アデル、イリーナに任せよう。
オレはむしろ地上で戦う方がいいように思える。
そんな話をしてました。
ま、大きな心配はしていない。
【英霊召喚】の保険があるのだ。
いけるだろう。
食事を摂り終えるとログアウトしていく皆を尻目に召喚を先にしておこう。
その布陣は?
ヴォルフ、護鬼、戦鬼、ティグリス、極夜だ。
完全に殺る気です。
打撃力優先なのは言うまでもありませんな。
ま、少し暇だし。
護鬼と対戦でもして時間を潰そう。
おっと、これでは護鬼に不利かな?
ティグリスと組ませて1対2でどうだ?
いやいや。
ヴォルフも追加しよう。
今日はちょっと、運動不足なのです。
本番を前に体をほぐしておきましょうかね?
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
対戦成績は?
1勝1敗の五分。
その2回の戦闘で、これか。
ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値ですか。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
ティグリス 白帝虎Lv5→Lv6(↑1)
器用値 13
敏捷値 35(↑1)
知力値 13
筋力値 31(↑1)
生命力 30
精神力 13
スキル
噛付き 回避 裂帛 霊能 危険予知 夜目
気配遮断 風属性
うむ。
数字の並びがまた歪むのは仕方ないが。
このまま狩りに参加でいいのかな?
まあ、いいか。
どっちにしても対戦はもう無理だろう。
ティグリスの首にアデルが抱きついて感触を確かめています。
「この子も、欲しい!」
アデルは欲しいものが多過ぎだろ!
でもね。
欲しいならば鍛えねばいけないのです。
それはアデル自身もなのだ。
鍛えたいなら苦戦から逃げてはいけません。
リスクを恐れず、前に進むのです。
ティグリスはこのままで。
少しは誘導の一助になるかな?
『では予定通り行きますよ!』
『おうっ!』
『やってやるぜいっ!』
『やっぱり緊張するなー』
色んな声が聞こえる中、オレはインビジブル・ブラインドを用意する。
鶴亀マップに突入。
そしてコール・モンスターだ。
キムクイは?
いる。
今日は2匹、引っ掛かるが、一番近い場所にいる奴にしても少し距離があるな。
外法蛇亀は?
5匹、いる。
1匹、かなり近い所にいるようだ。
まずはこいつだな。
「近くに外法蛇亀がいます。先にこれを片付けて進みましょう」
『簡単に言うけど、大丈夫?』
「1時間と掛かりませんよ」
またしても沈黙。
まあ先刻の打ち合わせを聞いていなかったプレイヤーもいたのだろう。
でもね。
それが事実だと思うのです。
「2人は空中から支援だ、やれるな?」
『承知!』
『全力を尽くします』
「いや、本番はまだ先だ。上空からの支援を優先で頼む」
アデルとイリーナは上空から牽制だ。
状況確認と報告も重要な役目になるだろう。
まだ本番ではない。
キムクイが控えている。
外法蛇亀とて油断など出来ない強敵だがキムクイには遠く及ばないだろう。
だが。
これはいい試金石になる。
外法蛇亀を相手に大苦戦するようではキムクイを相手にするのは回避した方がいいかもしれないな。
アデルの布陣は?
ペガサス、ミスティックアイ、銀毛狐、スプライト、サキュバスになっている。
イリーナの布陣は?
ヒッポグリフ、オオフクロウ、フェイ、ブルーゼラチン、メロウだ。
戦力としては十分なものがある。
任せておいていいだろう。
《只今の戦闘勝利で【棍棒】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【重棍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【ダッシュ】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐久走】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ほら。
倒せちゃいましたよ?
結構アッサリ風味です。
むしろ暴れ足りないのが困りる。
戦闘時間は?
10分、なかっただろう。
まあ反省はいいとして。
戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力にします。
戦鬼 オーガLv6→Lv7(↑1)
器用値 17
敏捷値 28
知力値 7
筋力値 41(↑1)
生命力 41(↑1)
精神力 7
スキル
打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技
関節技 裂帛 自己回復[小]
最初に仕掛けた八部封印が一発で効いたら後はもう集中砲火の連続でしたね。
しかし凄い。
与作、それに東雲だ。
オレも右手に雪劣竜のメイス、左手に珪化木のトンファーのスタイルで中々の破壊力を発揮してたんだが。
霞んじゃうって。
あれは酷い。
いや、褒めてるんですけどね。
外法蛇亀は足元を全てズタズタにされた挙句、首元に攻撃を喰らい続けて詰んでしまいました。
無残。
まさに無残。
それにしても、八部封印の効力がある内に倒しきるとか、どうなっているんだ?
まあそれだけ皆、必死だったんでしょうけど。
まだメインディッシュ、残ってますよ?
『こんなに簡単に狩れていいの?』
『おおおおおレベルアップがああああああ』
『でもアイテムは剥げなかったわー』
剥ぎ取りナイフを使ったのはマルグリッドさんでした。
ダメだったか。
いや本当に何か剥げませんかね?
『キムクイの位置は?』
「変わってませんね」
そう。
本番はこれからだ。
現時刻は?
午前7時10分だ。
十分に時間はある。
キムクイの姿が迫る。
いや、こっちから近寄っているからそう見えるだけだ。
相変わらず遠近感がおかしい。
懸念される事は?
無論、あの高い攻撃力。
特にブレス攻撃だ。
シェルヴィを始め、重装備の壁役ならいる。
戦鬼だっている。
それでも壁呪文と組み合わせてブレスを防げるかどうかって所だ。
『ブレス一発だけなら耐えてみせるけど、二発は無理!』
シェルヴィの意見ではこうです。
彼女の防具は鎧兜に大型の盾に至るまで金属製で、加えて表面を亜氷飛竜の皮で覆われている。
ブレス攻撃に対する抵抗力は高い。
それでもキムクイ相手では自信はない、という。
キムクイの戦闘スタイルは?
基本、外法蛇亀と変わらない。
だが格が違う。
ブレスは当然として。
全方位に射出可能な石柱だけでも直撃したら大変だ。
水の壁に蔦の壁、そして溶岩弾。
ブレス攻撃以外でこれだけ見ている。
無論、近接で攻撃を受けたら簡単に死ねるだろう。
大きさが半端ないのだ。
踏まれたら一撃で死ねる。
間違いない。
でもそこは亀、回避は楽に出来る。
動きを冷静に見ていたら難しい事ではない。
鍵は八部封印。
早い段階で効いてくれたらいいんだが。
それにいつまでも封じ続けられるような代物ではない。
空中であれば攻撃を回避しつつ、突撃の機会を見出すのであるが。
地上戦では無理です。
アデルとイリーナの支援、それも牽制攻撃もまた鍵となるかもしれないな。
キムクイの姿が、迫る。
【識別】してみよう。
キムクイ ???
??? 討伐対象 パッシブ
??? ???
ダメだ。
やっぱり見えません。
でも、勝っている相手だ。
手の内も見ている。
やれる。
いや、やってみせる!
『ブレス、今ので3回目!』
『左に回頭中!動きは遅くなってます!』
『了解!左翼は退避!亀の甲羅の下へ!』
アデルとイリーナは空中から的確に状況を伝えてきてくれていた。
助かる。
こんな超大物と接近戦をしていたら状況なんて見えません。
左後足をトンファーで殴り続けて属性を破壊しまくっているのだが、それも効果は持続しない。
持続する時間は5分って所だ
「八部封印!」
効いたかどうかは分からない。
目の前の巨大な物体を殴る。
その一部は皮が裂けて、肉が露出していた。
拳を撃ち込んで、そこから呪文を撃ち込む。
「マルチプル・ストーク!」
効果は?
やはり確認出来ない。
だって天井は亀の腹なのだ。
マーカーはキムクイの頭の上にある筈だ。
見える訳がない。
『状態異常確認!八部封印を確認!麻痺も確認!』
『了解!全面攻勢開始!』
『ヤァ!』
『応ッ!』
オレの周囲では召喚モンスター達が攻撃を重ねている。
オレと配下の召喚モンスター達だけで左後脚を攻め続けているのだが。
酷い有様だ。
極夜は分厚い皮の下にある肉を喰ってるようにしか見えない。
自分で放ったブレスで焼かれた部分は喰わないのね?
やはり生がいいらしい。
ヴォルフもティグリスも剥き出しの肉に喰らいついている。
まさに獣の饗宴。
血にまみれて楽しそうだ。
戦鬼の場合は?
オレが穿った表皮の部分から強引に皮を剥いでいたりする。
これも素敵だ。
剥いだ部分の皮はアイテムとして保管出来ないのかね?
分厚いにも程があるし、加工出来るとも思えないが。
護鬼も降魔宝剣と瑠璃光刀を手にして奮戦中だ。
やはり露出した肉を切り刻んでます。
いいぞ。
もっとやれ。
滴る血の量も半端ないんだが。
出血多量で死亡しませんかね、これ?
「エネミー・バーン!」
肉の焼ける匂いだ。
うん。
美味そうな匂い?
少し違うな。
臭みがありそうだ。
血抜きが足りないのか?
戦況は一方的に見える。
だが、実態はそうでもない。
所々で特殊能力は発揮され、結構なダメージを喰らっているであろう事は会話で分かる。
死に戻りはまだいない筈だ。
ステータス異常を喰らっているのがいるみたいだが。
『右前脚が動作不能!』
『首元への攻撃が地上から出来そうだよ!』
『ミオ!槍で喉元を!』
『HPバー残り2割!』
『戦闘開始から1時間経過!』
おお?
いい知らせ、なのか?
いい知らせなのだろう。
残り2割か。
頭部を攻撃し易くなったからな。
もっとHPバーの減りは加速するだろう。
『甲羅に閉じ篭るよ!』
『甲羅の下から退避!』
『東雲!甲羅を叩きに行くぞ!』
『これで何回目だ?』
『3回目だったかな?』
『単体攻撃呪文も追加して!』
またしても甲羅の中で回復を図るつもりらしい。
だがこれも甲羅を直接殴り、攻撃呪文を浴びせ続けるといい。
そう大きく回復しないうちにまた元通りに頭と脚を出してくる。
我慢はそう長く続かないようだ。
「インテリジェンス・アタック!」
巨大な甲羅にトンファーを撃ち込む。
大して効きはしない。
音が反響するだけか?
でもまあこれはついでだ。
攻撃呪文は選択して実行してあるのだが、待っている事なんて無い。
「コロジオン!」
何度目かな?
まあ甲羅のあちこちが呪文で脆くなってたりしますが。
呪文が撃ち込まれた箇所にもう何度目かの拳の連打。
無論、戦鬼だ。
おお?
甲羅にヒビ?
「パルスレーザー・バースト!」
貫手を甲羅のヒビの隙間にねじ込んだ。
甲羅の内部へ攻撃呪文を撃ち込む。
どうですか?
「グモゥゥッ!」
奇妙にも聞こえる声。
キムクイの頭部が、脚が、甲羅の中から現れてくる。
そうそう。
逃げ場は、ない。
勝利が揺るがないものになるよう、追撃あるのみ!
左後脚の肉の隙間に前蹴り。
そして肉の隙間に貫手。
肉を掴んで引き千切る。
戦鬼よ。
見たかな?
戦鬼の拳が手首の辺りまで埋まる。
そしてオレが掴み出した肉とは比べ物にならない量を引き摺り出していた。
新たに噴出する、血。
そこにヴォルフが、ティグリスが、極夜が喰らい付く。
ああ。
血に酔ってしまいそうだ。
饗宴はしばらく終わりそうもないか。
まあいずれ、このキムクイは詰むだろう。
《只今の戦闘勝利で【杖】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【受け】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【封印術】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【風魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【掴み】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【軽業】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
キムクイは詰んだみたいだな。
戦闘時間は?
1時間20分って所か。
いい感じで短縮出来たようだ。
計画通り?
無論です。
だがこれも第一歩に過ぎないのでしょう。
ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。
ヴォルフ シルバーウルフLv11→Lv12(↑1)
器用値 17(↑1)
敏捷値 45(↑1)
知力値 17
筋力値 28
生命力 28
精神力 16
スキル
噛付き 疾駆 裂帛 霊能 隠蔽 追跡 夜目 気配遮断
自己回復[小] 魔法抵抗[小]
『うおおおおおおレベルアップ祭りじゃああああああああ』
『うわ、色々と上がり過ぎ』
『2回の戦闘でこんだけ上がるのって初めてだよな?』
『ステ異常あったけど粘って良かった!』
歓喜の声が続々と聞こえてきます。
オレも喜ばしいです。
インフォに続きがありますから!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
護鬼は右手に降魔宝剣、左手に瑠璃光刀を持った姿で佇んでいる。
うん。
全身が血に濡れて酷い有様だ。
死体に剥ぎ取りナイフが突き立てられると不思議な事に消えるのだが。
自然と目に焼きついてしまいます。
悪鬼羅刹の姿そのものだ。
護鬼のステータス値で既に上昇しているのは器用値ですか。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう
護鬼 夜叉Lv7→Lv8(↑1)
器用値 27(↑1)
敏捷値 27(↑1)
知力値 19
筋力値 26
生命力 26
精神力 19
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
夜目 気配遮断 光属性 闇属性
だがまだまだ。
インフォはまだ、終わらんよ?
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
本日2回目のレベルアップですね。
恐ろしい事だ。
キムクイってば、どんだけの経験値があるんだ?
ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは生命力になってます。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。
ティグリス 白帝虎Lv6→Lv7(↑1)
器用値 13
敏捷値 36(↑1)
知力値 13
筋力値 31
生命力 31(↑1)
精神力 13
スキル
噛付き 回避 裂帛 霊能 危険予知 夜目
気配遮断 風属性
だがまだまだ。
この分では戦鬼以外がレベルアップしそうですな。
まあ戦鬼はその前の外法蛇亀との戦闘でレベルアップしたばかりだ。
そうポンポンとレベルアップしたら怖いよ!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『極夜』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
恐らくはこれがラスト、かな?
十分かって?
十分です。
レベルアップに関しては、ですけどね。
極夜のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。
もう1点のステータスアップは生命力を指定します。
極夜 オルトロスLv6→Lv7(↑1)
器用値 15
敏捷値 41(↑1)
知力値 15
筋力値 21
生命力 21(↑1)
精神力 15
スキル
噛付き 回避 疾駆 威嚇 夜目 聞耳 危険察知
追跡 捕食融合 ブレス 火属性 闇属性 毒
『アイテム、剥げたわよ!』
『おお?』
『こ、これはまた見た事の無いレア度!』
『うわ、これは爆弾だわ』
何か騒ぎになっているようだ。
キムクイの死体は消え、血に濡れた姿は元に戻って行く。
ちょっと、先刻までの激闘が嘘になりそうで寂しい。
だが、満足だ。
思う存分、暴れたからなあ。
トンファーは使っていたけど、基本格闘で暴れたのが良かった。
スッキリ。
今日は気分がいいぞ!
『インスタント・ポータルを使って一旦状況確認しましょう』
『異議なし!』
うん。
さすがに少し、落ち着いた方がいいかな?
「じゃあ私達は祝福の湖に戻るけど、本当にいいの?」
「ええ。もう少し狩りをしたいので」
「あれだけ暴れてるのにまだ不足?」
言葉では答えなかった。
ヘザーやナイアスの真似ではないが、微笑返しで。
失敗?
どうも失敗したようだ。
周囲のプレイヤーが不気味なものを見る目をしている。
「アデルちゃん、イリーナちゃんも、なの?」
「大丈夫!」
「もう慣れました。いえ、慣れるしかないので」
そう。
アデル、それにイリーナもまだプレイ時間に余裕があるそうです。
ついでだ。
ユニオンを組んで少し狩りを続けてみたい。
「本当に、大丈夫?」
フィーナさんの念押しですが。
何でそんなに心配そうなんでしょ?
インスタント・ポータルに残されたのは?
オレ、アデル、イリーナのサモナー系の3つのパーティだけだ。
今日の戦果は?
フィーナさん曰く、とんでもない、だそうです。
今日だけで種族レベルが2つ上がっているプレイヤーすらいたのだ。
だが。
問題が無いという訳でもない。
得られた金縁亀の爪は1つだけ。
レイナによれば、長短混じるが10張の弓が作成出来るそうです。
それでもプレイヤーの数に届かない。
弓をメインに使うプレイヤーには行き届くようだが。
弓を使わないプレイヤーに報酬の形で精算すると、生産職の手持ち資産が逼迫するのだそうです。
何だ、そんな事か。
このメンバーで金縁亀の爪をもう少し入手するまでキムクイを狩り続けたらいいんじゃね?
無論、そう言ったのですが。
何故か全員が息を呑んで。
溜息。
おかしくないよね?
合理的だよね?
現物支給にしておけば問題ないよね?
別れて行動もまあ仕方が無い。
ガヴィ、リディアの所のパーティは2名がステータス異常。
シェルヴィの所のパーティは3名がステータス異常。
生産職ではフィーナさん、与作、東雲、ミオがステータス異常となっている。
まあこれ以上の狩りの継続は確かに無理だ。
明日は今日と同様、ゲーム時間で午前1時までにエリアポータルの祝福の湖に集合予定となっている。
間に合うのであれば問題はないだろう。
アデルとイリーナの同行も大歓迎だ。
もう少し、感覚を麻痺させておこうか?
時刻はまだ午前9時30分。
彼女達は午後2時まで大丈夫なのだそうで。
ならば、良し。
今日は別の場所にも案内しておこう。
まずはS3W4マップへ。
その次は当然だがS4W4マップだ。
アデル配下のミスティックアイはマギフクロウに、銀毛狐は銀影狐にクラスチェンジしている。
イリーナ配下のオオフクロウはフォレストオウルになっていた。
彼女達なりに戦力の底上げが進んでいる。
しかもキムクイを狩った事で種族レベルも29となってます。
昨日と今日と合わせたら3レベルのアップなのだ。
頼もしくなっている事だろう。
何、心配ないさ。
能面マップは難易度的に馬マップとそう大きな差はない。
問題はその先なのだ。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv42
職業 アークサモナーLv9(大召喚魔法師)
ボーナスポイント残 17
セットスキル
小剣Lv13 剣Lv20 両手剣Lv13 両手槍Lv19 馬上槍Lv23
棍棒Lv19(↑1)重棍Lv10(↑1)小刀Lv13 刀Lv20 大刀Lv13
刺突剣Lv17 捕縄術Lv21 投槍Lv17 ポールウェポンLv19
杖Lv33(↑1)打撃Lv31(↑1)蹴りLv31(↑1)関節技Lv30
投げ技Lv30 回避Lv32(↑1)受けLv32(↑1)
召喚魔法Lv42 時空魔法Lv31(↑1)封印術Lv26(↑1)
光魔法Lv28(↑1)風魔法Lv28(↑1)土魔法Lv27 水魔法Lv27
火魔法Lv27 闇魔法Lv28(↑1)氷魔法Lv27 雷魔法Lv27
木魔法Lv27 塵魔法Lv27 溶魔法Lv28 灼魔法Lv27
英霊召喚Lv3
錬金術Lv22 薬師Lv12 ガラス工Lv10 木工Lv15
連携Lv30 鑑定Lv29 識別Lv31(↑1)看破Lv11 耐寒Lv19
掴みLv30(↑1)馬術Lv29 精密操作Lv30 ロープワークLv17
跳躍Lv22(↑1)軽業Lv22(↑1)耐暑Lv18 登攀Lv14 平衡Lv20
二刀流Lv25 解体Lv26 水泳Lv14 潜水Lv15
投擲Lv18
ダッシュLv22(↑1)耐久走Lv22(↑1)隠蔽Lv13(↑1)
気配遮断Lv13(↑1)
身体強化Lv29 精神強化Lv29 高速詠唱Lv30
魔法効果拡大Lv29 魔法範囲拡大Lv29
耐石化Lv11 耐睡眠Lv12 耐麻痺Lv16 耐混乱Lv13
耐暗闇Lv12 耐気絶Lv16 耐魅了Lv8 耐毒Lv15
耐沈黙Lv11 耐即死Lv9
召喚モンスター
ヴォルフ シルバーウルフLv11→Lv12(↑1)
器用値 17(↑1)
敏捷値 45(↑1)
知力値 17
筋力値 28
生命力 28
精神力 16
スキル
噛付き 疾駆 裂帛 霊能 隠蔽 追跡 夜目
気配遮断 自己回復[小] 魔法抵抗[小]
護鬼 夜叉Lv7→Lv8(↑1)
器用値 27(↑1)
敏捷値 27(↑1)
知力値 19
筋力値 26
生命力 26
精神力 19
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
夜目 気配遮断 光属性 闇属性
戦鬼 オーガLv6→Lv7(↑1)
器用値 17
敏捷値 28
知力値 7
筋力値 41(↑1)
生命力 41(↑1)
精神力 7
スキル
打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技
関節技 裂帛 自己回復[小]
ティグリス 白帝虎Lv6→Lv7(↑1)
器用値 13
敏捷値 36(↑1)
知力値 13
筋力値 31
生命力 31(↑1)
精神力 13
スキル
噛付き 回避 裂帛 霊能 危険予知 夜目
気配遮断 風属性
極夜 オルトロスLv6→Lv7(↑1)
器用値 15
敏捷値 41(↑1)
知力値 15
筋力値 21
生命力 21(↑1)
精神力 15
スキル
噛付き 回避 疾駆 威嚇 夜目 聞耳 危険察知
追跡 捕食融合 ブレス 火属性 闇属性 毒
ムーニー カーズドバイパーLv7→Lv8(↑1)
器用値 15
敏捷値 22
知力値 15(↑1)
筋力値 17
生命力 21
精神力 15(↑1)
スキル
噛付き 巻付 回避 匂い感知 熱感知 気配遮断 毒
暗闇 闇属性
ポーセリン オートマトンLv1→Lv2(↑1)
器用値 31(↑1)
敏捷値 10
知力値 19
筋力値 15
生命力 13(↑1)
精神力 10
スキル
手斧 造林 農作 魔法抵抗[小] 自己修復[微]
召魔の森 ポータルガード
黒曜、ジェリコ、獅子吼、逢魔、雷文、近松、ポーセリン
同行者
アデル&イリーナ




