315
ちょっと増量ちう
食事は奢って貰っちゃいました。
そして始まる食材調達。
無論、オレも手持ちには闘牛肉もあったりするんだが。
ケルベロスへのお題は3つ。
肉。
魚介。
デザート。
何でデザートまであるんだよ!
まあそれはいいのか?
無論、オレのパーティからは文楽が参加する。
そしてアデルとイリーナになるのだが。
食材が困る。
ここは内地であり、魚介は調達は難しいかと思ったが、イリーナは優香から色々と分けて貰っていた。
「私がデザートやる!」
「では魚介は私が。キースさんの所の文楽は肉料理は大丈夫でしょうし」
「まあな」
文楽だが肉を調理する機会は多い。
だって食材として貯まり易いのだ。
そうそう。
食材はオレからも供出する事にしている。
闘牛肉は勿論あるんだが、イリーナが目を付けたのは雷撃山羊の腿肉と巨蟹の卵だ。
「肉はこれも使うといいと思います。あとこの卵、使わせて貰っていいですか?」
「ああ」
イリーナは何やら魚と貝に巨蟹の卵も使うようだな。
アデルは牛乳や玉子を幾つも買い込んでいる。
かなりの量を持ち込む様子なんだが。
お菓子、だよな?
多分、そうだ。
その筈だ。
何を作るつもりなんだか。
出発準備は出来た。
移動は?
地上を駆ける手間は省きたい。
という訳で。
オレの布陣は?
黒曜、クーチュリエ、言祝、蒼月、スパッタに戻りました。
アデルとイリーナは?
ユニオンを組んで蒼月に同乗します。
どうも興味津々の様子。
特にアデルが。
その2人の布陣は?
アデルがミスティックアイ、ファイティングファルコン、金毛狐、ピクシー、インプ。
イリーナがバトルホーク、オオフクロウ、ピクシー、ブルーゼラチン、インプ。
蒼月よ。
騎乗者がアデルとイリーナになりそうだが大丈夫か?
大丈夫でした。
つかオレだけの時と違って駆けるにしても飛ぶにしても随分と安全運転なんですが。
まあその位でいいのかもしれないな。
オレは?
フライの呪文で同行します。
『うひょひょひょひょっー!』
『アデルちゃん、はしゃぎ過ぎ!』
それでもアデルは歓声を止めようとしない。
空を飛ぶ事は初めてではない筈なんだが。
これはこれで新鮮な感覚であるらしい。
『ユニコーン、それにサンダーバード!先は長いけど絶対に手に入れるぞ!』
『バトルホースの先も何かありそうですよね?』
「あるだろうな」
そう。
ジュナさんが召喚していたスレイプニル。
あれはバトルホースのクラスチェンジの先にある可能性は高い。
既にペガサスである蒼月がいるオレにしてみたら絶対に欲しいとは思わないが。
それでも興味はあったりするんだよな。
融合先だってある筈だ。
バトルホースもまた融合識別ではフューズ・モンスターズの対象ではない。
だが。
クラスチェンジが必要らしいからな。
間違いなく、何かがある。
その筈だ。
移動中も魔物の襲来はある。
基本、蒼月は戦闘に参加させず、召喚モンスター達が中心になって迎撃したんだが。
地味に怖いよ、君達。
あのレッサーグリフォンが簡単に詰む。
数頭単位なんですがね。
オレ、それにアデルやイリーナも支援はしているんだが、それ以上に猛禽類が凄い。
そして酷い。
今までは地上にいて、その戦い振りを直視する機会は少なかった。
それに牽制ばかりだと、どうしても地上にいるオレ達に配慮した戦い方に徹する事になる。
むしろ本来の動きを見せているとも言える。
ホーク系3羽にフクロウ系3羽。
たった6羽。
レッサーグリフォンは間違いなく強い。
その筈だが。
あっという間に片翼に攻撃を集中させて、機動力を奪っていく。
確かに効率的だ。
次々と墜落するレッサーグリフォン。
どうする?
降りてもいいけど、ここは移動優先で行こう。
手間だし、下には別の魔物もいるしな。
アデルとイリーナがログインしていられる時間は午後3時までなのだ。
時間が惜しい。
レッサーグリフォンから剥げるであろう金鉱石は?
惜しいのは間違いない。
でもここは諦めるしかないか。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『スパッタ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
眼下に滝が見える。
スパッタのレベルアップが間に合ったのは目出度い事です。
スパッタのステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しておこうか。
スパッタ ホークLv5→Lv6(↑1)
器用値 11
敏捷値 24
知力値 20
筋力値 11
生命力 12(↑1)
精神力 12(↑1)
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動
順調そのものですが、ここで交代しよう。
ついでに布陣も変更だ。
ヴォルフ、黒曜、文楽、奈落、鞍馬で。
アデルはファイティングファルコンをオルトロスに。
イリーナはバトルホークを護法に変更するだけに留めた。
そして洞窟へ。
イリーナ配下のブルーゼラチンが洞窟の壁面を器用に登っていく。
大丈夫かな?
ヴォルフの先導で先を進む。
変わらず魔物は出てこない。
でも警戒はしておかないとね?
ケルベロス ???
??? ??? ???
???
目の前にはケルベロス。
アデル配下のオルトロスも巨大な体躯の狼だが、その点でケルベロスは共通する。
でもやはり違う。
頭が3つ。
尻尾が蛇、それもどうやら複数のようだ。
そして大きさ。
明らかに大きい。
戦鬼をも超えているだろう。
『この子ってば可愛い!ねえ?撫でていい?』
『これ!試練が終わってからにせんかい!』
済みませんね、カロン爺さん。
アデルはこういう子なんです。
しかしこれが可愛いか?
凶悪にしか見えないんですが。
名残惜しそうにしながらもアデルは料理の準備を進める。
イリーナもまた忙しそうに食材と機材の確認中だ。
文楽はマイペースです。
調理、スタート!
オレは?
やることがないのでした。
という事で。
奈落、鞍馬のペアと対戦である!
オレの得物はなしで。
奈落と鞍馬は木剣だ。
2対1だが、いい感じで拮抗するだろうか?
『奇妙な男じゃの』
「奇妙ですか?」
『普通、お主のような者には向かない戦い方ではないかな?』
うん、そうですねカロン爺さん。
それは否定しない。
オレは頷いて返すのみ。
そう。
好き勝手してたらこうなった。
そうとしか言い様がないのです。
しかしこれではつまらんな。
2戦してオレの2勝か。
「イリーナ、追加して欲しいんだが」
『追加、ですか?』
鍋のアク取りをしていたイリーナに声を掛ける。
そう、イリーナの料理は魚介系の鍋のようだ。
いい匂いがしている。
「そこの護法がいい」
『まさか』
「3対1だな」
『いいですけど。無茶じゃないですか?』
「難易度は高くないと面白くないからな」
これで槍が加わった。
得物は?
短縮再現で長柄の棒を作り上げて使わせる事にしました。
先端を布で覆っておこう。
それでも当たれば痛いのは確実だけどな!
料理の進行具合は?
それぞれ、それなりに手間を掛けている。
それだけに時間も掛かるようだ。
文楽も肉を揚げていたり、蒸していたり、炙っていたりするし。
アデルも何やら忙しそうに動き続けているんだが、何をやっているのかが分からん!
そして料理が鬼門のオレにだって分かる事もある。
最初に仕上がるのはイリーナになるだろう。
《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》
ふむ。
今の対戦はどうにか勝てたか。
さすがに4対1は厳しかったが、実入りもいいようだな。
そう。
4対1だ。
オルトロスも加わってました。
さすがに大きいから投げ技を多用、関節技でHPバーを削る方向で戦ってみた。
いい感じです。
呪文もなし、武技もなしにしては良く凌げたと思う。
だが対戦もここまでかな?
イリーナが料理を仕上げたようである。
『では、どうぞ!』
『ふむ、鍋か』
『でもこのケルベロスにはどうやって食べさせたら?』
『それは任せるがいい』
カロンの爺様なんだが。
鍋の中身を少し味見をしたかと思うと鍋そのものが宙を浮いた。
ケルベロスの右端の頭が目を大きく開くと口を開けた。
そして天空を向く。
鍋の中身がケルベロスの口の中へ投下されて行く。
豪快過ぎ!
味わってるのかね?
そのケルベロスの頭は目を細めているようです。
そして咀嚼。
尻尾の蛇が急に動き出す。
『ふむ。中々の出来のようじゃな』
『自信作ですから』
イリーナはどこまでもクールです。
その言葉には自信も感じられる。
そして文楽も肉料理を仕上げたようだ。
それは数種の肉が盛られた大皿料理になっている。
蒸したのは闘牛肉かな?
雷撃山羊の腿肉は炙っていた奴のようだ。
切り口は旨そうなピンク色になっている。
そして大皿の手前には唐揚げ。
レモンが添えてあるが、それは戦争の種ではあるまいか?
それにしても、肉の量が多いな!
『ふむ。これも中々旨そうじゃな』
カロンの爺さんはレモンを唐揚げの上で絞って回し掛け、1個を口にした。
おい。
つまみ食い?
いや、爺さんも唐揚げにレモン掛けるのがデフォなの?
だが。
ケルベロスもレモンを掛けた唐揚げを口にして気にしないようだ。
左端の頭が豪快に食っています。
大丈夫のようだ。
でもね。
君は怒っていいぞ?
最後はアデルの出番だ。
作ったのは何か?
それは、クッキーにしか見えない。
いや、クッキーだな。
大皿に山盛りになってる。
2枚のクッキーの間には何かが挟んであるように見えるが。
『ほう、焼き菓子であるか』
手を伸ばすカロン爺さんだが。
アデルがその手を叩いた。
おい!
『はいはい!つまみ食い禁止!』
『ぬぬ?』
『ダメでしょ?これはこの子の分!』
『なんじゃ、これだけあって1つ食ってもええじゃろうに』
『ダメったらダメ!』
おい。
爺さん、駄々こねとるぞ?
その魔力の高さから言って、かなりの上位の存在だと思われるのだが。
台無しだ。
『もう、この子にも示しがつかないでしょ?ダメなものはダメ!』
『ぬう』
『それにお爺ちゃんの分は別にあるし!』
『それを早く言わんかい!』
おい爺さん。
アデルにいいように転がされてるぞ!
いいのか?
真ん中の頭が菓子を咀嚼する。
どうやら気に入ったようだが、ある変化が。
両脇の首の目が光る。
その視線の先にお菓子。
カロン爺さんの分だ。
『こ、こりゃ!これはわしの分じゃ!』
『気に入ったかにゃ?』
『そうみたいね』
因果応報?
カロン爺さんはクッキー1枚を口にしたものの、残りはケルベロスに与える事に。
実に渋い顔だ。
一方でケルベロスはアデルになついてしまっている。
これも台無しだ。
かなり凶悪な印象の魔物っぽいんだが。
今やアデルに撫でられるがままになってるし。
「試練は?」
『合格とせねばいかんだろうの』
カロン爺さんはケルベロスを一瞥する。
ケルベロスはといえば知らん顔だ。
どうもこの力関係は良く分からない。
センス・マジックで見ると、カロン爺さんが格上だと思うんだが。
『ここを使うも良し。門の向こう側へ行くのもまあええじゃろ』
『やったね!』
『じゃがこれは警告じゃ。冥府には行かぬ事。まあこいつが通さぬがの』
「はあ」
『それに洞窟の中は亡者を狩る者達がおる。生者であっても襲う故、そのつもりで』
そう言い残すとカロン爺さんは小舟に乗り込んだ。
地下湖の奥へと消えていく。
そしてケルベロスの姿は霞のように消えていく。
結局、最後までアデルに撫でられまくってましたな。
あれが番犬で、いいの?
いや、本当に。
《これまでの行動経験で召喚モンスター『文楽』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ふむ。
料理で活躍してたのは文楽だったからな。
順当ではある。
文楽のステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
珍しいな。
もう1ポイント分のステータスアップは敏捷値を指定しておこうか。
文楽 メタルスキンLv7→Lv8(↑1)
器用値 31
敏捷値 15(↑1)
知力値 23
筋力値 14
生命力 15(↑1)
精神力 14
スキル
両手槍 弓 回避 料理 石工 物理抵抗[微] 魔法抵抗[微]
自己修復[小]
ま、揃えるべき所は揃えておこう。
『中継ポータルのメニューが使えそうですね』
「おお、そうか?」
イリーナの言葉にオレも確認はしておいた。
確かに。
ログアウトも出来そうだ。
アデルは何やら名残惜しそうな雰囲気です。
どうした?
『あの子も欲しいなー』
『多分、というより間違いなくオルトロスの上位じゃないかしら?』
『そうかな?』
『きっとそう。雰囲気も似てるし』
『確かに似てる!触り心地も可愛い所も似てた!』
おい。
突っ込んでいいかな?
どこがどう可愛いのか?
イリーナを見る。
彼女は苦笑する事でオレの疑問に答えていた。
時刻は?
午後2時20分です。
オレはどうするか?
当然、門の先へ進みたい訳だが。
「一緒に行って見るか?」
『時間的にちょっと厳しいかなー?』
『夕闇城で少し雑務もやっておきたいものね』
2人とも限られた時間で協力してくれたのだ。
有難い。
食材、いるか?
『【料理】もレベルアップしたねー』
『試練、という形だったせいかな?』
『でも【料理】が活躍して中継ポータル解放って新鮮!』
そう。
そこが問題だ。
今回は伝手ががあったからな。
助かりました。
「お礼はあったほうがいいのかな?」
『必要ないと思いますよー』
『普段お世話になってますし』
『でも自重はして欲しいかな?かな?』
アデルの意見に大いに同意を示すイリーナ。
そうか?
最近は結構自重してると思うのだが。
滝の外までアデルとイリーナを見送る。
彼女達はパーティを組むとリターン・ホームで夕闇城へと跳んで行く。
オレはどうする?
洞窟の奥へ、そしてW7マップを目指すのだ!
その前に布陣は見直しておこう。
文楽は帰還させ、テロメアを召喚する。
では、行こうか。
壁面にある扉の向こう側は?
結構広く整備された通路だ。
ちょっと拍子抜けです。
その壁面の高い位置には燭台まで置かれている。
さすがに蝋燭はセットされていないし、通路は暗いままだ。
ま、フラッシュ・ライトとセンス・マジックは使っておこう。
何があるのか、分かったものではない。
ま、進んでみるしかない訳ですが。
この先は7マス先のW7になる。
ここで出てくる魔物もそれ相応の奴になるだろう。
そう言えば、カロン爺さんが何か言ってたよな?
亡者を狩る者達、でしたっけ?
何だろうね?
ウルサマヨールガーディアン・ミザール Lv.2
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウルサマヨールガーディアン・アルゴル Lv.2
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウルサマヨールガード・ドゥーベ Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウルサマヨールガード・メラク Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウルサマヨールガード・フェクダ Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウルサマヨールガード・メグレズ Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
英霊じゃねえか!
その姿は十二宮で戦った連中と似通っている。
ガーディアン、というのは?
周囲にいるガードとはまた別であるようだ。
明らかに格上か?
双方共にガードよりも重装備の戦士のようだ。
まるで双子のようにも見えるが。
ミザールは左利きか?
右に大型の盾。
左に大きめの剣。
アルゴルも同じ装備だが、左右で逆だ。
顔は共に見えない。
ガードの連中は?
やや軽装備に見えるが、それだけに体躯の逞しさが透けて見えそうだ。
盾を持つ奴はいない。
得物は斧、槌、メイス、それにあれはピックかな?
全部重量級で両手で構えている。
基本はパワーファイターなんだろうな。
オレの得物は?
左手に珪化木のトンファーのみであるのだが。
さあ、こいつらにどこまで通用するかね?
「真闘気法!」「ブレス!」「メディテート!」「インテリジェンス・アタック!」
さあ。
どれほどの相手かな?
さて。
戦っている相手をどう評価するか?
強い、という表現をするのか。
怖い、という表現をするのか。
凄い、という表現をするのか。
難しい。
敢えて言おう。
楽しい!
誤解なきよう。
楽しい!
適度に緊張感が漂う所とか最高です。
ガードもガーディアンも、その直撃を喰らったら大変な事になりそうなんだが。
それは奈落が証明した。
ピック持ちのガードの攻撃を盾で受け、吹き飛んでます。
鞍馬も心配だったがどうにか凌いでいる。
ここは即決で。
ヴォルフと黒曜が2名のガーディアンの牽制をしている間にガードから片付けに行く。
こいつ等は確かに、強いし怖い。
でもね。
もっとおっかない奴を知ってると、どうしても感覚は麻痺してしまう。
つか一緒に戦っているテロメアが怖い。
実に嬉しそうだ。
斧の直撃を楽々と避け、至近距離から炎を撃ち込んで行く。
その上で頭部へ槌を撃ち込む。
実にいい笑顔でこれをやってのけるのだ。
まさに悪鬼羅刹の所業。
オレも大型の槌持ちの懐に入ると腕関節から入る。
極めて、殴って、投げて、そして止めで独鈷杵。
定番ですな。
装備関係なしで仕留められるのは有難い。
奈落はさておき、鞍馬にはキツいかと思ったものだが。
早い段階でガードは半分に減ったのは大きかったようです。
健闘している。
ピック持ちはテロメアに翻弄されながら、奈落、鞍馬の攻撃を交互に浴びていた。
オレはといえば、メイス持ちの肘を壊した上に咽喉を独鈷杵で裂いていました。
独鈷杵にセットしてあるのは灼魔法。
いい感じでダメージが通っているようだ。
はい、次!
ガーディアンは2名。
オレは左利きのミザールを受け持った。
もう1名のアルゴルは召喚モンスター達に譲ろう。
あのテロメアがいるのだ。
英霊が酷い事になるのは間違いない。
このガーディアンは?
確かに格上だ。
パワーがあるだけではなく、盾も利用した堅実な戦闘スタイルであり、隙が少ない。
でもね。
隙がないなら作るだけです。
問題があるとしたら左利きである事だ。
戦い慣れてないんだよな、左利き。
意外に隙を作るのに苦労してしまい、アルゴルを片付けた召喚モンスター達を待たせてしまった。
無論、オレの獲物に手出しはさせない訳ですが。
済まないな。
もうちょっと待っててね?
《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【水魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『奈落』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
盾を持つ相手の対戦は慣れている筈だったんだが、さすがに左利き相手だと調子が出ない。
少し苦労しちゃいました。
いや、盾で何度か殴られたダメージも少なくない。
どうにか慣れておかないと先々で困りそうだ。
奈落のステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
もう1点のステータスアップは敏捷値としておこう。
奈落 スケルトンファイターLv5→Lv6(↑1)
器用値 19(↑1)
敏捷値 19(↑1)
知力値 13
筋力値 15
生命力 15
精神力 13
スキル
剣 棍棒 小盾 受け 回避 物理抵抗[小]
自己修復[中] 闇属性
オレの戦闘を待ってる間に奈落のHPバーはかなり回復しているようだ。
異常はない。
布陣を見直すべきか?
奈落はこのままで十分だろう。
懸念すべきなのは鞍馬であるんだが。
いや、それ以上に困った事がある。
アイテム、剥げない。
いや、残らないのでした。
通路は単純な一方通行である。
段差があったりもするが、移動に支障はない。
英霊は同様のパターンで更に2回、遭遇した。
ガードが1名少なかったので、そう苦戦はしないで済んでいる。
左利きのガーディアンは率先して相手をするようにしました。
慣れておきたい。
その一心です。
しかし同じ相手だといずれは、飽きる。
そうなって欲しくはないんですがね。
キグナスガーディアン・デネブ Lv.2
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
キグナスガーディアン・アルビレオ・トパーズ Lv.1
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
キグナスガーディアン・アルビレオ・サファイア Lv.1
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
キグナスガード・サドル Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
キグナスガード・ギェナー Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
キグナスガード・コールサック Lv.8
英霊 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
別の英霊もいたようです。
だがこいつ等の特徴はすぐに分かる。
全員、女性ですよね?
格闘戦の準備は出来ていますよ?
だがこっちはどうも様子が違う。
重装備はいない。
格上と目されるガーディアンは3名全員が細剣。
ガードは2名が弓矢、そしてコールサックが短剣持ち。
コールサックのみ、全身真っ黒である。
その編成から見て、先刻の英霊パーティと性格がまるで違うのだと分かる。
むしろこれは楽しめそうもないかな?
「真闘気法!」「ブレス!」「メディテート!」「インテリジェンス・アタック!」
それでもやる事は変わらない。
変えない。
まずは全力で。
事前情報がないのだからこれは当然ですな。
《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》
楽しめますか?
まるで楽しめない。
予想通りでした。
完全にスピードファイターでした!
ヴォルフと黒曜がいなかったら詰んでいた可能性すらあった。
全く、油断ならない。
結局、誰一人として関節技も投げ技も決める事が出来ず仕舞いでした。
無念。
無念。
はっ!
いかんいかん。
邪念が混じってるし!
時刻は?
午後4時20分といった所だ。
一方通行だった通路に変化がある。
分かれ道だ。
左側への道は下っているようだ。
右側は上っている。
ここまで、通路は緩やかに下ってきたように思える。
ならば抜けるルートは右側が正解かな?
それに、だ。
左側は通ってはいけないルートなのだろう。
分かり易い警告があった。
ケルベロスだ。
通路の真ん中で伏せの状態で眠っているようである。
いや。
3つある頭のうち、右端の頭は起きているようである。
他の2つは完全に目を閉じて眠っているような感じがした。
起きている頭はこっちに視線を投げ掛けてはくるが、興味を示そうとはしない。
アデルならどうするか?
撫でに行くんだろうな。
そしてイリーナに押し止められる、と。
そんな光景が想像出来てしまう。
無論、オレはそんな事はしない。
おとなしく右側へ行きます!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『鞍馬』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午後5時20分。
奮戦を続けているうちにもうクラスチェンジのタイミングですか?
いや、英霊さん達の経験値はそれだけ美味しいのであろう。
鞍馬のステータス値で既に上昇しているのは器用値です。
もう1点のステータスアップには敏捷値を指定しましょう。
鞍馬 鬼Lv7→Lv8(↑1)
器用値 20(↑1)
敏捷値 17(↑1)
知力値 10
筋力値 19
生命力 19
精神力 10
スキル
剣 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
《召喚モンスター『鞍馬』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》
《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》
「ギシャシャ!」
うん。
護法になったら少しおとなしくなるんだろうか?
ある意味で寂しい感じもする。
インスタント・ポータルを展開していつものようにクラスチェンジの準備だ。
まあ何にするのかはもう確定なのではあるが、一応やっておこう。
《融合対象となる召喚モンスターではありません》
融合識別で確認はしておいて、と。
装備も外しておきましょう。
クラスチェンジ先はどうか?
クラスチェンジ候補
護法
羅刹
ここで迷う事はない。
即決です。
鞍馬 鬼Lv8→護法Lv1(New!)
器用値 21(↑1)
敏捷値 18(↑1)
知力値 10
筋力値 21(↑2)
生命力 21(↑2)
精神力 10
スキル
剣 刀 両手槍(New!)小盾 受け 回避 隠蔽
夜目(New!)
【護法】召喚モンスター 戦闘位置:地上
仏法に帰依した鬼。攻撃手段は武装による。
体格は人間並、前衛も後衛もこなす器用さがある。
人間が使う武器はどれも使いこなす事が可能。
《融合対象となる召喚モンスターではありません》
空きスキルは両手槍にしておきました。
白象の長槍をそのまま渡してもいいんだが。
ま、いずれ時間が余ったら作ればいいだろう。
それにしても、その風貌の変化は劇的だ。
厳しい顔である事は変わらないが、角がなくなっているのが大きい。
髪型も仏像っぽくなっていて、頭の上で1つに纏めている。
お団子頭?
だが可愛らしさとは無縁だ。
装備は?
まあ元々が護鬼が羅刹時に装備していた代物だ。
そう大きな調整もせず済みました。
やや羅刹に比べたら痩身なのかもしれないな。
武器も少し振らせてみたが、そう大きな問題はないだろう。
むしろ二刀流で戦うのに向いているような感じもある。
布陣は変更せず、数戦してみました。
結果は?
鞍馬の戦い方が洗練されてきたように見える。
そして鳴かない。
積極的に戦闘へ参加する姿勢は変わらない。
熱中するかのように攻撃を繰り返すような所はそのままだ。
ただ、お調子者のような雰囲気が、消えた。
まあいいか。
戦力的には間違いなく向上している。
それに、だ。
布陣は見直すべきだな。
洞窟の先に光が見える。
出口だろう。
時刻は午後5時40分。
まだ外は明るい筈だ。
テロメアと奈落は帰還させて交代させないといけない。
夜になるのを待ってから進んでもいいんだが、まだ明るいうちに地形は見ておきたいのだ。
テロメアと奈落、ついでに鞍馬は交代させよう。
ついでに装備の修復は呪布でやっておいて、と。
《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》
うむ。
思わぬ所で上がってくれるものだ。
そうそう、何を召喚するか?
すぐに夜になりそうだし、しかも行き先はW7マップだ。
戦力は充実させておきたい。
戦鬼、ナインテイル、ティグリスを召喚する。
ま、なんとかなるだろう。
まずはどんな地形になるのか、見極めましょう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv32
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv18
ボーナスポイント残 22
セットスキル
剣Lv13(↑1)両手槍Lv12 馬上槍Lv13 棍棒Lv14 刀Lv13
刺突剣Lv11 捕縄術Lv11 投槍Lv9 ポールウェポンLv9
杖Lv23 打撃Lv21(↑1)蹴りLv21(↑1)関節技Lv21(↑1)
投げ技Lv21(↑1)回避Lv21 受けLv21
召喚魔法Lv32 時空魔法Lv20 封印術Lv15
光魔法Lv20(↑1)風魔法Lv20 土魔法Lv20 水魔法Lv20(↑1)
火魔法Lv20(↑1)闇魔法Lv20 氷魔法Lv18 雷魔法Lv18
木魔法Lv18 塵魔法Lv18 溶魔法Lv18 灼魔法Lv19(↑1)
英霊召喚Lv1
錬金術Lv16(↑1)薬師Lv10 ガラス工Lv8 木工Lv12
連携Lv22 鑑定Lv22 識別Lv23 看破Lv7 耐寒Lv10
掴みLv19 馬術Lv20 精密操作Lv22 ロープワークLv11
跳躍Lv12 軽業Lv12 耐暑Lv14 登攀Lv12 平衡Lv13
二刀流Lv19 解体Lv18 水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv11
ダッシュLv12 耐久走Lv12 隠蔽Lv7 気配遮断Lv7
身体強化Lv20 精神強化Lv20 高速詠唱Lv21
魔法効果拡大Lv20 魔法範囲拡大Lv20
耐石化Lv6 耐睡眠Lv6 耐麻痺Lv7
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv9
耐魅了Lv2 耐毒Lv3 耐沈黙Lv4 耐即死Lv1
召喚モンスタ
文楽 メタルスキンLv7→Lv8(↑1)
器用値 31
敏捷値 15(↑1)
知力値 23
筋力値 14
生命力 15(↑1)
精神力 14
スキル
両手槍 弓 回避 料理 石工 物理抵抗[微]
魔法抵抗[微] 自己修復[小]
奈落 スケルトンファイターLv5→Lv6(↑1)
器用値 19(↑1)
敏捷値 19(↑1)
知力値 13
筋力値 15
生命力 15
精神力 13
スキル
剣 棍棒 小盾 受け 回避 物理抵抗[小]
自己修復[中] 闇属性
鞍馬 鬼Lv8→護法Lv1(New!)
器用値 21(↑1)
敏捷値 18(↑1)
知力値 10
筋力値 21(↑2)
生命力 21(↑2)
精神力 10
スキル
剣 刀 両手槍(New!)小盾 受け 回避 隠蔽
夜目(New!)
スパッタ ホークLv5→Lv6(↑1)
器用値 11
敏捷値 24
知力値 20
筋力値 11
生命力 12(↑1)
精神力 12(↑1)
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動




