309 六者六様2
-午前8時40分、キムクイ・スレイブ第二陣後方にて-
さて。
後続のキムクイ・スレイブの群れの後方の位置を確保した訳だが。
その意味は?
あるような、ないような。
単純に攻めてくる魔物の群れの全容を見て感じてみたかった。
それだけとも言える。
無論、見るだけで終わらせるつもりはない。
『あれを襲うんですか?』
「襲います」
『ですよねー』
そりゃそうだ。
このまま眺めて終わらせる意味はない。
『数を減らす、ですか?』
「魔人を狙う。ついでに呪文の無効化範囲を確認だな」
『ですよねー』
そう。
この群れの魔人は健在だろう。
少なくともカメの頭にビーストマスターと呪禁導師はいる筈だ。
『では群れの右側から突入、カメを左に見ながら回り込んで魔物を削る、と』
『出来ればカメの頭上にいるであろう魔人を弓矢で仕留めたら最上、と』
『ガルムは呪歌でHPバーを出来るだけ削って迎撃時に仕留め易くする、ですね?』
「ま、そんな所だな。魔人次第になるが、直接キムクイ・スレイブにも仕掛けて様子は見たいな」
『ですよねー』
特に付け加える事はない。
ないったらない。
いや、1つあるかな?
『最初から精霊は使いますか?』
「様子を見てからだな」
ヒョードルくんも空気読んだ?
いや、予測の範囲だったのだろう。
魔物の群れの規模は?
あれで減ってるのか、と思えるほどに大規模だ。
それだけに、美味しい。
呪歌の効果には大きな期待が出来る。
「カメからは少し距離を置いておこうか」
『大回りでいいんですか?』
「それでいい」
精霊を最初から使わない理由がある。
呪禁道師。
それに呪禁導師。
呪文の無効化範囲内に篭られてしまうと精霊も無駄に消費する事になりかねない。
まずは、突撃してみて様子を見たい。
つかさ。
後方から突撃とか。
美味しい。
美味しいよね?
『これ!もしかして幻影?』
『殆どのガルムが幻影みたいです!』
『無効化範囲が広い!近付けません!』
「カメからもっと離れろ!」
全然、美味しくありませんでした。
こいつ等。
まさか?
陽炎のようにキムクイ・スレイブの足元に新たな魔物の軍勢が現れる。
まさか?
あっちが本隊か!
呪文の無効化範囲の中に、魔物の群れを格納していた?
最初に魔物の群れに見えていたのは幻影かよ!
コール・モンスターで確認する。
先刻までと魔物の分布が違う。
クソッ!
見込みが完全に外された!
「反時計回りで!そのまま離脱だ!」
『動画記録!継続して!』
『カメの頭上の魔人、どうします?』
「距離を置け!狙わなくていい、何がいるかだけ確認!春菜!此花!北へ離脱、先導しろ!」
『了解!』
『ヤァ!』
オレはどうするかって?
顔を拝んでおこうと思ったんだが。
いるかな?
いた。
スレイプニル・スレイブ。
騎乗する魔人の姿。
【識別】は効かないが、確信する。
奴だ。
イル・カピターノだ。
魔物も、魔人も追撃してこなかった。
盛大に舌打ちしたい気分になる。
『カメの頭上に魔人は7名いたようです』
『【識別】はどれもダメでした!』
『変です!ガルムも確かにいましたけど、大型の魔物が多くなかったですか?』
「だな」
それも気がついていた。
トライホーンリザード、オブシディアンビースト。
多かった、よな?
スヴァジルファリ・スレイブにレッサーグリフォンも然り。
間違いなく、こっちが本命といった所か?
むしろ、ガルムは少ない。
守りが、堅いな。
手元の戦力で突破は?
無謀、という言葉が脳裏を走る。
『動画格納しました!観測班に動画リンク転送!』
『どうします?』
「東へ!夕闇城へ戻るぞ!」
ここは撤退?
いや。
アレを狩るには城壁に頼る方が合理的だ。
だが現在、もう1匹のキムクイ・スレイブが進軍中という。
まさか。
魔人共、先行するキムクイ・スレイブを捨て石にしたんじゃあるまいな?
『解析班から返信!夕闇城の戦況は拮抗中!もうすぐ罠に掛けるそうです!』
「援軍に行く!急げ!」
疑念は、ある。
こちらの手の内を見る。
同時に戦力も削ぐ。
敢えて罠に踏み込ませて、罠を排除する。
有り得る。
そして汚い。
だが汚かろうが、要するに勝てばいいのだ。
オレだって勝てるなら汚い手は使うだろう。
そう時間は掛からず夕闇城へ。
臨時に設けた防柵は中央を突破されている。
3つあった出城も真ん中の1つが潰れていた。
そして夕闇城の城郭、その第一の壁にキムクイ・スレイブが取り付いている。
周囲にはトライホーンリザード、オブシディアンビースト。
うん?
上空にはまだレッサーグリフォンがいるな。
黒曜達、空中位置の召喚モンスター達の群れが襲い掛かるのだが、アッサリと撤退していく。
何?
何だ?
この違和感。
魔物達の中にスヴァジルファリ・スレイブもいない。
魔人は?
いないようだ。
討ち果たしたのであれば、いい。
だが本当に?
魔人さえも捨て石にするか?
分からない。
だが嫌な予感しかしないのだ。
-午前8時50分、キムクイ・スレイブ近くにて-
『インスタント・ポータル解除!』
『右翼ピットフォール発動までカウントスリー!』
『大規模ユニオン組め!連携を絶やすなよ!』
『杖組の前へ!邪魔な魔物を近寄らせるな!』
インスタント・ポータルを用いた奇襲。
罠の第一陣だ。
後方に控える杖魔法使いは全員がピットフォールを仕掛ける為だけに伏せてあった戦力になる。
無論、有効な距離に近寄るのはリスクがあるのだが。
ここには旅団担当、防柵担当以外の戦士系プレイヤーが集結している。
キムクイ・スレイブに従う魔物はオレ達の獲物だ!
『ピットフォール!』
キムクイ・スレイブの右前脚と右後脚に呪文が次々と仕掛けられる。
1つでは落とせる大きさにならないからだ。
過剰とも思える大きさの穴に脚が嵌まり、カメは体勢を崩した。
その城砦のような甲羅の上にプレイヤーの姿。
エレメンタル・ソーサラー『風』の面々だ。
既に用意してあったであろう呪文を次々とキムクイ・スレイブに仕掛けている筈だが。
赤いマーカーに重なる小さなマーカー。
レビテーション。
無論、浮くとしても僅かなものだろう。
この合わせ技は他の魔物で検証済みだ。
規模が違うだけ。
ピットフォールもレビテーションも呼び水に過ぎない。
上手くいけば、このカメをひっくり返せる!
『レビレーションを確認!』
『ストーン・ウォール発動まで待て!』
左翼では左前脚と左後脚にストーン・ウォールを仕掛ける手筈。
転がる、筈だ。
こっちに、だけどな。
「右翼は後退!」
『後退中!』
『杖持ちを守れ!』
だが。
この部隊にとって、守れ、というのは盾を使う事ではない。
迫る魔物を排除する事を意味する。
正面に、トライホーンリザード。
デカい。
だがやる事はいつもと同じ。
両手に持つ斧を振るう。
大木の幹の根元に叩き込むのと一緒だ。
オレの斧は攻撃力は20そこそこで切れ味の鈍い代物ではある。
だが、破壊力は8を超える。
ゲーム開始時、人間で得られる筋力値の最大値は24だ。
2時間掛けて、他のステータス値も含めて満足できるまで再作成したものだ。
そして種族レベルにして21になるまで、筋力値に振り続けている。
クラスチェンジ、そしてボーナスポイントも注ぎ込んでどうなったか?
オレの筋力値は48になっていた。
これにフィジカルエンチャント・ファイア。
そしてグラビティ・メイルの支援も受けている。
加えて力水。
一時的なものだが、オレのステータス値は修正を重ねて66に達している。
そんな状態で両手斧という質量兵器を振るうのに武技など不要。
オレの一撃でトライホーンリザードの前脚が吹き飛んだ。
それでもオレを襲おうとする魔物。
その首が、落ちた。
誰がやったか、分かっているぞ?
あの太刀持ちのセイバーだろう。
『与作!ちょっとトカゲが多い!先行する!』
「右の奴!頼めるか?」
『承知!後ろ来てるぞ!』
斧を再び振るう。
後ろにいたのはオブシディアンビースト。
岩そのものみたいな奴だが気にしない。
何が相手でも、撃ち込んでいくだけだ。
その魔物の装甲は砕け飛んでしまう。
次の一撃はまともに魔物に吸い込まれ、魔物のHPバーが砕けて散った。
それにしても、だ。
どうにか乱戦にならずに済んでいるのが不思議だ。
それほどに魔物の数が多い。
『ストーン・ウォール!』
左翼で呪文が放たれたようだ。
要塞のようなキムクイ・スレイブがこちら側に転がってくる。
その光景は?
悪夢そのものだ。
魔物も残っているが、ここは気にせず後退で。
カメの甲羅に勝手に潰されちまえ!
-午前8時50分同時刻、夕闇城の城壁上にて-
『ウラァ!』
『オリャ!』
『どっせい!』
何かと思えるような声なんですが。
スミマセン、周囲の皆さん。
あの人達のクセみたいなものでして。
城壁から見下ろす形でキムクイ・スレイブの喉が見える。
そこに投槍を撃ち込み続けているんですが。
効いてる、のか?
どうも多少は効いてるようです。
でもね。
キムクイ・スレイブのHPバーはまだまだたっぷり、9割以上残っている。
『宗雄!投げる槍がなくなったぞ!』
『もっと投げるモン持ってこんかい!』
「手持ちの槍は渡した分でもう終わりですよ?」
『なにぃ?』
『じゃあやるこたあ決まったな!』
あ。
ヤバい。
この2人のノリは一種独特だ。
僕ですらも巻き込まれてしまう事が多い。
フィッシャーマン系は城壁上から投槍で攻撃。
以降は自由裁量で、とは聞いていたんですが。
眼下には他のプレイヤー達が魔物相手に奮戦しているのです。
この人達が投げる物がなくなったからといって何もしないなんて、有り得ない!
『カメの腹の上で暴れっか?』
『ええのう!』
「それ、ドワーフの奇襲組の仕事ですよ?」
『構わん!』
『手伝ったれ!』
『野郎共!乗り移るぞ!』
ああ、やっぱり。
二郎と譲二。
漁師兄弟と人は言う。
普段は結構冷静なプレイだし、養殖している時とか平穏そのものなんですが。
そこはそれ、海の男。
いや、海の漢。
お祭り騒ぎにはとことん、血が熱く燃えてしまうようです。
うん。
僕自身にもそういう面がある事は否定しない。
使い慣れている銛を手に、キムクイ・スレイブの喉に飛び移って着地。
腹を目指すついでに喉をザクザクと突いて回りました。
柔らかい?
いいえ、分厚くて大して効いてるように思えない。
やはりドワーフが仕留める事になるんだろうな。
腹の装甲を壊して、仕留める。
それにはどうしても破壊力が必要なのだ。
ドワーフがその任務に向いているのは否定しようがない。
そんな中で漁師まで加わってどうすんの?
ま、いいか。
お祭りなんだし。
そして僕も考えるのを止めた。
キムクイ・スレイブの腹の上には既に30名ほどのドワーフが取り付いている。
その数が増えていく。
恐ろしい勢いで。
彼らがこれから何をする事になるのか?
僕は目の当たりにする事になるだろう。
-午前8時55分頃、キムクイ・スレイブの腹の上より-
『何ぃ?杭が足りないだとぉ?』
『枯渇しました!』
『ええい!なんでもいいから引き続き装甲を剥ぎにかかれ!』
『クソったれがあぁ!もっと頑丈なモン持ってこんかいっ!』
何やら恐ろしい台詞が飛び交ってます。
どこかの抗争のような気もしますけど。
ども、グーディです。
キムクイ・スレイブの腹の上にいます。
今、襲い掛かってくるトライホーンリザードを仲間と一緒に殴ってます。
メイスで。
いえ、我等が神で。
そう、これは祈りにも似た気持ち。
いつの間にか僕は恍惚の境地に達していました。
ああ。
メイスで殴るのが、気持ちいい。
ああ。
メイス最高!
これぞ、神の武器!
『杭を使って装甲を剥がせ!物理法則しらんのか?支点、力点、作用点だ!工夫せんかい!』
『オッス!』『オッス!』『オッス!』『オッス!』
思うんですよ。
メイスを得物とするユニオンだけじゃなかった。
ハンマー組もノリが同じです。
カメの腹に打ち込んだ杭の頭を今度は横へと打ち始めた。
まさか。
まさか、まさか。
カメのあの分厚い装甲を、剥がすつもりなんか?
どこまで強引なんだ!
『やっとるか、ハンマー組!』
『む?ツルハシ組か』
ツルハシを担いだドワーフがまるで木切れを投げるかのように杭を投げ渡す様子が見えた。
何かちょっと、剣呑な雰囲気?
『苦戦しとるようだな。援軍ついでに杭の追加だ』
『む』
『何、ここからはワシ等も参加させて貰おうか』
気がつけばドワーフが増えている。
護衛の斧持ちのドワーフまでいた。
何とまあ。
『いいか、手前等!気合入れていけ!』
『ウッス!』『ウッス!』『ウッス!』『ウッス!』
『このカメの腹全部、道路工事したれやああああああああ!』
『おおおおおおおおおおおおおおっ!』
『おりゃあああああああ!』
『どっせい!』
『死ねやドンガメええええええええええっ!』
何これ怖い。
つかドワーフってどうしてこういうのばっかいるん?
-午前9時00分、夕闇城、城壁上より-
『マズいぞ!ブレス攻撃が止まらん!』
『城壁の一部が融解!内側もヤバい!』
「壁呪文を追加して!精霊はどうなってる?」
『今すぐ回せる精霊はもう使い切ってる!エルフが足りないんだって!』
『キムクイ・スレイブのHPバー、残り4割!』
腹の装甲を剥がしてダメージを加え始めている。
仕留め切るのが早いか?
城壁が突破されるのが早いのか?
夕闇城の城壁は三重備えになっている。
でも最も強固な城壁は間違いなくこの最外郭に備わっているこの城壁なのだ。
ここが突破されるようでは危うい。
『喉をどうにか破れない?』
『与作がやってみるそうです!支援しに行きます!』
『ああ!本部メンバーが前線に!』
『総司令が最前線に来てるぞ!』
『何やってんだ!』
あちゃあ。
フィーナったら我慢出来なくなったかあ。
そうなんだよね。
根っこは武闘派なんよ。
ジルドレとカヤでも止めるの無理だったか。
『レイナ!フィーナを止めきれん!加勢してくれんか?』
「ここの指揮があるんよ?いいから、多少発散させないと後で大変だし!やらせていいって!」
『こっちの身になってくれ!』
ジルドレの悲鳴にも似た叫びは敢えて無視で。
そっちでなんとかして!
私じゃ、無理!
-午前9時10分、キムクイ・スレイブ後方より-
『残敵掃討は概ね終わった?』
『第二陣のキムクイ・スレイブが来る筈だ!警戒しろ!』
『観測班より連絡ありました!第二陣の接敵は20分後の予想です!』
『クソッ!あのカメはまだ沈まないのかよ!』
いや。
最初のキムクイ・スレイブは間違いなく沈むだろう。
サモナー軍団までもが加わってHPバーを削りに行っている。
あれで沈まなければ誰がやっても沈まないと思えるし。
でも問題は2匹目だ。
あれはまだ、健在。
こっち側の消耗はかなり激しい。
私達旅団にしても、支援役も含めてMPバーが半分以上残っているプレイヤーは皆無なのだ。
それ程の激戦が続いている。
それでいて、第二陣。
観測班によると、その戦力予測は事前のものを遥かに上回るようなのだ。
いい傾向じゃない。
『本部より大規模ユニオン申請来たぞ?』
『まさか、撤退?』
『ここまでやっててそりゃあないだろ!』
『いや、一旦外壁前まで後退だ!』
でしょうね。
アクティブな魔物はもうキムクイ・スレイブしかいない。
『ヘルガ、どう見る?』
「撤退?しないと思うけど。フィーナさんの事だし、迎撃のために再編成って所?」
『勝算、あるのかしら?』
ガヴィもリディアも消耗は激しい。
無理もない。
トルーパー連中の突撃に合わせての支援は結構疲れる。
タイミングを合わせたくても間に合わない。
いや、本当に。
あの戦闘狂の連中、戦果を出してるのは分かるけど、先走り過ぎ!
『キムクイ・スレイブのHPバー残り1割だ!』
それは歓声。
一区切り、となるのはもうすぐだ。
だがまだ第二陣がいる。
私の感じでは、思っていた以上に消耗していると思う。
安全を取るなら、この戦闘で区切って夕闇城から撤退、霧の泉での迎撃って事になるんでしょうけど。
そうはならない気がする。
これは、勘だ。
理由はない。
理屈もない。
『魔物の先遣部隊はなし!そのまま移動継続中!』
『旅団後退!回復もしておけ!』
『マナポーションがもうない!余ってないか?』
『さっきのが最後だったよ。こりゃ継続戦闘も厳しいかなあ』
いけない。
不安の声も聞こえてくる。
ギリギリの判断が求められるのかも?
徹底抗戦か?
撤退か?
フィーナはどっちを選ぶのだろう?
-午前9時15分、夕闇城、城壁前にて-
それにしても凄い有様だ。
キムクイ・スレイブの死体は惨憺たるものである。
腹はあちこちが破られてしまっていた。
そして首元も何かで散々に打ち据えられたように見える。
確かに、最後の方で色々とダメージを与えたのは確かだ。
でもその必要も無かったかな?
実際、キムクイ・スレイブは倒したものの、オレには何もレベルアップのインフォはない。
キムクイ・スレイブは?
死体が消えていく。
魔人と同じパターンのようだ。
期待されるべきアイテムは何も残さない。
解せぬ。
『フィーナ、撤退するなら今しかないぞ?』
『でもね、ジルドレ。霧の泉での迎撃も至難だと思うわ』
『そりゃそうかもしれんがな』
『東雲!城壁に出来た穴。短時間で補修はどこまで出来そう?』
『間に合わせにしかならんぞ!』
いかんな。
どうやらこのまま篭城戦になりそうな予感。
『ステータス異常を喰らったプレイヤーは後送して!』
『分かった。篭城するんだな?カヤ、後送指示を頼めるか?』
『了解。再編成も進めとくよ』
生産職重鎮もすぐに動く。
しかし、アレだな。
皆、消耗が激しいようだ。
『城壁の上に弓部隊と杖部隊、その護衛で壁部隊を!』
『第二陣の接触予測修正マイナス5分!少し移動が速くなってます!』
さて。
サモナーはどうするか?
このまま城外で牽制しながら、というのもアリだが。
今は魔物を屠る打撃力を優先させておきたい所だ。
夕闇城を陥落されてはいけない。
『キースさん、私達もここで迎撃ですか?』
「だな。各自移動重視の布陣から戦闘重視に変更だ」
『了解っと!』
『了解!じゃあ皆、行くよー!』
フィーナさんと目が合った。
会話はない。
互いに目礼のみだ。
互いにやるべき事を、やる。
それでいいのだろう。
では。
オレも布陣を一新するとしよう。
その選択は?
ジェリコ、護鬼、戦鬼、獅子吼、雷文。
完全に戦闘そのものを意識した布陣だ。
周囲の様相もまた恐るべきものになりつつある。
ホース系が一気に切り替わる。
ウルフ系も半分以上が切り替わったと思う。
そして増えるビーストエイプ系。
ゴーレム系も増えてくる。
だが何よりもフューズ・モンスターでしか生まれない召喚モンスターが目立つ。
キメラに鵺だ。
元々、加わっていたウェアウルフにオルトロスも目立つ。
ウェアウルフ達は半獣半人形態となり、接近戦をする気でいるようだな?
支援役にマーメイド系、フェアリー系もいる。
ホーク系、フクロウ系もやや数は少なくなったが健在だ。
少ないがスライム系もいるし。
ま、その辺は各自の判断でいいと思うのでした。
では、城壁を利用しての篭城戦だな?
とことん消耗を強いてやるとしよう。




