表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
294/1335

294

 攻撃の手順は簡単なものだ。

 魔物の群れを後ろから襲って突破。

 そこから反転。

 再度、群れの中を突っ切ってこっちに戻ってくる。

 それでいいのだ。


 オレがやった時と比べたら魔物の群れの数は減っている。

 そしてアデルとイリーナの2つのパーティであれば戦力として十分な戦果も期待出来る。

 難易度は下がっていると思うのだ。


 それに2人にはある期待がある。

 彼女達は弓使いであるという事だ。


 突破するのは隷獣・外法蛇亀の右脇を抜けるコースになる。

 常に左側に隷獣・外法蛇亀を見るように廻って貰う訳ですが。


 あの隷獣・外法蛇亀の頭部の上にいた魔人。

 狙えないか?

 まあそれは優先順位は低い訳ですがね。



 飽くまでも最優先で狙うべきは魔人。

 そして足の速い魔物であり、魔人の乗馬となっているスヴァジルファリ・スレイブ。

 後はガルムを減らしておけば、残る魔物は?

 トライホーンリザード、オブシディアンビーストになる。

 そうなれば機動力で上回る事が出来るだろう。

 隷獣・外法蛇亀は論外なのであった。


 まあそれも魔物の群れに追加がなければ、の前提なんだけどね。

 ここまで、追加されているような様子はない。



 魔物の群れの様子は?

 オレに襲われたのに、移動を止めようとはしていない。

 そして歩みが遅いが故に、距離も稼げていないようだ。

 いいのかね?

 まあ襲う側から見たら都合はいいんですが。


 2人が相談しながら布陣を変更している合間にオレはヴォルフとヘリックスに肉を与えていた。

 闘牛肉だ。

 しかもとっておきのサーロイン。

 成果を考慮したら惜しくなどない。

 闘牛ならばまた狩りに行っていいのだ。




 おっと、いかんな。

 オレも準備を進めておかないといけない。


 今度はオレが森の中で罠を仕掛ける役割だ。

 召喚モンスターもそれを前提とした布陣に変更する。

 戦鬼、クーチュリエ、ストランド、モジュラス、清姫にした。

 罠を仕掛け、奇襲を行い、毒を与える。

 ダメージ源は戦鬼だ。

 他4匹は全部、毒がある。

 モジュラスが作り上げるクモの巣の罠がかなり有用だ。

 実績は十分にある。

 動きを封じた魔物相手に毒を与えて放置しても十分なのである。


 想定以上の魔物の群れを相手にする事も考えておくべきだろう。

 長期戦になれば毒攻撃の持つ意味は地味に大きなものになる筈だ。


 そしてオレはどうする?

 これも基本は魔人狩りのパターンと変わらない。

 投槍、ククリ刀で先制して奇襲も仕掛ける。

 そうだな。

 黒縄も使おう。

 今回、金剛戟は留守番でいいか。



 アデルとイリーナも布陣変更を完了している。


 アデルは?

 ホワイトホース、ファイティングファルコン、スライム、ローレライ、オルトロスだ。


 イリーナはどうだ?

 バトルホーク、バトルホース、ブルーゼラチン、メロウ、ウェアウルフとなっている。


 うむ。

 十分ですよ!

 呪文で強化する2人。

 グラビティ・メイルの呪文まで使えば、オルトロスもウェアウルフもかなりの戦力アップだ。

 頼むぞ。

 君達2匹が尖兵となり、同時に2人を守るのだ!


 無事に戻ってきたらお肉をあげよう。

 オレの奢りでいい。





 森の中で2人が戻ってくるのを待つ。

 先刻まで記録してあった動画は外部リンク先に放り込んだ。

 今度は魔物の群れ全体の動きを記録する。

 無論、オレの目の高さで見渡すのは難しい。

 木に登って視界を確保する。

 アデルとイリーナが魔物の群れに向かい突入しようとしている。

 隷獣・外法蛇亀の向こう側を周回してこっちに戻るまで、3分とないだろう。



 モジュラスは?

 あちこちに罠を仕掛けるのに忙しそうだ。

 いや、そこまで多くなくていいから!

 アデルとイリーナが出発する前から仕掛け続けているんだが。

 そろそろ、魔物の襲来に備えて欲しい。

 ようやく作業を終えたモジュラスはオレがいる樹木を楽々と登ってくる。

 実に身軽だな。


 清姫はどうした?

 枝から枝へと伝うように移動していた。

 空を飛んでいるかのようにも見える。

 器用なものだな!

 下半身が大蛇であり、結構重いと思われるのだが。

 どこで襲うのか、吟味しているのかも?

 そう思うと頼もしいやら怖いやら。


 同じヘビでもストランドはおとなしく後方で待機だ。

 木陰で休んでいる?

 寝ている訳ではなさそうだが、寝るなよ?


 戦鬼もストランドの傍で待機だ。

 罠に引っ掛からなかった魔物の迎撃と殲滅の主力はオレと戦鬼になる。

 休めるのは今のうちだ。


 そして。

 クーチュリエはオレの頭上でホバリング中です。

 その役割は戦鬼と同様に罠から逃れた魔物への対応なのだが。

 特にアデルとイリーナを支援する事を主にさせておきたい。

 こいつは森の中でも機動力の高さが損なわれない。

 その意味ではフクロウ系の召喚モンスターにすら勝る。



 それでは皆の衆。

 準備はいいかな?

 アデルとイリーナが魔物の一群を引き連れてこっちに向かってくる。

 おお!

 全体攻撃呪文を派手に撃ち込んでいるようだ。

 微かに歌声も聞こえてくるようになった。


 そろそろだ。

 罠を作動させるのもモジュラスに任せてある。

 オレ達がいる一帯以外にも罠はあった。

 そっちは単純なものだ。

 森に突っ込んできたら無差別に罠として機能する。

 だがこの一帯に仕掛けた罠は違う。

 任意で作動させるタイプである。

 アデルとイリーナは無事に通過させないといけないからな。


 おっと。

 テレパスの呪文も使う。

 少し逃げる場所がズレてるぞ?





「よし!そのまま森の中へ!」


『は、はい!』


『もうちょっとよ!アデルちゃん!』


 ふむ。

 まだ心理的に余裕あるじゃないの。

 そこだけは心配だったんだが。

 もう2回か3回、経験したら更に図太くなれるかな?

 失敗経験でなく、成功体験であればだが。

 それだっていい事ばかりではないけどね。


 森の中に2人が駆る2頭の馬が飛び込んでくる。

 後続の魔物の群れは?

 追いかけて来る。

 ガルムの数は意外に多いようだ。

 スヴァジルファリ・スレイブは9頭、そして騎乗する魔人も9名。

 全部片付けたいですな。

 特に呪禁道師が3名、混じっている。

 これは全部仕留めておきたい。


 オレの足元をアデルとイリーナが通過したのと同時に周囲に仕掛けた罠が作動する。

 最初の狙いは?

 イリーナの背後に迫っていた奴だ。

 そいつだけは罠に掛けるタイミングを逸している。

 枝に突き刺してあったククリ刀を連続で投げ付けた。

 続けて投槍も。

 そしてオレ自身も、樹上からスヴァジルファリ・スレイブ目掛けて飛び降りた。



 その魔人はインサニティバードのようだ。

 しかもレベル7とやや高いか?

 構わん。

 やる事は同じだ。

 首に黒縄を回し掛けると馬上から飛び降りた。

 縄に首を掛けられている魔人も馬上から転げ落ちる。

 縄からは結構大きな炎が吹き上がっていた。

 もしかして、何か歌ってたかな?

 残念。

 もう歌う機会はないだろう。


 スヴァジルファリ・スレイブは?

 足元を糸で絡めとられてしまい、派手に転がっていた。

 早速、ストランドが襲っている。

 抜け目がない。


 ここだけではない。

 各所でスヴァジルファリ・スレイブと魔人が糸に絡め取られているようなのだ。

 ついでにガルムもいる。

 これは、美味しい。

 罠を潜り抜けたスヴァジルファリ・スレイブはいるか?

 いないか。

 それはそれで残念。

 思った以上に苦戦になりそうにないか。


 インサニティバードの頭をあり得ない角度に曲げて止めを刺す。

 次だ。

 まともに動いている奴がまだいる。

 ガルムである。

 そのガルムもここまで追いかけている間に呪歌でダメージを喰らっているようだ。

 これも美味しい。

 拳をややカウンター気味に当てるだけで簡単に沈む。

 確かに呪文で強化してあるとはいえ、そんなに簡単に沈むな!

 オレが物足りないだろうが!


 周囲を見回す。

 しまった。

 ここは森の中なのだ。

 視界の確保は難しい。

 ま、当たり前だよな?





 森の中を獲物を求めて駆け回っていた。

 無論、倒すべき魔物も魔人もいる。

 罠に嵌った連中はどれも毒の状態異常に陥っているのだ。

 これは放置でいい。

 いや、後で止めを刺すんですけどね。


 それよりも動いている魔物がまだいる筈だ。

 いてくれ。

 お願いだから、動く獲物に、いて欲しい。


 思った以上に上手く進行し過ぎたようだ。

 戦果は申し分ない。

 でもね。

 暴れ足りなかった、というのも事実だ。

 身動きのとれないスヴァジルファリ・スレイブ相手に一方的に攻撃するのは確かに素敵だ。

 タフなのもいい。

 もっと多くの魔物が来てもいいんですよ?






《只今の戦闘勝利で【登攀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ストランド』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 毒を与えたら十分だったんですがね。

 魔人を2名、巻き付いて仕留めたのは、知ってる。

 何しろオレの目の前だったからな。

 ちょっとだけ、悔しい。


 ストランドのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値です。

 もう1ポイント分のステータスアップは筋力値を指定しておく。



 ストランド 水蛟Lv2→Lv3(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 18(↑1)

 知力値 10

 筋力値 18(↑1)

 生命力 26

 精神力 10


 スキル

 噛付き 巻付 回避 水棲 熱感知 気配遮断

 猛毒 水属性



 そして今回もインフォには続きがある。

 こいつだった。



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『清姫』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 やっぱり毒を与えたら十分だったんですがね。

 スヴァジルファリ・スレイブを2頭、巻き付いて仕留めたのは、知ってる。

 これもオレの目の前だったからな。

 これはかなり悔しかった。


 清姫のステータス値で既に上昇しているのは筋力値です。

 いきなりどこが上がっているのか。

 まあいいけど。

 もう1ポイント分のステータスアップは敏捷値を指定しておく。



 清姫 ラミアLv1→Lv2(↑1)

 器用値 12

 敏捷値 26(↑1)

 知力値 28

 筋力値 19(↑1)

 生命力 24

 精神力 28


 スキル

 噛付き 巻付 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断

 魔法抵抗[中] MP吸収[小] 吸血 時空属性 光属性

 闇属性 火属性 土属性 毒 魅了



 アデルもイリーナも、無事だ。

 疲弊しているように見えるが気のせいだ。

 HPバーは9割程、残っている。

 MPバーだって5割近くある。

 気のせいだ。

 きっとそうに違いない。



『し、死ぬかと思った』


『どうやって生き残ったんだっけ?』


 そんな声を聞きながらガルムの死体に次々と剥ぎ取りナイフを突き立てていく。

 まずは第一歩、だな。

 感覚を麻痺させるにはあと2回か3回、必要かな?




 だが。

 彼女達もまた戦果を確保して戻ってきているようです。

 それは嬉しい出来事であるに違いない。

 特にアデルのスライム、すーちゃんだ。

 レッドプリンにクラスチェンジしている。



「何でレッドプリン?」


『綺麗じゃないですか!』


 そこは否定しない。

 アデルは赤、イリーナは青か。

 で、オレは黄色な訳だが。

 突発的に行われたサモナー交流会で5色揃っていた光景が思い出される。

 余裕があったら5色揃えるのってあり?

 無論、ネタとしてだが。



 ないと思います。






《これまでの行動経験で【解体】がレベルアップしました!》



 おやあ?

 最近、その仕事振りが芳しくない【解体】がレベルアップしている。

 本当に、効いてる?

 仕事、してます?

 どうにも解せぬ。

 今だってオレの手元にガルムから剥いだ魔石は2個だけだ。


 で、最終結果は?

 オレが結局2個だけ。

 アデルは4個。

 イリーナは5個。



 運営、出て来い!





『かなり減ったねー』


『キースさん、これからどうします?』


「そうだなあ」


 疼く。

 魔物の群れを見ていると疼いてしまう。

 既に機動力のある魔物の数は少ない。

 コール・モンスターの範囲内で、ガルムはもう20頭といないだろう。

 スヴァジルファリ・スレイブは6頭だけ。

 魔人の数はコール・モンスターで確認できないが、亀の頭に乗っかっていた2名を含めたら8名かな?


 減った。

 かなり減った。


 襲いたい。

 襲ってみたい。


 ガルムとスヴァジルファリ・スレイブを全滅させたら?

 トライホーンリザードを護衛から引き剥がすか。

 その次はオブシディアンビーストだな?

 最終的にあの大物、隷獣・外法蛇亀になるだろう。


 だが。

 問題はある。

 あの呪文の無効化だ。

 頭の上にいた魔人か?

 そうかもしれない。

 そうじゃないのかもしれない。




 おお、そうだ。

 魔人に一矢、当てましたか?



「亀の頭に魔人はいたかな?」


『いた!』


『命中はしましたけど、余り効いてませんでしたね』


「ふむ。矢に掛かっていたエフェクトはそのままだった?」


『そのままだったと思います』


『動画もあるし確認出来ますよー』


 おお。

 それもそうだな。

 既に動画は外部リンク先で格納済みであるという。

 そうだな。

 後で見ておくか。



 魔物の軍勢を改めて見る。

 うん。

 何度見ても、そそられる。


『キースさん、ダメですよ?』


『自重しましょう!』


「いや、襲うつもりはないぞ?」


『いえ、今の視線は違っていたと思います』


『完全に狩る気でした!』



 チッ!

 舌打ちは心の中に留めておこう。

 さすがにこれ以上は止めておくか。

 ナイアスのMPバーに余裕があればやってるんだがなあ。

 アデルとイリーナ配下のローレライとメロウにもMPバーに余裕はない。

 ここまでにしておくべきなのだろう。






 時刻は午前11時20分。

 W6マップの森の中でインスタント・ポータルを展開。

 やや早いのだが、昼食にした。

 無論、魔人の襲来はあり得るので警戒はしている。

 だがその襲来は来ない。


 襲ってくれてもいいんだが。

 唐揚げを頬張りながらそう思う。

 オレの足元と背後にはアデルのオルトロス、イリーナのウェアウルフが控えていた。

 先刻、闘牛肉、しかも三角バラを与えてあげたんだが。


 なついちゃった。

 でもね。

 撫でるだけで翻意させてしまうマルグリッドさんやアデルと比較すると実に非効率だ。

 納得いかないな!



「今日は何時までかな?」


「すみません、午後2時が精一杯です」


「私も!」


「まあ気にするな」


 彼女達がいたら魔人相手の戦闘は実に楽が出来る。

 いなければいないで、手段はあるんだが。

 時間一杯、出来るだけ魔物の群れの戦力を削いでおくだけの事だ。

 やる事は変わらない。

 効率が違うだけだ。




 彼女達が戻るまでの間、動画を確認する。

 アデルとイリーナもまた隷獣・外法蛇亀の頭の上に魔人の姿を確認している。

 放たれた矢のエフェクトは?

 掻き消されているようには見えない。

 ダメージもちゃんと通っているようだ。


 その一方で全体攻撃呪文は隷獣・外法蛇亀の周囲では無効化されている。

 それは変わっていない。

 成程ね。

 十二神将由来の武器は有効のまま使えそうじゃないかな?

 または属性持ちの武器とか。

 獅子賢者のフルーレのように、麻痺や毒を与える武器も有効、と思える。


 まだまだ確認したい事はあるが、今日はここまでなんだよな。

 惜しい。

 オレだけで襲うにしても、戦力が足りそうにないのだ。

 やはり大規模戦になるか。


 そういえば明日、最も先行している隷獣・外法蛇亀とその軍勢相手に集団戦をやるんだったか?

 オレはどうしよう?

 参加してもいいが、参加者が多くなる程、実入りは少ないのが難点だ。

 まあ参加してみて隷獣・外法蛇亀の実力を把握しておくのもいい。

 



 アデルとイリーナが戻ってきたのは午前11時50分。

 それまでの間、魔人の襲来はなかった。

 かなり魔人も討ち減らしたからだろう。

 まあ後続のキムクイ・スレイブに付き従う魔人がまだいる筈だ。

 今はまだ遠くにいるから襲って来ないだけと思われる。


「では」


「魔人狩りの続き!」


「だな。少し魔物の群れに近寄っておこう。最初は移動で」


 では移動用の布陣に組み替えよう。

 狙うのは飽くまでも魔人。

 獲物はまだ多い筈だ、







 森の中を疾駆する間にも戦果はある。

 短い移動時間の中で、レッサーグリフォンの群れにツインホーンリザードを狩っている。

 その2戦でアデルが、そしてイリーナがレベルアップしてました。

 共に種族レベルが21に。

 職業レベルも7になった訳だ。

 召喚魔法もレベル21になっているようだし、彼女達の布陣もより拡充出来るだろう。

 本当は明日の大規模戦に向けてクラスチェンジなり、フューズ・モンスターズなりが間に合えばいいんだが。

 彼女達には時間が足りない。

 そこが残念ではある。


 最後尾のキムクイ・スレイブとその軍勢との距離は?

 いい感じだ。

 では、短くはあるが魔人狩りを楽しもう。

 そう。

 楽しまないと損だ。

 楽しめないと困る。


 だってこれ、ゲームなんだし。

 臨場感が半端なく高いだけだ。




 オレの布陣は?

 ジェリコ、戦鬼、雷文、モジュラス、言祝になってます。

 前衛重視で。

 つか戦力の底上げも兼ねてます。


 アデルは?

 ミスティックアイ、キメラ、アラクネ、インプ、ウルフです。

 うん。

 昨日も見たような布陣だがどこかが違う。

 気のせいじゃないだろう。


 そしてイリーナは?

 鵺、ピクシー、護法、ルームスパイダー、インプだ。

 昨日に見た布陣に近いが、やはり何かが違う。

 何だろう?

 そう、護法の双炎が加わっているのが明らかに違う。

 ところで昨日の布陣では何がいたんだっけ?

 思い出せない。

 まあ思い出せないって事は重要じゃないって事だ。

 問題ない。



 期待するのは?

 無論、イリーナのインプ、七星である。

 今日のうちにクラスチェンジは無理だろうな。

 だがいずれはクラスチェンジ出来るだろう。

 新たなアラクネが誕生するのはそう遠くない。

 間違いない。


 ところで。

 アデルの布陣の意図は明白だ。

 ウェアウルフ狙いだよな?

 聞かなくても分かります。








《只今の戦闘勝利で【ポールウェポン】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ジェリコ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 時刻は午後1時50分。

 レッサーグリフォン3頭と魔人3名のパターンはもはやシステマティックに狩ってしまう。

 スヴァジルファリ・スレイブ3頭と魔人3名、それにガルムの群れが加わるパターンは少々苦戦する。

 だがそれがいい。

 経験値的には望ましいのは間違いないのでした。



 ジェリコのステータス値で既に上昇しているのは筋力値です。

 もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しましょう。



 ジェリコ マッドゴーレムLv9→Lv10(↑1)

 器用値  6

 敏捷値 11(↑1)

 知力値  6

 筋力値 40(↑1)

 生命力 40

 精神力  6


 スキル

 打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[小] 受け

 液状化



 このまま地道に敏捷値を伸ばしてみたい。

 やはりゴーレムでも機動性は大事だと思うのです。

 折角の攻撃力に防御力も、魔物のいる場所に辿り着けないようでは意味がない。

 一時的に数字の並びが崩れるが敏捷値は伸ばしてみようかね?



 そして時間だ。

 アデルとイリーナは凄い勢いで召喚モンスターを帰還させていく。

 辞去する暇も惜しいようだが、それだけはキッチリとして、リターン・ホームで跳んで行く。

 明日は集団戦闘だ。

 彼女達には万全の態勢で臨んで欲しいものです。



 さて、と。

 魔人狩りの続きだな。


 コール・モンスターで魔物の群れの様子を見る。

 まだまだ、たっぷりといる。

 レッサーグリフォンとスヴァジルファリ・スレイブの数とほぼ同数の魔人がいると思わないといけない。

 かなり減ってはいる。

 それも間違いない。

 さあ、どこまで減らせるかな?

 昨日は遭遇戦のような形でかなりの数の魔物を狩った筈だが。

 減ってる?

 多分、減っている。

 未だに数える気分になれないけどな!


 オレだけであれ、全部狩れるかね?

 今日のうちに、というのは無理だな。

 明日までなら?

 明後日までだったら?


 どうなんでしょう?

 数も分からないのに計算など出来る筈もない。

 だがまあやってみるだけだ。



 そうそう、布陣はどうするか?

 現在、ジェリコ、戦鬼、雷文、モジュラス、言祝となっているんだが。

 布陣に清姫を戻すのもいいが、先刻の戦闘でMPバーを消耗している。

 マナポーションで回復させながら、というのもかなり効率が悪いだろう。


 このままでいけそう?

 レッサーグリフォン3頭と魔人3名のパターン。

 スヴァジルファリ・スレイブ3頭と魔人3名、それにガルムの群れが加わるパターン。

 前者はダメージをそこそこ喰らうだろうが狩れる自信がある。

 問題は後者だ。

 ガルムの群れがどれほどの数になるのか、読めない。

 どうする?

 布陣を変更する事で解決するようなものではない。

 言祝を交代させて戦力向上?

 それも面白くない。

 戦力の底上げもしたいのです。

 言祝のMPバーは十分に余裕がある。

 そして時空属性を持っているのだ。

 ディメンション・ミラーと同様の壁が使える。

 まあ保険程度ですがね。


 結論。

 やってみなければ、分からない。

 即ち、このままで試してみる事に。



 悩む事なんてなかった。

 これまで通りです。


 では、復唱しておくか。


 泣こかい、飛ぼかい。

 泣こよか、ひっ飛べ!


 オレ自身への戒めでもあった訳だ。

 反省。

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv30

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv16

ボーナスポイント残 9


セットスキル

剣Lv12 両手槍Lv12 馬上槍Lv11 棍棒Lv12 刀Lv13

刺突剣Lv10 捕縄術Lv11 投槍Lv7 ポールウェポンLv7(↑1)

杖Lv22 打撃Lv20 蹴りLv20 関節技Lv20 投げ技Lv20

回避Lv20 受けLv20

召喚魔法Lv30 時空魔法Lv18 封印術Lv12

光魔法Lv18 風魔法Lv18 土魔法Lv18 水魔法Lv18

火魔法Lv18 闇魔法Lv18 氷魔法Lv17 雷魔法Lv17

木魔法Lv17 塵魔法Lv17 溶魔法Lv17 灼魔法Lv17

錬金術Lv14 薬師Lv10 ガラス工Lv8 木工Lv12

連携Lv21 鑑定Lv21 識別Lv21 看破Lv7 耐寒Lv9

掴みLv18 馬術Lv19 精密操作Lv20 ロープワークLv11

跳躍Lv11 軽業Lv11 耐暑Lv12 登攀Lv11(↑1)平衡Lv11

二刀流Lv18 解体Lv18(↑1)水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv9

ダッシュLv10 耐久走Lv10 隠蔽Lv6 気配遮断Lv6

身体強化Lv19 精神強化Lv19 高速詠唱Lv20

魔法効果拡大Lv19 魔法範囲拡大Lv19

耐石化Lv6 耐睡眠Lv6 耐麻痺Lv6

耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv8

耐魅了Lv1 耐毒Lv3


召喚モンスター

ジェリコ マッドゴーレムLv9→Lv10(↑1)

 器用値  6

 敏捷値 11(↑1)

 知力値  6

 筋力値 40(↑1)

 生命力 40

 精神力  6

 スキル

 打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[小] 受け

 液状化


ストランド 水蛟Lv2→Lv3(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 18(↑1)

 知力値 10

 筋力値 18(↑1)

 生命力 26

 精神力 10

 スキル

 噛付き 巻付 回避 水棲 熱感知 気配遮断

 猛毒 水属性


清姫 ラミアLv1→Lv2(↑1)

 器用値 12

 敏捷値 26(↑1)

 知力値 28

 筋力値 19(↑1)

 生命力 24

 精神力 28

 スキル

 噛付き 巻付 匂い感知 熱感知 反響定位 気配遮断

 魔法抵抗[中] MP吸収[小] 吸血 時空属性 光属性

 闇属性 火属性 土属性 毒 魅了

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
最後の言葉は困難にぶち当たったら迷うより突っ込め!といういかにも薩摩な言葉ですね。 自重の言葉と無縁なサモナーさんはまさに薩摩の生き方を実践してると思いますw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ