292
増量ちう
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》
まあ技能も上がってくる訳ですが。
今の戦闘はこれまでにないパターンでした。
魔人が3名、というのは変わらない。
騎乗していたのがレッサーグリフォンでなかったのだ。
スヴァジルファリ・スレイブでした。
そして付き従うガルムも20頭ほど。
最初は驚きもしたのですが、奇襲は決行。
結果は?
無論、全滅させたのですがね。
モジュラス達の糸を用いて動きを封じるのにも限界はある。
ガルムの方が脅威になるかと思ったのですが、心配は無用であった。
マーメイド2匹による合唱。
そして清姫だ。
ガルムのうち、数頭が魅了の状態異常に陥ってしまい、戦闘から離脱していたり。
うち1頭は仲間を攻撃して壮絶な同士討ちを始めるような有様だった。
おい。
それってアリなの?
アリなんだろうな。
助かっているんだし、文句のつけようがない。
それにガルムはそんなにタフではないから、迎撃さえ間に合えばどうとでもなる。
問題があるとしたら金剛戟だ。
長柄であり、振り回すには不向きです。
どう対策したのか?
手放した。
そしてガルムの首を抱え込んで、捻る。
これがまた良く極まるのだ。
あっけないほどに。
戦闘終了後、イリーナが何故か呆れた顔をしていたようだが。
気にしない。
気にしないったらしない!
だが。
言祝はここで交代だな。
MPバーにはもう余裕がない。
回復させてもいいんだが、今の戦闘を考慮すると話は別だ。
ガルム犬の攻撃力に対抗できる壁役を増やそう。
言祝は帰還させてジェリコを召喚した。
そしてアデルとイリーナ配下の召喚モンスターにも変化が。
互いのマーメイドが同時にレベルアップしたそうだ。
しかもクラスチェンジ可能に。
こういう事もあるんだな。
2人は相談して選択したのは?
アデルのマーメイド、めーちゃんはローレライに。
イリーナのマーメイド、ティアはメロウになった。
外見はそう大きく変わらない。
おかしい。
ナイアスの時は色々と見えてない所が変わったんだが。
うん。
期待して損した?
敢えて言おう、期待してました!
時刻は?
午後6時10分だ。
既に3本目の白象の槍を仕上げてある。
夕食も携帯食で済ませた。
何気にこの携帯食、旨いんですよ。
おにぎり感覚ですな。
魔人の襲来を待つ間、護鬼を相手に対戦で時間を潰してたのですが。
木刀で戦うばかりではつまらん。
つまらんぞ!
理由は分かっている。
盾だ。
堅実だし、戦い方としては正しい。
全く正しいんだが、やはり同じパターンになり易い。
展開が読めてしまうのも良くないよね?
では、どうする?
武器なしで。
格闘戦で挑もう。
普段であれば戦鬼が相手なんだが、今日は護鬼で。
うむ。
中々の苦戦が予想出来る。
だがそれがいい。
「ところで時間はまだ大丈夫か?」
『午後7時30分って所ですね』
『むー、アラクネ見たいよー』
そうか。
やはり期待が大きいとそうなるよな。
でも過ぎた夜更かしは健康に毒だと思うぞ?
オレが言うのは憚られるけどさ。
《只今の戦闘勝利で【投槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》
時刻は午後7時10分だ。
オレのレベルアップはまあいい。
アデルの願いは通じたようだ。
ビッグスパイダーのもーちゃんがレベル8に。
即座にルームスパイダーへとクラスチェンジ。
ローレライが帰還されて、召喚されたのはサキュバスのいーちゃんだ。
迷う時間すら見せずにフューズ・モンスターズで新たなアラクネが出現していた。
何という早業!
そして出現したアラクネにコートを羽織らせるイリーナの手際も見事であった。
何という早業!
そのアラクネの名前はあーちゃんです。
その容姿は?
確認できるのはその顔付きだけだ。
黒髪でストレートのショートカット。
その印象はどこかの秘書のようで隙のない佇まいだ。
黒縁の三角眼鏡を掛けさせて高校教師でもいい。
知的に見える。
外見の印象だけで言えばマルグリッドさんやイリーナに通じるものがあるかな?
そう、外見だけならば、であるが。
「区切りがいいようであればもうログアウトしてもいいぞ?」
『そうですね』
『装備も揃えなくちゃ!』
昨日と同様、精算は明日にでも静かなる竹林でやる事にして、と。
アデルとイリーナが辞去して行く。
さて。
まだまだ時間はある。
夜になって魔人どころかキムクイ・スレイブの姿すら確認できないが。
狩りは続けよう。
布陣はどうするか?
護鬼、剛亀、モジュラス、清姫、ジェリコのまま、変更はしない。
このまま行こう。
オレがさっさと魔人を片付けたら済む話なのだ。
モジュラスと清姫がいるからレッサーグリフォン2頭と魔人1名の無力化は高確率で期待していい。
後はオレ次第だ。
そう。
レッサーグリフォン3頭に魔人3名であれば勝算は十二分にある。
失念していたのがスヴァジルファリ・スレイブ3頭に魔人3名のパターンだ。
それにガルムもいる。
その数、10数頭。
ガルムが余計だ。
ここは清姫にも期待であるが、呪文で仕掛けをしておくのもいいな。
それが、これだ。
「マグマ・フィールド!」
インスタント・ポータルをキャンセルした直後に呪文を仕掛ける。
ガルムがオレ達に攻撃するには、マグマ・フィールドが掛かっている地面を駆け続けないといけない。
そこが罠だ。
それに清姫の魅了も効いている。
今度は2頭、追従していた筈のスヴァジルファリ・スレイブの脚に噛み付いていた。
それなりに清姫のMPバーも減っているようだが気にならない。
清姫はスヴァジルファリ・スレイブの脚に巻き付いて動きを封じた上、血を吸っている。
ついでに毒を与えていた。
オレは何をしていたのか?
樹上から呪禁道師に槍を投げ、ククリ刀も投げ付けていた。
続けて樹上から飛び降りて金剛戟でスヴァジルファリ・スレイブの首に戟を食い込ませる。
そして、引く。
「殴突断!」
ポールウェポンの武技らしいんですけど。
使ってみた。
どうやら殴って突いて断つ。
そういう意味の三段攻撃であるらしい。
使えん!
運営、オレに謝罪しろ!
期待したオレに謝れ!
もっとまともな武技を要求する!
自前で振り回した方がマシだ。
かなり、マシだ。
何よりも感触が良くない。
気持ち悪いのだ。
気が付いたら金剛戟を放り出し、スヴァジルファリ・スレイブから転げ落ちた呪禁道師に裸絞めを掛けてました。
そして耳に独鈷杵を当てて刃を展開。
貫通。
さっさと片付けないと、ダメージ覚悟で突っ込んでくるガルムが来る!
スヴァジルファリ・スレイブを抑え込むのはジェリコと剛亀に任せてガルム相手に相対する。
そのガルム共だが、大半がダメージを喰らいながらも突っ込んでくる。
マグマ・フィールドは失敗か?
いや、そうでもなかったのですよ、これが。
独鈷杵にセットしてあったのは灼魔法。
その刃の一撃で仕留めきる事が出来るのだ。
1匹だけ二撃で仕留める例もあったが、ほぼ一撃なのは、地味にダメージが積み重なっていたからだろう。
問題は同時に襲ってくるガルムだが。
独鈷杵だけでなく、蹴りも使う。
頭突きも使った。
大人気だな、オレ!
だがそれはそれで好都合。
あっという間に討ち減らせたのは大きい。
こっちから駆け回る必要がないと思えば腹も立たない。
ま、ダメージは喰らっているんですけどね。
少しだけ、怒りを溜め込んで、と。
発散。
相手はスヴァジルファリ・スレイブだ。
モジュラスと清姫に動きを封じられた馬2頭は発散対象とさせて頂きました。
合掌。
戦い方に工夫が要るな。
レッサーグリフォンに騎乗して襲ってくるパターン。
そしてスヴァジルファリ・スレイブに騎乗して襲ってくるパターン。
どっちを重視すべきかは明白だ。
明らかに後者です。
では、どうする?
攻撃の手数が減る金剛戟は思い切って選択肢から外す事にした。
《アイテム・ボックス》に放り込んでおく。
その代わりに取り出したのは?
黒縄だ。
むしろ保険ですけどね。
ガルム相手に独鈷杵で、というのは理想だが、ここは格闘戦で凌ぐ事を優先しよう。
独鈷杵での攻防ではどうしても攻撃を喰らう機会が多い。
ここは森の中なのだ。
振り回すには都合が良くないのです。
独鈷杵で突く事は無論出来る。
だが、ダメージ関係なしで突っ込んで来るのが複数だと困る。
ここは呪文も組み合わせてどうにか凌ぎたいものだ。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『剛亀』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
マイペースで淡々と戦闘を繰り広げる剛亀なのだが。
その実、ガルム対策では最も活躍していたのが剛亀でした。
剛亀の特殊能力の特性を失念していたオレってバカだよな。
石礫を飛ばし、水の幕を展開するのです。
これに加えて蔦の壁をも作り上げるのだから。
特に水の幕は攻防一体。
オレは通り抜けてくるガルムを殴るだけで仕留めていたのだ。
そうそう、レベルアップしているんでした。
剛亀のステータス値で既に上昇しているのは精神力でした。
もう1ポイント分のステータスアップは筋力値を指定する。
剛亀 フォレストトータスLv2→Lv3(↑1)
器用値 4
敏捷値 10
知力値 20
筋力値 18(↑1)
生命力 30
精神力 24(↑1)
スキル
噛付き 堅守 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
土属性 水属性 木属性
まだ剛亀のMPバーは半分程、残っている。
ここは頼りにしたいが。
問題は攻撃を仕掛けるタイミングだ。
何しろ剛亀、足が遅い。
いや、敏捷値にはそれなりに力を入れて底上げしてはいるが、それでも遅い。
奇襲するポジションを確保するにしても、どうしても時間を掛けてしまう。
それはジェリコも同様なのだ。
やはり敏捷値は鍛えてあるのだが、その足は遅い。
いやはや、まだまだ、工夫する余地はありそうだ。
何事にも完璧、というのはあり得ないとはいえ、これは中々の難易度かな?
だが足の遅い彼らもまた長所を活かせたら実に頼りになる。
短所に目を向けてばかりではいけない。
基本に戻ろう。
長所を活かし、短所を衝かれないようにカバーする。
どこかで妥協するのであれば、オレ自身が短所を埋めるよう、フォローすべきであるのだろう。
おかしい。
なぜだろう、魔物の数が減っているように見えない。
だが戦闘そのものは絶好調なのだ。
その恐るべき矛盾。
ガルムの群れの数は、森の中である事に加えて夜であり、全容が見えなかった。
どうもその数が多いな、とは思ってたんですが。
マグマ・フィールドも継ぎ足すのが2回目ともなれば、その異常さには嫌でも気が付く。
もしかしてこいつ等、仲間を呼んでないか?
うん。
確かにガルムは犬の魔物だ。
犬らしく吠える事もある。
でもこれって本当に、仲間を呼んでるの?
怪しい。
実に、怪しい。
最初の頃にいた魔人とその騎馬であるスヴァジルファリ・スレイブは既に死体となって地面に転がっている。
いや、途中からスヴァジルファリ・スレイブに騎乗する魔人も追加になってる?
まあ来る者を拒む程、オレの度量は狭くはない。
ただ呪禁道師は最優先で沈めに行くだけだ。
次点でクラウン系にバード系です。
ジャグラー系とかパントマイマー系も強いのは分かるが。
それに加えてガルムが厄介だ。
攻撃力も高く、機動力もある魔物ではあるが、迎撃するのは楽ではある。
それでも積み重なるダメージは無視出来ないし、回復呪文も何度か使用するに至っていた。
リジェネレートも継ぎ足しする事、2度はあったか?
呪文の強化も効果が切れる前に継ぎ足し続けている訳だ。
おかしい。
実に、おかしい。
今度は目の前に岩で出来たかのような魔物が加わっている。
それは何か?
オブシディアンビーストだった。
その姿は以前に戦ったロックビーストに似ている。
だが似ているだけだ。
その威容は半端ない。
明らかに格上であるのでした。
ジェリコと剛亀が壁と化して迎撃する。
サイズで言えば圧倒的に襲ってくる魔物の方が上。
ジェリコの拳はハンマーのように魔物を叩く。
響いてくる音もまるで岩を叩いているかのような音だ。
その戦闘は工事現場の如き騒音を発している。
剛亀も大きな岩塊を頭上に生じさせて魔物にぶつけていた。
それに蔦の壁を形成して前衛で戦線を構築する。
それを交互に繰り返しながら、接近してくる魔物の脚に噛み付いて動きを止めていた。
戦況は?
数で押されている。
まさに数の暴力。
だが、ガルムの数は減り始めているように見える。
スヴァジルファリ・スレイブに騎乗する魔人も同様だった。
その代わりにレッサーグリフォンに騎乗する魔人が襲ってきて難儀したが。
今の布陣に空中位置の召喚モンスターはいない。
それ故の苦戦だ。
どうにかグラビティ・プリズンと攻撃呪文で辻褄を合わせたが。
おかしい理由が分かった気がする。
いつの間にか、キムクイ・スレイブが従えている魔物の群れの中に突っ込んでいたようだ。
夜の闇の中、ノクトビジョンで巨大な影が移動しているのが見える。
それは実にゆっくりと、オレ達から離れていくようであるのだが。
魔物の追加は?
減ってきている。
この長い戦闘も終わりが近いのだろう。
そう願いたい。
こうなると待ち遠しい。
インフォだ。
インフォはまだか?
並んで襲い掛かってくるオブシディアンビースト。
その後ろにいるのはトライホーンリザードだ。
まだ大物が来るのか?
だがこの魔物側の援軍は同士討ちを始めていた。
赤いマーカーに重なる小さなマーカー。
それは状態異常に陥っている事を示している。
魅了だ。
そう、清姫だ!
だが憂慮すべきなのはMPバーだろう。
ジェリコ、護鬼はまだいい。
剛亀、モジュラス、清姫のMPバーは半分もない。
なんとかマナポーションで賄うのだが、これだってクーリングタイムがあるのだ。
ジリジリと、消耗している。
まだか。
まだ、来るのか?
トライホーンリザードの前脚をピットフォールで嵌めて、喉を裂いて目を突く。
無論、独鈷杵でだ。
これでこのデカブツのトカゲは3匹目か?
魅了されているオブシディアンビーストの支援がなければオレだけで狩れるような魔物ではない。
サイズが違いすぎる!
そしてツインホーンリザードと同様、HPバーが徐々に回復までしてやがった!
どうにか清姫が毒を喰らわせているからまだ助かっているけどな!
一体、どれほどの時間が経過したのか?
キムクイ・スレイブと思わしき巨大な影は遠くに見えていた。
追加で襲ってくる魔物は?
いない。
いない筈だ。
ジェリコが殴っているオブシディアンビーストが最後?
本当に?
そのオブシディアンビーストはモジュラスの繰り出した糸で作られた罠に嵌っている。
思うように移動できない。
ジェリコが殴って終了になるかな?
だがこいつが最後ではなかったようだ。
オレの背中に痛みが走る。
背後から攻撃?
そこにいたのは、魔人だ。
ダーククラウン。
しかもレベルは10とお高め。
おい。
跳んで逃げるなコノヤロウ!
その魔人も予測できない要素がある。
罠だ。
モジュラスが作り上げたクモの巣に自ら突っ込んでしまっていたのでした。
罠に絡めとられたダーククラウンは身動きがとれなくなっていた。
その姿が消えて跳ぶ事もない。
よろしい。
ではどう料理しようか?
止めを刺す実感が、欲しい。
だからこそ、頭を抱え込んで、捻った。
これで終了。
終了、だよな?
そうであってくれ!
《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【受け】がレベルアップしました!》
《称号【格闘王】を得ました!》
《共通武技の闘気法を取得しました!》
《只今の戦闘勝利で【耐気絶】がレベルアップしました!》
格闘関連技能が一気にレベルアップしてしまいました。
そして何か奇妙なインフォもあったようですが。
考えたくない。
今は、考えたくない!
出来れば座り込んで休みたい。
いや、寝転がってそのまま寝てしまいたい。
そんな心境でした。
周囲の様相は?
そりゃあもうね。
酷い有様だ。
死屍累々。
そうとしか表現する他ありません。
だがここは急げ!
コール・モンスターを使って周囲を確認してみる。
魔物の動向は?
キムクイ・スレイブを中心に魔物が群れを成しているのが分かる。
目の前にはガルムの死体があって、その数は数え切れないのだが。
それでも断言する。
更に多くのガルムがキムクイ・スレイブの周囲を護衛しているのだろう。
そしてガルムよりも大幅に数が少ないが、オブシディアンビーストもいる。
トライホーンリザードは更に少ない。
そしてレッサーグリフォンもまだまだ多いようだ。
恐るべき事に3頭のスヴァジルファリ・スレイブがこっちに向かってきているのが判明した。
そしてトライホーンリザードも6匹、こっちに近寄ってきているようだ。
どうする?
魔物の死体からアイテムを剥いでいられる余裕はあるのか?
ない。
ある訳がない!
クソッ!
どうにか逃げないと!
呪文を選択して実行。
ジェリコと剛亀がいるのでは、まともな手段で逃げ切れない。
ああ、剥ぎたい。
アイテム、剥ぎたい。
でもここは安全を優先だ。
その決断は間違っていない、と断言出来るのだが。
惜しい、と思う気持ちもまた大きい。
「リターン・ホーム!」
視界が反転する。
次の瞬間、オレの目に飛び込んで来る風景は、静かなる竹林になっていた。
こういう時、どんな表情をしていたらいいのだろう?
戦果は、あった。
レベルアップもしているし、新たな称号も得た。
武技も追加されているのも承知している。
それでもオレの気分は沈鬱な状態から中々抜け出せないでいた。
敗北感に苛まれている。
あれだけの魔物の死体がありながら、魔石1つとして得ていないのだ。
せめて金鉱石1つでもあれば。
いや。
剥いだ事のない魔物もいたのだ。
何が剥げるのか、確認すら出来ていない。
そして失った装備もある。
独鈷杵だ。
戦闘中、いつしか砕け散ってました。
うん。
分かってはいる。
修復不可能な装備であるのだし、いずれは壊れて失われる装備なのだ。
予備はまだ1つ残っている。
それが壊れても三鈷杵があるのだし、摩尼宝剣だってあるのだ。
でもね。
失っているという事実は動かし難い。
そんな思いが頭から離れないのだ。
マナポーションの消費もそこそこあった。
ま、それは惜しくはない。
今はまだ余裕があるから、どこかで空瓶が増えた分、作成しておけばいい。
腰を上げよう。
やるべき事を進めておくのだ。
この思いをぶつける機会は、ある。
必ず晴らす。
この恨み、晴らさないまま、このまま落ち込んでいいのか?
いや。
魔物や魔人には理不尽であるだろうが、発散させて貰おう。
まさに理不尽。
だがこれまでもオレってば、理不尽な怒りを魔物に向けてこなかったかな?
うん。
反省すべきですな。
でもこれまでと同様に止めるつもりもないのでした。
時刻は?
午後9時40分だ。
おかしい。
時間の経過が、おかしい。
どう短く見積もっても、1時間30分は戦闘を継続していたのでは?
これは酷い。
剛亀、モジュラス、清姫のMPバーは枯渇寸前だ。
清姫はテロメアと同様に吸血する事で急速にMPバーの回復が出来る。
それでいてMPバーは枯渇寸前。
それほどの戦闘であったにも関わらず、まだ清姫はレベルアップしていない。
いや、あの長い戦闘に勝利して、レベルアップしたのはオレの技能だけか。
無残。
いやいや、もう少し経験値を稼げたらレベルアップするのかもしれない。
ちゃんと経験を積んでいる。
そう考える事にしよう。
特に護鬼はレベル11だ。
ヴォルフの例もあるし、レベル12で次のクラスチェンジが待っている事だろう。
前向きに考えましょう。
そうしましょう。
オレ自身のMPバーの消費もそれなりに激しいものだった。
残り3割もない。
だがエリアポータル内で生産活動をしている分には問題はないだろう。
今日の狩りはここまでにしよう。
無理をする必要はない。
では。
静かなる竹林の外れで腰を落ち着かせよう。
モジュラスと清姫の装備を呪布で修復させておく。
その上でジェリコ、剛亀、モジュラス、清姫は帰還させる。
護鬼は?
オレと対戦をしますよ?
当然だ。
新しく得た武技も試してみたかったりするしな。
文楽を召喚してテントの設営をさせておく。
それが終わったら古代石柱の発掘を頼むつもりだ。
残り3つの枠はどうする?
夜らしく、アンデッドを召喚しよう。
テロメア、奈落、それに雪輪だ。
これは対戦だ。
テロメア対奈落と雪輪のハンディキャップ・マッチです。
無論、テロメアの派手な特殊能力は封印で。
雪輪どころか奈落まで吹き飛びかねないし、当然だが。
オレは護鬼と対戦だな。
その前にオレと護鬼の装備も修復を先に済ませておこう。
対戦で装備を壊すようでは洒落にならん。
オレの得物は木刀で。
黒檀ではない。
既に作ってあった木刀のうち、最後に残っていた奴だ。
使い潰そう。
木刀だってなくなれば短縮再現で作るのもいいのだし。
では、やるか。
多少は発散出来たらいいのだが。
《只今の戦闘で召喚モンスター『雪輪』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ハンディキャップ・マッチはテロメアの全勝のままな訳ですが。
それでも敗戦を重ねた上でレベルアップだ。
まあもう慣れたし、驚きはないのですがね。
雪輪のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点は器用値を指定しておきましょう。
雪輪 ミストLv2→Lv3(↑1)
器用値 3(↑1)
敏捷値 4
知力値 19(↑1)
筋力値 1
生命力 3
精神力 18
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性
水属性
まだまだ。
続けますよ?
何しろ、護鬼に勝ち星を1つ先行されている。
納得いかない。
判定でも、納得できん!
《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》
うん?
わりかし早くレベルアップしたか?
無論、否はない。
ところで、闘気法はどんな感じなのか?
真練気法との差は?
比較は出来なかった。
何しろ、真練気法は選択できなくなっていたのです。
おい。
検証できない理由は明らかだ。
闘気法に上位置換されたのだろう。
武技の簡単な説明によると?
練気法の効果がより長く続く。
そして状態異常に対するレジスト判定が上がるらしい。
だが真闘気法、とはなっていない。
この辺、どういう扱いになっているんだか、良く分からないな!
まあいいんですけどね。
上位置換、というのは確かなようだし。
ステータス
器用値 20(+5)
敏捷値 20(+5)
知力値 32(+7)
筋力値 20(+5)
生命力 20(+5)
精神力 32(+7)
改めて思う。
闘気法だけでこれかよ!
係数的に言えば2割ちょいの底上げだろうか?
多分、そうなのだろう。
感覚的には真練気法と底上げ効果は同等のようだ。
だが対戦でこれを使ってしまってはオレに有利に過ぎる。
護鬼には出来るだけエンチャント系の呪文で強化しないと公平にならないな。
通常の狩りであれば気にする事はないんだが。
対戦では気を使わないとな。
実になる対戦でなければ意味がない。
単なる経験値稼ぎでは面白くもないのでした。
《只今の戦闘で召喚モンスター『雪輪』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ハンディキャップ・マッチはテロメアの全勝のまま。
もう慣れた。
雪輪のステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。
もう1点は器用値を指定しておきましょう。
雪輪 ミストLv3→Lv4(↑1)
器用値 4(↑1)
敏捷値 4
知力値 20(↑1)
筋力値 1
生命力 3
精神力 18
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性
水属性
未だに奈落と雪輪のペアに勝利がない。
それでもレッツ・チャレンジで。
雪輪のレベルアップで戦力差は縮まっている筈である。
その雪輪の攻撃は当然だが特殊能力に頼る形だ。
そしてアンデッドのテロメアのMPバーを吸収は出来ない。
呪布を使ってMPバーの回復をさせないといけないのだ。
これはこれで手間ではあるのだが、レベルアップと引き換えです。
十分に納得の上で妥協出来る。
問題ない。
続けるがいい。
テロメアにしてみたら、雪輪は戦い難い相手だ。
特殊能力を封じてだとどうしてもそうなる。
済まないな、テロメア。
ご褒美に何をあげたらいいのかね?
血、とか?
生肉ならあるんだが、血が滴るような代物ではない。
これまでも肉を前に興味を示す事はなかったように思う。
やはり生きている魔物を襲わせて血を吸うのが相応なのだろう。
オレの血とかどうだ?
却下で。
なんか怖いし。
却下で。
まさかオレの首筋から血を吸って貰う訳にもいかないしな。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
来た。
対戦で護鬼に負けた悔しさは当然ある訳だが。
その思いは胸の奥に仕舞いこんでおけ!
レベルアップ、それに恐らくはクラスチェンジが可能になる筈だ。
期待しよう。
護鬼のステータス値で既に上昇しているのは器用値だ。
もう1点のステータスアップは生命力を指定する。
揃っていた数字が崩れるが、気にするだけの余裕はない。
さあ、どうだ?
護鬼 羅刹Lv11→Lv12(↑1)
器用値 23(↑1)
敏捷値 18
知力値 18
筋力値 22
生命力 23(↑1)
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 小盾 受け 回避 隠蔽
闇属性
《召喚モンスター『護鬼』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》
《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》
するよ!
当然、クラスチェンジだ!
だがその前に融合識別も使っておこう。
念の為だ。
《融合対象となる召喚モンスターではありません》
確認終了。
羅刹の段階では融合対象はないようだ。
クラスチェンジ候補
夜叉
選択肢は一択。
夜叉だって?
師匠が従えていた召喚モンスターに夜叉がいた筈だが。
その姿はどうであったのか?
偉丈夫、という印象の強い大男だった筈だ。
いかん。
戦鬼みたいなサイズにはならないだろうが、今よりもより逞しくなる可能性がある。
装備を全て外し、腰布だけの姿になって貰う。
そしてクラスチェンジ操作を実行してみた。
さあ、どうなる?
護鬼 羅刹Lv12→夜叉Lv1(New!)
器用値 25(↑2)
敏捷値 21(↑3)
知力値 18
筋力値 23(↑1)
生命力 25(↑2)
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 [ ] 小盾 受け 回避 隠蔽
夜目(New!)気配遮断(New!)闇属性 [ ]
空きスキルが2つあるのか。
しかも選択式です。
ここはじっくり、と行きたい所だが、そう悩まずに済みました。
オレの趣味に合わせてしまえばいいのだ。
護鬼 羅刹Lv12→夜叉Lv1(New!)
器用値 25(↑2)
敏捷値 21(↑3)
知力値 18
筋力値 23(↑1)
生命力 25(↑2)
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀(New!)小盾 受け 回避 隠蔽
夜目(New!)気配遮断(New!)光属性(New!)闇属性
【夜叉】召喚モンスター 戦闘位置:地上
悪しき鬼神。攻撃手段は武装による。
体格は人間より大きく、前衛も後衛もこなす器用さがある。
人間が使う武器はどれも使いこなす事が可能。
《融合対象となる召喚モンスターではありません》
危なかった。
体格は一回り大きくなってるよ!
装備品を外しておいて良かった。
ギチギチになるか、悪くすると一瞬で破壊していたかもしれない。
夜叉となった護鬼の外観は?
師匠の夜叉と比べると、やや逞しさで劣るかも?
その分、体型はバランスがいいようにも見える。
鬼の時には目立っていた角ですが、羅刹を経て夜叉となったらまるで目立たない。
つか髪の毛もワイルドな感じに増量していて、存在すら分からないのだ。
だが。
口をキリリと結んで凛々しい顔付きだが、違和感が残っている。
牙だ。
僅かに露出している。
それでも鬼であった時よりも目立たなくなってるかな?
全体の印象としてはより人間に近くなった。
威圧感はその反対に増しているけどね。
少し心配が増えたな。
装備品だ。
武器はまあいいのだ。
刀は玻璃光刀を使わせるのもいいのだし、悩みはしないのだが。
防具は、困る。
どれもサイズが合わない。
革兜ですらそうなのだ。
サイズが合う革兜が静かなる竹林で調達出来るのか?
それが問題だ。
体格的に見ても、あの与作をやや上回るのである。
在庫にない可能性はあるだろう。
これは相談しておかないとな。
レイナが竹で作り上げた倉庫の前に行ってはみたが、いるのは見知らぬプレイヤーだった。
残念。
明日、直接相談してみよう。
時刻は午後11時10分だ。
文楽は古代石柱から珪化木を発掘し終えていた。
ここは区切るべきタイミングか?
いや、マナポーションの補充もしておこう。
今日はそこそこの量を使ってしまっていた。
全体としてはまだ余裕はある。
だが今日のうちにやれる事はやっておくべきなのだ。
文楽にはマナポーションの作成の手伝いをして貰いましょう。
護鬼は?
無論、帰還させます。
装備品は呪布で修復してから、《アイテム・ボックス》に放り込んでおいた。
そしてテイラーを召喚する。
勿論、対戦をさせる為だ。
テロメアと雪輪のペアと奈落とテイラーのペアで対戦だ。
いい感じで拮抗して欲しいものだ。
《これまでの行動経験で【薬師】がレベルアップしました!》
マナポーションは少し多目に作りました。
当然、空瓶が足りなくなる訳だが、そこはそれ。
原料は師匠の所で確保してあった。
空瓶は短縮再現で作り上げてしまえばいい。
今日のような事がいつあるとも限らないのだ。
多目にあっても罰は当たるまい。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『雪輪』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ペアによる対戦の調子は?
いい感じで拮抗しているようだ。
テロメアは特殊能力を封じてあってなお、恐るべき力量がある。
テイラーだってそう簡単な相手ではないのだが、着実にダメージを与えていた。
雪輪?
対戦を見ていても目立っていない。
でも経験はちゃんと積んでいるようではある。
雪輪のステータス値で既に上昇しているのは精神力です。
もう1点は知力値を指定しておきました。
雪輪 ミストLv4→Lv5(↑1)
器用値 4
敏捷値 4
知力値 21(↑1)
筋力値 1
生命力 3
精神力 19(↑1)
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性
水属性
時刻は午後11時40分。
そろそろログアウトしましょう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv30
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv16
ボーナスポイント残 9
セットスキル
剣Lv12 両手槍Lv12 馬上槍Lv10 棍棒Lv12 刀Lv13(↑1)
刺突剣Lv10 捕縄術Lv11 投槍Lv7(↑1)ポールウェポンLv6
杖Lv22 打撃Lv20(↑1)蹴りLv20(↑1)関節技Lv20(↑1)
投げ技Lv20(↑1)回避Lv20(↑1)受けLv20(↑1)
召喚魔法Lv30 時空魔法Lv18 封印術Lv12
光魔法Lv18 風魔法Lv18 土魔法Lv18 水魔法Lv18
火魔法Lv18 闇魔法Lv18 氷魔法Lv17 雷魔法Lv17
木魔法Lv17 塵魔法Lv17 溶魔法Lv17 灼魔法Lv17
錬金術Lv14 薬師Lv10(↑1)ガラス工Lv8 木工Lv12
連携Lv21 鑑定Lv21 識別Lv21 看破Lv7 耐寒Lv9
掴みLv17 馬術Lv18 精密操作Lv20 ロープワークLv11
跳躍Lv11 軽業Lv11 耐暑Lv12 登攀Lv10 平衡Lv11
二刀流Lv18 解体Lv17 水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv9
ダッシュLv10 耐久走Lv10 隠蔽Lv6(↑1)気配遮断Lv6(↑1)
身体強化Lv19 精神強化Lv19 高速詠唱Lv20(↑1)
魔法効果拡大Lv19 魔法範囲拡大Lv19
耐石化Lv6 耐睡眠Lv6 耐麻痺Lv6
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv8(↑1)
耐魅了Lv1 耐毒Lv3
装備
独鈷杵×1(↓1)三鈷杵×2 摩尼宝剣×2 玻璃光刀×2
虚空蔵槍×2
呵責の杖×2 珪化木の杖+×2 呵責のトンファー×2
呵責の捕物棒×1 ダツ顎の槍+×1 旗魚の槍+×2
白象の長槍+×1 白象の投槍×2 白象の槍×1(New!)
鍛鉄の騎士槍×1 獅子賢者の騎士槍+×2 太刀魚の刀×1
雪獣のメイス×1 獅子賢者のフルーレ+×2
獅子賢者のククリ刀+×2 ダツ顎の投槍×1
守護宝鎚×1 宿曜弓×1 金剛戟×1
怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+×1
斑雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×1
殺人蠍の隠し爪×1 雪豹のバグナグ×2
草原獅子のバグナグ×1 牛馬の革鎧+ほか
エインヘリャルの腕カバー×2 天斑馬のミサンガ×2
呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2
称号
老召喚術師の高弟 森守の紋章 中庸を知る者
海魔討伐者 鍾乳洞踏破の証 墓守の紋章
瑠璃光の守護者 呪文図書館 格闘王(New!)
ウェポンエキスパート バトルホリック
召喚モンスター
護鬼 羅刹Lv12→夜叉Lv1(New!)
器用値 25(↑2)
敏捷値 21(↑3)
知力値 18
筋力値 23(↑1)
生命力 25(↑2)
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀(New!)小盾 受け 回避 隠蔽
夜目(New!)気配遮断(New!)光属性(New!)闇属性
剛亀 フォレストトータスLv2→Lv3(↑1)
器用値 4
敏捷値 10
知力値 20
筋力値 18(↑1)
生命力 30
精神力 24(↑1)
スキル
噛付き 堅守 魔法抵抗[小] MP回復増加[小]
土属性 水属性 木属性
雪輪 ミストLv4→Lv5(↑1)
器用値 4
敏捷値 4
知力値 21(↑1)
筋力値 1
生命力 3
精神力 19(↑1)
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性
水属性




