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ログインしました。
静かなる竹林という名のエリアポータルで間違っていない。
それなのにこの活況は騒がしき竹林とすべきだろう。
一体何?
まあプレイヤーが集結しつつある、というのは分かるのですがね。
「あ、キースさん!お早うございます!」
「朝食はもう出来てます」
アデルとイリーナが何やら焼いているのですがね。
筍、だよな?
焼き筍か。
まだ若いうちじゃないとエグみがあると思うのだが。
いい匂いさせてやがる。
味噌が無いのは惜しいけどな。
「この騒ぎは?」
「イベントに向けての仮拠点ですから!」
「私達もつい先刻、風霊の村からここに跳んで来たんです」
「ほう」
聞けばリターン・ホームを活かして戦力が次々と送り込まれているそうだ。
恐ろしい勢いだな!
こんなに集まっているのかよ!
食事はアデルとイリーナだけでなく、レイナと不動、それにミオも一緒に摂る事になった。
会食だな。
同時に状況も色々と聞けました。
その感想は?
イベント参加のプレイヤーってどんだけ多いのよ?
それに物流網の構築が早い。
早すぎる!
ここのエリアポータルも仮ではあるものの、当座の補給体制は磐石に近い。
今もユニオンを組んだプレイヤー達が進発しているようだが。
注目なのは全員が騎乗している2つのパーティかな?
その全てが2人乗りのようだし、4つのパーティのユニオンって事になるんだろうか?
「攻略組を含めて数パーティでユニオン組んで探索推奨なのよね!」
「サモナーも来ているのかな?」
「春菜ちゃんと此花ちゃんはまだログインしてないかにゃ?」
「その筈。イベントは参加するって言ってたし、こっちにも来るんじゃない?」
「そうか」
オレはどうする?
昨日の続きだ。
昼間でも魔人狩りが効率化出来るか、検証はしておきたいものだが。
アデルとイリーナも加われば、成功率はより高く出来るだろう。
いや。
レッサーグリフォン3頭に魔人3名の編成相手にノーダメージで狩れる可能性すらある。
奇襲が成功したら、ではあるが。
「今日もW6方面に行くがどうする?」
「行く!」
「お邪魔でなければ」
行く気満々ですな。
レイナにはある相談をしておいた。
それは何かと言えば?
投げ槍の見本です。
【投槍】はまだ取得していない。
【ポールウェポン】もだ。
両方ともそれなりにボーナスポイントを消費するので躊躇してたりするんですが。
【投槍】は9です。
【ポールウェポン】は8だ。
現在、オレのボーナスポイントは24です。
2つとも取得は可能なのだが、どうしようか?
片方だけなら悩まなかったんだが。
生産職のプレイヤーズギルドからポーションにマナポーションの提供はあるそうです。
でも手持ちで既にあるので、別の物をお願いする事にしました。
貰えるそうですから貰っておけ!
【武器アイテム:投槍】ダツ顎の投槍 品質C+ レア度4
AP+24 M・AP+4 破壊力0+ 重量1+ 耐久値80 投擲可、射程50
貫通成功時継続ダメージ[微]
ダツの顎を穂先とした投槍。
先端に黒曜石を組み込み、投げ易さと攻撃力のバランスが取れている。
通常の槍のように使う事も出来るが壊れ易いので注意!
貫通力は高く、貫通すると追加ダメージを与える武器。
ダツ顎じゃないの!
これなら自分でも作れそう?
多分、作れる。
長さはオレの身長と同じ位か。
うむ。
オレのボーナスポイントは7に減っていた。
【投槍】と【ポールウェポン】が武器技能に加わっている。
後悔はしない。
いや、ダツ顎の投槍も金剛戟も使う事になるなら取得したっていいじゃない!
今までだってそうだったしな!
ダツ顎の在庫もあったんで適当に貰っておいた。
ついでに木材も貰っておく。
カヤ、カシ、黒檀もついでにせしめました。
【刀】はレベル12に達したし【大刀】も取得可能になると思うのだが。
黒檀は重たい。
木刀にして対戦で使えばいずれ【大刀】も取得可能になるかも?
そんな期待がある。
「じゃあ移動からだな」
「了解!」
「分かりました」
アデルもイリーナも追加で矢の補充をしてたようだが。
それ以上に食料を仕入れてました。
長期戦じゃないんですけど?
まあ任せていていいか。
オレの布陣は?
ヴォルフ、残月、ヘリックス、ナインテイル、極夜だ。
アデルはホワイトホース、ホワイトウルフ、ファイティングファルコン、フェアリー、オルトロス。
イリーナはバトルホーク、バトルホース、ブラックウルフ、ピクシー、フェアリー。
妖精が多いな!
まあたまには賑やかなのもいいさ。
平原はやや小雨模様か?
いい傾向じゃない。
エリアポータルの周囲にはプレイヤーの姿も見掛ける。
大抵は3パーティから4パーティのユニオンだろう。
ラクチャンゴは群れているにしても数頭って所であるが、中々苦戦しているようだ。
エリアポータルの近くで様子見って所だろう。
かなり派手に呪文を使ってもいるし、苦戦しても得る物は大きいと思うのだ。
アイラーヴァタ、マイナーグリフォンの群れ、レッサーグリフォンもいい相手だと思う。
経験値稼ぎ、という意味でだが。
まあこっちの狙いは魔人狩りだ。
あの大規模な魔物の群れもどこまで進んできているのか、確認もしておきたい。
向かう先は西だ。
アデルとイリーナには移動中に昨夜の魔人との戦闘の様子を知らせておいた。
かなり、呆れたような印象もあったが。
でも可能性があるなら確かめておきたいよね?
『確かに可能性はありますね』
『インスタント・ポータルそのものが罠になるのかにゃ?』
「ま、試してみるだけだな」
やってみなければ分からない。
夜間と昼間とでは行動パターンに変化があるのかも?
心配しているのはその点だけだ。
移動を兼ねた狩りは順調に続いた。
むしろ単調か?
だが大きな変化もある。
アデルのフェアリー、ふぇーちゃんはクラスチェンジしてピクシーに。
イリーナのフェアリー、シャーリーもクラスチェンジしてシルキーに。
戦力強化は順調に進んでいたようだな。
オレも戦力強化させておきたい召喚モンスターがいる。
そうだな。
待ち伏せも兼ねて鍛えておこうかね?
時刻は午前9時10分。
さすがに周囲にプレイヤーの姿はない。
広域マップではW6のエリアが迫っている。
塔のある場所は中継ポータルである可能性が高い。
どうする?
やはり使えるようにしておきたい所だよな?
S5マップの南端にも中継ポータルがあった。
S3W3マップに通じる境界2箇所にも巨岩があった。
「塔の周辺が中継ポータルである可能性もあるんだよな」
『使えるようにしておきますか?』
『ここにはスフィンクスもスピンクスもいないけど何かなー』
否定的意見が出るかと思ったんだが。
ま、そうだよな。
使えるようにしておくに越した事はないのだ。
インスタント・ポータルは信用出来ないのであるし。
最前線に近い分、ここは利便性が高いだろう。
「では、やるか」
『あ!呪文継ぎ足ししとかないと!』
『少し布陣を変えます。少々お待ちを』
イリーナはシルキーをキメラと交代するようだ。
そして呪文の強化を進めて行く。
オレもセンス・マジックを掛けて周囲の様子を警戒。
塔の入り口はどうか?
明らかに封印されているようだが。
門番らしき存在は見えない。
「アンロック!」
呪文は効いた、と思う。
効いた筈だ。
インフォが来るまで、少し時間が掛かっているようなのですが。
何でだろう?
《我等は封じられし名を刻む》
《されどその名は掠れて失われた》
《我等は滅びし民の歴史を語る》
《されど語る相手はいない》
《汝等もまた忘却の彼方へと流されるのみと知れ》
ちゃんとインフォがあるじゃないの。
だが。
変化は急激。
川の水位が、上がっている?
召喚モンスター達の緊張が急激に高まってくるのが分かる。
しまった。
水中対応の召喚モンスターがいない!
いや、水位は上がってはいるものの、塔の周囲を水没させるような勢いではない。
一体どういうつもりなのか?
『川に何か、いた!』
アデルの警告だ。
確かに、何かがいるように見えるが。
何だろう?
それは川から、オレ達のいる川べりに上陸してきました。
水蛟 Lv.8
イベントモンスター 魔物
討伐対象 アクティブ
??? ???
ローレライ Lv.9
イベントモンスター 魔物
討伐対象 アクティブ
??? ???
ケルピー・スレイブ Lv.2
イベントモンスター 精霊
討伐対象 アクティブ
??? ???
水蛟だと?
ストランドと同じか!
そうなるとこいつ、毒があるって事かな?
ヤバい。
数が、多い。
20匹以上いるよな?
まあこっちは3パーティ18名相当なんですけどね。
それにローレライ。
1匹だけだ。
でも歌は脅威だろう。
此花の配下として支援を受けていた時には頼もしい支援役であるのだが。
敵に回ると厄介極まりないと思われる。
そして美人。
それでいて剣呑な雰囲気がある。
扇情的でもあるが。
こんな状況でなければゆっくり鑑賞しておきたいんだが。
おっと。
スクショスクショ。
撮影しとこう。
最後にケルピー・スレイブ。
上半身は馬。
下半身は魚なのか?
だが水流の中に半ば隠れていて確定出来ない。
そう、こいつってば体の周囲に水流を纏うように近寄ってきている。
まるで渦潮そのものにも見える。
こいつは1匹だけだ。
何といってもこいつは精霊。
生半可な相手ではあるまい。
それに、だ。
水か。
水なのだ。
最初に選択する呪文は即決である。
レジスト・アクア。
同時にククリ刀を精霊に向けて投げる。
そして、突撃。
先手を打たれたら厄介そうだ。
『キースさん!土壁の後ろに退避できますよ!』
「そこから弓矢で支援を頼む!ローレライ優先で!」
『ラジャ!』
ダメージは?
当然だがある。
水蛟が前衛に出て壁のようになっているが、構わずに後衛を狙う。
歌はまだ続いている。
そして水が渦を巻いて周囲を覆っていた。
これがまた厄介だ。
水蛟にとって、これ以上ない舞台になっている。
渦の中から襲ってくるし、こっちの攻撃を受けても渦の中に逃げて行く。
どうも水の中で回復もしているようだし。
攻撃呪文も渦の中に半分も届いていない。
もうね。
召喚モンスターも苦戦中です。
極夜はストランドとチェンジ・モンスターで交代している。
どうにかダメージを与えている水蛟を渦の中に逃がさないよう奮戦中だ。
レベル的に格上なんですがね。
呪文の強化でどうにか拮抗している。
歌は?
別の歌声が響いている。
アデルとイリーナの配下のマーメイド達のデュオだ。
歌に歌で対抗か?
だが、MPバーを注ぎ込める余裕はこっち側の方に少ない。
多少無理をしてでも仕留めに行く。
何を?
無論、ケルピー・スレイブだ。
レジスト・アクアの恩恵はある。
あった筈だ。
それでも渦から繰り出される水柱の直撃は効いた。
どうにか武技を駆使してケルピー・スレイブを仕留めたのはいいが、オレも残月もHPバーは半減である。
「リジェネレート!」
回復手段は講じよう。
まだ水蛟は大部分が残っている。
召喚モンスター達が毒に陥る事も多い。
解毒にかける手間も要るが、今はローレライを優先だ。
先刻から意識が飛びそうになる事がある。
もうMPバーが半分もないのに歌うのを止めようとしない。
強制的に止めさせるしかない!
オレと残月の突撃に続いてヴォルフとヘリックスがローレライに襲い掛かる。
どうにか歌は止まった。
再度、突撃。
水の盾がオレの目の前に出現するが構っている暇はない。
ダメージ覚悟で突っ込む。
馬上槍の穂先はローレライの胸元を直撃。
HPバーが砕け散る。
だが。
そのローレライの最後の叫びは凄まじいものであった。
おい!
耳が痛いだけでは済まなかった。
全員にダメージが波及した?
最後の最後で何て奴だ!
水蛟の数は?
まだ10匹以上、いる。
だが地の利はもうない。
地の利を得ようと川に逃げ帰る奴はいないようだ。
それが助かっている。
でもね。
それを勘案しても厄介である事に変わりはない。
毒だ。
ただの毒じゃない!
猛毒なのだ。
2匹のピクシーは前衛で戦う召喚モンスターの回復に専念している。
それもなんとかHPバーを支えるのが精一杯だ。
解毒しておかないと、その回復効果も半減だ。
たまにオレの掛けるデトキシケーションの呪文が失敗するのも痛い。
だが続けるしかない。
こっちが既に優勢である事は間違いないのだ。
続けよう。
どうにか、勝った。
勝ったけどさ。
もうちょっとスマートに勝ちたかった。
前もって情報があれば。
そう思わずにいられません。
周囲には水蛟の死体が死屍累々。
でも中継ポータル解放時の番人はアイテムを残さないのが常だ。
死体が消えて行く。
そしてインフォだ。
《我等の名は忘却》
《或いは追憶》
《ここは記憶の涅槃》
《されど先へと進む者には約束された魂の揺り篭》
《先へ進むしかないと知れ》
《例え忘却されるのだとしても》
インフォの中身はまあいいとして。
勝ったって事はこれで確実だな。
良かった。
少しは余裕を持って回復を図る事が出来そうだ。
《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投擲】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐睡眠】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐毒】がレベルアップしました!》
『おお?レベルアップ?』
『私もだわ』
アデルとイリーナは目出度くレベルアップを果たしたようだ。
職業レベルは6になっていた。
恐らくだが種族と召喚魔法もレベル20になっているものと思われる。
『一旦、ログアウトしてきていいですか?』
「大丈夫だ」
『ログアウト前に新しい子、加えとかなきゃ!』
アデルはシースネーク、イリーナはビッグスパイダーを召喚してからログアウトして行く。
ではオレはどうする?
ストランドは帰還させて極夜を召喚しておいて、と。
対戦でもするか?
いや、まずは木刀を作っておこうかね?
【武器アイテム:刀】黒檀の木刀 品質C+ レア度4
AP+5 M・AP+3 破壊力2+ 重量3+ 耐久値120
黒檀製の木刀。練習用。
さすがに堅い材木だけの事はある。
やや時間は掛かったが、そこそこいい代物になっただろうか?
でも使い潰しますけどね。
慈悲はない。
片手に持って振ってみる。
さすがに重いな。
刀身そのものは通常の木刀よりもやや太めなのだ。
重たくしないと意味がないし。
両手で思いっきり素振りする分ならば申し分はないだろう。
それでも感覚的には重いけどね。
「木刀、それも黒い?」
「旅行土産で見たことあるよ!」
そうそう。
何故か観光地で売ってるんだよな、木刀。
「練習用だよ。それよりも出発の準備を進めておいてくれ」
「ラジャ!」
「塔の中はどうします?」
「ま、後回しだな」
興味は?
当然だが、ある。
何か称号を得られるような仕掛けがありそうな気もするのだ。
S5南端の中継ポータルと同様とも思われるが。
どっちにしてもここはW6を進んでいるであろう、魔物の群れを確認するのが優先だ。
先を進みましょう。
アデルとイリーナが布陣を確定するまで暫し待つ。
アデルはホワイトホース、ホワイトウルフ、ファイティングファルコン、金毛狐、オルトロス。
イリーナはバトルホーク、バトルホース、ブラックウルフ、オオフクロウ、ピクシー。
やや変更はあるものの、戦力は申し分ない。
時刻は午前9時50分か。
戦闘がなければ、W6のエリアポータルに到達出来る計算だが。
あそこは昨日時点で破壊済みだ。
無論、あの軍勢がどの地点にまで来ているのか、確認するのが先だろう。
インビジブル・ブラインドを使う。
レッサーグリフォンにツインホーンリザードの襲来はある程度回避しておきたい。
グレートモールだけは仕方ないが。
遭遇が少ない事を祈りたいですな。
やや移動速度は落とそう。
ヴォルフとナインテイルの警戒能力に期待したいのでした。
《これまでの行動経験で【光魔法】がレベルアップしました!》
《これまでの行動経験で【平衡】がレベルアップしました!》
まあレベルアップはいいんですがね。
例の魔物の軍勢が、いる。
行軍は停止中のようだ。
つかこいつ等、昨日から大して移動距離を稼げてないよ!
場所は?
広域マップで言えば、W5まで残月の速度で騎乗すれば30分って所だろう。
概ね、感覚的に言えば8マイル、或いは10キロメートルって所だろうか?
昨日、こいつ等に遭遇した地点ってどの辺りだったかな?
ざっくりとした感じだと、1日ちょっとで20マイルそこそこの移動距離ではなかろうか?
遅い!
まあ主力は亀だし、その歩みが遅いのは当然なのかもしれないが。
だが気になる点もある。
『主力がやや散開してません?』
『ちょっと離れてるよ!』
「だな」
そう。
キムクイ・スレイブを中心に5匹の隷獣・外法蛇亀が展開しているようだ。
やや小雨模様で視界に難があるが、隷獣・外法蛇亀は目立つ。
樹木の上に小山のように動く何かが見えていた。
恐らくだが、あのキムクイ・スレイブの後方にもいるだろう。
もう1匹のキムクイ・スレイブだ。
さあ、どうする?
『さすがに視界が悪いと【識別】が効かないですね』
今日は天気が良くない分、結構近くに寄れそうかな?
何とか従軍する魔物を【識別】したいものだが。
周囲に身を隠せる場所としては多少であるが森もある。
茂みだっていい。
しかし騎乗してたら隠れるのは難しいな。
布陣を変えるべきかな?
リスクが高いような気がします。
真正面から偵察行動ですか?
逃げ道を確保していないと、無理!
アクティブな魔物に捕捉されているとリターン・ホームだって使えないし。
リスクは少しでも減らしておきたい。
「記録は出来るか?」
『スクショだけですけど』
『うー、地上にいるのって何か丸っこい魔物みたいな気がするんだけどなー』
この距離じゃ無理か。
上空に旋回するレッサーグリフォンらしき姿が見えている。
あの数、集られたら終わりだろう。
「迂回しよう。一番端にいる集団に接近出来ないか、見てみよう」
『森を使って接近は出来そうですけど?』
「今は動いてないが、いずれこっちに来るだろうからな。側面か後方から接近したい」
『了解です』
では、移動だ。
インビジブル・ブラインドを継ぎ足して、北方向へ。
そう時間を掛けずに側面に回りこめると思う。
移動は慎重に、グレートモールの穴に嵌まらないよう、速度を落として進む。
ヴォルフとナインテイルが事前に危険を感知してくれている。
戦闘になってしまえば、あの魔物の群れが襲ってくる可能性があるのだ。
慎重にならざるを得ない。
魔物の群れは?
動く気配は今の所はない。
小さな山のようなものは3つ確認した。
隷獣・外法蛇亀だ。
途中で何度か【識別】が効いた。
どうにか、一番端になるであろう隷獣・外法蛇亀とそれに従う魔物の群れの北側に出る。
キムクイ・スレイブに従う群れに比べたらその群れの規模は小さい。
だが。
上空にはレッサーグリフォンが旋回しているのが見える。
あれは厄介だ。
魔人、特に呪禁道師がいると困る。
インスタント・ポータルを見つけ出して無効化するような奴等なのだ。
なんとかあれを引き離して全滅させたい。
いや、全滅は無理でも数を減らしておきたい所だ。
『どうします?』
「接近するには邪魔なのがいる」
『一気に駆け抜けて離脱!』
「あの数だしな。少し距離を置こう」
背後に小山のような外法蛇亀を見ながら距離をとる。
その姿が小さく、どうにか視認出来る所まで離れた。
どうするのかって?
試すのだ。
「インスタント・ポータルを使うぞ」
『あの手を使ってみるんですね』
「ま、実験だな。その前に攻撃力重視で布陣を変えよう」
『攻撃力、ですね?』
「相手はレッサーグリフォンだ。弓矢にも期待しているぞ?」
『まっかせて!』
では。
馬から下りると召喚モンスターの布陣を変更です。
オレはどうする?
想定される相手はレッサーグリフォンに魔人だ。
護鬼と文楽は外せない。
そして周囲は森だ。
森の中で迎撃、となればモジュラスに地の利があるだろう。
これも外せない。
前衛も要る。
空中位置の戦力も要るな。
ジェリコと黒曜でいいか。
その結果、黒曜、ジェリコ、護鬼、文楽、モジュラスとなりました。
オレも得物は厳選しよう。
メインは虚空蔵槍、ククリ刀も先制で使おう。
呪禁道師対策で念のため黒縄も用意する。
そうだな。
この迎撃が上手くいくようであれば【投槍】や【ポールウェポン】を鍛えてもいい。
アデルの布陣は?
金毛狐、ミスティックアイ、レッサーオーガ、オルトロス、キメラ。
確かに攻撃力重視だ。
それでいて機動力もありそうだ。
イリーナの布陣は?
クレイゴーレム、オオフクロウ、ピクシー、鵺、キメラ。
壁役がハッキリしていて分かり易いな。
攻撃力は申し分ない。
では。
インスタント・ポータルを展開。
待ってみましょう。
狙い通り、魔人がレッサーグリフォンに乗ってやって来るだろうか?
カモがネギしょって、ではないが、当方に迎撃の用意は出来ている。
細工は流々、後は仕上げを御覧じろって所かな?
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv29
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv15
ボーナスポイント残 7
セットスキル
剣Lv12 両手槍Lv12 馬上槍Lv10 棍棒Lv12 刀Lv12
刺突剣Lv10 捕縄術Lv10 投槍Lv1(New!)ポールウェポンLv1(New!)
杖Lv22 打撃Lv19 蹴りLv19
関節技Lv19 投げ技Lv19 回避Lv19 受けLv19
召喚魔法Lv29 時空魔法Lv17 封印術Lv11
光魔法Lv18(↑1)風魔法Lv18 土魔法Lv17 水魔法Lv17
火魔法Lv17 闇魔法Lv17 氷魔法Lv16 雷魔法Lv16
木魔法Lv17(↑1)塵魔法Lv16 溶魔法Lv16 灼魔法Lv17
錬金術Lv13 薬師Lv9 ガラス工Lv8 木工Lv11
連携Lv21 鑑定Lv21 識別Lv21 看破Lv7 耐寒Lv9
掴みLv17 馬術Lv18 精密操作Lv20 ロープワークLv10
跳躍Lv10 軽業Lv10 耐暑Lv12 登攀Lv9 平衡Lv11(↑1)
二刀流Lv18 解体Lv17 水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv7(↑1)
ダッシュLv10 耐久走Lv10 隠蔽Lv4 気配遮断Lv4
身体強化Lv18 精神強化Lv18 高速詠唱Lv19
魔法効果拡大Lv18 魔法範囲拡大Lv18
耐石化Lv6 耐睡眠Lv6(↑1)耐麻痺Lv6
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv7
耐魅了Lv1 耐毒Lv3(↑1)
装備
独鈷杵×2 三鈷杵×2 摩尼宝剣×2 玻璃光刀×2
虚空蔵槍×2
呵責の杖×2 珪化木の杖+×2 呵責のトンファー×2
呵責の捕物棒×1 ダツ顎の槍+×1 旗魚の槍+×2
鍛鉄の騎士槍×1 獅子賢者の騎士槍+×2 太刀魚の刀×1
雪獣のメイス×1 獅子賢者のフルーレ+×2
獅子賢者のククリ刀+×2 ダツ顎の投槍×1(New!)
守護宝鎚×1 宿曜弓×1 金剛戟×1
怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+×1
斑雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×1
殺人蠍の隠し爪×1 雪豹のバグナグ×2
草原獅子のバグナグ×1 牛馬の革鎧+ほか
エインヘリャルの腕カバー×2 天斑馬のミサンガ×2
呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2




