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その風景を見ても既に驚きはない。
まだ後続部隊がいたのか。
キムクイ・スレイブだ。
そして魔人と魔物の群れも従軍している。
だがここまでの経緯を考えたら主従は違うのかも知れない。
魔人がキムクイを支配し、隷属させている、と見るべきなのだろう。
魔力の高そうな魔人の存在がセンス・マジックで見えているし。
だからこそ、近寄れない。
まともに【識別】できるのはキムクイ・スレイブだけだ。
森の茂みの中から覗く程度であるが、今はこれで精一杯です。
《これまでの行動経験で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《これまでの行動経験で【気配遮断】がレベルアップしました!》
レベルアップもある。
これでより、接近しても大丈夫か?
いやいやいやいや。
まだレベル4ですよ?
通じるとは思えない。
つかこういった行動にはそれに向く職業が他にあると思うのです。
それに、だ。
もっと気を配らないと、な?
キムクイ・スレイブの足元だ。
周囲とは異なる、ある特徴がある。
岩で組まれた城壁かな?
そう。
ここはW6エリアのほぼ中心なのだ。
あいつ等、エリアポータルを占有しているのか?
広域マップで現在の位置を見てみる。
確認した。
やはり、あれがエリアポータルであると見るべきなのだろう。
『W6のエリアポータルなんでしょうか?』
「これじゃ近付くのは無理だな」
『それに時間!』
「おっと、そうだな」
時刻は午前11時40分。
昼食の時間が迫っている。
インスタント・ポータルを展開しましょう。
魔物の軍勢からは離れている。
【識別】は効かないが、魔物の軍勢の動向は見える。
ここで監視も兼ねて休憩だな。
【食料アイテム】双角蜥蜴の唐揚げ+ 満腹度+20% 品質C+ レア度3 重量0+
状態異常判定にプラスの効果[微]約5分間
双角蜥蜴の肉に軽く下味をつけて油で揚げたシンプルな料理。
うん?
なんか効果があるんですが。
「塩が違うんです!」
オレの疑問はそれで氷解した。
変性岩塩(聖)だな。
奢ったのはいいけど、インスタント・ポータルを出る前に効果が切れるんじゃね?
とか思っていたら、やたらと多く作っているようです。
夕食の分?
まあ双角蜥蜴の肉は重量もあるし、作り置きでもいいんですがね。
問題がある。
唐揚げに盛られている大皿にカットされたレモンが添えてある。
分け皿となるような小皿はまだテーブルの上にない。
これは。
使うべきか?
使うべきではないのか?
唐揚げにレモンか。
戦争の予感がする。
こんな罠を仕掛けたのはどっちだ?
アデルか?
イリーナか?
こんな所で究極の選択を迫られるとは!
つかさ。
唐揚げにはマヨネーズに七味もいいぞ?
燻製イカを炙った奴では定番だが、唐揚げにも合う。
だが。
今、目の前にある問題に戻ろう。
レモンだ。
使うべきか?
使うべきではないのか?
日常であれば、かける。
だが宴席でそれをやってしまい、喧嘩した事だってあるのだ。
ここは慎重になるしかない。
だが。
アデルが自然な手付きでレモンを手にとって唐揚げの上で絞ったのだ!
「えっ?」
「イリーナちゃん、食べよー!」
「じゃパンはこれね」
まさか。
イリーナもスルーである。
そんなバカな!
唐揚げにレモンをかけて、何も起きない、だと?
まあオレも掛けちゃう方だし、問題はないんだが。
食事は美味しかったです。
それにしても、だ。
紛争の危機は最初からなかったのであった。
緊張して身構えていたオレの立場は?
無意味だ。
そして無残である。
アデルとイリーナが召喚モンスターを帰還させてログアウトして行く。
普段であれば、待つ間に逢魔辺りを相手に対戦でもしたい所だが。
今日は違う。
魔人、そして魔物の軍勢がどう動くのか?
見ておきたい。
対戦は?
ヴォルフと逢魔でやらせておこう。
キムクイ・スレイブが動いている。
先刻まで、明らかに留まっていたんだが。
その歩みは正直言って遅い。
だがどうする?
アレ、どうやって止めるんだ?
脚1つだけをピットフォールで嵌めるにしても、果たして1回で足りるかどうか。
そもそも、そこまで近寄るのも至難な状況だし。
軍勢の情報も予測はあっても確認が取れていない。
アレ、どうでしょう?
「お待たせしました!」
先にアデルが戻ってきた。
早速、召喚モンスターを呼び始める。
その布陣は先刻までのものと同じであるようだ。
「すみません、遅くなりました」
続いてイリーナも到着である。
同様に召喚モンスターを呼び始めるのだが。
さて、どうするか?
エリアポータルらしき場所は大丈夫なのか?
調べに行く必要はあるだろう。
「例の魔物の群れは?」
「ゆっくりと移動しているな。方向は東だ」
「あの場所、行きます?」
「エリアポータルとして使えるかどうか、確認は要るだろうな」
「迂回?迂回だね!」
まあそれが妥当だろうな。
呪文の強化を次々と進めて行く。
ユニオンを組んで出発しようとしたその時。
何かが頭上を通過したようだ。
レッサーグリフォンか?
一応、木陰の多い場所であるし、見つかるとは思わなかったんだが。
それでも2頭目が頭上を通過すると、さすがに気になる。
いや。
3頭目が少し離れた場所に降り立つ。
その背中には当然のように魔人がいるのだが。
あれ?
いつの間にか、囲まれている?
このインスタント・ポータルにいるオレ達がまるで見えているかのようだ。
え?
待て待て待て待て。
完全に、捕捉されてる?
見えているかのよう、ではない。
見えているのか?
呪禁道師らしき魔人が何か杖のような物を抱えた。
それは跡形もなく崩れていく。
インサニティバード Lv.1
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
火吹き男 Lv.6
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
呪禁道師 Lv.3
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
レッサーグリフォン Lv.3
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:空中、地上 ???
ヤバい。
【識別】が効いている?
その意味は?
「戦闘だ!囲まれてるぞ!」
『え?』
『どうやって?』
アデルもイリーナも呪禁道師の動きは見ていなかったようだ。
そして恐るべき事態も発覚している。
呪文、それに武技で強化してあった効果が全て、掻き消されている?
いかん!
「人馬一体!」
武技を、使う。
そして呪文を選択して実行。
囲まれた時にすべき事は?
その包囲を崩す。
「右の奴、呪禁道師の方向!まず囲みを抜けろ!」
『はい!』
『呪禁道師ですね!』
召喚モンスター達の反応は?
オレ達が動くのと同時にすべき事を素早く行ってくれていた。
「ガァァァァァッ!」
ヴォルフが吠える。
空気が震えた。
呪禁道師の騎乗するレッサーグリフォンが一瞬、棒立ちになった。
後ろから何か歌が聞こえてくる。
インサニティバード、なんだろうな。
だがそこまで気を回す余裕がない。
呪禁道師を片付けたい。
呪文の強化なしで対抗するのは面倒だ。
『ダメ!』
『呪文が失敗?』
何だと?
だがもうオレは攻撃体勢に入っている。
狙いはレッサーグリフォンだ。
「ランス・チャージ・バースト!」
槍先はレッサーグリフォンの胴体を直撃した。
いかんな。
先に呪禁道師を狙ったんだが。
それが結果的には良かったのかも?
レッサーグリフォンは激しく暴れてしまい、呪禁道師は地面に転げ落ちる。
オルトロスとブラックウルフが殺到した。
レッサーグリフォンは逢魔とホワイトウルフに翼を噛み付かれて暴れているが。
任せておくか。
問題は呪禁道師だ。
まだ息がある。
残月を駆り、再度突撃を喰らわせる。
オルトロスとブラックウルフに手足を噛まれている呪禁道師にまともに直撃した。
獅子賢者の騎士槍の先端に呪禁道師の体が突き刺さったまま、地面に引き摺る形になってしまった。
無論、片手で持ち上がるような重量ではない。
どうにか引き剥がす。
そして、残月の蹄が呪禁道師を踏み付けた。
呪禁道師のHPバーが一気に砕け散る。
これで、どうだ?
「グラビティ・メイル!」
選択して実行してあった呪文を発動する。
だが、失敗。
何だ?
オレのマーカーに異常はないんだが。
呪禁道師が使ったアイテムの影響だろうか?
先刻からずっと、ヘザーやピクシーの攻撃が発動していない。
武技は使えるようだが。
オルトロスもブレスを使っている。
魔法に関わる技能が封じられているのか?
そう考えるのが妥当か。
「バードを狙え!」
『はい!』
『了解!』
迷う暇はない。
何も攻撃を受けているつもりはないのにオレのHPバーが減っている。
歌だろう。
毒ではないのは確認済みである。
現状では呪文が使えない。
早めにダメージ源となる魔人を沈めないと危うい。
火吹き男?
上空からブレスのように炎を吐くがスルーで。
多少喰らったが無視だ無視。
《アイテム・ボックス》へと騎士槍を放り込む。
手にする武器は?
ククリ刀だ。
残月を駆ってレッサーグリフォンに騎乗するインサニティバードに迫った。
投げるにしても距離を詰める必要がある。
無論、飛び立とうとする訳だが。
ヘリックス達がその機会を潰してくれた。
いいぞ!
後もう少し。
投げるなら、今!
インサニティバードの顔面にククリ刀は命中。
ゆっくりと、レッサーグリフォンの背中から落ちていく。
軽くなったからなのか、レッサーグリフォンがヘリックス達の攻撃を受けながらも宙に舞う。
ヘザーがようやく、雷撃を放った。
ピクシーも、そして金毛狐も光の玉を撃ち込んでいく。
おお?
呪文は使えるのかな?
まあそれはいいとして。
残った魔人は火吹き男だけだ。
ヴォルフ、逢魔を引き連れて火吹き男を乗せたレッサーグリフォンに迫る。
炎が、来る。
逢魔が一瞬、前に飛び出すと、炎を跳ね返す。
残念ながら炎はレッサーグリフォンの足元を掠めただけだ。
「グラビティ・プリズン!」
効いたか?
効いたな。
だがまだ宙に浮いているのはさすがです。
動きが一瞬、止まった所に矢が飛んでくる。
アデルか?
イリーナか?
どっちでもいいけど、ナイスアシスト。
オレの手には2本目のククリ刀。
距離を、詰める。
「ガァッ!」
今度はヴォルフだ。
短い威嚇。
それで十分。
一瞬、レッサーグリフォンの動きが止まる。
そこへ思い切り、ククリ刀を投げ付けた。
命中。
狙ったのはレッサーグリフォンだったんだが、火吹き男に命中です。
外れてる、とも言う。
「ストーム・ウェーブ!」
既に選択してあったんで使っておく。
火吹き男のHPバーはまだ残ってしまったが、矢が飛んできて止めを刺してくれたようだ。
これで残るのはレッサーグリフォンか。
ようやくだ。
まだ油断出来ないが、どうにかなりそう?
ダメージの回復が出来ていないし、呪文の強化が間に合っていないけどね。
実際、全部仕留めるのに手間取っちゃいました。
魔人という荷物がなくなったレッサーグリフォンの空中機動力は実に侮れないものだったのだ。
いや、本当に。
魔人はいたらいたで、いないならいないで、結構厄介です。
《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》
レベルアップはあったようだ。
無かったら泣きたくなるような戦闘だった。
どんだけダメージを喰らったんだよ!
オレ自身も含めて、召喚モンスター達の回復をするのにも結構時間が掛かりましたよ?
正直、割りに合わない。
『今の、何でしょう?』
「使い捨てアイテムの効果、と思うんだが」
『死ぬかと思った!』
「インスタント・ポータルを無効化するとはな」
『もしかして』
「だと思う」
今日の朝、インスタント・ポータルでログアウトしたのに、ログインしたら静かなる竹林だった事だ。
おそらく、関係しているのだと思う。
それに、だ。
呪文の効果が一気に掻き消されてしまった。
しかも暫くの間、呪文が使えなかったし。
武技までもが封じられていたら詰んでいただろう。
危なかった。
『でも宿曜弓は普段通りに使えていたみたいですが』
「本当か?」
『はい。セットしてあった魔法技能に対応するエフェクトはありましたし』
『あって良かった宿曜弓!』
そうか。
では他の十二神将由来の武器も同様かな?
これは収穫だろう。
3頭のレッサーグリフォンから剥げたのは金鉱石1個だ。
微妙?
これもまた割りに合わないと思うのでした。
移動を続けよう。
目的地は?
ゆっくりと移動しているキムクイ・スレイブの後方だ。
後続部隊がまだいるかもしれない。
それでもエリアポータルの確認はしておきたかった。
魔物の襲撃はある。
ツインホーンリザード、それにグレートモール。
たまに魔人抜きでレッサーグリフォン。
当然、手強い。
だが苦戦という感じはしない。
先刻の魔人の襲来に比べたら楽だ。
かなり、楽だ。
『この辺りですね』
『これ、本当にエリアポータルかな?』
「そうは見えないな」
そこは町であったのか、村であったのか。
完全に破壊され尽くした廃墟だ。
呪文の強化を確認。
センス・マジックを掛けて廃墟の中を進む。
騎乗したままの戦闘は?
どうにか出来そうだが。
異常はあるか?
あると言えばある。
例の人魂だ。
枯れ井戸の上に浮かんでいる。
だが。
近寄ってみてもイベントが進まない。
インフォはあったけどね。
《ここは破壊されし霊魂の依り代》
《再び復活する時を夢見るのみ》
これだけです。
これ以上は何も進まない。
「ダメかな、これは」
『インフォの意味は?』
『さっきの魔物に潰されて使えなくなった、という事なんでしょうね』
「だな」
つまり、今後予測される事態は?
このまま東へと進む事になる。
エリアポータルを破壊しながらだ。
「このまま進めば風霊の村、レギアスの村、レムトまでも潰されかねないって事だな」
『アレがですか!』
『師匠級じゃないと無理!』
「だがイベント、なんだよな」
運営の意図は?
分かる訳が無い。
だが、クリア出来ない課題を果たして用意するものだろうか?
『キースさん、どうします?』
「イリーナには連絡を頼めるか?」
『それはいいですけど』
「終わったら更なる後続部隊がいないか確認、それからあの魔物の群れをどう迎撃するか、だな」
『集団戦じゃないと厳しいですね』
「情報も足りないしな」
そう、周囲にいた魔物の群れの正体が分からない。
移動の様子から見て、地上位置の魔物という予測だけだ。
どれ程の戦力になるのか?
戦いを挑めば【識別】は出来るだろうが、死に戻りと引き換えだろう。
『フィーナさんから伝言がありますけど』
「うん?」
『無茶しやがって、だそうですが』
無茶?
まあそうかも?
つかこんな状況、予測なんてしてませんから!
『直接、テレパスで話しますか?』
「いいさ。魔物の群れに後続がいないか、確認だけして戻ると伝えておいてくれるか?」
『了解です』
では移動だ。
魔物の群れの最後尾を見て思う。
あれ、経験値に換算したらどれ程のものなんだろうか?
全部、狩れるとは限らないけどさ。
後続の魔物の姿は?
見当たらない。
いや、魔人を伴う魔物はいない、と言うべきだろうな。
相変わらず、ツインホーンリザードはいる。
これはインビジブル・ブラインドを使う事で、回避しながら進んだ。
レッサーグリフォンの襲撃も回避できる。
MPバーへの負担はそこそこあるが、ここは妥協しよう。
グレートモールだけは仕方が無い。
ヴォルフはこの魔物の襲撃をかなりの確率で事前に察知出来るようだ。
但し、移動速度を落とさないと、穴に嵌められてしまう。
その時間が惜しい。
もう嵌まる事は前提で、レジスト・アースも使う事にした。
ま、それも仕方ないよな?
《これまでの行動経験で【馬術】がレベルアップしました!》
移動する中で【馬術】もレベルアップしていたが、構っている暇は無い。
西へ向かう。
W6マップの西端へだ。
より正確に表現するならば、あの魔物の軍勢が行軍してきた跡を辿るだけだ。
《只今の戦闘勝利で【耐気絶】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『逢魔』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午後3時20分。
普段の移動スピードよりやや遅いのは穴に落ちたくないからだが。
まさか二段仕掛けに嵌まるとは思いませんでした。
2匹同時もアリとか酷いって!
勝ったからいいけどさ。
逢魔のステータス値で既に上昇しているのは精神力です。
もう1ポイントは筋力値にしておく。
逢魔 ウェアウルフLv2→Lv3(↑1)
器用値 15
敏捷値 31
知力値 25
筋力値 16(↑1)
生命力 18
精神力 16(↑1)
スキル
打撃 回避 噛付き 疾駆 威嚇 反響定位
追跡 自己回復[微] 魔法抵抗[中] MP回復増加[中]
変身 時空属性 光属性 闇属性 火属性
逢魔はこのままでいいのか?
MPバーが結構減っている。
例の呪布でMP回復をしてもいいんだが、ここは交代で。
逢魔を帰還させて極夜を召喚する。
魔物の移動の跡はまだハッキリと残っているようだ。
ヴォルフを見る。
地面の所々で魔物の匂いを確認しているようだ。
ホワイトウルフやブラックウルフも同様の行動を見せる。
オルトロス2匹もです。
まさに狼の群れだ。
天性のハンター、その小集団なのだ。
例え移動の足跡がなくても追跡出来ちゃいそうです。
『移動の跡はまだハッキリ残ってますね』
「出来るだけ追ってみよう」
『はいっ!』
「時間は大丈夫か?」
『もうちょっと頑張れます!』
『午後5時までならなんとか』
そうか。
では足跡を出来るだけ追ってみて、時間が来たら区切るのがいいだろう。
どうも後続の魔物の群れはいないように思えるし。
それにしても、だ。
アデルの様子に変化は無い。
あれだけの魔物の軍勢を前にしても驚きはしていたようだが、怖がってはいなかった。
イリーナはやや深刻に考え込んでいるように見える。
まあイベントなんだし。
楽しんじゃえばいいと思うよ?
広域マップで見ると、W7マップが迫っている。
地形にも変化があった。
山々が迫ってきている。
S4E1にも似ている。
そして川が谷を形成しているようだ。
谷に沿うように魔物の群れが移動してきた跡が続いている。
だが。
その足跡が唐突に、消えた。
ヴォルフ達も困惑する様子である。
匂いも消えてしまっているらしい。
どうなってる?
いや、ゲームなんだし、いきなり出現してもいいんですがね。
唐突に過ぎる。
後続の魔物の姿は無し、と。
確認出来ただけで良しとするか。
そしてW7との境界も確認できたようだ。
滝だ。
結構、規模が大きい。
『滝の裏側に洞窟があるみたいですね』
『お約束?』
どこの秘密基地?
隣のマップへと抜けるルートなのだろう。
まあ楽をしようと思えば、フライの呪文で飛んで行けばいいかもしれないが。
それ自体が罠って事もあり得る。
あのブロンズドラゴンのように。
『では、戻ります?』
「2人はリターン・ホームで何処に跳べるんだ?」
『私なら風霊の村です』
『水霊の島!』
「ではイリーナだな。頼めるか?」
『勿論です』
一時的にパーティを組む為に1匹を残して召喚モンスターを帰還させる。
オレはヴォルフを残した。
アデルはホワイトウルフ。
イリーナはブラックウルフ。
何で狼で揃った?
まあそれはいいか。
「リターン・ホーム!」
視界が一気に反転する。
いずれここにもまた来る事になるだろう。
それはイベントが終わった後になるのは間違いない。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv29
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv15
ボーナスポイント残 24
セットスキル
剣Lv12 両手槍Lv11 馬上槍Lv10 棍棒Lv12 刀Lv11
刺突剣Lv10 捕縄術Lv10 杖Lv22 打撃Lv19 蹴りLv19
関節技Lv19 投げ技Lv19 回避Lv19 受けLv19
召喚魔法Lv29 時空魔法Lv17 封印術Lv11
光魔法Lv17 風魔法Lv17 土魔法Lv17 水魔法Lv17
火魔法Lv17 闇魔法Lv17 氷魔法Lv16 雷魔法Lv16
木魔法Lv16 塵魔法Lv16 溶魔法Lv16 灼魔法Lv16
錬金術Lv13 薬師Lv9 ガラス工Lv8 木工Lv11
連携Lv21(↑1)鑑定Lv21 識別Lv21 看破Lv7 耐寒Lv9
掴みLv17 馬術Lv18(↑1)精密操作Lv20 ロープワークLv10
跳躍Lv10 軽業Lv10 耐暑Lv12 登攀Lv9 平衡Lv10
二刀流Lv18 解体Lv17 水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv6
ダッシュLv10 耐久走Lv10 隠蔽Lv4(↑1)気配遮断Lv4(↑1)
身体強化Lv18 精神強化Lv18 高速詠唱Lv19
魔法効果拡大Lv18 魔法範囲拡大Lv18
耐石化Lv6 耐睡眠Lv5 耐麻痺Lv6
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv7(↑1)
耐魅了Lv1 耐毒Lv2
召喚モンスター
逢魔 ウェアウルフLv2→Lv3(↑1)
器用値 15
敏捷値 31
知力値 25
筋力値 16(↑1)
生命力 18
精神力 16(↑1)
スキル
打撃 回避 噛付き 疾駆 威嚇 反響定位
追跡 自己回復[微] 魔法抵抗[中] MP回復増加[中]
変身 時空属性 光属性 闇属性 火属性
同行者
アデル&イリーナ




