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 時刻は午前6時20分。

 如意宝珠は魔石を生み出していなかった。

 水晶球はちゃんとセットしたよな?


 いや、どうもマズかったのはオレの方であるらしい。

 MPバーが全快になっていないのだ。

 成程。

 使用者が安息を得る間、か。

 全快になっていない、という所が引っ掛かるのだろうか?

 恐らくはそうだろう。

 オレ自身のMPバーが全快になる方が優先じゃないと困ります。

 全快になった後、余剰の魔力を水晶球に込めて魔石に変貌させる、という事かな?



 さて。

 問題が目の前にいます。

 レッサーバジリスクを従えたウアジェトの神徒がウロウロしているのが近くに見えている。

 恐ろしい光景だな!

 インスタント・ポータルの中とはいえ、緊張はどうしてもする。

 そうそう、今日はどうする?

 概ねこのマップの様相は分かってきた。

 先のマップとの境界に何があるのかまでは分からないが。

 そう、先に進むつもりであればこのマップに留まる意味もある。

 アイテムだって欲しいが、絶対に欲しいか、といえばそうでもない。

 解毒は呪文で出来る。

 蛇女神の杖は保険みたいな存在で構わないのだ。


 そうだな。

 S5マップに一旦戻って東か西に向かうのもいいな。

 おっと。

 その前に文楽を召喚して食事の用意をして貰おう。

 オレは?

 古代石柱の発掘でもしてよう。



 それにしても近くで眺めるレッサーバジリスクは迫力があるな!

 食事を摂っている間にいなくなったけど。

 そうだな。

 砂地を移動するのは効率が悪い。

 リターン・ホームでS5南端の中継ポータルまで跳ぼう。

 そして騎乗で移動するか。

 問題は?

 東に行くか、西に行くかだけだが。


 東のS5E1マップにしてみよう。

 S4E1マップのエリアポータルである十字谷に向かうのもいいと思うのだ。

 今ならばオレのPTだけで踏破するのも可能だろう。



 では。

 文楽は帰還させよう。

 ヴォルフ、残月、ヘリックス、リグ、ナイアスを召喚した。

 移動用布陣の定番ですな。

 インスタント・ポータルを出るとリターン・ホームを使う。

 さあ、移動だ!



 スフィンクスとスピンクスに挑みたくなる気持ちを抑えて中継ポータルを離れて北へ向かう。

 そして進路を北東に変更。

 当然、コール・モンスターで周囲を確認しながら進むのであるが。

 スフィンクスもスピンクスもいる。

 単独だし呼び寄せて狩ってもいいのだが、ここは移動を優先で。

 襲われたら?

 無論、迎撃するだけだ。

 たまにいました、襲ってくる奴が。

 優しく対応して差し上げましたけどね。

 それにしても変われば変わるものだ。

 最初にスピンクスやスフィンクスと戦った時とはまるで違ってしまっている。


 うん。

 襲ってきてもいいんですよ?

 受身ですけどそんな感じです。

 無差別に襲ってきてくれるキラースコルピオンにマミー、セルケトの従者と従卒が可愛い。

 残月で蹂躙出来るのは楽しいからだ。

 それにマミーはナイアスとの相性が実に良くない。

 いや、オレの立場からすると相性がいいんだが。

 呪歌で弱体化したマミーは実に脆かった。

 サンシティフィ・アンデッドに加えて馬上槍で突く。

 マミーはそこそこにタフな筈だが、実に脆くなる。

 余裕過ぎる!


 やはりダメだな。

 このマップで相手をするならやはりスフィンクスとスピンクスだ。

 物足りなくなってしまっている。



 早く隣のマップに行きたい。

 そうでなければ十字谷の魔物を相手にしてみたいかな?

 あまり同じ魔物ばかりを狩っていると悪い意味で慣れてしまう。

 いや、連戦してもいいのだが、明確な目的が伴っていないとね?

 一番いいのは物欲なのは間違いない。





《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘリックス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 適当に襲ってくる魔物を片付けていたらレベルアップしてました。

 なんとまあ。

 確かにS6マップにいる魔物に比べたらスフィンクスもスピンクスもそう劣る魔物ではない。

 大きいしタフでもある。

 恐るべき事に、それらを加味しても尚、S6マップの魔物よりも楽なのだ。

 状態異常って本当に厄介なんですな。

 ヘリックスも悠々と相手をしていられるのも恐ろしいですけどね。


 おっと、いけね。

 ヘリックスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。

 もう1点は器用値を指定する。



 ヘリックス ファイティングファルコンLv8→Lv9(↑1)

 器用値 15(↑1)

 敏捷値 31(↑1)

 知力値 23

 筋力値 15

 生命力 15

 精神力 15


 スキル

 嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動

 風属性 土属性



 ふむ、分かり易いステータスです。

 次はどうしよう?

 敏捷値特化でいいのかもしれない。

 知力値に振るのは少し抵抗があったりするが。

 これはこれで悩ましいな。

 まあレベル10になってから悩めばいいか。




 時刻は午前9時50分。

 広域マップでは既にS5E1になろうとしている。

 地形が徐々に乾燥した気候から普通の平原になろうとしているようだ。

 それでもまだ森は見当たらないが。


 コール・モンスターで見ても周囲に引っ掛かる魔物はいなくなってきている。

 さあ、ここからが本番か?

 何が出てくるか、知れたものではない。

 探索能力の高いパーティ編成なのだ。

 対応は出来る、と思いたい。


 何、いざともなれば逃げる選択肢だってある。

 残月への期待は大きいのです。





 レッサーグリフォン Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:空中、地上 ???



 グリフォントルーパー Lv.2

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 最初の獲物?

 いや、獲物に認定されていたのはオレ達の方か?

 3匹の魔物に騎乗する3名の使徒か。

 それぞれが持つ得物は2名が弓で1名はやたらと長い柄を持つ槍でした。



 苦戦する未来しか見えないんですが。

 空中から一方的にやられそうで困ります。




「人馬一体!」



 武技を追加して残月を駆る。

 オレの得物は獅子賢者の騎士槍だけだ。

 対空戦闘には役に立たない。

 そう。

 逆に言えば地面に縫い付けてしまえばこっちのものなのだが。

 レッサーグリフォンが並じゃない。

 大きさはスフィンクスやスピンクスよりも遥かに小さい。

 だがその機動性はまるで比較にならない程に高いのだ。

 マイナーグリフォン?

 比較になりませんな!


 そして厄介そうな奴等まで騎乗している。

 恐らくは金属製の防具でフル装備。

 表情は兜に遮られていて判別できない。

 弓持ちなどこっちに近寄ろうとすらしてこないで矢を放ってくる。

 実にイヤな連中だ。




「アシッド・シャワー!」


 後方からこっちを狙って来ていたのは承知だ。

 矢を喰らう覚悟で残月の馬首を反転させて、弓持ちの使徒を乗せたレッサーグリフォンを狙う。

 呪文は?

 片方には確実に直撃した自信がある。

 もう1頭は分からないな。


 1頭ずつ、潰す。

 出来る事はそれしかない。

 体勢を崩したレッサーグリフォンにヘリックスが襲い掛かる。

 風の刃がいくつも翼に撃ち込まれていた。

 そしてオレの後ろからは支援が。


 歌だ。

 ナイアスの声は優しげに響き渡る。

 上空を旋回してオレ達を襲おうとしていたレッサーグリフォンの赤いマーカーに異変が。

 そう思った次の瞬間。

 墜落した。

 そう、墜落したのだ。

 それでも尚、存命のようですけどね。

 赤いマーカーに重なる小さなマーカー。

 睡眠、らしい。

 戦場で眠りこけた?

 いや、ナイアスの歌の効果だ。


 地上を転がる弓持ちの使徒に突撃をして一気に胴体を貫いた。

 それでも弓を落とさずオレに撃ち込もうとするなんて。

 立派だ。

 だが止めは刺させて貰おう。

 馬上槍から使徒を振り落とすと地面を転がって行く。

 今度は残月の突進で蹄に踏み潰されてしまいました。

 ああ。

 こんな最後はイヤだな。

 オレはイヤです。

 せめて正々堂々と敗北したい。

 つか今まで2回ほどオレは死に戻っているが、どちらも碌な死に方じゃない気がします。

 そういう運命?



 眠っていたレッサーグリフォンも突撃を喰らってさすがに起きたようです。

 でも遅い。

 喉元をヴォルフに喰い破られて沈んでしまっていた。

 これで残り、2頭。

 そして使徒も2名だ。


 ナイアスの歌が止んでいた。

 いや、歌の曲調が変化している。

 勇ましく響く声。

 力が漲ってくるのが、分かる。



「グラビティ・プリズン!」


 槍で攻撃を加えようとしていた奴に喰らわせてやりました。

 そう。

 槍で攻撃するには、その間合いに入らなければいけない。

 カウンターがようやく決まった訳だ。



「エネミー・バーン!」


 ついでにレッサーグリフォンは翼も焼いておこう。

 ナイアスも歌いながら手に持つ槍をレッサーグリフォンの翼に突き入れている。

 使徒?

 ヴォルフのいい目標になってます。



 そんな合間にもオレ達に向けて矢が飛んでくる。

 無論、全てを避けている訳ではない。

 直撃はいくつもあるのだ。

 だが。

 こっちにはリグがいるのです。

 器用にオレやナイアス、残月の体表を移動して矢を受け止めています。

 なんという生体アーマー。

 逆の立場だったら?

 実にイヤな相手ですな。




「グラビティ・プリズン!」


 最後のレッサーグリフォンもヘリックスに気をとられすぎたようだ。

 オレ達に接近し過ぎていた。

 呪文の効果で地面に墜落すると、早速ヴォルフが襲っている。

 これこれ。

 オレの分を残しておいてね?



 グリフォントルーパーもレッサーグリフォンも地面に在ってはその脅威も半減だ。

 いや、半減以下だな。

 どうにか立ち上がって戦おうとする両者。

 でもいい的なんですけど。


 突撃2回でレッサーグリフォンは瀕死に陥ってしまい、ナイアスの槍で止めを刺されていた。

 グリフォントルーパーはヴォルフとヘリックスによって沈んだようです。

 終わってみたらこんなものか?

 いや、重要な用件が残っている。


 アイテム、どんなのが剥げるんですかね?



【素材アイテム】金鉱石 品質C- レア度6 重量5+

 金を一定以上の比率含有する鉱石。金以外にも貴金属を含む場合が殆ど。



 レッサーグリフォンからはこんな代物が。

 金貨や金塊のような形で貰えないのか?

 鉱石か。

 精錬工程を通さないと使えないぞ、という意味だよな?


 運営め。

 悪意を感じるぞ?


 いや、待て。

 溶魔法の呪文があるじゃないか!

 リファインだ。

 ここまで一度も使う機会のなかった呪文だが。

 そうだな。

 後で試してみよう。


 グリフォントルーパーは?

 3名とも死体が消えてしまっている。

 装備も一緒に消えるとは!

 砂漠方面で見た使徒共と同じです。

 ああ、そういえばこいつ等も使徒なんだよな?

 誰に仕えているんだか。

 明記されていない分、気になる。




 ウォーホース Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 デスナイト Lv.3

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 デスソルジャー Lv.5

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 デスソーサラー Lv.3

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???



 デスアーチャー Lv.1

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 ???




 なんか変な連中です。

 総勢6名。

 全員が渋く使い込まれた黒い装備で騎乗している。

 デスナイト、デスソーサラー、デスアーチャーが1名ずつにデスソルジャーが3名。

 どうも隊列を見るとデスナイトがリーダーかな?


 問題点は?

 こいつ等の手の内が読めない事だ。

 この編成であればある程度、予想は出来るが。

 あまりいい傾向ではない。

 こうして対峙すると分かる。

 まだ魔物の方がやり易い。

 例えそれがレッサーグリフォンであるのだとしても。




 やっぱり厄介だ。

 ああ、もう嫌!

 デスナイトとデスソルジャーは騎馬を寄せて迫ってくる。

 その得物は槍だったりポールウェポンだったりするんだが。

 それ以上に後方から呪文と矢を撃ち込んで来るデスソーサラー、デスアーチャーも厄介だ。

 意外に命中率が良かったりする。


 全く、面倒な連中だな!



「ピットフォール!」


 面倒な奴等をまとめて落とす算段だったが、デスアーチャーが回避しやがった!

 クソッ!

 ヴォルフとヘリックスに追撃させながらオレは次の呪文を放つ。



「マグマ・フィールド!」


 指定範囲は?

 ピットフォールの中ですけど?

 逃げ出せない上に溶岩で足元を焼かれ続ける訳だ。

 壁を登ってきたりしないだろうな?




 登ってくる奴はいなかったが、飛んで来る奴がいた。

 デスソーサラーだ。

 お前、飛べたの?

 いや、フライの呪文なんだろうな。

 杖をこっちに向けてくる。

 豪炎が放たれたが、残月の機動力は見事です。

 直撃は避けられた。

 それでも熱いし、ダメージはゼロではないが。



「五行封印!」


 呪文は効いたか?

 効いているようだ。

 だが空を飛ぶ事はまだ出来るようですけどね。



 ナイアスの水の針、いや水の矢が空中を奔る。

 しかも連続でだ。

 同時に水の盾が展開されて豪炎を防御してくれている。

 いいぞ。

 次の呪文を使う時間が稼げた。



「三元封印!」


 効いたのはすぐに分かった。

 墜落したのだ。

 しかもピットフォールで出来た穴の底に、だ。

 おっと。

 誰か穴から這い出そうとしてますよ?

 お戻りください。

 顔の中央に槍を突き込んでおきました。

 しかし、これは酷いな。

 穴の中で徐々にHPバーを減らしていく様子を見ていると、極悪な所業に思える。

 でも反省はしない。



「インスタント・シムーン!」


 穴の中が熱風で満たされて行く。

 おお。

 こうなるのか?

 使徒達の身悶える様子は更に酷くなったようだ。

 騎馬も同様である。

 うむ。

 酷いな。

 オレってば酷い!

 でも多少だが与えているダメージは増えているようだし、これでいいのだろう。

 この呪文の組み合わせは良さそうだ。

 ピットフォールは色々と便利なのだが、直接仕留めに行くには手間が要る。

 効率的な手段があるのなら使うべきだ。



 デスアーチャーは?

 健在でした。

 あれを健在と言えるかどうかは人によるだろう。

 落馬して地面に転がってしまっているようで、その喉元をヴォルフに噛まれている。

 そしてヘリックスが頭に止まって嘴を突き入れていた。

 目を、狙っている。

 HPバーこそ残っているが、既に気絶してしまっているようだ。

 騎乗していた馬の姿はない。

 ま、それはいいか。



 穴の底の様子はどうか?

 まだマーカーが残っているのはデスナイトと馬2頭だけか。

 ま、それは、いい。

 不満があるのだ。

 戦って勝った実感が薄いのだ。

 なんかこうもっと、爽快感のある勝ち方はないものだろうか?



《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》



 ふむ。

 まあまあだ。

 レベルアップがあっただけ、良しとするか。

 で、何か剥げるかな?



【素材アイテム】戦争馬のコードバン 原料 品質B- レア度5 重量5

 ウォーホースの尻部分の皮。非常になめらかでしっとりとした質感がある。

 鏡面のような光沢も特徴で、その美しさからも高値になり易い。

 残念ながら農耕馬のコードバンよりも品質・希少性ともに価値は低い。



 ウォーホースからこれが1つだけ剥げた。

 使徒共は何も残してくれない。

 舌打ちしたくなりますな!


 ところでこれ、コードバン、ですね。

 相手が違うけど、お久しぶりなアイテムだな、コードバン。

 うん?

 《アイテム・ボックス》の容量はどうなっているんだっけ?


 現在、種族レベルは28になっている。

 暴れ馬のベルトの効果でプラス1して29か。

 その2乗になるのだから。


 841って。

 それが2個ある訳だ。

 いつの間にか随分と運搬量が増えたものだな!

 古代石柱みたいな大物だってそう気にせずにストック出来そうな規模になってました。


 戦争馬のコードバンの重量は5ですか?

 もっと残してくれていいんですよ?








 レッサーオーガ Lv.8

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上



 おお!

 戦鬼みたい!


 いや、同じレッサーオーガだけどね。

 問題はそこじゃない。

 4頭、いるよな?

 他のマップでも遭遇している魔物だが、レベル高めで数も多い。

 さすがに難易度は高いようです。



 1頭だけなら良かったんですが。

 戦鬼とは普段から戦っていて慣れているし、格闘戦をして仕留める自信はあるのだ。

 こいつ等は何も装備していない。


 うん。

 普段であれば戦鬼相手に戦っている時、攻撃呪文を交えた戦闘はしていない。

 武器も基本、使っていないんだよな?


 1頭だけなら、相手をしてみたい所だが。

 ここは自重すべきだろう。

 つか、結構ピンチじゃね?



 問題は単純だ。

 レッサーオーガが単純に、強い。

 それに連携だ。

 4頭がそれぞれをカバーするように動く。

 例えば?

 ダメージを喰らった個体を援護する。

 最もダメージの大きい奴を仕留めようと動くのだが、それをさせないように動く。

 そして自己回復だ。

 戦闘中に回復できるHPバーは限定的ではあるのだが、それでも無視し切れるものでもない。

 それにこっちの布陣も問題はある。

 移動優先であるが故に打撃力はどうしても落ちるのだ。


 では突破点は?

 その答えが聞こえている。


 ナイアスの歌声が響いている。

 その歌の効果は?

 4頭の魔物の動きが鈍る。

 2頭は完全に眠ってしまっているようだ。

 眠りを誘う歌声だ。

 まあオレは眠らないんですがね。


 ともかく急ごう。

 攻撃を喰らわせたら高確率で起きてしまう。

 出来るだけ大きな打撃力が要る。



「ランス・チャージ・バースト!」


 やはりこれだな。

 それでも一撃で沈められないというのも凄いが。

 ヴォルフとヘリックスの牽制で足を止めて貰いながらもう一回突撃。

 それでようやく沈んだ。


 全く、これでようやく1頭かよ!


 残り3頭も眠り込んでいる所を同じ手順で倒して行きました。

 いや、こうなってみると面倒だ。

 やはりここは先に進んだマップなのでした。

 そう簡単ではない。


 で、何が剥げたのか?

 魔石が1個、でした。

 おかしい!

 戦鬼はそんな物を持っていないぞ!

 別マップでは何も落とさなかったからまだいいんだけどさ。






 移動を、優先。

 何が一番厄介かと言えば間違いなくレッサーグリフォンとグリフォントルーパーだ。

 デスナイト御一行はまあなんとかなる。

 時間は掛かるけどね。

 レッサーオーガはパッシブの奴もいるらしく、これは全部パスで。

 襲ってくる奴等は仕方ないが。

 それでもマップの中央へは確実に近づいている。

 もう少しだ。

 もう少しで、エリアポータルの場所に辿り着けそうだが。






 オーガ Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上



 うわお。

 何かいますよ?

 逃げようか?



 相手は1頭だけ。

 逃げる選択をしなかった根拠はそれだけです。

 数の不利はない。

 だがこいつの厄介さはレッサーオーガ4頭よりも上でした。

 いや、このマップで遭遇した連中で一番厄介だ。


 ナイアスの歌で眠る事はある。

 ダメージもいい感じで与えられる。

 だが自己回復のスピードが速い。

 そしてダメージを受けてからはナイアスの歌が効き難くなってしまっていたようだ。

 ガチ勝負になってしまった。


 無論、残月に騎乗しているから機動力で勝る。

 ヴォルフとヘリックスは言うまでもない。

 だがこのオーガの咆哮は並じゃなかった。



「グガァッ!」


 短く、それでいてデカい。

 残月とナイアスが怯むのが分かった。

 脚が止まると、危険だ!



「サイコ・ポッド!」


 咆哮に対抗する手段はこれしか思いつかなかった。

 どうにかオーガの直撃を避けられたのはヴォルフとヘリックスがいたからだ。

 他に魔物がいたら?

 オーガの一撃を喰らっていたのは間違いない。

 戦鬼よりも格上の魔物の一撃、ね。

 喰らいたくありません!

 ここは全力で仕留めねば!




 呪文で嵌める事は?

 無論、試したのですがね。

 ピットフォールは?

 あっという間に穴の底から飛び出して来ました。

 どんな運動能力しているんだか。

 グラビティ・プリズンは?

 動きは確かに鈍りました。

 それでもどうにか動けるようです。

 どんなパワーなんだよ!


 埒が明かない。

 リスクを承知で接近戦です。

 それしか、ない!



「ランス・チャージ・バースト!」


 この攻撃は、効いた。

 ダメージよりも毒だ。

 でも麻痺はしていない。

 オーガの拳が残月に直撃する。

 リグの防御は間に合ったようだが、それでも衝撃を吸収し切れなかった。

 残月の重心がズレたのが分かる。

 オレとナイアス、それにリグが騎乗している残月を吹き飛ばす?

 リグによってその威力を大いに減殺されている筈なんだが。

 おい。


 あれ?

 リグが、いない。

 いや、いるな。

 オーガの手に絡み付き、その表皮を移動している。

 オレに目を向けているオーガはそれに気がつく様子がないようなんだが。

 おいおい!



 次のオーガの攻撃を避けながらリグの動きを見る。

 大丈夫か?

 いや、物理攻撃が効かないリグであれば心配はない筈なんだが。


 オーガの動きが止まる。

 膝を付いてしまっているんだが。

 赤いマーカーに小さく重なるマーカーに追加だ。

 毒に加えて麻痺のようです。

 ほう。

 リグのMPバーも結構減っている所を見ると、いつの間にか雷撃をオーガに与えていたようだ。

 そしてオーガの傷部分に貼り付いてます。

 おっと、いけね。

 動けないうちに仕留めろ!






 動けないオーガを仕留めるのに時間が掛かり過ぎです。

 いや半端ないって!

 毒に掛かっていて良かった。

 自己回復があったら麻痺から回復していたかもしれない。

 それにリグなんだが。

 オーガの表皮を溶解する事でダメージを与えているのは、分かる。

 リグの大きさが違う。

 膨れましたか?

 いや、色も違うようです。

 やや赤くなっていて、一部は完全にオレンジ色になっている。

 もしかして、肉を溶解するだけじゃなく、取り込んでたの?

 まあ今更驚くのもアレだが、おっかない事をするものだ。


 ところで。

 【解体】は何故、仕事をしないのか?

 やはり解せぬ。





 移動は続く。

 ようやく怪しい場所に辿り着いたのだが、そこは明らかに関所だ。

 山を途中で削りとったかのような、谷を塞ぐ壁。

 その壁の上にも、入り口の前にも衛兵らしき影が動いていた。

 あれ?

 もしかして、ここのエリアポータルは既に誰かいるのかな?


 まあ行ってみるだけだ。

 どうなっているのかね?

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv28

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv14

ボーナスポイント残 8


セットスキル

剣Lv12 両手槍Lv10 馬上槍Lv8 棍棒Lv10 刀Lv10

刺突剣Lv9 捕縄術Lv10 杖Lv21 打撃Lv18 蹴りLv18

関節技Lv18 投げ技Lv18 回避Lv18 受けLv18

召喚魔法Lv28 時空魔法Lv16 封印術Lv10

光魔法Lv16 風魔法Lv16 土魔法Lv16 水魔法Lv16

火魔法Lv16 闇魔法Lv16 氷魔法Lv15 雷魔法Lv15

木魔法Lv15 塵魔法Lv15 溶魔法Lv15 灼魔法Lv15

錬金術Lv11 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv10

連携Lv19 鑑定Lv19 識別Lv19 看破Lv5 耐寒Lv8

掴みLv16 馬術Lv16 精密操作Lv18 ロープワークLv10

跳躍Lv9 軽業Lv9 耐暑Lv12 登攀Lv9 平衡Lv10

二刀流Lv17 解体Lv15 水泳Lv6 潜水Lv6

ダッシュLv8 耐久走Lv8

隠蔽Lv3 気配遮断Lv3

身体強化Lv17 精神強化Lv17 高速詠唱Lv18(↑1)

魔法効果拡大Lv16 魔法範囲拡大Lv16

耐石化Lv6 耐睡眠Lv5 耐麻痺Lv6

耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv4


召喚モンスター

ヘリックス ファイティングファルコンLv8→Lv9(↑1)

 器用値 15(↑1)

 敏捷値 31(↑1)

 知力値 23

 筋力値 15

 生命力 15

 精神力 15

 スキル

 嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動

 風属性 土属性

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― 新着の感想 ―
リグ大活躍でしたね スライム好きだから嬉しいな
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