245
《運営インフォメーションがあります。確認しますか?》
ログインしました。
時刻は午前6時10分。
そしていつもの運営インフォ?
どうせいつもの奴だろうと思ってました。
《指定イベント終了のお知らせ:襲来者達の撃退を確認しました。次ステップに移行します!》
題名だけを見ての最初の感想。
意味不明。
情報収集の手間を掛けさせるのはここの運営の常套手段だ。
嫌がらせか?
どうも何かに誘導されているようにも思えるんだが。
中身もすぐに目を通してみる。
《以下の襲来者達はプレイヤーにより撃退されました》
『草原の襲来者達』
『海の襲来者達』
『森の襲来者達』
『山の襲来者達』
内容はこれだけだ。
やはり意味不明。
何か含む所があるにせよ、読み解くためのヒント位は欲しいものです。
「おはようございます!」
「おはようございます、キースさん」
「ああ、おはようさん」
やはりログインしてきたのはオレが最後でした。
まあ、昨夜は遅かったし。
昨夜、最後の方では全員に疲労の色が見えたものだが。
今朝はスッキリしている。
憑き物が落ちた?
既に朝食の用意は済んでいた。
むう。
出遅れたせいで文楽の出番は無くなったか。
雑談しながら今日の予定について話し合いました。
やはりバラバラですな。
だが強い要望もある。
昨日の馬狩りの続きだ。
個人的には十字谷の先を進んでみたかったんですがね。
次点でS5マップ南端の中継ポータルにあった洞窟の先とか。
スフィンクスとスピンクスに連戦を挑むのも捨て難いのだが。
やはり馬から剥げるアイテムは魅力なのだろう。
オレだって気になっている。
S4E1マップで狩りを続けるのは最初に却下になった。
つかオレが難色を示したんですがね。
サイコ・ポッドで対策はとれるが、やはりここにいる魔物相手に連戦はキツい。
特にカトブレパス。
石化であれ即死であれ、検証するのも嫌です。
「そう言えばこのマップの魔物ですが石繋がりですね」
イリーナはそう指摘する。
カトブレパスの能力も石化が疑わしい、というのが彼女の主張だ。
確かに根拠はあるんだが、ここは慎重に行きたい。
却下で。
「ではS3E1で馬狩り、どうでしょう?」
結局、春菜の主張に反対意見は出なかった。
あの天斑馬だけを狙って狩れるならまだいいんだが。
他の魔物も地味に相手をするのが面倒だ。
アイテムを得ようとしたら、という条件が付くけど。
そう、アイテム取得を無視したらいい。
軍艦鳥の翼は弓をメイン武器にしているアデル、イリーナ、ヒョードルくんにもいい獲物だ。
矢羽の素材になりそうだし。
天斑馬の毛皮は加工でどうなるかがまだ明確ではないが、色々と期待できるだろう。
そうなると問題は?
他にもいる魔物をどうするかです。
ヤドカリ、いやフォートクラブなんだが、完全にスルーしている。
ウナギ、いやオピオンスネークは得られたアイテムが奇陳石と微妙だ。
こいつからは他のアイテムが得られる可能性もあるかもしれないが、毒は厄介過ぎる。
当面はスルーで。
襲われたら迎撃って事にしておきましょう。
騎乗戦闘なんだし、逃げてもいい。
「じゃあここのログアウトは私が行くね!」
エリアポータルではアデルがログアウトする事になった。
ヒョードルくんも灰色の森にリターン・ホームで跳べる。
まあここは利便性を重視しましょう。
此花のリターン・ホームで朝焼の灯台に到着した。
相変わらず、プレイヤーの姿はない。
アイテム取得の条件が見付かった事は掲示板に書き込んであるそうなんだが。
それでも、人気がないのかね?
やはり軍艦鳥が厄介なのかもしれないな。
オレ達だと馬で移動も戦闘もこなせる。
その点は有利ですな。
では、パーティは解散、各自召喚モンスターを呼んで布陣を確定していく。
オレは?
残月、ヘリックス、黒曜、ナインテイル、ティグリスだ。
物理攻撃も特殊攻撃も十分に期待できる。
今日は探索行動に重心を掛ける必要はないからヴォルフは外しているのだが。
それでも早期警戒に関しても優秀だと思う。
アデルはホワイトホース、金毛狐、ファイティングファルコン、ミスティックアイ、インプ。
イリーナはバトルホース、ピクシー、鵺、オオフクロウ、インプ。
ヒョードルくんはホワイトホース、バトルホーク、ミスティックアイ、インプ、キメラ。
春菜はホワイトホース、ミスティックアイ、ファイティングファルコン、鵺、インプ。
此花はバトルホース、オオフクロウ、ミスティックアイ、キメラ、インプ。
猛禽類、猛獣類が多目なのは前からだが。
微妙に今日はフクロウ系が多い。
7羽もいるし。
鷹系は4羽と劣勢だ。
合計11羽の猛禽類は、集団行動をしているとちょっとしたホラーです。
ま、出てくる魔物を狩る上ではいい選択だとは思う。
申し合わせしたかのようにインプを育てる意向なのも共通していて面白い。
予定では昼まで馬をメインに狩る事にしている。
その上で灰色の森、風霊の村に跳んで、装備作成依頼をする予定になる。
2箇所に跳ぶのは、それぞれ馴染みにしている生産職がいるからだ。
でも大した手間でもないんです。
リターン・ホームで移動は簡単なのだから。
連休も既に終盤か。
ま、アデル達を巻き込んで2箇所のエリアポータルを攻略出来ているのだし、もう実績は十分?
あまり欲張るのも良くない。
もう少し上乗せしておきたいのも確かだが。
まあいいさ。
流されるままに、その場次第で。
これまでもそうだったし。
今日は春菜と此花が熱い。
その勢いに引っ張られるようにアデルとイリーナも続く。
積極的なのも無理はない。
アデルとイリーナは昨夜のエリアポータル戦で種族、職業、召喚魔法がレベルアップしている。
春菜と此花はレベルアップしなかった。
ここまでの成長過程を見るのであれば、春菜と此花の成長も近い。
馬狩りの成果は?
十分すぎる毛皮を得ていた。
軍艦鳥とオピオンスネークの邪魔も少なかったように思う。
時刻は午前11時30分。
一旦、区切る事になった。
昼食休憩も兼ねてだが、春菜と此花がレベルアップしたのも大きな理由だ。
そしてオレにも戦果が断続的にあったようです。
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【水魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》
呪文を使いまくってたらこうなった。
攻撃はフォース・バレットしか使ってないのにこれだよ!
それに召喚モンスター達のMPバーもかなり消耗してしまっている。
ダメージを与えるのに直接攻撃が禁止なのだから当たり前だな。
では。
インスタント・ポータルを展開。
残月を帰還させて文楽を召喚する。
料理は文楽に作らせる。
そしてオレ達は雑談を交えながら獲物の配分をする事に。
一番の大物だった重量物の古代石柱は3個。
これはオレが全部引き取る事にした。
軍艦鳥の翼は春菜と此花は不要との事だったので、4名で分配。
それ以外のアイテム、獅子賢者の針、天斑馬の毛皮は公平に分配。
針は余らなかったが、余った毛皮は春菜と此花が引き取った。
細々としたアイテムも基本的に余ったアイテムはオレが買い取る形にしました。
《アイテム・ボックス》に一番余裕があるのはオレだからね。
分配が完全に公平ではない分、多少のお金をオレが持ち出したが、文句なしだ。
メインの天斑馬の毛皮だが、オレの配分は8枚である。
十分ですよ!
昼食は皆のリクエストの通り、生パスタになった。
昨日とはソースがまるで違うが、やはり旨い。
オレ以外のメンバーがログアウトして戻ってくるまでの間は暇だ。
3個目の古代石柱の発掘をしながら待つ。
珪化木が出ろ!
そう念じながら作業を進めました。
午後0時20分。
全員が戻ってきた所で移動だ。
片付けを済ませて召喚モンスターを帰還させると6名でパーティを組んだ。
最初に向かう先は?
灰色の森だ。
リターン・ホームの呪文をヒョードルくんが使うと周囲の風景は反転する。
次の瞬間にはもう灰色の森の傍です。
そろそろこれにも慣れてきた。
便利過ぎる。
だがオレ達6名がいつまでも行動を一緒に出来るとも思えない。
昼食時の雑談でもその話はあった。
一緒に行動出来そうなのも明日の昼までだ。
連休後の各自の希望は?
春菜、此花、ヒョードルくんは灰色の森周辺での行動が主になりそうだ。
装備作成を依頼もしているし、まあ順当だろう。
アデルとイリーナは漁村ネーメ、そしてその先の鬼ヶ島をクリアしに行きたいようです。
その前に海岸で水棲系モンスターの強化もしたいようだが。
オレは?
積み残しが多過ぎてもうね。
当面は装備品の出来上がりを待つ間、金剛力士か十二神将を相手に遊んでもいいかな?
そんな気分です。
「では行ってきます」
「いってらー」
春菜と此花、それにヒョードルくんも灰色の森で各々の用件を済ませに別れて行った。
オレはどうするか?
ゴム製品作成中の工房に顔を出してみる事にしました。
製品化はまだ無理だろうが、サンプルは多少増えていると思うのです。
期待したい。
桜さん達は実に真面目に開発を続けていたようだ。
硬さの異なるゴムシートのサンプルは増えていた。
試作用のモールドも大き目のものが用意されている。
「この先、考えられる問題は何でしょう?」
「以前も言った老化かな?」
《アイテム・ボックス》から蜜蝋を1個だけを残して全て取り出すと桜さんに渡しておく。
「これは?」
「天然ゴム100に対して1でいい。硫黄混合時に混ぜてシートを作成してみるといい」
「硫黄混合時に、ですね?」
「まあ気持ち程度だが、老化が進むのを遅らせる効果があるかもね」
蜜蝋はワックス成分を含んでいる。
ワックスはゴム表面に滲み出て、薄い皮膜を形成する筈だ。
ブルーム、という現象なんだが。
普通なら石油系パラフィンワックスを使いたい所だが、ないものはない!
代用でなんとかなって欲しいです。
大昔、古くなったタイヤのサイドウォールが白くなる現象が多かったのもこれが起因となっている。
他の配合剤までタイヤ表面に析出させてしまうからなのだが。
これ、タイヤ表面を掃除すると劣化が早まってしまうという罠があるのだ。
今は配合剤で色々と工夫しているから同様の現象は起きていないけどね。
過剰なタイヤ掃除は止めましょう。
「老化の差を調べるにはどうしたら?」
「暴露試験、だな。異なる基準のシートをそのまま外に放置で」
「それだけで?」
「それだけ」
そう。
本当にそれでいいのです。
時間は掛かるがそれが確実です。
オゾン劣化試験機とかここにはないし。
耐油試験はスルーしておいてもいいだろう。
そういう用途は想定し難い。
報酬代わりではないが、サンプルシートを3水準ほど頂きました。
カーボンブラック配合量を変えた奴だ。
見ているうちに別のアイデアも出てくるかも?
河野とリュカーンは、と言えば盾の試作は中止、鎧の裏地にする工夫をしているそうな。
製品化を急ぎすぎても、ねえ?
だが裏地にするのはいいかもね。
耐候性はさほど考慮しなくてもいい。
弾性、それに加工性を考えるのならば、柔らかくなる方向で配合を調整すべきですな。
時刻は午後1時20分。
それぞれの用件を済ませたメンバーが集合する。
では、次だ。
風霊の村に跳ぼう。
今度はイリーナがリターン・ホームを使った。
視界が反転するともうそこは風霊の村だ。
いや、本当に便利だな!
「おや、皆さんいらっしゃい」
出迎えてくれたのはリックだけでした。
他の面々は装備作成で忙しく、工房に篭っているそうな。
依頼した装備が出来上がるのはまだ先になりそうだ。
「追加で毛皮、お願いしたいんですけど!」
「ああ、サキにメッセージで送っていた件だね」
なぬ?
アデルよ、手回しがいいな!
既に現物を持ち込む前に依頼をしていたのか?
アデルとイリーナは天斑馬の毛皮を机上に積み上げていた。
「何を作って貰うんだ?」
「コートです!」
「私達用、それにマーメイド用ですね」
むむ?
それ、いいな。
オレも依頼するぞ!
「私もいいですかね?」
「多分、大丈夫だと思いますが。どの召喚モンスターの分にします?」
「メロウのナイアス、バンパイアのテロメアですね」
「コート類って事でいいんですか?」
「ええ。それでお願いします」
リックを通じてだが依頼はしておいた。
ま、大丈夫だろう。
便乗だけどさ。
では、ここからが本番だ。
今度はオレがリターン・ホームの呪文を使う。
そう、S5マップの南端にある中継ポータルへと跳ぶ。
スフィンクスとスピンクスに連戦を挑むのも悪くはない。
悪くはないのだが。
S6マップに進みたい。
それがオレの希望なのでした。
無論、皆にも話してある。
全員、呆れ顔になったけど。
いや、戦力は十分に揃っていると思うんですが?
無理?
無茶?
いつかは先に進むんだし、様子を窺う程度で済ませますよ?
S6マップのエリアポータル?
目指しませんから!
それだけは何故かイリーナに念を押されました。
解せぬ。
中継ポータル内でパーティを解除、各々の布陣を定めていく。
基本、移動優先であるのは変わりはない。
いつでも逃げ込めるように、という配慮だったんですが。
S6マップに突入すると布陣変更を余儀なくされてしまった。
そこは本格的な砂漠だ。
馬で移動するのが厳しい、砂丘の連続。
いっそ、フライで飛ぶか?
いやいや、空中でスフィンクスみたいな奴を相手にするのは嫌です。
オレの布陣は?
ヴォルフ、ヘリックス、戦鬼、獅子吼、ナインテイルで。
戦力は落とさない。
それでいて早期警戒にも配慮だ。
アデルはホワイトウルフ、ミスティックアイ、レッサーオーガ、金毛狐、オルトロス。
イリーナはブラックウルフ、バトルホーク、クレイゴーレム、ピクシー、鵺。
ヒョードルくんはホワイトウルフ、ミスティックアイ、バトルホーク、ビーストエイプ、キメラ。
春菜はミスティックアイ、ファイティングファルコン、マッドゴーレム、メロウ、鵺。
此花はグレイウルフ、オオフクロウ、ミスティックアイ、ローレライ、キメラ。
恐るべき事にクラスチェンジをしていないのはヒョードルくんのビーストエイプだけ。
これ以上はないって程の戦力だ。
苦戦はするかもしれないが、敗北するとは思えない。
だからこいつ等に遭遇した時も油断していたのかもしれないな。
奇襲を受ける前に気が付いたのは幸運だったのだろう。
ウアジェトの神徒 Lv.6
使徒 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ウアジェトの従者 Lv.8
使徒 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 光属性 闇属性 毒
ウアジェトの従卒 Lv.7
使徒 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 闇属性 毒
レッサーバジリスク Lv.1
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 闇属性 毒 ???
『バジリスク!こいつには気をつけて!』
ヒョードルくんの声には恐怖の色が含まれている。
さすがにこの魔物の名前はオレも知っていました。
確かこいつも即死か石化の能力があったように思う。
カトブレパスと同じだ。
雑談でも少し名前が出ていたし。
神徒は1名、従者も1名、従卒は4名、レッサーバジリスクは1匹。
このレッサーバジリスクだが、まるでアナコンダかと思えるようなデカさだ。
そして使徒の様子はいずれもおかしい。
半人半蛇だ。
その被り物は蛇。
いや、コブラか?
上半身は人間。
下半身は、蛇だ。
どいつもこいつも砂の上を滑るように動いていやがる。
これは?
ヤバい。
地の利は明らかに使徒と魔物にあるようだ。
「真練気法!」「ブレス!」「メディテート!」
武技を使う。
そして呪文を選択して実行。
サイコ・ポッドは?
無論、全員に掛けてあった。
数では圧倒的にこちらに有利なのだが。
使徒との距離が詰まる間に異常が発生していた。
召喚モンスターの緑のマーカーだ。
次々と小さなマーカーが重なっていく。
石化だ。
神徒に向かって突進している筈だが足元の砂場が邪魔をする。
いかん。
先手を取られる!
猛禽類の牽制に期待したいが、その内の何匹かは石化が始まっている。
そのまま石化が進んだら危うい。
「ディフェンス・フォール!」
とにかく目に付いた奴の防御力を落とす。
マーカーを確認している暇はない。
すぐに呪文を選択して実行。
ようやく接近できたレッサーバジリスクに珪化木の杖を撃ち込んでいく。
メロウとローレライの歌が響き始め、オレの周囲に雷撃が振り撒かれ始めた。
レッサーバジリスクが牙を剥いてオレを狙ってくる。
その横っ面を戦鬼が殴り飛ばした。
効いてる?
効いている、よな?
だがその戦鬼の緑のマーカーにも小さなマーカーが重なっている。
なんてこったい!
だが。
その小さなマーカーが消えて行く。
何だ?
戦鬼の隣に新たな援軍がいる。
ウンディーネ Lv.7
精霊 戦闘中
戦闘位置:水中、地上 水属性
これは。
ヒョードルくんの精霊だ!
「ディスペル・マジック!」
上空を舞う猛禽類のうち、何羽かは石化を解除出来た様に思うが。
確認はスルーで。
目の前にいる魔物を相手にするだけで精一杯です。
周囲が灼熱化した。
ブレスだ。
そして雷撃が雨のように降り注ぐ。
戦場で動いている影は?
既にレッサーバジリスクだけになっているようです。
神徒は?
ヴォルフに首元を噛まれたまま、事切れてました。
うん。
間に合わなかったか。
クレイゴーレムとマッドゴーレムがレッサーバジリスクを囲む。
死を予告するかのようにメロウとローレライの歌声が不吉な調べに。
召喚モンスター達も石化から次々と復帰し、戦線に加わっている。
待て。
そんなに集まってくるんじゃない!
オレにももう少し、殴らせろ!
そんなオレの願いも空しく、レッサーバジリスクは捕捉されてしまった。
マッドゴーレムに頭を押さえられ、尻尾もクレイゴーレムに掴まれ、身動きがとれていない。
もう少し。
もう少しで、間合いに入る。
珪化木の杖を突き込もうとする直前に魔物のHPバーが掻き消えてしまう。
ああ。
何てことだ。
終わってしまった。
切ない。
傷心を慰めようと魔物に剥ぎ取りナイフを突き立ててみた。
何も、剥げなかった。
おのれ運営。
やってくれたな!
皆の意見を聞き入れてここは出直す事に。
中継ポータルまで歩いて戻りました。
死に戻りも居なかったし、ステータス異常も居なくなったんだが。
さすがにこんな戦闘を連続で、というのは厳しい。
サイコ・ポッドが万能ではない事も証明されている。
ディスペル・マジックで対抗するにしても抜けがあったら怖い。
それに精霊のウンディーネもそう何度も繰り出せる訳ではないからな。
対策が要る。
主に装備品で状態異常に対抗できるようでないと厳しいのは明らかだ。
うん。
出直しましょう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv26
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv12
ボーナスポイント残 30
セットスキル
剣Lv11 両手槍Lv10 馬上槍Lv4 棍棒Lv10 刀Lv9
刺突剣Lv1 捕縄術Lv8 杖Lv20 打撃Lv16 蹴りLv16
関節技Lv16 投げ技Lv16 回避Lv16 受けLv16
召喚魔法Lv26 時空魔法Lv15 封印術Lv8
光魔法Lv16(↑1)風魔法Lv16 土魔法Lv16
水魔法Lv16(↑1)火魔法Lv16(↑1)闇魔法Lv16(↑1)
氷魔法Lv14(↑1)雷魔法Lv14(↑1)木魔法Lv14(↑1)
塵魔法Lv14 溶魔法Lv14 灼魔法Lv14(↑1)
錬金術Lv11 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv10
連携Lv18 鑑定Lv18 識別Lv18 看破Lv5 耐寒Lv8
掴みLv15 馬術Lv15 精密操作Lv17 ロープワークLv8
跳躍Lv8 軽業Lv8 耐暑Lv10 登攀Lv9 平衡Lv9
二刀流Lv16 解体Lv14 水泳Lv6 潜水Lv6
ダッシュLv7 耐久走Lv7
隠蔽Lv2 気配遮断Lv2
身体強化Lv15 精神強化Lv15 高速詠唱Lv16
魔法効果拡大Lv15 魔法範囲拡大Lv15




