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 そして食欲を刺激する匂い。

 全く、食い物テロはまず嗅覚を直撃するよな!

 そして視覚を刺激する。

 最終的には味覚だ。


 この手の匂いを無視するのは至難の業だ。

 どうしても関連する記憶を呼び覚ましてくる。

 味噌汁の匂いだったら完全に陥落なんだが。



 時刻は午前6時20分。

 やはり最後にログインしていたのはオレでした。

 そんなに夜更かししなかったのに、ねえ?


「おはようございます!」


「朝食の用意は出来てますよー」


 食事を用意するアデルとイリーナ。

 既に着席している春菜、此花、ヒョードルくんは何やら雑談中だ。

 その断片から判断するに掲示板を見ているようです。

 オレには不得手な領域だ。

 口は出すまい。



 全員が揃った所で一緒に朝食を摂る。

 またしても香辛料満載の料理だ。

 色こそ違うがカレー、だよな?

 酸味も効いている。

 文楽の出番が最近減っていて寂しい。

 対戦でもいいから召喚しておきたいものだ。



「では、灰色の森に跳ぶか?」


「ですね」


「今回、呪文は僕にやらせて下さい」


 ヒョードルくんが積極的だ。

 まあ悪い事ではない。

 リターン・ホームを唱える事も地道に積み重なったら時空魔法のレベルアップに繋がるだろうし。

 このメンバーでユニオンを組んだ時、ヒョードルくんは種族レベル8だった筈だ。

 それが今やレベル15になっている。

 恐るべき成長と言えよう。

 春菜と此花はレベル13だったのがレベル17である。

 そしてアデルとイリーナはレベル14だったのがレベル17だ。

 レベル18になるのもそう遠くないだろう。


 それにしても、だ。

 配下の召喚モンスターもかなり強化が進んでいる。

 そしてオレは召喚枠を余らせていた。

 オレだけじゃなく、ここにいる全員、枠に空きがある。

 皆、悩んでいるのだ。

 今日は海に行く事にしているのだが、いい機会になるのかも知れない。

 オレの場合、新たな召喚モンスターにイルカを先にいれるのかどうか?

 悩み所です。



 片付けを終え、パーティを組むと、ヒョードルくんがリターン・ホームの呪文を唱える。

 視界が反転し、灰色の森に跳んだ。

 さあ。

 海へ行こう。

 久しぶりに海の狩りもいいかもしれない。

 いや、海だから漁かな?

 どっちにしろナイアスを始め、水中に対応する召喚モンスターの出番は確実だろう。



 灰色の森に到着。

 だが今はここに立ち寄る用件がない。

 食料も十分に余らせているのだ。



「ではフライの呪文を使う。だが私はS3E1マップに行った事がない」


「空中で遭遇する魔物、ですね?」


「ああ、そうだ。事前情報はあるかな?」


「そうなると思って調べてあります」


 イリーナの想定通りか。

 手回しの良い事だ。

 面倒も少なくて済む。



「軍艦鳥、ですね」


「どんな魔物かな?」


「動きは凄く速いです。嘴で切り裂いてくるような動きをします」


「厄介か?」


「ファイティングファルコンに匹敵すると思います。特殊攻撃はないんですが」


「生首と比べたら?」


「攻撃が当たり難くて落としにくいという点で軍艦鳥の方が嫌ですね」


「私はどっちも嫌!」


 まあアデルの意見はいいとして。

 イリーナが言う所の攻撃が当たり難い、という点は確かに厄介だ。

 地上で迎撃すべきか?



「イリーナは倒した事はあるのかな?」


「はい。アデルちゃんのファイア・ウォール頼みでしたけど」


「後はスナイプ・シュートだね!」


 やはりそうなるか。

 ここは空を行くのは危険かな?



「S3E1マップのエリアポータル周辺はどうかな?」


「やはり軍艦鳥は居ますね」


「地上を行くのが無難だと思います」


「騎乗して進めそうかな?」


「それは大丈夫です」


 春菜と此花の意見も空を行くのは否定的か。

 では仕方ないな。

 S3E1マップに入ったら地上を行くとしよう。



「ではこのまま東へフライの呪文で飛ぼう。S3E1マップに入る手前で降りるか」


「ですね」


「それが無難だと思います」


 まあ無理はしない方がいいだろう。

 それに魔物の動向を知っておいた方がいい。

 海岸だし、美味しい食材がいて欲しいものだ。







 今日はカナブンが元気だ。

 地上から何匹か、打ち上がってくる。

 いや、襲ってくる。

 はっきり言って始末に悪い。

 いや、心臓に悪い。

 真っ直ぐにしか飛んでこないと分かっていてもドキリとさせられる。

 実際、万が一にでも直撃しては無事では済まないだろう。


 高度を上げました。

 すると今度は寒さに耐えねばならない。

 オレは平気なんだが、他がいけないのだ。

 レジスト・アイスは必須だった。


 なんとかカナブンの脅威をスルーしてS3マップの東端に到着した。

 時刻は午前7時20分か。

 寒いから全速を出さなかったから、少々時間を食ったかも?

 それでも森の中を移動するよりも遥かにいい。

 いや、相当に、いい。

 むしろここからが本番であった。



「よし。では各々召喚モンスターを呼んでユニオンを組もう」


「了解!」


 今日は海に行くのだ。

 召喚モンスターの布陣もそれなりにしておきたい。

 ヴォルフ、残月、ヘリックス、リグ、ナイアスを召喚する。

 定番の布陣だ。



 アデル達の召喚モンスターの布陣も移動優先だ。

 春菜と此花も同乗者がいる。

 マーメイドにローレライだ。

 彼女達を安定させる為にスライムもいる。

 この編成も定番化しつつあるようだ。



「ところで地上にいる魔物は何だ?」


「ヤドカリ!でっかいの!」


「フォートクラブって奴です。水陸両用のエビみたいな魔物で、大きな貝殻を背負ってて堅いです」


「ウミヘビ!毒には気を付けないと!」


「オピオンスネークですね。大きくて目がなく陸地でも見掛けます。不気味な魔物です」


「お馬さんもいるよ!」


「アメノフチコマが出ます。とんでもない暴れ馬です」


「あと幽霊さんとか!」


「夜限定ですがシーファントムが空を飛んでます。女性の姿の幽霊ですね」


 うむ。

 アデルの説明は簡潔で分かり易いのだが、簡潔に過ぎる!

 まあ良く伝わってくるけどね。

 要するにこのマップも気が抜けないって事だ。

 アデルとイリーナ、それに春菜と此花も、それぞれがユニオンを組んでこのマップに挑もうとしたそうだが。

 数戦して引き返したらしい。

 まあ今なら別の戦い方が出来そうですが。


 思う存分、リベンジするといい。




 最初に遭遇したのは?

 こいつだった。



 天斑馬 Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 全耐性



 天斑馬、と書いてアメノフチコマと読むそうな。

 此花によると日本神話ではスサノオに皮を剥がれた哀れな馬らしいです。


 気になる点がある。

 全耐性?

 もう何なんだか。

 その馬体は普通に馬だ。

 だが毛並みがまるで違う。

 派手だ。

 派手なのだ。


 そしてあの暴れ馬をも上回る暴れっぷりは見事でした。

 でも多勢に無勢。

 体当たりに合わせてオレとナイアスの槍先が胴体を貫き、地面に転がってしまっては、ね。

 狩るまでそう時間は掛からなかった。

 問題はアイテムだ。

 皮、剥げませんでした。

 肉だけです。



【素材アイテム】天斑馬の肉 原料 品質C+ レア度4 重量2 

 天斑馬の肉。旨味が濃く高値で取引される高級肉。

 滋養に富み薬としても取引される。



『お肉!』


「肉か。皮はどうなんだ?」


『皮が剥げたという話は聞きませんね。掲示板情報でもないですし』


 春菜の回答は即答である。

 事前にかなり調べてあったものと見える。

 そうか。

 全耐性、とかあったから皮には期待したかったんだが。

 ないのでは仕方がない。



「このマップのエリアポータル攻略はいつだったのかな?」


『攻略組がユニオンを組んでエリアポータルを解放したのは10日前といった所だったと思いますが』


「結構、前じゃないのかな?」


『そうなんですけど。ここの攻略したパーティはS4マップ方面に移動したようです』


「そりゃまたどうして」


『宝石、だと思います。アイテムの稼ぎがあまり良くないって愚痴が掲示板にはありましたが』


「ふむ」


 此花の回答も説得力がある。

 これは悪い知らせだ。

 そうか、アイテム的には旨味がないのか。

 まあ旨そうな食材があればそれでもいいんですがね。

 攻略を第一とするのであればやはりいい装備の素材が欲しい所だ。



「まあ海さえあれば文句はない。そういう事でいいのかな?」


『お肉があれば十分!』


『料理人としては食材の方にも興味があります!』


 おお。

 アデルもイリーナも熱いな!

 海の食材は、いい。

 オレだって興味はある。

 食うだけで料理はしませんけど。




 コール・モンスターで確認してみた。

 これがもうね。

 天斑馬、単独行動であちこちにいる。

 これは遭遇せずに移動するのは不可避と言って良い。


 ああ、そうか。

 騎乗しているからこそ、それにユニオンを組んでいるからこそ、大きな問題になっていないのだ。

 これが徒歩だったら?

 相手は機動力で勝る馬の魔物だ。

 迎撃するにしても難儀だろう。



 実際、馬で移動していても面倒に感じる。

 間断なく襲ってくるように思える。

 いっそ群れで襲ってきて欲しい。


 だがそうなったら困っていたのも間違いない。

 全耐性、というのは伊達じゃないようなのだ。

 呪文、効かない。

 いや、効いてはいるようなのだが、異様に効きが悪い。

 数で押されたら全体攻撃呪文でも使いたくなるが、こいつ等では分が悪いだろう。


 何しろレベル3の攻撃呪文で与えるダメージよりも普通に矢で与えるダメージの方が大きい程だ。

 これは半端じゃない。

 状態異常も高確率でレジストするし。

 これで皮が剥げずに肉ばかり、となると確かにやっとれんわ!


 まあ普通に攻撃呪文を使わないで狩れるからいいけどさ。

 単純に時間を食ってるのが気になるのです。

 海に行きたいだけです、はい。






 フォートクラブ Lv.2

 魔物 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 土属性 水属性



「あれがそうか」


『みたいですね』


『デカッ!』


 アデルの言ったまんまだ。

 ヤドカリだ。

 それも巨大な。

 その大きさは剛亀のサイズに迫るだろう。

 あの巨大な巻貝の殻をどこで調達したんだ?

 そんな所も気になる。



『あの魔物は自己修復能力があるそうです』


『それに防御力を高めてきます。攻略組が仕留めるのに1時間ほど掛かったとか』


「スルーしとくか」


『ですね』


『日向ぼっこかな?気持ちよさそう』


 アデルの指摘の通り、魔物はこっちに構うことなく陽光を満喫しているように見える。

 いっそ狩ってやろうかとも思ったがここはスルーだ。

 スルーなのだ。

 移動が優先!

 そうそう、さっさと移動しよう。





 オピオンスネーク Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 水属性 土耐性



 急いでる時に限って!

 しかも結構なデカさだし!

 表面はヌルヌル、まるでウナギだ。

 目はないけど。



『こいつは毒液を吐いて来ます!注意して!』


『近接攻撃は出来るだけ避けて!当たっても半分以上、通じませんから!』


「なんだって?」


 何それ。

 春菜と此花の注意は間に合わなかった。

 生憎と正面にいて、もう攻撃態勢に入っていたのだ。

 獅子賢者の騎士槍を突き入れたんだが。

 表面で、滑る。

 ナイアスも旗魚の槍を突き入れた。

 やはり滑る。

 なんじゃこりゃ?


 毒液が口から吐き出すが、これは楽々と回避出来た。

 だが。

 地面から煙が。

 毒は毒でも酸か何かなの?

 嫌な奴。



「焼くのは大丈夫か?」


『定番みたいです』


『倒すのは問題ないんですが』


「倒せれば、いい」


 呪文を選択して実行。

 一気に焼いてやる。

 呪文詠唱中も魔物は毒を吐くのをやめない。

 ヴォルフもヘリックスにも攻撃は控えさせるしかなかった。



「エネミー・バーン!」


 酸を避けつつ呪文を叩き込む。

 効いたか?

 効いた、よな?

 魔物のHPバーは一気に半分を割っていく。



『エネミー・バーン!』


 アデルも追撃で呪文を撃ち込んだ。

 それで魔物は息絶えた。

 うん。

 息絶えたんだが。

 何、この匂い。



『実はこの魔物、匂いが酷いそうです』


『アイテムも石ころばかりが剥げるそうですけど』


「確かめておくか」


 剥いでみた。

 確かに、石ころが剥げた。

 それに近寄ると匂いがもうね。

 大損した気分になるね!



「こいつはスルーした方が無難か」


『匂いが、嫌!』


『生理的に色々ときますね』


 概ね不評のようです。

 そらそうだ。

 こんなの、どうしろと?



 このマップ、厄介な魔物しかいないのかね?

 コール・モンスターを使ってみた。

 馬は多いが、他のモンスターは比較的少ないようだ。

 それだけが救いか。


 それにしても解せぬ。

 何か仕掛けがあるように思えるのだが。



「夜に出てくる幽霊もいるんだっけか?」


『ええ。やはりアイテムを残さないようで不評みたいですけど』


 春菜の回答は思わしくない。

 それでか。

 このマップに来てから他のプレイヤーの姿を見ていない。

 徹底的に人気がないんだな。






 軍艦鳥 Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:空中



 で、本命の難敵です。

 軍艦鳥だ。

 喉のあたりが赤く、非常に目立つが、基本黒い海鳥のようです。

 海鳥との事だが、結構内陸と思われる所にも出現するようだ。

 最初の襲撃は?

 ヘリックスが見付けた、と思った次の瞬間にはもう近くに来てやがった。

 速い。

 それに大きい。

 真っ直ぐにオレ達に向かってくるのは、10匹ほどの群れだ。

 そう。

 群れなのだ。


 こっちは6つのサモナーのパーティでユニオンを組んでいるのであるが。

 空中戦力だけで言えばこっちの方が劣勢だ。

 ヘリックスを始め、猛禽部隊が牽制するもまるで気にしない。

 こっちを狙ってやがった。

 早めに気が付いていたから呪文詠唱は十分に間に合う。

 ナイアス、マーメイド、ローレライの合唱が周囲に響いていく。

 ここは万難を排して仕留めたい。

 で、手順を指示を出して迎撃してみたんですけどね。



「ウィンド・シールド!」


『ファイア・ウォール!』


『ウィンド・シールド!』


 オレ、アデル、此花がタイミングを合わせて3つの壁呪文が迎え撃つ。

 無論、重ねるのではなく並べて仕掛けた。

 効率は悪いがここは範囲を優先だ。



『ライト・エクスプロージョン!』


『ダーク・エクスプロージョン!』


『アクア・スラッシュ!』


 壁を抜けた魔物の群れにイリーナ、春菜、ヒョードルくんが全体攻撃呪文を浴びせる。

 全滅?

 いいえ、半分以上生き残ってやがった。


 ダメージだけで済んだのは幸運か?

 軍艦鳥の嘴は先端で鉤状に曲がっていて鋭い。

 オレも結構喰らったかと思ったんですが。

 リグがカバーしてくれて難を逃れました。


 他は?

 既に瀕死となって地面で暴れている魔物はヴォルフ達に止めを刺されていく。

 空をまともに飛んでいるのは2羽だけ。

 それもヘリックス達に次々と捕捉されていく。


 危なかった?

 多分、危なかった。

 直撃でダメージを喰らわなかったのは正に幸運だっただろう。

 迎撃しきれてなかった。

 恐るべし。

 次からはもっと近距離でソーン・フェンスやストーン・ウォール、アイス・ウォールを使うべきか?

 迷う相手だ。



「もしかして、こいつもアイテムは大した事がないのかな?」


『はい』


 試しに剥いでみた。

 剥げない。

 11匹いたが、剥げない。

 何も剥げない。

 イヤな奴だな!




 まあ仕方ないか。

 海を目指そう。

 全くの戦果なしって事はない。

 春菜のマーメイドはメロウにクラスチェンジしたしな。


 襲ってくる馬を排除しながら先を急ぐ事にした。

 肉、肉、そして肉。

 剥げるは肉ばかりだ。

 まあ旨い昼飯に期待するしかないか。





 時刻は午前10時20分。

 エリアポータルの朝焼の灯台に到着した。

 余計な戦闘をしながらではあったが、それでも早く到着できたと思う。

 戦闘がなければ9時には到着できていただろう。

 やはり軍艦鳥が一番厄介だったな。

 他はなんとか我慢が効く。


 で、このエリアポータルなんだが。

 灯台は岬の先端にあるのだが、岬全体がエリアポータルになっているみたいだ。

 かなり広い。

 港に出来そうな湾も岬の根元に2箇所あるし。

 岬の先端には名前の通り、灯台らしき建屋がある。


 だが。

 プレイヤーの姿はない。

 寂しいものだ。

 いくつか建屋もあるし、すぐにでも使えそうな雰囲気なのに勿体無い。



『ここ、漁師兄弟さんが見たら垂涎の的じゃないかしら?』 


『そう言えば拠点を欲しがってましたね』


 ほう。

 春菜と此花はあのフィッシャーマン兄弟を知っているのかな?

 確かに、ここは拠点に使えそうだ。

 問題なのは魔物だけだ。

 需要と供給。

 それだけなのだ。



「海の魔物は?」


『先刻のヤドカリとウミヘビしか確認されてません』


『ここを攻略したユニオンも砂浜止まりで浅瀬にも入ってないみたいです』


 春菜と此花はオレにそう回答する。

 同時に再度、掲示板を検索しているようなのだが。

 まあそこまでしなくていいと思う。

 エリアポータルの領域の海ならば安全じゃね?


 ナイアスが湾の中へ。

 此花のローレライも続く。

 春菜のメロウもだ。

 馬上にはポンチョが残されている。

 ナイアスには久々の海って事になるのか?

 満喫して貰おう。



 しかし、アレだ。

 このマップには何かが引っ掛かる。

 レムトからこのマップは4マス進んでいる筈だ。

 確かに軍艦鳥は脅威だろう。

 だが1匹で考えたらどうか?

 今まで、4マス進んだマップに出てくる魔物に比べたら弱すぎる。


 W4で遭遇したパンツァーライノとか。

 N2W2で遭遇したマンモスとか。

 S1W3で遭遇したキメラに鵺。

 S4で襲ってきた生首。

 S3W1で黒曜が即死を喰らったネコ。


 何かが、おかしい。

 違和感が拭えなかった。



 一旦、ユニオンを解消する。

 早速、各々が一部の召喚モンスターを帰還させていく。

 そして新たな召喚モンスターが次々と現れていった。





 壮観だ。

 何故ならば。

 マーメイドが増えてる!

 3匹、いや、3人も増えていたのでした。

 アデル、イリーナ、ヒョードルくんが宣言通り追加したのだろう。

 人魚の群れになってる。

 それにイルカも2匹、追加です。



 ドルフィン/ニーナ Lv.1

 召喚モンスター 待機中

 戦闘位置:水中 水属性



 イルカも1匹【識別】しておいた。

 よし。

 これでオレもイルカは召喚出来るようになっている筈だ。

 一時的に残月を帰還させ、26行目の召喚枠で確認してみる。



 召喚リスト

 ウルフ

 ホース

 ホーク

 フクロウ

 ウッドパペット

 バット

 ウッドゴーレム

 ビーストエイプ

 鬼

 赤狐

 タイガー

 バイパー

 スケルトン

 スライム

 ミスト

 ライオン

 大亀

 フェアリー

 ギガントビー

 ビッグスパイダー

 ビッグクラブ

 シースネーク

 マーメイド

 大サソリ

 ドルフィン



 うむ。

 ちゃんといた。



 そして春菜と此花だが。

 フューズ・モンスターズで空いた枠と新たな枠でビッグクラブとシースネークを召喚していた。

 一気に水中対応のパーティを組める編成になったようだ。

 ヒョードルくんもそれまでいたフェアリーと新しく召喚したバットでインプを融合。

 そして15匹目の枠にスライムを召喚していた。

 着々と戦力増強が進んできているようです。


 だがやはりマーメイドに目が向いてしまう。

 どの娘もそれぞれ、個性があって面白い。


 ヒョードルくんが召喚したマーメイドの場合。

 ショートカットでボーイッシュにも見えるお姉様って感じかな?

 恐らくはヒョードルくんより身長があるだろう。

 イルカを追い回している辺り、かなりのお転婆でもあるようだ。


 アデルが召喚したマーメイド、めーちゃんの場合。

 実に真面目で大人しそうな娘だ。

 学級委員タイプ?

 どことなく雰囲気はイリーナに似ている。


 イリーナが召喚したマーメイド、ティアの場合。

 やや幼いのにどことなく艶やかに見える娘だ。

 その理由は明らかです。

 胸がヤバい。

 人魚チーム6匹の中でも最強。

 両手で隠しているんだが、こぼれそうです。

 何が?

 アレが。

 フワフワもちもちなアレです。


 装備が整っていない事もあって、新人マーメイドはすぐに帰還となりましたけどね。

 正直、楽しみが増えたかな?

 別の意味で。

 眼福であった。



 では。

 オレも26匹目の枠を埋めるとしよう。

 やはりここは本命にしておこう。



 レムス ウルフLv1(New!)

 器用値 10

 敏捷値 26

 知力値 11

 筋力値 11

 生命力 12

 精神力 12


 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 聞耳



 これでいい。

 オルトロス狙いを継続しましょう。



「おお!また新しい子が!」


 そして早速アデルの生贄に。

 まあこれも通過儀礼だ。

 諦めるしかないな。

召喚モンスター

レムス ウルフLv1(New!)

 器用値 10

 敏捷値 26

 知力値 11

 筋力値 11

 生命力 12

 精神力 12

 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 聞耳


同行者

アデル&イリーナ&春菜&此花&ヒョードル

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― 新着の感想 ―
女性型モンスターが個性豊かなのは運営の趣味なのかな…
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