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 その魔物は初見であった。

 目立つ。

 実に、目立つ。

 夜なのに。



 アダンダラ Lv.3

 魔物 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 こいつは猫だ。

 大型の、ネコ。

 そうとしか言えない。

 夜の中、ノクトビジョンで見た範囲では、恐らくは明るい茶色の毛並みだろう。


 パッシブか。

 先刻まで遭遇していた奴等に比べると1匹だけ。

 状況的に先制出来れば楽に狩れそうだが。

 緊張が伝わってくる。

 ヴォルフだ。

 異様なまでに緊張している。

 何かあるのだろうか?


 では。

 奇襲は黒曜とテロメアで。

 オレを含め、その他のメンバーで追撃、仕留めに掛かる。

 これで行こう。



 だが。

 この魔物は恐るべき奴だったようです。


 黒曜が魔物の背後から奇襲を成功させ、テロメアが轟炎を叩き込む。

 幻月が光の球を撃ち込む中、ヴォルフとティグリスが魔物に殺到。

 オレも続いた。


 最後はオレの放った玻璃光刀の一撃で仕留めた。

 そう。

 仕留めたのだが。




 黒曜が死亡していた。

 え?

 何で?






 死体には外傷はない。

 それなのに、確かに、死んでいる。

 そして黒曜の死体は消えていく。

 死に戻ったのだ。



 戦闘そのものは圧倒的だった筈だ。

 何があった?



 魔物の死体を調べてみる。

 大きさはティグリスの半分にも満たないだろう。

 その外見はネコだ。

 どう見ても、ネコ。

 可愛らしいとさえ言い切れる。


 異様なのはその目の色だろうか?

 死んでなお、金色に輝いていた。


 剥ぎ取りナイフをやや乱暴に突き立ててみた。



【素材アイテム】死眼猫の皮 品質C+ レア度4 重量1+

 アダンダラの皮。

 即死を防ぐ効果があるとされる。



 こんな物が剥げた。

 ヒントは、ある。

 死眼猫?

 即死?


 まさかこいつ。

 一撃死に至る能力があるのか?



 全く、こんな魔物がいるとは。

 黒曜の死に戻りを嘆く暇はない。

 コール・モンスターで魔物の動向を確認しておく。


 いる。

 ネコがいるな。

 数はそう多くなさそうだが、油断出来ない。

 それにサキュバスとインキュバスのペアだっている。

 お供のグールとグーラも一緒にいるようだ。


 対策は?

 サイコ・ポッドしかないだろう。

 残った全員にサイコ・ポッドを掛けておく。

 黒曜が抜けた枠にはフローリンを召喚しておく。

 無論、呪文で強化しておいた。


 この教訓は当然、今後に活かすとして、だ。

 クソッ!

 あのネコめ。

 いずれ狩り尽くして三味線の皮にしてやる!




 ネコへのリベンジの機会はすぐに訪れた。

 今度は向こうから奇襲である。

 狙われたのは、ヴォルフだ。


 ネコが何をしたのかは認識できた。

 大きく見開かれた両目から一瞬だけ光が投射されでいる。

 ヴォルフは?

 無事だ。

 少しだけ安心する。


 ネコの尻尾にフローリンが噛み付き、テロメアが槌をネコの腹に撃ち込んだ。

 次の瞬間にはティグリスとヴォルフが噛み付いていて、オレの出番は無くなった。

 お前ら、早いよ!


 まあ、いいさ。

 対策が有効なのは間違いないだろう。

 サイコ・ポッドが有効なうちに周囲のネコを呼び寄せて、少し掃除しておこう。

 今のオレに慈悲などない。




 コール・モンスターで呼び寄せて仕留めたネコは何匹になっただろうか?

 結構な量の皮が溜まっている。

 そのせいで移動速度が落ちてしまっていた。

 これはいかんな。

 少し、急ぎたい。

 でもネコは狩り尽くしておきたい。

 なんというジレンマ。


 まあ進行方向にいるネコだけで我慢しておこう。





 時刻は午後11時50分。

 S3W1マップの中央と思われる地点に到着した。

 解放されていたらいいんですがね。

 どうもそんな雰囲気がしません。


 そこは窪地であった。

 その縁にはまるで篝火のように光球が浮かんでいる。


 凄く、広いです。

 窪地はまるで整地されているように見えます。 

 そしてプレイヤーの姿は無い。

 テントもない。

 解放されていない、と見るべきだな。



 センス・マジックを掛けて警戒するのは当然として。

 幻月とフローリンは帰還させよう。

 戦鬼と獅子吼のステータス異常はもう解消しているようだ。 

 召喚しておこう。

 呪文で強化を終えると窪地の底に向けて降りていく。


 さあ。

 暴れさせてくれよ?






《光に生きる者は幸福である。闇の恐怖を知らずにいられよう》


《闇に生きる者は幸福である。光の加護がなくとも耐えられよう》


《だが光と闇は表裏一体》


《交わらずにはおれぬ》


《その相克の姿を見るがいい》



 インフォはまあいいとして。

 何が現れるのかね?




 カンビオン Lv.2

 半魔 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上、空中

 闇属性 火属性 風属性 土属性 塵属性

 溶属性 木属性



 ブラウンベア Lv.5

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上



 ブラックベア Lv.7

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 氷耐性



 ハンターベア Lv.5

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 ポーラーベア Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 氷属性




 熊祭りじゃ!

 熊は1匹ずつのようだが。

 初見の奴が、いる。

 ポーラーベアは白熊、即ちホッキョクグマだな。

 別の意味の白熊なら大好物なんですが。

 夏に白熊。

 涼を取るには最高だ。


 ハンターベアは死体でしか見た事がない。

 大きさはブラックベアとブラウンベアの中間といった所か?

 カンビオンの前に熊達が並ぶ。


 そしてカンビオンなんですが。

 男だか女だか、分からない格好です。

 その美貌は凄い。

 妖艶、と言っていいのだが。

 表情が乏しく、まるで人形のようにも見えます。

 だが侮れない。

 その全身から大きな魔力を見て取れる。

 恐るべき事に、テロメアと比べても遜色がないようだ。



「真練気法!」「ブレス!」「メディテート!」


 そして。

 互いの距離が一気に縮まった。

 窪地の底で獣達の咆哮で充満する。

 それは不思議なほどに周囲に響き渡った。



「ガァァァァッ!」


 そんな中でもヴォルフの遠吠えは鋭く響いた。

 その裂帛たるや凄まじい。

 前衛に出ていたブラックベアとブラウンベアの足が止まる。

 ほう。

 さすがにヴォルフの方が格上か?


 白熊とハンターベアは足を止めない。

 オレは全速力で駆ける。

 先手を取られてはならない。

 白熊はオレの獲物だからな!


 戦鬼はハンターベアの相手になった。

 ヴォルフはカンビオンに迫る勢いで駆けている。

 その後続にティグリスと獅子吼。

 まあ任せてみよう。

 テロメアもカンビオンに向かっている。


 オレと戦鬼で前衛は片付けてやろうじゃないの!



 玻璃光刀に纏うのは風。

 その斬撃が白熊の肉を裂く。

 手応えは十分。


 だが。

 それでいてこいつってば、HPバーの減りが少ない。

 うむ。

 オレの腕が未熟なだけだ。



「ディフェンス・フォール!」


 そして再び斬撃を加える。

 今度は少しだけ、ダメージが増えたか?

 それでもダメだな。



「キィヤァァァァァーーーーー!」


 猿声一閃。

 蜻蛉の構えから撃ち込まれた一撃にはまるで手応えはなかった。

 だが。

 白熊の上半身と下半身の位置が、おかしい?

 いや、ちゃんと合っている。


 白熊が肩口から腰にかけて、斜めに両断されていた。

 無論、HPバーは砕け散っている。

 うお。

 凄いな、玻璃光刀。

 こんな所までいけるのか?



 他の状況は?

 戦鬼はハンターベア相手に圧倒している。

 問題なさそうだ。


 ブラックベアは既に死体となって床に転がっており、ブラウンベアも獅子吼に血達磨にされている。

 で、肝心のカンビオンは?

 まだ健在のようだ。

 とは言ってもHPバーは7割ほどになっているが。


 テロメアが空中で錫杖を振り回す姿はやや滑稽に見えるが。

 それでもなんとなく、理由が分かる気がする。

 カンビオンは多くの属性を備えていた。

 恐らくだがテロメアの特殊能力も通じ難いのだろう。

 何気にテロメアのMPバーは大きく減っているようであるし。



「サンダー・アロー!」


 オレも攻撃呪文を撃ち込んでいく。

 呪文が命中した次の瞬間、テロメアの錫杖がカンビオンの翼を直撃した。

 地面に落ちるカンビオンに殺到するヴォルフとティグリス。

 だが。

 オレの目にはカンビオンの魔力が急激に膨らんでいくように見えた。

 何だ?



 次の瞬間。

 地面が、赤熱化した?

 いや。

 カンビオンの周囲で地面そのものが溶岩のように、柔らかくなっていく。

 これは。

 カンビオンは溶属性もある。

 これが奴の戦い方か?


 ヴォルフは溶岩のエリアの寸前で突っ込まずに済んだ。

 だがティグリスは嵌まってしまっている。

 後退させるにしても溶岩は脚に絡んで継続的にダメージを与えてしまう。

 クソッ!

 厄介な奴だ!


 上空のテロメアがティグリスの目前近くにまで降りると錫杖を鳴らした。

 ティグリスが喰らっているダメージだが、その速度が一気に遅くなる。

 おお!

 ナイスだ!



「ファイア・ヒール!」

 

 ようやく溶岩地帯から脱出したティグリスを回復させ、改めてカンビオンに正対する。

 遠い間合いから攻撃する手段なら、ある。

 だがそれではオレの気が済まない。

 次の呪文で、決着をつけよう。


 玻璃光刀にセットしてある魔法技能は風魔法から氷魔法に変更した。

 そして次の呪文はこれだ。



「レジスト・メルト!」

 

 そして溶岩のエリアへと向かう。

 熱い。

 オレのHPバーへのダメージはそう大きくは無いが、確実に減っている。

 全く、手間をかけさせる奴だった。

 次の呪文を選択して実行しておきながらカンビオンとの距離を詰める。

 そしてカンビオンの頭上にはテロメアが位置した。

 逃げ場は無い。

 つか逃がすものかよ!



 カンビオンの表情は?

 能面のようにまるで変化が無い。

 いや。

 微かに、笑った?



 カンビオンの頭上に巨大な炎の塊が生じていた。

 召喚モンスター達が良く使用する規模ではない。

 デカい。

 デカ過ぎる!

 


「フリーズ・バレット!」


 カンビオンの顔目掛けて呪文を撃ち込む。

 そして次の瞬間。

 玻璃光刀で袈裟斬りにする。


 せっかくの炎の塊であったが、撃たせる所までには至らなかった。

 まるで幻であったかのように消えていく。




《光の中に安寧と過ごすなかれ》


《闇を恐れず前に進むがよい》


《光あれば闇は生じる》


《闇もまた光あればこそ》


《虚無を恐れよ》



 うむ。

 インフォは終わったか?



《S3W1のエリアポータルを開放しました!》

《ボーナスポイント5点が加算されます。合計で26ポイントになりました》

《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【風魔法】がレベルアップしました!》

《【風魔法】呪文のフライを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【耐暑】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ボーナスポイントはまあそこそこ?

 それに色々とレベルアップしているし、文句は無いんですがね。

 新しい呪文が増えているな?

 説明文を確認する前に戦鬼のステータス画面の操作を済ませておこう。


 戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値だ。

 もう1点のステータスアップは生命力を指定する。



 戦鬼 レッサーオーガLv6→Lv7(↑1)

 器用値 13

 敏捷値 22

 知力値  6

 筋力値 31(↑1)

 生命力 31(↑1)

 精神力  6


 スキル

 打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技

 関節技(New!)自己回復[微]



 非常に気になるんだが。

 何で関節技とか覚えているんだ?



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 悩む暇すらなくインフォが襲ってくる。

 もう容赦なしです。


 ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だった。

 もう1点は生命力を指定する。



 ティグリス シュトルムティーガーLv4→Lv5(↑1)

 器用値 11

 敏捷値 24(↑1)

 知力値 11

 筋力値 24

 生命力 24(↑1)

 精神力 11


 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断 風属性



 ふむ、美しい。

 ようやく終わった、かな?



 広域マップでこの場所の名前を確認しておく。

 相克の窪地、となっている。

 まあここを今すぐに拠点にするのは止そう。

 ログアウトするならインスタント・ポータルを使っておきたいからな。


 それにしても、お供がそんなに強力でなかったのは幸いだった。

 こっちにテロメアがいた事も幸いだっただろう。

 まあ日付がもう変わっている事だし、さっさとログアウトしてもいいのだが。

 色々と気になる事もあるのです。

 フライの呪文って、どうなのよ?



 エリアポータルの相克の窪地から少しだけ離れてインスタント・ポータルを展開した。

 《アイテム・ボックス》から椅子だけを出して腰を下ろす。

 風魔法の呪文、フライか。

 どんな感じですかね?


 まあ予想通り、飛行呪文だった訳だが。

 なかなか、興味深いですよ?

 飛行可能時間が、概ね280秒、となってます。

 何で、秒数単位なんだよ!

 しかも数字が微妙だし!


 飛行速度も最大で時速131km/h、となっている。

 何で数字が微妙な所で区切られているんだ?

 謎だ。

 それに呪文を掛ける対象メンバーを指定できる。

 個人指定、パーティ全体を指定、そしてユニオンを組んでいるメンバーを指定出来るようです。

 1回の呪文で対象は3つまで。

 便利すぎないかね?

 まあユニオンを組むパーティの数は際限なく増やせる訳ではなく、2つまでだが。


 では。

 戦闘記録を視聴してみよう。

 サキュバスとインキュバス、それにグールとグーラとの奴だ。


 おっと。

 視聴時間はそこそこあるし、対戦モードもやらせておきますかね?

 そうだな。

 テロメアと誰か、にしておこう。

 ティグリスと獅子吼を帰還させて、対戦相手を召喚した。

 ペプチド、それに奈落だ。

 ハンディキャップ・マッチにしても、特殊攻撃ありではペプチドと奈落に勝ち目は無い。

 テロメアは空を飛ぶのと特殊攻撃は禁止で。

 敗北ラインはデフォルトのHPバー残存率10パーセントだ。

 試合時間は10分で。

 まあ死んじゃう事はないと思いたい。

 観客にオレがいなくて、ヴォルフと戦鬼だけだが、そこは我慢して欲しい。

 では、対戦開始!

 オレは動画を視聴します。





 動画だが、相互の特殊攻撃が分かりやすくなるよう、エフェクト効果を強調して視聴した。

 派手だ。

 凄く、派手だ。

 こんな戦い方をしてたのか。



 最初、テロメアも特殊攻撃を次々と繰り出していたのだ。

 黒曜が水の針を、幻月が光の球を撃ち込んでいくのと同様、炎の塊や風の刃を繰り出していたようだ。

 悪魔のペアも反撃する。

 その様子はもう、派手と表現するしかない。

 見惚れてしまいそうだ。


 黒曜の嘴の攻撃がインキュバスに直撃した辺りで様子が変化する。

 特殊攻撃の与えるダメージが思わしくないのに比較して、黒曜の攻撃はより大きなダメージがあった。

 恐らくはそれが切っ掛けで、テロメア自身の判断で戦闘スタイルを切り替えたのだろう。

 空を舞いながら槌を振り回し始めた。


 もうね。

 苦笑するしかない。

 幻月だけが真面目に光の球を撃ち込んでます。

 黒曜の攻撃を避けたインキュバスの頭部にテロメアが槌で殴りつける。

 そして墜落。

 これは見事だ。


 墜落したインキュバスの末路はまあいいとして。

 見ていない所で色々と召喚モンスター達が独自に判断して行動を選択しているのが分かる。

 まあ普段からオレは放置なんですけどね。

 つまり、これまで通り、任せたままでもいいって事だ。

 時には指示を出しているが、ちゃんと従ってきているのだし問題は無い。




 さて、と。

 もうそろそろ、ログアウトするかな?

 で、対戦はどうなった?

 時間切れになってた。

 もう10分間経過してたのか!



《只今の戦闘で召喚モンスター『ペプチド』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 対戦1回、しかも時間切れによる判定負けでレベルアップ?

 おいおい、どうなってるんだ?


 ペプチドのステータス値で既に上昇しているのは器用値だ。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定する。



 ペプチド 大サソリLv2→Lv3(↑1)

 器用値 17(↑1)

 敏捷値 12

 知力値  7(↑1)

 筋力値 17

 生命力 14

 精神力  7


 スキル

 鋏撃 針撃 気配遮断 隠蔽 奇襲 毒



 テロメアが全力で戦っていたら?

 無論、ペプチドと奈落は纏めて炎に焼かれて終わっていただろう。

 特殊攻撃を封印しておいてこれか。

 色々と地力に差があるって事な訳だが。


 では。

 オレと奈落だとどうだろう?

 試してみよう。






《只今の戦闘で召喚モンスター『奈落』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 わお。

 対戦モードで時間切れ、HPバー残存率でオレの判定勝ちだった訳ですが。

 意外と簡単に上がっちゃいましたよ?


 では。

 奈落のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。

 もう1点のステータスアップは筋力値を指定する。



 奈落 スケルトンLv5→Lv6(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 16(↑1)

 知力値 11

 筋力値 12(↑1)

 生命力 12

 精神力 11


 スキル

 剣 小盾 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性



 オレは終始、素手で相手をしました。

 呪文の強化もなしである。

 戦ってみると分かるが、奈落はダメージを受けても戦闘中にかなりの速度で回復している。

 味方であればそう気にしてなかったが、戦ってみると実に厄介だ。

 結局、試合時間10分で決着は付かなかったのだから。


 関節技は問題外だが、体重が軽いためか、投げ技によるダメージが小さい気がする。

 剣を扱う攻撃もカウンター気味で放った突きが良かった。

 盾もあるしな。

 もう少し、タフであればもっと安心できるのですが。

 まあクラスチェンジ以降に期待だ。



 時刻はもう午前0時20分か。

 どうせだ。

 もう一戦、やっておくか?


 相手にするのは戦鬼。

 但し、オレ自身にはフィジカルエンチャント4系統、グラビティ・メイルで強化する。

 これに真練気法も使いました。



 ステータス

 器用値 18(+8)

 敏捷値 18(+12)

 知力値 30(+5)

 筋力値 18(+12)

 生命力 18(+12)

 精神力 30(+5)



 これに対して戦鬼のステータスはこうだ。



 戦鬼 レッサーオーガLv7

 器用値 13

 敏捷値 22

 知力値  6

 筋力値 31

 生命力 31

 精神力  6



 一時的ではあるが、どうにか筋力値と生命力で拮抗できそうな所になっている。

 装備の差はあるが、まあそこは気にしない。

 戦鬼は先刻のレベルアップで関節技をスキルに加えている訳だ。

 当然、興味がある。

 では、得物はどうする?

 ここは当然、素手で。


 ログアウト前に一戦だけ、ガチの格闘戦と行こう。






《召喚モンスター『戦鬼』が戦闘継続不能になりました》

《試合終了!戦闘を停止して下さい!》


 ガチ勝負は終了。

 戦鬼のHPバーは下限設定値に到達して戦闘継続不能となった。

 ヤバい。

 これ、楽しいぞ?

 戦鬼の拳を腹に喰らった時は痛さで目の前が真っ暗になりかけたけどな!



 やはり打撃戦では戦鬼に有利だった。

 何しろ体格が違う。

 ステータスだけでは分からない要素だ。

 腕の長さで比べても反則的な差になる。


 だからこそ、懐に入り込んで戦うのですが。

 投げ技、それに関節技の応酬ではまだオレの方に分があるように思える。

 技を仕掛けるスピードでどうしても戦鬼がついてこれない場面は多かった。

 フェイントにも弱い。

 技そのものは非常にいい出来で仕掛けては来るのだが、駆け引きがまだ伴っていない感じかな?

 途中から打ち込み稽古みたいになっちゃいました。



 これは、いいな。

 ここ最近、暴れ足りなくて疼く事があるんだが、いい解消法になるかもしれない。

 戦鬼には迷惑な話かもしれないが。


 それに黒曜が死に戻った事で傷付いた部分が、少し和らいだ気もする。

 自分自身を痛めつけたくなったら、対戦モードで。

 うん。

 悪くないな。

 でもここまでにしておくか。

 もう夜も遅いしログアウトしておきましょう。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv24

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv10

ボーナスポイント残 26


セットスキル

剣Lv9 両手槍Lv9 棍棒Lv9 刀Lv9(↑1)捕縄術Lv8

杖Lv18 打撃Lv15 蹴りLv15 関節技Lv15

投げ技Lv15 回避Lv15 受けLv15

召喚魔法Lv24 時空魔法Lv14 封印術Lv6

光魔法Lv14 風魔法Lv15(↑1)土魔法Lv14 水魔法Lv14

火魔法Lv14 闇魔法Lv14 氷魔法Lv12 雷魔法Lv12

木魔法Lv12 塵魔法Lv12 溶魔法Lv12 灼魔法Lv12

錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9

連携Lv17 鑑定Lv16 識別Lv17 看破Lv5 耐寒Lv8

掴みLv14 馬術Lv14 精密操作Lv16 ロープワークLv8

跳躍Lv8 軽業Lv8 耐暑Lv10(↑1)登攀Lv9 平衡Lv8

二刀流Lv15 解体Lv13 水泳Lv6 潜水Lv6

ダッシュLv7 耐久走Lv7

隠蔽Lv2 気配遮断Lv2

身体強化Lv14 精神強化Lv14 高速詠唱Lv15

魔法効果拡大Lv13 魔法範囲拡大Lv13


召喚モンスター

戦鬼 レッサーオーガLv6→Lv7(↑1)

 器用値 13

 敏捷値 22

 知力値  6

 筋力値 31(↑1)

 生命力 31(↑1)

 精神力  6

 スキル

 打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技

 関節技(New!)自己回復[微]


ティグリス シュトルムティーガーLv4→Lv5(↑1)

 器用値 11

 敏捷値 24(↑1)

 知力値 11

 筋力値 24

 生命力 24(↑1)

 精神力 11

 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断 風属性


奈落 スケルトンLv5→Lv6(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 16(↑1)

 知力値 11

 筋力値 12(↑1)

 生命力 12

 精神力 11

 スキル

 剣 小盾 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性


ペプチド 大サソリLv2→Lv3(↑1)

 器用値 17(↑1)

 敏捷値 12

 知力値  7(↑1)

 筋力値 17

 生命力 14

 精神力  7

 スキル

 鋏撃 針撃 気配遮断 隠蔽 奇襲 毒


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― 新着の感想 ―
フライ来ましたね 掲示板回が楽しみ
その手のゲームやった事ないと言ってた通り魔物の知識はあまりないサモナーさん それにしても袈裟懸けに熊を両断とか刀も凄いけど使い手も半端ない…
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