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 布陣を変えずにそのままS4W1マップの中央を目指す。

 というか。

 怪しい場所はかなり遠くから見えていた。


 噴水だ。

 そして池だ。

 いや、その規模は湖?



 明らかに、エリアポータルの気配です。

 しかもまだクリアされていない様子。

 湖畔にはプレイヤーらしき姿はない。

 テントもない。

 ここは慎重に行こう。


 残月から降りると布陣を変更した。

 少し悩んだが、残月とリグは帰還させよう。

 戦鬼と獅子吼を召喚する。

 呪文の強化を一通りしておいて。

 センス・マジックも掛けておく。

 では。

 何が待ち構えているのか?

 なんとなく予想はしてある。

 当たっても嬉しくはないのですがね。





《滅びの過去は再び訪れる》


《故きを温ねて、新しきを知れ》


《古きを捨てても無益と知れ》


《そこに滅びは在る》


《世界が壊れるその日を見るがいい》



 インフォはまたしても不穏なものなのだが。

 まあそれはいい。

 何が来る?

 どんな恐竜でもどんと来い!



 スピノサウルス Lv.2

 イベントモンスター 魔物

 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上、水中






 デカ!

 すみません、チェンジで。




 こいつは湖の中から出現してきた。

 デカいよ!

 スフィンクスやスピンクスのサイズに匹敵するだろうか?

 尻尾が長いし良く分からない。



「真練気法!」「ブレス!」「メディテート!」


 無論、ここは全力で。

 どうする?

 定番となりつつある攻撃手順を試してみよう。

 実績重視で。



「ピットフォール!」


 早速、穴に落としてみた。

 このスピノサウルス、メガロサウルスよりもフォルムはスリムに見える。

 それでいて更に大きい。

 特徴的なのは背中にあるヒレだ。

 そのヒレが穴の縁から見ると、非常に目立つ。

 恐るべき事に尻尾が穴からはみ出ている。

 どんだけ長いんだよ!


 そして恐れていた事態が。

 穴の縁に太い後脚を引っ掛けて、出てこようとしています。

 もう?

 穴の深さが足りないようだ。



 ヴォルフと戦鬼が動く。

 ヘリックスも上空から牽制を掛けた。

 ナイアスの放つ水の矢が次々と恐竜に命中するのだが。


 こいつ、まるで要塞だ。

 HPバーの減りも少ない。

 これは、ヤバいか?



「ワールウィンド!」


 近距離から攻撃呪文を撃ち込んだ。

 それでも動じない。

 続いて戦鬼が恐竜に後脚に体当たりするように組み付くと、拳を叩き込んでいく。

 ヴォルフも恐竜の眼前に出て細かく動いて牽制している。

 そこへ獅子吼のブレスが間に合った。


 再び恐竜は穴の底へ。

 だがこっちに余裕はない。

 戦鬼はいつの間にか2割ほどダメージを喰らっているし。



 呪文を選択して実行。

 穴に封じ込めておかないと大変な事になりそうだ。

 どうしたらいい?


 脚だ。

 脚さえ壊す事ができればいいんだが。

 だがどうやって?


 アレを使おう。



 《アイテム・ボックス》から取り出したのは?

 雪獣のメイス。

 そう。

 リスクは承知している。

 間合いは短い。

 だがこいつの破壊力に掛けよう。

 それに攻撃するのはオレだけではないのだ。

 召喚モンスター達もいる。

 出来るだけ、やってみるだけだ。



「ディフェンス・フォール!」


 恐竜のマーカーに小さくマーカーが重なる。

 まずは上々。

 では、殴るか。



 再び恐竜を穴の底へ追い落とした。

 脚に加えた打撃は骨を砕くまでには至らなかったようだが。

 大いなる成果もあった。

 ヘリックスだ。

 風の刃が恐竜の目に直撃、片目の視界を奪ったのでした。

 これは大きい。

 狙った攻撃は飛んでこないだろう。

 適当に暴れる可能性は高まるが。


 オレ自身もHPバーにダメージがあった。

 2割ほど減っている。

 前脚、というか腕の爪が掠ったのだ。

 掠ってこれかよ!

 回避し損ねたのは文字通りに痛いものになった。



「オフェンス・フォール!」


 こうなったら長期戦だ。

 見ていろよ。

 時間は掛かるだろうが、絶対に仕留めてやる。





 どれほどの時間が経過しただろうか?

 ピットフォールは3回目を使う事になった。

 そのピットフォールの効果が切れる前に、恐竜は仕留めた。

 確かに、仕留めた筈だ。

 穴の底で恐竜は既に事切れている。

 それでいて信じられないオレもいた。



《滅びの過去の姿を見よ》


《符号するサインを見逃すな》


《怠惰に逃げるのは易い》


《そこにも滅びは在る》


《世界が壊れるその日は今、始まるのかも知れぬ》



 ちゃんとインフォがありました。

 まだ戦闘が続くなんて嫌です。

 これは絶対にだ。

 そんな余裕はありません。



《S4W1のエリアポータルを開放しました!》

《ボーナスポイント9点が加算されます。合計で21ポイントになりました》

《只今の戦闘勝利で【棍棒】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【ダッシュ】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 おお!

 感覚的には早いレベルアップです。

 ここの所は探索行動が多かったし、不思議ではない。


 ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。

 もう1点のステータスアップは筋力値を指定する。



 ヴォルフ グレイウルフLv8→Lv9(↑1)

 器用値 13

 敏捷値 32(↑1)

 知力値 13

 筋力値 20(↑1)

 生命力 24

 精神力 13


 スキル

 噛付き 疾駆 裂帛 天啓 追跡 夜目 気配遮断



 だがこれでインフォは終わらない。

 次は何だ?



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘリックス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 これもここ最近の活躍を考えたら順当か?

 それはそれとして。

 空きスキルがあるんですが?

 選択できるのは3つの属性だ。

 火、土、水か。


 ここはノータイムで土を選択する。

 あのヘザーの例もある。

 先々、クラスチェンジしたら雷属性を得る事ができるかも?


 おっと。

 ヘリックスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。

 もう1点は生命力を指定する。



 ヘリックス ファイティングファルコンLv6→Lv7(↑1)

 器用値 14

 敏捷値 29(↑1)

 知力値 23

 筋力値 14

 生命力 15(↑1)

 精神力 15


 スキル

 嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動

 風属性 土属性(New!)



 これでいいか。

 だが終わらない。

 インフォがまだまだ、終わらない。



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナイアス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 よしよし。

 経験値はオレの想像以上に稼いでいたようだ。

 さもありなん。

 相応の苦戦をしてきたからな。


 ナイアスのステータス値で既に上昇しているのは知力値だった。

 もう1ポイント分のステータスアップは生命力を指定しておく。



 ナイアス メロウLv3→Lv4(↑1)

 器用値 19

 敏捷値 18

 知力値 25(↑1)

 筋力値  8

 生命力  9(↑1)

 精神力 18


 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 呪曲 水属性



 で、インフォは終わった訳だが。

 ここまではいいんだ、ここまでは。

 不味い状況ではある。

 何故ならば。

 レベルアップしなかった戦鬼と獅子吼はステータス値にペナルティを受けている。

 半分に相当する所まで低下していた。

 これ以上の戦闘はやらせるべきではないだろう。


 そしてオレ自身ですが。

 MPバーは一気に3割程になってしまっている。

 探索行動を続けるには微妙な所か?

 マナポーションという保険があるにせよ、かなり消耗してしまったものだ。


 何よりも先刻の戦闘の反省もある。

 動きを封じるのであれば、黒縄なり、デニールを交代で召喚するなり、他にも手段があったと思うのだ。

 足りなかったな。

 工夫が、足りない。

 そう、もっと上手い方法があったと思う。



 広域マップでエリアポータルを確認してみる。

 ここは古代の噴水、であるらしい。

 時刻は午後4時20分といった所か。

 夕食にするには微妙な時刻だ。


 決めた。

 消極的に過ぎるのも良くない。

 布陣を変更して、当初の予定通り、S3W1マップを目指そう。

 まだ陽光があるうちに距離は稼いでおかないと、な?


 では。

 戦鬼、獅子吼は帰還させよう。

 ナイアスもMPバーがもう残り少ない。

 これも帰還させて、と。

 ヴォルフとヘリックスはこのままで。

 残月、黒曜、幻月を召喚する。

 マナポーションでMPバーを少し回復させておくのも忘れてはいけないな。


 今度は北だ。

 出来るだけ距離を稼いでおきましょう。





 このマップなんですが。

 木々の合間にも恐竜の姿が見えた。

 小型だし、マーカーも黄色なので、当然無視なのだが。

 ここは何もかもが恐竜の世界のようです。

 何かの拘りを感じる。


 で、移動なんですが。

 コール・モンスターを駆使しながら厄介そうなメガロサウルスを避けるようにコースを変えた。

 そしてハゲ恐竜こと、パキケファロサウルスの群れもだ。

 戦闘は避けたい。

 翼竜のプテラノドンもだが、これはさすがに逃げ切れるとは思えなかった。

 気持ち、木々の影を選んで移動するようにしたが、どれ程の効果があったかは不明だ。




 時刻は午後6時20分。

 そろそろ残月での移動も限界か?

 ほぼ2時間、出来るだけ移動優先で行動したが、さすがにS3W1マップとの境界に至る事は出来なかった。

 戦闘も何度かあったのも響いた。

 メガロサウルスとの戦闘はなかったのだから上々とも言えるが。


 ここまで、だな。

 途中、マナポーションでMP回復もしてあったし、残月のスキルの効果もあってMPバーは6割ほどである。

 まだ先に進むかどうかはともかく、夕食にしよう。


 インスタント・ポータルを展開。

 残月は帰還させて文楽を召喚する。

 どうにか一息、つけそうです。




 古代石柱の発掘も進める気分じゃなかった。

 《アイテム・ボックス》の中身を少し整理して文楽の料理を待つ。

 周囲の様子は?

 穏やかなものです。


 だが。

 文楽の料理を味わっている最中にその光景を間近で見る事になりました。

 メガロサウルスだ。

 その群れである。

 なんと、インスタント・ポータルと重なるような形で通過して行きましたよ?

 その数、5頭。


 うん。

 相手にしたくないね!

 ピットフォールで落とせる数とも思えない。



 食事を終えて、布陣をどうするか、悩んでいた所でも群れに遭遇しました。

 今度はハゲ恐竜こと、パキケファロサウルスだ。

 まあこいつ等は昼間でも群れがいたから驚きはない。

 でもね。

 間近で見ると迫力が違うのだ。

 いや、本当に夜っておっかないのな!



 広域マップで位置を確かめる。

 S3W1マップまでの距離は?

 残月の脚があったら1時間どころか、10分以内で到達できそうな感じだ。

 オレが普通に歩いて移動していたら1時間以上かかるかもしれないな。

 欝だ。


 いや、普段ならば魔物を狩りながらでいいんだが、想定される相手が相手だ。

 このままログアウトしてしまうのもいい。

 リターン・ホームを使うのもいいだろう。


 でもね。


 マナポーションを使ってまで移動した事そのものが惜しく感じてしまうのだ。

 ここまで来たら先へ進もう。

 死に戻っても灰色の森に戻るだけだ。

 ここは開き直っていい。

 先へ進もう。

 いや、向かう先はレムトの町により近いマップなのだから、逃げていると言ってもいいのだが。


 これは敗走ではない。

 撤退だ。

 戦略的撤退なのだ。

 そういう事にしておこう。



 で、布陣はどうしよう?

 ヘリックスと文楽は帰還させるとして、だ。

 戦鬼も獅子吼もステータス異常から回復しきっていないようだ。

 ステータス異常を喰らってからまだ2時間程度しか経過していない。

 まあ仕方はないんですがね。


 テロメアを召喚する。

 夜の最大戦力ですからこれは悩まないで済む。

 そしてティグリスも召喚する。

 まあ移動も考えないといけないしな。


 ヴォルフ、黒曜、ティグリス、テロメア、幻月の布陣だ。

 戦力的に不足するとは思わない。





 では。

 呪文で強化して、と。


 走れ!

 走れ、走れ!


 S3W1マップの境界線に向かって走るんだ!

 コール・モンスターで周囲の状況を確認しながら進む。

 いや、走る!

 魔物は小規模ながら群れを形成しているようだ。

 その影響かな?

 割と戦闘回避は出来そうな気がする。



 だが。

 認識していない恐竜にはコール・モンスターは通用しないのであった。

 ヴォルフと黒曜の警告で後方を確認してみたら、そこに奴がいた。



 スケルトンプテラノドン Lv.4

 魔物 アンデッド 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:空中 闇属性



 突っ込んでいいかな?

 その姿は骨格標本でしかない。

 どういう理屈で飛んでいるというのか?



 最初の攻撃を避ける事ができたのは幸運だっただろう。

 魔物の嘴はオレがいた周辺の地面をごっそりと削っていました。

 あれ、喰らったら洒落にならんな。



「真練気法!」


 すぐに呪文を選択して実行。

 空中の召喚モンスター達も一斉に動き出した。

 夜の闇の中に炎塊が乱舞する。

 魔物はその幾つかに直撃されながらも悠然と旋回していた。


 再び上空から急降下。



「サンシティフィ・アンデッド!」


 効いたか?

 効いている、よな?

 多分、効いているのだろう。


 超絶なまでに接近した魔物の赤いマーカーに小さなマーカーが重なっている。

 同時に巨大な炎塊に全身を焼かれて墜落した。

 軟着陸?

 いいえ、胴体着陸ですね。



 再び飛び上がろうとする所を黒曜が牽制する。

 僅かに時間が稼げただろう、

 魔物の翼にヴォルフとティグリスが噛み付いているのが見えた。

 おお。

 無茶はするなよ?



 魔物が翼を大きく羽ばたかせた。

 羽は全くないが、確かに風が生じる。

 謎だ。

 ティグリスはその勢いで引き剥がされてしまう。

 ヴォルフは地面に叩き付けられる前に自ら離れた。



「ブランチ・バインド!」


 空に逃がしてなるものか。

 魔物の右の翼と胴体に木の枝が次々と絡んでいく。


 デニールはいない。

 だがその糸と似た効果のある呪文ならば、使える。

 反省していればこそ、だよな?




 魔物の全身は噛み砕かれていく。

 骨があちことで両断されていくのだが、高速で修復をしている様子である。

 全く、厄介な。


 幻月が眼窩の奥に炎を撃ち込み、黒曜、ティグリス、テロメアが同時に風を巻き起こした。

 人魂は一気に掻き消されるように散ってしまう。

 その最後は意外な程にあっけないものでした。


 不満?

 ありませんとも。

 暴れ足りない?

 支援で十分です。



 何かがウズウズと、皮膚の下を這うような感触がある。

 抑えろ。

 ダメだ。

 あんな大きな相手に接近戦とか、そんなリスクを犯す意味はない。


 よせ。

 よすんだ。



 魔物は何も残さず消えてしまった。

 それがまたオレの中に何かを生じさせていく。


 よせ。

 よすんだ。

 我慢しろ。


 暴れる機会なんて、この先にいくらでもあるさ。






《これまでの行動経験で【耐久走】がレベルアップしました!》


 夜の闇の中をずっと駆けているうちにレベルアップしていた。

 いかんな。

 仕方ないとはいえ、戦闘を避けつつ走りっ放しだ。


 時刻は午後7時40分。

 もうすぐ、S3W1マップに到達できるだろう。



 広域マップではS3W1マップに到達した筈だ。

 周囲の地形に大きな変化はないようにも見える。

 いや、やや樹木が増えた丘陵地といった感じになっている。

 そして大きな変化があった。


 それはコール・モンスターでも明らかだ。

 恐竜達がいない。

 うん。


 逃げたわけじゃない。

 戦略的撤退である!

 次に訪れる時には狩り尽くせるようになっておきたいものだ。




 S3W1は果たしてどんな魔物がいるのか?

 ここはレムトから見て4マス分、離れたマップである。

 難易度的に見ても厄介である可能性は高い。

 N1W3マップ、S1W3マップ、それにS4マップと同レベルであれば、いい感じで狩りを進められる筈だ。

 その筈なのだ。





 サキュバス Lv.9

 悪魔 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:空中、地上

 闇属性 火属性 風属性 土属性 塵属性



 インキュバス Lv.9

 悪魔 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:空中、地上

 闇属性 火属性 風属性 水属性 灼属性



 最初に遭遇したのがこいつ等だ。

 ペアなのか?


 サキュバスもインキュバスも何やら典型的な悪魔のように見える。

 醜悪な外観、まるで鬼のようなインキュバス。

 それとは対照的なのがサキュバスだ。

 妖艶、それでいて小悪魔的な美人だ。

 いや、悪魔ですけど。

 両者ともに背中にあるのはコウモリの翼だ。

 一種独特の調和を見せていた。


 だが、こいつ等だけではなさそうです。

 何だ?



 グール Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 闇属性


 グーラ Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 おいおいおい。

 どこのホラー映画ですか?

 その数、たくさん。

 数える気にならない。

 赤いマーカーが乱舞していた。


 グーラ、というのは女性の姿をしている奴がそうらしいな。

 どれも無駄に美女ばかりだ。

 でも目の奥が赤く光っていて台無しだが。



 黒曜、テロメア、幻月よ。

 悪魔は任せた。

 空中にいる相手にはどうしようもないのです。

 オレとヴォルフ、ティグリスはグールとグーラの集団の相手をしよう。



 ところでこのグールにグーラなんですが。

 アンデッドじゃないのか?

 どうも魔物のカテゴリがどうなっているのか、良く分からないです。




「真練気法!」


 武技も注ぎ込んだ。

 相手は多数。

 余裕なんてないのであった。





 ヤバい。

 この状況は、ヤバいか?

 でも楽しくなってきている自分もいる。

 ナチュラルハイだ。


 最初のうちは独鈷杵とトンファーで対応していたのです。

 だがダメだ。

 タフなのだ。

 それにダメージを喰らわせても動きがまるで鈍らない。


 どうする?

 どうすればいい?


 こうしたのでした。

 独鈷杵とトンファーは仕舞い込んだ。

 《アイテム・ボックス》から少し時間を掛けて、玻璃光刀を取り出す。

 こいつらの足を止める。

 それが先決だろう。



 刀を、抜く。

 その刃に宿るのは風。



「シッ!」


 裂帛一閃。

 最初の一撃はグーラの太ももに撃ち込んだ。

 無論、ダメージはある。

 だが目的はそこにはない。


 太ももを両断出来ていた。

 ふむ。

 まあまあか?

 本当は首を両断したい所だが。

 要するに戦える魔物の数が減るのであれば、どこを両断してもいい。

 腕はあまり芳しくないだろう。

 足なら及第点だ。



 それでもグーラは平気な様子で動こうとしていた。

 HPバーも余裕で7割ほども残ってやがるし。

 だが。

 片足を失っていては脅威は半減以下だ。

 そもそもグールもグーラも長い間合いの得物を持っていない。

 粗末そうなナイフだけだ。


 ままよ。

 要するにまともに動けなくしたらいいのだ。

 当面はそれで凌げる。


 上空では派手に戦闘が繰り広げられているようだ。

 視界の端にどうしても写りこんで来る。

 少し手間であるが、この戦闘を録画するように設定しておいた。

 サキュバスにインキュバスか。

 興味はある。




 地上にいるグールもグーラも、まともに動けている奴はもういない。

 半分ほどはもう仕留めきった。

 もう半分はヴォルフとティグリスにより処刑続行中です。


 途中、上空からインキュバスが墜落してきたのには驚いた。

 もっと驚いたのは、そのインキュバスが他の魔物に変化した事だ。

 ヘビに変身。

 そしてオレに襲い掛かってきたが、刀を一閃。

 それで決着がついた。

 もう既に瀕死だったようだし、それが順当な所だったのだろう。



 上空では派手にやり合っていたようだが、既に形勢は決していた。

 サキュバス1匹に対して、黒曜、テロメア、幻月が追い掛け回している。

 どうしても黒曜を振り切る事が出来ずにいるようだ。

 隙が出来た所でテロメアの槌が撃ち込まれていくパターンになってます。

 幻月は光球を撃ち込んで支援を継続している。

 まあそれはいいんだが。

 幻月のMPバーの減りだけが大きい。


 サキュバスも程無く沈んだ。

 地上でも動いている魔物の数は減っている。

 テロメアがMPバーの回復をしながら止めを刺す様子を眺めながら思う。



 まだだ。

 もう少し、かな?

 暴れ足りないのであった。

 まだ血が騒いでいる。


 これを鎮めるのはアイテムしかない。

 そう。

 良さげなアイテムが剥げたら静まる筈だ。


 魔石が2個でした。

 微妙。



《これまでの行動経験で【解体】がレベルアップしました!》



 微妙?

 それなのに【解体】がレベルアップか。

 まあそれもいいさ。

 今は移動を優先しましょう。

 走るんだ。

 エリアポータルの在り処に向かって、走れ!





 その後、サキュバスとインキュバスの番に2度、遭遇した。

 レベルは最初に遭遇した奴等よりも低い。

 無論、全滅させたのだが。

 お供のグールとグーラの数は少なかったようです。

 そしてグールとグーラからはアイテムは剥げない。

 サキュバスとインキュバスからは安定して魔石が剥げている。

 微妙だ。

 微妙すぎる。


 他に稼げそうな相手っていないのかな?

 さもなければこのまま移動し続けてエリアポータルまで行ってしまってもいいだろう。


主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv24

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv10

ボーナスポイント残 21


セットスキル

剣Lv9 両手槍Lv9 棍棒Lv9(↑1)刀Lv8 捕縄術Lv8

杖Lv18 打撃Lv15 蹴りLv15 関節技Lv15

投げ技Lv15 回避Lv15 受けLv15

召喚魔法Lv24 時空魔法Lv14 封印術Lv6

光魔法Lv14 風魔法Lv14 土魔法Lv14 水魔法Lv14

火魔法Lv14 闇魔法Lv14 氷魔法Lv12 雷魔法Lv12

木魔法Lv12 塵魔法Lv12 溶魔法Lv12 灼魔法Lv12

錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9

連携Lv17 鑑定Lv16 識別Lv17 看破Lv5 耐寒Lv8

掴みLv14 馬術Lv14 精密操作Lv16 ロープワークLv8

跳躍Lv8 軽業Lv8 耐暑Lv9 登攀Lv9 平衡Lv8

二刀流Lv15(↑1)解体Lv13(↑1)水泳Lv6 潜水Lv6

ダッシュLv7(↑1)耐久走Lv7(↑1)

隠蔽Lv2 気配遮断Lv2

身体強化Lv14 精神強化Lv14 高速詠唱Lv15(↑1)

魔法効果拡大Lv13 魔法範囲拡大Lv13


召喚モンスター

ヴォルフ グレイウルフLv8→Lv9(↑1)

 器用値 13

 敏捷値 32(↑1)

 知力値 13

 筋力値 20(↑1)

 生命力 24

 精神力 13

 スキル

 噛付き 疾駆 裂帛 天啓 追跡 夜目

 気配遮断


ヘリックス ファイティングファルコンLv6→Lv7(↑1)

 器用値 14

 敏捷値 29(↑1)

 知力値 23

 筋力値 14

 生命力 15(↑1)

 精神力 15

 スキル

 嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動

 風属性 土属性(New!)


ナイアス メロウLv3→Lv4(↑1)

 器用値 19

 敏捷値 18

 知力値 25(↑1)

 筋力値  8

 生命力  9(↑1)

 精神力 18

 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 呪曲

 水属性

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― 新着の感想 ―
嫁はしゃべれるようにならないの?
ポータル開放戦でポイント9って何気に最多かな?
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