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ヴォルフがいてくれて良かった。
サソリの襲撃は更に2回、続いたのです。
事前に襲撃が分かっている相手だと心構えが違う。
ヴォルフの警告は的確だった。
出て来ないなら攻撃呪文を先に叩き込めるしな。
アイテムは?
ちゃんと持っていたようです。
【素材アイテム】殺人蠍の爪 原料 品質C+ レア度4 重量1
キラースコルピオンの爪。爪の形状は鋏状。
大きさの割りには非常に軽い。
ほう。
これは興味深い。
カニ装備の上位装備になりそうな雰囲気があるよね?
出来ればすぐにでも装備にして欲しい所だが。
リターン・ホームは我慢しよう。
夕食後、夜の狩りもしてみたい。
それに隣のS4マップでも夜の狩りをしておきたいのだ。
今日は魔人を1人、片付けているしな。
昨日とは一転、いい感じでログアウトしたいものです。
新たな魔物、現る。
夕焼け空にその影はハッキリと見えたものだ。
鳥?
そう、空を飛んでいるのだから最初はそう思ってましたが。
サイズ、おかしくないか?
大きい?
それになんか鳥じゃなくて獣みたいなんですが?
スピンクス Lv.1
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:空中、地上 ???
おいおいおい。
恐らく、いや間違いなく格上?
ステータスの一部が見えない。
黒曜が魔物の周囲を飛び回って水の針を撃ち込んでいるが、まるで気にしていない。
凄い。
直撃を受けているのに悠々とオレ達の目の前に舞い降りた。
着地。
そして翼が烈風を生み、砂埃が周囲を舞う。
地上戦でやる気か?
「真練気法!」「ブレス!」「メディテート!」
武技を次々と実行、そして呪文を選択して実行。
ここは全力で行け。
1匹とはいえ格上の相手だ。
逃げる事も考えた方がいいか?
いや。
弱気になるな!
前向きに考えよう。
それにしても、だ。
巨大な獅子の胴体に4つの足。
獅子の頭部の代わりに女性の上半身。
そして女性の上半身には腕は無く、巨大な翼がある。
その威容を示すかのように大きく両翼を広げていた。
一番気になるのは?
顔だ。
何よりもその大きな顔が無駄に美人なのだ。
魔物なのに。
美人は嫌いじゃないが、顔だけでオレの身長より大きくないか?
まだ少し距離はある。
攻撃を仕掛けるには微妙な距離。
だが。
意外な方法が膠着状態を破ったのでした。
「グァァァッ!」
ヴォルフが吠える。
スピンクスはヴォルフ目掛けて襲い掛かってきた。
即ち、オレのいる方向にだ。
いいぞ。
来い!
スピンクスは猫が鼠かゴキブリを攻撃するような格好でこっちを襲ってくる。
それだけではない。
闇だ。
いくつもの闇の球体が周囲に生じて浮いたかと思うと、帯状に変化してオレ達を襲ってくる。
だが。
こっちの保険が効いた、かな?
「ディメンション・ミラー!」
いくつもあった闇の帯だが、オレ達の目の前で次々と反射していく。
その幾つかはスピンクス自身を傷付けているようだ。
ヴォルフを潰そうとした前脚の攻撃も失敗している。
ダメージがあるかどうかは分からない。
大事なのは体勢を崩したという事実だ。
ジェリコが、護鬼が、前へと進む。
オレも続いた。
そして追い越す。
そんなオレをヴォルフが追い越していく。
既に次の呪文は詠唱終了してある。
その次も選択して実行済みだ。
連続で攻撃呪文を撃ち込めるか?
失敗したら間違いなく酷い事になりそうだが。
心強い支援が後方から飛んでくる。
ナインテイルが幾つもの光の塊を魔物の顔に集中して撃ち込んでいる。
そして空中からも黒曜が水の針を撃ち込む。
やはり顔に集中している。
無視されるほど、黒曜は弱くないぞ?
思い知らせてやるがいい!
「ワールウィンド!」
狙いは?
魔物の左腕のようにも見える翼だ。
飛んでいるこいつを仕留めるのは厄介に過ぎるだろう。
動きを封じるにはまず翼からだ。
片方で、いい。
切り刻め!
「エネミー・バーン!」
更に追加で翼を焼く。
おお!
いい感じで焼けてるんじゃないかな?
それでも魔物のHPバーはまだまだ余裕だ。
9割、残ってやがる。
だがもう左の翼は使えそうに見えない。
飛べないうちに仕留められるか?
独鈷杵を右手に持つと氷の刃を展開する。
左前脚の指を狙って何度も撃ち込んだ。
地面近くには砂塵が舞っていて状況が見え難い。
だが魔物の行動は把握できる。
デカいからな。
再び魔物の周囲に闇の球体がいくつも浮く。
またかよ!
だが対抗策なら、ある。
呵責のトンファーは伊達じゃないのだ。
「スペル・バイブレイト!」
周囲の闇の球体がいくつも消えていく。
全部消えなかったのは残念だが。それ所ではない。
呪文も選択して実行しながら攻撃を積み重ねる。
魔物と視線が合った。
ああ。
美人だ。
でもその頭頂部を黒曜が突いているのが見えている。
牽制してくれているらしい。
魔物の頬に光の塊が撃ち込まれている様子が至近距離で見えた。
こうなるのね?
美しい顔が歪む。
残念顔だ。
怒りの表情になっている。
美人さんなのに勿体無い。
「ピットフォール!」
穴に、落ちろ。
下半身は完全に穴の中へ。
魔物は前脚を穴の縁にかけて落ちまいともがくのだが。
その体勢は隙だらけだ。
地面を舞っていた砂塵が晴れていく。
いつの間にか、召喚モンスター達がオレの周囲に集まってきている。
どうしたらいいのか、分かっている、よね?
魔物よ。
スピンクスよ。
お前は、オレ達を、見下していたな?
確かにこっちが格下だとは思うが。
その報いはこれからですよ?
では。
残酷でいいから攻撃をしましょう。
ナインテイルだけは変わらず光の塊を撃ち込んで行く。
護鬼とヴォルフが魔物の右前脚に攻撃を加える。
ジェリコは左前脚だ。
黒曜は顔を、いや目を狙って攻撃をしているようだ。
いいぞ。
もっとやって差し上げなさい。
オレはどうしたか?
魔物の豊満な胸を狙う。
なんというけしからん大きさなのか。
体毛で覆われていて淫靡な感じはしない。
氷の刃を振るう。
手応えは十分。
魔物のマーカーも確実に減っていく。
あの闇の球体も出せなくなっているようだ。
スピンクスの最後の表情は?
恐怖。
そんな感じでした。
しかし、狩っていて言うのもアレだが、よく勝てたな!
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
だが。
これだけの報酬がありましたよ?
十分過ぎます!
基礎ステータス
器用値 18
敏捷値 18
知力値 30(↑1)
筋力値 18
生命力 18
精神力 30(↑1)
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で21ポイントになりました》
よしよし。
だが。
これで終わらない。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
いい調子です。
それに空きスキルも1つある。
属性を1つ、追加できるようだ。
選択肢は、火、風、土になる訳だ。
ではどうする?
黒曜のステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。
ちょっと意外でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定する。
黒曜 ミスティックアイLv6→Lv7(↑1)
器用値 14
敏捷値 23
知力値 22
筋力値 15(↑1)
生命力 15(↑1)
精神力 22
スキル
嘴撃 無音飛翔 遠視 夜目 奇襲 危険察知 天耳
風属性(New!)水属性
鳥なんだし、風属性はあっていいと思います。
しかし良く育ってくれました。
黒曜のMPバーはもう枯渇寸前だ。
ナインテイルも枯渇しかかっている。
この2匹は交代させないと、な。
で、魔物の死体なのですが。
何が剥げたのか、と言えば古代石柱です。
なんとまあ。
また奇妙で厄介な物が追加になったものです。
発掘するのに時間が掛かるんだよな、これ。
まあいい。
夕食にしましょう。
そうしましょう。
インスタント・ポータルを使って、と。
黒曜とナインテイルは先に帰還させましょう。
ヴォルフと護鬼はダメージを呪文で回復させておく。
では。
文楽を召喚して料理をさせておく間に何をするか?
召喚魔法がレベルアップしているのです。
新人さん、いらっしゃい!
だがここで問題発生。
リストに追加されているモンスターがいます。
一番下だ。
そうか。
お前が追加されたのね?
改めて召喚可能なモンスターのリストを見る。
ウルフ
ホース
ホーク
フクロウ
ウッドパペット
バット
ウッドゴーレム
ビーストエイプ
鬼
赤狐
タイガー
バイパー
スケルトン
スライム
ミスト
ライオン
大亀
フェアリー
ギガントビー
ビッグスパイダー
ビッグクラブ
シースネーク
マーメイド
大サソリ
一番下に違和感が。
大サソリ、ね。
これは悩ましい。
これまで、テロメアの為に居なくなった3種の召喚モンスターを補充してきたのだが。
ミストを追加する手も確かにある。
だがここは敢えて未知の世界へ。
ペプチド 大サソリLv1(New!)
器用値 16
敏捷値 12
知力値 5
筋力値 16
生命力 14
精神力 7
スキル
鋏撃 針撃 気配遮断 隠蔽 奇襲 毒
うむ。
次はミストにしましょうかね?
そうしましょう。
だがこのマップ周辺でいきなり戦わせるのは無茶だろうな。
帰還させます。
では誰を?
テロメアを召喚しておきましょう。
食事を終えたら文楽も交代させて狩りの続きをしておきたいからな。
古代石柱の発掘も終わりが近い。
作業も進めていたのですが、思わぬ邪魔があった。
殆ど日が沈んでいる周囲の光景に大きな影。
何かが、いた。
だがここはインスタント・ポータルだ。
安全、といえば安全なのだが。
何がいるのか、ハッキリとした姿は確認できない。
【識別】も効かない。
視界の確保にフラッシュ・ライトを使っていたが、その影に光は当たっていないのだ。
おっと。
ノクトビジョンを使えばいいんじゃないの?
で。
その影は何であったか、と言えば。
スピンクス?
但し、オスのようだ。
胸の盛り上がりは無い。
顔も美人さんではなく、凛々しくも威厳のある男のものであった。
ここまで近くで見る事になるとは。
さすがに怖い。
文楽の料理を平らげている間、その魔物はオレ達がいる場所の近くを徘徊していた。
食事を終えた後もまだ、いる。
気になって古代石柱の発掘作業もやる気になれない。
夕日が完全に落ちているってのに。
もしかしてこの魔物は昼も夜も出現するタイプなんだろうか?
仕方ない。
いや、前向きに考えたら、これは奇襲のチャンスだ。
うむ。
文楽を帰還させて獅子吼を召喚する。
これで布陣はヴォルフ、ジェリコ、護鬼、獅子吼、テロメアとなる。
呪文の強化は出来るだけやっておこう。
グラビティ・メイルも注ぎ込んでおく。
真練気法も使っておいて、と。
さあ。
狩るか。
無論だがインスタント・ポータルから出るタイミングは魔物が背中を向けた時である。
当然だな。
攻撃呪文も用意済みだ。
しかも追加の攻撃呪文もインスタント・ポータルを出るのと同時に選択して実行する。
まだ魔物はこっちに気が付いていない。
スフィンクス Lv.2
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:空中、地上 ???
ほう。
似て非なる名前だ。
つかこっちの方が有名ですよね?
後ろから見ると良く分かるが、尻尾の先には真っ直ぐ尖った剣のような物まである。
いやはや、物騒な奴のようだ。
まあそれはそれとして。
穴に落ちて貰いましょう。
「ピットフォール!」
いきなり下半身が穴に沈む。
そしてテロメアが翼に炎を次々と撃ち込んで行く。
魔物の体はいきなり半分近くが地面に埋まるような形になった。
まずは奇襲成功。
獅子吼がブレスを吐いて翼を更に焼いていく。
空を飛ぶ?
そんな事、やらせる訳ないですよ?
「エネミー・バーン!」
ここは念入りに焼いておこう。
魔物の翼は両方とも派手に燃え上がっている。
いいぞ!
出来れば完全に穴に嵌まって欲しい所だ。
穴の縁に両前脚ばかりでなく、頭まで使って穴に落ちまいとする魔物。
うん、いい的だな!
ヴォルフが、ジェリコが、護鬼が、それぞれに前脚を攻撃していく。
完全に穴へ追い込む事が出来るか?
いや、その前にこの魔物が沈むかも?
魔物の頭上にテロメアが移動している。
頭頂部に降り立つ。
その右手には槌。
左手には錫杖。
魔物の頭に向けて撃ち込み始めました。
実に楽しそうだな。
あ。
いけない。
オレが暴れ足りないぞ!
獅子吼と共に穴の縁を回り込んで、魔物の顔に向けて攻撃を重ねてやる。
しまったな。
出遅れたか?
魔物の顔側へとオレも回り込んで攻撃を仕掛ける。
威厳のある男の顔だが。
何故だろう、良く見るとこいつも無駄に美男子だ。
威厳もある。
だがスピンクスとはまた別の意味で容赦はしない。
きっと、モテるんだろうな、ここまで美形だとさ。
死ね。
お前みたいなモテそうな奴は滅んでいい。
暗い情念を無理矢理に湧き起こして魔物を攻撃し続けた。
その結果は?
魔物は事切れたと同時に穴の底に落ちていった。
それでも魔物の頭頂部は地面の上に出ている。
いやはや、大きい魔物って大変です。
ピットフォールの効果が切れた所で魔物の死体を眺めてみる。
いや、本当に大きいな!
呪文なしで勝てる相手ではない。
何よりも、奇襲が成功、こっちのダメージが殆どないっていうのも幸運であっただろう。
ヤバい、な。
さすがにマップも先に進むと大変だ。
強い、というよりも倒すのが面倒そうであるって意味も含めると、難易度はマンモスより上かな?
それだけに期待がある。
何が剥げるのか?
【素材アイテム】獅子賢者の針 品質B- レア度6 重量1+
スフィンクスとスピンクスの尻尾にある針。麻痺毒があり危険な代物。
さあ、ヤバいものが剥げましたよ?
だがこれ、針というには太すぎる。
もう少し太さがあれば、槍の穂先にでも使えそうだ。
いや、槍の穂先にするには長すぎるか?
まあ、今は悩むのは止めよう。
後で考えたらいい。
さて、と。
コール・モンスターで周囲を確認してみよう。
なんと、スフィンクスもスピンクスもいる。
それも1対1の番になっているような感じなんだが。
まさか。
先刻の個体だが、番の相手を探していたって事なのか?
それは済まん事をした。
オレの経験値となって生き続けて欲しい。
それにサソリだ。
昼間は地中にいて待ち伏せしていたのが、夜になって徘徊するようになっていた。
しかも小規模ながら群れになって。
これは危うい。
いや、毒に対抗するだけの対策があればむしろ好都合か?
現在の布陣で言えばジェリコがそうだ。
有利な状況に持ち込む手段ならあるではないか!
では。
少しサソリさんには相手をして頂こうか。
時刻は午後9時になろうとしていた。
サソリさん、美味しいです。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ジェリコ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
美味しいです。
ジェリコは何度も攻撃を喰らっているが、毒は通用していない。
実に美味しいです。
ステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。
もう1点のステータスアップは敢えて敏捷値を指定する。
ジェリコ マッドゴーレムLv5→Lv6(↑1)
器用値 6
敏捷値 7(↑1)
知力値 6
筋力値 38
生命力 38(↑1)
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[微] 受け 液状化
美味しいのは他にもある。
殺人蠍の爪も幾つか得ているが、別のアイテムも1個、剥いでいた。
これです。
【素材アイテム】殺人蠍の針 原料 品質C レア度4 重量0+
キラースコルピオンの針。非常に細くて丈夫。
先端には毒がある。
こっちは分かり易いな。
暗器にできそうです。
隠し爪にしたらちょうどいい太さに長さだ。
そこそこにアイテムも稼げた。
そろそろ、切り上げようか?
何故ならば。
スフィンクスとスピンクスの番が近づいているのだ。
まだパッシブであり、こっちをすぐに襲ってくる様子はないが。
ここは隣のS4マップに撤退しましょう。
ジェリコはここで帰還させよう。
移動するにはどうしても不利だからな。
交代でヘザーを召喚しておく。
S4マップでも夜の狩りを続ける予定です。
戦力は出来るだけ高いままにしておきたい所だ。
徐々にS4マップとの境界に迫っていたのですが。
初見の魔物がまだいたようです。
マミー Lv.4
魔物 アンデッド 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 闇属性 塵属性 火耐性 風耐性
なんでだろうか?
スフィンクスがいたせいもあるが、なんとなく納得できる魔物だ。
アンデッドか。
全身包帯だらけで両手を肩の高さに掲げてこっちに迫ってくる。
その動きは鈍い。
こうして見ると、あまり強そうに見えないのだが。
数が多いしな。
7匹いる。
それにここで足止めされていると、スフィンクスとかも近寄っているしな。
ここは一応、全力で。
「サンシフィティ・アンデッド!」
これで弱体化した筈だが。
動きが鈍いから本当に弱体化したのか、分からない。
だが効いているようです。
赤いマーカーに小さくマーカーが重なっていく。
さあ、どうなるか?
結論から言えば。
面倒なんてもんじゃねえ!
一番困ったのはテロメアとの相性の悪さだ。
徹底的に、悪い。
テロメアの放つ特殊攻撃の属性は闇、火、風だ。
この魔物は闇属性に加えて火耐性と風耐性を持っている。
一通り使ってみたようだが、効きの悪さ故に槌で殴る方に変更した程だ。
同様に獅子吼のブレスも効果が薄い。
ヘザーの放つ雷撃はそこそこ効いているようだが。
土の塊を直撃した時、魔物の包帯の中身が少し露出する。
まるでミストのように見えたものだが。
殴って見たら少し手応えがある。
ミスト、ではない?
違った。
砂塵、なのか?
「エンチャンテッド・ライト!」
正解は属性付与なのでした。
全員にこの呪文を掛け終えるまで、魔物の気色悪さに耐えなければならなかった。
殴っても手応えがその度に違う。
サンドバッグみたいに重たく感じる事もあるのだ。
どうにも戦っている感触がいちいち変わると戦い難い。
だが。
対策が一通り済めばなんとかなったか?
いや。
護鬼が、おかしい。
その頭上の緑のマーカーに何か小さなマーカーが重なってますけど?
その状態異常は?
呪い、となっていた。
護鬼のステータスは?
護鬼 羅刹Lv6
器用値 20(-8)
敏捷値 17(-7)
知力値 17(-7)
筋力値 20(-8)
生命力 20(-8)
精神力 16(-6)
うわお。
こりゃ酷い。
エンチャント系を幾つも重ねて掛けてあったのも全て無効化されているし。
対策は何が?
当然だがディスペル・マジックを使ってみた。
小さなマーカーに変化が。
無くなった訳ではないようだが。
護鬼の状態は呪い・回復中、となっていた。
ステータスのペナルティは変わりがないようです。
動きが鈍いからと言って侮れる相手ではなかったようだ。
これは気が抜けない。
おっと。
ここはS4マップ方面へ撤退だ。
護鬼はどうするのか、少し悩んだが、回復の度合いがどう変化するのかを見る事にした。
だが戦闘の危険は回避しなければなるまい。
そう。
インスタント・ポータルを使いましょう。
護鬼の状況変化を待ちながら古代石柱の発掘をしてました。
待つ時間を無駄にする事はない。
そしてほんの20分程でその正体が明らかになった。
ようやくだ。
ようやく【鑑定】が効いてくれました。
その正体とは?
【素材アイテム】珪化木 原料 品質B- レア度6 重量10+
古代の樹木がその姿のまま化石化したもの。
見た目は樹木そのままだが非常に重たい。
確かに重いです。
レア度も高いし、何かに使えそうではあるのだが。
これ、【木工】のメイキング技能で加工するの、無理じゃね?
これはちょっと保留しとこう。
先にさっさと済ませられる作業を進めておきたい。
で、でっち上げたのはこれです。
【武器アイテム:打撃】殺人蠍の隠し爪 品質C+ レア度4
AP+5 破壊力+0 重量0+ 耐久値60
毒異常発生[中]
暗器。引っ掻いて使う武器であり鎧兜などにはほぼ無力である。
その攻撃で毒を与えるための武器となっている。
これで隠し爪は幾つになったかな?
斑雪豹の隠し爪にしても魔物がどれも大物過ぎて使う余裕がなくなっている。
適当な相手であれば使ってみようかな?
護鬼が呪い状態になって、回復に向かってから30分ほど経過している筈だ。
どうなっているかな?
護鬼 羅刹Lv6
器用値 20(-6)
敏捷値 17(-5)
知力値 17(-5)
筋力値 20(-6)
生命力 20(-6)
精神力 16(-5)
うむ。
感覚的に言えば、呪いというのは強制的にデスペナルティを与えているようなものかな?
かなりキツいな、これ。
もう少し、様子を見よう。
では。
2個目の古代石柱の発掘、行ってみようかね?
《これまでの行動経験で【精密操作】がレベルアップしました!》
更に30分が経過。
古代石柱の発掘をコツコツと進めていると【精密操作】がレベルアップしてましたか。
護鬼の回復は?
護鬼 羅刹Lv6
器用値 20(-4)
敏捷値 17(-3)
知力値 17(-3)
筋力値 20(-4)
生命力 20(-4)
精神力 16(-3)
ふむ。
このペースであれば、もう1時間もしたら全快かな?
時刻は午後11時に迫ろうとしている。
S4マップでの夜の狩りをするとなれば、日付を跨いでしまうだろう。
どうするか?
一旦、護鬼は帰還させようかね?
作業台にしていた机の上に並んだ様々な品を片付けていくうちに。
思い付いてしまった。
珪化木は、石だ。
黒曜石だって、石だ。
殺人蠍の隠し爪を作る際、黒曜石をシェイプ・チェンジで変形し易くして作成したよな?
雪獣のメイスを作る際もシェイプ・チェンジで加工している。
この珪化木も一緒ではないか?
ふむ。
試してみようか。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv24(↑1)
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv9
ボーナスポイント残 21
セットスキル
剣Lv9 両手槍Lv8 棍棒Lv8 刀Lv8 捕縄術Lv8
杖Lv18 打撃Lv15 蹴りLv15 関節技Lv15
投げ技Lv15 回避Lv15 受けLv15
召喚魔法Lv24(↑1)時空魔法Lv14 封印術Lv6
光魔法Lv14 風魔法Lv14 土魔法Lv14 水魔法Lv14
火魔法Lv14 闇魔法Lv14 氷魔法Lv12(↑1)雷魔法Lv12
木魔法Lv12 塵魔法Lv12 溶魔法Lv12 灼魔法Lv12
錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9
連携Lv17(↑1)鑑定Lv16 識別Lv17(↑1)看破Lv5 耐寒Lv8
掴みLv13 馬術Lv13 精密操作Lv16(↑1)ロープワークLv8
跳躍Lv8 軽業Lv8 耐暑Lv9 登攀Lv9 平衡Lv8
二刀流Lv14 解体Lv12 水泳Lv6 潜水Lv6
ダッシュLv6 耐久走Lv6
身体強化Lv13 精神強化Lv14 高速詠唱Lv14
魔法効果拡大Lv13 魔法範囲拡大Lv13
装備
独鈷杵×3 玻璃光刀×1
呵責の杖×2 呵責のトンファー×3
呵責の捕物棒×1 ダツ顎の槍+×1 旗魚の槍+×1
太刀魚の刀×1 雪獣のメイス×1
怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+×1
斑雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×1
殺人蠍の隠し爪×1(New!)雪豹のバグナグ×2
草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか
エインヘリャルの腕カバー×2
呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2
ステータス
器用値 18
敏捷値 18
知力値 30(↑1)
筋力値 18
生命力 18
精神力 30(↑1)
召喚モンスター
黒曜 ミスティックアイLv6→Lv7(↑1)
器用値 14
敏捷値 23
知力値 22
筋力値 15(↑1)
生命力 15(↑1)
精神力 22
スキル
嘴撃 無音飛翔 遠視 夜目 奇襲 危険察知 天耳
風属性(New!)水属性
ジェリコ マッドゴーレムLv5→Lv6(↑1)
器用値 6
敏捷値 7(↑1)
知力値 6
筋力値 38
生命力 38(↑1)
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[微] 受け
液状化
ペプチド 大サソリLv1(New!)
器用値 16
敏捷値 12
知力値 5
筋力値 16
生命力 14
精神力 7
スキル
鋏撃 針撃 気配遮断 隠蔽 奇襲 毒




