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《フレンド登録者からメッセージが2件あります》



 ログインしたのは午前6時30分。

 やはり普段よりも遅くなってしまった。

 ま、それはいいんだが。

 で、メッセージは誰からだろう?


 アデルとイリーナからでした。



『S2E1マップとS3E1マップの境界周辺で魔人撃破しました!』


 おお!

 添付されていたのは魔人の死体か?

 それにキラーエイプっぽい魔物の死体も見える。

 背景は結構深い森だ。


 先を越されたか。

 まあ魔人が減ったという事で朗報なのだが。



『現在、此花ちゃんと春菜ちゃんと別れてアデルちゃんと森方向で狩りをしてます』


 むう。

 イリーナも魔人狩りに同行していたようだな。


『海岸ではさすがに召喚モンスターが対応しきれませんでした。こんなのが居たんですが』


 添付されていたのは?

 魔人のようだ。

 しかもイルカに跨って海を泳いでやがる。


『此花ちゃんと春菜ちゃんが挑戦したんですが逃がしちゃったそうです』


 それは惜しい。

 彼女達もそれなりに高レベルの筈だが。

 逃げたか。

 どうも色々と面倒そうな魔人がいるようです。



 おっと。

 朝飯を文楽に作って貰わないと、な?

 後は古代石柱の発掘もあるが。

 昨日、来ていた運営インフォも見ておくか。



《統計更新のお知らせ:本サービス昨日終了時点データに更新しました!》



 うむ、いつもの奴だ。

 プレイヤーの数は?

 生データを仮想ウィンドウに表示し、一番下の行を見る。

 総プレイヤー数は76,000人を少し超えた所か。

 順調に増えているようだが、それでもネットゲームとしては物足りない数なのか?

 マップも広がってきているし、もっと人口が増えてもいけそうなんだが。



 では次だ。

 職業別でサモナーの数を見る。

 230人ちょうどだ。

 グランドサモナーはまだ1人。

 セージ、ネクロマンサーはまだいないようだが。


 数が少ない順番でソートすると、クラスチェンジしたであろう職業がズラズラと並ぶ。

 壮観だ。

 まあ何が何だか分からない、というのが正直な所ですがね。



 データを眺めているうちに料理が出来上がったようです。

 手早く片付けると早速、森を南へ進んでみよう。

 召喚するのは?

 ヴォルフ、黒曜、護鬼、ナインテイル、デニールとした。

 今日は間違いなく隣のマップに突入するだろう。

 出現する魔物が確定できれば楽なのだが。



 軽くキラーエイプ、カーズドバイパー、青輝カナブンを狩りながら南へと進んだ。

 いや、軽くはないか?

 それに理由は不明だが、周囲にプレイヤーの姿が増えつつある。

 その影響で狩りも負担が少なくなっているのだ。

 移動するには都合がいい。


 プレイヤーの姿が多い理由はすぐに分かった。

 S3マップとS4マップの境界でキャンプ場のように開けた場所がある。

 寛ぐプレイヤーの姿が目立つ。

 成程ね。

 中継ポータル、なのだろう。

 ずっと森の中を移動するのでは時間が掛かり過ぎるからな。

 エリアポータルからエリアポータルへ、森を移動するのに掛かる時間は?

 インスタント・ポータルなしで、となるとかなりキツいだろう。

 確かにないと困るよね?


 だがここはスルーで。

 隣のS4マップに突入である。

 更に南を目指してみましょう。




 相変わらず、森、森、森なのですが。

 その様子は大きく変わっている。

 何の木なのかは分からないのだが、巨木で構成された森。

 そして巨木の間には枝と蔦で構成された道。

 地面は、ある。

 でもそこを歩くプレイヤーは皆無だ。

 皆、蔦の通路を往来している。

 それでいいのか?



 いいみたいです。

 木の幹を伝って地面を確認したら湿地のような有様でした。

 いや、沼地と言ってもいいだろう。

 サイズの割りに軽量であるデニールは平気なようだが、ヴォルフではまるでダメです。

 オレ?

 当然、ダメだ。

 移動はなんとか出来る。

 でも戦闘ともなると、相応のリスクを抱えないと無理だ。

 おとなしく樹上を移動するしかない。


 その枝と蔦の通路ですが。

 足を踏み外すと下に落下する恐怖と戦わないといけないようだ。

 行き来するプレイヤーと道を譲り合うような狭さでないのは幸いである。

 だが戦闘だとどうか?

 足元が不安定であるのは否めない。


 実際に苦戦しているプレイヤーの姿が見えるんですが。

 相手は何でしょう?



 パペットツリー Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上、樹上 木属性



 戦闘位置が樹上って。

 だがその理由はすぐに分かった。

 地の利アリ、という事らしい。



 そのパーティはスタンダードな構成と言っていいだろう。

 前衛の盾持ちは積極的に動いて後衛のガードをしている訳ですが。

 魔物の動きに追従し切れていない。

 魔物の動きが速いのではない。

 プレイヤーが動き難いのが原因のようだ。


 足元、か。

 多分そうなのだろう。

 早速、フォレスト・ウォークを使っておこうかね?


 それで、そのパペットツリーなんですが。

 オレ達にも襲い掛かって来ましたよ?

 まずは一戦、やってみますか。



 で、このパペットツリーなんですけど。

 動く木の枝、と思えばいいのか?

 精霊のマイナーエントに比べたら小さい。

 その反面、マイナーエントより動きはやや速い。

 でもね。

 木の枝に蔦を絡めて移動してみたり。

 頭上の細い枝を足場にして移動してみたり。

 攻撃を当てるのは比較的簡単なのだが、軽量であるのか吹き飛ぶだけでダメージは小さい。

 そして、堅い。

 ヴォルフが噛み付いたのですが、歯が立たないようです。

 むしろ噛み付いちゃダメだ。

 腕代わりの蔦に捕まりそうになってるし。


 まともに相手してられないよ!



 鞭のように叩いて来る攻撃をトンファーで受け流してパイロキネシスを試してみた。

 枝葉は燃えたが幹はそう簡単に燃えないらしい。

 それでも中々のダメージが与えられた辺り、面白いな!


 結局、デニールの糸で絡まった所で護鬼が斧をガンガン撃ち込んで仕留めたんですけど。

 得られたアイテムは、カシの原木。

 微妙だ。




 次に遭遇したのは?

 またしてもパペットツリー。

 面倒なんでファイア・シュートを撃ち込んで燃やしてみた。

 うむ。

 ちゃんと燃えてくれます。

 だが意外に燃え方は思わしくないか?

 燃えながらこっちに迫ってくるし。


 護鬼が盾で牽制しながら斧で魔物を粉砕する様子を眺めながら思う。

 確かに火魔法の攻撃呪文は有効だし、楽は出来るのですが、納得いかない。

 ここはS4マップ。

 より難易度の高い魔物であって然るべきではないか?


 何かが、ある。

 そう思えてならない。


 で、何が剥げたのか?

 予想通りに、炭です。

 木炭だ。

 レア度、低いって。

 このマップに来てまでこれかよ!




 コール・モンスターで確認。

 パペットツリーはそこら中にいるように見えるが。

 動きを止めたパペットツリーはすぐに捕捉出来なくなる。

 まるで妖怪だな。


 それにここですが、アレがいるようなのだ。

 アレだ。

 えっとなんだっけ?

 生首だ。

 そうそう、フロートヘッドだ。


 昼間にもいるんかい!




 更に南へ。

 プレイヤーの姿は比較的少なくなってきた。

 確かにこの足場では狩りをするのは面倒だろう。

 それでいて生首までいるのでは連戦は厳しい。


 そんな中でも収穫はある。

 オレ以外のサモナーの狩りの様子を見る事が出来ました。

 相手は初見の魔物だ。




 手長魔猿 Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上、樹上



 手長猿、ではないな。

 明らかにオランウータンです。

 戦闘はサモナーが圧倒的に優勢でした。

 なんと言っても配下の召喚モンスターであるヘビがいい。

 クラスチェンジしたヴェノムパイソンのようだな。

 確かに。

 召喚モンスターにはこんな地形であっても適応できる魔物はいる。

 無理はしなくてもいいのだ。


 現在のオレの布陣で明らかに地の利を得ているのは?

 間違いなくデニールだ。

 ヴォルフ、黒曜、ナインテイルは苦にしていない、と言うべきだろう。

 やや苦しいのは護鬼か?


 いや、肝心な存在を忘れてはならない。

 オレ自身が一番、適応できていないんじゃないかな?

 やはり森の中は怖いな。

 まあそこは仕方ないのだが。






 周囲にプレイヤーの影すら見えなくなった。

 広域マップではS4マップの中央に近づいてはいるが、まだ距離がありそうだ。

 時刻は午前10時を過ぎた。

 オレと護鬼にはフォレストウォークを使い倒し、やや駆けてもいるのだが、距離を稼げていない。

 これは思った以上に大変だな!

 それにレジスト・サンダーも外せない。

 生首が時々、襲ってくるからだ。

 結構、負担がある。




《これまでの行動経験で【跳躍】がレベルアップしました!》

《これまでの行動経験で【登攀】がレベルアップしました!》



 移動中にいきなりインフォです。

 まあ確かに木を登ったり、ジャンプしたりはしているんですがね。

 移動が少しでも楽になってくれたら有難い所ですな。




 時刻は午前11時30分。

 広域マップではもう少しでS4マップの中央に迫っているのだが。

 ようやく手長魔猿と戦闘になりました。

 


 手長魔猿 Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上、樹上



 こいつですが、パペットツリーに通じる厄介さがある。

 樹上を自由自在に移動するのだ。

 そして嫌がらせのように石を投げてくる。

 どこにそんな物を持っていたのか、ツッコミはしないでおこう。


 その戦い振りは見ていたし、対応は出来ると思ってたんだが。

 逃げた。

 逃げやがった!

 これは意外です。

 なんとなく、負けたような気分になってしまった。

 そこに残されたのはダメージだけである。

 オレも喰らっていたし。


 ハハハ、こいつめ!

 覚えておくがいい。

 今は移動中だから見逃してやろう。

 必ず狩ってやるからな!




 時刻は午後0時10分。

 眼下にエリアポータルが見える。

 断言しよう。

 ここは間違いなく、エリアポータルだ。


 前もって聞いていたエリアポータルの名前は深き森、であった筈だ。

 昼なお暗い森の奥深く、といったイメージでしたけど、まるで違う。

 谷底のように深くなっているのでした。


 確かに深き森と言えなくもない。

 窪地じゃないのか?


 このエリアポータルには壁面の蔦が通行ルートになるらしいな。

 行って見よう。




 窪地の底は結構広い。

 ジメジメする事もないようです。

 周囲の地面は沼地のような有様なのだが、ここだけ地盤が違うんだろうかね?

 地面も凹凸はあるものの、結構平坦な感じである。

 何よりも見覚えのある植生が目立つ。

 竹だ。

 竹林がある。


 その竹を編んで作ったと思われる建屋がいくつか、存在しているようです。

 既にプレイヤーの手が入っている証拠だ。

 

 うむ。

 ここでゆっくり出来そうですな。

 少し遅くなったが食事にしよう。

 ヴォルフを帰還させて文楽を召喚する。


 オレは料理の出来上がりを待つ間に古代石柱の発掘を行う。

 もう少しだ。

 もう少しでその全容が姿を現すだろう。




 食事は普段通り、美味しく頂きました。

 古代石柱の発掘もあと少しで終わりそうだ。

 まあそれは夕食時の楽しみにしておくとして、だ。

 ここは狩りも兼ねて南への移動を優先してみよう。




 エリアポータルを後にして少し離れると文楽を帰還させてストランドを召喚した。

 迎撃で、となると壁役がもう1枚欲しいが、足場が悪すぎる。

 ここは自重しよう。

 地形に対してストランドならば苦にしない、というのがオレの判断です。

 それにここの魔物は生首は脅威ではあるが、S3に出現する魔物に比べたらそう難易度は変わらないようだ。

 足元が悪い事が違う程度か?



 だがこれはオレの認識不足であったらしい。

 地形による効果は思っていた以上に影響が大きいようです。

 相手が群れていたら特にそうだ。




 最初は手長魔猿でした。

 4匹の群れです。

 どうにか出来る、そう思っていたのだが機動力は向こうの方が上でした。

 かろうじて黒曜の奇襲が先制で入るものの、中々仕留められない。

 全く。

 面倒な奴らだ。

 また、ダメージだけ残して逃げられるのかと思うと腹が立つ。


 そこで一計。

 地面に投げ落としました。

 湿地だ。

 沼地に近い場所に落としてしまえば動きは封じられるのでは?

 少なくとも魔物の数を減らす事にはなるだろう。



 これはいい意味で想定外だったのだが。

 ストランドは湿地でも自由自在に動けるのでした。

 つか何で気がつかなかったのか。

 下半身が半ば埋まった魔物に噛み付いて毒を与えると、さっさと離れてしまう。

 おい。

 まあ正解なんだろうけどさ。


 護鬼が魔物の攻撃を盾で受けきった所でオレも介入する。

 蔦の通路の上から地面に落とす。

 それだけで、いい。

 更に1匹を落とす。

 最後の1匹はデニールの糸に絡まってしまって身動きがとれないようです。

 こいつは簡単に詰みました。

 なんとまあ。

 終わってしまえば楽勝。



 だが見落としている事もある。

 地面に落とした魔物の死体だ。

 剥ぎに行くの、大変じゃないかな?

 まあそれは何が剥げるのかを確認してからでいいだろう。

 目の前に1匹、死体がある。

 良さそうなアイテムが剥げるのであれば、地面に降りる価値があるかも?


 では。

 剥ぐか。

 その結果は?



 石ころ。



 え?




 即決で湿地に転がる魔物の死体は放置で。

 さっさと移動しよう。






 更に、南へ。

 魔物の出現状況に変化はない。

 大きく変化しているのはプレイヤーだ。

 少ない。

 エリアポータルを出てすぐの段階ではたまに見掛けたものだが。


 ここ暫くは見ない。

 まあ遠くのマップであるのだし、少なくても不思議はないが。

 魔物との遭遇もそこそこだ。

 S4マップであるのにS3マップよりもむしろ楽な感じすらある。


 襲ってくる魔物を適当に狩りながら進む。

 相変わらずフォレスト・ウォークとレジスト・サンダーは欠かせない。

 レベルアップはまだ来ない。

 生首から宝石のツァボライトを1個、剥いだのは嬉しかった。

 大きな出来事はその程度だ。

 このペースならば、夕方までにS5マップの風景を見る事が出来るかも?



 だが。

 やっぱり、いたか。

 魔人だ。



 ブラックサンタ Lv.5

 魔人 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 闇属性 光耐性



 おい。

 待て待て。


 サンタはサンタでも黒いサンタかよ!

 それが魔人扱い?

 だがこの魔人だけか。

 1人だけならば排除するのも容易いかも?


 だが。

 片手に持つ灰色の袋から魔人は何かを取り出し、蔦の通路の上に蒔きだした。

 何だ?



 スパルトイ Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火耐性 土耐性



 革鎧に革兜、盾を装備した戦士達が生えてきた。

 得物は片手剣、片手斧、メイス、槍、フレイルか。

 全部で5人だ。


 何、こいつら?

 生えてきた?

 これも一種の召喚なんだろうか?



「真練気法!」


 ここは全力で行こう。

 黒曜、デニール、ストランドには魔人の足止めをして貰おう。

 護鬼と肩を並べてオレも前衛に出る。

 左手にはトンファー。

 右手には独鈷杵。

 独鈷杵から伸びる刃身はまるで木刀のようにも見える。

 セットしてあるのが木魔法であるからだ。

 足止めしながら呪文による攻撃も重ねていきましょう。

 なんと言っても数が多い。

 どこまで凌げるかな?



「サンダー・シャワー!」


 雷撃の雨を前衛の戦士達に浴びせてやる。

 足は止まらない。

 いや、2人の戦士の足が上手く動いていないようだ。

 だが麻痺するにしてもいつ復帰するか、油断は出来ない。

 戦力が分断されているうちに数を減らしておかなくてはいけない。


 護鬼がメイス持ちの相手をする。

 オレの目の前には片手斧と槍。

 ナインテイルが光の塊を撒き散らすのと同時に、仕掛けた。



 独鈷杵の刃身から伸びる枝葉が片手斧の戦士に絡んでいく。

 今は仕留めるよりも動きを止めるのが先だ。

 これでいい。

 ナインテイルは間断なく光の塊を飛ばしている。

 槍持ちがもう瀕死寸前になっていた。

 トンファーで頭部を殴りつけてやると沈んでしまった。

 おい。

 脆いのか?

 いや、武技と呪文の支援があっての事だろう。



「ワールウィンド!」


 片手斧を持つ戦士に至近距離から呪文を叩き付けると一気に瀕死になる。

 ナインテイルが追撃で光の塊を撃ち込んで戦士が沈む。

 護鬼もオレの横に並んできていた。

 どうやら相手をしていた戦士を仕留めていたようだ。


 前衛の戦士は残り2名。

 護鬼の前にフレイルを持つ戦士が得物を振り回して襲い掛かっている。

 その戦士に向けてナインテイルが闇の帯を直撃させていました。

 ナイスアシスト。

 護鬼は楽々と戦士の懐に飛び込んで盾を押し付け、斧を腹に叩き込んでました。

 これは早々に決着がつきそうだな。


 で、オレの相手は?

 剣を持っていた奴が残っていた筈だが。


 まだ地面に転がってやがる。

 その赤いマーカーには小さなマーカーが重なっていた。

 まだ混乱しているか、麻痺しているようです。


 剣を持つ右手を踏み付けると、独鈷杵で顔面を突く。

 手応え十分。

 戦士のHPバーは砕け散った。


 護鬼の方もちょうど片付けたらしいな。

 では。

 魔人の相手をしようかね?



 だがその魔人、変な状況になってますけど?

 両手を大きく広げた状態で吊られている。

 魔人の首にはストランドが巻きついていて、喉仏の辺りを噛み付いているようだ。

 魔人のマーカーには状態異常を示すマーカーが小さく重なっている。

 毒、なんだろうな。

 魔人のHPバーは徐々に減りつつある。

 そんな魔人のマーカーに重なるように、黒曜が頭に乗っていた。


 眉間に向けて嘴を何度も撃ち込んでますけど。

 おい。

 痛い!

 想像するだけでも痛い!


 それにしても、だ。

 これって嬲り殺しって言わないかな?



 横にいる護鬼に視線を向ける。

 いいぞ。

 こいつに止めを刺してあげなさい。

 黒い衣装ではあるがサンタさんが不憫だ。


 黒サンタは最初から最後まで召喚モンスターによって仕留められてしまった。

 まあ、いい。

 たまにはいいさ。



《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》



 色々とレベルアップしてくれているし。

 全力で戦った意義はあった、と思うべきだろう。

 ああ、そうそう。

 独鈷杵の魔法技能は氷魔法にセットしておこうかね?



 魔人と戦士達の死体は次々と消えていく。

 無論、何もアイテムは残さなかった。

 まあいい。

 想定の範囲内だ。

 く、悔しくなんかないぞ!

 今日は移動と探索が主なんであって、アイテム狙いの狩りじゃないしな!




 時刻は午後5時20分。

 広域マップではもう少しでS5マップになる筈だが。

 その境界は実に分かり易いものであった。

 森が途切れている。

 そしてその先は荒地である。

 砂漠、と言ってもいいかもしれない。

 おいおい、地形の変化が極端ですよ!



 そうだな。

 まだ明るいし、どんな魔物がいるのか、戦ってみたいものだが。

 コール・モンスターを使ってみる。

 何かが引っ掛かる様子はない。


 さて、と。

 ストランドとデニールはここで帰還させよう。

 ここでは地形の利はないだろう。

 何よりもストランドは荒地を行くのは苦手な様子だ。

 戦力的にもより充実させた方がいい。

 レムトから数えたら最も遠く離れたマップに来ているのだ。

 より強力な魔物がいる、と考えておくべきだろう。


 ヴォルフとジェリコを召喚する。

 さて。

 どんな魔物がいるのかね?




 さすがに夜の行軍でエリアポータルに至れるとは思っていない。

 だからこそのジェリコである。

 戦闘を前提にした布陣だ。

 ヴォルフがいるし、奇襲を受ける機会も減ってくれるだろう。


 そのヴォルフがいきなり反応している。

 前方、斜め右だ。

 急いでヴォルフとジェリコにも呪文で強化をしていく。

 何がいるんだ?

 魔物の姿は見えない。



 まだ魔物の姿はない。

 だがヴォルフにはその存在は既に明確なものであったようだ。


「グラァァァッ!」


 ヴォルフが大きく吠えた。

 同時に地面が盛り上がっていく。

 現れたのは、何だ?

 カニ?

 そう、最初はカニかと思ったものでした。

 じゅる。



 だがこいつには尻尾がある。

 カニじゃない、だと?



 キラースコルピオン Lv.5

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 土耐性 毒



 ああ、あいつだ。

 十二宮、蠍座の神殿でお供として出てきた奴だな?

 でもレベルが高めだ。

 ここは全力でやらせて貰おう。



「真練気法!」


 武技を使いながら前進。

 オレの前にはジェリコもいる。

 更に盾を構えた護鬼もジェリコの向こう側に位置するようだ。

 

 先制は?

 黒曜とナインテイルだ。

 水の針が、光の塊が次々と命中する。

 だが魔物は混乱の状態異常になる事もなく前進してきやがる。


 魔物はジェリコに襲い掛かってきた。

 いきなり尻尾の毒針だ。

 速い。

 ジェリコでは回避出来ないのは明らかだ。

 だが。

 ジェリコには液状化があるのでした。



 液状化から戻った時、サソリの動きは封じられていた。

 最大の武器であろう尻尾の毒針はジェリコに思いっ切り握られており、握力だけで潰せそうだ。

 ジェリコは足でサソリの左の鋏を踏み付けている。

 サソリが自由に出来るのは右の鋏だけだ。


 その鋏がジェリコに叩き付けられて行く。

 そのダメージは?

 驚くべき事に攻撃が通ってダメージがあるのだ!

 ダメージはそう大きくはないのが救いであるが。

 でも、ジェリコですよ?

 呪文での強化が間に合っていなかったとはいえ、恐るべき奴だ。

 オレだったらどうなっていただろう?

 試す気にはなれない。



「グラビティ・メイル!」


 呪文でジェリコの強化をしておく。

 どうだ?

 ダメージそのものは更に減ったが、無くなった訳ではない。

 ここは早めに片付けておくべきだ。

 

 独鈷杵から氷の刃身が伸びる。

 このサソリの動きは意外に速い。

 遅らせてやれたらいいのだが。


 護鬼が盾を前面にして鋏の攻撃を封じようと試みる。

 大丈夫か?

 いや、結構上手く凌げているようだ。

 ジェリコも左手でサソリに攻撃を加えていく。


 オレは?

 サソリの後方に回り込んで尻尾の根元に独鈷杵を撃ち込んでいった。

 ヴォルフもオレと並んで攻撃を加えていく。

 しかし、堅いな!



「ディフェンス・フォール!」


 効いたか?

 効いているようだ。

 僅かに減り続けていたHPバーだが、その減る速度は明らかに加速した。


 程なく、サソリのHPバーは消えてなくなってしまう。

 ふむ。

 終わってしまえばこんなものか?

 呪文の強化さえしっかりしてあれば怖くないだろう。

 先制で毒を喰らったら厳しそうではあるが。

 前衛にジェリコがいるうちは有利に戦闘が出来そうだ。



《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》



 まあレベルアップはいいとして、だ。

 何が剥げるかな?

 その結果、何も剥げませんでした。

 【解体】はちゃんとセットしてある。

 これは空しい。

 一方的だったが、結構な強敵だったのに。



 だがここで諦めてなるものか!

 呪文の効果があるうちに連戦できないか?

 コール・モンスターで呼び寄せてみたかったのだが。

 比較的、サソリの姿は少ないようです。

 いや。

 いるみたいだ。

 捕捉していた筈の魔物の姿が消える場合がある。

 そういえば先刻の魔物は地中から現れた。

 どうも地中に潜んで近寄ってきた相手を襲うタイプか?

 まさに伏兵。

 しかもコール・モンスターに引っ掛からないとなると曲者だな。


 仕方ない。

 ここはゆっくりと移動しましょう。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv23

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv9

ボーナスポイント残 19


セットスキル

剣Lv9 両手槍Lv8 棍棒Lv8 刀Lv8 捕縄術Lv8

杖Lv18 打撃Lv15 蹴りLv15 関節技Lv15

投げ技Lv15 回避Lv15 受けLv15

召喚魔法Lv23 時空魔法Lv14(↑1)封印術Lv6

光魔法Lv14 風魔法Lv14 土魔法Lv14 水魔法Lv14

火魔法Lv14 闇魔法Lv14 氷魔法Lv11 雷魔法Lv12(↑1)

木魔法Lv12(↑1)塵魔法Lv12 溶魔法Lv12 灼魔法Lv12

錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9

連携Lv16 鑑定Lv16 識別Lv16 看破Lv5 耐寒Lv8

掴みLv13 馬術Lv13 精密操作Lv15 ロープワークLv8

跳躍Lv8(↑1)軽業Lv8 耐暑Lv9 登攀Lv9(↑1)平衡Lv8

二刀流Lv14 解体Lv12 水泳Lv6 潜水Lv6

ダッシュLv6 耐久走Lv6

身体強化Lv13 精神強化Lv14(↑1)高速詠唱Lv14

魔法効果拡大Lv13 魔法範囲拡大Lv13

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キラースコルピオンが地面に潜ってる時にピットフォール使ったらどうなるんだろう?
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