215
増量ちう
インフォは?
ちゃんとありました。
やはりここのエリアポータルは解放されていないようです。
《汝等に告ぐ》
《世界を支配する摂理は恐怖》
《世界を支配する掟は本能》
《世界を支配するのは汝等に非ず》
《そして我等でもないのだ》
まあインフォはいいんですがね。
魔物は何が出現するのか?
その相手によっては得物は変えておきたい所であるのだが。
さあ。
何が、出るんだ?
つか半円形の塚が蠢いているのが分かる。
土が剥がれ落ち、真っ黒な何かが出現した。
それは、毛皮の塊のように見える。
何だ?
だがオレ達のようなプレイヤーには別の景色も見えている。
その塚だった塊は赤いマーカーで埋め尽くされているのであった。
これ、一体何匹いるんだ?
五眼猿獣 Lv.4
イベントモンスター 妖怪 アクティブ
戦闘位置:地上 光耐性 闇耐性
【識別】出来たのはいいんだが。
猿?
でも何か違う。
毛は真っ黒だ。
そのシルエットはオランウータンのように手が長く、足は短い。
眼が左右に2つずつ、上下に2つ重なっているのか?
額の中心にも縦に1つ、眼が開いている。
うん。
尋常じゃないって事は分かった。
魔物が皆、起き上がるとその中央に、いた。
呪禁道師 Lv.4
イベントモンスター 魔人 アクティブ
戦闘位置:地上
光耐性 闇耐性 火耐性 風耐性
土耐性 水耐性
お前か!
「真練気法!」「メディテート!」「ブレス!」
武技を一気に使う。
「ナイアス!歌え!」
狼の群れが一斉に吠えて威嚇する。
その声に戦鬼の咆哮も加わる。
全く違う音域でナイアスの歌声が竪琴の曲に合わせて流れていった。
対抗するかのように黒猿が吼え返す。
全く、嫌な声をしているな!
召喚モンスター達が駆け出す。
オレも前へ。
その手には抜き放った刀があった。
玻璃光刀だ。
セットしたのは雷魔法。
反りのある透明な刀身が蛍光灯のように光を纏う。
では。
撫で斬りに出来るかな?
「ヴォルカニック・ブラスト!」
何処を向いても魔物だらけだ。
召喚モンスター達はその種族は違うものの、前衛として連携した動きを見せている。
特に狼の群れは見事だ。
その群れの先頭にヴォルフはいた。
問題は呪禁道師か?
後衛から様々な攻撃を仕掛けてくる。
特に上空から襲おうとする空中位置のモンスターは烈風の盾に阻まれてしまうのが痛い。
魔物の数は尋常ではないというのに。
なんて邪魔な奴だ。
オレの左右には戦鬼と獅子吼。
寄せてくる魔物を迎撃させているんだが。
この黒猿ども、1対1では絶対に襲ってこない。
必ず数匹が一斉に襲ってくるのが常だ。
1匹だとそう強い魔物に思えない。
いや、戦鬼と獅子吼と比べてはいけないか。
刀を選択したのは正解であったのか?
或いはメイスの方も良かったかも。
だがこれはこれで、いいな。
改めて思う。
独鈷杵はやはり剣、だな。
刀のように斬る攻撃は確かに出来るのだが、感覚の方で違和感が払拭できない。
うん。
刀は斬る武器だ。
突く事に関しては剣に譲るだろうね。
まあ今は使用感を確かめている場合じゃないか。
「ヴォルカニック・ブラスト!」
全体攻撃呪文を正面へ。
それに獅子吼もブレス攻撃を重ねる。
あの面倒な呪禁道師はさっさと倒しておくべきだ。
魔物の群れに出来上がった空白に向かって一気に駆け込んで行く。
戦鬼も、ヴォルフ達も続いた。
包囲の輪は崩れていないようだ。
では。
思う存分、中で乱戦と行こう。
呪禁道師なんですがね。
仕留める直前にとんでもない置き土産をオレに残してくれましたよ?
オレに掛けてあった呪文の効果が雲散霧消です。
はい?
こいつ、封印術を使った?
その瞬間から周囲の黒猿がとんでもない強敵に変貌したように思われた。
まずい。
特に体感速度がいきなり変わったのは決定的だった。
腹に一撃、まともに喰らってしまう。
クソッ!
直撃とは情けない。
どうにも捌ききれなかった。
オレを攻撃を喰らわせた黒猿は獅子吼が食い殺してます。
今のうちか?
「真練気法!」「メディテート!」「ブレス!」
戦鬼もカバーに入る。
回復は?
後回しだ。
呪文を選択して、実行。
正面の黒猿を袈裟斬りにしてみる。
間合いの感覚が違う。
黒猿の腕を両断はしたが、装備が貢献しているに過ぎない。
切っ先三寸を外して手元側へズレを生じていた。
いかんな。
「グラビティ・メイル!」
呪文で強化。
それでもまだ戦闘開始時点の強化に届いていない。
フィジカルエンチャント系4種、メンタルエンチャント系2種、重ね掛けが残っているのだ。
周囲に寄って来る黒猿はまだ多い。
だが先刻までと違って体は良く動いている。
「リジェネレート!」
回復は図っておこうか。
ここからもっと稼いでおきたかったのだが。
オレ達の左右で爆炎と土煙が舞い上がる。
『右側はお任せ!』
『左、援護します!』
アデルとイリーナだ。
そしてオレの後ろに何名かのサモナーも来ている。
ナイアスも来ているようだ。
その歌声は合唱となっていた。
他のマーメイド達との合唱だな。
上空からヘリックス達が自由に襲い掛かるようになり、黒猿達の足は完全に止まってしまっている。
騎乗したサモナーも突撃を敢行。
魔物の群れの周囲は完全に封鎖されてしまっているようである。
どうやら大勢は決したようだ。
「逃がすなよ?」
『了解っと!』
『さあ、狩るぞー』
どうやら余裕もあるみたいです。
残存する魔物を掃討するのにそう長い時間は掛からなかった。
圧勝?
結果だけ見たら、そうです。
でもオレにして見たら不満だ。
もうちょっと、暴れていられると思ったのだが、途中で結構ダメージを喰らったのが痛い。
いや、実際に痛みも感じているんですけどね。
《汝等に告ぐ》
《世界の理を表すものを知れ》
《無知もまた罪と知れ》
インフォ、終わった?
終わった、よな?
《N1W3のエリアポータルを開放しました!》
《ボーナスポイント3点が加算されます。合計で17ポイントになりました》
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《共通攻撃呪文のフォース・ブラストを取得しました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
ありゃ。
感覚的にはレベルアップが早かった、のか?
いや、結構強い魔物を狩って来ているしな。
こんなものか。
それよりも召喚モンスターを追加できるのは嬉しいですな。
何にするのかは一応、決めてはある。
夜まで待ちましょう。
おっと。
オレのステータスも上げておかないとな。
既に決めてあるから楽だけどね。
基礎ステータス
器用値 18
敏捷値 18
知力値 29(↑1)
筋力値 18
生命力 18
精神力 29(↑1)
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で19ポイントになりました》
うむ。
まあ不満点はあったがレベルアップもした事だしな。
反省は反省として、心の留めて置きましょう。
魔物の死体は次々と消えていく。
当然のように何も残してくれない。
たまには何か残して欲しいものだが。
「被害は?」
『サモナーに死に戻りはありません、召喚モンスターで何匹か、ステ異常はありますけど』
『今、確認出来た!召喚モンスターに死に戻りはありませんね』
此花の報告は迅速でした。
それにしても、見た目は完勝なのだが、ダメージは結構喰らってたみたいだ。
楽勝、ではないな。
辛勝、とすべきなのだろう。
「よし。ではユニオンはここで一旦解消、休憩にしようか」
『えっと。ログアウトは?』
「アイテム配分をしたらもう少し粘るつもりだが」
此花も春菜も言葉が出ないようですけど。
アデルとイリーナは慣れたものだ。
平然としている。
アイテム配分は?
それが上手く行ったのです。
春菜は【交易】の技能を持っていたのでした。
火吹鳥の翼は此花が買い取った。
幻影馬の皮の余りはアデルとイリーナが買い取る事に。
肉はオレも含めて3等分で。
プレイヤーには支払った金額の一部が分配される。
それで皆は納得したようです。
初めてだったんでちょっと緊張したが、こういう事はよくあるんだとか。
緊張して損したよ。
プレイヤーの何名かは召喚魔法をレベルアップしていたみたいだ。
駿河と野々村は新しい召喚モンスターを加えていたようです。
それはスライムだ。
2人揃って、ですけど。
それぞれ、馬上で何かを画策しています。
そしてその表情に浮かぶのは歓喜の表情だった。
「これで夢のタンデムも無理なく可能に!」
「そうだ!胸の所だけスライムがいなければ密着も出来る!」
「グフフ」
「イヒヒ」
まあ笑い声は聞かなかった事にしておこう。
何を目的にしてスライムを召喚したのか、分かっちゃいました。
それに、だ。
彼らの後ろに此花と春菜がいる。
彼女達に任せておきましょう。
エリアポータルには既に幾つかのテントが設営されていた。
半分はログアウトしたみたいだな。
で、このエリアポータル、名前は何だろう?
広域マップで見ると、虚無の平地、となっている。
確かに。
何も無いよね?
いや、井戸ならあるけど。
ここを拠点にするのは大変そうです。
本当に井戸しかない。
困ったものだ。
時刻は午後4時を少し過ぎた辺りか。
夕飯にするには中途半端だ。
MPバーはまだ半分以上あるのだし、もう少し暴れて見ようかね?
ここも色々とアイテムが得られそうだしな。
「キースさん、いいですか?」
「うん?」
イリーナか。
何でしょ?
「真練気法って、どれほどの効果があるんですか?」
「いいぞ」
「え?」
「凄く、いい。そんな感じだなあ」
「検証、してないんですね」
「はい」
イリーナよ。
頭が痛いのか?
まあ頭痛の種はきっとオレなんだろうが。
「キースさんらしいよね!」
アデルは笑い飛ばすのみだ。
ま、助かるけどね。
「機会があったら検証、お願いしておきたいんですけど」
「何かあったのか?」
「いえ。ただ最近になってキースさん絡みの問い合わせが増えているんです」
「キースさんが掲示板に書き込まないのが原因!」
「む、そうか」
「フィーナさんの所は今更ですけど紅蓮さんの辺りにまで問い合わせがある程なんです」
「人気者は仕方ないよね!」
「えー」
そうは言っても、ねえ?
やりたい事が色々あるんですよ。
本当は対戦モードだって数をこなしておきたいんですけど。
「まあ、それはもういいです」
「いいのかねえ?」
「気にしない方がいいよ!イリーナちゃん!」
「そうね。そうよね」
えっと。
いいのかな?
いいって事にしておこう。
再び狩りに出る事にした。
今度はオレ、アデル、イリーナのユニオン編成だ。
召喚モンスターの布陣は変更してある。
ヴォルフと獅子吼は帰還させて護鬼とクーチュリエを召喚した。
ヘリックス、護鬼、戦鬼、ナイアス、クーチュリエの布陣だ。
そろそろ、レベルアップしておかしくないメンバーだと思うのですよ。
期待してます。
アデルとイリーナも布陣を少し変えているようだ。
迎撃重視だな。
アデルはビーストエイプのえーちゃんを、イリーナはウッドゴーレムのゴリアテを鍛えたいようだな。
両方とも確固たる前衛、それも壁役だ。
さすがにマッドゴーレムを相手にするのは危険だが、火吹鳥相手ならば十分、かな?
呪文で強化もできるしな。
シフカも条件付であるが相手をしてもいいだろう。
仕留めるのは苦労するが、アイテムは有用だろうし。
売ってもいいのだ。
収支はプラスに出来るだろう。
『火吹鳥、ですか!』
「レジスト・ファイアがあるだけで有利に出来るからな。軽く1羽、相手してみよう」
『それ、本当に軽いんですか?』
おいおい。
軽いですよ?
鳥だし。
実際、火吹鳥の相手は容易いと言えるだろうな。
事前に対策が分かっているからこそであるが。
そうでなければ全滅の可能性も考慮すべき相手なのも間違いない。
そういう意味では確かに軽く見る事はできないです。
イリーナの指摘は正しい。
だが。
空中戦では圧倒的なのです。
ヘリックス、たーちゃん、スカイアイの鷹3匹に加えてクーチュリエもいるのだ。
体勢を崩した所にアデルとイリーナの放つ矢が面白いように命中してくれる。
オレの放つ攻撃呪文もよく命中してくれていた。
地面に落としてしまえばこっちのものだ。
アッサリと決着はつく。
まあその仕留めるまでの過程で炎を何度か吐いてくるから無傷では済まないですけどね。
レジスト・ファイアは非常に有効でした。
それに呪文による強化も少な目で済むのも助かる。
夜に向けてまだ狩りもしたいからな。
MPバーはある程度、温存しておきたい。
面倒なのはマッドゴーレムだ。
1匹だけ遭遇してます。
まあ戦鬼を中心に抑えて、液状化を封じてしまえば数の暴力でどうにかできます。
問題は無い。
戦鬼が最もダメージが大きかったが、徐々に回復してくれているしな。
『おーちゃんもレベルアップしちゃった!』
『本当?クラスチェンジはどうするの?』
『最初はグレイウルフにするつもりだったんだけど、方針変更で!』
オレの目の前でウルフだったおーちゃんがブラックウルフへと変貌する。
成程ね。
アデル配下には既にブラックウルフのくろちゃんがいる。
フューズ・モンスターズを前提にしている訳だ。
何になるのか、気になるよね?
アデル自身の成長が待たれるんですが。
うん。
ハードにしてみようか?
まあ、無茶はすまい。
でもね。
シフカも近くにいた群れはついでに呼ぶようにしました。
無茶じゃないですよ?
《只今の戦闘勝利で【耐暑】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘリックス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
夜になる前に間に合ったか?
ヘリックスがレベルアップです。
まあここ数日の活躍を考えたら順当だな。
おっと。
ヘリックスのステータス値で既に上昇しているのは筋力値だった。
もう1点は器用値を指定する。
ヘリックス ファイティングファルコンLv5→Lv6(↑1)
器用値 14(↑1)
敏捷値 28
知力値 23
筋力値 14(↑1)
生命力 14
精神力 15
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動 風属性
だがインフォには続きがあった。
狙い通りです。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『クーチュリエ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
クーチュリエの成長は順調そのものだ。
敏捷値が高いのは元からだが、成長も早いように錯覚してしまいそうだ。
さて、と。
クーチュリエのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。
まだ敏捷値が伸びるんかい!
そしてもう1点は筋力値を指定する。
クーチュリエ ギガントビーLv4→Lv5(↑1)
器用値 17
敏捷値 29(↑1)
知力値 12
筋力値 6(↑1)
生命力 8
精神力 8
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 奇襲 毒
そろそろ午後6時になりそうだ。
一旦、エリアポータルに撤収しよう。
『アイテムはそこそこ取れましたね』
『十分!』
「まあ十分だろうな」
『クラスチェンジの為に底上げもしておきたいですよね?』
「そうだな」
そこは完全に同意です。
夜の狩りは陣容を変えて挑むつもりです。
エリアポータルに戻ってみると、対戦に興じる一角以外は静かなものだ。
まあそんな所だろうな。
「2人とも、時間はいいのか?」
「ちょっとだけ夜の狩りもやっておきたいですね」
「じゃあもう少し付き合うか?」
「はい!」
「お願いします」
うん。
いい傾向だ。
早くレベルアップしてフューズ・モンスターズを覚えて欲しい。
オレだけで召喚モンスター全てを網羅するのは無理だ。
いや、無理じゃないかもしれないが、とてつもなく時間が掛かるのは間違いない。
色々と協力して欲しいものです。
少しだけ、狩りもハードにしちゃおうかな?
夕食は昼の残りで済ませると、早速狩りだ。
陣容は夜を意識した布陣へと移行する。
オレの場合は?
ヘリックスとクーチュリエを帰還させる。
そして新たな仲間を召喚させた。
こいつだ。
奈落 スケルトンLv1(New!)
器用値 14
敏捷値 15
知力値 10
筋力値 10
生命力 9
精神力 10
スキル
[ ] [ ] 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性
おっと。
いかん、空きスキルを決めないと。
片方はすぐに決まるんですけどね、
小盾だ。
これで余っているカニ装備をそのまま使えるだろう。
問題はもう1つなんですけど。
ここはスタンダードでいいかな?
奈落 スケルトンLv1(New!)
器用値 14
敏捷値 15
知力値 10
筋力値 10
生命力 9
精神力 10
スキル
剣 小盾 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性
よし。
装備は?
ここは護鬼の持っている鋼の直剣を使わせよう。
護鬼には轟音の鉈と雪獣人の小盾がある。
十分ですよ!
そして最後の枠はテロメアである。
よし。
これで行こう。
アデルは?
フクロウ、ビーストエイプ、ライオン、金毛狐か。
で、イリーナは?
バット、ウッドゴーレム、大亀、ミストになっている。
うむ。
1匹も被ってないな!
こういうのも珍しい。
まあ夜の魔物の動向次第で変更は必要だろう。
では。
早速、狩りに行こう。
で、N1W3マップの夜は何がいるのかな?
コール・モンスターで確認したら何と。
火吹鳥がいる。
シフカの群れもいる。
変わってないのか?
そうではないようです。
五眼猿獣 Lv.2
妖怪 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 光耐性 闇耐性
ちゃんといました。
つかエリアポータルで使役されていた妖怪がいるようだ。
しかも最初の相手は10匹単位で群れてました。
まあ最初だったし、呪文での強化は念の為に手厚くしてましたからいいんですがね。
この黒猿ですが。
なんと言いますか、劣化版の戦鬼って所か?
呪文で強化してあるビーストエイプのえーちゃんだと1対1では難しい相手のようです。
「真練気法!」
当然、オレも前衛に加わる訳だが。
強化は考え得る限り、全部使っていた。
その状態でどれほど通用するだろうか?
格闘で、という条件であればですけどね。
結論。
馬頭鬼の下のレベル辺りかな?
いや、オレ自身も強くなってきている筈だし、所詮は体感でしかないのですが。
群れていた分、牛頭大将と馬頭大将のペアと同程度の脅威と見るべきだろうか?
まあこっち側もサモナー3名に召喚モンスター13匹で数で上回っていたんですけど。
しかもその中にテロメアがいるのだ。
十分です。
その後は火吹鳥と五眼猿獣を中心に狩りが続く。
五眼猿獣は妖怪であるせいか、コール・モンスターに上手く引っ掛からない。
でも数が多いようで、遭遇は難しくないようである。
「問題なかったか?」
『なんとかなりそうです』
『迎撃なら平気?』
「よし。では続けるぞ」
大丈夫そうです。
少しダメージがあったのを回復させて狩りを続けた。
うん。
大丈夫そうですね。
シフカは脚が速いからな。
もうちょっと後にしておきましょう。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
戦鬼のレベルアップが来たか。
まずは順調、だな。
戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。
もう1点のステータスアップは器用値を指定する。
戦鬼 レッサーオーガLv5→Lv6(↑1)
器用値 13(↑1)
敏捷値 22(↑1)
知力値 6
筋力値 30
生命力 30
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技 自己回復[微]
ふむ、潔く前衛向けです。
だが眺めている暇はない。
インフォの追撃です。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『奈落』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
うん。
さすがにレベルアップが早いな!
奈落のステータス値で既に上昇しているのは器用値だ。
もう1点のステータスアップは生命力を指定する。
奈落 スケルトンLv1→Lv2(↑1)
器用値 15(↑1)
敏捷値 15
知力値 10
筋力値 10
生命力 10(↑1)
精神力 10
スキル
剣 小盾 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性
おお、いきなり美しいぞ!
だがこれを機会に陣容は入れ替えておこう。
戦鬼はジェリコに。
奈落は剛亀に。
では。
シフカを相手にしてみよう。
あの魔物は幻影を使ってくる。
だが幻影は攻撃を仕掛けてくる訳じゃない。
防御を重視して迎撃、というのはアリじゃない?
そう思ったのでした。
ちょうど防御の堅い召喚モンスターが揃っている。
試してみたい。
『キレイですね』
『凄い!凄い!』
「いや、魔物の群れなんだけどね」
『美しいのは正義?』
『昼間は気が付きませんでした』
何がキレイかと言えば。
シフカの群れです。
8匹ほどの群れを呼んだ筈ですが、間違いなく倍はいるように見えます。
幻影が混じっているのだ。
そして幻影も、本体も、淡く光を放って輝いているのでした。
まあそれはいいんですが。
ちゃんと狩りますからね!
『迎撃の方が圧倒的に楽?』
『ちょっと意外でした』
「同じく。嵌ってくれると簡単なもんだな」
『まあ召喚モンスター達がいてくれて楽が出来ましたから』
そう。
実に楽だった。
特に大亀がいい。
オレの召喚モンスターの剛亀。
そしてイリーナの召喚モンスターの墨家。
この2匹が石礫を広域に撒き散らすのが異様に役に立ったのでした。
幻影だと石礫が透過するだけなので、見極めが比較的簡単です。
これに2体のゴーレムも壁となって加わるのだ。
その戦列にオレと護鬼、それにビーストエイプとライオンも加わる。
ナイアスと金毛狐が後衛から支援。
空中位置のフクロウにバット、それにミストは自由に牽制を続ける。
テロメアは支援と牽制の両方を受け持つ形だった。
つか討ち漏らしたシフカの止めを刺す事が多かったようだ。
無論、血を頂くのも忘れていない。
見事だ。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナイアス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
時刻は午後8時20分。
今度はナイアスがレベルアップだ。
これも思惑が的中したようです。
では。
ナイアスのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。
もう1ポイント分のステータスアップは筋力値を指定しておく。
ナイアス メロウLv2→Lv3(↑1)
器用値 19
敏捷値 18(↑1)
知力値 24
筋力値 8(↑1)
生命力 8
精神力 18
スキル
両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 呪曲 水属性
順調?
だが数字が揃うにはもう少し手を入れないと、な?
ではナイアスもここで交代で。
支援役には幻月を加えましょう。
時刻は午後9時30分。
そろそろアデルとイリーナは限界のようだ。
MPバーの残量は2割を切り、1割に迫ろうとしている。
「そろそろ切り上げた方がいいんじゃないかな?」
『ですね』
『いい調子だったのに残念!』
『さすがに今日中でレベル14は無理だったみたいね』
『でも経験値は稼げてる筈!』
うん。
途中からややハードになったのはオレの差し金です。
正直、スマンかった。
でもね。
早くレベルアップして欲しいのですよ。
そしてフューズ・モンスターズを覚えて欲しい。
エリアポータルまで同行してユニオンを解消。
また明日、だな。
では。
オレはもう少し、狩りを続けてみよう。
今度は戦力が間違いなく落ちている。
コール・モンスターで呼び寄せる魔物の数には注意が必要だ。
何を狙う?
無論、シフカだ。
妖怪はここまで実入りがない。
あの黒猿、格闘戦を試すには良さそうな相手なんですがね。
黒猿さん。
ゴメンナサイ。
何も落とさないと思い込んでいて相手にしてませんでした。
実は稀にアイテムを残してくれたのね。
その黒猿5匹とは偶然に遭遇した類だと思う。
まあなんとか始末したんですが、何かを残していたのですよ。
何?
【素材アイテム】妖浮岩 原料 品質C レア度3 重量0+
薬石。一般的に目薬として使われ、暗闇状態の回復に効果がある。
多孔質であり水を程よく吸収する。
通常は吸わせた水をそのまま点眼して使用する。
うん。
でもそんなに数多く欲しいアイテムじゃなかった。
数個あっても良さそうなので、ウェルカムですけど。
まあ優先はシフカで変更なしです。
たまに余裕があれば火吹鳥も追加しよう。
空中位置の魔物で迎撃は難しい?
そこはテロメアが大活躍でした。
闇の帯が何本も繰り出されて一気に鳥の体を貫いてしまう。
そのまま地面に落としたら詰ませるのは簡単だ。
まあノーダメージとは行かないけどね。
時刻は午後11時30分。
まだインフォがない。
シフカの肉と皮もいい感じで溜まってきた。
妖浮岩も1個だけだが追加もしている。
そろそろ、召喚モンスター辺りにレベルアップがあっていいと思うのだが。
オレのMPバーも残り3割。
時間もない。
おっと。
オレに掛けてある呪文の効果が全て切れたようだ。
うん、いい機会だ。
そうそう、呪文の効果の確認でもしておこうか?
再確認、してみよう。
ステータス
器用値 18(+3)
敏捷値 18(+3)
知力値 29(+5)
筋力値 18(+3)
生命力 18(+3)
精神力 29(+5)
フィジカルエンチャント系、メンタルエンチャント系。6種類を重ねて掛けたらこうです。
さすがに元々の数値が高い知力値と精神力は底上げの効果がいいな!
では次だ。
「真練気法!」
さあ、どうなっている?
ステータス
器用値 18(+8)
敏捷値 18(+8)
知力値 29(+12)
筋力値 18(+8)
生命力 18(+8)
精神力 29(+12)
うわ。
一時的ではあるが、ステータス値で40を超えるんかい!
これは強烈。
だがまだ重ね掛け出来る呪文がある。
グラビティ・メイルだ。
ステータス
器用値 18(+8)
敏捷値 18(+12)
知力値 29(+12)
筋力値 18(+12)
生命力 18(+12)
精神力 29(+12)
吹いた。
どんだけ底上げ効果があるんだって話だよ!
それに、だ。
力水、モーズグズの涙、スットゥングの蜜酒(劣)もこれに効果が重なるのか。
勿体無いからしないけど。
おっと。
呪文の効果があるうちに魔物を呼んでおこう。
そこから呪文の効果が切れるまで狩りを続けました。
本日最後の獲物としたのはシフカ10頭。
まあそこそこに苦戦してしまった
さすがに慣れてきてはいるのだが、迎撃戦は難しいですよ?
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『幻月』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
そうそう。
幻月は地味に後方から頑張ってました。
MPバーも残り2割になってるし。
頃合いだったんだろうな。
では。
幻月のステータス値で既に上昇しているのは知力値だった。
もう1ポイントは筋力値にしておこう。
幻月 インプLv3→Lv4(↑1)
器用値 5
敏捷値 20
知力値 21(↑1)
筋力値 4(↑1)
生命力 4
精神力 22
スキル
飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[小]
光属性 闇属性
フェアリーだと種族の成長上限に早々に達していたんだが。
インプだと大丈夫なのかね?
幻月の大きさには今の所、変化は無い。
それにしても、だ。
日付、跨いじゃいました。
時刻は午前0時10分だ。
さっさとエリアポータルに戻ってログアウトしておこう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv23(↑1)
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv8
ボーナスポイント残 19
セットスキル
剣Lv8 両手槍Lv8 棍棒Lv8 刀Lv7 捕縄術Lv7
杖Lv17 打撃Lv14 蹴りLv14 関節技Lv14
投げ技Lv14 回避Lv14 受けLv14
召喚魔法Lv23(↑1)時空魔法Lv13 封印術Lv6
光魔法Lv13 風魔法Lv13 土魔法Lv13 水魔法Lv13
火魔法Lv13 闇魔法Lv13 氷魔法Lv11 雷魔法Lv11
木魔法Lv11 塵魔法Lv11 溶魔法Lv11 灼魔法Lv11
錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9
連携Lv16 鑑定Lv16 識別Lv16 看破Lv4 耐寒Lv8
掴みLv13 馬術Lv13 精密操作Lv15 ロープワークLv7
跳躍Lv7 軽業Lv7 耐暑Lv9(↑1)登攀Lv8 平衡Lv8
二刀流Lv14 解体Lv12 水泳Lv6 潜水Lv5
ダッシュLv5 耐久走Lv5
身体強化Lv12 精神強化Lv13 高速詠唱Lv13
魔法効果拡大Lv12 魔法範囲拡大Lv12
ステータス
器用値 18
敏捷値 18
知力値 29(↑1)
筋力値 18
生命力 18
精神力 29(↑1)
召喚モンスター
ヘリックス ファイティングファルコンLv5→Lv6(↑1)
器用値 14(↑1)
敏捷値 28
知力値 23
筋力値 14(↑1)
生命力 14
精神力 15
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動
風属性
戦鬼 レッサーオーガLv5→Lv6(↑1)
器用値 13(↑1)
敏捷値 22(↑1)
知力値 6
筋力値 30
生命力 30
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 投擲 受け 回避 登攀 投げ技
自己回復[微]
ナイアス メロウLv2→Lv3(↑1)
器用値 19
敏捷値 18(↑1)
知力値 24
筋力値 8(↑1)
生命力 8
精神力 18
スキル
両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 呪曲
水属性
クーチュリエ ギガントビーLv4→Lv5(↑1)
器用値 17
敏捷値 29(↑1)
知力値 12
筋力値 6(↑1)
生命力 8
精神力 8
スキル
針撃 噛付き 飛翔 回避 奇襲 毒
幻月 インプLv3→Lv4(↑1)
器用値 5
敏捷値 20
知力値 21(↑1)
筋力値 4(↑1)
生命力 4
精神力 22
スキル
飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[小]
光属性 闇属性
奈落 スケルトンLv1→Lv2(New!)(↑1)
器用値 15(↑1)
敏捷値 15
知力値 10
筋力値 10
生命力 10(↑1)
精神力 10
スキル
剣 小盾 受け 物理抵抗[微] 自己修復[中] 闇属性




