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ちょっとだけ増量ちう

 ログインした時刻は午前5時20分。

 まだ周囲は暗いが、川面が微かな光を反射していた。

 こういうのもいいな。

 怪しげな美しさを感じる。


 さて、本日のメニューは?


 もっとビフレストガードを相手に戦力の底上げをするのもいいが。

 そろそろ、地底湖を突破してみないか?

 反対側に見える似たような場所でも何かしらイベントがあると思われる。

 何があるのか。

 あの地底湖の先になる筈だ。


 文楽を召喚する。

 まずは朝飯だ。

 朝日は拝めない。

 まだ薄暗い中、滝の向こう側、崖の向こうに薄暗く森が見える。

 良く、見えるな。

 今日の天気は良さそうだ。

 でも今日はこれから洞窟の中に行くんですけどね。


 さて陣容をどうするか?

 融合識別もしておきたいから昨日やっていないメンバーで行こう。

 ヴォルフ、ジーン、戦鬼、ナインテイル、レーヴェで。

 全員、融合識別で確認していく。

 誰が引っ掛かったのか?

 ジーンとレーヴェだ。

 だがその内容が微妙に違っている。


 レーヴェの場合、クリープと瑞雲の場合と同じようである。


《融合対象となる召喚モンスターではありません。クラスチェンジが必要です》



 うむ。

 同じだよな?

 でもジーンは違うのですよ。



《融合対象となる召喚モンスターです。もう2体召喚モンスターが必要です》



 うわお!

 これは調べるべきだね!

 オレの念頭に今日の探索予定の事は残っている。

 でも文楽の料理がまだ出来上がっていないのだ。

 確認しておこう。

 MPバーも減るけど、これは無意味にはなるまい。



 レーヴェを帰還させる。

 召喚するのは無明だ。

 何故か。

 闇の住人だからね。

 早速、融合識別を使って調べてみましょう。



《融合対象となる召喚モンスターです。もう2体召喚モンスターが必要です》

《融合対象の召喚モンスターが1体います。もう1体召喚モンスターが必要です》


 いきなりビンゴです。

 では続けようか。

 ヴォルフと戦鬼を帰還させよう。

 さて、誰が最後の1体なのかな?

 まあ怪しい奴には心当たりはあるが。




 整理してみた。


《融合対象となる召喚モンスターではありません》


 ヴォルフ、黒曜、ジェリコ、護鬼、戦鬼、リグ、文楽、ナインテイル

 ヘザー、ティグリス、ナイアス、剛亀、テイラー



《融合対象となる召喚モンスターではありません。クラスチェンジが必要です》


 残月、ヘリックス、クリープ、瑞雲、レーヴェ



《融合対象となる召喚モンスターです。もう2体召喚モンスターが必要です》


 ジーン、無明



 うむ。

 ジーンと無明は互いに融合相手である訳だが。

 もう1体は?

 やっぱりあいつが怪しい。

 瑞雲が、怪しい。

 では何が融合出来るのか?

 アレか。

 アレなのか?

 アレだよな?

 ジュナさんの傍らにいたアレだ。

 いきなりバンパイアデュークはないだろうが、その下って事はあり得る。


 期待は大きい。

 でも想像するのは止そう。

 予測に予測を重ねた上の妄想だ。

 ともかく、瑞雲を鍛えてクラスチェンジさせてみたら分かる事だ。



 それに気になるのはクラスチェンジが必要となっている他の召喚モンスター達だ。

 なんとなく、予想のつく組み合わせがある。

 師匠が召喚してみせた、あの召喚モンスター。

 キメラだ。

 これにも期待がある。


 そして残月とヘリックスか。

 アレか?

 いや、止めよう。

 まだ先は長そうだ。 

 こういう事だったのね。

 【錬金術】を鍛えておけ、とアドバイスされてはいたが。

 その理由がこれか。




 食事を摂りながら陣容を変更していく。

 黒曜、戦鬼、クリープ、瑞雲、レーヴェとした。

 あからさまに融合対象となる召喚モンスターのクラスチェンジ狙いだ。

 まあ地底湖では交代になる運命ではあるんですがね。


 オレのMPバーも1割近く減ってしまった。

 まあいい。

 得たものは期待。

 それだけの価値は十二分にある。



 洞窟を戻ろう。

 目標は当然、あの水魔草だ。

 おのれ仇敵。

 待っていなさい!




 ルーディバットはまあいい。

 黒曜と瑞雲が特殊攻撃を重ねたら簡単に地上に撃ち落されてしまう。

 刀と独鈷杵で止めを刺すだけで済む。

 だがウェンディゴはそうはいかない。

 特にクリープが心配だ。

 レジスト・アイスがあって、冷気によるダメージも軽減出来てはいるのだが。

 それでもレーヴェ辺りと比べたら明らかに大きいダメージになっていた。

 さっさと仕留めるべきか。


 ウェンディゴ2匹目。

 刀の代わりに雪獣のメイスを使ってみました。

 ダメージあるじゃん。

 いや、どうも色々と付加されている氷属性由来の状態異常はまるで効いていない。

 だが基本的にいい考えではなかったようだ。

 寝ている間に黒縄で仕留めるべきだな。



 ウェンディゴ3匹目。

 寝ている所を後ろから黒縄で首元を絞め上げて延髄部分に独鈷杵を押し当てる。

 灼魔法の刃身はまるで高密度の水蒸気の塊のようだ。

 かなりいい感じでダメージが加えられていく。


 うむ。

 では次だ。

 中継ポータルへの道を横目に見ながら洞窟を進む。

 もうすぐだ。

 問題の場所に到達するぞ?




 水の匂いがより一層濃くなっている気がする。

 問題の場所は近い。

 では水中対応の布陣で行こう。

 陣容は全面的に変更だ。

 ナイアス、剛亀、テイラー、リグ、ヘザーと召喚していく。

 オレ自身も鎧兜を外して槍を手にし、リグを貼り付かせたら潜水準備完了だ。

 では。

 水草の除去と行こう。



 水辺まで少し距離を置きながら様子を窺う。

 コール・モンスターを使ってみた。

 いる。

 いますよ?

 つかどう見ても20以上、いる。

 シースターマインじゃあるまいし、どんだけいるんだ!

 多いって!

 で、その強さは?

 レベル1からレベル5までいるようだな。


 水草の分布で見ると、水没している洞窟の長さは100フィートって感じだろうか。

 いや、30mって所?

 戦闘なしで【潜水】するのであれば、通り抜けられそう?

 いやいや、実は罠で水没箇所が続いているのかもしれない。

 油断すべきではないな。


 方針は?

 確実に行こう。

 水草を駆除して進むのだ。

 潜水しながら逃げ回って辿り着けるとは思えない。




 水魔草 Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:水中、地上 水属性 木属性



 コール・モンスターで呼び寄せる事も試してみたのだが、こいつらには効かなかったように見えた。

 実際、湖底にいる水魔草を見たら、根を張っているように見えたものだ。

 いや、実際には動いている。

 凄まじく水中でも移動速度が遅いだけだ。



 ここでは意外な召喚モンスターが大活躍でした。

 誰かと言えば、剛亀とテイラーです。

 魔物は長く伸びた茎を蔦のように動かして絡み付いて、引き摺り込もうとするのだが。

 剛亀はそのまま、引き摺られるに任せて接敵する。

 ダメージはない。

 そのまま魔物の根元を齧り始めたのだ。

 魔物のHPバーは着実に減っていく。

 あれ?

 もしかしてこいつ等、結構弱いのか?


 テイラーは豪快そのものだ。

 寄ってくる茎を爪で挟むとバサバサと切ってしまう。

 その上で接敵して根元を断った。

 簡単に見えるよね?


 ところがオレが茎を手にしてどうにかしようとしてもビクともしないのですよ。

 暖簾に腕押し、糠に釘と言うが。

 呪文で強化もしてあるのだが、まるで無意味だ。

 そのくせこの魔物、オレを引っ張り込もうとする力は半端なく強い。

 茎1本分だけでもアレか。

 オレが湖底に引き摺り込まれた時には足にビッシリと絡まれていたっけ。

 そりゃ溺れ死ぬわ。


 オレとナイアス、それにヘザーは除草作業を進める剛亀とテイラーの後ろから支援を続けた。

 ここではさすがに前衛に出る度胸は無い。

 その必要も無い。

 ここは除草業者に任せましょう。

 つか息継ぎが必要なのですよ!

 念の為、剥ぎ取りもするんだけど何も剥げない。

 手間がかかるが、これは仕方がないな。



 水没している洞窟だが、その中間あたりで空気溜まりがあるのをナイアスが見つけてくれていた。

 これは助かる。

 正直、ほんの30mであっても潜水で乗り切れるかどうか。

 オレの認識していない魔物が潜んでいたらアウトになる危険だってある。

 少しでも保険は多くあって欲しいものだ。





《只今の戦闘勝利で【両手槍】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【水泳】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テイラー』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 水没した洞窟部分を渡り切り、最後の水魔草を倒しきった所で色々とレベルアップしてました。

 除草作業は順調であった模様。

 ダメージも多少あるようだが、まるで気にならない。


 では。

 ステータス値で既に上昇しているのは筋力値だ。

 もう1点は敏捷値を指定する。



 テイラー ビッグクラブLv4→Lv5(↑1)

 器用値 10

 敏捷値  9(↑1)

 知力値  6

 筋力値 27(↑1)

 生命力 22

 精神力  6


 スキル

 鋏撃 水棲 土耐性 水耐性



 機動性はどうにか底上げしたいものです。

 それは剛亀も一緒だ。

 ところで剛亀はどうだったかと言えば、マイペースで魔物駆除を行っていたようだ。

 目に見えるほどのダメージはない。

 流石に堅いな!

 呪文も掛けてあって安心ですね。


 総評。

 オレだけじゃ、ここを突破するのは絶対に無理!

 水中活動のできる召喚モンスターがいて本当に良かったです。




 地底湖をどうにか踏破すると、予想通り洞窟がまだ続いている。

 宜しい。

 先へ進んでみよう。

 装備を身に付けて陣容を元に戻す。

 黒曜、戦鬼、クリープ、瑞雲、レーヴェの陣容になる。

 そしてコール・モンスターで周囲の様子を確認。

 魔物は?

 いるわいるわ。

 ルーディバット、それにウェンディゴがいる。

 特にルーディバットが尋常ではない数になっているんですが。


 一種のモンスターハウス?

 多分、そうなんだろうな。

 最初から呪文による強化はやっておきましょう。

 そうしましょう。




 今までの所、洞窟内の様相は変化がない。

 分かれ道もなかった。

 マグネティック・コンパスで方位も確認しながら進んでいる。

 どうもこの洞窟、火口の周囲に沿って形成されているようだ。

 湖から川が伸び、一箇所だけある裂け目に向かって流れている。

 そして滝、か。

 感覚的にはもうちょっと歩けば辿り着けそうではある。

 ウェンディゴも起きていたり寝ていたりもするが、もう力技で突破する。

 あの場所に、行きたい。

 きっと何かのイベントがあるに違いないのだ。

 少し戦闘が雑になっているのかもしれないな。

 反省。




 で、問題の場所です。

 時刻は午前11時40分。

 結構、手間どりましたよ?

 魔物が多くて剥ぎ取り作業の方が多いという罠は初めてではない。

 奇陳石はもう結構な数が溜まっている。

 まあ闇蝙蝠の牙がそこそこ稼げたのは嬉しいけどね。

 おっと。

 瑞雲に明るい場所はご法度である。

 陣容は変更しておこう。

 瑞雲は帰還させてナインテイルを召喚する。

 オレの得物は呵責のトンファーを左手に持つだけ。

 状況によっては黒縄を使うかもしれない。

 刀を抜く事になるかもしれない。

 そこは流動的に対応しましょう。


 では。

 可能な限り呪文で強化し終えたら例の岩に触れる。

 さあ、どうなる?




《我等は番人》


《魔は滅ぶべし》


《人は去るべし》


《勇者なれば死者となりて我等が同胞となるべし》



 ふむ。

 インフォは結構前に聞いた覚えがあるような、ないような。

 だがそこに思いを馳せる余裕はなさそうだ。

 オレ達の相手が出て来ましたよ?




 ビフレストガーディアン Lv.2

 英霊 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 光属性 風属性



 エインヘリャルソルジャー Lv.5

 英霊 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 土耐性



 うーん。

 なんか強くなっているような、いないような。

 いや、間違いなく強くなっているって!



「練気法!」


 ここは全力で行かせて貰おうか。

 戦鬼は2体いるエインヘリャルソルジャーのうちの1体を抑えて貰おう。

 そいつの得物はメイスに盾だ。

 近接戦闘であれば戦鬼の土俵になる。

 苦戦はあってもすぐに敗北するとは思えない。

 もう1体の弓矢持ちは黒曜、クリープ、ナインテイル、レーヴェで相手をして貰う。


 で、オレが相手に見定めたビフレストガーディアンなんですが。

 重装備なのは変わってない。

 得物も変わらないように見えるが。

 微妙に違っている?

 間違い探しじゃないって!


『シールドラッシュ!』


 つかさ。

 いきなり武技が飛んできましたよ?



 こいつめ。

 重装備で動きは鈍いように見えるが、今の武技は随分と速かった。

 今はどうか?

 まるで遅い。

 いや、あれだけの重装備で普通に歩いているだけでも脅威ですけどね。

 問題はリズムの変化だ。

 間合いを掴むのにも苦労しそうだ。


『ソードスラッシュ!』


 その武技は唯の攻撃ではなかった。

 間合いが明らかに遠い。

 それでもオレの体には衝撃があった。

 選択して実行してあった呪文の詠唱が途切れる。

 え?

 オレのHPバーは明らかに1割ほど減っている。

 痛みは後になってから徐々に感じられるんですけど。


 こいつ。

 攻撃を、飛ばした?



 間合いはこっちに不利か。

 呪文を選択して実行。

 右手で肩に掛けてある黒縄を少し解く。

 遠距離からの攻撃がなければ刀を使ってもいいんですが。

 ここは早めに接近戦を挑む方がいい。

 無論、まともに戦えば不利だ。

 まともな戦い方なら、出来る。



『シールドラッシュ!』


 オレが駆け寄るのに合わせて武技を繰り出してくる。

 有難い。

 こっちから接敵する手間が省ける。

 体を捌いて受けた。

 無論、ダメージは喰らっている。

 それと引き換えにしたのは攻撃の機会。

 まともに動き回られても面倒だ。

 転がってしまえ!


 盾をもつ側、斜め後ろのポジションを確保。

 左足の膝裏を思いっきり蹴り飛ばして体勢を崩す。

 相手の背中に思いっきりタックル。

 これだけでは転がってくれませんでした。

 では追加だ。


「グラビティ・バレット!」


 至近距離から攻撃呪文を撃ち込んだ。

 間髪を容れずに再度タックル。

 それでも倒れてくれないとか、しつこいな!

 でも体勢がかなり崩れていますよ?

 相手の足にオレの足を絡めて、と。

 左腕と首をホールドして。

 そのまま足を跳ね上げた。

 河津掛け。

 反則技だ。

 つまり有効な技って事だな。


 転がった相手の体の上でパスガード。

 狙いは剣を持つ右手だ。

 河津掛けのついでに黒縄を首と左腕に絡めてある。

 右手首に縄を掛けて、腕拉十字固めに極めに行く。

 どうだ?


 左手の盾も自在に動かせないようだ。

 ダメージには期待してなかったんだが、結構喰らわせているようです。

 いける。


 剣が、手から離れる。

 よし。

 右腕は絡んだ黒縄から炎が吹き上がるのにも構わずに抵抗を続けている。

 腕がまだ伸び切っていない。

 背筋を意識して、体重も加えて極めにいった。

 極まるか?

 腕は破壊し終えたみたいだ。

 同時に右腕に絡む黒縄から炎が消えていく。


 盾を蹴りながら今度はマウントポジションを狙う。

 抵抗するビフレストガーディアン。

 だがもうここからは詰み将棋みたいなものだ。

 左腕は既に黒縄で自在に動かせなくなっている。

 ビフレストガーディアンのHPバーはまだ7割ほども残っているようです。

 不憫な。



 そこから先は一方的に殴るだけでした。

 主に掌底を使う。

 抵抗が弱まった所で拳を握り込んで殴り続ける。

 ナックルパートは使わない。

 肩叩きの要領で、小指側の柔らかい部分を使う。

 小指球の部分は親指球と同様に柔らかく、クッションのように働く。

 だがそれだけに衝撃を与えるには都合がいい。

 拳を痛めなくて済むし。


 時間は掛かったが、ビフレストガーディアンはどうにか仕留めきった。

 撲殺か。

 まあ攻撃を封じて勝てたのは良しとしたい。


 2体いたエインヘリャルソルジャーはどうなった?

 既に倒されていたみたいです。

 召喚モンスター達はオレの戦いを観戦していたみたいだ。

 実に結構。

 見取り稽古もいいものですよ?



《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》


 うむ。

 縄はいいな。

 動きを制約するのに都合がいい。

 投網ほどの効果は期待できないだろうけど、大仰でないのもいい。

 もうちょっと、スマートに使いこなしたいけどね。

 そして英霊達は何か残したのか?



《我等は番人》


《魔を排除せよ!》


《人として生きよ!》


《勇者なれば死者となるまで正義を貫くべし》



 おや?

 インフォを残したようです。

 川向こうでは無かったと思ったが。

 まあ、そんなに気にしないでいいのかもしれないな。

 で、何かアイテムは?


 ねえ、アイテムは?



 なかったです。

 もうこの辺は諦めろって事なのかね?





 いい時刻なので昼飯としよう。

 インスタント・ポータルを展開した。

 黒曜は回復呪文で全快にしてから帰還させる。

 文楽を召喚して料理を任せよう。


 料理の合間にオレはオレのすべき事をやっておく事にする。

 クリープ、ナインテイル、レーヴェはポーションで全快にして、と。

 戦鬼は自己回復するから面倒が無い。


 召喚モンスター達の次は?

 奇陳石、それに闇蝙蝠の牙が溜まっている。

 木工を優先で。

 闇蝙蝠の矢はもっとあっていいよね?




 料理が出来た所で木工作業は中断した。

 文楽の料理を摂りながら今後の予定をどうするか、少し悩みました。

 当面の目標をクリアしてしまったからだ。

 どうする?

 色々と出来る事は多い。


 隣のマップに行くのもいいな。

 だがそれ以上にオレの心から離れないものがある。

 召喚モンスターの、融合だ。

 見てみたい。

 昼間だし瑞雲を召喚してビフレストガードと戦うのは避けたい。

 だが候補であるクリープとレーヴェはいる。

 周囲に他のプレイヤーは、いない。


 これはチャンスじゃないかな?



 よし。

 作っておいた矢は文楽の矢筒に入れておき、机や道具の片付けを手早く済ませる。

 文楽はここで交代だ。

 文楽を帰還させるとナイアスを召喚する。



 ビフレストガードになるか、ビフレストガーディアンになるかは分からない。

 金剛力士と同じつもりで行こう。

 まだ正午を過ぎたばかり、時間は十分にある。

 では。

 挑戦しましょうかね?






 ビフレストガードに10戦ほど挑戦し続けてみた。

 どうやら出現の際のレベル変動は金剛力士と同じパターンのようだ。

 ビフレストガードはレベル1からレベル7まで出現する。

 ビフレストガーディアンは1回出てきたがそれはレベル1であった。

 そしてモーズグズの涙が短い間に1個、入手できている。


 どうやら挑戦で出てくるレベルが上のほうも出るようになった気がする。

 オレ自身も得物は色々と試すだけの余裕が出来上がりつつある。

 時に考えるのが億劫になってきたら迷わずメイスを使った。

 頭を空っぽにして振り回すには丁度いいのですよ。




 ビフレストガーディアン Lv.5

 英霊 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 光属性 土属性



 エインヘリャルソルジャー Lv.8

 英霊 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 風耐性



 例えば今の所で最も強力な相手だとこんな感じになる。

 ビフレストガーディアンの場合、光属性は固定のようだが、もう1つの属性はランダムかな?

 エインヘリャルソルジャーも耐性はランダムのようだ。


 それにしてもこのビフレストガーディアンとエインヘリャルソルジャー2体は強かった。

 攻撃呪文も駆使してどうにか仕留めたが、ナインテイルが少し危ない場面があったし。

 最初からナイアスの歌の支援があって良かった、とも言えるだろう。

 まあ苦戦した分、色々と収穫はあるようだし、その収支には十分に満足である。



《只今の戦闘勝利で【棍棒】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【識別】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ナインテイルのMPバーはまだ余力はあるかな?

 このビフレストガードはオレが相手をし続けているから余り気にしてなかった。

 エインヘリャルファイターとエインヘリャルソルジャーだって強いのだ。

 支援役はナインテイルがずっと担っている。

 MPバーは気にしておくべきだろう。

 どこかでヘザーと交代が必要かもしれない。

 そうでなければマナポーションを与える事も考えておこう。


 おっと、いけね。

 ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。

 もう1点は知力値を指定した。



 ナインテイル 銀毛狐Lv1→Lv2(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 23

 知力値 23(↑1)

 筋力値 10

 生命力 10

 精神力 24(↑1)


 スキル

 噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[小]

 光属性 闇属性



 ちょっと残念。

 でも順調にステータス値を伸ばしてきているし、これでいいのだろう。




 更に20戦ほど挑戦し続けてみた。

 ビフレストガードの傾向が徐々に明確になりつつある。


 どうもアイテムを得られる確率が少しだけ、上がっているような気がする。

 モーズグズの涙は更に2個、追加された。

 そして新たなアイテムも得ている。

 相手はレベル6のビフレストガードだったんですがね。



【回復アイテム】スットゥングの蜜酒(劣) 品質C+ レア度6 重量2

 知力値上昇[小] 効果時間は約10分程度

 陶器に入った蜜酒。飲めば誰もが詩人になれるという。

 使用量は口に含む程度でよいが、小分けにしてはならない。



 これはまたレア度が高めなんですが。

 ところで劣って注釈付きなのは何だろうかね?

 まあこれは気にしないでおいて、と。


 もっと戦闘を続けましょう。

 時刻は午後4時を少し過ぎた頃だ。

 まだまだいける。

 オレのMPバーもかなり減ってきているが、マナポーションで補充しておいた。

 残りは6割。

 十分であろう。




 更に20戦ほど、追加で。

 あのレベル5のビフレストガーディアンはまだ見ていない。

 そのお陰だろうか、苦戦は減ってきている気がする。

 慣れって怖い。



《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》

《【刀】武技の切り返しを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《【灼魔法】呪文のエンチャンテッド・スチームを取得しました!》



 まあ色々と上がってくれてます。

 灼魔法がレベルアップしたのを機に独鈷杵の魔法技能選択は木魔法にしておこう。

 相手の動きを制約出来るだろうし、都合がいい。


 それに周囲は結構暗くなってきたな?

 ナインテイルのMPバーも結構厳しくなっているように見える。

 潮時だな。

 夕食のついでに交代させるとしよう。




 再びインスタント・ポータルを展開、ナインテイルを帰還させた。

 文楽を召喚し、夕食を作らせている合間に闇蝙蝠の矢を作成し続ける。

 そこで奇妙な事に気がついた。

 川の対岸だ。

 オレと同じく、ビフレストガードに挑んでいるパーティがいます。

 遠目だし判別が難しいな。

 それに今はインスタント・ポータルの中だ。

 後回しにしておこう。

 なんとなく、紅蓮くん達のパーティの予感がするし。



《これまでの行動経験で【木工】がレベルアップしました!》



 それになんか意外な技能までレベルアップしてきてるし。

 まあオマケだと思えばいいさ。



 食事も早々に片付けると周囲はいい具合で暗くなってきている。

 宜しい。

 文楽は帰還させて瑞雲を召喚する。

 クラスチェンジを控えているのは瑞雲だけではない。

 クリープ、それにレーヴェもいる。

 今日は地底湖以外ではずっと活躍を続けている訳だが。

 クリープとレーヴェのクラスチェンジの方が結構早かったりするかもしれないな。



 川向こうのパーティはやっぱり紅蓮くん達みたいだ。

 手を振ったらちゃんと応えてくれました。

 少し距離はあったが、一時的にユニオンを組むとウィスパーで少し雑談だ。


『あの場所を潜って行ったんですか?』


『ああ。水棲の召喚モンスターがいたから水魔草はどうにか出来たし』


『で、今は経験値稼ぎですか』


『そっちも経験値稼ぎみたいだね』


『人が少ないうちがチャンスですから』


『お互い今のうちに稼ぐとしようか?』


 互いの笑顔までは分からない。

 だがお互いに笑っていたように思う。


 ユニオン状態を解消して、お互いに挑戦を続ける構図になった。



 


 更に30戦ほど、追加で。

 対岸に紅蓮くん達はもういない。

 戦闘中、中継ポータルへと戻って行く姿を見ていました。

 まあ死に戻りしなかったようだし、よく稼いだ事だろう。


 あのレベル5のビフレストガーディアンは?

 なんと2戦連続で戦う事になっちゃいました。

 勝ったのはいいが、結構なダメージも喰らいましたよ?


 だが。

 インフォが楽しみでもあります。



《只今の戦闘勝利で【棍棒】がレベルアップしました!》

《【棍棒】武技の骨砕きを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【氷魔法】がレベルアップしました!》

《【氷魔法】呪文のエンチャンテッド・アイスを取得しました!》

《称号【呪文図書館】を得ました!》

《取得が可能な魔法スキルに【封印術】が追加されます》



 うん。

 なんか変なのが追加されちゃってますけど?



 称号も気になる。

 呪文図書館?

 目録、辞書ときて図書館ですか。

 そして相変わらずなのだが、称号に関する説明が見当たらない。

 魔法技能のレベルを確認しておこう。

 その合計は?

 160だ。

 多分、これがトリガーだったのだろう。


 そして取得が可能になった【封印術】か。

 取得可能なスキル一覧を見る。

 確かに、あった。

 そして取得に必要なボーナスポイントは如何程でしょうかね?


 必要なボーナスポイントは5ポイントだ。

 現在、オレのボーナスポイント残りは?

 3ポイントです。



 ダメじゃん!





 なんとまあ。

 新たな目標が増えちゃいました。

 【封印術】か。

 当然だが興味がある。

 でも今すぐ取得は出来ない。

 種族レベルがあと1つ、上がればいいのだ。

 そうだ。

 経験値を稼がねばなるまい。



 ビフレストガードに告げよう。

 長い付き合いになりそうですよ?




 時刻は午後9時40分か。

 まだ2時間、粘れる。

 粘らずにおれるか!






 更に20戦ほど、追加しました。

 時刻は午後11時30分になろうとしている。

 そこでインフォが、来た!



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナイアス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ちょっと違いました。

 勿論、嬉しいのですよ?

 期待する方向が少し違っていただけです。


 おっと。

 ちゃんとステータス画面に集中しましょう。

 時間が惜しい。

 ナイアスのステータス値で既に上昇しているのは器用値だ。

 もう1ポイント分のステータスアップは敏捷値を指定しておく。



 ナイアス マーメイドLv6→Lv7(↑1)

 器用値 16(↑1)

 敏捷値 16(↑1)

 知力値 20

 筋力値  7

 生命力  7

 精神力 17


 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 水属性



 ナイアスまでもがクラスチェンジ候補に。

 ビフレストガード相手に戦うのは金剛力士並みにレベルアップが早いのかな?

 恐らくは、そうだろう。

 アイテムの残し方はちょっとアレですがね。



 もうすぐ日付は変わってしまうだろう。

 ここまで、だな。

 インスタント・ポータルを使いログアウトしましょう

 お楽しみは明日に期待することにしようかね?

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv20

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv6

ボーナスポイント残 3


セットスキル

剣Lv7 両手槍Lv6(↑1)棍棒Lv4(↑2)刀Lv4(↑1)捕縄術Lv6(↑1)

杖Lv16 打撃Lv13 蹴りLv13 関節技Lv13 投げ技Lv13

回避Lv13 受けLv13

召喚魔法Lv20 時空魔法Lv11

光魔法Lv12 風魔法Lv12 土魔法Lv12 水魔法Lv12

火魔法Lv12 闇魔法Lv12 氷魔法Lv10(↑1)雷魔法Lv9

木魔法Lv9 塵魔法Lv9 溶魔法Lv10 灼魔法Lv10(↑1)

錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9(↑1)

連携Lv15(↑1)鑑定Lv14 識別Lv15(↑1)看破Lv4 耐寒Lv8

掴みLv12 馬術Lv10 精密操作Lv14 ロープワークLv6

跳躍Lv7 軽業Lv6 耐暑Lv8 登攀Lv8 平衡Lv6

二刀流Lv13 解体Lv11 水泳Lv6(↑1)潜水Lv5

身体強化Lv11 精神強化Lv11 高速詠唱Lv13

魔法効果拡大Lv11 魔法範囲拡大Lv11


装備

独鈷杵×2 呵責の杖×2 呵責のトンファー×2

呵責の捕物棒×1 ダツ顎の槍+×1 旗魚の槍+×1

太刀魚の刀×1 雪獣のメイス×1

怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+×1

斑雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×1

雪豹のバグナグ×2

草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1

暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム

剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 

老召喚術師の高弟 森守の紋章 中庸を知る者

海魔討伐者 瑠璃光の守護者 呪文図書館(New!)格闘師範


召喚モンスター

ナインテイル 銀毛狐Lv1→Lv2(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 23

 知力値 23(↑1)

 筋力値 10

 生命力 10

 精神力 24(↑1)

 スキル

 噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[小]

 光属性 闇属性


ナイアス マーメイドLv6→Lv7(↑1)

 器用値 16(↑1)

 敏捷値 16(↑1)

 知力値 20

 筋力値  7

 生命力  7

 精神力 17

 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 水属性


テイラー ビッグクラブLv4→Lv5(↑1)

 器用値 10

 敏捷値  9(↑1)

 知力値  6

 筋力値 27(↑1)

 生命力 22

 精神力  6

 スキル

 鋏撃 水棲 土耐性 水耐性

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― 新着の感想 ―
1日で100連戦するのを苦にもしないのはクレイジーすぎる… 普通のゲームならまだしもVRなのに
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