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 左を見ると崖の下に海が見える。

 なんだろう。

 足が竦む感覚は独特だ。

 なんとか耐えて先へと進む。


 鬼は出ない。

 他の魔物も出現してこない。

 対岸には譲二達がいて、互いにウィスパーで連絡をして確認しながら進んで行く。

 まだ互いに会話は出来る距離のようだ。


『こっちは像が見えた。そっちは?』


『確認した。風神像、だな』 


 ウィスパーで譲二と細かく会話しながらそれぞれのルートを進んでいた。

 崖を挟んで譲二達の姿が見えている。

 まあオレには黒曜がいるから確認は簡単でしたけどね。


 そうやって慎重に歩を進めて辿り着いたのがここだ。


 そこは円形の広場のように見えた。

 だが片側は崖だ。

 その下は海面になっている。

 もう片方は壁。

 天井は高い。

 その広間の奥に風神の像がある。

 壁にある門扉を守るかのようだ。


『門扉まで5メートルの距離まで接近する。いいか?』


『了解』


 5メートルか。

 16フィートとちょっと、だな?

 車1台分て所だな。


『風神に変化なし』


『了解。雷神も変化なし。ここまでは想定通りだ。一旦停止。呪文の強化を済ませよう』


『分かった。こっちは少し時間を貰う。いいか?』


『勿論だ。呪文詠唱がキースだけだしな。終わったらコールを』


『了解』


 取り急ぎ呪文で強化を始めた。

 エンチャント系は一通り、グラビティ・メイルも使う。

 ナインテイル以外には力水も使った。

 そして全員にレジスト・ウィンド。

 オレのMPバーも派手に減ったが、マナポーションである程度は回復させておいた。


『準備完了』


『了解、では先に門扉を触って見よう。ミハイロフ、カウント20から読み上げてくれ』


 ミハイロフの声が響く。

 残り10秒。

 門扉の前に到達。


『残り5、4、3、2、1、接触!』



 門扉に手を触れる。

 すると周囲が一気に明るくなった。

 フラッシュ・ライト?

 いや、あの人魂だ。

 

 こっちの崖と向こうの崖の間、海上に浮かんでいる。

 そしてインフォが流れてきましたよ?



《風よ吹け!》


《雷よ来れ!》


《邪気を祓うべし!》


《降魔調伏の力はここにある》


《汝等にその資格を問うもの也》



 そこでインフォが終わったようだ。

 像が、動き出す。


『雷神が動き出した。そっちは?』


『風神もだ』



 風天神鬼 Lv.3

 天将 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上、空中 風属性



 【識別】した結果を仮想ウィンドウで確認。

 これは譲二達とも共有されている筈だ。


 そして彼らの【識別】結果も仮想ウィンドウに表示される。



 雷天神鬼 Lv.3

 天将 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上、空中 雷属性



 これだけでは分からない事が多い。

 実際の強さはどうなのかね?


 だがこいつ等だけが相手ではないようです。

 邪鬼だ。

 5匹、いる。


『風神のオマケで邪鬼が5匹、追加された』


『こっちもだ。イヤな感じがする』


『では』


『次の連絡は戦闘後で』


『無論、勝利して、だね』


 そうです。

 そこが重要ですからね。



「練気法!」


 武技で強化。

 その直後にいきなりの烈風。

 だが大きなダメージはない。

 レジスト・ウィンドがありますので。

 それでも黒曜は大きく体勢を崩されてましたけどね。


 邪鬼が邪魔だ。

 こいつらは護鬼達に任せるとして。

 オレは風神を狙う。

 あれをどうにかするのが先決だ。


 風神は緑鬼のような外見をしている。

 角は1本、牛の角のように太く猛々しい。

 軽装であるが、特徴的なのは両肩に担いだ袋状の荷物だ。

 その両端は紐で閉じられていて、そこを緩めるとそこから風が吹き出てくる。

 そういう魔法具のようです。

 そしてこの鬼、逃げ足が問題だ。

 速い。

 それに短時間だが空を駆けるように飛んでしまう。

 だがオレには黒縄がある。

 捕らえたらいいのだが。

 これがそう簡単じゃなかった。


 黒縄の端には黒曜石を重りにしてある。

 解れ防止でもあるんだが。

 勢いを付けるように適当な長さで回転させ、放つ。

 絡んでくれません。


「グラビティ・バレット!」


 3度失敗して4度目は攻撃呪文を当てた上で成功。

 それも片足だけだ。

 風神から烈風が再び叩きつけられてくる。

 今度はオレにだけ、風が叩きつけられてきた。

 レジストしているとは思う。

 それでもキツい。

 ダメージが、ではなく動き難いのだ。

 目を開けるのもツラい。


 縄を握る手に力を込めて思いっきり引っ張る。

 風神の足から炎が吹き上がっているのだけは判別できた。



 風が、止む。

 風神は地面に在って、足に絡んだ黒縄を解こうとしているようである。

 この機会を逃してなるか!

 つかオレから視線を完全に外すとか、ナメた真似だなオイ!


 縄が一瞬緩むが構わない。

 一気に距離を詰める。

 縄を持ったまま風神の顔を殴りつけた。

 続けて腹に膝蹴り。

 そして肘撃ちも。


 風神は至近距離から風を起こそうとするようだが。

 黒縄をたぐって足を引っ掛けて体勢を崩す。

 そのまま足払いで投げた。


 風神の背後へ。

 両手に持つ縄を首に掛ける。

 二重に、巻いた。

 背中を足裏で押しながら縄を引き絞る。

 盛大に炎を吹き上げ始めましたよ?



「エネミー・バーン!」


 ついでに火魔法の攻撃呪文も追加で。

 風神のHPバーは一気に6割程に減っていた。

 おお。

 良く効くじゃないか!


 もう一発、撃ち込むか?

 だが呪文詠唱の時間も惜しい。

 右手に持つ縄も左手で纏めるように持ち替えて、と。

 独鈷杵を腰ベルトから抜く。

 延髄あたりを狙って独鈷杵を押し当てて、と。

 刃身を展開した。

 セットしてあるのは溶魔法だ。

 その刃身は赤く夕焼けの色だが。

 風神の喉を完全に貫いた様は何かを連想させる。


 風神のHPバーは?

 もう残り2割になってました。

 おお、これも良く効くようです。

 刃身を収納して今度は後頭部に独鈷杵を押し付ける。

 展開。


 風神はその一撃で沈んだ。



 邪鬼は?

 片付いてました。

 ダメージも最初の風神による烈風攻撃の分だけのようです。

 まあ邪鬼だしな。


 で、譲二達、漁師チームの様子はどうだ?



『こっちは片付いた!そっちはどうだ?』


『絶賛苦戦中!だがどうにかなりそうだ!』


 ふむ。

 黒曜を支援に向かわせる事は出来るだろう。

 でも邪魔は良くないですね。


 風神と邪鬼の死体は消えていく。

 まだインフォは来ない、か。

 ポーションで皆を回復させて待つとしようかね?



 待つこと数分。

 何やら地面に転がった何かを銛で突いているような光景が遠目に見えてますよ?

 考えたくはないが、投網で絡まった雷神の運命を思う。

 成仏してくれい。




《風はいずれ止む》


《雷もまたいずれ止む》


《生あるものはいずれ邪気を孕む》


《油断するでない》


《汝等もまた逃れる術はないのだ》



 うん。

 インフォは終わった、かな?



《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【風魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【溶魔法】がレベルアップしました!》



 色々と上がってくれましたよ?

 確かに強敵でした。

 黒縄がなかったらもっと苦戦してたかな?



『そっちは大丈夫か』


『宗雄とミハイロフが相当やられた。大ダメージのペナを喰らってる』


『このまま先に進むのは危険ではないかな?』


『いや、この機会は失いたくない。進もう』


 向こう岸を見る。

 スズランが手を振っているようだ。

 こっちも手を振って応える。


『回復は出来た。移動したいがいいか?』


『了解だ』


『まだ2つのパーティが必要なのかも知れない。扉は同時に開けよう』


『分かった』


 門扉の前でスズランのカウントダウンでタイミングを合わせて扉を開ける。

 特に何かが起きる様子はない。

 その先にあるのは洞窟、そして登り階段になっていた。



 登り終えた場所は広間のようである。

 オレ達と同時に譲二達も広間に到達してきたようだ。

 宗雄とミハイロフの緑のマーカーに状態異常を示すマーカーが重なっている。

 厳しい戦いであったようです。


 で、この広間なんですがね。

 中央に何処かで見たような像がいます。

 鎧に身を固め、左手に戟を持って左手は腰に当てている。

 その表情は憤怒。

 赤鬼のようでもあるな。

 十二神将に通じる姿のようですが。


 こいつの立ち姿は見た事がある。

 有名な立像ですな。

 増長天だ。



《生とは何か》


《命に非ず》


《言葉に非ず》


《我、即ち、雛形に過ぎぬ》



 あれ?

 また?

 何処かで聞いたような?


 それに戦闘も起きないようです。

 こんな所も毘沙門天と同じだな。


 だが違う所もある。

 毘沙門天の時のように称号が変わる事はなかった。

 その代わりに何やら地面が揺れたような?

 気のせい?



「お!称号が変わったみたいだ」


「本当だ」


「キースさんはどうですか?」


 いや。

 変わってないですけどね。


「そのままだな。以前、同じような像に会って称号は変わっているからかな?」


「この像は増長天ですね」


 ほう。

 スズランも知っていたようだ。


「西方面に毘沙門天の像があって称号が変わったって報告が掲示板にありましたから」


「ああ、成程」


「あとは確認したいんだが。ここの攻略情報を掲示板に載せたいがいいかな?」


「大丈夫です」


 ここの洞窟は攻略に来ているプレイヤーは少ないようですが。

 攻略情報が掲載されたら増えてくる事だろうな。

 金剛力士や十二神将のように。


「ではこれで共同戦線は終了ですかね?」


「うむ。オレ達はリターン・ホームで一旦中継ポータルまで跳んでログアウトするよ。お疲れ様でした」


 お互いに握手と礼を交わす。

 まあいい探索だっただろうな。


「追加のお礼といってはアレですが、この洞窟のマップを送っておきます」


「感謝します。ところで先刻、地面が揺れなかったかな?」


「地面が?」


「揺れたかな?」


「地震?」


「ステータス画面に集中していて気がつかなかったのかも」


 うーむ。

 オレの気のせいだったのかも知れないが。


 宗雄から送られたマップを保存しておく。

 ユニオンが解消された所で改めて挨拶を交わす。


「ではまたどこかで会う事もあるでしょうな」


「闘技大会かも、ですけど」


「ではここで失礼します」


 ミハイロフがリターン・ホームの呪文を唱え、譲二達のパーティは目の前から消えていった。

 ふむ。

 こんな風に見えるのね?

 そんな事を考えてましたよ。


 時刻は午後3時10分。

 まだまだログアウトするには早い。

 どうする?

 そりゃあ色々と洞窟内を回ってみましょう。



 最初に何処から手をつけるのか?

 目の前の増長天です。

 拝礼してから触ってみた。

 うん。

 何も起きませんね!


 では次だ。

 風神。

 挑戦出来るんじゃないですかね?




 風天鬼 Lv.4

 鬼神 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 風属性



 目の前に風神がいます。

 姿だけは同じだ。

 そう。

 やはり立像に挑戦は出来るようなのですがね。

 姿形はそう変わっていないように見えるが、こいつは同じではない。

 明らかに、弱体化していました。


 お供の邪鬼もいるが、元から大した脅威ではないのだ。

 風を巻き起こされる前に捕捉すると黒縄で縛り上げて仕留めました。

 これは戦い甲斐がない。

 でもアイテムとして魔石を落としたのは良しとしましょう。



 今度は増長天のいる広間を通過して反対側の崖に向かう。

 そう。

 風神がダメなら雷神がいるじゃないの!




 雷天鬼 Lv.3

 鬼神 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 雷属性



 ダメじゃん。

 まあ強化してあった呪文の効果はまだ十分に残っていたし、文句はないんですがね。

 レジスト・サンダーは使いましたから!

 その分の収支に見合うのか?

 雷神は白い鬼のような風貌をしている。

 その恐ろしげな容姿に見合う強敵であればいいんですが。


 全然、ダメ!

 確かに雷撃は回避しきれないし、恐るべき攻撃なのだろう。

 でもその攻撃を仕掛ける前に動きが止まるようなのだ。

 動きそのものは風天鬼よりも速いようだが、捕まえてしまえば風天鬼よりも脆かった。

 独鈷杵まで使わせて欲しいんですけど。


 こいつからは魔石は取れませんでしたが、別の物を残したようです。

 塩だ。

 とは言っても変性岩塩(聖)ではない。

 変性岩塩(魔)の方でした。

 おい。

 スライム並みですか?



 ここは連続で挑戦すべきか、ほんの少しだけ悩みました。

 でも本来の目的を忘れてはいけない。

 この東方面には【水泳】それに【潜水】を鍛えに来ているのですよ!

 途中に海水で水没していた洞窟がありましたよね?

 水深は浅瀬よりもかなり深い。

 それに魔物はシースターマインしかいないと言う。

 いい相手になるのではないか?

 テイラーのレベルアップも図れる事だろう。


 そうと決まれば移動だ。

 雷神像に拝礼するとその場を辞去した。




 水没した洞窟に戻ってきました。

 ここで陣容は変更だ。

 水中に適応した布陣にしよう。

 ナイアスは残して、と。

 剛亀、テイラー、リグ。

 もう1匹、召喚できる枠はあるけど、無理して召喚する意味は薄い。

 空中位置の召喚モンスターもシースターマインが相手では活躍する場面はないだろう。


 では。

 潜るか。



 オレの水中での活動時間には当然限界がある。

 至極真っ当な話なのだが、戦闘は召喚モンスター任せになり易い。

 それでも槍を使うようにはした。

 なんと言ってもシースターマインの数は多い。

 剥ぎ取りナイフを突き立てるにも息継ぎで水面上へ戻らないといけない。

 どうせ石ころしか剥げないのだとしても念のためだ。




《只今の戦闘勝利で【両手槍】がレベルアップしました!》

《【両手槍】武技の二段突きを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【潜水】がレベルアップしました!》



 夢中になって水の底のヒトデ狩りを続けた。

 水没している洞窟の中央付近は最もキツい。

 息継ぎで戻らないといけない距離が伸びるから当たり前なんですけどね。


 それにしても、ヒトデ多過ぎ!

 カウンターで攻撃をしてくるのだが、その攻撃はかなり強力だ。

 でも剛亀もテイラーも堅い。

 フィジカルエンチャント・アースで常に強化してあれば、ほぼダメージはない。

 たまにダメージを喰らっているのはクリティカルだと思う。

 リグはオレの生体アーマーとして活躍している。

 たまにヒトデに取り付いてますけど。




《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『テイラー』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 目論見通り。


 ステータス値で既に上昇しているのは生命力だった。

 もう1点は敏捷値を指定する。



 テイラー ビッグクラブLv1→Lv2(↑1)

 器用値 10

 敏捷値  6(↑1)

 知力値  6

 筋力値 25

 生命力 21(↑1)

 精神力  6


 スキル

 鋏撃 水棲 土耐性 水耐性



 さすがにまだ先は長いな。



 ダツ顎の槍がまた壊れた。

 旗魚の槍を使えばいいのかもしれないが、やっぱり軽くて扱い易いのです。

 ヒトデ狩りの合間に2度、交換してます。

 2度目でインフォが来たのには驚きましたよ?



《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》



 まあこれも久々か?

 だがそれ以上に気になる存在をナイアスが見付けちゃいました。

 深い場所で横穴を見付けたのだ。

 見に行ったら結構大きかったです。

 十分に通れそうだが。

 行き止まりだと、困ります。


 ナイアスに偵察をお願いしました。

 無理はしちゃダメだからな!

 念のため、生体アーマーのリグに貼り付いて貰いましょう。

 うん。

 見た目のエロさ加減は素晴らしいものがあるな。

 だがこれも必要なのだ。

 必要だからやっているんだ。

 べ、別の目的があるんじゃないからな!



 ナイアスはすぐに帰ってきました。

 どうもそんなに長い抜け道ではないようです。

 どうしましょう?

 決まっている。


 行きましょう。



 オレの見通しは甘かったようだ。

 息が続くかどうか、ギリギリです。

 途中でナイアスに引っ張って貰いながらどうにか海面上で息継ぎができてます。

 あ、危なかったぜ。

 また溺れて死に戻る所だった。



 そこはまた違った雰囲気の部屋だ。

 壁も天井も、そして床も均一に平坦であり、見事なまでに磨かれている。

 誰かが掃除でもしているんですかね?

 広さは十分にある。

 つまり、イベントのように戦闘が始まってもおかしくない状況だ。


 罠か?

 最初に心配したのがそこである。


 なんと言っても罠としか思えない存在が部屋の壁際に存在するからだ。

 全部で8体の立像。

 そして坐像も1体ある。

 角こそないが青鬼か黒鬼のような巨躯、右手に剣を持ち、左手には縄を持っているようだ。

 ヤバい。

 いつ戦闘が起きてもおかしくない。

 現在の布陣は水中を想定して組んだものだ。

 戦力的に不足を感じる。




《仏ならばここに在ってここには居ない》



 横合いから声が響く。

 冠を被り立派な口髭と顎髭を片手で撫で付けている。

 ゆったりとした服装。

 威厳たっぷりの様子は誰かに通じるものがある。

 そう。

 あの泰山王だ。



《それは如来だけではない。明王とて同様。その眷族は言うまでもない》



 で、誰?

 またしてもイベント関連だろうけど。



 秦広王 ???

 ??? ???

 ??? ???



 すみません、すみません。

 許して下さい。

 やっぱり格上でした。



《我もまた然り。この地に顕現するための雛形、信仰こそが我等が根幹を為す》



 ふむ。

 相変わらずインフォの内容は堅苦しいものだが。

 イベントでは仕方ないか。



《この不動明王、そしてその眷族を汚した者共はいずれ仏罰が下るであろう》



 おお!

 不動明王であったのか!

 なんとなくそんな気はしてたけどさ。



《信仰の力を取り戻すには正しき宝珠を得ねばならぬ。正しき宝珠を供えよ!》



 そう言うとオレを見つめる秦広王。

 眼力すげえよ!

 正直、ビビるって!



《鬼は隠より出でて邪となる。邪なる者はその中に潜むと心得よ》



 言いたい事を全て言ったのか、秦広王は徐々に姿を消していった。

 宝珠?

 何の事なんでしょうか。



 感じからして、戦闘は起きないものと思われた。

 薬師如来像のある場所と同じだ。

 でも念のため、陣容は強化しておこう。

 ジェリコを召喚する。

 これで凌げるか?

 まあ戦闘にならない事を祈るばかりだ。



 不動明王の両隣から広間を一周するように8体の立像が並ぶ。

 結構色んな姿です。

 名前は分からない。

 【識別】も【鑑定】も効かないのだ。

 お坊さんのような格好だったり。

 十二神将に似ているのもいたり。

 小さな竜に跨っているのもいる。

 何者でしょうかね?


 だがそんな立像にある共通点があった。

 目だ。

 右目が輝いている。

 水晶のようなものが嵌め込まれているらしいな。


 近寄って観察してみると?

 水晶の表面に文字が浮かんでいた。


 盗、とある。

 仏様に関わる像にふさわしい文字ではないんですけど?



 8体の立像を全て、右目の水晶の表面に文字が浮かんでました。


 盗、侵、惑、呆、惨、邪、嘘、乱。


 イメージの悪い字ばかりです。

 確かに『正しき宝珠』ではなさそうだ。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv20

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv5

ボーナスポイント残 11


セットスキル

剣Lv6 両手槍Lv4(↑1)捕縄術Lv5 杖Lv15 打撃Lv13(↑1)

蹴りLv13(↑1)関節技Lv13(↑1)投げ技Lv13(↑1)

回避Lv13 受けLv13

召喚魔法Lv20 時空魔法Lv11

光魔法Lv11 風魔法Lv12(↑1)土魔法Lv11 水魔法Lv11

火魔法Lv11 闇魔法Lv11 氷魔法Lv9 雷魔法Lv9

木魔法Lv9 塵魔法Lv9 溶魔法Lv9(↑1)灼魔法Lv9

錬金術Lv9(↑1)薬師Lv7 ガラス工Lv6 木工Lv8

連携Lv14 鑑定Lv14 識別Lv14 看破Lv4 耐寒Lv7

掴みLv11 馬術Lv10 精密操作Lv13 ロープワークLv6

跳躍Lv7 軽業Lv6 耐暑Lv8 登攀Lv7 平衡Lv5

二刀流Lv12 解体Lv9 水泳Lv4 潜水Lv4(↑1)

身体強化Lv10 精神強化Lv11 高速詠唱Lv12

魔法効果拡大Lv10 魔法範囲拡大Lv10


装備

独鈷杵×2 呵責の杖×2 呵責のトンファー×2

呵責の捕物棒×1 ダツ顎の槍+×1 旗魚の槍+×1

怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+×1

雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×1 雪豹のバグナグ×1

草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1

暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム

剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 

老召喚術師の高弟 森守の紋章 中庸を知る者

海魔討伐者 瑠璃光の守護者 呪文辞書 格闘師範


召喚モンスター

テイラー ビッグクラブLv1→Lv2(↑1)

 器用値 10

 敏捷値  6(↑1)

 知力値  6

 筋力値 25

 生命力 21(↑1)

 精神力  6

 スキル

 鋏撃 水棲 土耐性 水耐性

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