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《フレンド登録者からメッセージがあります》



 ログインしたらメッセージが来てました。

 マルグリッドさんってば、もう作ったのかよ!

 とか思ったら違った。

 アデルからでした。


『うーちゃんがクラスチェンジしましたよー!』


 ほう。

 ウルフのうーちゃんがクラスチェンジしたのか。

 何にしたのか、と添付データを見たら。

 ホワイトウルフだ。

 想定の範囲内です。

 やると思ってました。


 データはさておき、添付のスクリーンショットが問題だ。

 また狼同時3匹を同時召喚して囲まれてますけど。

 その表情は?

 愉悦の極みだ。


 堪能しているようで何よりですな。

 返信のついでにクラスチェンジした文楽とナインテイルのデータも送っておこう。

 イリーナにも転送しとけ。



 では本日のメニューだ。

 十二神将に挑戦、である。

 ナイアスと剛亀のレベルアップを進めておきたい。

 マルグリッドさんの依頼品が出来上がるまでは暫くレベルアップを図るとしよう。


 おっと

 その前に朝飯だ。

 文楽を召喚して食事の準備をさせておく。

 待っている時間で何をするか?


 陣容をどうするか。

 十二神将はどれに挑戦するのか。

 大いに悩むとするか。



 食事を摂りながらまだ悩んでましたが何か?

 とりあえず文楽は帰還させておいて。

 ナイアスを最初に召喚して、と。

 戦鬼、ヘザー、ティグリスを召喚。

 探索役にジーンで。

 これで行こう。


 インスタント・ポータルを出ると洞窟に突入する。

 時刻は午前7時だ。

 さあ、行きますよ?



 本日のメイン洞窟の担当はオークでした。

 ナイアスは大丈夫か?


 それどころじゃない。

 戦鬼だけで蹂躙です。

 コラ。

 オレの獲物までなくなってるじゃないか!


 やはりダメだ。

 十二神将クラスじゃないと。

 早く移動しなきゃ。




 十二神将のいる広間へ向かう支道に入る。

 だが牛頭と馬頭の出現ポイントには何もいない。

 2箇所とも、である。

 先を越されたか。

 まあいいさ。

 十二神将のどれかは空いているだろうから、な。

 少なくとも中継ポータルの近くにいる金剛力士より混雑しているとは考え難い。

 そうだ。

 そうに違いない。



 空いてはいるが全くいない訳でもない。

 迷企羅相手に戦っているパーティがいる。

 しかもギャラリーで2つのパーティもいるし。


 うん。

 まあそれはいいんだが。

 薬師如来の間に転移できないのですよ。

 ギャラリーが順番待ちとなれば時間が掛かるな。

 普通に歩いて移動しよう。

 逆時計周りで安底羅のいる広間へ向かう。

 本当はもう1つ先の摩尼羅とレッドシープを相手にしたかったのだが。

 こいつでもいいか。


 ジーンはここで帰還させる。

 剛亀を召喚した。

 最初はまあ、あれだ。

 戦鬼、ティグリスがいるから打撃力は十分にある。

 ヘザーの支援もあるし、剛亀も簡単に陥落するとは思えないが。

 フィジカルエンチャント・アースで生命力の底上げはしておこう。

 後は放流で。

 ナイアスは無理しちゃいけません。

 当然、呪文による強化は出来るだけしておく訳だが。

 私が安底羅を黒縄で拘束したら槍で突いて良し!



 安底羅 Lv.1

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 時空属性



 キラーエイプ Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上



 なんだ?

 いい感じでレベルが下がっているような。

 渡りに船だね!



《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナイアス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 2連戦して当然だが勝利した時点でナイアスがレベルアップです。

 うむ。

 昨日は上がらなくて少し残念ではあったがここで来たか。


 ナイアスのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。

 もう1ポイント分のステータスアップは筋力値を指定しておく。



 ナイアス マーメイドLv1→Lv2(↑1)

 器用値 15

 敏捷値 14

 知力値 17

 筋力値  5(↑1)

 生命力  6

 精神力 16(↑1)


 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 水属性



 まあアレだ。

 軽い槍とはいえ扱う姿を見ているとパワー不足が否めない。

 生命力も強化しておきたいが先ずはこっちからですな。


 灼魔法も上がっている。

 独鈷杵の魔法技能選択だが、次は雷魔法にしようかね?



 で、剛亀なんですが。

 問題ないですな。

 噛み付き攻撃は見ていないが、土属性の特殊攻撃は確認した。

 投石?

 いえいえ、ストーン・バレットでしょう!

 高いダメージを与えているようには見えないが、キラーエイプのバランスを崩す位の事は出来るみたいだ。

 だが特筆すべきなのはその防御力にある。

 キラーエイプの攻撃をまともに甲羅に受けてたのだが、ダメージは非常に少ない。

 明らかにキラーエイプは格上の相手の筈だが。



 おっと。

 いつの間にか他のパーティが来ていた。

 狩場を変えよう。


 支道の入り口側にある迷企羅像のいる広間から一番遠いのは?

 摩虎羅だ。

 お供はカーリーラビット。

 剛亀もなんとかなりそうかね?

 試してみよう。





 摩虎羅 Lv.1

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 水属性



 カーリーラビット Lv.3

 魔物 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上



 うん。

 明らかにレベルが下がっている気がします。


 まだ召喚したてのモンスターがいるせいかな?

 良く分かりません。




 ここではプレイヤーが来るまで結構連戦を重ねる事ができました。

 10連戦までは数えていたが、その先は覚えていない。

 重要なのは、変性岩塩(聖)が得られている事。

 それにレベルアップだ。



《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》

《【捕縄術】武技の足掛けを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『剛亀』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 剛亀がレベルアップです。

 まだレベルが低いからレベルアップもさすがに早いな。


 剛亀のステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。

 もう1ポイント分のステータスアップは敏捷値を指定しておく。



 剛亀 大亀Lv1→Lv2(↑1)

 器用値  3

 敏捷値  4(↑1)

 知力値 18

 筋力値 14

 生命力 23(↑1)

 精神力 20


 スキル

 噛付き 堅守 魔法抵抗[微] MP回復増加[微] 土属性



 こう言ってはアレだが、せめてジェリコ並の移動速度は欲しい。

 数字を揃えるのは困難だな、こりゃ。

 真っ先に生命力が上がっているのがもうね。



 更に4戦した所で連戦は終了。

 もう少し長く連戦が出来るかと思ったのだが。

 他のプレイヤーが順番待ちしてました。

 仕方ない、移動するか。




 しかしアレだな。

 プレイヤーがこっち側にも増えてるのか?

 むしろ金剛力士に挑んだ方がいいのか?

 悩みながらも波夷羅像のいる広間に到着。


 無論、ドラゴンパピーがお供に出てくる戦闘に現時点でナイアスを参加させる事はしたくない。

 転移できれば、と思ったのですが。

 戦闘中でした。


 激戦、だな。

 勝敗の行方はどうなるのか、微妙な感じがする。

 ドラゴンパピーが前衛、波夷羅が後衛になって戦う様子は奮戦にふさわしい激烈なものだ。

 うん。

 ここは邪魔してはいけないな。

 移動しよう。




 摩虎羅像は空いていた。

 だがここは転移を選ぶ。

 薬師如来の間を経由して迷企羅像の間に跳ぶ。

 ここは度胸一発、狩場を変えよう。

 金剛力士の様子を見に行くか。


 少し長い距離になるので、剛亀は一旦帰還させた。

 ジーンを召喚する。

 金剛力士、空いていたらいいんだけどな。





 やっぱり。

 空いてます。

 広間の外の金剛力士は像の姿でお出迎えでした。

 

 では早速、相手をして貰いましょう。

 ジーンは剛亀と交代だ。

 オレとナイアスは阿形の相手をする。

 戦鬼、ティグリス、ヘザー、そして剛亀で吽形の相手をして頂こう。

 戦力的には十分な筈だ。

 呪文で強化もするし、余裕はあるだろう。



 ところで。

 金剛力士を相手にする理由はレベルアップの他にもある。

 独鈷杵だ。

 少しでも多く持っておくに越した事はない。


 そして、遂にその時が!

 壊れたのだ!



 ハッキリ言ってオレのミスだ。

 独鈷杵で止めを刺そうとしていた瞬間だった。

 黒縄で縛り上げたと思っていたのだが、フリーになっていた右腕がオレを襲う。

 思わず、独鈷杵の柄で受けた。

 その一撃で独鈷杵は壊れてしまう。


 今までの戦闘の積み重ねで壊れかけていたのかどうか、それは不明だ。

 でも独鈷杵に止めを刺したのがオレのミスなのも間違いない。


 クソッ!

 こうなったら独鈷杵が得られるまで、粘ってやる!




 出ない。

 出ません。


 対戦した数は最初からカウントしていませんでした。

 覚えているのは相手のレベルだけです。

 下は金剛力士のレベル1から、上は金剛仁王のレベル1まで、だ。

 差が大きすぎる。

 変性岩塩(聖)も力水も貰えてはいるが、眼中にない。



 独鈷杵だ。

 独鈷杵が欲しいのだ!



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 その瞬間、我に返った。

 ありがとう、ティグリス。

 冷静さを失っていたようだ。


 ステータス値で既に上昇しているのは精神力だった。

 おお、珍しいな!

 もう1点は知力値を指定する。



 ティグリス タイガーLv6→Lv7(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 18

 知力値 11(↑1)

 筋力値 21

 生命力 21

 精神力 11(↑1)


 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断



 宜しい。

 だがこれもいい機会だ。

 ティグリスと交代でレーヴェを召喚する。

 戦力は底上げしておきたいのですよ。


 だが金剛力士への挑戦はすぐに中止に。

 もっと重要な案件が発生している。

 マルグリッドさんからのメッセージが来ていたのでした。



『宝石2つの加工は終了。お昼過ぎまでならログインしてます』


 時刻は午前11時ちょうどか。

 つか、仕事早いな!

 依頼したのは昨日ですよ?


 だが否はない。

 行きます。

 今、そこに行きます。


 リターン・ホームで風霊の村に戻りましょう。




「いや、そこまで急ぐ事ってないんじゃ?」


「いえ、重要な事なので」


「メッセージ出して5分と経過していないのよ?」


「はあ」


 マルグリッドさんは呆れた顔だ。

 いえいえ、大事な事ですから。


「まあ、いいわ」


 取り出されたのは2つの宝石。

 オパールとツァボライト。


 ツァボライトはまあいい。

 何個か持っているし、見慣れたものだ。


 問題はオパールだ。

 非常に派手な色合いになってるな。

 表面は多面体カットではなく、美しい楕円形になっている。

 2つとも【鑑定】してみよう。



【素材アイテム】ブラック・オパール 品質B+ レア度5 重量0+

 ケイ酸鉱物。黒蛋白石とも呼ばれる。

 宝石の中では唯一水分を含んでいる。

 暗い地色に虹のような遊色効果が備わっている。

 [カスタム]

 台座に呪符紋様『風紋』が刻まれている。



【素材アイテム】ツァボライト+ 品質C+ レア度3 重量0+

 緑色のガーネット。赤色系のガーネットよりも希少価値がやや高い。

 透明度の高いものは魔法発動用に人気があり高額になり易い。

 楕円状多角形に整形し研磨され、銀の台座に嵌め込まれている。

 [カスタム]

 台座に呪符紋様『菱』が刻まれている。



「その子の首飾りがいいと思うわ」


「え?」


 マルグリッドさんの視線の先にはナイアスがいる。

 えっと。

 どういう事なんでしょう?



「この宝石の効果はと。まあ見た方がいいわね」


 彼女が机上に取り出したのは首飾りだ。

 【鑑定】してみる。



【装飾アイテム:首飾り】白銀の首飾り 品質C+ レア度3

 M・AP+5 重量1 耐久値120

 銀の玉鎖で作られた首飾り。銀製の鎖としてはかなり丈夫。

 魔法発動用に強化されている。



 うん。

 よくある品のようですが。


「ではオパールを付けるわよ?」


 オパールの台座を目の前で嵌め込むと?



【装飾アイテム:首飾り】白銀の首飾り+ 品質C+ レア度3

 M・AP+10 重量1+ 耐久値120

 銀の捻り鎖で作られた首飾り。軽量で丈夫。

 魔法発動用に強化されている。

 [カスタム]

 ブラック・オパールを嵌め込んだ台座を連結して強化してある。

 ※宝石の特殊効果を強化



「この効果って?」


「アレキサンドライトの持ってる2つの効果の1つよね」


 つまりは。

 ナイアスの首飾りの効果も強化できる?


 ナイアスを見る。

 彼女もオレの視線だけで意図を察したようだ。

 首飾りを外して机上に置いた。


「さて。目論見通りになると思うのだけど」


 オレは机上のオパールを首飾りの真ん中に嵌め込んだ。

 では【鑑定】してみようか。



【装飾アイテム:首飾り】ミスリル銀の首飾り+ 品質C+ レア度5

 M・AP+17 重量1 耐久値150

 ミスリル銀の鎖で作られた首飾り。

 魔法発動用に強化されている。

 [カスタム]

 複数の真珠を首飾りの全てに嵌め込んで強化してある。

 ブラック・オパールを嵌め込んだ台座を連結して強化してある。

 ※水魔法強化[大]、宝石の特殊効果を強化



 ふむ。

 確かにいい感じで性能が向上しているようだ。

 ナイアスに付けてあげようか、と思ったが、その役目はマルグリッドさんに奪われてしまっていた。

 オレが秘めていた大いなる野望は一瞬のうちに潰えてしまう。

 無念である。


「あら、似合うわー」


「確かに」


 清楚な雰囲気でありながら華やかな真珠の輝き。

 それと対比してブラック・オパールの地色は黒に近い。

 そして虹色のように様々な色彩が踊っている。

 特に赤が鮮やかに見えるな。


 ナイアスも何故かうれしそうな表情ですな。

 ステータスも確認しておこう。



 ナイアス マーメイドLv2

 器用値 15

 敏捷値 14

 知力値 17

 筋力値  5

 生命力  6

 精神力 16


 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 水属性



 おや?

 ペナルティが消えた、だと?


 マルグリッドさんを見る。

 自信に満ちた顔。

 さては既にこの効果を知っていたな?


「まあ大事にしてあげた方がいいわよ?」


 それは間違いなく宝石の事ではあるまい。

 彼女は席を立つとリックを呼んだ。





「じゃあこれで精算終了ですね」


 精算はリックにして貰いました。

 宝石類の加工費の支払い、変性岩塩(聖)と闘牛から得た肉類も結構な量を売っている。

 かなり手持ち金額は減ってしまっているが、問題あるまい。

 それに見合うだけの収穫はあった。



 時間的に早いが、優香が昼飯を奢ってくれました。

 ミオはフィーナさん達と北方面へ狩りに出ているらしい。

 食事を終えると戦鬼は帰還させた。

 黒曜を召喚し、首飾りにツァボライトを嵌め込んで装備させておく。


 では、何処に行こうか?

 ずっと悩んでいたのがこれだ。


 南の洞窟でレベルアップを図るにしてもプレイヤーが増えてきている。

 他の方面に行くのもいいが、風霊の村を拠点にする利点は大きい。

 実に便利なのだ。



 あそこに行こう。

 ナイアスや剛亀のレベルアップが図れるかどうかは分からない。

 だがまだ知らない場所があるのだから見ておきたいのも確かだ。


 山に行こう。

 あのイベントがあった場所だが、まだ探索をしていない洞窟が残っている。

 中継ポータルもあるし、腰を据えて探索も可能だ。

 手持ちの補給も十分。


 よし。

 では行こうか。



 リック、優香、マルグリッドさんに挨拶を済ませ、その場を辞去した。

 まだ見ていない風景が待っている。

 何があるんでしょうかね?


 では移動だ。

 ヘザーとナイアスを残して黒曜、レーヴェ、剛亀は帰還させよう。

 残月、ヘリックス、リグを召喚する。


 うん。

 リグがいるのは仕方がない。

 実際に騎乗戦をしていたら便利でしたから。

 ナイアスとのタンデムでキャッキャウフフ、それにウハウハするのは控えよう。

 もう少しレベルアップしてからでいい。

 野望は大きく持っていないと、な?




 移動がメインであるので戦闘は控えた。

 つか往来するプレイヤーはそこそこいる。

 獲物が寄って来る数も少ない。


 ラプターをメインに狩りながら先を進む。

 また古代石が少し増えたのはいい事だ。



 スケルトンのいる洞窟はさっさと抜けて、森の迷宮へ。

 そこもプレイヤーがそこそこ多かった。

 むう。

 何処に行ってもプレイヤーが多いな。

 ゲーム全体を考えたらいい事なのだろう。

 でも気ままに狩りをするにはあまり混んでいない方がいいんだよな。

 悩ましすぎる。



 山頂へ向かうルートは蔦の壁です。

 ここはさすがにプレイヤーで混み合ってはいない。

 少ないながらもいますけどね。

 ここで陣容は変更する。


 残月とナイアスは帰還させる。

 名残惜しいがここは我慢だ。

 登山紛いの真似はさせられないだろう。

 黒曜とクリープを召喚した。


 広域マップで見たら短い距離ではある。

 だがここは移動に時間がどうしても掛かるルートだ。

 仕方ないよね。


 蔦の隙間をクリープがスルスルとすり抜けている。

 リグも器用に変形しながらクリープの後を追う。

 まるで水を得た魚のようだ。

 ヘリックス、黒曜、ヘザーといった面々は空中を飛べばいいだけだ。

 一番ここで肩身が狭いのはオレです。

 うん。

 がんばって登っていくから!

 魔物の相手は任せた!



 カエル、ヘビ、ナメクジといった魔物の始末は召喚モンスターに一任して壁を登っていく。

 ほんの少しだけ、焦る気持ちがあった。

 日が傾いている。

 本格的な山登りは夜になってしまうだろう。

 今のうちに出来るだけ先に進んでおきたい。




 時刻は午後6時30分。

 ようやく蔦の壁は登りきった。

 夕焼け空を眺めているプレイヤー達を尻目にインスタント・ポータルを展開する。

 食事とするか。


 クリープは帰還させよう。

 文楽を召喚して食事の用意をさせておく。

 確かに綺麗な夕焼け空だな。



 幾つか得ていた奇陳石を奇陳散に変えて毒消しにして《アイテム・ボックス》に放り込む。

 古代石の発掘も1つだけ進め、琥珀を得た所で食事が出来上がった。

 うむ。

 夕日を眺めて食事をしていたら、さっきのパーティが戦闘になってました。

 相手はブリッツ。

 スピードには苦労しているようにも見えたが、なんとか狩った様子である。

 アイテムを剥ぎ取ると土霊の祠のあるN1W1方面に向かうようだ。


 夜の行軍だな。

 コボルトには気を付けて頂きたい。



 おっと。

 食事を終えたらこっちも移動だ。

 夜の行軍にはなるが、こっちには心強い探索役がいる。

 そうそう、ヘリックスは帰還させてジーンを召喚しよう。

 文楽を帰還させて戦鬼を召喚する。

 少し悩んだがリグはそのままで。


 オレも防寒着を身に着ける。

 その隙間にヘザーが滑り込んできた。

 うん。

 まあいいんですけどね。


 怒りのツルハシと獄卒の黒縄も取り出しておく。

 呵責の杖は《アイテム・ボックス》に収納。

 簡単だが登山スタイルだ。

 では、行こうかね?




 魔物が危険なのは言うまでもないのだが。

 それ以上に夜の山は怖い。

 風の音すらも恐怖の対象に聞こえてしまう。

 滑落したら、危ない。

 時空魔法の呪文、レビテーションがあっても、怖い。

 

 怖い。

 ユキヒョウ怖い。


 足場が狭いのを苦にせず襲ってくるのが怖い。

 喉元を噛まれる寸前で黒縄で縛りつけられなかったら危なかった。



 怖い。

 ブリッツ怖い。

 崖とか気にせずこっちに雷撃浴びせてくるのが怖い。

 角が腹に突き刺さる前に黒縄で縛り上げていなかったらと思うとゾッとする。



 怖い、怖い。

 饅頭怖い。


 もっと襲って来いよお前ら!

 まあコール・モンスターで呼び寄せてもいいんだが、移動優先なのですよ。

 なんというこの矛盾。



 やはり夜間なのがいけなかったのか。

 中継ポータルまで行くのは遠かった。

 時刻は午後11時。

 最後の崖の下でインスタント・ポータルを展開してログアウトする事にしました。


 明日は山頂でご来光を拝めるか?

 いや、それもちょっと無理かもしれないな。


 普段通りのペースで行きましょう。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv19

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv4

ボーナスポイント残 24


セットスキル

剣Lv5 捕縄術Lv4(↑1)杖Lv14 打撃Lv12 蹴りLv12

関節技Lv12 投げ技Lv12 回避Lv12 受けLv12

召喚魔法Lv19 時空魔法Lv10

光魔法Lv10 風魔法Lv11 土魔法Lv11(↑1)水魔法Lv11

火魔法Lv11(↑1)闇魔法Lv10 氷魔法Lv9 雷魔法Lv8

木魔法Lv9 塵魔法Lv9 溶魔法Lv8 灼魔法Lv9(↑1)

錬金術Lv8 薬師Lv7 ガラス工Lv6 木工Lv7

連携Lv14 鑑定Lv13 識別Lv14 看破Lv4 耐寒Lv6

掴みLv11 馬術Lv10 精密操作Lv13 ロープワークLv5

跳躍Lv6 軽業Lv5 耐暑Lv8 登攀Lv6 平衡Lv4

二刀流Lv11 解体Lv9

身体強化Lv9 精神強化Lv10 高速詠唱Lv12

魔法効果拡大Lv9 魔法範囲拡大Lv9


装備

独鈷杵×2(↓1)呵責の杖×2 呵責のトンファー×3

呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+

雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1

草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1

暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム

剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 

老召喚術師の高弟 森守の紋章 中庸を知る者

瑠璃光の守護者 呪文辞書 格闘師範


召喚モンスター

ティグリス タイガーLv6→Lv7(↑1)

 器用値 10

 敏捷値 18

 知力値 11(↑1)

 筋力値 21

 生命力 21

 精神力 11(↑1)

 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断


ナイアス マーメイドLv1→Lv2(↑1)

 器用値 15

 敏捷値 14

 知力値 17

 筋力値  5(↑1)

 生命力  6

 精神力 16(↑1)

 スキル

 両手槍 水棲 変化 夜目 呪歌 水属性


剛亀 大亀Lv1→Lv2(↑1)

 器用値  3

 敏捷値  4(↑1)

 知力値 18

 筋力値 14

 生命力 23(↑1)

 精神力 20

 スキル

 噛付き 堅守 魔法抵抗[微] MP回復増加[微] 土属性

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