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 支道を先に進む。

 次の獲物をジーンが確認していた。

 出現ポイントはこれが最後か。

 これで終わりかと思うと残念だが。


 おっと。

 確実に勝てるとは言い切れないぞ?

 慢心は戒めねばなるまい。



 牛頭鬼 Lv.3

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.3

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 宜しい。

 全員を呪文で強化して挑もう。

 独鈷杵も光魔法を選択してから【鑑定】もしておくか。



【武器アイテム:剣】独鈷杵 品質B レア度5

 AP+20 破壊力2+ 重量1 耐久値?

 魔力付与品 光属性

 天将が用いる武器。使用者の力を得て顕現する。素材は不明。

 強力な武器になり得るが、耐久値の回復は不可能。



 あれ?

 予測と違うんですが。

 これはどういう事だ?

 AP+19になるんじゃ?

 破壊力もおかしいようだが。


 あ。

 呪文で強化してから独鈷杵を使ったから、なのか?

 オレのステータスはどうなっている?



 ステータス

 器用値 18(+3)

 敏捷値 18(+3)

 知力値 24(+4)

 筋力値 18(+3)

 生命力 18(+3)

 精神力 24(+4)



 うむ。

 全部エンチャントで強化していると壮観ですね。

 力水を使ってみたらどうか?



 ステータス

 器用値 18(+3)

 敏捷値 18(+3)

 知力値 24(+4)

 筋力値 18(+6)

 生命力 18(+3)

 精神力 24(+4)



 独鈷杵を再度【鑑定】してみよう。



【武器アイテム:剣】独鈷杵 品質B レア度5

 AP+22 破壊力2+ 重量1 耐久値?

 魔力付与品 光属性

 天将が用いる武器。使用者の力を得て顕現する。素材は不明。

 強力な武器になり得るが、耐久値の回復は不可能。



 上がってるよ!

 つまりステータスの筋力値が独鈷杵のAPに反映されているっぽいな。

 筋力値の半分の数値に魔法技能Lv数を足した数になるのか?


 更に強化してみよう。

 練気法を加えてみたら?



 ステータス

 器用値 18(+7)

 敏捷値 18(+7)

 知力値 24(+9)

 筋力値 18(+10)

 生命力 18(+7)

 精神力 24(+9)



 アヴェンジャーかよ!

 改めて見たらそんな感じです。

 おっと、目的を忘れてはいけない。

 もし予測が正しいのであれば、強化後の筋力値が28だから、えっと。


 APは24になってる?



【武器アイテム:剣】独鈷杵 品質B レア度5

 AP+24 破壊力2+ 重量1 耐久値?

 魔力付与品 光属性

 天将が用いる武器。使用者の力を得て顕現する。素材は不明。

 強力な武器になり得るが、耐久値の回復は不可能。



 うん、正しいようだ。

 破壊力はまだ謎だが。


 待て待て。

 まだ強化できる呪文があるじゃないの。

 時空魔法の呪文、グラビティ・メイルだ。


 いい機会だ。

 ついでに検証してしまえ!



 ステータス

 器用値 18(+7)

 敏捷値 18(+11)

 知力値 24(+9)

 筋力値 18(+15)

 生命力 18(+11)

 精神力 24(+9)



 うわお。

 怪物化してます。


 おっと、いかんな。

 【鑑定】が先だ。

 予測ではAP+26になっている、気がします。



【武器アイテム:剣】独鈷杵 品質B レア度5

 AP+26 破壊力3+ 重量1 耐久値?

 魔力付与品 光属性

 天将が用いる武器。使用者の力を得て顕現する。素材は不明。

 強力な武器になり得るが、耐久値の回復は不可能。



 ふむ。

 そして破壊力も1段階、強化されたみたいです。


 あ。

 牛頭鬼と馬頭鬼!

 放置しててゴメンナサイ。


 怒った訳じゃないのだろうが、いつの間にかアクティブになっていてこっちを襲ってきてました。

 いかん。

 熱中し過ぎたか。





 決着は早かったです。

 まああれだけ強化してあったんだし。

 過剰であった点は否定できませんけどね。


 馬頭鬼は簡単に倒せたが、牛頭鬼に使ったのはマズかったようです。

 牛頭鬼って光属性でした。

 まるでダメージがなくて焦りましたよ。


 それにしてもこの独鈷杵、面白いな!

 ステータスの筋力値の強化、それに魔法技能のレベルアップでもっと強力な武器に変貌する訳だ。

 欲しい。

 もう数本、手元に持っておきたいな。


 戻るのには時間を割く事になるが、金剛力士を相手に挑む理由が増えた。


 

 だが戻る途上でおかしな事態が起きていた。

 フロートボムが出現するエリアだ。

 隠し扉で封じられていた部屋なのだが、来た時と様子が違う。


 部屋中が明かりで満たされている。

 フロートボムがいた筈なんだが。

 いない。

 その代わりに別の連中が、いる。



 ソードダンサー Lv.5

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 火属性


 ダーククラウン Lv.1

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 時空属性 光属性 闇属性



 ジャグラー Lv.5

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 土属性



 パントマイマー Lv.5

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 水属性



 アクロバットスター Lv.6

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 水属性



 ナイフスローワー Lv.5

 魔人 討伐対象 演技中

 戦闘位置:地上 風属性



 魔人。

 魔人か。

 だがイベントモンスターではないのな。

 レベルもちゃんと見えているし。


 つか観客もいないのに演技中?



 剣を呑んでみせるソードダンサー。


 手品なのか、小さな球を出したり消したりしているダーククラウン。


 ボーリングのピンみたいな棍棒4つを次々と宙に舞わせているジャグラー。


 そこに壁があるかのように手を動かすパントマイマー。


 体操選手のように飛び跳ねているアクロバットスター。


 小さな投げナイフを壁に撃ち込むナイフスローワー。



 おひねりでも投げようか?



 まあそれはいいのだが。

 マッドバードがいないのは助かる。

 地形も広間だし逃げ回るにしてもジーンが捕捉できるだろう。

 問題は初見の魔人だ。

 ソードダンサー、ダーククラウン、ジャグラー、アクロバットスター。

 想像は出来る。

 得物を持ってたりするし。


 こっちはどうするか?

 無論、戦いますとも!

 討伐対象なんだし。


 エリアポータルで遭遇した連中に比べたら若干レベルが高いかな?

 油断ならない相手と認識した。

 幸い、広間にいる魔人達はこっちに気が付いていない。


 呪文で一通り強化しておこう。

 思っていた以上に弱いって事もあるまい。




 先制はジーンの突撃。

 特殊攻撃で闇の帯が壁際にいたナイフスローワーに直撃した。

 そのまま魔人達の周囲を飛び回る。

 牽制だ。


 気を取られている魔人との距離を詰める。

 最初の一撃には大いに期待したい所だが。


「サンダー・シャワー!」


 全体攻撃呪文は魔人全員に命中した筈だ。

 1人だけでも麻痺してくれたら御の字か?


 3人が麻痺しているかな?

 上出来であろう。



 だがおかしい。

 1人、足りない?


 横合いから衝撃。

 転びはしなかったが体の軸がズレたぞ?

 オレのHPバーは1割ほどだが減っていた。

 今のは何だ?


 いつの間にかオレの左側にダーククラウンがいる。

 こいつか!



 独鈷杵の刃身を伸ばす。

 事前に選んでいたのは雷魔法。

 雷撃の刃身がダーククラウンを切り裂いた。

 筈だった。

 手応えは全くない。

 消えた?

 まるで幻のように。


 いや、間違いなく幻だったのだ。

 オレの正面にはダーククラウンが2人立っている。

 イリュージョン?

 だが呪文詠唱らしき行動はなかったが。

 ダーククラウンのMPバーは明確に減っている。


 グラビティ・バレットのような攻撃。

 イリュージョンと思われる幻影。

 こいつ、マッドクラウンの上位か?



 本体か?幻影か?

 もうどっちでもいい。

 両方を攻撃するまでだ。

 他の5人の魔人はジェリコ達に任せた。

 恐らくはこいつが最も厄介な相手と認識したぞ?


 奇妙な追いかけっこが始まった。


 1体を独鈷杵とトンファーで攻撃しながら、呪文も使う。

 無論、攻撃呪文でなのだが。

 恐るべき相手である事がすぐに判明する。


 2体とも消える瞬間があるのだ。

 何処へ?


 大抵はオレの横か後ろに回り込んでいて、攻撃呪文らしき特殊能力を使ってくる。

 呪文詠唱はない。

 代わりに聞こえてくる声。


 嘲笑。

 クソッ!

 挑発と分かっていても気になってしまう。


 その笑いを、消してやる。

 方針を変えた。

 幻影を突き止めるのに放つ呪文はフォース・バレットに固定する。

 呪文詠唱が一番短くて済む。

 それにMPの効率もいい。

 幻影を確かめるだけの為に撃ち込むのだからそれでいいのだ。


 そしてセンス・マジックも使う。

 苦し紛れだったのだが、これが良かった。

 魔力の変動が読み取れる。

 ダーククラウンが何か特殊能力を発動する前に急激な魔力の上昇があるようなのだ。


 それにしても、だ。

 ダーククラウンのMPバーは確かに減っている。

 だがこれほどの特殊能力を使い続けていてもなお、半分以上余らせているのだ。

 どんだけ上位なんだよ。


 それにジーンと似た特殊能力も使ってきたのには焦った。

 暗闇に陥らなかったのは幸運だったろう。

 サイコ・ポッドで状態異常対策をとりつつ、攻撃を続けた。


 独鈷杵とトンファーの攻撃はまだ当たっていない。

 フォース・バレットでダメージは積み重なってはいる。

 ダーククラウンのHPバーはまだ8割以上あるだろう。

 先が長いか?



 停滞するかのような戦況だ。

 だが援軍は来た。

 ジーンだ。

 そして瑞雲も。


 少しだけ、余裕が出来た。

 《アイテム・ボックス》から獄卒の黒縄を取り出す。

 独鈷杵は腰ベルトに差し込んだ。


 チャンスは恐らく、一瞬だろう。

 上手くいくかどうか、分からない。

 だがチャレンジする価値は、ある。



 2体のダーククラウンに同時に攻撃する。

 オレがフォース・バレット。

 瑞雲が炎の塊を飛ばす。

 共に命中。

 だが2体共、消えていなくなっている。


 どこに、跳んだ?

 ジーンがダーククラウンを感知。

 オレの真後ろか!


「スペル・バイブレイト!」


 同時にジーンが突撃。

 オレも続く。

 

 ダーククラウンは跳ぶ事も幻影を作る事も出来ていない。

 ジーンの突撃は避けたようだが。

 オレの接敵を許していた。

 縄を首に回して、絞め上げる。

 手応えはある。

 さあ、これでも跳べるのか?



 縄から派手に炎が吹き上がっていた。

 左手のトンファーで側頭部を撃つ。

 直撃。

 どうやら動きを封じる事に成功したようだ。


 更に縄を腕に引っ掛けて、胴体にも縄を打つ。

 足を払って転がしてやった。

 縄は炎を纏い続けている。

 ダーククラウンのHPバーはそのまま減り続けた。

 そしてHPバーは消滅する。


 他の魔人は?

 どうやらアクロバットスターだけが奮戦中のようだ。

 ティグリスとレーヴェに噛まれて散々な目に遭っている。

 あれはもうすぐ片が付くだろう。



《只今の戦闘勝利で【二刀流】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『レーヴェ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 これだけの苦戦だったのだ。

 ご褒美がないと、な。


 ステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。

 もう1点のステータスアップは器用値を指定する。



 レーヴェ ライオンLv2→Lv3(↑1)

 器用値  9(↑1)

 敏捷値 14

 知力値 11

 筋力値 18

 生命力 21(↑1)

 精神力 13


 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目



 でもね。

 魔人は何も残してくれませんでした。

 なんという事か。


 そしてこちら側の被害も甚大だ。

 全員が無傷ではなかった。

 MPバーも相応に減ってしまっている。

 特にオレの場合が酷い。

 いつの間にか半分を割り込んでしまっていた。

 金剛力士と戦えるだけの余裕はまだあるが。




 だが異変は終わらない。

 地面が、揺れた。

 地震か?

 地震ならばそう大きくないと思うが。


 それでも異変は異変だ。

 何かがあった、と見るべきだろう。


 中継ポータルへ行ってみるか。

 プレイヤー達の動向も気になる。

 何か情報を持っているかも知れないしな。



 中継ポータルへ向かう途上でも変わらず魔物は出てくる。

 異常は感じないんだが。

 フロートボムもオークもコボルトも、行動に変化は見られない。


 そして。

 プレイヤーの動向も変わってない。

 広間前では金剛力士に挑むパーティがいて、ギャラリーも少なくはあるがいた。

 地震、大丈夫?

 落盤とか心配なんですが。



 広間も同様か、と思ったがこっちで金剛力士や狛虎に挑んでいるパーティがいない。

 そしてギャラリーもいなかった。

 通常運転過ぎる。


 中継ポータルに入ると話が出来そうなプレイヤーがいました。

 グラスワーカーのフェイだ。



「あれ?もうこっちに来てたんだ?」


「ども」


 社交辞令はまあいいとして。

 地震は?


「揺れた、よね?」


「そうかな?こっちじゃ感じなかったけど」


「え?」


「落盤はこれまで聞いた事もないけど」


「場所の問題かな?」


「そうかも。少なくともこっちでは騒ぎになってないけどねえ」


 フェイのパーティメンバーが呼びに来たのでそれ以上の事は聞けなかった。

 うーむ。

 気になっちゃうんだが。


 魔人を倒した直後のタイミングとか、怪しくないかな?




 時刻は午後5時半って所か。

 少し早いが夕飯にしよう。


 地面が揺れた時、オレがいたのはこの洞窟でも東側になる筈だ。

 中継ポータルは西側になる。

 一通り探索をしてみようと思う。

 牛頭と馬頭の出現ポイントで把握している場所は全て回っている。

 魔人の出現が気にはなるが、それ以外に強敵はいないだろう。



 ジェリコを帰還させて文楽を召喚する。

 料理をさせている合間にアデルとイリーナ宛に無明のクラスチェンジのデータを送ってあげよう。

 他にする事もないので、古代石の発掘も進めていたのだが。

 上の空だったのはいけなかったな。

 中に埋まっていた琥珀を1つ、間違えて砕いちゃいました。


 うん。

 反省。


 2個目で琥珀。

 3個目も琥珀。

 4個目でツァボライトでした。


 レベルアップしてきている成果なのか、この発掘作業も手早く出来るようになったものだ。


 食事が出来上がった所で作業は中止する。

 夕食を摂りながら布陣をどうするか悩みました。

 うん。

 護鬼で行こう。

 少し試してみたい事もあるしな。


主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv18

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv4

ボーナスポイント残 31


セットスキル

剣Lv2 杖Lv14 打撃Lv11 蹴りLv11 関節技Lv11

投げ技Lv11 回避Lv11 受けLv11 召喚魔法Lv18 時空魔法Lv10

光魔法Lv10 風魔法Lv10 土魔法Lv10 水魔法Lv10

火魔法Lv10 闇魔法Lv10 氷魔法Lv8 雷魔法Lv8

木魔法Lv8 塵魔法Lv8 溶魔法Lv8 灼魔法Lv8

錬金術Lv8 薬師Lv7 ガラス工Lv6 木工Lv6

連携Lv13 鑑定Lv13 識別Lv13 看破Lv4 耐寒Lv6

掴みLv10 馬術Lv10 精密操作Lv12 ロープワークLv2

跳躍Lv6 軽業Lv4 耐暑Lv8 登攀Lv6 平衡Lv3

二刀流Lv11(↑1)

身体強化Lv9 精神強化Lv10 高速詠唱Lv12

魔法効果拡大Lv9 魔法範囲拡大Lv9


控え

解体Lv7


装備 独鈷杵×1 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2

   呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+

   雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1

   草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

   呵責の腕輪+×2 呵責の足輪+×2 獄卒の黒縄×1

   暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 老召喚術師の高弟 森守の紋章 中庸を知る者

   呪文辞書 格闘師範


レーヴェ ライオンLv2→Lv3(↑1)

 器用値  9(↑1)

 敏捷値 14

 知力値 11

 筋力値 18

 生命力 21(↑1)

 精神力 13

 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目


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