139
さて。
村に戻る前に確かめて起きたい事を済ませよう。
牛頭と馬頭の出現ポイントに向かった。
アイテムを拾った、となると元に戻っている筈なのだ。
メインの洞窟を抜けて出現ポイントに向かいました。
いた。
牛頭 Lv.1
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 火属性
馬頭 Lv.1
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 火属性
牛頭大将、馬頭大将から牛頭鬼、馬頭鬼を飛び越えて牛頭、馬頭にまで戻りましたか。
まあそこは予想通り。
さて、戦ってみようか?
オレのMPバーも5割程度にまで回復している。
どうせ村にリターン・ホームで戻るのだし、ここは確実に行こうか。
今の布陣ではさっきまでいたリグの代わりに文楽がいる。
後衛から弓矢で支援させてみよう。
ティグリスもリグなしでどこまで通用するのか、見ておくのも悪くない。
この戦闘はあっけなく終わりました。
呪文で強化するのは勿論、力水も使ったのがいけなかったのか?
牛頭はヴォルフ、ジーン、戦鬼、ティグリスに集られるように攻撃を受け続けていた。
文楽も弓矢で支援してたが、支援の必要ってなかったよね?
オレの方も馬頭を投げで翻弄しながら打撃中心でHPバーを地道に削ってました。
なんだろう、この落差。
練気法まで使っているのが勿体無く感じてしまう。
おっと。
これはいかんな。
慣れというのは危機感をも麻痺させてしまう。
ここはちゃんと潰しておかないといけないな。
で、速攻で首元を足で絞め、首を捻ってやろう。
その結果、力水の効果もあってか、馬の首が1回転半、回っちゃいました。
ホラーですがな。
確かに狙い通りの結果ではあるが、やり過ぎ感も残る。
難しいな。
戦闘は適度に緊張があった方が好みだ。
かといって死に戻りは勘弁。
匙加減をどうするか、今後の課題だな。
無論、【解体】は控えにしてあったので何も拾わなかった。
またこれが続く事になるんだな?
時間が惜しいのでリターン・ホームで風霊の村へと跳んだ。
【解体】も忘れずセットしておく。
いつもの場所でフィーナさん達を探すと、ほぼフルメンバーが揃ってました。
つか食事中だったみたいですね。
「あら?帰ってくるの早いのね」
「少し目先を変えたくなりまして」
そう言うと食事を終えていたマルグリッドさんの前に歩み寄った。
「これ、お願いできますか?」
「ほう、ツァボライトが2つ、ね」
彼女の目はオレが装備している呵責の腕輪に注がれている。
そこにはアイオライトが嵌め込んである訳だが。
「次は足輪の分、そんな感じかしらね」
「まあそんな所ですかね」
「すぐに、とはいかないけどやっておくわ」
「ありがとうございます」
よし。
依頼は済ませた。
一礼を残すとすぐに出発だ。
午後はずっと移動って事になるだろう。
夜になったら面倒が多いし。
夕飯もどこかで適当に済ませないと、な。
村を振り返るとフィーナさん達も午後の狩りに向かうようである。
お互い、頑張りましょう。
今日は、山に行ってみたい。
いや、本格的に山に登るのは明日にしたい。
それには風霊の村からだと移動が面倒になる。
まずはN1W1のエリアポータル、土霊の祠に到着する事を目安に移動するとしよう。
確かめてみたい。
あのサスカッチだが、難易度として金剛力士よりも上なのか、下なのか。
感覚的に言えば体格はサスカッチの方が上だが。
なんにせよ、戦ってみなければ分からないよね?
布陣は大幅に変更だ。
残月、ヘリックス、黒曜、ヘザー、クリープとした。
移動速度を上げるために残月には呪文で強化をしながら進もう。
どうせ残月に騎乗していたらMPバーはいい感じに回復する。
今は移動速度を優先だ。
森の迷宮へと通じるスケルトンがいる洞窟は、騎乗したままなんとか踏破する。
大き目の迷宮で良かった。
それにクリープもいて良かった。
スケルトンの中にある人魂を散らすのは結構面倒なんだが、クリープは中に潜り込んで散らしてしまう。
すんなりと勝てちゃいますから。
まあ残月は前脚で踏み潰しちゃうんですけどね。
森の迷宮でも騎乗したまま進む。
ここも久しぶりだ。
プレイヤーの数は多い気がする。
それだけに進む途上で魔物に遭遇する事は少なかった。
キノコは残月で踏み潰した。
ブランチゴーレムも残月が跳ね飛ばして踏み潰した。
もう何でもアリですか?
オレも少しだけ残月を降りて暴れて見たが、もうね。
つまらないのですよ。
確かにパワーも感じる。
でも、つまらない。
金剛力士と比べたら悪いが、やはり戦い慣れって怖い。
ブランチゴーレムを投げ飛ばす感覚が違いすぎて、バランスを崩しちゃってしまったりするし。
途中からは燃料補給のために炭狙いでパイロキネシスで燃やしちゃいました。
いかんな。
どこかでミスが出ちゃいそうだ。
そして立ちはだかるのは地形だ。
蔦ので覆われた登りルートだ。
そうそう、これがあったのでした。
さすがに残月でここは踏破できない。
帰還させよう。
交代で召喚するのはリグだ。
ここでならリグも単体で活躍できる。
リグとクリープは蔦の隙間に早くも潜り込んでいた。
狭い所が好きなのね。
ヘリックス、黒曜、ヘザーは空を飛んでいるから問題ない。
さて、オレも登るとしますか。
ここにいる魔物はツリーバイパー、ウッドスラッグ、ツタガエルだ。
それぞれから樹蛇の毒牙、奇陳石、蔦蛙の油脂袋が採取できる。
久々に狩ってみました。
気をつけないといけないのはウッドスラッグだ。
このナメクジ、リグならばまるで問題なく狩れる。
でも前回、リグの攻撃方法では完全に吸収してしまうせいか、アイテムを残さなかった。
今回も2匹ほど相手をさせたが、やはり残らない。
手間だが氷魔法の攻撃呪文で始末しましたが。
それに登っている間、他のプレイヤーには全く遭遇しませんでした。
こんな地形では少ないのは仕方がないだろうけど、全く遭遇しないというのも珍しい。
そのせいか、魔物も多い気がする。
【解体】のおかげか、アイテムが徐々に溜まっていく。
まあそれもいいか。
特に奇陳石は有難い。
毒消しが作れるからね。
登りきりました。
やや肌寒い。
時刻は午後6時を過ぎてしまっている。
残月で移動するにしても、昼間でないと思い切り飛ばせない。
これはいかんな。
残月での移動は諦めよう。
出来るだけ、移動優先で先を急ごうか?
いや、ここは夜の狩りを兼ねて移動するか?
どうせだしここで食事にするか。
インスタント・ポータルの呪文を使う。
リグは帰還させて文楽を召喚する。
ここは覚悟を決めよう。
腹が減っては戦が出来ぬ、だ。
まあ場所が場所だけに調理中にも魔物の姿を見掛ける訳でして。
ブリッツ、ユキヒョウはまだいい。
サスカッチには平常心でいられなかった。
だが収穫はある。
ちょうどインスタント・ポータルの領域に足を踏み入れてくれたからだ。
半透明のサスカッチを観察する。
身長は金剛力士よりやや低いかな?
いや、大して変わらないようにも見えるな。
だが肩幅はかなり違う。
圧倒的に広い。
胸の分厚さも半端ないし。
腕は長く逞しい。
その太さは人間の胴体みたいです。
もっと太いかもしれない。
その反面、足は短いな。
まあ、なんだ。
パワーファイターである事は疑いようがない。
打撃の間合いも金剛力士とはかなり違うだろう。
馬頭とも違う。
タイプからすると牛頭が近いかな?
山頂方面に戻っていく速度を見たら、身の軽さも持ち合わせているであろう。
戦鬼を一回り大きくしたような感じになるか。
それ、ヤバいんじゃね?
呪文での強化は勿論必須になるだろう。
支援も同様だ。
地形も考慮しないとダメだろう。
ジェリコは向かないか。
一番、当てにしたい存在なんだが。
前衛の軸は戦鬼がいいかな?
装備を整えたとはいえ、リグも追加で貼り付かせるか?
支援はヘリックスを軸に黒曜も追加したい。
空中を飛び回れるから地形の不利は関係ないし。
そうなると布陣の空きは1つか?
ナインテイルかヘザーで後方支援とか。
戦闘できる場所が確保できるのであればヴォルフがいてくれると助かるんですがね。
色々と思索に耽っていたら料理も出来ていたようだ。
生パスタにキノコと牛肉のソース。
いい感じです。
食べながら脳内では色々と考えてました。
こう言ってはアレだが、こういった時間も楽しいものです。
インスタント・ポータルを出て出発する前に陣容変更だ。
黒曜、クリープはそのまま。
文楽、ヘザー、ヘリックスは帰還させる。
無明、ジーン、ティグリスを召喚した。
ここの夜だとコボルトも出る。
特にコボルトアサシン相手に索敵能力は重要だ。
同時にブリッツやユキヒョウの襲撃も考慮しての布陣である。
目標は日付が変わる前に土霊の祠に到着する事だ。
無論、魔物との戦闘はなるべく避けたい訳でして。
オレ以外の召喚モンスターは元々が夜間活動を苦にしない。
だから視界確保もノクトビジョンで対応していました。
襲われ難い筈です。
それでもゼロに出来る訳ではないのですよ。
だが確信する。
久しぶりであるが故に差が分かり易い。
比較的、戦いに勝ち抜くのが楽です。
ユキヒョウ2匹の場合は?
1匹の頭を脇に抱えて首を捻っていく。
襲ってくるのは黒曜とジーンが事前に知らせてくれていたし、呪文で強化もしていた。
それにしても楽に戦える。
確かに、レベルアップしてきてはいる。
でもオレ自身、ステータス値の筋力値に多くを振ってはいない。
大して変わっていない筈だ。
それでも、楽に技がかかる。
戦闘スキルの効果?
まあ、そうでしょうとも。
もう1匹は?
召喚モンスター達に袋叩きにされてます。
特にクリープが凄い。
腰周りに絡み付いてどこかに噛み付いてるみたいです。
あれではユキヒョウ自身、脚ではどうにも出来ない。
そして首元はティグリスが噛み付いて離さないのだ、
あっという間に詰みです。
オレも早々に首を折って仕留めた。
楽ですね。
ブリッツ2匹の場合は?
こいつ等の場合、もう少し手間はかかる。
でもダメージは最小限で済んだのですよ。
使った呪文はレジスト・サンダーだけ。
オレは首根っこを捕まえて、体重を掛けながら折るだけで済んだ。
召喚モンスター達は捕まえるまでが大変だったが、黒曜とジーンに集られて足を止めたのが運の尽きである。
ティグリスとクリープに捕まり、無明の攻撃をまともに喰らい続ける事になった。
ダメージは軽微だ。
しかも無明は自己回復してしまうし、ジーンはブリッツの血を吸って回復してしまっている。
問題ないです。
ユキヒョウからは皮と爪を得たし、ブリッツからも角と肉を剥いでいる。
何よりもこれが最大の収穫だろう。
【素材アイテム】雷山羊の腱 原料 品質B レア度5 重量0+
ブリッツの腱。一旦乾燥させたものは料理用として珍重される。
味は基本的にしない。
明日の朝飯の材料は決定したな。
だが何といっても一番多いのがコボルトだ。
呪文で強化せずとも対応はできる。
コボルトアサシンの相手はジーンとクリープに任せた。
この2匹はコボルトアサシンを全く苦にしない。
助かります。
コボルトファイター、コボルトシャーマンも少ないながらも、いる。
そしてコボルトシャーマンは精霊を召喚する訳で。
ウンディーネ Lv.3
精霊 討伐可 待機中
戦闘位置:地上、水上、水中
これがまたしつこい。
液状化した状態のマッドゴーレムの小型版みたいな奴だ。
呵責の杖はちゃんと通用する。
でもそんなにダメージが積み重なっていかないのだ。
いきなり変形して水の槍を繰り出してくるのも厄介だし。
レジスト・アクアなしで殴りあうのは無茶だな。
ジェリコと殴りあう事になった牛頭の気持ちが良く分かる。
なんとか全滅させました。
工夫したくとも考え付きません。
レジスト・アクアは有効だったが、攻撃呪文の多くは思ったほどダメージが通らない。
どう考えてもコボルト共よりも精霊の方が恐ろしく厄介なのは間違いなかった。
《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》
えっと。
2つに、1ポイントを加算、なんですか?
おっと。
確かめたら分かる事だ。
基礎ステータス
器用値 17
敏捷値 17
知力値 24
筋力値 17(↑1)
生命力 17(↑1)
精神力 24
うん、ちゃんと2箇所のステータス値がアップできている。
数字も揃って目出度い事だが。
クラスチェンジして上位職になったら成長の仕方も違ってくるものなんだろうか?
いや、クラスチェンジ時にこういった事項の説明があって然るべきだと思うんですけど。
どうもこのゲームの運営は不親切に過ぎる。
《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で26ポイントになりました》
ボーナスポイントの増え方はこれまで通りか。
それはいいとして、ポイントが溜まってきたな。
何かスキルを取得するかね?
これ、欲しい、と思わせるスキルが見当たらないのですよ。
金属製武器には魔法にペナルティがあるし。
現在、特に困っている訳ではない。
敢えて困ると言えば《アイテム・ボックス》だろうか?
闘牛の群れを狩るような真似をしなきゃいいのですよ。
ああいった真似を何度も繰り返してる訳ではないからなあ。
まあいいさ。
ステータスに振るのも止めておこう。
数字が揃わなくなる。
いずれどこかで使う事もあるだろう。
土霊の祠が見えてきた。
よし。
逃げ込む先があると安心できます。
時刻は午後10時半か。
意外に速く移動できたかな?
では移動優先はここまでだ。
狩りを進めよう。
オレのMPバーもまだ十分に余裕があるし。
コール・モンスターを使う。
何を呼ぶか?
いや、周囲はコボルトだらけですけど。
ブリッツはいない。
ユキヒョウもいなかった。
選択肢をくれ、と言いたい。
仕方なくコボルトを狩り続けた。
結果、梅の実がやたらと溜まっていくのである。
梅干しでも作るとか?
植えるにしても多すぎますし。
他の実もいくつか入手している。
全部合わせても重量的には大した事はないが。
それよりもコボルトだ。
もうちょっと、普通に戦い甲斐のある相手が欲しくなってきた。
ここいらで言えばブラックベアか?
昼ならばいいが、夜は少ない。
ブリッツかユキヒョウ、どこかにいませんかね?
仕方なくコボルト狩りを続けていた所に異変が起きた。
確かに、見た目はコボルトの群れ。
コボルトファイターとコボルトシャーマンの姿が見える。
普通のコボルトも6匹ほどいた。
だがそれ以外の見慣れない姿もあった。
コボルトナイト Lv.2
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上
コボルトファイター Lv.4
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上
コボルトアーチャー Lv.2
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上
コボルトフェンサー Lv.4
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上
コボルトレンジャー Lv.4
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上
コボルトアサシンは周囲にいない。
それは助かるんですが。
何、こいつ等?
コボルトナイトってどこかで聞いたな。
そう、N1マップの門番だ。
矢が飛んでくる。
それに構わず前に出た。
コボルトもフェンサーを中心にこっちに向かってくる。
大きいが粗末な盾を押し付けてくるように突っ込んできた。
避けるのは容易いが。
フェンサーの両脇にファイターとナイトがいる。
「ライト・エクスプロージョン!」
夜の闇の中、光が周囲に満ちた。
ダメージを与えるのは勿論、混乱してくれたら儲けものだ。
どの個体が混乱に陥ったのか、確認する暇もない。
これは乱戦になるかな?
だがその予想は外れた。
こいつ等の規律はいっそ見事と言う他になかったのだ。
確かにゴブリンファイターを相手に何度か戦っていました。
その強さも概ね把握していたし、その通りの実力だろう。
だがこのコボルトのパーティは、強い。
1匹だけ格が違って強かった。
そいつは統率役でもある。
コボルトナイトだ。
こいつ、絶対に1対1の状況を作りたがろうとしないのだ。
フェンサーを軸に戦線を崩さない。
混乱したコボルトを状態異常から回復までさせてもいた。
黒曜とジーンが空中から牽制する。
これにはアーチャーが対応してきていた。
明らかに黒曜もジーンも攻撃し難くなっている、
ナイトが持つ槍は当然だが間合いが長い。
フェンサーとファイターの合間から突いてきたりするからもうね。
全体攻撃魔法で2回、薙ぎ払うと、並みのコボルトが一掃された。
ようやく主導権がこっちに戻る。
「ストーン・バレット!」
攻撃呪文がアーチャーに直撃する。
既に全体攻撃呪文で積み重なったダメージと合わせて仕留めきった。
ジーンはナイトに向けて突っ込む。
後方からは黒曜だ。
ナイトの足止めは任せた。
とりあえずフェンサーはどうにかしたい。
ファイターはティグリスに噛み殺されてしまったようだ。
無残。
そしてフェンサーの足元にはクリープが迫っていた。
ナイス。
一瞬、隙が出来たところに無明が突っ込んでいく。
オレもフェンサーの盾を蹴りながら支援する。
クリープに首元を噛まれたフェンサーは地面に倒れこんでしまった。
これでもう死に体だ。
ナイトは?
まだ健在である。
呪文によるダメージもある筈なのだが、HPバーは7割ほども余裕がある。
こいつ、見た目以上に強いのか?
装備は揃っているように見える。
鎧部分に呵責の杖で突いてみるが、さほどダメージは通らない。
結構、分厚いのか。
それでもそこそこ素早く動けるのが侮れない。
パワーもありそうだ。
ティグリスが体当たり気味に迫るものの、片腕で払われてしまっていた。
槍でジーンと黒曜を追い払おうとする所にオレが迫る。
ナイトと目が合っちゃいました。
いやだなあ。
血走ってやがる。
ティグリスが腕に噛み付いた。
だが腕も金属製の甲があって牙が通らないようだ。
それでも無駄にならなかった。
コボルトナイトは槍を落としてしまう。
腰の剣を抜こうとする所で距離を詰める。
剣の柄元を蹴った。
そう簡単に抜かせるか!
喉の下に腕を絡めて足を払い、そのまま投げを打った。
鎧があるから普通に攻撃しても仕方がない。
組打ちで行こう。
袈裟固めの体勢になる。
コボルトナイトの右腕を足でロックすると左拳に疾風虎の隠し爪を握りこんだ。
鎧の繋ぎ目から首筋あたりを突き刺す。
そして、引っ掻く。
それを繰り返していく。
何度も。
何度も、だ。
力が一瞬、抜けた所で首そのものを挫いていく。
鎧がどれほど丈夫でも中身が動くのであれば問題ない。
首の骨が、折れる。
それで終わりであった。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『クリープ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
まあ妥当な所がレベルアップしてくれたようだ。
ステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だ。
もう1点のステータスアップは精神力を指定する。
クリープ バイパーLv3→Lv4(↑1)
器用値 11
敏捷値 16(↑1)
知力値 12
筋力値 12
生命力 16
精神力 11(↑1)
スキル
噛付き 巻付 匂い感知 熱感知 気配遮断 毒
うん。
ここいらで区切るとしよう。
土霊の祠に戻る事にした。
さて、と。
時刻は午後11時半だ。
祠の中は既に幾つものテントが設営されている。
オレもなるべく静かにテント設営を進めた。
ログアウトしているのであれば大きな音を立てても問題はないのだろうが、そこはそれ。
気分の問題だ。
そして本日最後のお楽しみが残っている。
16匹目の召喚モンスターを何にするか、だ。
前から次を何にするのかは決めてあった。
単純に上から順番にしていたのです。
で、こいつの番なんですけどね
瑞雲 ミストLv1(New!)
器用値 2
敏捷値 3
知力値 17
筋力値 1
生命力 4
精神力 15
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性 [ ]
空きスロットがあるな。
選択肢は火属性、風属性、土属性、水属性の4つだ。
さあ、どうしようかね?
まあ時間もない事だし、さっさと決めてしまおう。
瑞雲 ミストLv1
器用値 2
敏捷値 3
知力値 17
筋力値 1
生命力 4
精神力 15
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性 火属性
何を基準に決めたのかが丸分かりですな。
まあ、いいんじゃないかな?
火属性はまだいなかったし。
召喚モンスター達を全て帰還させるとログアウトする。
明日は山に行こう。
あのサスカッチに挑む事になるんだろうな。
不安は当然ある。
だが期待もまたあるのであった。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv16(↑1)
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv1
ボーナスポイント残 26
セットスキル
杖Lv13 打撃Lv10 蹴りLv10 関節技Lv10 投げ技Lv10
回避Lv10 受けLv10 召喚魔法Lv16(↑1)時空魔法Lv8
光魔法Lv9 風魔法Lv9 土魔法Lv9 水魔法Lv9
火魔法Lv9 闇魔法Lv9 氷魔法Lv7 雷魔法Lv7
木魔法Lv7 塵魔法Lv7 溶魔法Lv7 灼魔法Lv7
錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv6
連携Lv11 鑑定Lv11 識別Lv11 看破Lv3 耐寒Lv5
掴みLv9 馬術Lv9 精密操作Lv11 跳躍Lv5
耐暑Lv6 登攀Lv5 二刀流Lv9 解体Lv7
身体強化Lv7 精神強化Lv8 高速詠唱Lv10(↑1)
魔法効果拡大Lv6 魔法範囲拡大Lv6
装備 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2
呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+
雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1
草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか
呵責の腕輪+×2 呵責の足輪×2
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2
所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式
称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を知る者
呪文辞書 格闘師範
ステータス
器用値 17
敏捷値 17
知力値 24
筋力値 17(↑1)
生命力 17(↑1)
精神力 24
召喚モンスター
ヴォルフ グレイウルフLv4
残月 ホワイトホースLv2
ヘリックス ファイティングファルコンLv2
黒曜 ミスティックアイLv2
ジーン ブラックバットLv2
ジェリコ マッドゴーレムLv1
護鬼 羅刹Lv1
戦鬼 レッサーオーガLv1
リグ イエロープディングLv1
文楽 ウッドパペットLv5
無明 スケルトンLv6
ナインテイル 赤狐Lv6
ヘザー フェアリーLv5
ティグリス タイガーLv5
クリープ バイパーLv3→Lv4(↑1)
器用値 11
敏捷値 16(↑1)
知力値 12
筋力値 12
生命力 16
精神力 11(↑1)
スキル
噛付き 巻付 匂い感知 熱感知 気配遮断 毒
瑞雲 ミストLv1(New!)
器用値 2
敏捷値 3
知力値 17
筋力値 1
生命力 4
精神力 15
スキル
飛翔 形状変化 物理攻撃透過 MP吸収[微] 闇属性
火属性




