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 グロウ・プラントを牧草地とオリーブと綿花に掛けてから出立した。

 今日は朝から激戦があった。

 それなのにMPバーが大して減っていない。

 残月に騎乗して移動するうちに全快してしまうだろう。


 勿体無い。

 最初から派手に行くか。



 移動は残月に任せる。

 残月にはリグ、ナインテイル、ヘザーも騎乗していた。

 そう重たくはない筈だが、呪文で強化しておく。

 器用値、敏捷値、筋力値、生命力だ。

 オレもフィジカルエンチャント・アクアで器用値だけだが強化。

 これで移動も楽に進むか?


 進みました。

 戦闘も何度かありましたが、それを大きく挽回するようなペースで駆けてくれます。

 今までやってこなかったのが勿体無いほどだ。

 嗚呼、なんて勿体無い。



 そんな訳で南の洞窟には普段よりも早い時刻に到着してしまった。

 あまつさえ、MPバーは全快になっている。

 途中、追い抜いたパーティはどれほどいただろうか?



 まあそれはいいとして。

 今日は昨日の続きを進めておきたい。

 そう、牛頭と馬頭、いや、牛頭鬼と馬頭鬼を狩るのだ。

 昨日はレベル7までになっている訳で。

 こっちもそれなりの陣容で戦うべきだろう。


 リグ以外は帰還させる。

 ヴォルフ、ジーン、戦鬼、ティグリスを召喚した。

 戦鬼は新しい装備を身に着けている。

 さて、その効果はどれほどのものなのか?

 リグが貼り付いていると分からないので、ティグリスと組んで貰おう。


 さあ、狩りだ。

 おっと、【解体】は控えにしておかないといけないな。




 中継ポータルへと続く支道を最初に進んだ。

 ここの牛頭と馬頭は、早い段階で中継ポータルでログアウトしたパーティに狩られている可能性がある。

 だが杞憂であったようだ。

 ジーンはいち早く妖怪達の存在を把握してくれたようだ。



 牛頭鬼 Lv.8

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.8

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 あれ?

 クラスチェンジしてない?



 まあ深く考える事もないか。

 狩る事には変わりがないのだし。

 全員を呪文で一通り強化する。

 そしてこっちから襲い掛かっていった。

 ヴォルフとジーンが先行して奇襲。

 オレ、戦鬼、ティグリスとリグが続く。


 一気に乱戦に持ち込んだ。



 牛頭鬼、馬頭鬼の両方にディフェンス・フォールとオフェンス・フォールを掛け終えた段階で見通しはあった。

 勝てる。

 楽勝、とはいかないが。


 今回、戦鬼にリグが付いていない。

 それだけに牛頭鬼との乱打戦は見ごたえがあった。

 呪文で強化してあってなおパワーでは不利だ。

 だがスピードでは上回っている。

 ヴォルフとジーン、それにティグリスとリグとで次々と攻撃してくれてもいる。

 ダメージは最初の方で多少食らったが、それも徐々に自動回復しつつあった。

 益々頼もしくなっている。

 牛頭鬼の刺又の直撃はさすがに結構ダメージがあったが、刺又を奪ってしまってからは順調だ。

 拳で殴られても破壊力が減っているようだし。

 普通に殴りあうのであれば、戦鬼に有利のようだ。


 つか牛頭鬼も馬頭鬼も身につけているのは布でしかない。

 裸同然なのだ。

 男らしいと言えば男らしい。


 オレはと言えばバグナグで殴り合ってます。

 右拳に草原獅子のバグナグ、左拳に雪豹のバグナグを握りこんでいる。

 まだ馬頭鬼は錫杖を持ったままだ。

 それでも慌てる事はない。

 こいつの攻撃パターンはもう覚えた。


 筋肉の動きは正直だ。

 馬頭鬼の全貌を視界に捉える。

 重心の位置。

 足の位置。

 前傾姿勢かどうか。

 錫杖をどう振り回してくるかは肩を見たら概ね分かる。

 筋肉が剥き出しでは隠しようがない。


 基本、攻撃は打撃によるカウンターだ。

 足でも攻撃は仕掛けはするが、これが中々通じない。

 無論、転がしてやりたいのだが。

 簡単に転ばない。

 少なくともレベルが上がっているだけの事はあるようだ。


 雪豹のバグナグの効果で敏捷値を阻害するまでかなり時間が掛かってしまっていた。

 拳を打ち込み、引っ掻く。

 その繰り返しだ。

 少しずつ、バグナグで引っ掻く事で出来る傷が増えていく。

 爪が食い込む手ごたえが強くなる。

 引っ掻く長さが少しだけ長くなる。

 僅かに、だが確実にダメージが増えていくようであった。


 膝裏に蹴りが入るようになってからは展開が有利なのは明らかになってきた。

 それでも油断ならないのがこいつ等だ。

 噛み付き攻撃もしてくる。

 カウンターが喉元にも食い込んでいく。

 何故だろう、今日は良く攻撃が見える。

 与作との戦闘がいい方向に働いてでもいるのかね?



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 ヴォルフがレベルアップするのも久しぶりな気がする。

 レベルアップがし難くなってきている?

 まあそんな所だろう。


 ステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。

 もう1点のステータスアップは知力値を指定する。



 ヴォルフ グレイウルフLv3→Lv4(↑1)

 器用値 12

 敏捷値 30

 知力値 13(↑1)

 筋力値 16

 生命力 21

 精神力 13(↑1)


 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 天耳 危険察知 追跡 夜目 気配遮断



 さて、戦鬼の様子はどうか?

 確かにダメージは喰らっている。

 でも思ったほどではない。

 今もジリジリと回復し続けている。

 恐ろしい奴め。

 外観だけでも恐ろしいんですが、その能力もまた恐ろしい。

 本当に味方で良かった。



 更に先へと進む。

 次の牛頭鬼と馬頭鬼は、いない。

 先に倒されたのだろう。

 中継ポータルの向こう側にも出現する場所が2箇所あるが、さすがに先回りは出来ない。

 諦めて別の場所で狩る事にするか。



 で、メインの洞窟のほうですが。

 本日の担当はオークさん達です。

 正直、オークどころかオークリーダーでも物足りない訳ですが。

 【解体】を控えにしたままだったが、かろうじて宝石は得ている。

 これは嬉しい。



【素材アイテム】ツァボライト 品質C+ レア度3 重量0+

 緑色のガーネット。赤色系のガーネットよりも希少価値がやや高い。

 透明度の高いものは魔法発動用に人気があり高額になり易い。



 しかもモノがいい。

 反面、心配でもあるが。


 幸運をこんな所で使い果たしてはいないだろうか?


 世の中、良い事ばかりではないだろうし。



 メインの洞窟から近い場所にいる筈の牛頭鬼と馬頭鬼は、いた。



 牛頭鬼 Lv.9

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.9

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 どこまで上がるんだか。

 今度は注意すべき点がある。

 先刻は支道で狭い場所だったのがこっちに有利に働いた。

 主に壁にぶつけてやる事でダメージを与えている。


 だがここでは壁を利用し難い。

 地面に投げ落とすか、壁呪文の利用が有効だろう。

 ここは壁呪文も奢っておくべきだな。


 いつも通り、呪文で強化をしていく。

 今度はどの程度、強くなっているかな?



 強い、というよりも動きがよりダイナミックになっているような印象です。

 特に牛頭鬼。

 それでもヴォルフとジーン相手に右往左往してますけど。


 オレの方も更に余裕がない。

 ダメージも喰らっている。

 だが早い段階で錫杖を落としたのが、良かった。

 ほんの少しだけ、余裕が出来る。


「マグマ・スクリーン!」


 突進してくる馬頭鬼の目の前に溶岩の壁を築く。

 まともに喰らった馬頭鬼をサイドステップで避ける。


「ルート・スネア!」


 間髪入れずに足元を引っ掛ける。

 転びはしなかったが大きくバランスを崩した。

 体を寄せて拳を腹に打ち込む。

 反転してオレに襲い掛かってくる馬頭鬼を巴投げで放り投げた。

 再びマグマ・スクリーンの中に突っ込みながら転がっていく。

 2回、壁呪文のダメージを喰らいながらも馬頭鬼はまだ元気だ。

 凄いな。

 元気で結構。

 戦い甲斐もあるってものだ。


 呪文を交えて、戦う。

 そうでないと主導権を握れない。

 少しでも気が抜けない戦いが続く。

 手足の一本でも折れたらいいのだが、中々その機会が見出せない。


 ようやく立ち関節技の脇固めから足払いを掛けて転がす事に成功した

 既に馬頭鬼のHPバーは風前の灯だったのですがね。

 どうも慎重になりすぎて踏み込めてなかったか?

 反省すべき点はどの戦いにもあるものだ。


 そして、牛頭鬼と馬頭鬼は何も残さなかった。

 こいつ等、どこまでレベルは上がるのだろう?




 次の牛頭鬼と馬頭鬼はレベル10だ。

 狭い通路であったのが良かった。

 オレはまたしても馬頭鬼の相手をしたが、通路の壁を十二分に利用できた。

 むしろさっきのレベル9よりも倒すのは楽です。

 誘導して突っ込ませたらいいんですもの。


 戦鬼も多少ダメージを喰らいはしたが、ポーションだけで十分に全快である。

 お前ら。

 特にレベル差のあるティグリスは心配なんですが、まるで怯む様子がない。

 リグがいるとはいえ、無茶すんな。



 で、次の牛頭鬼と馬頭鬼の出現ポイントです。



 牛頭鬼 Lv.11

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.11

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 まだ上がるのか。


 ここまで、パッシブで遭遇できているのは僥倖と言うしかない。

 ヴォルフとジーンがいるからなのだろうけどね。

 正直、事前に呪文で強化してないと相手したくないですから。


 今度もオレが馬頭鬼を担当する。

 得物は最初から呵責のトンファーを使った。

 さすがに、素手で相手するのは辛くなってきている。

 関節技が掛け難くなってきているのも一因です。


 そろそろ、金剛力士に相当する厄介な相手になりつつある。

 まだオレのMPバーは余裕はあった。

 攻撃呪文、それに支援も要るだろう。

 場所が支道で壁を利用できる地形なのが有難い。



 今度はやや苦戦した。

 馬頭鬼はそうでもなかったが。

 トンファーで殴りながら壁に突っ込ませる事を繰り返しただけだ。

 広間だったら確実に苦戦していただろう。


 牛頭鬼が厄介だった。

 召喚モンスター達が集中砲火してたのだが、仕留めるのに相当手間がかかっている。

 ダメージが、通る事は通る。

 でもあまりにもタフだ。

 戦鬼がある程度ダメージを喰らうのは仕方がないにしても、ティグリスもリグがいるのに喰らってます。

 そろそろ、潮時か?



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 そのティグリスがレベルアップですよ。

 交代するの、延期で。

 それにしてもティグリスの成長が早いようだが。

 いや、牛頭鬼と馬頭鬼と連戦しているのも大きいのだろう。

 そうでなければ説明がつかない。


 おっと。

 ステータス値で既に上昇しているのは敏捷値だった。

 もう1点は器用値を指定する。



 ティグリス タイガーLv4→Lv5(↑1)

 器用値 10(↑1)

 敏捷値 18(↑1)

 知力値 10

 筋力値 20

 生命力 20

 精神力 10


 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断



 ティグリスのダメージそのものはポーション1個では賄えないが、もう1個で全快するだろう。

 戦鬼は回復し続けている。

 だが喰らっているダメージが大きい。

 ポーションで回復をさせておく。

 そろそろ、戦鬼をもってしても厳しいレベルになってきたようだ。


 次で一旦、区切るべきか?

 いや、止めるのはいつでも出来る。

 もう一戦、やってみよう。




 広間の中央に、いる。

 牛頭鬼と馬頭鬼だ。

 外見だけはそう見える。

 ところがこいつ等、鎧を着込んでいやがるのだ。

 明らかに今までと様子が異なる。



 牛頭大将 Lv.1

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性 土属性


 馬頭大将 Lv.1

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性 火属性



 なんですかこれは。



 区切るべき?

 いや、そもそもだが戦うべき?

 オレのMPバーは半分近くある。

 先刻の牛頭鬼と馬頭鬼であれば3回戦えるだけの余裕はある。

 だがこいつらにはどうだろう?


 悩んでも時間の無駄だ。

 戦おう。

 肝心の【解体】はセットした。

 戦って勝てたとしても、先に進むのは危険だ。

 ここで区切ろう。



 ここは金剛力士を相手にするつもりで事前準備を整えた。

 呪文による強化は当然、レジスト系も全員に掛ける。

 光、闇、火、土の4属性全てだ。

 力水も全員に使う。

 リグにも一応、力水を垂らしてみたら効果がありました。

 考え得る準備は完了。

 練気法も使う。

 得物は呵責の杖にした。

 今は少しでいい、間合いが欲しい。


 さて、行くか。 



 牛頭大将と馬頭大将が横を向いた瞬間。

 ヴォルフとジーンが一気に襲い掛かった。

 奇襲。

 少しでもダメージは稼いでおきたかったからな。


 牛頭大将にジーンが襲い掛かる。

 同時に闇の帯が牛頭大将の頭部を直撃。

 頭上の赤いマーカーに小さなマーカーが重なる。


 馬頭大将にもヴォルフが襲い掛かる。

 足元をすり抜け、踵の辺りを噛み付いた。


 ようやく牛頭大将も馬頭大将も気がついた?

 リグを貼り付かせたままティグリスも迫る。

 オレと戦鬼も続いた。

 次の瞬間、奇妙な音が聞こえてきている。

 お経?

 お経、だよな?


 いや待て。

 これは、呪文?



 お経を唱えていたのは馬頭大将だったらしい。

 お経の声が途絶えると炎の嵐が吹き荒れていた。


 ファイア・ストーム?

 恐らくはそうだろう。

 喰らっているのでは確認しようがない。

 ダメージは無論、ある。

 だがレジスト・ファイアの効果は確かにあった。


「ディフェンス・フォール!」


 牛頭大将に呪文を掛けておいて馬頭大将に迫る。

 さっきの攻撃の礼はしてやらないと、な。

 呪文を選択して実行。

 同時に呵責の杖を次々と叩き込んでいく。

 当然、鎧に当たる。

 

「グゲゲッ!」


 戦鬼も牛頭大将に襲い掛かる。

 牛頭大将は暗闇状態に陥っているようだ。

 ティグリスも攻撃に加わる。

 ヴォルフもジーンも総掛かりだ。

 防御もままならない。

 あっちは任せていいか。


「ディフェンス・フォール!」

 

 馬頭大将にも呪文を掛けて防御力を下げに行く。

 だがこっちは掛からなかったようだ。

 マーカーは、ない。


 またしてもお経の声が聞こえる。

 馬頭大将だ。

 錫杖も振り回してくるものだから始末に負えないぞ、おい。

 いや、手はある。


「スペル・バイブレイト!」


 お経の声は途切れる。

 そして、錫杖を振り下ろしてきた。

 逃げても追撃が来るだけ。

 前に、出ろ!

 杖を手首に引っ掛けて前蹴りを馬頭大将の喉に向けて放つ。

 無論、直撃しても効く訳ではない。

 牽制だ。


 蹴り足を地面に下ろすと同時に杖を反転させて喉元を突く。

 こっちが本命だ。

 鎧を着込んでいる相手にまともな攻撃をするつもりは最初からない。

 それに接近戦をしていて分かるが、馬頭鬼よりも体格がやや大きいようだ。

 存分に、技を使おう。

 それしかない。


「グラビティ・バレット!」


 近距離から直撃弾だ。

 ダメージ狙いではない。

 棒立ちにさせ、転がすためだ。

 足をすくって、持ち上げる。

 重たいって。

 でもよろめいている所だったから転んだようなものだ。

 即座に馬頭大将の首元に足を絡めて絞め上げる。

 呵責の杖は既にオレの手にない。

 右手に握りこんだのは疾風虎の隠し爪。


 どこを突くかって?

 喉だ。

 突き刺したまま、その部分の上から絞める。

 これで詰みだな。


 だが馬頭大将、ただでは終わらなかった。

 喉を絞められながらお経を始めやがる。

 この。

 黙れよ、この!


「スペル・バイブレイト!」


 再び武技を使う。

 全く、MPバーの減りが速いって。

 絞めるのと同時に首そのものを捻りに行く。

 だが力が強い。

 顎の下に疾風虎の隠し爪を突き刺して両手を組んで押さえる。

 そのまま体を倒して体重を掛けた。

 これで、どうだ?


 馬頭大将のHPバーはジリジリと、だが着実に減っていく。

 お経の声も、ない。

 今度こそ詰んだ。

 いや、詰んでくれないと困るって。



 それでも馬頭大将は暴れるのを止めない。

 オレの両手のロックも何度か外された。

 その度に技を掛け直す。

 実にタフな奴だ。

 錫杖を何とかオレに当てようとしてくるのも厄介だ。

 ダメージを甘受しながら絞め続ける。

 そして喉も責めた。


 倒しきるまでに回復呪文が2回、必要でしたよ。

 それ以上に痛かった。

 実に、痛かった。



《只今の戦闘勝利で【杖】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》



 まあ、さすがに色々とレベルアップしてくれないと困るよね?


 おっと。

 召喚モンスター達も大なり小なりダメージを喰らっている。

 回復呪文が必要なレベルだった。

 リグだけが殆どダメージを喰らっていない。

 さすがだ。

 あの火による攻撃にもダメージは微小なものだったか。


 回復を終えた時点でオレのMPバーも2割近くまで減ってしまっていた。

 これは痛い。

 牛頭と馬頭クラスと戦うには心許無いな。

 無理はよそう。



 ところで。

 牛頭大将と馬頭大将、何を残したんですかね?



【素材アイテム】獄卒の黒縄 品質C+ レア度5 重量3 

 地獄で亡者を縛り上げるのに使われている縄。

 文字通り黒い。

 使用すると地獄の炎を纏うと言う。



 うん。

 なんぞこれ。

 まあなんだ、深く考えるのはやめよう。




 さて。

 時刻はまだ午前10時といった所だ。

 中継ポータルで休んでいようかね。



 で、中継ポータルの手前なんですが。

 金剛力士像に挑むパーティは、いなかった。

 代わりと言ってはアレだが、獅子と狛犬相手に奮戦しているパーティがいる。

 ユニオンを組んで10名体制だ

 ギャラリーも多い。

 戦鬼の様子を見て驚くプレイヤーもいたようだが気にしない。

 むしろ寄ってくるのも、いる。

 アデルとイリーナだ。


「こんちわ!」


「キースさん、こんにちは」


「ああ、2人とも観戦か?」


「まあ順番待ちですね」


 アデルはティグリスに抱きつくいつものパターンだ。

 だがイリーナはオレから視線を外そうとしない。


「メッセージで見ました。対戦を2つ、朝にやってたみたいですね」


「地獄耳か?」


「ただのミオちゃんからのメッセージですから。生で見たかったんですけど」


「用事があったんだから無理ー」


 つかアデルよ。

 観戦しているんじゃなかったのか?


「キースさんもかなり消耗してるみたいですが」


「ちょっと苦戦続きでね。さすがに小休止しないとなあ」


 ユニオンで戦っている10人だが。

 戦況が傾いていた。

 壁役が1人、倒れている。

 拮抗していた戦いが一気に動く。


 槍持ちの戦士2人が奮戦し、なんとか前線を維持しているが、機動力の高い2匹相手に完璧とはいかない。

 後衛も襲われる。

 こうなると厳しいな。


「介入は?」


「暗黙の了解ですけど、ここではナシですね」


「今日はこれで2組目の全滅かなー?」


 あっという間にプレイヤーの数が減っていく。

 最後に残った槍戦士2名は見事だったが、その奮戦も届かなかったようだ。

 全滅したようである。


「2人はもう対戦したのか?」


 まあ彼女達のMPバーを見たら分かるけどな。

 3割程度しか残っていない。

 確実にやってたよな?


「外の方の金剛力士像相手に2回ですね」


「2戦2勝!」


「勿論、クラスチェンジ狙いですけど、まだ足りないみたいです」


「ほう」


 次の対戦者が広間に進み出た。

 6名パーティ、いずれもレベル12と高い。

 呪文を互いに掛け合うと金剛力士像に手を触れた。


 2体の像が動き出す。

 風の刃と水の刃が独鈷杵から展開した。

 戦闘が、始まる。

 この戦いも見応えがあった。



 主にイリーナと雑談を続けながら観戦を続けた。

 確かにギャラリーが常にいるのも納得できる。

 見てるだけでも面白いよ、これ。


 何よりも色々と学べる所がいい。

 他のパーティの戦い方をこうも間近で見る機会は少なかったから尚更だ。



 パーティ構成も同じなんて事がないのもいい。

 それぞれのパーティが様々な工夫をしているのが分かる。

 特に壁呪文は見ていて面白い。

 それにオレがまだ取得していない攻撃呪文も見る事ができたのも収穫だった。

 一番気に入ったのは落し穴かな。

 ピットフォールという土魔法のレベル10で取得する呪文らしい。

 穴に金剛力士を落として周りからタコ殴りにするとか素敵すぎる。



 時刻は午前11時半。

 さすがに昼飯の準備をしたい。


 いや、ギャラリーも含めて、皆が一斉に中継ポータルに入っていった。


 あるパーティだけが温泉の湧いている部屋に向かったみたいだ。

 雑談の中で聞いた話だが、とある石工が風呂場を作って見たい、と言い出していたそうであるが。

 風呂かよ。

 そう思うが、果たして誘惑に耐え切れるかどうか。

 興味は当然、あります。

 温泉っていいよね。



 中継ポータルではリグを帰還させて文楽を召喚する。

 料理はアデル、イリーナ、文楽の共同で作業をする事に。

 オレはオレで暇潰しに古代石を掘ってました。

 1個だけ発掘して見たらツァボライトだ。

 当たり?

 当たり、なんだろうな。



 料理は旨かった。

 煮込みハンバーグでしたよ。

 その匂いだけでもご飯が食えそうです。

 【鑑定】し損ねたのだが、変性岩塩(聖)も使ってあったようだ。

 MPバーの回復に良しって事だな。


 そして少し雑談すると別れる事にした。

 オレも手元にツァボライトが2つある事だし、マルグリッドさんに加工依頼をしておきたいし。

 それに少し別の風景も見たくなった。

 牛頭と馬頭をもう少し狩ったら風霊の村に戻りたい。


 彼女達と別れる所でちょっとしたサプライズがあった。


『またね!』


『もう少ししたらトグロのクラスチェンジもお見せできると思いますよ?』


 ウィスパーだ。

 だがただのウィスパーではない。

 ユニオン申請もパーティ申請もなかったからな。


 テレパスの呪文だ。


 どうやら2人とも、時空魔法を取得したようである。


 不敵にも思える笑みを浮かべた2人と軽く挨拶を済ませると、中継ポータルを出発した。

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv15

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv1

ボーナスポイント残 24


セットスキル

杖Lv13(↑1)打撃Lv10 蹴りLv10 関節技Lv10(↑1)投げ技Lv10(↑1)

回避Lv10(↑1)受けLv10 召喚魔法Lv15 時空魔法Lv8

光魔法Lv9 風魔法Lv9 土魔法Lv9 水魔法Lv9

火魔法Lv9 闇魔法Lv9 氷魔法Lv7 雷魔法Lv7

木魔法Lv7 塵魔法Lv7 溶魔法Lv7 灼魔法Lv7

錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv6

連携Lv11 鑑定Lv11 識別Lv11 看破Lv3 耐寒Lv5

掴みLv9 馬術Lv9 精密操作Lv11 跳躍Lv5

耐暑Lv6 登攀Lv5 二刀流Lv9 解体Lv7

身体強化Lv7 精神強化Lv8 高速詠唱Lv9

魔法効果拡大Lv6 魔法範囲拡大Lv6


装備 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2

   呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+

   雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1

   草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

   呵責の腕輪+×2 呵責の足輪×2

   暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を知る者

   呪文辞書 格闘師範


召喚モンスター

ヴォルフ グレイウルフLv3→Lv4(↑1)

 器用値 12

 敏捷値 30

 知力値 13(↑1)

 筋力値 16

 生命力 21

 精神力 13(↑1)

 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 天耳 危険察知 追跡

 夜目 気配遮断

残月 ホワイトホースLv2

ヘリックス ファイティングファルコンLv2

黒曜 ミスティックアイLv2

ジーン ブラックバットLv2

ジェリコ マッドゴーレムLv1

護鬼 羅刹Lv1

戦鬼 レッサーオーガLv1

リグ イエロープディングLv1

文楽 ウッドパペットLv5

無明 スケルトンLv6

ナインテイル 赤狐Lv6

ヘザー フェアリーLv5

ティグリス タイガーLv4→Lv5(↑1)

 器用値 10(↑1)

 敏捷値 18(↑1)

 知力値 10

 筋力値 20

 生命力 20

 精神力 10

 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断

クリープ バイパーLv3

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