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見物していたプレイヤーから声が聞こえてきている。
歓声なのか、呻き声なのか?
それは分からない。
目の前にある力水に意識が向いていたし、
これ、どう使えって?
力士みたいに取り組み前に使えと?
木桶サイズなのに?
ねえよ。
使い勝手が悪くないのか?
だがそんなオレにお構いなしに話し掛けてくる奴は、いる。
「さすがキースさん!サモナーの戦いじゃないですよ!」
それ、褒めてるか?
まあいいけどさ。
「アデルちゃん、今は中継ポータルに向かった方が良くない?」
そう。
ギャラリーも解散しつつあり、オレ達よりも先に中継ポータルに向かう連中が多いな。
まあ昼飯時だし。
オレも力水を《アイテム・ボックス》に放り込むと中継ポータルに向かう。
だがその先でも別の戦いが繰り広げられていた。
獅子と狛犬のペアだ。
戦っているプレイヤーは10名いるから、2つのパーティがユニオンを組んでいるのであろう。
戦況は拮抗している、と言っていいかな?
いや、苦戦中か。
ここもギャラリーがいる。
金剛力士像のいる出入り口へ向けて迂回して行く。
アデルとイリーナも付いてきている。
一緒に飯にする事になっているのだ。
彼女達もこの戦いにはあまり興味を示さなかった。
何か他に気を削がれてるような感じがする。
「新しい召喚モンスター9匹目、まだ召喚してないんです」
「今日はお昼が終わったら召喚モンスターを何にするか決めてからログアウト!」
「何にするかは決めているの?」
「ライオン!」
「私はフェアリーにしようかと思います」
ほう。
ライオンはまあ分かる。
イリーナはフェアリーか。
支援が手厚くなるだろうし悪くない。
アデルに関しては召喚モンスターの名前がどうなるかまで予想できるんだが。
中継ポータルに到着すると、机と椅子を出しておく。
ジェリコを帰還させて文楽を召喚する。
食材と調理道具を机上に並べてレッツ・クッキングだ。
「アデル、イリーナ。君達の分も作らせるがいいか?」
「はい!」
「いいんですか?」
「ああ」
「では早速、召喚しちゃお!」
アデルがきーちゃんを帰還させる。
そして新たな召喚モンスターを呪文で呼び出した。
「じゃあこの子の名前はらーちゃん!」
ライオン/らーちゃん Lv.1
召喚モンスター 待機中
戦闘位置:地上
そのまんまだ。
名前は当然、予想通りでした。
そしてモフモフし始めるアデル。
らーちゃんの外観は若いオスライオンかな?
首周りの毛の量はまだ少ない。
「では私も行きます」
イリーナもゴリアテを帰還させる。
そして召喚したのはフェアリーだ。
「名前はミュレ、としますね」
フェアリー/ミュレ Lv.1
召喚モンスター 待機中
戦闘位置:空中
「空きスキルは何にしたんだ?」
「水属性ですね」
ふむ。
まあ収まるべき所に収まったようだな。
オレの目の前でアデルがモフモフを既に堪能している。
もう好きにしなさい。
ライオン1頭、トラ3頭、狼1頭を次々と撫で回して感触の差を確かめている様子だ。
まあ放置で。
幸せならいいじゃないか。
彼女達と雑談しているうちに料理も出来上がってきていた。
腿肉のサイコロステーキかな?
美味しゅうございました。
ティグリスにも1個だけだがあげよう。
でも生肉のほうが好きそうです。
結局、生肉を猛獣部隊全員に1切れずつ与える事になってしまった。
だって、見つめられたときのプレッシャーが凄いんですよ。
「では、これで」
「明日は風霊の村に戻るよー」
中継ポータルからアデルとイリーナがログアウトしていく。
さて。
オレは狩りを継続してみようかね?
布陣を変更しよう。
文楽を帰還させて戦鬼を召喚する。
ジェリコは再度召喚しても液状化がもう1回、使える程度だ。
ここで交代でいいかな?
リグはそのまま。
生体装甲になって貰おうか。
だが戦鬼とティグリスを同時にカバーは出来ない。
ここはティグリスを帰還させよう。
召喚するのはヴォルフだ。
牛頭鬼と馬頭鬼を狙う。
今日はそのつもりであった。
坑道方面にも2箇所、牛頭と馬頭がいたポイントがあった筈だ。
そのうちの1つは既に倒されてしまっていたようで、いない。
だがもう1つには、いた。
牛頭鬼 Lv.5
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 光属性
馬頭鬼 Lv.5
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 闇属性
いつものように召喚モンスター達を強化していく。
そうだ。
力水の効果も確認しておくか。
ステータス
器用値 17
敏捷値 17
知力値 24
筋力値 16(+3)
生命力 16
精神力 24
力水だけでこうだ。
で、フィジカルエンチャント・ファイアを使ってみる。
ステータス
器用値 17
敏捷値 17
知力値 24
筋力値 16(+6)
生命力 16
精神力 24
あれ?
いつものようにフィジカルエンチャント系を全て使ってみる。
ステータス
器用値 17(+3)
敏捷値 17(+3)
知力値 24(+4)
筋力値 16(+6)
生命力 16(+3)
精神力 24(+4)
ほう。
重ね掛けの効果、凄いな!
いや、もう1つあるよな?
「練気法!」
そう、これもあった。
どうなってる?
ステータス
器用値 17(+6)
敏捷値 17(+6)
知力値 24(+9)
筋力値 16(+10)
生命力 16(+7)
精神力 24(+9)
凄いじゃないの。
力水も重ね掛けでいける。
こうして見る事が今までなかったな。
凄いじゃん。
おっと。
効果にはタイムリミットがある。
さっさと戦いを挑むとするか。
あ、そうそう、【解体】は控えに回しておかないとな。
戦闘終了。
さくっと、勝利してますが何か?
いや、全員がクラスチェンジしているってのもあるけどさ。
インフォが何もないのは、惜しい。
ミーティングによると、坑道の奥には強敵はいないらしい。
ならば迷うことはなかった。
牛頭鬼と馬頭鬼がいる可能性があるのは断罪の塔に抜ける支道しかない。
とはいえ、プレイヤーが多くなってきてるな。
中継ポータル付近は特に。
いや、ギャラリーが増えている?
攻略組が戦う様子を観戦するパーティもいるし。
そういったパーティの間を抜けて支道へと向かう。
途中でゴブリンサモナーとスライムには遭遇しない。
ゴブリンしかいないようだ。
無残、である。
支道に入る。
ヴォルフの鼻によれば、ここを最近通ったプレイヤーはいない模様だ。
つまり、牛頭鬼と馬頭鬼はいる、と。
では行くか。
牛頭鬼 Lv.6
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 光属性
馬頭鬼 Lv.6
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 闇属性
そう、現在の布陣は全員、クラスチェンジしているのだが。
それだけに戦闘能力も高く、探索にも力を発揮する。
パッシブである点は助かっている。
戦ってみると本気でそう思います。
正直、こいつ等もかなり強くなっている。
トンファーで攻撃するよりも受ける場面の方が多いのだ。
凌ぎきるにしても、かなり集中しないとダメです。
何発か、直撃ではないにしても喰らっているし。
そろそろ、金剛力士に迫ってきているよな?
そして牛頭鬼と馬頭鬼は何も残さなかった。
次あたりで金剛力士クラスになるのかね?
今日はやや魔物の出現が少ないか?
次の牛頭鬼と馬頭鬼にはそう間隔を置かずに遭遇した気がする。
まあ気のせいだろうけど。
牛頭鬼 Lv.7
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 光属性
馬頭鬼 Lv.7
妖怪 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 闇属性
今度は全力で行く。
金剛力士と同じレベルと思うことにしよう。
そう、確かに強い。
金剛力士と違って、得物の怖さはさほどではないのだが。
それよりも戦鬼と護鬼が戦う様子がもうね。
「グギャギャ!」
「シッ!」
戦鬼の声はより獣のように。
護鬼の声はよりおとなしくなっている。
だが戦いっぷりはより恐るべきものになっているのだ。
難敵相手にしてて楽しそうです。
リグの存在も大きい。
普段から戦鬼の防御を担当することが多いリグだが、今回は牛頭鬼を何度も一時的に麻痺させているようだ。
その度に戦鬼が地面に転がしてボコボコに殴りつけてる。
そうでなきゃ蹴りまくっている。
護鬼は変わらず切り刻んでるし。
ヴォルフとジーンも牽制しながら攻撃を加えている。
何しろ機動力が牛頭鬼とまるで違うのだ。
安心して見ていられますな。
オレはと言えば。
馬頭鬼の足をクロスしたまま固め技を極めてます。
インディアンデスロック。
但し、リバースの方だ。
プロレス技ですけど。
ただ相手の方が体格がいいし、腕立ての要領で返してこようとするんで気が抜けません。
呵責のトンファーはやめて呵責の杖で殴ってはいるんですが、どうにも体勢が宜しくない。
そこで、足をより深く差し入れて、馬頭鬼の足首を胴体で押さえる体勢へと移行しました。
これで馬頭鬼の首を絞める事ができればいいんですが、届きません。
決まればステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロックなんですけど。
無理。
だから馬頭鬼の後頭部を呵責の杖で殴り続けてました。
酷い。
これは酷いな。
でもこういった展開も悪くない。
着実に馬頭鬼のHPバーが減っていく。
それに牛頭鬼と召喚モンスター達の戦う様子も見る事ができるし。
このやり方、これからも使うといいだろう。
仕留めるのに時間が要るけど確実だ。
《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》
宜しい。
アイテムも拾っていない。
一応、今日のうちに牛頭と馬頭がいる場所で把握している場所は回りきったようだ。
次は、どうなるかね?
牛頭鬼、馬頭鬼のままか?
別の種族にクラスチェンジするとか?
まあどっちでもいい。
金剛力士並に手強い相手になってくれたら面白いんだが。
そうなったら何を落とすのかにも興味があるし。
明日、確かめて見よう。
支道を出たら断罪の塔が目の前に見えた。
時刻は午後4時を過ぎたあたりか。
夕飯には早い。
今日は途中でフロートボムが少なかったからか、移動が速く済んだようだ。
まあ踏破するのも3回目だし。
陣容はここで少し変えよう。
ジーンは帰還させて黒曜を召喚する。
護鬼とリグも帰還だ。
ティグリスとクリープを召喚する。
ここで狙うのはハチだ、
クレストビーの針を回収しておくとしよう。
護鬼の持っているストックにはまだ余裕があるが、少なくなっているのも事実。
補充しておこう。
クレスト・ビーは群れで戦えると思っていたのですが、その思惑は外れました。
コール・モンスターを使って呼び寄せたハチだが、1匹しか来ない。
しょうがないので、こっちから出向く事になる。
巣を狙おう。
コール・モンスターで場所は把握できている。
とりあえず巣穴の周辺を守っているハチの群れを掃討してみた。
久しぶりだ。
次、いつ来れるかも分からないし、多めに確保できたのは良しとしよう。
暇潰しに矢の作成もできるし。
おお、暇潰しと言えば、古代石も何個かあった筈だ。
最近、色々と忘れそうになってるな。
時刻は午後6時を過ぎた。
クレストビーの巣を4つ程、理不尽にも一方的に襲ってました。
調子に乗ってしまったな。
売れる程まで針の数を確保してどうする?
まあ売ってもいいし、いいのか。
さて。
断罪の塔に入ると戦鬼を帰還させて、文楽を召喚した。
いつものように机と椅子を出し、材料と道具を渡して料理をさせる。
さあ、今日はこれからどうするかね?
また風霊の村周辺でホーンテッドミストを狩るのもいいんだが。
そろそろ、次の段階に進んでもいいのかも知れない。
この断罪の塔周辺で夜の狩りをしてみるか?
うむ。
悪くない。
文楽の作り上げた料理は生パスタであった。
旨し。
そういえば文楽も無明にレベルで追い抜かれてしまっているんだよな。
でもホーンテッドミスト相手に弓矢だけでは相性が悪い。
どこかでレベルアップを考えておきたいな。
リターン・ホームで風霊の村に到着する。
文楽は帰還させて無明を召喚した。
少し悩んだがヴォルフも帰還させてナインテイルを召喚する。
黒曜は残した。
フロートアイに襲われる事も考慮しないとな。
スケルトンラプターもいるだろうが、ティグリスもクリープも強くなってきている。
問題あるまい。
おっと、【解体】も控えから戻しておかないとな。
で、いつものように西方面で狩りを始めたのですが。
いきなりスケルトンラプターです。
ここで活躍したのがクリープだ。
眼窩の中に潜り込んで人魂を散らしてしまう。
胸郭の中の方も同様だ。
これは意外?
いや、トグロを見ていて分かってはいましたけどね。
なんか色々と発見があるのって新鮮ではある。
で、本命のホーンテッドミスト狩りだ。
今日は比較的、群れの規模が大きいかな?
有難い事だ。
そしてホーリーレイス。
呵責の捕物棒があるので意外にすんなりと倒せるようになってきているのも有難い。
今日は日付が変わる前に3匹、屠っている。
時刻は午後11時半を過ぎていた。
これで最後、と決めた群れを全滅させた所でお望みのインフォが来た。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ギリギリ、間に合いました。
今日はここで狩りを終えよう。
ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。
もう1点は筋力値を指定した。
ナインテイル 赤狐Lv5→Lv6(↑1)
器用値 10
敏捷値 20
知力値 20
筋力値 10(↑1)
生命力 10(↑1)
精神力 20
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微] 光属性
おお。
美しい。
偶然なのだろうけど生命力が上がっていて良かった。
見事である。
これは気分がいいな。
だが忘れてはならない。
明日、対戦があるんだよな?
どう戦ったらいいものか。
まあ、どうとでもなれ、だ。
意図的に負けても寧ろ怖い気がする。
普通に戦えばいいのだろう。
飽くまでも普通に、戦おう。
普通に、だ。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv15
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv1
ボーナスポイント残 24
セットスキル
杖Lv12 打撃Lv9 蹴りLv9 関節技Lv9 投げ技Lv9
回避Lv9 受けLv9 召喚魔法Lv15 時空魔法Lv8
光魔法Lv9(↑1)風魔法Lv9 土魔法Lv9 水魔法Lv9
火魔法Lv9 闇魔法Lv9(↑1)氷魔法Lv7 雷魔法Lv7
木魔法Lv7 塵魔法Lv7 溶魔法Lv7 灼魔法Lv7
錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv6
連携Lv11 鑑定Lv11 識別Lv11 看破Lv3 耐寒Lv5
掴みLv9 馬術Lv9 精密操作Lv11 跳躍Lv5
耐暑Lv6 登攀Lv5 二刀流Lv9 解体Lv7
身体強化Lv7 精神強化Lv8 高速詠唱Lv9
魔法効果拡大Lv6 魔法範囲拡大Lv6
装備 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2
呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+
雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1
草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか
呵責の腕輪×2 呵責の足輪×2
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2
所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式
称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を知る者
呪文辞書 格闘師範
召喚モンスター
ヴォルフ グレイウルフLv3
残月 ホワイトホースLv2
ヘリックス ファイティングファルコンLv2
黒曜 ミスティックアイLv2
ジーン ブラックバットLv2
ジェリコ マッドゴーレムLv1
護鬼 羅刹Lv1
戦鬼 レッサーオーガLv1
リグ イエロープディングLv1
文楽 ウッドパペットLv5
無明 スケルトンLv6
ナインテイル 赤狐Lv5→Lv6(↑1)
器用値 10
敏捷値 20
知力値 20
筋力値 10(↑1)
生命力 10(↑1)
精神力 20
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微] 光属性
ヘザー フェアリーLv5
ティグリス タイガーLv4
クリープ バイパーLv3




