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135

 メインの洞窟に戻ってコボルトを蹴散らしながら次の牛頭と馬頭を求めて移動を開始する。

 さっきの牛頭と馬頭戦でオレとティグリスにはポーション投与でHPバーを全快にしておいたのだが。

 ジーンはコボルトから血を吸って回復させています。

 おっかねえ。

 味方で良かった。



 牛頭 Lv.7

 妖怪 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性


 馬頭 Lv.7

 妖怪 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性



 次の牛頭と馬頭もまだ狩られていなかった。

 宜しい。

 場所が狭い支道であったのも幸いして、馬頭は壁に何度も突っ込ませたので比較的簡単に仕留めた。

 地形効果サイコー。


 ティグリスも連携が取れてきている。

 ジェリコが牛頭を抑えている間に攻撃を加えながら、牽制も行っている。

 護鬼と半包囲しながら追い込んでいるし。

 元々、トラだしハンターって感じがする動きを見せている。

 攻撃力も申し分ないし。

 護鬼の剣による攻撃に見劣りしないのだ。

 まだレベルが低いんですけど。

 そのせいもあるのだが、リグが防御していてもダメージをどうしても喰らう場面がある。

 まあポーションでカバー出来る範囲だしいいか。



 オレが手を出す事もなく牛頭は倒され、その死体は消えて行く。

 そして、何も残さなかった。

 よし。



《只今の戦闘勝利で【塵魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 狙い通り。

 ティグリスも順調に成長してきている。

 より前衛として期待できるだろう。

 ステータス値で既に上昇しているのは生命力だった。

 もう1点は筋力値を指定する。



 ティグリス タイガーLv3→Lv4(↑1)

 器用値  9

 敏捷値 17

 知力値 10

 筋力値 20(↑1)

 生命力 20(↑1)

 精神力 10


 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断



 うむ。

 微妙に数の並びが惜しいなあ。



 そのまま牛頭と馬頭のいる場所を目指して行く。

 次は牛頭鬼と馬頭鬼になる。

 ティグリスはレベルアップしている事だし、まだ粘れそうかな?



 牛頭鬼 Lv.1

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.1

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 計画通り。

 牛頭鬼と馬頭鬼です。

 早速、呪文で強化をして戦いを挑んだのですが。


 そう甘くなかった。


 ティグリスがギリギリです。

 リグのカバーもあったのだが、それでもかなりダメージ喰らっちゃてます。

 原因は分かっている。

 今回は深追いのし過ぎです。

 リグが貼り付いている影響もあってか、より好戦的になっていたし。

 少し連携面で熟達するよう、経験を積むべきか?


 だがここでインフォが来た。

 オレが望んでいた奴か?



《只今の戦闘勝利で【土魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ジーン』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 違った。

 まあ文句は無いですけどね。


 ジーンのステータス値で既に上昇しているのは生命力だ。

 もう1点のステータスアップは筋力値を指定しておく。



 召喚モンスター ジーン ブラックバットLv1→Lv2(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 20

 知力値 14

 筋力値 13(↑1)

 生命力 13(↑1)

 精神力 14


 スキル

 噛付き 飛翔 反響定位 回避 奇襲 吸血 闇属性



 よし、とか思ってたら続きが来ましたよ?



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『リグ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 おっしゃ!

 来ましたよ?

 なんとここに来て召喚モンスターのレベルアップ3連発ですか?

 集中しすぎてもうね。


 おっと、ステータス画面に集中せねば。

 ステータス値で既に上昇しているのは器用値だった。

 もう1点は生命力を指定する。



 リグ スライムLv7→Lv8(↑1)

 器用値 15(↑1)

 敏捷値  7

 知力値  7

 筋力値  7

 生命力 10(↑1)

 精神力  7


 スキル

 溶解 形状変化 粘度変化 表面張力偏移 物理攻撃無効



《召喚モンスター『リグ』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》

《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》



 うむ、目出度い。

 目立つような活躍はないのだが、ここまで成長してくれるとは、ね。

 活躍といっても主に盾になってばかりだが、結果的に非常に助かってますし。



 おっと。

 少し腰を据えてクラスチェンジをさせたいんだが。


 支道を戻って広間に戻り、小部屋の1つに入った。

 そしてインスタント・ポータルを使って、と。

 さあ、お楽しみの時間だ。



 候補を見てみると今までと何かが違う。




 クラスチェンジ条件


 以下のスキル構成を追加して下さい。


 火属性、風属性、土属性、水属性、雷属性、氷属性、木属性 7つから1種


 火耐性、風耐性、土耐性、水耐性、雷耐性、氷耐性、木耐性 7つから1種

 ※但し、属性と耐性は同一のものは取得不可です(例:火属性と火耐性の組み合わせはNG)


 巨大化、高速化のいずれか1種 



 何、これ?




 色々と弄ってみて分かってきた事がある。

 属性を決めると種族名がそれによって決定されるようだ。

 具体的にはこんな感じである。


 火属性 レッドプリン

 風属性 ホワイトムース

 土属性 ブラックグミ

 水属性 ブルーゼラチン

 雷属性 イエロープディング

 氷属性 クリアゼリー

 木属性 グリーンウーズ



 何で種族毎にしないのか?

 それは巨大化と高速化によって、ステータス値の伸びが変わるからだ。

 なにこれ。

 面倒臭いぞ。

 

 塵魔法、溶魔法、灼魔法は無視?

 光魔法、闇魔法、時空魔法もだけどさ。



 一度、組んでみようか。

 巨大化を選んだ場合から行こう。



 リグ スライムLv8→レッドプリンLv1(New!)

 器用値 15

 敏捷値  7

 知力値  7

 筋力値 10(↑3)

 生命力 13(↑3)

 精神力  7


 スキル

 溶解 形状変化 粘度変化 表面張力偏移 物理攻撃無効

 火属性(New!)風耐性(New!)



 で、高速化を選ぶとこうだ。



 リグ スライムLv8→レッドプリンLv1(New!)

 器用値 18(↑3)

 敏捷値 10(↑3)

 知力値  7

 筋力値  7

 生命力 10

 精神力  7


 スキル

 溶解 形状変化 粘度変化 表面張力偏移 物理攻撃無効

 火属性(New!)風耐性(New!)



 名前が変わる訳ではないようだ。

 外見も変わらないようなのだが、大きさは明らかに違う。


 やっぱり。

 ステータスで生命力が増えると容積が増えていた気がしてたし。



 現状、巨大化させても貼り付かれる方に負担がかかるのは避けたい。

 高速化にしておこう。

 後は属性と耐性の組み合わせだな。



 悩ましい。

 いや、属性は雷属性、氷属性、木属性のどれかにするのは決めてあるんですがね。

 耐性は火耐性で。

 スライムだと火によるダメージがこれまで多かったようですから。


 うむ、そう悩んでいても仕方ない。

 これで行こう。



 リグ スライムLv8→イエロープディングLv1(New!)

 器用値 17(↑2)

 敏捷値  9(↑2)

 知力値  7

 筋力値  7

 生命力 10

 精神力  7


 スキル

 溶解 形状変化 粘度変化 表面張力偏移 物理攻撃無効

 雷属性(New!)火耐性(New!)



 【イエロープディング】召喚モンスター 戦闘位置:地上、壁面

 スライムの一種。主な攻撃手段は特殊能力等。

 やや半透明で黄色、雷撃を主に操る。



 おや?

 ステータスの上昇値が低くなってる?


 いや、これは氷属性と木属性も同様になってました。

 同様に火属性以外の風属性、土属性、水属性を選択した場合のステータスは火属性と同様だ。

 耐性は何を選択しても変わらないようである。


 また悩ましい事になったが、雷属性、火耐性、高速化として、そのまま行く事にしよう。



 クラスチェンジしたリグの動きは確かに速くなっている。

 いや、滑らかに動くようになっているみたいだ。

 だが分かり易い変化もある。


 黄色です。

 巨大で半透明な黄色のグミです。

 じゅる。


 ティグリスの背中に収まると今度は拡がっていく。

 半透明の臨時装甲だな。

 黄色のせいか、トラであるティグリスに貼り付いていると違和感は無い。

 なんだろう、奇妙な感じで収まりがついたような。



 ま、いいか。

 一度、戦ってみないと分からないだろうし。


 とはいえ、広間に出現し始めたフロートボムでは真価が分からない。

 ジーンが攻撃して落とす所を止めを刺すだけだからしょうがないんですが。


 しょうがないよね?



 牛頭鬼 Lv.2

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.2

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 しょうがないよね。

 こいつらと戦うのが一番分かり易いのですよ。



 で、リグなんですが。

 いや、ティグリスとリグ、と言うべきか?


 まるで別人です。

 別獣とか別グミとか、表現すべき?


 リグなのですが。

 接触した相手に電撃を与え、一時的に麻痺させる形で特殊能力を発揮するようです。

 生体アーマーどころじゃねえ。

 とんでもなく攻撃性が増してるじゃないの。

 おかげでティグリスが調子に乗ってますがな。


 牛頭鬼は明らかにティグリスとリグのペアを嫌がっているのが分かる。

 接触される度に動きが止まるからだ。

 その隙を他の召喚モンスター達が見逃す筈も無い。

 ジェリコは淡々と自らの使命を果たしている。

 今日はまだ液状化を使っていない。

 まだ余裕があるかな?


 では、行ける所まで行って見よう。




 牛頭鬼と馬頭鬼の出現地点に向かう前にゴブリンの群れに遭遇した。

 その中に懐かしい奴らがいます。

 


 ゴブリンサモナー Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ状態


 スライム Lv.4

 魔物 討伐対象 アクティブ状態



 無論、殲滅させたのは言うまでも無いのだが、失念していた事に気が付いたのは戦闘終了後であった。


 【解体】をセットしてない。


 いや、待て。

 以前、変性岩塩(魔)を拾った時は【解体】は取得してなかったよな?

 拾える。

 念ずれば、拾える!


 核のような球体部に剥ぎ取りナイフを突き立てる。

 祈れ。

 念ずれば通ず、だ。







 ダメでした。

 久しぶりの遭遇だったってのに。

 全く、抜けているにも程があるぞ。

 


 その行き場の無い悲しみと怒りを思い知るがいい。



 牛頭鬼 Lv.3

 妖怪 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.3

 妖怪 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 思い知れ。

 世の中には理不尽というものがあるって事を。




 なんだろう。

 怒りに任せて戦うのっていい事じゃないんだけどな。

 普通に勝ってしまいました。


 そして牛頭鬼と馬頭鬼は何も残さない。

 うん、それでいいんですけどね。



 次の牛頭鬼と馬頭鬼は支道にいる筈だ。

 今度は護鬼を後衛に下げよう。

 弓矢で支援させ、前衛は常にジェリコ、ティグリスとリグにやらせる。

 ジーンは変わらず牽制で行こう。



 牛頭鬼 Lv.4

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 光属性


 馬頭鬼 Lv.4

 妖怪 討伐対象 パッシブ

 戦闘位置:地上 闇属性



 運良くパッシブ状態で見つけた。

 まだティグリスで粘れるのかが鍵だ。

 呪文で強化し終えたら戦いを挑む。

 先行するのはオレだ。


 いかんな。

 血が騒いでいる。



 牛頭鬼と直接やりあうのは初めて?

 いや、牛頭相手だってそう多くは無い。

 さすがにパワーがありそうだ。

 刺又を持つ手を握る。

 小手返し気味に極めて体勢を崩そうとしたんだが。


 無理。

 パワー差がありすぎたか。


「ディフェンス・フォール!」


 だが呪文は置き土産に出来た。

 もうすぐジェリコも来る。

 その前にティグリスとリグが来てるのだが。

 こいつは任せておくとしよう。


 ジーンは馬頭鬼の牽制をしてくれていた。

 オレから見たら馬頭鬼の背中が見える。

 隙だらけじゃないか!

 おいしいそうです。


 後ろから錫杖を持つ右手を手繰る。

 そのまま脇固めに極めながら体を反転しながら投げた。

 が、錫杖は奪えない。

 そう。

 こいつには意外に粘られてしまいました。



 馬頭鬼に止めを刺したのはいいが、オレのHPバーは4割ほども削られてしまっていた。

 ここ最近、無かった事だ。

 やはり素手だけではこの辺りが限界なのか。


 牛頭鬼は?

 ジェリコが押さえ込んでいる間に護鬼が矢を打ち込み、ティグリスとジーンが襲ってました。

 さすがに状況は一方的ではあるようだ。

 よく見るとジェリコのMPバーは減っている。

 液状化、使ったか。


 時間は掛かったが、牛頭鬼はジェリコに抱え込まれた状態のまま屠られていった。



 ふむ。

 牛頭鬼と馬頭鬼は何も残さなかった。

 それはいい。

 問題はオレの戦闘能力のほうだ。

 馬頭鬼に対して素手だけで拮抗するにはそろそろ限界か?

 打撃や蹴りでもダメージを与えてはいるが、微々たるものになりつつある。

 やはり呪文を大いに併用しないとダメか。

 呵責のトンフャーや杖、それに隠し爪にバグナグも併用すべきだな。


 どう考えても召喚モンスター達の方に余裕がありました。

 ま、当然か。




 時刻は午前11時を過ぎた。

 どこかで昼飯を摂らないと、な。




 メインの洞窟から中継ポータルへの経路にいる筈の牛頭と馬頭は既に倒してある。

 無論、目指すはその先の中継ポータルだ。


 だがその前に、だ。

 金剛力士像に戦いを挑むパーティがいる。

 どうやら2組のパーティがユニオンを組んでいるようだが。


 そして戦いを見物するパーティもいた。

 その中にアデルとイリーナもいたのだ。


「おや?」


「あっれー?」


「あ、キースさん、こんにちわ」


 そう言えば今日の朝、風霊の村のミーティング時にはいなかったよな?

 観戦そっちのけで雑談に興じてたら理由が分かった。

 ここの中継ポータルで泊り込んだそうだ。

 ついでに中継ポータルで粘っているプレイヤーに料理も販売してたらしいが。


 しっかりしてるな。


 それにここの金剛力士像は彼女達にとって相性がいい。

 阿形は火属性、吽形は土属性。

 アデルは火魔法をメインで取得しているし、イリーナは土魔法だ。

 レジスト系呪文を互いに掛けて補完できる。


「もうすぐ次のレベルアップが出来そうなんです!」


「この金剛力士像はいい相手です。しんどいですけど」


「まあそうだろうな」


「それより連れてる子達が!凄い!」


 順番待ちの間、根掘り葉掘り聞き込みを受けました。

 まあたまにはいいさ。

 久しぶりのせいか、オレにじゃれてくるトグロの肌の触感を楽しみながら受け応えに終始してました。



「あれ?終わった?」


「次、私達ね」


「サクッと狩っちゃうぞー」


「塩、取れるといいけど」


 結局、2つのパーティがユニオンを組んでいたプレイヤー達は金剛力士にどうにか勝利していた。

 全員、無傷では済まなかったようだ。

 互いに呪文で回復させている。

 ついでに観戦に回るようだな。


 良く見ると他のパーティも不自然なほどMPバーが減っているプレイヤーが多い。

 戦いを挑むのが目的ではなく、観戦目的なプレイヤーも多いみたいだ。


 アデルとイリーナはオレにピョコンと一礼をすると像に近寄っていく。

 互いに呪文を掛け合って戦いの準備を進めていった。

 そして像に触れる。


 戦いが、始まる。

 これ、観戦するとしよう。



 金剛力士・阿形 Lv.1

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性


 金剛力士・吽形 Lv.1

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 土属性



 金剛力士の強さはレベル1で最も低い。

 だが油断はできない。

 そういう相手なのだ。


 一方でアデルとイリーナは?

 彼女達は互いにレベル9のサモナーになっている。

 つい先刻、レベルアップしたそうだ。

 そしてその陣容はどうか。


 アデル Lv.9

 サモナー 警戒中


 タイガー/みーちゃん Lv.7

 召喚モンスター 警戒中

 戦闘位置:地上


 ウルフ/うーちゃん Lv.6

 召喚モンスター 警戒中

 戦闘位置:地上 


 赤狐/きーちゃん Lv.5

 召喚モンスター 警戒中

 戦闘位置:地上 



 前衛2、後衛2のバランスが取れているな。

 だがレベルだけで言えばプレイヤーに見劣りするのは明白だ。

 そこをどうフォローできるかはアデルの役目になるだろう。



 イリーナ Lv.9

 サモナー 警戒中


 バイパー/トグロ Lv.7

 召喚モンスター 警戒中

 戦闘位置:地上


 タイガー/三毛 Lv.6

 召喚モンスター 待機中

 戦闘位置:地上


 ウッドゴーレム/ゴリアテ Lv.5

 召喚モンスター 待機中

 戦闘位置:地上



 前衛2、遊撃1、後衛1って所だろう。

 これもイリーナ次第だな。



 そしてアデルは吽形と、イリーナは阿形と正対した。

 金剛力士の独鈷杵から刃が伸びていく。

 戦いが、始まった。




 既に彼女達は1回戦って勝っているそうだ。

 それだけに動きに淀みが無い。

 召喚モンスター達は各々の役目を守りつつ、順調に戦いを進めていく。

 アデルもイリーナも支援がメインだ。

 弓矢がほぼ通じないのは承知しているみたいだな、

 だから攻撃は呪文が主体になる。


「ファイア・シュート!」


「ストーン・バレット!」


 そのダメージも次々と積み重なる。

 それ以上に回復させるタイミングがいい。

 常に召喚モンスターのHPバーが半分にならないよう、状況を確認しつつ戦っているのが分かる。


 阿形と吽形も連携して集中攻撃をしようとするのだが、イリーナが壁呪文のストーン・ウォールで阻止する

 相手も良く見えているようだ。


 戦い方はオレとはかなり違う。

 これこそ本来のサモナーの戦い方なんだろうな。


 それでも戦闘は結構長く続いた。

 金剛力士はそれほどに、強い。

 だがアデルとイリーナが優勢なのも変わらない。

 油断しなければそのまま押し切って、勝てる。


 そしてその通りになりました。



「おし!狩ったどー」


「でももう余裕ないわね」


「勝ちは勝ちだし!それに収穫もあったんだし」


 そう。

 彼女達は変性岩塩(聖)を得ていたのでした。

 料理をする身であれば欲しいよね。


 残念ながら召喚モンスター達にレベルアップはなかったみたいだ。

 だがこういった戦いを積み重ねていけばそう遠くない先でみーちゃんとトグロのクラスチェンジがあるだろう。

 それは間違いない。



「キースさんは挑戦します?」


「私が?」


 周囲を見回す。

 動こうとするパーティは、いない。

 皆、ギャラリーなのか。


「この先にある中継ポータルで昼飯にしたかったんだが」


「まだ少し、お昼までには余裕ありますよ?」


 イリーナは興味津々だな。

 ううむ。

 この雰囲気はどうなんだろうか?

 ま、いいか。

 ここには経験値稼ぎに来ているのだし、戦うのに否はない。



「じゃあやってみるか」


「おお!」


「じゃあアデルちゃん、モフモフするのは自分のにしてね」


 イリーナに促されてアデルは名残惜しそうにティグリスを撫でるのを中止した。

 おい、いつの間に。

 お前には既にみーちゃんがいるのだし、イリーナの三毛だってここにいるのだが。

 いや本当に油断ならないな。



 前準備として呪文で強化をし終えたらオレのMPバーは6割ほどになっていた。

 十分に余裕があるな。

 忘れてはならない。

 控えに回していた【解体】スキルを戻しておかないとな。

 塩は既にあるけど、もっと多くていい。


 そして金剛力士像に触る。

 挑むかどうかのインフォもすぐにYesを選択して、戦いが始まるのを待つ。

 像が、動き出す。



 金剛力士・阿形 Lv.4

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性


 金剛力士・吽形 Lv.4

 天将 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 土属性



 うん?

 微妙に強くなってる?


 まあそれもいいだろう。

 こっちだって結構強くなっているのだ。

 圧倒的に劣勢にならなければいいのだから。





 オレ達は強くなっている。

 それは間違いない。


 だがこいつ等も強くなっている。

 それも間違いない。


 苦戦しちゃってるじゃないの。


 なんと言ってもオレが相手をしている阿形だ。

 熱い。

 戦っているだけでイヤになる程、熱い。

 そう、阿形は独鈷杵をまだ手放していないのである。

 攻撃は何度も仕掛けているし、かなりダメージは通っているのだが。


 レジスト・ファイア?

 事前に掛けてありますけどね。

 それでも熱いのだからしょうがない。


 右手に呵責のトンファー、左拳に雪豹のバグナグを握りこんでの殴り合いをしながら状況を確認する。

 吽形に対しては召喚モンスター達が優勢に戦いを進めているようだ。

 なんと言ってもジェリコがいい。

 液状化を利用して上手く攻撃を無効化しながら捕まえもしている。

 動けなくなっている所をジーン、ティグリス、護鬼が攻撃を加えていく。

 護鬼は剣と鉈で二刀流スタイルだ。


「ゲハハッ!」


 何かを叫びながら一方的に攻撃を加える様子はマジで鬼畜の所業だな。

 まあいいんですけど。



 おっと。

 阿形がオレに向けて突きを放ってくる。

 しかも顔にだ。

 ヘッドスリップして避けると、独鈷杵を持つ右手にオレの右腕を絡ませる。

 首も使って阿形の腕を、固定。

 阿形の肘目掛けて左拳を思いっきり撃ち込んだ。

 無論、その拳には雪豹のバグナグが握りこまれている。


 折った。

 折れた、な。

 独鈷杵が地面に転がっていく様子が見えていた。


 そのままオレは足を跳ね上げる。

 両足を阿形の首に絡めとり、絞めた。

 阿形の左手がロックを外そうと防ぎに来ていたが、オレの方が僅かに速かったようだ。

 極めきった。

 だが阿形は倒れこまない。

 オレの足を首から外そうと懸命のようだ。


 そのまま戦況は変わらない。

 阿形はなんとか片手でオレの足を外そうと試みている。

 凄い力だ。

 だが、それでも片手だ。

 両手でやられたら外れていたのであろうが、もう片方の右手は潰してある。

 ディフェンス・フォールも戦闘の最初の方で掛かっている筈なのだが、それでも堪え続けていた。

 優勢は、覆らないだろう。

 だがこのまま時間が経過するのを待つのも芸が無い。


 グラビティ・バレットを次々と、至近距離から撃ち込んでいく。

 倒れてくれたら次の展開がし易い。

 だが、倒れない。

 どうにか、阿形のHPバーを削りきったはいいが、その直前まで阿形は立ったままだった。

 なにこいつ。

 立ったまま事切れるとか、弁慶?

 いや、天晴れと言うべきか。


 オレが阿形を仕留め切ったのと同時に吽形も仕留められていた。

 ふむ。

 ダメージはジェリコがそこそこ喰らってはいるが、上々の出来だな。



《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【水魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐暑】がレベルアップしました!》



 まあ苦戦しただけの事はあったのだろう。

 そう思いたい。


 そして金剛力士は再び像に戻る。

 で、塩は?


 塩は、なかった。

 別の物が残されてます。



【回復アイテム】力水 品質C+ レア度5 重量2

 筋力値上昇[小] 効果時間は約10分程度

 木の水桶に入った水。力士が勝負前に使用する物。

 使用量は口に含む程度でよいが、小分けにしてはならない。




 おい。

 待て待て待て待て!

 相撲ネタ、続くのかよ!

主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv15

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv1

ボーナスポイント残 24


セットスキル

杖Lv12 打撃Lv9 蹴りLv9 関節技Lv9 投げ技Lv9

回避Lv9 受けLv9 召喚魔法Lv15 時空魔法Lv8(↑1)

光魔法Lv8 風魔法Lv9 土魔法Lv9 水魔法Lv9(↑1)

火魔法Lv9(↑1)闇魔法Lv8 氷魔法Lv7 雷魔法Lv7

木魔法Lv7 塵魔法Lv7(↑1)溶魔法Lv7 灼魔法Lv7(↑1)

錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv6

連携Lv11 鑑定Lv11 識別Lv11 看破Lv3 耐寒Lv5

掴みLv9 馬術Lv9 精密操作Lv11 跳躍Lv5

耐暑Lv6(↑1)登攀Lv5 二刀流Lv9 解体Lv7

身体強化Lv7 精神強化Lv8 高速詠唱Lv9

魔法効果拡大Lv6 魔法範囲拡大Lv6


装備 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2

   呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+

   雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1

   草原獅子のバグナグ×1 闘牛の革鎧+ほか

   呵責の腕輪×2 呵責の足輪×2

   暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2


所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式


称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を知る者

   呪文辞書 格闘師範


召喚モンスター

ヴォルフ グレイウルフLv3

残月 ホワイトホースLv2

ヘリックス ファイティングファルコンLv2

黒曜 ミスティックアイLv2

ジーン ブラックバットLv1→Lv2(↑1)

 器用値 16

 敏捷値 20

 知力値 14

 筋力値 13(↑1)

 生命力 13(↑1)

 精神力 14

 スキル

 噛付き 飛翔 反響定位 回避 奇襲 吸血 闇属性

ジェリコ マッドゴーレムLv1

護鬼 羅刹Lv1

戦鬼 レッサーオーガLv1

リグ スライムLv8→イエロープディングLv1(New!)

 器用値 17(↑2)

 敏捷値  9(↑2)

 知力値  7

 筋力値  7

 生命力 10

 精神力  7

 スキル

 溶解 形状変化 粘度変化 表面張力偏移 物理攻撃無効

 雷属性(New!)火耐性(New!)

文楽 ウッドパペットLv5

無明 スケルトンLv6

ナインテイル 赤狐Lv5

ヘザー フェアリーLv5

ティグリス タイガーLv3→Lv4(↑1)

 器用値  9

 敏捷値 17

 知力値 10

 筋力値 20(↑1)

 生命力 20(↑1)

 精神力 10

 スキル

 噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断

クリープ バイパーLv3

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