127
3つ目のアリの巣を目指してみる。
今度はかなりアントマンの数が多かった。
メイン洞窟でアントマン・ポーンを繰り出さなかった群れかね?
やたらとアントマン・ポーンが多い。
数を頼みにしたのか、行動パターンが変わっていた。
こっちに突撃を敢行してくるのだ。
それ、悪手だと思います。
壁呪文を2つ並べて一網打尽です。
数が減ったら減ったで行動パターンが元に戻るのだから困ったものだ。
まあ楽でいいかな?と思ったのですが。
アントマン・キング。
今度は混乱状態になっていません。
戦ってみたけど、普通に強いんですよ。
攻撃と防御のバランスもいい。
体はルーク並みだが、速さはかなり上回っているし。
難易度で言えば金剛力士像にまるで及ばないのだが。
既にHPバーは半分まで減ってもいたし、戦闘は1分も続かなかった。
次に行こう。
次だ。
結局、最後まで残ったのはアントマン・クィーンでした。
オレ、無明、ティグリスで脚をもぎながら攻撃を続けました。
いかんな。
こいつ等でも戦闘が楽になりつつあるぞ?
戦闘は少し苦戦する程度がいいんですが。
《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
アントマンとの戦闘で得る経験値はちゃんとあるらしい。
いや、むしろ成長が速いんじゃね?
毎度思うが、魔物の経験値ってどうなっているんだか。
ステータス値で既に上昇しているのは筋力値だった。
もう1点は生命力を指定する。
ティグリス タイガーLv2→Lv3(↑1)
器用値 9
敏捷値 17
知力値 10
筋力値 19(↑1)
生命力 19(↑1)
精神力 10
スキル
噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断
うむ。
前衛、だよなあ。
アントマンの死体から蜜蝋と蜜を剥いでいき、巣の中の女王蜜も確保する。
時刻は午前11時にまだなっていない。
そうだな。
次の群れを全滅させたら昼飯にしようかね。
で、その群れなんですが。
様子が、違います。
アントマン・クラウン Lv.1
魔物 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 火耐性
表皮も赤いし。
数もそこそこ多かった。
赤備えとかカッコイイな!
武田の赤備えと言えば飯富虎昌に山県昌景だろう。
徳川の赤備えの井伊直政。
そして真田信繁。
猛将の代名詞なんですよね、赤備え。
むしろ赤備えの名声を高めたのが武田の赤備えだった訳ですが。
おっと。
それ所じゃねえ。
「サンダー・シャワー!」
アントマンの脚は半分も止まらなかった。
でもそれで十分。
穴の狭さがこの場合は有利に働いていた。
痺れて動けないアントマンが邪魔になってくれているからだ。
杖を振るうのを諦めてトンファーで対抗する。
こいつらの強さは?
明らかに攻撃性が増している。
脚に付いているカギ爪の形状もエグい。
顎も大きく、噛まれたら大変そうではあるな。
だが倒し方は変わりがない。
噛み付いてくる行動が多いようなので、それを利用する。
交差法で頭を潰す。
頭を脇の下に抱えて捻り切る。
トンファーで挟んで挫く。
言葉で言うほどには簡単ではないが、呪文で数を減らしていたのが良かった。
ほぼ問題なく全滅させる。
無明はダメージを喰らってはいるが、回復は急速に進みつつある。
で、何が剥げた?
変わらないのである。
蟻人の蜜蝋と蜜だ。
外見が違いはするものの、同じアントマンではあるらしい。
突然変異種とか?
いや。
どうも、変異しているのは群れ全体のようだ。
アントマン・マッドクィーン Lv.3
魔物 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上 火耐性
キングはいない。
ナイト、ルーク、ビショップもいない。
ポーンすらいない。
引き連れているのはアントマン・クラウンだけだ。
だがそれだけに一層不気味ではある。
卵もあるし。
「サンダー・シャワー!」
同時にナインテイルとヘザーからも広域に攻撃が行われる。
雨のように降り注ぐ雷
そこに風の刃。
加えて光の衝撃。
それでもアントマン達は統率を失わない。
確かに個体でも強くなっている。
だが真に恐るべきなのはその統率の取れた行動にあったあろう。
複数のアントマンがオレに襲い掛かってきていた。
元々、武術の考え方の根幹は、戦争を前提とした戦いを想定している。
空手でもそうだ。
多数を相手に生き残るにはどうするか?
抜刀術ですらそうだ。
最初の一撃だけで終わる筈もない。
抜いてからの初撃だけの武術などあり得ないのだ。
で、トンファーの場合、多数に対抗する為に何が必要になるのか?
相手をいかに捌くのか。
基本は徒手空拳と同じなのである。
一番端にいたアントマンを狙う。
頭をトンファーで抑え込んで横合いに投げ飛ばした。
そこにいるのは別のアントマンである。
巣の中はそこそこ広く、あちこちで痺れて動けないアントマンもいた。
カオスだ。
だからこそ有利に働く事もあるのだった。
ティグリスと無明も既に動いていた。
各々が殺戮者と化している。
「グラベル・ブラスト!」
改めて全体攻撃呪文でアントマンの分断を図る。
マッドクィーンを中心とした布陣は変わらない。
つまり、まともにダメージも喰らっている訳だが。
一斉に襲ってきやがった。
第二波か。
だが第一波とは違い、マッドクィーン自身も加わっての突撃である。
攻撃性が高いのね。
「ウォーター・シールド!」
水の壁呪文で殺到するアントマンの群れへの抑えにする。
壁を越えてくる奴を各個に叩き潰しながらマッドクィーンの様子を窺う。
越えて、きやがった。
「グラビティ・バレット!」
至近距離からマッドクィーンに直撃。
後方に吹き飛んでくれたのは助かった。
周囲にいるクラウンを次々と片付けながら、マッドクィーンも呪文で牽制していく。
オレもいつの間にかダメージを喰らっていたようだ。
乱戦だったからな。
でも思っていたほどではない。
新しい防具のおかげだろう。
ついに動く魔物はマッドクィーンだけになった。
無明も、ティグリスも、麻痺して動けなくなったクラウンに止めを刺し終えてきている。
マッドクィーンは壁を背にしてこっちを迎撃する構えだ。
でもね。
呪文もあるのですよ。
ディレイ、オフェンス・フォール、ディフェンス・フォールを重ね掛けにして、接近戦を挑んだ。
マッドクィーンは得物を持っていない。
脚のカギ爪だけだ。
噛みつき攻撃は腹の大きさが邪魔で上手く使えないようである。
脚の根元、即ち胸を集中して攻撃を加えていく。
マッドクィーンの脚を4本、もいだ所で決着は着いた。
確かに、強かったと思います。
それでもまだ金剛力士の域には至らないな。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ナインテイル』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ナインテイルのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。
もう1点は器用値を指定した。
ナインテイル 赤狐Lv4→Lv5(↑1)
器用値 10(↑1)
敏捷値 20
知力値 20
筋力値 9
生命力 9
精神力 20(↑1)
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微] 光属性
そのナインテイル、今回はかなり奮戦したと思う。
MPバーはもう残り3割である。
潮時かな?
魔物からアイテムを剥ぎ終え、女王蜜も確保すると、昼飯にする事にした。
インスタント・ポータルを展開する。
レベルアップしたばかりのナインテイルは帰還させて、文楽を召喚する。
例の料理を作らせよう。
オレのMPバーも5割近くにまで減っていた。
MP回復効果があるのなら今こそ頼るべきだよな?
サーロインは既に残り少ない。
それに野菜類と調味料。
普通の塩は渡さずに、変性岩塩(聖)を渡す。
さあ。
どうなる?
地面に伏せたティグリスを枕代わりにして休憩する。
尻尾。
オレの顔を尻尾が撫でて行く。
その尻尾をヘザーが追いかける。
全く、休憩になってない。
見てて楽しいんですがね。
無明はおとなしくHPの自動回復を図っている。
ヘザーもおとなしくMP回復をして欲しいんですがね。
料理はすぐに出来た。
まあ串焼きとパンでしたからね。
【食料アイテム】闘牛のサーロイン串焼き+ 満腹度+25% 品質B- レア度5 重量0+
MP回復[微]の効果約15分間
闘牛のサーロインと玉葱を塩胡椒だけで焼いたシンプルな料理。
やっぱりか。
MPの回復効果が付いている。
だが待って欲しい。
塩、と言えば変性岩塩(魔)もあるのだ。
《アイテム・ボックス》の中で肥やしになってますけど。
アレにも何かありそうだな。
物欲しげなティグリスを蜜で牽制しながら料理を片付ける。
短時間でその効果を確認するのは難しい。
効果はあるものと信じておくか。
インスタント・ポータルをそのまま出る。
文楽も引き連れてメインの洞窟へと戻った。
いくつかのパーティが行き来する様子も見えるのが気になった。
例のトレインも迷惑行為になる可能性が高い。
それに巣穴を進むのも、かち合いそうだしな。
ここを出るか。
N1W2マップにでも行って見よう。
さて。
布陣は変えねばなるまい。
無明と文楽は帰還させる。
戦鬼と黒曜を召喚した。
オレのMPバーですが、あの料理の効果でMP回復が速くなっていたようだ。
MPバーは召喚を終えても5割を超えている。
今後、お世話になりそうだな。
つか金剛力士に挑戦すべきじゃね?
まあそれはいい。
今日はティグリスの強化優先です。
もうレベルアップしてるけどね。
蝶を警戒しながら進む。
というか戦ってみたい相手を狙い撃ちにしてみた。
樹上のスタブクロウラーだ。
スタブクロウラー Lv.5
魔物 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:樹上、地上
そう。
戦闘位置が樹上というのもあるのか。
まあ後方から呵責の杖で殴り、地面に叩き落せば問題ないようだ。
ティグリスに噛まれたらあっという間に屠られてしまう。
そしてその死体からはこんなのが剥げた。
【素材アイテム】気絶虫の糸 原料 品質C レア度2 重量1
スタブクロウラーが繭を作るのに用いる糸。
服地素材として利用されている。
なるほど。
これは服飾関係で使えそうな素材だが。
樹上に登るの、面倒じゃないかな?
ここで注意すべきなのは当然、スタブバタフライだ。
だが今日はなかなか遭遇しない。
1匹、見つけたのだがパッシブでした。
黒曜が急襲して片付ける。
実際、逆の立場になったら、こんな楽な相手もないな。
だがガチで戦うべき相手も当然いる。
ブラウンベアだ。
そしてこいつがティグリスにとっても都合のいい相手のようである。
そこそこ、苦戦する相手であった。
それだけに戦いを挑む価値がある。
そうだな。
エリアポータルの鎮守の樹に夕刻に到着するよう、やや移動速度を上げてみた。
どうせ、途中で魔物には遭遇するだろう。
ヘザーが何かに捕まった。
クモの巣のようです。
無意味に飛び回っているからそうなる。
今後も気をつけて、と思うのですが。
クモの巣、デカ!
偽装もしてあったようで気が付かなかった。
枯葉に隠されたクモの巣の規模はオレでも捕らえられそうな大きさがある。
しかも地面近くに設置してあるし。
このパターン、ヤバい?
ヤバいよね?
クモの巣に使われている糸がヘザーに絡まっていく。
いかん。
これはマズイか?
で、やはり出てくるんだな。
ジャイアントスパイダー Lv.2
魔物 討伐対象 パッシブ
戦闘位置:地上、樹上
デカッ!
そしてヘザーに向けて突進である。
やらせるかっての。
呵責の杖で叩き付けながら牽制をする。
ヘザーも必死だ。
風の刃を繰り出すのだが、クモはダメージを喰らいながらもヘザーに迫ろうとする。
オレすらも無視かよ。
戦鬼がクモを殴りつけたが、クモの巣がクッションのようにたわむだけだ。
呵責の杖も同様だ。
つまり、呪文を使えと?
使いました。
焼いてみましょう。
「ファイア・シュート!」
これは、効いた。
効きすぎたかもしれない。
クモの糸は一瞬に収縮して焼け落ちていく。
クモが地上に降り立つ。
こうなるとクモに勝ち目はないように思われた。
クモは。
逃げた。
逃げやがったのだ。
草叢の中に一瞬にして逃げ込んでしまった。
なんと。
呪文を撃ち込んだのも無駄?
いや、ヘザーをクモの巣から助け出してはいるけどさ。
納得いかんな。
このモヤモヤした感覚はいかんな。
クソッ、逃がしたか。
次は逃がさんぞ。
そこからの移動は順調だったように思う。
ブラウンベアを狩り、スタブバタフライを狩る。
特にブラウンベア、呪文の底上げなしで戦ってみた。
十分、戦えそうである。
まあ呵責の杖に呵責のトンファーがそれだけ強力な訳だが。
改めてスゴいよな。
でもこいつ相手は底上げがないと困る。
フォレストトータス Lv.2
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上、水中 土属性 水属性
水中もあるんかい。
そして属性2つ持ちか。
手強い訳だ。
「練気法!」
そして呪文もすぐに選択して実行する。
戦鬼もオレに続いた。
水の膜が足元から噴出してくる。
岩塊が宙に浮き始めていた。
その攻撃は、見た。
オレの狙いは攻撃前にカメに貼り付くように接近する事だ。
その目的は果たされる。
まあ多少はオレもダメージを喰らったけどな。
戦鬼がカメの首元を脇に抱えて絞め上げた。
無論、甲羅の中に首を引っ込めるのを防ぐ狙いになる。
そう。
引っ込めるのを阻止、したら良かったのだが、意外な結果になりました。
カメ、そのまま死亡。
納得できん。
練気法まで使って接近戦を挑む予定だったのに。
解せぬ。
その上、カメの甲羅すらも得られず。
ええい!
甲羅が剥げるまで、戦ってやる!
コール・モンスターを使ってフォレストトータスを呼んで連戦、しちゃいました。
まあ鬱憤晴らしにはなったかな?
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘザー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
カメを3匹ほど片付けたら、さすがにレベルアップのインフォがありました。
ヘザーはカメに攻撃を大して当てていないけどな。
解せぬ。
ステータス値で既に上昇しているのは知力値だ。
もう1点は筋力値にする。
そして今回はスキルに変化がある。
ヘザー フェアリーLv4→Lv5(↑1)
器用値 6
敏捷値 20
知力値 21(↑1)
筋力値 3(↑1)
生命力 3
精神力 23
スキル
飛翔 浮揚 魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性 [ ](New!)
そう、スキル選択があったのだ。
選択できるのは基本となる魔法技能になるが。
光、闇、火、土、水の5択か。
土、にしようかね。
まだ土属性持ちはいないし。
入力するとこうなる。
ヘザー フェアリーLv4→Lv5(↑1)
器用値 6
敏捷値 20
知力値 21(↑1)
筋力値 3(↑1)
生命力 3
精神力 23
スキル
飛翔 浮揚 魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性 土属性(New!)
うむ。
強くなってきているのはいい事だ。
ブラウンベアも狩りながら鎮守の樹を目指す。
途中、ユキヒョウと遭遇した時は見物であった。
オレは敢えて手を出さなかった。
ティグリスではスピードでユキヒョウ相手に対応しきれない。
ヘザーの支援でどうにか互角のスピードを得ると、今度はティグリスのターン。
パワーで抑え込むと後は一方的になった。
パーティ編成をする際には気をつけたいものだ。
攻略する先に出現するモンスターが分かっていたら、編成も楽で済む。
そうでなければバランスを取って対応することも考えなくてはならない。
難しいな、これ。
組み合わせが多くなるが故に悩みも深い。
尖った特性を持つ召喚モンスターがいるからまだ助かっているけどね。
プレイヤーの場合はどうなんだろう。
それはそれで悩みが深いのだろうか?
時刻は午後6時。
鎮守の樹に到着した。
やや予定よりも遅かったが、なんとかなりました。
そう、夜に向けて編成を変えないといけないしね。
黒曜を帰還させて文楽を召喚する。
もう手元にはサーロインはない。
闘牛の腿肉で代用させよう。
正確には外腿肉だな。
改めて【鑑定】してみる。
【素材アイテム】闘牛の外腿肉 原料 品質C+ レア度2 重量3
闘牛の外腿肉。肥育した肉ではないので脂身は少ない。
その分、肌理が細かく肉本来の旨味があって美味である。
そして文楽に渡す。
塩は変性岩塩(魔)である。
さあ、どんな代物が出来上がるのか?
【食料アイテム】闘牛の腿肉串焼き+ 満腹度+30% 品質B- レア度4 重量0+
HP回復[微]の効果約5分間
闘牛の外腿肉と玉葱を塩胡椒だけで焼いたシンプルな料理。
ふむ。
こっちはHP回復の効果が付いた。
それに何かしらの法則があるように見える。
品質が高いこと。
料理のレア度が2つ、素材のレア度から跳ね上がること。
変性岩塩(魔)も変性岩塩(聖)と同様なのだろう。
ところで変性岩塩(魔)ってどのモンスターが持ってた奴だったかな?
えっと。
おお、思い出した。
スライムだな。
そういえばスライムにはあれ以来、遭遇していない。
ゴブリンサモナーにも遭遇してないな。
あれ?もしかしてレアだったのだろうか?
夜の編成に変更する。
ティグリスと戦鬼はそのままだ。
護鬼、それにジーンを召喚した。
夜は夜で恐ろしい相手はいる。
ブラウンベアは2匹から3匹の小さな群れとなって遭遇する。
妖怪の火車は手強い。
バイトラットは大きな群れとなって襲い掛かってくる。
それにジャイアントスパイダー。
昼は逃げられたが、今度は呪文を叩き込んで仕留めている。
【素材アイテム】巨大蜘蛛の糸 原料 品質C+ レア度2 重量2
ジャイアントスパイダーの糸。細いが非常に強靭。
クモの巣上では移動する足場となっている。
【素材アイテム】巨大蜘蛛の粘着糸 原料 品質C+ レア度3 重量2
ジャイアントスパイダーの粘着糸。細いが非常に強靭。
クモの巣では獲物を絡め取るために使用される。
糸の方はまあ分かる。
粘着糸はどう使おうか?
すぐに思いつくのはハエ取り紙だが。
ダメだ。
貧弱な思考能力が更に貧弱に思えてくる。
夜の狩りは続く。
ティグリスはレベルアップしたばかりだが、他のお楽しみはある。
レベル7になっている戦鬼と護鬼だ。
恐らく、先にレベルアップするのは戦鬼だろう。
恐らく、ここで最も苦戦するのは火車だろう。
ティグリスと同様の猫科の猛獣だが、サイズがまるで違う。
ああ火車は妖怪ですけどね。
オレも練気法の底上げなしでは相手をしたくない。
だからこそ、期待もある。
まだか。
インフォはまだか?
戦鬼のレベルアップが見たい。
そしてインフォが、来た。
《只今の戦闘勝利で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》
思っていたのと違う。
いや、ちゃんと嬉しいんですけどね。
そして本日のメインとも言える相手に出会った。
火車だ。
でも唯の火車ではない。
火車炎 Lv.1
妖怪 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 火属性
まあ名前を見たら分かるんですが、火属性持ちである。
大きさは変わらない。
姿も似ているが、毛並みが違うようだ。
「練気法!」
そしてオレ自身も前衛に出る。
次の呪文は?
決まっていた。
何しろ目の前にいる妖怪からは既に熱気が感じられる。
選択肢は至極当然のものになる。
「レジスト・ファイア!」
オレ自身に呪文を掛けるのと同時に妖怪が目の前に。
速い、な。
繰り出される前脚を寸前で捌ききった、と思ったのだが、熱気だけでダメージが通っているようだ。
洒落にならん。
交錯するついでにトンファーで耳の後ろを叩いてやったが、体勢を崩さずオレに正対してきやがる。
マズいか?
金剛力士並の相手?
そう思って対応はすべきだ。
まあ次の呪文は決まっている。
「レジスト・ファイア!」
戦鬼が妖怪に迫る。
とは言っても戦鬼ですらこいつを抑えるのには体格が足りないだろう。
熱気で炙られるような焦燥感がある。
呪文による強化が果たして間に合うのか?
ジーンから黒い帯が撃ち込まれる。
闇属性の特殊攻撃だ。
いい感じで牽制になってくれている。
「エンチャンテッド・ウェポン!」
戦鬼を強化。
ようやくまともに戦鬼の攻撃が妖怪に通るようになった。
同時にオレは回復丸を口にする。
こうなったら打てる手は全て総動員だ。
全員にレジスト・ファイアとエンチャンテッド・ウェポンで強化。
戦鬼にはフィジカルエンチャント・ファイアとフィジカルエンチャント・アースも掛けてある。
護鬼は一定の距離を置いて牽制を続けていた。
戦いは長く続いている。
間違いなく、金剛力士に匹敵する強さだ。
攻撃力で金剛力士が確実に上だろう。
だがタフネスで言えば間違いなくこっちが上だ。
しつこい。
本当に、しつこいのである。
だってHPバーがジリジリと回復していやがるのだ。
それだけ長く戦闘を続けていると、こっちのダメージも半端ない。
ティグリスなどは一噛みされただけでHPバーの半分を持っていかれたのだ。
慌てて回復呪文をかけましたとも。
呪文で強化も忘れてはいけないようだ。
もう、この戦闘で今日は終わりにしよう。
そう決意してからは出し惜しみを止めました。
隙を作るのにグラビティ・バレットを叩き込みながら、前脚の関節をトンファーで打ち据え続けた。
戦鬼はなんとか妖怪の頭を抑えようと奮戦している。
寸前までは上手くいきそうになっていた。
妖怪のHPバーはまだ残り半分もある。
オレに襲い掛かろうとした所でウォーター・シールドが間に合った。
突っ込んでくる妖怪に大きめのダメージが入る。
それでもオレを襲い掛かるのを諦めようとはしない。
だが隙は大きい。
眼にトンファーを直撃させた。
戦鬼がその頭を脇に抱えて振り回し始める。
そして水の壁に放り投げた。
どうだ?
HPバーの残りはまだ2割もある。
いや、もう2割しかない!
妖怪の両目がいつのまにか潰れていた。
片方はオレの仕業だが。
もう片方には矢が突き刺さっている。
護鬼だな?
いい戦果である。
それでも火車炎は暴れ続けた。
まるで目が見えているような行動もとるのだが、その動きは鈍くなっている。
どうにか、仕留めきった。
引き換えにしたのは多量のMPって事になるだろう。
遭遇戦闘は難しいな。
終わってみれば金剛力士の方が強い、と分かる。
だが事前に準備があれば金剛力士の方が戦い易いのだ。
まあ当たり前だけどね。
勝って満足できた。
その一方で不満もある。
それほどの難敵を倒したのはいいが、何もレベルアップしなかった。
そしてこの妖怪はアイテムも残さないのである。
泣いていいかな?
もうオレのMPバーも2割を切ってしまっていた。
頃合だろう。
風霊の村に戻ってログアウトしておこう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv14
職業 サモナー(召喚術師)Lv14
ボーナスポイント残 17
セットスキル
杖Lv12 打撃Lv9 蹴りLv9 関節技Lv9 投げ技Lv9
回避Lv9 受けLv9 召喚魔法Lv14 時空魔法Lv7
光魔法Lv8 風魔法Lv8 土魔法Lv8 水魔法Lv8
火魔法Lv8 闇魔法Lv8 氷魔法Lv6 雷魔法Lv6
木魔法Lv6 塵魔法Lv6 溶魔法Lv6 灼魔法Lv6
錬金術Lv6 薬師Lv5 ガラス工Lv3 木工Lv5
連携Lv11(↑1)鑑定Lv10 識別Lv10 看破Lv3 耐寒Lv5
掴みLv8 馬術Lv8 精密操作Lv10 跳躍Lv5
耐暑Lv5 登攀Lv5 二刀流Lv8 解体Lv6
身体強化Lv6 精神強化Lv7 高速詠唱Lv9
魔法効果拡大Lv6(↑1)魔法範囲拡大Lv6(↑1)
装備 呵責の杖×1 呵責のトンファー×2
呵責の捕物棒×1 怒りのツルハシ+×2 白銀の首飾り+
雪豹の隠し爪×1 疾風虎の隠し爪×2 雪豹のバグナグ×1
闘牛の革鎧+ほか
暴れ馬のベルト+ 背負袋 アイテムボックス×2
所持アイテム 剥ぎ取りナイフ 木工道具一式
称号 老召喚術師の弟子、森守の紋章 中庸を知る者
呪文辞書 格闘師範
召喚モンスター
ヴォルフ グレイウルフLv3
残月 ホワイトホースLv1
ヘリックス ファイティングファルコンLv1
黒曜 ミスティックアイLv2
ジーン ブラックバットLv1
ジェリコ ウッドゴーレムLv7
護鬼 鬼Lv7
戦鬼 ビーストエイプLv7
リグ スライムLv6
文楽 ウッドパペットLv5
無明 スケルトンLv5
ナインテイル 赤狐Lv4→Lv5(↑1)
器用値 10(↑1)
敏捷値 20
知力値 20
筋力値 9
生命力 9
精神力 20(↑1)
スキル
噛付き 回避 疾駆 危険予知 MP回復増加[微] 光属性
ヘザー フェアリーLv4→Lv5(↑1)
器用値 6
敏捷値 20
知力値 21(↑1)
筋力値 3(↑1)
生命力 3
精神力 23
スキル
飛翔 浮揚 魔法抵抗[中] MP回復増加[小] 風属性
土属性(New!)
ティグリス タイガーLv2→Lv3(↑1)
器用値 9
敏捷値 17
知力値 10
筋力値 19(↑1)
生命力 19(↑1)
精神力 10
スキル
噛付き 威嚇 危険察知 夜目 気配遮断




