1262
「あれ?」
城館から出ようとして、再び戻る。
玄関にずっと佇んでいた、あの運営アバターがいない。
前を通る際にはその頭を軽く叩くのが通例となっていたのだが。
一体、どこを放浪しているのか?
いや、これは予兆なのか?
久住が来ている可能性がある。
では、どこに?
また食堂に来ていて食事をしていたりして。
うん。
十分に有り得る話だ。
城館の外に出る前に食堂に行こう。
いなかったら?
探し回る、というのは性に合わないが、追い掛けてみるか。
匂いを追跡出来る可能性ならある。
運営アバターの状態では人によって見えたり見えなかったりするようだが。
久住の姿でも同様だと思う。
基本、オレ配下の召喚モンスターでは見えていたりするみたいだが。
フィーナさんも見えているようだが、久住のあの姿を見たらどう思うんだろう?
きっと顔を顰めるに違いない。
オレだってそうなのだ。
あの軽薄さには本能的に腹が立つのです!
まあいい。
何か調査に進捗があったのであれば、それは朗報だ。
内容については別になるが。
一体、オレの周囲で何が起きている?
それに現実でも何が進行している?
オレ自身のモーションをロボットに反映させていると聞いていたが。
フィーナさんからも相当にキナ臭い話を聞いている。
これらが意味する事は何だろうか?
そもそも平行世界を剪定しているって話だ。
未だにその信憑性には疑問符が付く。
何か証明する手段があればいいのだが。
今のオレでは思い付かない。
そこまで知恵が回らない己が恨めしくなるぞ?
『やあ、来たよ』
「いたか。ここで何をしている?」
『先刻までドラゴン達を見ていたよ。いや、凄い迫力だね!』
「運営ならいつでも好きな時に見る事が出来るだろうに」
『それだよ。そういう役得を期待してたんだよ? 一切、無いんだ!』
「何を期待している?」
『例えば、君のように女神様に囲まれてイチャイチャするとか』
「一遍、死んでみるか?」
久住の前に紅茶、それに誰が作ったのか小さなケーキが鎮座している。
厨房にいるのは久重か。
いや、こんな奴を真面目にもてなさなくてもいいのに!
まあ、それはそれ。
テーブルを挟んで対面に座る。
話を聞かせて貰おうじゃないの!
『さて、どこから話をしたらいいんだか』
「手短に頼む。時間が惜しい」
『困ったな。話をするのは好きなんだけど、脱線する悪い癖があってね』
「矯正しろ。今、この場で」
『相変わらず無茶を言う。まあいいけど。ああ、そうだ! 動画から先に見る?』
「話が、先だ」
久住の軽薄な笑みが貼り付いたまま、動かない。
凄んで見せたら、そうなった。
文字通り、フリーズ状態。
何を固まっている?
『ま、仕方ないか。分かっている範囲で話したいけど。真っ先に聞きたい事は何かある?』
「あの老紳士だ。何か分かったか?」
『アルメイダの協力もあって、ある程度は。でも詳細とは言えないね』
「名前が分かる程度でも十分だ」
『そこからか。彼の名はベノワ。多分だけど平行世界の住人、この世界でもプレイしてたようだ』
久住が何か、言い淀んでいる。
ついでに視線も何かを折っていた。
オレの目の前へ久重がお茶を用意してくれているのだが。
ケーキは久住に出されている分の優に4倍はありそうだ。
視線はそのケーキへと注がれている。
『差別じゃないかな?』
「早速、脱線か!」
いかんな。
相応に長い時間、話を聞く事になりそうだ。
「そのベノワの権限はどの程度ある?」
『最近、分かった事だけどね。例の黄金人形は君も知っている1体だけじゃないみたいでね』
「何?」
『別の黄金人形がいるって事だよ。こないだ、別の個体を初めて見たんだ』
「運営も複数いるって事か」
『ベノワは別の黄金人形と組んで何かをやっている訳だ。直接的な対処は難しいよ』
それは困った。
一体、何を意図してオレの行動に介入するのか?
強敵を寄越すだけなら大歓迎だが、どうもそれだけとは思えない。
あの女神様達に籠絡させようとする手には戦慄するしかないぞ?
次に同じ手を使われたら、我慢出来る保証は無い。
『異なる価値感を組み合わせて多角的に評価するのは正しいそうだよ?』
「誰の知見だ」
『アルメイダ。彼も苦労人でね、今もリソース不足の解消に向けて東西奔走してるよ』
「そのリソース不足の原因は、何だ?」
『脱線する気かい?』
脱線ついでにケーキを頬張る。
美味い。
単純なショートケーキだが、甘過ぎない所がいい。
紅茶にも合ってる。
「そもそもリソース不足が多くないか?」
『同感だね。仮想現実を高度に維持するだけじゃない気がする』
「何だと思う?」
『分からないな。アルメイダも愚痴をこぼしてたよ』
「平行世界を繋いでいる事と何か関連はあるかな?」
『多分だけど、大いにあると思うよ。仕組みはブラックボックスだけどね』
「根拠は?」
『消費電力さ。時々だけど、とんでもない電力を使っている』
「何に使われているのかな?」
『さあ? ロボットが作業を始めるようになってからはもう把握出来なくてね』
「お前さん、資材やら機械を導入した張本人だろう?」
『そうさ。それだけだとも言える』
久住も残りのケーキを頬張る。
それでもう無くなってしまった。
視線がオレの目の前にあるケーキに注がれているようだが、話が先だ!
「話を戻そう。ベノワの目的は?」
『君の排除さ! 決まっている!』
「運営ならアカウントを削除するだけで済む。違うか?」
『単純にゲームであれば、そうだね。でもこれは各並行世界の住人を比較観察する場所でもある』
「アカウントを削除出来ない理由が何かあると?」
『それに特定監視対象に指定されているしね。削除するには明白な理由が要る』
「もし、女神達の籠絡に乗っていたら?」
『いきなり削除の可能性はあっただろうねえ。ま、事情も勘案して警告で済んでいたと思うけど』
久住の相好が崩れる。
久重がお茶の追加をしてくれていた。
ついでにケーキもです。
おい。
そこまでしなくてもいいぞ?
いや、考え方を変えよう。
まあ気分良くペラペラと喋ってくれる事になりそうだからいいか。
話が脱線しかねないのが痛いだけだ。
『また同じ事が起きるかもって、期待したかな?』
「ああ。だけど他に優先したい事もあってね」
『戦いそのもの、か。理解し難いね』
「して貰わなくて構わんよ。要するに今後もベノワは私の排除を狙うと?」
『多分、手段を問わずにね。そうするだけの理由が彼にあるんだと思う』
「それが何であるのか、分かるか?」
『難しいだろうねえ。ま、やってみるけど。興味だってあるし』
再びケーキに挑む久住を見つつ、考えに耽る。
そうか。
手段を問わず、か。
出来れば大苦戦になるような相手を寄越して欲しいものだ。
そうであれば大歓迎な構図ではある。
「では、次だ。現実で色々と面倒な事になっているようだが、その後は?」
『相変わらず各国のエージェントが迫ってるよ。ただ、最近は過激になってるね』
「どうした?」
『核兵器が落とされたよ』
「おい!」
『ああ、一応こっちは平気だから。全滅した日本のエージェントには悪いけどさ』
「核だと? どこのバカの仕業だ! 何を考えてやがる!」
『日本のエージェントに先を越されると思って落としたんだと思うよ?』
「何?」
『今やあの場所は技術のオーパーツの宝庫だよ。そんな技術を日本だけに独占されたら?』
「おい。じゃあ核を落とした目的って!」
『そういう事だろうねえ』
「アナザーリンク・サーガ・オンラインの運営拠点もついでに破壊を?」
『少なくとも、落とされた方はそう受け取るよね? 本格的に戦争になるねえ』
おい。
茶飲み話にしては剣呑過ぎるだろ!
久住は嬉しそうにケーキを堪能している。
自分のいる場所で核が落とされた事すらもまるで興味が無い様子だ。
急に恐ろしくなった。
久住が化け物に見える。
精神的に異質だ。
理解出来ない。
「世界中、大騒ぎになってるよな?」
『それが驚きでね、ニュースにすらなっていない』
「まさか!」
『現実でも何かが進行中だよ。ま、覆水盆に返らずとも言うし。これからどうなるかねえ』
「まるで他人事だな」
『まさか。これでも憂慮しているんだけど』
そう見えないから言っている!
そう叫びたかったが、今は我慢だ。
目の前にいる久住から情報を得る事を優先せねばならない。
「これからどうなりそうか、分かるか?」
『さあ。ただ、ロボット達の新装備が剣呑な代物になっていてね』
「反撃もあるって事か」
『報復って定義があるかどうかは知らないけどねえ。きっと酷い事になると思うよ?』
「そうか」
今、もっと別の何かを言うべきだと思えるのだが。
言葉を失うとはこういう事か。
二の句も告げないとも言う。
言うべき言葉が紡ぎ出せない。
どうしても、出来ない。
「あ、紅茶を追加で!」
いかん。
無性に久住を殴りたくなっている!
我慢だ。
我慢するんだ!
しかしこれも誰かに相談すべき、だよな?
その相手はもう決まっている。
フィーナさんだ。
既に何か把握しているかも?
その正体を詮索するのは無しだ。
今は情報が欲しい。
それが気休めに過ぎないのだとしてもだ!
久住は去った。
彼には毎日でも来て貰い、情報を得たい所だが。
それはどうも出来そうにないようだ。
だが、また必ず来るように言い含めてはある。
正直言えば信じていいかどうか、分からない有様だが信じてみよう。
今日、ここに来た事だけが根拠になる。
城館の玄関で運営アバターが元の姿で佇んでいる。
今日は久住を殴らずに済んだ。
だが次はどうだろう?
あの態度はきっと、これからも変わらないと思える。
いずれ盛大にぶん殴る事になりそうな予感がします!
しかし物騒な世の中だな。
核を落とされた?
それでこのゲームも運営出来ている所も恐ろしい話ではある。
ゲームでも、そして現実でも何かが進行しているようだ。
気は抜けない。
でもオレに出来る事って何?
そこは考えない事にしておこう。
オレはオレで、やれる事をやる。
今はそれでいい。
では、闘技場に行こう。
ドラゴンの長達の協議はどうなったかな?
その結果を聞く事にしたい。
『結局、煙晶竜が断ってしもうてのう』
『当たり前じゃ! それに断ったのはお前さんも同じじゃろうが!』
『儂は老い先短い、唯の老ドラゴンに過ぎんというのに。過分な役目はもうキツいのじゃ』
『嘘じゃな。単に面倒なだけであろうに』
『それはお前さんの事じゃろ?』
今日は長老様がボケで転生煙晶竜がツッコミかな?
その立場は時に逆転もするのだが、今はこういう関係であるらしい。
お互いに塔の上に鎮座して、首を伸ばして言い合っているのだが。
会話の内容さえ気にしなければ中々の迫力でいい光景だろう。
闇の中に浮かび上がる巨躯がゆっくりと蠢くと、僅かな光の加減で所々が光ってもいる。
転生煙晶竜も長老様も、エルダードラゴンの姿だ。
昼間だと地味な色合いの巨躯のドラゴンだが、夜だとこういった所があった。
でもね。
耳に届く会話が全てを台無しにしています!
そんな両者の様子を金紅竜も翠玉竜も、黄晶竜すらも何も言わずに見ている。
各々、塔の上に鎮座して転生煙晶竜と長老様の会話を聞いていた。
他の長達は各々の巣に戻っているそうで、ここにはいない。
当初はこの両者、オレに協議がどうなったのかを説明していた筈なのだが。
話が脱線したまま、戻らない。
共に地下洞窟へ行く事を断ったのを批難し合っているからだ!
ここまで、オレが聞いた事はその1点のみと言える。
『キースよ、要するに煙晶竜様はだな。自由気ままに行動したいそうだ』
「あ、それは知ってます。そうでしょうね」
『長老様はそんな煙晶竜様を放っておけぬらしい』
「ああ、そんな感じですね」
『うむ、我は悟った。口ではああ言い合っているが、仲良しなのだ』
『『違うっ!』』
金紅竜さん、金紅竜さん。
そこに気付くの、遅くないですかね?
「では地下には誰を?」
『各所の巣より交代でエルダードラゴンを派遣する事になった』
『早速だがあの縦穴の底より新たな洞窟を掘っている』
『幼きドラゴンを育成するには向かぬが、若きドラゴン達の鍛錬にはなろう』
『アンデッドの跳梁は確実に抑制出来る。それに魔物にも不足は無いようであるし』
『我も少し様子見を兼ねて行ってみたが、実に好ましい場所であった』
「はあ」
エルダードラゴンが地下洞窟に駐留する事になるのか。
仕方ない。
オレだけで広大な地下洞窟のアンデッドを掃討するのは時間的に無理がある。
遺憾だがドラゴン達の力を借りるというのは妥当な選択だ。
お互いに利があるのだから妥協せねばなるまい。
『キースよ、この件に関しては賢者の意見も聞く事にした』
「えっと、ジュナさんの事ですか?」
『それに汝の師匠もだな。アンデッドを屠るに際して我等は邪結晶を砕く事にしている』
『今まではそれで対策としては十分と思っていたが、根源的なものではないようだ』
『昨今は歪みが奇妙な動きをしている。その力が集束するのも早い』
『故にだ、賢者達の如く邪結晶を収集する方策を採る事になったのでな』
『別々に邪結晶を収集し封印を施すのは効率が悪い。共同で管理を提案する事になろう』
『金紅竜がその窓口となる。そこでキースよ、汝も同行して貰えぬかな?』
「えっと」
最後の翠玉竜の言葉にちょっとビックリ。
まあいいんだけど。
オレも用件があったのだから好都合だ。
「朝食を済ませた後でいいでしょうか?」
『無論だ。汝の都合に合わせよう』
そこで会話が止まった。
何だ?
転生煙晶竜と長老様も言い合いを止めていた。
『来客のようだな』
『ああ』
『ここまでとするか。キースよ、我はここで待っていよう。ゆっくりしていて構わんぞ?』
「はあ」
金紅竜はそう言うけどね。
そこにいる、というだけでプレッシャーなのだ。
済ませるべき事は早めに済ませないと!
まずは召魔の森に配備しているポータルガードの見直しだ。
そして僅かでもいいから、戦力の底上げを兼ねて対戦をしておきたい。
来客、というのはいつもここに来ている面々だろう。
その中にはきっと、フィーナさんもいる。
先刻、久住から得た情報は共有化しておいた方がいい。
「フィーナさんがログインしてない?」
「うん。今日は急用が出来てゲームに参加出来そうにないって連絡があってね」
「そうか」
リックは普段通りにしているか?
オレの様子に違和感を感じてはいないだろうか?
そんな思いを抱えつつ、観客席でポータルガードの見直しをしている訳だが。
テイラー、ペプチド、モジュラス、清姫、イソシアネート。
それにムレータ、パティオ、十六夜、貴船を外しました。
交代で配備したのは?
ティグリス、逢魔、極夜、雷文、シリウス、ジンバル。
火輪、パイリン、エジリオとしてある。。
確認しておこう。
召魔の森に配備したポータルガードはどうなった?
ジェリコ、リグ、ティグリス、クーチュリエ、獅子吼、逢魔、極夜。
雷文、守屋、シリウス、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、ジンバル。
虎斑、蝶丸、網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ、火輪。
酒船、コールサック、シュカブラ、シルフラ、葛切、スコヴィル。
そしてデミタス、白磁、マラカイト、パイリン、エジリオだ。
正直、大所帯だけど大丈夫かな?
この中で統率する役目を担うとしたらティグリスになるだろう。
既に何度もやっているし、大丈夫だよな?
それにドラゴン達だって駐留しているのだ。
不安はほぼ、無い。
それは僅かに残されている事も意味する。
運営がいつ、仕掛けて来るのか?
不安は払拭出来ません。
オレが不在の時に仕掛けられたら目も当てられませんよ?
「対戦、するんでしょ?」
「ああ。だがリックは?」
「他の面々は作業に従事中、本当はフィーナさんとやる事があったんだけどねえ」
「観戦するだけじゃ面白くないだろう? 参加したらどうだ」
「えっと。キースのパーティに入れって事?」
「ああ、やれるよな?」
「ちょっと待って! 相手が何になるかによるって!」
「大丈夫、やれるって」
観客席にリックだけというのはちょっと寂しい。
ならば対戦に参加させたらいい。
何、リックもかなり鍛えてあるし大丈夫だって!
「ポ、ポータルガードの参加はこれだけなの?」
「少ない方がリックにもいいと思うよ? 経験値的にだけど」
「それ、リスクと引き換えだよね?」
確かにリックの指摘する通り、ポータルガードからの参加は少ない。
ゴーレム組は土精霊の皆さんの工事が続いているから、その手伝いだ。
人形組、蜂組には朝の定常業務がある。
但し、昨夜留守番だったオーロとプラータは参加だ。
それに転生煙晶竜、長老様、そして黄晶竜もです。
長老様も黄晶竜を鍛える機会を見逃す筈もない。
リックの立場ではゴーレム組による壁役がいない点が心配なのかな?
スライム組の誰かをリックに付ける形にしよう。
それで不安は払拭出来るとは思えないが、付けないよりもいい筈だ。
さて、パーティの布陣は?
フローリン、待宵、キレート、クォークだ。
闘技場は広く、クォークでも対戦が出来る規模になっている。
だが、闘技場が狭く感じられるのも事実だ。
最初は慣れないかもだが、大丈夫!
通常の狩りと同じ感覚でいい。
懸念すべきはリックも参加するという変則仕様だろう。
そのリックは正統派の前衛であり、相応にリスクを抱える事になる。
だがそこはそれ。
支援は容易い。
「他に闘技場の利用者はいないみたいだし。連戦だな」
「お、お手柔らかに願いたいね」
「ああ。そうだな」
嘘だ。
闘技場のオベリスクに歩み去ってリックに表情を読み取られないようにしていた。
オレの手には、スラー酒。
そう、スラー酒だ。
出現する相手のメインはヴリトラの写身になるだろう。
だが、それでもソーマ酒よりも難易度は低い。
うん。
ちゃんと加減してあるよね?
オレの得物は布都御魂だ。
ヴリトラの写身の天然装甲は斬るというより叩き割るイメージになるだろう。
追従戦力も色々といるし、これならば対応は容易い。
リックへ呪文の支援も当然やる訳だが、傍で戦っておけば視界から外れるリスクも低くなる。
そう、今回オレは遊撃ではなくまっとうな前衛となって戦うつもりだ!
無理じゃない。
無謀でもない。
クォークという移動要塞がいて、酒船という巨大な前衛もいる。
この2つの軸さえあれば、ゴーレム組による壁が無くても戦えるだろう。
それだけの自信はあった。
では、始めるか。
リックには悪いけど、これでも加減してあるからな?
彼だってオレがどういう男であるのか、把握している筈だ。
何、きっと大丈夫!
終わったら少し、労るようにフォローしておけば許してくれるに違いない。
《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【両手剣】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【雷魔法】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【掴み】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【平衡】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【隠蔽】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【身体強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐睡眠】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐麻痺】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐気絶】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐沈黙】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【耐即死】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『フローリン』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
「ねえ、キース。今のは全く手加減してなかったよね?」
「何かな?」
「編成が同じに見えて、強さが格段に違っていたよ!」
「んん? そうだったかな?」
嘘だ。
捧げたアイテムをソーマ酒に間違えただけだ。
無論、意図的にですけど。
だって仕方ないのだ!
塔の上で観戦していた翠玉竜が参加を申し出てしまい、オレには断れなかったのです。
闘技場のオベリスクに捧げるアイテムの難易度は上げる他、選択肢は無かった。
そこは許して欲しい所です。
フローリンのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。
もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。
フローリン ゴールデンバットLv92→Lv93(↑1)
器用値 89
敏捷値 113
知力値 44
筋力値 69(↑1)
生命力 69(↑1)
精神力 44
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲
隠蔽 追跡 監視 気配遮断 魔力遮断
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
吸血 猛毒 暗闇 混乱 麻痺 沈黙 石化
忘却 催眠 高周波 共振波 低周波 毒無効
耐麻痺 耐混乱 耐即死 耐暗闇
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『待宵』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
『キースよ、汝も容赦が無いな』
「そうですか?」
『我がいなかったらどうなっていたと思う? いや、我が参戦したのがいけなかったか?』
「さて、どうでしょう」
正直、翠玉竜が参加していなかったら相当危なかっただろう。
リックにはリグという生体アーマーを付けていても尚、相当なダメージがあった。
ヴリトラの写身は巨躯であっただけに追従戦力はその陰から襲って来るのだ!
その追従戦力はスグリーヴァ、ハヌマーン、アプサラス達。
巨躯ではない分、どうしても奇襲を確実に避ける手段は無い。
センス・マジックの呪文はヴリトラの写身に邪魔されて、感知が出来ない。
クレヤボヤンスの呪文を使えばどうにかなるけど、視界を切り換えて戦うのが迂遠だ。
実際、そんな余裕なんて無い。
何しろどの相手も強敵、大苦戦だ!
それは翠玉竜が参加していようと変わらないのです。
待宵のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。
もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。
待宵 レプリカントLv92→Lv93(↑1)
器用値 65
敏捷値 85
知力値 98
筋力値 39(↑1)
生命力 39(↑1)
精神力 98
スキル
武芸百般 夜目 跳躍 軽業 気配遮断 魔力遮断
反響定位 連携 精密操作 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[大] 同調
共鳴 完全クローン 時空属性 光属性 闇属性
火属性 風属性 土属性 水属性 雷属性 氷属性
溶属性 灼属性 全耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『キレート』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
『しかしキースよ、ここもまたいい鍛錬の場のようであるな』
『汝も参加するか? 我と交代でも良いが』
『いっそ我と汝の両方が参加でも良いと思うが』
いやいや!
金紅竜まで参加したらそれこそ捧げるアイテムも考え直さないと!
それこそ危険物の頂点、星結晶になっちゃいますよ?
しかも相手は英霊様達の連合軍、巨躯でないからと言って油断ならない。
特に源為朝公と竜殺しのシグルドが危険だ。
源為朝公の放つ矢はドラゴンの天然装甲すら、貫いてしまう。
竜殺しのシグルドはドラゴンのブレス攻撃を無効化してしまう。
味方なら有り難い支援だが、敵に回れば厄介この上無い!
金紅竜と翠玉竜に苦戦して貰ってもいいんだけど、残念!
観客席にミオが来ています。
どうやら朝食の時間らしい。
キレートのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1ポイント分のステータスアップは器用値を指定しましょう。
キレート インビジブルストーカーLv92→Lv93(↑1)
器用値 73(↑1)
敏捷値 99(↑1)
知力値 81
筋力値 44
生命力 44
精神力 81
スキル
武芸百般 夜目 監視 気配遮断 魔力遮断
反響定位 連携 精密操作 物理抵抗[中]
魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[大]
同調 透明化 隠蔽 影棲 奇襲 登攀 跳躍
平衡 軽業 看破 暗殺術 時空属性 光属性
闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性
塵属性 氷属性 溶属性 木属性 全耐性
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『クォーク』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
「リックさん、どうしたの?」
「も、もうダメ! 死にそう!」
リックは何を言ってますか?
まあ奮戦してたのは知ってましたけどね。
終始、生体アーマーのリグに護られせてあったしオレも並んで戦っていた。
支援が足りなかったとは思えないんだけど。
気息奄々な様子を見せているけど騙されないぞ?
まだ余裕ならある。
やれるって!
朝食の時間だから中断するだけだ!
クォークのステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。
もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。
クォーク 獣皇亀Lv91→Lv92(↑1)
器用値 41(↑1)
敏捷値 41(↑1)
知力値 50
筋力値 116
生命力 134
精神力 59
スキル
噛付き 踏み付け 体当たり 尾撃 堅守
掘削 水棲 振動感知 激高 剛力 夜目
自己回復[極大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[中] 土属性 水属性 木属性
ブレス 耐即死 耐混乱 耐暗闇 地震波
結界生成
いや、朝食後には金紅竜と一緒に行くべき場所がありましたっけ。
それに出来れば海魔の島に配備してあるポータルガードの見直しをしておきたい。
浅瀬仕様だ。
クォークの戦力底上げは済んでいるけどね。
もう一押し、しておくべきだろう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv269
職業 サモンメンターLv158(召喚魔法導師)
ボーナスポイント残 69
セットスキル
小剣Lv214 剣Lv216(↑1)両手剣Lv216(↑5)両手槍Lv218
馬上槍Lv218 棍棒LvLv213 重棍Lv213 小刀Lv214
刀Lv212 大刀Lv216 手斧Lv213
両手斧Lv212 刺突剣Lv213 捕縄術Lv222 投槍Lv218
ポールウェポンLv218
杖Lv244 打撃Lv253 蹴りLv253 関節技Lv253
投げ技Lv253 回避Lv264 受けLv264
召喚魔法Lv269 時空魔法Lv266 封印術Lv264
光魔法Lv260 風魔法Lv260 土魔法Lv260
水魔法Lv260 火魔法Lv260 闇魔法Lv260
氷魔法Lv260 雷魔法Lv261(↑1)木魔法Lv260
塵魔法Lv260 溶魔法Lv260 灼魔法Lv260
英霊召喚Lv7 禁呪Lv264
錬金術Lv221 薬師Lv60 ガラス工Lv55
木工Lv113 連携Lv224 鑑定Lv172 識別Lv240
看破Lv222 保護Lv93 耐寒Lv233
掴みLv231(↑1)馬術Lv231 精密操作Lv233
ロープワークLv221 跳躍Lv237(↑1)軽業Lv242
耐暑Lv224 登攀Lv224 平衡Lv231(↑1)
二刀流Lv224 解体Lv168 水泳Lv221
潜水Lv221 投擲Lv232
ダッシュLv230 耐久走Lv230 追跡Lv230
隠蔽Lv228(↑1)気配察知Lv231 気配遮断Lv231
魔力察知Lv231 魔力遮断Lv231 暗殺術Lv231
身体強化Lv232(↑1)精神強化Lv232(↑1)高速詠唱Lv249
無音詠唱Lv249 詠唱破棄Lv252 武技強化Lv242
魔法効果拡大Lv232 魔法範囲拡大Lv232
呪文融合Lv232
耐石化Lv80e 耐睡眠Lv163(↑6)耐麻痺Lv187(↑2)
耐混乱Lv80e 耐暗闇Lv236 耐気絶Lv233(↑1)
耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e 耐沈黙Lv228(↑1)
耐即死Lv140(↑1)全耐性Lv171
限界突破Lv131 獣魔化Lv137
召喚モンスター
フローリン ゴールデンバットLv92→Lv93(↑1)
器用値 89
敏捷値 113
知力値 44
筋力値 69(↑1)
生命力 69(↑1)
精神力 44
スキル
噛付き 飛翔 反響定位 遠視 回避 奇襲
隠蔽 追跡 監視 気配遮断 魔力遮断
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
吸血 猛毒 暗闇 混乱 麻痺 沈黙 石化
忘却 催眠 高周波 共振波 低周波 毒無効
耐麻痺 耐混乱 耐即死 耐暗闇
待宵 レプリカントLv92→Lv93(↑1)
器用値 65
敏捷値 85
知力値 98
筋力値 39(↑1)
生命力 39(↑1)
精神力 98
スキル
武芸百般 夜目 跳躍 軽業 気配遮断 魔力遮断
反響定位 連携 精密操作 自己回復[中] 物理抵抗[中]
魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[大] 同調
共鳴 完全クローン 時空属性 光属性 闇属性
火属性 風属性 土属性 水属性 雷属性 氷属性
溶属性 灼属性 全耐性
キレート インビジブルストーカーLv92→Lv93(↑1)
器用値 73(↑1)
敏捷値 99(↑1)
知力値 81
筋力値 44
生命力 44
精神力 81
スキル
武芸百般 夜目 監視 気配遮断 魔力遮断
反響定位 連携 精密操作 物理抵抗[中]
魔法抵抗[大] MP回復増加[中] MP回収[大]
同調 透明化 隠蔽 影棲 奇襲 登攀 跳躍
平衡 軽業 看破 暗殺術 時空属性 光属性
闇属性 火属性 風属性 土属性 水属性
塵属性 氷属性 溶属性 木属性 全耐性
クォーク 獣皇亀Lv91→Lv92(↑1)
器用値 41(↑1)
敏捷値 41(↑1)
知力値 50
筋力値 116
生命力 134
精神力 59
スキル
噛付き 踏み付け 体当たり 尾撃 堅守
掘削 水棲 振動感知 激高 剛力 夜目
自己回復[極大] 物理抵抗[大] 魔法抵抗[大]
MP回復増加[中] 土属性 水属性 木属性
ブレス 耐即死 耐混乱 耐暗闇 地震波
結界生成
ビーコン エルダードラゴンLv8
器用値 64
敏捷値 64
知力値 81
筋力値 64
生命力 64
精神力 81
スキル
噛付き 引裂き 体当たり 飛翔 受け 回避
跳躍 疾駆 夜目 水棲 水中機動 連携
自己回復[中] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[中]
MP回復増加[中] 捕食吸収 ブレス 時空属性
光属性 闇属性 火属性 風属性 土属性
水属性 氷属性 溶属性 毒耐性 耐即死
耐魅了 加護
召魔の森 ポータルガード 34枠
ジェリコ、リグ、ティグリス、クーチュリエ、獅子吼
逢魔、極夜、雷文、守屋、シリウス、スーラジ、久重
テフラ、岩鉄、ジンバル、虎斑、蝶丸、網代、スパーク
クラック、オーロ、プラータ、火輪、酒船、コールサック
シュカブラ、シルフラ、葛切、スコヴィル、デミタス
白磁、マラカイト、パイリン、エジリオ
海魔の島 ポータルガード 16枠
ナイアス、ストランド、アプネア、アウターリーフ
ロジット、プリプレグ、ロッソ、雪白、濡羽
アチザリット、魂振、セノーテ、呼子、オリアナ
ヴェルツァスカ、プリトヴィッチェ
召魔の森に駐留
ビーコン(転生煙晶竜)、長老様、黄晶竜
金紅竜、翠玉竜、エルダードラゴン、他ドラゴン2編隊分
地下洞窟に駐留
エルダードラゴン、他ドラゴン2編隊分
海魔の島に駐留
蒼玉竜、エルダードラゴン、他ドラゴン4編隊分