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《只今の戦闘勝利で【回避】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【受け】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精密操作】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【ダッシュ】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【身体強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐気絶】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【全耐性】がレベルアップしました!》


「クソッ! やっぱり判定か!」


「何だ? ギブを取るつもりだったのか!」


 東雲との対戦はいつも単純な展開になってしまう。

 オレが打撃と蹴りで攻勢に出る。

 東雲は攻撃を受けつつ、体当たりを仕掛ける。

 その間合いが絶妙に噛み合っているものだからお互いに決め手に欠けてしまう。

 遠い間合いから打撃戦でダメージを重ね、時間切れ判定にするだけで勝てる。

 単に勝つ事だけを目的にするなら、それだけで事足りる。

 だが、それって楽しいか?


 そこで更に踏み込んで、投げ技を仕掛けた。

 悉く、東雲のパワーの前で失敗している。

 受けに徹している腕を、そして側面から背後に回り込んで首を狙う。

 投げ技が通じていないのに関節技や絞め技でどうにか出来る訳も無かった。

 カウンターの機会を献上しているようなものだ!


 だが、東雲が攻撃に転じた直後こそが好機なのだ。

 大抵、体当たりを仕掛けた後の足下を狙うか首を狙うかのどちらかになる。

 東雲は腕を防御の構えのまま、体当たりを仕掛けるのが常だ。

 視界が限られる筈だけど、側面に回り込むのは至難。

 何しろ、体当たりを仕掛ける間合いが近いからな!

 実際の話、この体当たりを2度も喰らっていた。

 大きく跳ばされている!


 その距離がもっと短かったら逆に東雲も寝技の展開にしただろう。

 彼の場合はパワー一辺倒で技とも言えない戦い方をする。

 でもそれで正解なのだ。

 剛能く柔を断つ。

 それを地で体現出来るのであれば区々たる技すらも不要だろう。

 正直、羨ましい。

 オレには出来ないスタイルだ!



「東雲、次はあっちでやろう」


「おうとも!」


 対戦を終えた東雲は与作と対戦になりそうだ。

 では、オレの相手は誰が?

 正面に佇むのはゼータくん。

 手にしているのは木剣、かなり使い込まれているような?



「対戦相手、いいですか? 格闘戦じゃないですけど」


「勿論」


 懐かしいな。

 PKK職のアヴェンジャーになったばかりのゼータくんを鍛錬したのはもう昔の事だ。

 その頃と比べたらゼータくんの技量も見違えてしまっている。

 復讐を果たし、サモナー系へと進んだ今では格闘戦をしている所を見る機会が少ない。

 そう、少ないぞ!

 確かめねばならない。

 オレ直伝の裸絞めは覚えてますか?


 オレも木刀を《アイテム・ボックス》から取り出した。

 この木刀はかなり使い込まれた代物でイヌシデを削った代物だ。

 黒檀製もあるけど、あれだと加減を間違えたら死ぬ。

 殺せてしまう!

 ゼータくんも革鎧で装備を固めているが、重戦士ではないのだ!


 周囲を見渡すとあちこちで対戦が行われているのが分かる。

 まるでお祭り?

 いや、これでは闘技大会をやっているのと同じだ!



「これ、覚えているか?」


「ええ。これもキースさんのお手製ですよ?」


「そうか。では、初心に戻ってやってみるか」


「改めて思うんですけど、やっぱり怖いですね」


 そうは言うがね。

 ゼータくんもサモナー系プレイヤーとしては少々、規格から外れている。

 基本は剣と盾を使い前衛に立つ。

 アヴェンジャー時代の戦闘スタイルをそのままサモナー系で引き継いだからなのだが。

 装備は当然、魔法技能を阻害する代物は無い。

 その反面、前衛で戦い続けるのは大きなリスクを抱えて来ている。

 魔物を相手に相当な修羅場を何度も潜り抜けているのだ。

 並みではあるまい。


 いや、前衛に出て戦い続けているのはオレの影響もあるんじゃないかって誰かが言ってたな。

 他にも奇妙なスタイルのサモナー系はいる。

 ヒョードルくんはエルフであるにも関わらず前衛もこなす。

 刺突剣を手にして高速で移動しつつ戦うのが基本だから遊撃を担う事も多い。

 駿河と野々村に至っては生産職の漁師達と見紛うような有様だ!


 このゲームって一体?

 まあオレにしてみたら好き勝手に出来たからいいんだけどさ!



「じゃあ始めるか。昼食が出来上がるのはもうちょっと先みたいだしな」


「ええ」


 どうも対戦はもう数戦、やる事になりそうかな?

 そしてギャラリーは少ないながらもいる。

 恥ずかしい内容を見せてはならない。

 それにゼータくんにとっても実になる内容であるべきだろう。






《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》


 ゼータくん、シェルヴィ、ヒョードルくんと対戦をこなした所です。

 スキルにもレベルアップがあったようだ。

 得物を使った対戦が続いているけど、格闘戦はちゃんと出来ている。

 おかしいよね?

 確かに最初はちゃんと、得物を持っていたのに!

 結局は格闘戦にしてしまうのはオレの悪い癖かな?

 いや、これはもう習い性と言うべきだろう。


 さあ、次の挑戦者は誰だ?

 まだ昼食が出来た様子は無い。

 もう1戦か2戦、対戦は可能だろう。


 だが、目の前に立つのはビンク色の革鎧を身に着けた戦士がいる。

 えっと。

 各務、だよな?



「あのー」


「確かに私は女性ですけど、これでも格闘技経験者ですから。手加減は無用に願いますよ?」


「あのー、どうして?」


「駿河じゃ物足りなくて。それに格闘スタイルなのは私も同じですから」


「はあ」


 各務が構える。

 典型的なムエタイスタイル、アップライトの構えで重心がやや背中側に置いていた。

 背の高さは向こうの方がやや上、それ以上に手足が長く見えてます。

 相変わらずだけど、スタイルがいいな!

 出来れば鎧兜姿じゃ無い所も見てみたいものだが。

 それでは戦隊チームのピンクではなくなる。

 中の人などいない!

 詮索するのは野暮というものだ。



「こっちは打撃戦だけじゃないんだけど」


「知ってる。最近、本格的に寝技も始めたのよ。覚えたら使いたくなるんだけど駿河じゃダメね」


「はあ」


 この人、現実では総合格闘技のプロでも目指しているんだろうか?

 それよりも難儀なのは駿河だろう。

 現実からゲーム世界に逃避してみても、そこには姉がいる訳だ。

 これはキツいな。

 駿河には同情するけど、それ以上ではないぞ?


 それに対戦は対戦だ。

 少ないけれどギャラリーの期待の視線がある。

 対戦を拒否する選択肢は無い。

 問題は寝技における事故、それだけだろう。



「キースさん、全力で叩きのめしてやって下さい!」


「あんたねえ、後でちょっと話があるから!」


 その声の主は駿河だ。

 各務の反応は当然だろう。

 何でわざわざ、地雷を踏みに行くのかな?

 マゾの気質を疑うぞ?






「シッ!」


「ッ?」


 各務との対戦は基本的にやや遠い間合いでの攻防になる。

 それでも以前と違っているのいも分かる。

 基本のムエタイスタイルを崩していない。

 関節技や投げ技には冷静にエスケープ、だがそれが間に合わない場合は?

 ディフェンス?

 いや、関節技をカウンターで喰らいそうになってたぞ!

 しかも今の、クロスヒール・ホールドだ!


 体を回転して極まるのを避けつつ、脚を押し込む。

 互いの脚が絡み合ってしまい身動きし難いが、極められてしまっては意味が無い!



「ッ?」


 右膝裏を肩に担ぐ形で抱え、更に体を押し込んで行く。

 オレの右脚はどうなっている?

 動かせる。

 カウンターで関節技を仕掛けられる隙があった筈だが、対応出来ていないのか?


 右太股を捻るように力を篭め、各務の体を反転させようと試みる。

 でも体が柔らかいのな!

 上手く行かないぞ?



「ハッ!」


「ヌ?」


 各務の左脚が飛んで来る!

 無茶な体勢からだけど、蹴りだ!

 当然だけど、こんな体勢では避ける事は出来ない。

 右腕で受けるのが精一杯だ!


 いや、どうも蹴りに来たのではないようだ。

 三角絞め?



「ッ?」


 いや、腕を取られていないからディフェンスは出来る。

 慌てるな。

 落ち着け!

 目の前に各務の股間が迫っているけど、革鎧に付属のカバーがある。

 事故にはならない筈だ!

 でも目の前の視界はピンクに染まる。

 各務の体重がリアルに感じられるが、味わっている余裕は無い。

 完璧ではないけど、首か絞められている事は確かであるのだ!


 肘を張って空隙を作ると首を抜く。

 技を解いた所で反撃?

 そう思った時にはもう各務は距離を置いて柔術立ち、迎撃の構えだ!

 す、素早い!

 いや、この人って本当に何なの?


 再びアップライトに構える各務。

 やはり基本は崩さない。

 飽くまでも立ち技で勝負、寝技は防御とエスケープが基本のようだ。

 まあ、その方がオレにも都合がいい。

 事故の回避という点に限ればの話だけどな!



「フッ!」


 左ハイキックだ!

 体全体が躍動するかのようで見惚れちゃうかも?

 だがこれは好機?

 僅かに重心を下げ、低空タックルに行く!

 いや、ハイキックは囮か?

 体がそのまま回転、オレの視界に迫るのは各務の右甲だ!


 バックブロー。

 だが狙いが少し甘い!

 オレは更に頭を下げていた。

 タックルしたのは腰に対してじゃない。

 軸足となっている右脚だ!



「ッ?」


 刈った脚を抱えて足首左脇に抱え込む。

 今度は逃がさないぞ?

 狙うのは膝十字固めだ!

 僅かに躊躇はしていた。

 でも既に体が反応して動いていた!

 この技は危険だよな?

 大股開きの刑になりかねない!


 だがもう止まらない。

 各務が格闘技経験者と言っていた。

 許してくれる事を期待していい。

 望みはそこにある。

 だって、ねえ?

 格闘技では男女間で使うには躊躇してしまうような技はあるのだ。





《只今の戦闘勝利で【軽業】がレベルアップしました!》


 各務がタップした所で対戦は終了か。

 一応、勝っている。

 それよりも内容だな!

 終始格闘戦、しかしこれは与作や東雲とはまるで違う展開だった。

 与作はパワーとスピード、東雲がパワー一辺倒。

 各務の場合はスピード特化?

 いや、テクニカルな部分も見過ごせない。

 特に蹴りの鋭さは、危険だ。



「な、何よ」


「プッ! 完敗してやんの」


 あ、踏んだ。

 何で駿河は地雷を踏んでしまうのか?

 目の前にスイッチがあると、何のスイッチなのか分からなくても押すタイプだな。

 そして今、各務の怒りのスイッチも入れてしまったようだ。



「シッ!」


「ッ?」


 凄まじい勢いで左ミドルキックが駿河を直撃、吹き飛んでます!

 あ、危なかった。

 アレを対戦中に放たれておたら捌ける自信は無いぞ?


 野々村には制止するような気配が無い。

 駿河の友人なら助けるべきだと思うのだが。

 放置してていいのか?



「止めなくていいのか?」


「いや、色々とお世話になってますんで逆らえません」


「現実でか?」


「ええ。ここでだって滅多な事は出来ませんねえ。キースさんなら止めます?」


 駿河の背後に各務が回り込んで裸絞めを仕掛けているぞ?

 本格的に寝技を始めたと言うが、かなり鋭い!

 結構、様になっている。

 駿河は腕を叩いてタップしているけど、各務が絞めを緩める様子が無い。



「姉弟喧嘩を楽しんでいるようにしか見えないな」


「ええ、そうですね。そうでしょうとも!」


「見方によるけど、実に微笑ましい」


「羨ましいですよ。私もあんな目に遭いたいものです。特に現実で」


 タップしていた手を野々村に伸ばす駿河。

 だが野々村は両手を合わせて拝むだけであった。


 では、次の対戦相手は誰だ?

 ギャラリーの中から歩み出たのは、またしても女性だよ!

 しかもリディアだ。

 あの、貴女は弓使いですよね?



「遅れましたけど、昼食が出来ましたよ!」


「皆さん、並んで下さい! 量は十分にあります!」


 だが残念!

 対戦をする時間はもう無いようだ。

 何故か安堵しているオレなんだが。

 各務とは戦闘スタイルが違うってだけじゃない。

 実績が違うのだ!

 リディアとの対戦では事故が起きる可能性が高い。

 スタンディングでヒールホールド、同時に膝を踏んで股裂きにした技がある。

 何故、あれが恥ずかし固めになるんだ?

 しかもオレに対する風評被害もあった。

 いや、今も地道に続いているような事も耳にするのだが。

 解せぬ。

 多分、各務がオレに三角絞めを極めるのはセーフかな?

 だがオレが各務に三角絞めを極めるのはアウトだ。

 解せぬ。

 やはり解せぬ!






「キースさんの分です。今日はこれで我慢して!」


「お、おう」


 昼食のメニューなんだが。

 カツカレーだけじゃなかった。

 カツ丼もあったのか。

 どちらかを選択、早い者勝ちだったけどオレは悩む事はなかった。

 何故ならば、両方堪能するからだ!

 2人前だと量的に少々物足りないけどね。

 これ以上はアデルが許してくれそうにない。



「殴り込み、か。あの浮き島、何がいると思う?」


「何でもいいさ。イベントの続きなら参加しないとな!」


 与作と東雲もまたオレと同様、カツカレーとカツ丼を手にしている。

 オレの前に並んで座り込んで早速食事に挑み始めていた。

 普段から見ている光景だが、やはり胸が躍る。

 何が待ち受けているのか分からない

 不安は勿論あるけど、それ以上に期待が大きかった。


 格闘戦の機会は、あるかな?

 あって欲しい。

 思わぬ形で格闘戦成分は補充出来たけど、満腹ではないぞ?

 お替わりがあるなら全部、頂く事にしましょう!





(シャドウ・ゲート!)

(ミラーリング!)


『じゃあ全員、影の中へ! 出発するわよ!』


 ユニオンを組んだ面々が次々と影の中に消えて行く。

 それはオレ配下の召喚モンスター達も例外では無い。

 パーティの編成は?

 テロメア、待宵、キレート、モスリン、ヘイフリックだ。

 潜入となれば定番と言える編成だろう。

 今日、既に暴れている面々もいたけど問題無い。

 スラー酒とマナポーションでMPバーは全快になっていた。



【回復アイテム】ネクタル 品質C レア度?

 重量2+ 全ステータスの一時的向上、一時的に不死身

 神々の飲み物。人間でも計り知れない恩恵を与える。

 本来の力を発揮出来れば不老不死に至るという。

 蜂蜜のように甘い発酵乳。

 他のポーションやマナポーションには干渉せず同時服用は可能。

 ※連続使用不可。クーリングタイムは概ね6時間。



 オレの手にした瓶を【識別】で確認すると《アイテム・ボックス》に放り込む。

 ミオと優香の最新作だ。

 どうもムーサ達から出されたお題をクリアして、作り方を教わったらしい。


 素材はもう分かっている。

 基本は豊穣の乳。

 そこに加えるのは蜂蜜、黄金の林檎、神霊の桃、破邪の桃だ。

 肝となる製法に関してはオレにも明かせないという。

 教えて貰っても問題無いと思うぞ?

 オレでは再現出来る可能性は皆無だ。


 しかしこれ、とんでもないアイテムだな!

 黄金の林檎にも一定時間不死身の効果があるから、そこに驚きは無い。

 問題は全ステータスの一時的向上の効果と同時に発揮出来る事だな。

 そしてクーリングタイムが比較的短い事もポイントだろう。


 オレは試作素材の提供者という事で、5本を入手出来ている。

 優香曰く、作業は少量を慎重に行わねばならないそうで、成功率は半分程という。

 ミオも成功率は同程度、アデルとイリーナも3本作って1本が成功するかどうかであるそうだ。

 正直、貴重品だな!


 無論、オレはこんなアイテムに頼るつもりは無い。

 でも有り難く受け取る、その理由は?

 闘技場のオベリスクに捧げる為だ。

 危険な匂いがプンプンするぞ?

 ネクタルの匂いは明らかに甘く、芳醇な風味を漂わせている。

 危険な匂いもまた、今のオレには甘い誘惑のように思えるのです。


 左手だけ篭手を外して中指に魔人の指輪を嵌める。

 そして魔人の仮面を装着。

 あっという間に魔人ステンテレッロの出来上がりだ。

 肩から黒のローブを掛け、フードを目深に被る。

 傍目からみたら立派に不審者だが、黒のローブのお陰で目立たない筈だ。



(インビジブル・ブラインド!)

(フライ!)

(アクロバティック・フライト!)

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)


 まずは潜入からだ。

 すんなりと結界を抜けられるのであればいいんだが。

 通れないようであればどうするか?

 ジュナさんに言われた通り、距離を置いてそのまま監視すべきなんだろうけどね。

 そんな迂遠な事になって欲しくはありません!


 結界は通過、出来るよな?

 そうでないと暇潰しが大変だ!

 まあインスタント・ポータルの中で鞍馬を相手に対戦三昧というのもいいかもしれないけどな。

 有意義に過ごす手段ではあるけど、それでは面白くない。

 やはり浮き島の中に潜入出来た方がいい。

 そして強敵にいて欲しい。

 オレ自身の切り札はメタモルフォーゼのみだが、同行者が大勢いてくれている。

 大丈夫。

 きっと楽しい時間になってくれるに違いない!





「全員、見えてますか?」


『ええ、センス・マジックだとまるで違う世界ね』


 結界はアッサリと抜ける事が出来ている。

 島の形状はまるで空母、中央には池まである。

 でもそれだけだ。

 殺風景で何か施設がある訳じゃない。


 だが、センス・マジックで見る風景はまるで違う。

 島のあちこちに謎の構造物があるように見えている。

 まるで、城?

 影の中に潜む全員が仮想ウィンドウで同じ風景を共有化しているのだ。



「手分けして調べてみますか?」


『いえ、このまま影の中から出ない方がいいと思うの。勘だけど』


「勘ですか」


『ええ。それに戦力を分散するにはリスクが大きいわ』


「確かに。では、このまま進んでみます」


『城に触れる際は注意してね?』


 どうやらフィーナさんもここで戦闘が起きる可能性を考慮しているのだろう。

 戦力を分散させるのは得策じゃないよね?


 目の前には城門、でも奇妙な光景だな!

 センス・マジックを最大化した上で触れてみる。

 感触は確かにある。

 センス・マジックを通さずに触れてみる。

 何も無い空間で遮られてしまう。


 困ったな。

 周囲にどんな障害物があるのかを確認するには、常時センス・マジックを使えって事か!

 仮想ウィンドウを最大化して戦えばいいだけ、と思いたい所だが。

 昨今の相手は巨大な魔力の持ち主が多い。

 センス・マジックと通して見ると、太陽を直視するような有様になるかも?

 そうなってしまえば普通に戦えなくなる。


 こんな場所で敵と遭遇するというのは避けたいものだ。

 だが、避けられないとしたら?

 当然、戦うしかない!






『誰もいないようね』


「ええ。何かがいるような気配はしません」


『センス・マジックで強力な反応があるんだけど、辿り着けそう?』


「城の構造がちょっと把握し難くて」


『いいのよ。ゆっくり、確実に進んで頂戴』


 しまったな。

 こういった役目であれば探索を専らとするプレイヤーに任せるべきだったか?

 九重もいたのだ。

 魔人の指輪とか黒のローブは余っている。

 今からでも交代した方がいいのだろうか?



『キースさん、そこを左じゃないですか?』


「えっと。ああ、こうか!」


 いかん。

 ゼータくんの指摘が無ければ、通り過ぎていたぞ?

 魔力同士が干渉しているからなのか、近くにあった扉の存在も確認し難い。

 マズいな。

 こんな有様では戦闘とか、大丈夫か?

 不安だ。

 かなり不安だ!

主人公 キース


種族 人間 男 種族Lv266

職業 サモンメンターLv155(召喚魔法導師)

ボーナスポイント残 48


セットスキル

小剣Lv213 剣Lv214 両手剣Lv211 両手槍Lv216

馬上槍Lv216 棍棒LvLv212 重棍Lv213 小刀Lv212

刀Lv210 大刀Lv209 手斧Lv210 両手斧Lv212

刺突剣Lv209 捕縄術Lv220 投槍Lv218

ポールウェポンLv218

杖Lv240 打撃Lv250 蹴りLv250 関節技Lv250

投げ技Lv250 回避Lv261(↑1)受けLv261(↑1)

召喚魔法Lv266 時空魔法Lv263 封印術Lv260

光魔法Lv257 風魔法Lv257 土魔法Lv257

水魔法Lv257 火魔法Lv257 闇魔法Lv257

氷魔法Lv257 雷魔法Lv258 木魔法Lv257

塵魔法Lv257 溶魔法Lv257 灼魔法Lv257

英霊召喚Lv7 禁呪Lv261

錬金術Lv219 薬師Lv59 ガラス工Lv55

木工Lv113 連携Lv221 鑑定Lv170 識別Lv237

看破Lv220 保護Lv90 耐寒Lv230

掴みLv229 馬術Lv230 精密操作Lv232(↑1)

ロープワークLv220 跳躍Lv234(↑1)軽業Lv240(↑1)

耐暑Lv221 登攀Lv218 平衡Lv228

二刀流Lv222 解体Lv167 水泳Lv220

潜水Lv220 投擲Lv230

ダッシュLv228(↑1)耐久走Lv227 追跡Lv227

隠蔽Lv225 気配察知Lv228 気配遮断Lv228

魔力察知Lv227 魔力遮断Lv227 暗殺術Lv229

身体強化Lv229(↑1)精神強化Lv229(↑1)高速詠唱Lv246

無音詠唱Lv245 詠唱破棄Lv249 武技強化Lv240

魔法効果拡大Lv230 魔法範囲拡大Lv230

呪文融合Lv230

耐石化Lv80e 耐睡眠Lv80e 耐麻痺Lv171

耐混乱Lv80e 耐暗闇Lv234 耐気絶Lv230(↑1)

耐魅了Lv80e 耐毒Lv80e 耐沈黙Lv225

耐即死Lv136 全耐性Lv169(↑1)

限界突破Lv129 獣魔化Lv135


召魔の森 ポータルガード

ジェリコ、リグ、テイラー、クーチュリエ、ペプチド

守屋、スーラジ、久重、テフラ、岩鉄、虎斑、蝶丸

網代、スパーク、クラック、オーロ、プラータ、ムレータ

酒船、コールサック、シュカブラ、シルフラ、葛切

スコヴィル、デミタス、白磁、マラカイト、十六夜

貴船、エジリオ、パイリン、エルミタージュ、ナーダム


海魔の島 ポータルガード

ナイアス、アプネア、アウターリーフ、バンドル

ロジット、プリプレグ、出水、エルニド、アチザリット

アモルファス、魂振、セノーテ、呼子、明石

ヴェルツァスカ、プリトヴィッチェ


召魔の森に駐留

翠玉竜、エルダードラゴン、他ドラゴン2編隊分


海魔の島に駐留

蒼玉竜、エルダードラゴン、他ドラゴン2編隊分


同行者

フィーナさん以下多数

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